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JP6140983B2 - 透過型ターゲット、x線発生ターゲット、x線発生管、x線x線発生装置、並びに、x線x線撮影装置 - Google Patents

透過型ターゲット、x線発生ターゲット、x線発生管、x線x線発生装置、並びに、x線x線撮影装置 Download PDF

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Description

本発明は、医療機器、非破壊検査装置等に適用可能な波長範囲1pm〜10nmに属するX線を放出する放射線発生装置に関する。特にターゲット層と、かかるターゲット層を支持するダイアモンド基材とを備える透過型ターゲットに関する。さらに、本発明は、該透過型ターゲットを備える放射線発生管に関し、さらには、該放射線発生管を備えた放射線発生装置に関し、さらには、該放射線発生装置を備えた放射線撮影装置に関する。
在宅医療体制の整備、救急医療の処置範囲拡大等の社会的な情勢の変化により、可搬性を備えた小型軽量な医療モダリティのニーズが高まってきている。近年、このようなニーズに応えるように、医療分野における分析診断技術の発展と相まって、様々な医療モダリティが開発されてきている。放射線発生装置を備えた放射線撮影装置は、従来、その装置規模から、病院、医療検査機関等に固定設置されるものが主流であった。固定設置された医療モダリティは、作動期間とメンテナンスを含む休止期間とを定期的に設定して利用する形態が従来とられていた。
このような放射線発生装置を備えた放射線撮影装置においても、耐久性を高め、省メンテナンス化が図られることにより、装置の稼働率を向上させ、在宅医療または、災害や事故等の救急医療に適用可能な医療モダリティとすることが求められている。
放射線発生装置の耐久性を決定する主たる要因の一つとして、X線等の放射線の発生源となるターゲットの耐久性が挙げられる。ターゲットは一般に積層構造をとるが、ターゲットの層間の「密着性」を長期間確保することが、ターゲットの耐久性を向上させる上で重要であることは、公知であった。
電子線をターゲットに照射して放射線を発生させる放射線発生装置において、ターゲットにおける「放射線発生効率」は1%未満であるため、ターゲットに投入されたエネルギーのほとんどが熱に変換される。ターゲットで発生した熱のターゲット外部への「放熱」が不十分な場合は、ターゲットを構成する材料の変性や、層構成間に生じる応力に起因した膜剥がれ等の「密着性」の問題が生じる場合があった。
「放射線発生効率」を高効率化する方法として、ターゲットを、重金属を含有する薄膜形態としたターゲット層と、放射線を透過するとともにターゲット層を支持する基材とから構成された透過型ターゲットとすることは公知である。特許文献1には、従来の回転陽極型の反射型ターゲットに対して、「放射線発生効率」を1.5倍以上増大させた回転陽極型の透過型ターゲットが開示されている。
ターゲットから外部への「放熱」を促進する方法として、透過型ターゲットのターゲット層を支持する基材に、ダイアモンドを適用することが公知である。特許文献2には、タングステンからなるターゲット層を支持する基材としてダイアモンドを使用することにより、放熱性を高め、微小焦点化を実現することが開示されている。ダイアモンドは、高い耐熱性と、高い熱伝導性を備えているとともに、高い放射線透過性を備えているため、透過型ターゲットの支持基材としては、好適な材料である。本願発明の透過型ターゲットにおいても、ターゲット層を支持する基材としてダイアモンドを適用した構成を採用している。
特表2009−545840号公報 特表2003−505845号公報 米国特許7359487号明細書
"Carbon self−diffusion in tungsten carbide"Buhsmer,C.P.,Crayton,P.H.J.Mater.Sci.1971 vol.6 page.981−988
特許文献2には、材料非開示の密着促進層を、ターゲット層とダイアモンド基材との間に配置して、ターゲット層とダイアモンド基材との密着性を向上することが開示されている。しかしながら、特許文献2に開示のような、密着促進層を備えた透過型ターゲットを適用した放射線発生装置において、駆動履歴に依存して、放射線放出特性が変動する場合があった。本発明者等の鋭意なる検討の結果、かかる放射線発生装置の放射線出力変動は、透過型ターゲットのターゲット層の組成の変化に由来するものであることが判った。より具体的には、ターゲット層を支持するダイアモンド基材由来の炭素が、ターゲット層中に拡散することで、ターゲット層の組成変化をもたらすことが、放射射線出力変動の原因となっていることを、本発明者等は見出した。
次に、本発明者等は、ターゲット層の組成変化を、炭素の輸送問題として拡散方程式を用いて解析した、その解析結果について説明する。
まず、計算モデルについて説明する。計算モデルは、ダイアモンド基材51上に純金属のタングステンからなるターゲット層52が形成された積層ターゲット90とした。この概略断面図を、図8(b)に示す。また、図8(c)は、図8(b)のダイアモンド基材51とターゲット層52との界面57からターゲット層52の上面58までの範囲54を切り出した部分拡大図であって、ダイアモンド基材51由来の炭素の到達位置56と、炭素の拡散距離Ld(t)とを示している。計算に当たって、駆動条件は、100秒経過毎に0.1秒間の曝射する1/1000の平均デューティ比のパルス駆動とし、入射電子の電流密度を制御することにより、典型的なターゲットの平均動作温度として、800℃、1000℃と設定した。
この結果得られた、透過型ターゲット90のターゲット層52中の炭素の拡散距離Ldの駆動時間依存性を、図8(a)に示す。図8(a)のグラフの縦軸は、ターゲット層52中に拡散した炭素の拡散距離Ldを、ターゲット層52とダイアモンド基材51との界面を基準として示したものである。また、図8(a)のグラフの横軸は、駆動時間(hour)と、累積の駆動回数(count)をそれぞれ、第一の横軸、第二の横軸として示したものである。
図8(a)の2本のプロットは、下から順に、800℃(破線)、1000℃(点線)の温度条件に対応している。いずれのプロットも、駆動時間tに対して0.5乗で増大しており、駆動時間の経過とともに、界面57からターゲット層52の上面58に向かって炭素が拡散していくことが読み取れる。
炭素の拡散距離Ldの試算にあたっては、拡散係数のアレニウス則D(T)=D0×exp(‐Qx/RT)と、拡散距離の定常解Ld(t)=2×(D(T)×t)0.5とに対して、非特許文献1に記載の拡散定数D0(m/sec)、拡散係数の活性化エネルギーQx(kJ/mol)を代入して求めた。但し、Tは、熱力学的温度(K)、tは駆動時間(sec)、Rは気体定数(kJ/K/mol)である。
非特許文献1には、炭化タングステン中の炭素の拡散現象の実測データに基づいて得られた、拡散定数D0(m/sec)および、拡散係数の活性化エネルギーQx(kJ/mol)について、それぞれ具体的に開示されている。D(T)、Ld(t)各々の代数的記述により、800℃以上1000℃以下の動作温度における、炭素の拡散距離Ldは、図8(a)の2本のプロットの間に位置することは明らかである。
次に、積層ターゲットが備えるターゲット層の層厚について説明する。反射型ターゲットのターゲット層の層厚は、1μm以上1mm以下の範囲を選択することが一般的である。反射型ターゲットのターゲット層の層厚の下限は、管電圧とターゲット層の層密度とから規定される電子侵入深さDpを考慮して決定される。また、反射型ターゲットのターゲット層の層厚の上限は、層厚方向および層面方向の熱伝達を考慮して決定される。
一方、透過型ターゲットの層厚は、1μm以上15μm以下の範囲を選択することが可能である。一般的には、1μm以上9μm以下の範囲透過型ターゲットの層厚の下限は、反射型ターゲットと同じ理由により決定される。一方、透過型ターゲットの層厚の上限は、熱伝達性に加えて、ターゲット層の放射線減衰率を考慮して決定され、反射型ターゲットのターゲット層の層厚より低層厚の範囲に制限される。
図8(a)のグラフからは、800℃〜1000℃の動作温度で、累計104回の曝射駆動させた場合には、炭素の拡散距離Ldは、7.9μm〜10.8μmとなることが読み取れる。
反射型ターゲットにおいては、例えば、100μm厚のターゲット層52を備えることにより、図8(d)に示すように、電子入射面58側より89.2μm〜92.1μm厚の範囲には炭素が到達しない距離Lrを、ターゲット層52の放射線放出面側(=電子入射面58側)に確保することが可能となる。この89.2μm〜92.1μmの距離Lrは、タングステンに対する100keVの入射電子の電子侵入深さDpである6μm〜7μm厚に対して充分大である。放射線発生に寄与するターゲット層52内の「放射線放出深さ」は、「電子侵入深さDp」よりさらに制限された距離であることは明らかであるので、反射型ターゲットにおいては、炭素の拡散の影響を受けない「放射線放出深さ」を、ターゲット層52内に確保することが可能となる。
一方、透過型ターゲットにおいては、透過型ターゲットが、8μmの厚のターゲット層52を備えたとしても、図8(e)に示すように、電子入射面58側からの「電子侵入深さDp」の範囲には、炭素が到達してしまう。より具体的には、ターゲット層52が14μm厚より低層厚である場合には、電子入射面58側からの「電子侵入深さDp」の範囲には、炭素が到達してしまう。このことは、放射線発生装置の駆動により、ターゲット層52の組成が変化することを意味する。
さらに、透過型ターゲットにおいて、ターゲット層52の支持基材51側から放出される放射線を利用する形態であるので、利用可能な放射線の前方への(すなわち、ターゲット層52支持面とは反対側面方向への)透過確率が大の領域は、電子侵入深さDpの深部側に対応する。この点においても、透過型ターゲットは、反射型ターゲットより、その放射線出力動作において炭素拡散の影響を受けやすい形態と言える。
以上、述べた通り、支持基材であるダイアモンド由来の炭素拡散と、ターゲット層自体の放射線減衰率とが、ターゲット層の層厚の決定において相反するという「透過型ターゲット固有」の課題があった。
なお、炭素の供給源がダイアモンド基材である積層構造を計算モデルとして説明したが、ダイアモンド基材とターゲット層との間に、金属の炭化物がサンドイッチされた状態でも、同様の課題が生じる。
そこで、本発明は、ダイアモンド基材を透過基材として備えた透過型ターゲットにおいて、「放射線発生効率」、「放熱性」が良好であるメリットを維持した上で、さらに、ターゲット層の駆動履歴に伴う組成変動を抑制した信頼性の高い透過型ターゲットを提供することを目的とする。さらに、本発明は、放射線出力の駆動時間履歴に伴う変動を抑制した信頼性の高い放射線発生装置、及び、放射線撮影装置を提供することを目的とする。
本発明の透過型ターゲットは、電子の照射によりX線を発生する金属炭化物を含有するターゲット層と、前記ターゲット層を支持するとともに炭素を含有する支持基材と、を備え、前記ターゲット層は、六方晶の炭化二モリブデン、立方晶の炭化一タンタル、六方晶の炭化一タングステンのうちの少なくともいずれかを含有することを特徴とする。
また、本発明のX線発生ターゲットは、電子の照射によりX線を発生する金属炭化物を含有するターゲット層と、前記ターゲット層を支持するとともに炭素を含有する支持基材と、を備え、前記ターゲット層の周縁が前記支持基材の周縁より離間し、前記ターゲット層の周縁から基材の周縁までを橋渡しする電極を備え、前記電極は、前記ターゲット層が含有する金属とは異なる金属の炭化物から構成されることを特徴とする。
本発明の透過型ターゲットは、高温となる動作履歴を受けた場合においても、ダイアモンド基材由来の炭素のターゲット層への拡散を抑制し、ターゲット層の組成変動が抑制される。この結果、ターゲット層から放射される放射線の出力または線質の変動を抑制することが可能となる。さらに、本発明の透過型ターゲットを備えた放射線発生管、該放射線発生管を備えた放射線発生装置、ならびに放射線撮影装置とすることにより、それぞれの、耐久性に係る信頼性を向上させることが可能となる。
本発明の透過型ターゲットの基本的な構成例(a)と、動作状態(b)を示す概略断面図 本発明の透過型ターゲットを備えた放射線発生管の構成例を示す概略断面図 本発明の放射線発生管を備えた放射線発生装置、放射線撮影装置の構成図 本発明の透過型ターゲットの製造方法の例(a)〜(c) 本発明の透過型ターゲットの層構成の変形例を備えた実施形態を示す説明図 実施例1に記載の透過型ターゲットのターゲット層が示すX線回折チャート(上側プロット)と、参考例の金属層が示すX線回折チャート(下側プロット) 実施例1および2に記載の放射線発生装置の放射線出力の安定性評価系の説明図 (a)炭素のタングステン内の拡散距離の駆動時間依存性、(b)(a)の計算モデル、(c)(b)の部分拡大図、(d)反射型ターゲットの炭素拡散距離の影響を示す説明図、(e)透過型ターゲットと炭素拡散距離の影響を示す説明図
以下図面を参照して、本発明のターゲット構造体、及びそれを備える放射線発生装置並びに放射線撮影装置について好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。但し、下記実施形態に記載されている構成の材質、寸法、形状、相対配置等は、特に記載がない限り、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
まず、図2を用いて、本発明の透過型ターゲットを適用可能な、放射線発生管の基本的な構成例について説明する。
本実施形態において、放射線発生管1は、ターゲット層42とダイアモンド基材41とを備える透過型ターゲット9と、ターゲット層42と離間するとともに対向するように電子放出部2を有した電子放出源3と、その内部空間13が減圧された外囲器6とを備えている。少なくとも電子放出部2と、ターゲット層42とは、内部空間13に収納されるか、または、内部空間13を臨むように外囲器6の内面に配置されるとともに、互いに対向して配置される。
電子放出源3は、外囲器6の外部に配置される不図示の駆動回路と電気的に接続される。電子放出源3は、かかる駆動回路との電気的な接続のための電流導入端子4を備える形態とすることが可能である。
また、電子放出源3は、不図示の導電性の材料からなる陰極部材と接続される。電子放出源3と陰極部材とから構成された構造をまとめたものが、本実施形態における放射線発生管1の陰極となる。陰極は、陰極電位に電位規定される。また、陰極部材は、外囲器6の内部に配置されても良いし、外囲器6の部分を構成する構造部材としても良い。
電子放出源3は、不図示の駆動回路により電気的に、その電子放出量を制御可能であれば良く、どのような形態の電子放出素子を電子放出部2として備えることも可能である。電子放出部2としては、Spindt型、SCE型、MIM型、CNT型等の冷陰極型電子放出素子を適用することも、フィラメント型、含侵型の熱陰極型電子放出素子を適用することも可能である。また、電子放出源3は、不図示の集束グリッドを備えることが可能である。
透過型ターゲット9は、外囲器6の外部に配置される不図示の陽極電位規定手段に電気的に接続される。本実施形態においては、透過型ターゲット9と陽極部材とから構成された構造をまとめたものが、放射線発生管1の陽極となる。
また、陽極部材は、陰極部材と同様にして、外囲器6の内部に配置されても良いし、外囲器6の部分を構成する構造部材としても良い。
外囲器6は、その内部空間13を真空減圧された真空容器として、放射線発生管1を構成する。外囲器6は、真空容器の外部と内部との差圧に耐えて構造を維持するための耐大気圧強度と、所定の真空度を維持するための気密性が備わった部材から構成されることが好ましい。
内部空間13の真空度は、電子放出源3の種類に応じて適宜選択することが可能であるが、1×10−4Pa〜1×10−8Paの範囲が、電子放出源3の高寿命化の観点から好ましい。電子放出源3の種類、または、必要とする真空度に応じて、外囲器6の内部または、内部空間に連通する空間に、不図示のゲッタを配置する形態とすることが可能である。
また、外囲器6は、電子放出部2とターゲット層42との間隔を規定する目的から、電子放出源3および、透過型ターゲット9が、それぞれ外囲器6に接続される実施形態とすることも可能である。本実施形態においては、外囲器6は、電子放出部2とターゲット層42との間に印加される高電圧を絶縁するための電気的絶縁性を備えた管状部材を備えることが望ましい。かかる管状部材は、セラミック、ガラス等の無機酸化物、無機窒化物または、無機硼化物等の絶縁性材料で構成することが可能である。
なお、陰極部材および陽極部材は、電位規定機能のために導電性材料から構成され、金属材料が適用可能である。また、陰極部材および陽極部材は、放射線発生管1の動作温度に鑑みた耐熱性の観点または、前述の絶縁性の管状部材との線膨張係数整合の観点から、金属材料を選択することが好ましく、例えば、コバール(KOVAR、CRS HOLDINGS,INC.米国商標、Ni‐Co−Fe系合金)、モネル(Special Metals Corporation、HUNTINGTON ALLOYS CORPORATIONの共有米国商標、Ni−Cu−Fe系合金)、ステンレス等の金属材料を用いることが可能である。
さらに、放射線発生管1は、図2に示すように、透過型ターゲット9から発生される放射線の放出方向を制限する遮蔽体7を備える形態とする、すなわち、放射線の発生源近傍に遮蔽体7を集約して配置した形態とすることにより、軽量な放射線発生装置を提供することが可能となる。遮蔽体7は、透過型ターゲット9に対して電子放出源3側に配置された後方遮蔽体40と、透過型ターゲット9に対して電子放出源3側とは反対外に位置する前方遮蔽体46とから構成することが可能である。
次に、本発明の透過型ターゲットを備えた放射線発生装置について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、放射線発生装置20は、放射線発生管1と電気的に接続された駆動回路15と、放射線発生管1を備えている。本実施形態においては、駆動回路15は、放射線発生管1の陽極と陰極とを電位規定する陽極電位規定手段と陰極電位規定手段と、電子放出源3から放出され電子線5の放出電子量を制御する電子銃駆動回路と、を備えている。さらに、放射線発生装置20は、放射線発生管1と、駆動回路15とを、その内部空間43に収納する収納容器16を備えた形態とすることが可能である。
収納容器16は、その内部空間43に、シリコーンオイル、パーフルオロオイル等の不図示の絶縁性液体14を充填した形態とすることが可能であり、このような形態とすることにより、放射線発生装置20の放熱性および、耐圧性を向上することが可能となる。
また、収納容器16は、透過型ターゲット9と対向する側に透過窓17を設けることにより、放射線発生装置20外部への効率的な放射線の放出が可能となる。
陽極電位規定手段は、陰極に対して数十kV〜200kV程度の正の加速電圧Vaを出力する電圧源を適用可能である。
陽極電位規定手段の陽極側出力電位は、被験者と陽極部材との接触の有無や距離等に応じて選択することが可能であり、具体的には、接地電位(陽極接地)、+1/2×Va(中点接地)、または、+Va(陰極接地)等とすることが可能である。
次に、本発明の放射線発生装置を備えた放射線撮影装置について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、本発明の放射線撮影装置60は、放射線発生装置20から放出され、被検体25を透過した放射線を検出する放射線検出器47と、を備えている。放射線撮装置60は、放射線発生装置20が備える駆動回路15を制御するとともに、放射線検出器47からの放射線画像を受信する制御ユニット50を、さらに備えた実施形態とすることも可能である。
制御ユニット50は、さらに、放射線検出器47を制御する機能、操作者に対して放射線撮影画像を表示する機能、操作者の操作入力を受ける機能、緊急停止指令に基づき放射線発生装置を停止する機能等の、少なくともいずれかを備えた形態とする事も可能である。
次に、本発明の特徴である透過型ターゲットの構造について、図1(a)、(b)の各図を用いて説明する。
透過型ターゲット9は、ターゲット金属を含有するターゲット層42と、ターゲット層42を支持するダイアモンド基材41とを備える。
ターゲット層42は、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)の群から少なく1種選択されたターゲット金属の金属炭化物を、その層厚方向に分布して、含有していることを特徴としている。第1の特徴は、ターゲット層42において、「炭化物として」ターゲット層42中に炭素が含有されていること」、第2の特徴は、金属炭化物に含まれる炭素が、「ターゲット層42の層厚方向に一様に」含有されていることである。
第1の特徴である「ターゲット層42が炭化物として炭素を含有する」ことの技術的意義について、以下に詳述する。
ダイアモンドは、強固なsp3結合および高い秩序を有する構造に由来した特異な特性を備えている。ダイアモンドが有する特異な特性のうち、高い耐熱性(融点1600℃以上)、高い熱伝導性(600〜2000W/m/K)、高い放射線透過性(軽元素、原子番号6)は、透過型ターゲットの支持基材として、特に優れた特長である。一方で、ダイアモンドは、溶融金属との濡れ性が低く、また、固体金属との線膨張係数に不整合があることから判るように、ターゲット金属との親和性が低い。ターゲット層42とダイアモンド基材41との密着性を確保することが、透過型ターゲット9の信頼性を向上するための課題であった。ターゲット層42が含有する炭素が、ターゲット層42とダイアモンド基材41との界面において、橋渡しの役割を担うことが期待される。
しかしながら、ダイアモンド以外の炭素同素体や炭化水素としての炭素化合物は、熱的に不安定であるため、ターゲット層42とダイアモンド基材41との密着性の役割を、透過型ターゲット9の動作温度において、持続的かつ安定して果たすことが難しい。
本発明のターゲット層42に含有されるモリブデン、タンタル、タングステンは、炭化物の標準生成自由エネルギーが負を呈する金属であり、それらの金属炭化物は熱的に安定である。炭化モリブデン、炭化タンタル、炭化タングステンは、それぞれ、高い融点(MoC:2692℃、TaC:3880℃、WC:2870℃)を有している。炭化モリブデン、炭化タンタル、炭化タングステンの少なくともいずれかからターゲット層42を構成することは、高い耐熱性を備えた透過型ターゲット9の実現に寄与する。
さらに、ターゲット層42が金属炭化物として炭素を含有することは、前述の金属炭化物は、結晶構造をとるので、格子密度由来の所定の空間密度で炭素原子が分布していることを意味する。かかるターゲット層42中に、所定の空間密度で炭素が含有されることにより、ターゲット層42とダイアモンド基材41との界面は、炭素―炭素の原子間結合に由来した強固な積層界面を形成することが可能となる。
次に、第2の特徴である「ターゲット層42の層厚方向に炭素が金属炭化物として一様に含有」されることの技術的意義について、以下に詳述する。
第2の特徴を備えることにより、放射線発生管1の動作時に、透過型ターゲット9が高温環境下におかれた場合においても、「ダイアモンド基材41からターゲット層42への炭素拡散」と、「ターゲット層42中の炭素拡散」とを抑制する作用を有し、ターゲット層42の組成変動を抑制する効果を発現する。
すなわち、第2の特徴により、透過型ターゲット9の放射線出力動作に先だって、予め、ターゲット層42の層厚方向に炭素が金属炭化物として一様に含有させることにより、ダイアモンド基材41とターゲット層42との「層間における炭素の濃度勾配を抑制」する作用が発現され、「ダイアモンド基材41からターゲット層42への炭素拡散」を抑制する効果をもたらす。
また、第2の特徴により、透過型ターゲット9が放射線出力動作に先だって、予め、ターゲット層42の層厚方向に炭素を金属炭化物として含有させておくことにより、ターゲット層42の「層内の炭素の濃度勾配を抑制」する作用が発現され、「ターゲット層42中の炭素拡散」を抑制する効果をもたらす。
以上のように、第1と第2の特徴を備えたターゲット層42とすることにより、ターゲット層42の組成を安定化させる効果をもたらす。透過型ターゲット42を備えた放射線発生管1、放射線発生装置20の出力動作を長期間に渡って安定化することが可能となる。この技術的意義は、ターゲット層42の層厚を炭素の拡散長Ldに比較して、十分大な層厚をとることが難しい透過型ターゲット9において、極めて重要な意味を有する。
なお、本発明の第2の特徴である、ターゲット層42の層厚方向に一様に炭素が含有されることは、ターゲット層42の層厚方向の任意の領域において、炭素が金属炭化物として含有されていることを意味する。
従って、ターゲット層42の層厚方向に一様に炭素が含有されることは、必ずしも、ターゲット層の層厚方向において一定の炭素濃度を有する形態に限定されない。他の実施形態としては、ターゲット層42の組成変動を抑制する効果を得られる範囲で、所定の炭素濃度分布を有する形態が含まれる。具体的には、ターゲット層42の層厚方向の90%範囲において、炭素濃度の最大と最小の原子濃度比が1桁以下を満たす形態は本発明の、他の実施形態として含まれる。
なお、ターゲット層42に含有されるモリブデン、タンタル、タングステンのいずれも、遷移金属に属するので、複数の炭化数を呈する炭化物結晶構造をとり得るが、いずれの金属も、1炭化物か0.5炭化物が、安定な結晶構造である。モリブデン、タンタル、タングステンは、それぞれ、六方晶の炭化二モリブデン(たんかにもりぶでん)、立方晶の炭化一タンタル(たんかいちたんたる)、六方晶の炭化一タングステン(たんかいちたんぐすてん)が熱的に最安定な構造である。
従って、モリブデンをターゲット金属として含有する場合は、ターゲット層42中の金属炭化物の濃度として、炭化二モリブデン濃度[MoC](atm%)>炭化一モリブデン濃度[MoC](atm%)であることがターゲット層の構造の変化を抑制する点で好ましい。従って、最安定構造である炭化二モリブデン(MoC)の単一層からターゲット層42を構成すれば、より一層耐熱性の良好な透過型ターゲットを提供することが可能となる。
同様にして、タンタルをターゲット金属として含有する場合は、ターゲット層42中の金属炭化物の濃度として、炭化一タンタル濃度[TaC](atm%)>炭化二タンタル濃度[TaC](atm%)であることが好ましい。従って、最安定構造である炭化一タンタル(TaC)の単一層からターゲット層42を構成すれば、より一層耐熱性の良好な透過型ターゲットを提供することが可能となる。
さらに、同様にして、タングステンをターゲット金属として含有する場合は、ターゲット層42中の金属炭化物の濃度として、炭化一タングステン濃度[WC](atm%)>炭化二タングステン濃度[WC](atm%)であることが好ましい。従って、最安定構造である炭化一タングステン(WC)の単一層からターゲット層42を構成すれば、より一層耐熱性の良好な透過型ターゲットを提供することが可能となる。
なお、ターゲット層42は、放射線発生管の管電圧Vaにより規定される電子侵入深さDpを基準として、Dpの1倍から1.5倍程度の層厚とすることにより、ダイアモンド基材41の電子損傷の抑制と、ターゲット層で発生した放射線の前方への透過性を両立することが可能となる。電子侵入深さDpの範囲は、透過型ターゲット9の発熱部となるので、このターゲット層42の表面から電子侵入深さDpまでの深さ領域に、金属炭化物が含有されていることが、ターゲット層42の耐熱性および組成変動抑制の観点から好ましい。
一般に、電子侵入深さDpは、入射エネルギーEp(eV)すなわち、管電圧Va(V)と、ターゲット層の密度とにより決定される。本願発明においては、1×10Vから1×10Vの範囲の入射エネルギーEp(=Va)で実測と良い一致を示す下記一般式1で電子侵入深さDp(m)を規定する。
Dp=6.67×10−10×Va1.6/ρ (式1)
但し、Vaは、管電圧(V)であり、ρは、前記ターゲット層の密度(kg/m)である。また、ターゲット層の密度の同定は、秤量と層厚測長により決定しても良いが、ラザフォード後方散乱分析法(RBS法)によって決定する方法が、薄膜の密度を測定する手法として好ましい。
具体的な、ターゲット層42の層厚としては、0.1マイクロメートルから数十マイクロメートルの層厚とすることにより、さらに、応力起因の層剥離を抑制することが可能となる点で好ましい。
また、ターゲット層42は、ターゲット金属および他の金属をそれぞれ含有した組成とすることも可能であるが、単一のターゲット金属の炭化物からなる単一組成とすることにより、図1(b)において、放出された放射線11に含まれる特性X線のスペクトルの先鋭化を図ることができる点で好ましい。ターゲット層42に含有される金属炭化物は、結晶構造をとるので、X線回折(XRD)、透過型電子顕微鏡(TEM)の高分解能像、電子線回折(ED)等によって、純金属のモリブデン、タンタル、タングステンとは、それぞれ異なる固有の結晶構造を呈する。
次に、本発明の透過型ターゲットが備えるダイアモンド基材について、図1(a)、(b)を用いて説明する。
ダイアモンド基材41の基材厚は、0.1mmから10mmとすることにより、基材面方向の熱伝導性と放射線透過性とを両立することが可能となる。また、ダイアモンド基材41は、単結晶ダイアモンド、多結晶ダイアモンドのいずれもでもよいが、熱伝導性の観点からは、単結晶ダイアモンドが好ましい形態である。さらに、ダイアモンド基材41は、窒素を、2ppmから800ppmの範囲で含有していることにより耐衝撃性が向上するので、本発明の透過型ターゲット9を適用可能な放射線発生装置の可搬性を向上可能な点で好ましい形態である。
次に、本発明の透過型ターゲット9を形成する方法について、図4の各図を用いて説明する。
透過型ターゲット9の第1の形成方法は、図4(a−1)、図4(a−2)に示すように、ダイアモンド基材41上に、金属炭化物層を成膜し、ターゲット層42とする方法である。かかる金属炭化物層の成膜方法としては、化学的気相成長法(CVD法)、物理的蒸着、溶射等を含む任意の膜形成手法を採用することが可能である。透過型ターゲット9の第2の形成方法は、図4(b−1)〜図4(b−4)に示すように、ダイアモンド基材41上に、金属層43を成膜し積層体を形成した後、かかる積層体を、減圧雰囲気、脱酸素雰囲気、または、不活性ガス雰囲気下で、1000℃以上2000℃以下の温度範囲で加熱する方法である。このような金属層形成工程と炭化工程とからなる方法により、ダイアモンド基材41由来の炭素を、金属層43に拡散させるとともに、金属層43に含有される金属を炭化させることが可能となる。前述の加熱温度は、1500℃以上2000℃以下の温度範囲とすることが炭化工程の短時間化の観点でより好ましい。
また、第1の形成方法および、第2の形成方法の変形例として、図4(c−1)〜図4(c−4)に示すように、熱物性温度が低い材料から構成される基板44上に、金属炭化物層42または金属層を形成した後に、CVD法等によりダイアモンド層41を形成した後に、基板44を選択的に除去する手法としても良い。基板44の熱物性温度は、融点または分解温度を採用し、これらが、ターゲット層42または、ダイアモンド基材41に対して、低いことで、本実施形態の透過型ターゲット形成手法を実現可能となる。
次に、図5(a)〜(c)を用いて、ターゲット層42を電位規定するための電位規定手段を備えた、本発明の透過型ターゲット9の変形例を説明する。
ターゲット層42は、電子放出部2との間で、数十kV〜200kV程度の高電圧を印加され、安定的に電位規定されることが耐電圧の観点から好ましい。図5(a)は、ダイアモンド基材41の一方の面の周縁61までの全域にターゲット層42が形成された実施形態である。本実施形態においては、不図示の陽極部材と、ターゲット層42の周縁62とが、不図示のろう材やメタライズ層を介して電気的に接続される。
図5(b)は、ダイアモンド基材41の一方の面の周縁61から所定の距離離間した外周62で囲まれた範囲に、ターゲット層42が形成された実施形態である。本実施形態においては、ターゲット層42は、ろう材や、メタライズ層に加えて、環状に形成した電極45を介して、不図示の陽極部材に電気的に接続される。
電極45は、ターゲット層42の下層として、ダイアモンド基材41の全面に形成されても良いし、図5(c)のように、ターゲット層42の外周62の一部において、ターゲット層42とダイアモンド基材41の周縁61とを橋渡しするように形成されも良い。
また、電極45は、ターゲット層42を電位規定するに足る導電性を有していれば、純金属だけでなく、金属窒化物、金属酸化物、金属炭化物から構成されていても良い。電極45を、ターゲット層42が含有するターゲット金属とは異なる金属元素の炭化物から構成される金属炭化物層とすることにより、ターゲット層42から電極45に炭素が拡散することを抑制し、ターゲット層42の組成変動をより一層抑制することが可能となる。
また、本願発明の透過型ターゲットは、ターゲット層とダイアモンド基材との間に、ターゲット層とは組成の異なる他の金属炭化物層を中間層として備えた形態としても良い。
次に、本願発明の透過型ターゲットを備える放射線発生装置を、以下に示す手順で作成し、かかる放射線発生装置を動作させ、出力安定性を評価した。
(実施例1)
本実施例で作成した透過型ターゲット9の概略図を図5(a)に示す。また、本実施例で作成した透過型ターゲット9の作成手順を図4(b−1)〜図4(b−4)に示す。また、本実施例の透過型ターゲット9のターゲット層42と、透過型ターゲット9の形成過程の金属層43との、それぞれのX線回折法の測定結果を図6に示す。さらに、本実施例で作成した透過型ターゲット9を備えた放射線発生管1を図2に示し、放射線発生管1を備えた放射線発生装置20を図3に示す。
まず、図4(b−1)に示すように、直径6mmで厚さ1mmの、単結晶ダイアモンドからなるダイアモンド基材41を準備し、次に、ダイアモンド基材41を、UVオゾンアッシャ装置にて、その表面の残留有機物を洗浄処理した。尚、用意した単結晶ダイアモンド基材は、窒素をダイアモンド中に50ppm含有していた。
次に、図4(b−2)に示すように、ダイアモンド基材41の一方の洗浄面に対して、キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、スパッタターゲットとしてタングステンの焼結体を用いて、タングステンからなる金属層43を5μmの層厚となるように、スパッタ成膜した。
この工程で得られたタングステンからなる金属層43に対して、X線回折法で層構造を評価したところ、回折角2θ=40.2度付近に純金属タングステン由来の(110)面を呈する回折ピークが認められた。このX線回折プロファイルを図6の下方に示す。
次に、図4(b−3)に示すように、イメージ炉内に、タングステン層43とダイアモンド基材41との積層体を搬送し真空減圧雰囲気にした。次に、イメージ炉を1600℃の温度まで加熱し、タングステン層43を炭化する処理を行い、ターゲット42を備えた透過型ターゲット9を作成した。
この工程で得られたターゲット層42に対して、X線回折分析で層構造を評価したところ、炭化一タングステン(WC)由来の複数の回折ピークが認められた。具体的には、回折角2θ=35.6度付近、および、48.3度付近に認められたメインピークとサブピークは、炭化一タングステン(WC)由来の(100)面と、(101)面とを示していた。このX線回折プロファイルを図6の上方に示す。
なお、X線回折分析に使用したX線は、銅(Cu)のKα線(8.05keV)であり、Kβ線は、ニッケル(Ni)フィルタで除去しておいた。
図6に示すように、熱処理前のダイアモンド基材41上の金属層43は、純金属タングステンと同定され、熱処理後のダイアモンド基材上のターゲット層42は、炭化一タングステン(たんかいちたんぐすてん、WC)と同定された。なお、図6の回折ピーク強度を示す縦軸は、任意単位である。
次に、得られた透過型ターゲット9の断面を、機械研磨とFIB加工処理により、ターゲット層42およびダイアモンド基材41の界面を含むようにした断面検体S1を準備した。準備した検体S1をX線電子分光法(XPS)により、組成と結合の分布状態をマッピングしたところ、ターゲット層42の層厚に対応してタングステンが一様に存在していることが観察され、ターゲット層42とダイアモンド基材41とに対応して炭素が一様に存在していることが観察された。また、前記検体S1と同様にして、FIB加工処理する事により、透過型電子線顕微鏡(TEM)観察用の検体S2を準備した。検体S2に対して、透過型電子線顕微鏡の高分解能像観察と、電子線回折分析(ED)と電子線分光分析(EDX)を組合せて、結晶性分布と結晶方位分布と組成分布をマッピングし、評価した。この結果、ターゲット層42に対応して、六方晶の炭化一タングステンに起因する結晶構造が、電子線回折と高分解能像とで確認された。
次に、得られた透過型ターゲット9を、不図示の電子銃を備えた不図示の真空チャンバーに配置し、電子放出源3から放出された集束電子ビーム5をターゲット層42に照射したところ、タングステンのKα線に由来する特性X線の放出が確認された。このとき、電子銃と透過型ターゲット9との間には100kVの電圧が印加されていた。
次に、本実施例で作成した透過型ターゲット9を、不図示のコバールからなる陽極部材に接続して陽極とした。次に、硼化ランラン(LaB)を電子放出部2として備えた含侵型電子銃からなる電子放出源3を、不図示のコバールからなる陰極部材と接続し陰極とした。さらに、アルミナからなる絶縁管の両開口のそれぞれに、銀ろうを用いて、陰極と陽極とをそれぞれ接続した。最後に、陽極と陰極と絶縁管に囲まれた容器の内部を、1×10−6Paまで真空排気した。このようにして、図2に示す放射線発生管1を作成した。さらに、放射線管1を用いて、図3に示す放射線発生装置20を作成し、さらにまた、放射線発生装置20の駆動安定性を評価する図7に示す評価系を準備した。
放射線発生装置20の駆動安定性評価における駆動条件は、電子放出部2に対して透過型ターゲット9に印加する加速電圧を+100kV、ターゲット層42に照射される電子電流密度を4mA/mm、電子照射時間と非照射時間とを交互に、それぞれ2秒、198秒のセットとして繰り返すパルス駆動とした。なお、放射線出力強度の安定性評価に際し、ターゲット層42から接地電極66に流れる電流を計測して、不図示の負帰還回路により、ターゲット層42に照射される電子電流密度を1%以内の変動値とするように制御した。さらに、放射線発生装置20の駆動評価中に、放電せずに安定的に駆動していることを、放電カウンタ67によって確認した。
放射線発生装置20の放射線出力強度の安定性評価は、電子放出源3を上記条件でパルス駆動し、100時間経過毎に、一旦、放射線発生装置の駆動を止めて放射線発生管1の全体が、室温と平衡温度となるまで1時間停止させて、放射線線量計26で放射線出力強度を測定した。放射線出力強度は、放射線線量計26より検出した信号強度の1秒間の平均値とした。安定性評価は、各経過時間後の放射線出力強度を、初期の放射線出力強度で規格化した変動率で評価した。これらの評価結果のうち、100時間、200時間、および、400時間経過時の変動率を表1に示す。
Figure 0006140983
本実施例の透過型ターゲット9を備えた放射線発生装置13は、長時間の駆動履歴を経た場合においても、安定した放射線出力強度が得られることが確認された。
さらに、前述の駆動試験後の放射線発生管1を取り出し、透過型ターゲット9を観察したところ、ターゲット層42とダイアモンド基材41との剥離は観察されなかった。
なお、本実施例のターゲット層42をRBS法にて、密度測定したところ、15.8×10(kg/m)であり、100keVの運動エネルギーを有する入射電子に対する侵入深さDpは、4.2×10−6(m)であった。従って、100kVの管電圧で動作する放射線発生管において、少なくともターゲット層42表面から電子侵入深さDpの範囲は、炭化一タングステン(たんかいちたんぐすてん)を主成分として含有する金属炭化物層となっていたことを確認した。
(実施例2)
図4(a−1)、図4(a−2)に記載の製造方法により透過型ターゲット9を作成したこと以外は、第1の実施例と同様にして、透過型ターゲット9、放射線発生管1、放射線発生装置20を作成した。さらに、実施例1の駆動評価系を用いて、第2の実施例の駆動安定性について評価した。
本実施例においては、ダイアモンド基材41上に、CVD法により、炭化一タングステン(たんかいちたんぐすてん、WC)からなるターゲット層42を6μmの厚さで作成した。本実施例で得られた透過型ターゲット9は、図5(a)の概略構成とした。
形成したターゲット層42を、実施例1と同様にして、X線回折分析で層構造を評価したところ、炭化一タングステン(WC)由来の複数の回折ピークが認められた。具体的には、回折角2θ=35.6度付近、および、48.3度付近に認められたメインピークとサブピークは、炭化一タングステン(WC)由来の(100)面と、(101)面とを示していた。 また、実施例1と同様にして、断面検体S3、S4を準備し、準備した検体S3をX線電子分光法(XPS)により、組成と結合の分布状態をマッピングしたところ、ターゲット層42に対応してタングステンが観察され、ターゲット層42とダイアモンド基材41とに対応して炭素が観察された。断面検体S4に対して、実施例1と同様にして、透過型電子線顕微鏡(TEM)の高分解能像観察と、電子線回折分析(ED)と電子線分光分析(EDX)を組合せて、結晶性分布と結晶方位分布と組成分布を評価した。得られた結晶方位のマッピングをした。この結果、ターゲット層42に対応して、六方晶の炭化一タングステン結晶に起因する結晶構造が、電子線回折と高分解能像とで確認された。
なお、本実施例のターゲット層をRBS法にて、密度測定したところ、15.9×10(kg/m)であり、100keVの運動エネルギーを有する入射電子に対する侵入深さDpは、4.2×10−6(m)であった。従って、100kVの管電圧で動作する放射線発生管1において、少なくともターゲット層42表面から電子侵入深さDpの範囲は、炭化一タングステン(たんかいちたんぐすてん)を主成分として含有する金属炭化物層となっていたことを確認した。
実施例1と同様にして、放射線発生装置20の放射線出力強度の安定性評価を行った。この結果を、表2に示す。
Figure 0006140983
本実施例の透過型ターゲット9を備えた放射線発生装置13は、長時間の駆動履歴を経た場合においても、安定した放射線出力強度が得られることが確認された。
さらに、前述の駆動試験後の放射線発生管1を取り出し、透過型ターゲット9を観察したところ、ターゲット層42とダイアモンド基材41との剥離は観察されなかった。
9 透過型ターゲット
41 ダイアモンド基材
42 ターゲット層

Claims (37)

  1. 電子の照射によりX線を発生する金属炭化物を含有するターゲット層と、前記ターゲット層を支持するとともに炭素を含有する支持基材と、を備え
    前記ターゲット層は、六方晶の炭化二モリブデン、立方晶の炭化一タンタル、六方晶の炭化一タングステンのうちの少なくともいずれかを含有することを特徴とする透過型ターゲット。
  2. 前記ターゲット層は電子の照射によりX線を発生するターゲット金属を含有していることを特徴とする請求項1に記載の透過型ターゲット。
  3. 前記ターゲット金属は、モリブデン、タンタル、タングステンの群から少なくとも1種選択された金属であることを特徴とする請求項2に記載の透過型ターゲット。
  4. 前記金属炭化物は、前記支持基材上に位置していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  5. 前記金属炭化物は、X線が発生する領域に位置していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  6. 前記金属炭化物は、前記ターゲット層の層厚方向に分布して含有されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  7. 前記金属炭化物は、前記ターゲット層の層厚方向において一様に含有されていることを特徴とする請求項6に記載の透過型ターゲット。
  8. 前記ターゲット層は、前記金属炭化物から構成される金属炭化物層であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  9. 前記ターゲット層は、炭化二タングステン、炭化一タングステンのそれぞれを、[WC]モル分率%、[WC]モル分率%、含有するとき、[WC]<[WC]であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  10. 前記ターゲット層は、炭化二モリブデン、炭化一モリブデンのそれぞれを、[MoC]モル分率%、[MoC]モル分率%、含有するとき、[MoC]>[MoC]であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  11. 前記ターゲット層は、炭化二タンタル、炭化一タンタルのそれぞれを、[TaC]モル分率%、[TaC]モル分率%、含有するとき、[TaC]<[TaC]であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  12. 前記ターゲット層の周縁が前記支持基材の周縁より離間し、前記ターゲット層の周縁から基材の周縁までを橋渡しする電極を備え、前記電極は、前記ターゲット層が含有する金属とは異なる金属の炭化物から構成されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  13. 前記支持基材は、ダイアモンド基材であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  14. 前記ダイアモンド基材は、多結晶ダイアモンドを含有していることを特徴とする請求項13に記載の透過型ターゲット。
  15. 前記ターゲット層と前記ダイアモンド基材とは、前記ターゲット層と前記ダイアモンド基材との界面を介して積層されていることを特徴とする請求項13または14に記載の透過型ターゲット。
  16. 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の透過型ターゲットと、
    前記ターゲット層と離間するとともに対向する電子放出部を備えた電子放出源と、
    少なくとも前記電子放出部と前記ターゲット層とを、その内部空間またはその内面に備える外囲器と、を備えていることを特徴とするX線発生管。
  17. 請求項16に記載のX線発生管と、
    前記ターゲット層と前記電子放出部とのそれぞれに電気的に接続され、前記ターゲット層と前記電子放出部との間に印加される管電圧を出力する駆動回路と、
    を備えるX線発生装置。
  18. 前記ターゲット層の前記電子放出部と対向する面から前記ターゲット層の層厚方向において、下記一般式1で規定される電子侵入深さDp(m)の範囲において、前記ターゲット層は、前記金属炭化物から構成されていることを特徴とする請求項17に記載のX線発生装置。
    Dp=6.67×10−10×Va1.6/ρ (式1)但し、Va(V)は、前記管電圧であり、ρは、前記ターゲット層の密度(kg/m)である。
  19. 請求項17または18に記載のX線発生装置と、前記X線発生装置から放出され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、を備えることを特徴とするX線撮影装置。
  20. 電子の照射によりX線を発生する金属炭化物を含有するターゲット層と、前記ターゲット層を支持するとともに炭素を含有する支持基材と、を備え
    前記ターゲット層の周縁が前記支持基材の周縁より離間し、前記ターゲット層の周縁から基材の周縁までを橋渡しする電極を備え、前記電極は、前記ターゲット層が含有する金属とは異なる金属の炭化物から構成されることを特徴とする透過型ターゲット。
  21. 前記ターゲット層は電子の照射によりX線を発生するターゲット金属を含有していることを特徴とする請求項20に記載の透過型ターゲット。
  22. 前記ターゲット金属は、モリブデン、タンタル、タングステンの群から少なくとも1種選択された金属であることを特徴とする請求項21に記載の透過型ターゲット。
  23. 前記金属炭化物は、前記支持基材上に位置していることを特徴とする請求項20乃至22のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  24. 前記金属炭化物は、X線が発生する領域に位置していることを特徴とする請求項20乃至23のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  25. 前記金属炭化物は、前記ターゲット層の層厚方向に分布して含有されていることを特徴とする請求項20乃至24のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  26. 前記金属炭化物は、前記ターゲット層の層厚方向において一様に含有されていることを特徴とする請求項25に記載の透過型ターゲット。
  27. 前記ターゲット層は、前記金属炭化物から構成される金属炭化物層であることを特徴とする請求項20乃至26のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  28. 前記ターゲット層は、炭化二タングステン、炭化一タングステンのそれぞれを、[WC]モル分率%、[WC]モル分率%、含有するとき、[WC]<[WC]であることを特徴とする請求項20乃至27のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  29. 前記ターゲット層は、炭化二モリブデン、炭化一モリブデンのそれぞれを、[MoC]モル分率%、[MoC]モル分率%、含有するとき、[MoC]>[MoC]であることを特徴とする請求項20乃至27のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  30. 前記ターゲット層は、炭化二タンタル、炭化一タンタルのそれぞれを、[TaC]モル分率%、[TaC]モル分率%、含有するとき、[TaC]<[TaC]であることを特徴とする請求項20乃至27のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  31. 前記支持基材は、ダイアモンド基材であることを特徴とする請求項20乃至30のいずれか1項に記載の透過型ターゲット。
  32. 前記ダイアモンド基材は、多結晶ダイアモンドを含有していることを特徴とする請求項31に記載の透過型ターゲット。
  33. 前記ターゲット層と前記ダイアモンド基材とは、前記ターゲット層と前記ダイアモンド基材との界面を介して積層されていることを特徴とする請求項31または32に記載の透過型ターゲット。
  34. 請求項20乃至33のいずれか1項に記載の透過型ターゲットと、
    前記ターゲット層と離間するとともに対向する電子放出部を備えた電子放出源と、
    少なくとも前記電子放出部と前記ターゲット層とを、その内部空間またはその内面に備える外囲器と、を備えていることを特徴とするX線発生管。
  35. 請求項34に記載のX線発生管と、
    前記ターゲット層と前記電子放出部とのそれぞれに電気的に接続され、前記ターゲット層と前記電子放出部との間に印加される管電圧を出力する駆動回路と、
    を備えるX線発生装置。
  36. 前記ターゲット層の前記電子放出部と対向する面から前記ターゲット層の層厚方向において、下記一般式1で規定される電子侵入深さDp(m)の範囲において、前記ターゲット層は、前記金属炭化物から構成されていることを特徴とする請求項35に記載のX線発生装置。
    Dp=6.67×10−10×Va1.6/ρ (式1)但し、Va(V)は、前記管電圧であり、ρは、前記ターゲット層の密度(kg/m)である。
  37. 請求項35または36に記載のX線発生装置と、前記X線発生装置から放出され被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、を備えることを特徴とするX線撮影装置。
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