JP6034171B2 - ロック装置 - Google Patents
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Description
また、ロック装置をロック機構部と電装品機構部との分割構造としたので、例えば室内側に電装品機構部を位置させ、室外側にロック機構部を位置させ、これらを、ロック装置の取付部(装置取付部)に貫設された孔(通し孔)を通じて連結する組み付けをとることが可能となる。よって、ロック装置の配置が室内外に亘る場合であっても、組付作業が簡単に済む。また、取り付け用の孔も小さくすることが可能となるので、防水性の確保にも効果が高くなる。
[充電システムの概要]
図1に示すように、例えばプラグインハイブリッド車等の車両には、外部電源(住宅、充電スタンド等)により車両のバッテリ(図示略)を充電可能な充電システムが搭載されている。この場合、車体1の側壁には、車体1の給電口2を開閉するリッド3が、上下方向に延びる軸部3a回りに回動可能に取り付けられている。軸部3aには、リッド3を開き側に付勢する例えばトーションばね等の付勢部材4が取り付けられている。給電口2のリッドボックス5の中央位置には、受電側のコネクタとなるインレット6が設けられている。インレット6には、略円筒状のインレット筐体7が設けられ、筒内部に端子部8が設けられている。なお、リッド3がロック対象物に相当し、リッドボックス5が装置取付部に相当する。
図1に示すように、給電口2には、リッド3のロックと充電ケーブル9のロックとの両方を1つの装置で実行可能なロック装置19が設けられている。即ち、本例のロック装置19は、1つのアクチュエータでリッドロック及び充電ケーブルロックの両方の動作を兼ねる一体型である。リッド3の裏面には、リッド3をロック装置19によってロックする際の係止箇所となるストライカ20が突設されている。ストライカ20の先端には、所定の溝深さを有する係止溝21が凹設されている。給電口2には、例えば押し操作式のトリガスイッチ22が設けられている。トリガスイッチ22は、例えばリッド3の開閉や、閉状態のリッド3の更に奥への押し込みなどを検出可能である。
図7に示すように、リッドボックス5の通し孔25には、この通し孔25において車内外をシールする防水機構52が設けられている。この場合、リッドボックス5及びロック機構部24の間には、通し孔25の開口周縁に沿うようにリング状をなすシール部材53が取り付けられている。シール部材53は、リッドボックス5の外面に設けられることにより、車外においてシール性を確保する。シール部材53は、ハウジング28の外面に突設されたフランジ54とリッドボックス5とによって挟み込まれるように取り付けられている。シール部材53は、発泡材、ゴム、Oリング等が使用される。
図9に示すように、ロック装置19には、動作がロック状態にあるとき、ロックピン29にアンロック方向に外力が加わっても、これを支持することによってロックの不正解除を防止する強度受け構造が設けられている。この場合、アクチュエータ機構部23のハウジング40には、ロック機構部24が嵌め込まれる開口部59の端縁に、爪形状からなる一対の強度受け部60が突設されている。強度受け部60は、アクチュエータ機構部23に形成された爪部61と、ロック機構部24に形成された係止凹部62とからなり、これらの強い係止により、ロック状態を保持する。
図10に示すように、ロック装置19には、閉状態のリッド3がロック状態にあるとき、この閉じたリッド3を非常解除することを可能とするリッドロック非常解除機構63が設けられている。これは、リッドロック時に仮にロックピン29が凍結して動かなくなっていると、ロックバー36をアンロック側に引いてもロックピン29がロック位置のまま動かず、リッドロックを解錠できないことになるので、これに対処するためである。ストライカ20の係止溝21の内面には、ロックピン29をアンロック側に持ち上げ可能な斜面部64が形成されている。
図4に示すように、ロック装置19には、ロック装置19のロック状態を手動により強制解除可能とするロック強制解除機構65が設けられている。これは、ロック装置19がロック状態のとき、例えばロックモータ39やモータ周囲の回路が故障するなどしてロックモータ39を動作できなくなってしまうと、ロックモータ39を駆動源とするアンロック切り替えができなくなるので、これに対処するためである。
[リッドアンロック動作]
図11に示すように、リッド3が閉状態のとき、ロックピン29がロック位置に位置していれば、ロックピン29がストライカ20の係止溝21に係止し、リッドロックがロック状態をとる。これにより、リッド3の開操作が不可となり、リッド3を第三者に開けられずに済む。ちなみに、閉状態のリッド3は、ロックピン29と係止溝21との間の隙間分、付勢部材4の付勢力に抗して奥に押し操作が可能である。
図12に示すように、リッドロックがアンロック状態のとき、リッド3が閉操作されると、ロックピン29の真下にストライカ20の係止溝21が位置する。このとき、リッドロックの開始条件が揃うと、ロックモータ39にロック方向の電流が所定時間流れ、ロックモータ39がロック方向に回転する。そして、回動ピース38がロック方向に回転し、ロックバー36及びリンク部材37が一体となってロック方向にスライド移動する。ロックバー36がロック方向にスライド移動すると、このスライド動作に伴ってロックピン29の押込斜面33を押し、ロックピン29を略90度交差する方向、つまりロック方向に移動させる。ロックバー36がロックピン29の頭部31の上に乗り上げると、ロックピン29がロック位置をとり、ロックピン29の先端がストライカ20の係止溝21に係止して、リッドロックがロック状態となる。よって、閉操作したリッド3を第三者等に開けられずに済む。
図13に示すように、リッド3が開状態のとき、ロックピン29はアンロック位置をとるので、充電ケーブル9をインレット6に接続する前の充電ケーブルロックはアンロック状態をとる。よって、給電プラグ11をインレット6に挿し込むことにより、充電ケーブル9をインレット6に接続することが可能である。給電プラグ11をインレット6に最も奥まで挿し込んだ際には、ロックアーム13の爪部14がインレット6の係止突17に引っ掛かる状態をとる。
図14に示すように、充電ケーブルロックがロック状態のとき、充電ケーブルアンロックの開始条件が揃うと、ロックモータ39にアンロック方向の電流が所定時間流れ、ロックモータ39がアンロック方向に回転する。このとき、回動ピース38、リンク部材37及びロックバー36がリッドアンロック時と同様の動きをとり、ロックバー36がロックピン29から退避し、付勢部材34の付勢力によりロックピン29がアンロック方向にスライド移動する。ロックピン29がアンロック位置に移動すると、ロックピン29の先端がロックアーム13の爪部14から離間し、充電ケーブルロックがアンロック状態となる。よって、ロックアーム13を開き側に回動操作することが可能となり、充電ケーブル9をインレット6から引き抜くことが可能となる。
図15に示すように、リッド3を閉じたときや、充電ケーブル9をインレット6に接続したとき、ロックアーム13やリッド3が係止先にしっかりと係止しない状態、いわゆる半嵌合状態(図15は、ロックアーム13の半嵌合の例を図示)をとってしまうことも想定される。半嵌合状態下でロック装置19がロック動作をとると、ロックモータ39のロック方向の回転により、リンク部材37及びロックバー36がロック方向にスライド移動しようとするが、ロックバー36はロックピン29に動きが止められているので、ロックバー36は動かず、リンク部材37のみがロック方向に移動する。
図9に示すように、充電ケーブルロックがロック状態のとき、例えば第三者が充電ケーブル9をインレット6から無理に取り外そうとして、ロックアーム13を開き側に回動操作することも想定される。このとき、ロックアーム13からロックピン29にかかる外力がロックバー36を介してアクチュエータ機構部23のハウジング40にかかることになるが、この外力は強度受け部60で支持される。よって、ロックアーム13からロックピン29に無理な外力が加わっても、ハウジング28,40の組み付けが保証され、不正なロック解除が防止される。
図10に示すように、例えば冬期、ロックピン29がロック位置で凍結して、アンロック側にスライド移動できない状況になる場合がある。このとき、充電ケーブルロックのロック下でロックピン29が凍結したのであれば、ロックアーム13を開き側に回し操作することにより、ロックピン29に付着する氷を割って、ロックピン29をアンロック側に移動させるので何ら問題はない。
(1)ロックモータ39によってロック位置/アンロック位置に切り替えられる1つのロックピン29を、充電ケーブルロック及びリッドロックの両方の共用部品とした。よって、ロックピン29及びロックモータ39の組を充電ケーブルロック及びリッドロックの各々に設ける必要がないので、ロック装置19の構造を簡素化することができる。
・電子キーシステムは、例えばワイヤレスキーシステムや近距離無線通信システムなどでもよい。ワイヤレスキーシステムは、電子キーからの通信を契機に狭域無線によりキー認証を行うシステムである。また、近距離無線通信システムは、近距離無線(通信距離:数cm〜十数cm)で双方向により認証を行うシステムであり、例えばイモビライザーシステムやNFC(Near Field Communication)システムなどがある。
・プラグ接続検出部18は、インレット6側に配設されたスイッチやセンサでもよい。また、プラグ接続検出部18は、有接点又は無接点のいずれでもよい。
・リッドロック時のロックピン29の係止先は、ストライカ20以外の箇所としてもよい。
・アクチュエータ機構部23は、水滴付着から保護したい電気部品(基板、CPU、モータ等の少なくとも1部品)が搭載されているものであればよい。
・強度受け部60は、ロック状態のロックピン29にかかるアンロック方向の外力を受けることが可能であれば、ロック装置19内の種々の壁や係止部分を利用して形成可能である。
・ロック装置19は、インレット6と共締めされることでリッドボックス5に取り付けられることに限らず、インレット6とは関係なく、個別にリッドボックス5に取り付けられてもよい。
・ロック装置19は、ロック/アンロックの切り替えをユーザが手作業で行う手動式でもよい。
・ロック装置19は、充電ケーブルロック専用でもよいし、又はリッドロック専用でもよい。また、ロック装置19は、広義として給電口2に配設されるものであればよい。
・ロック装置19は、ロックピン29をロック/アンロックの各方向に動かすことができれば、他の構造に適宜変更可能である。よって、ロック部材は、スライド移動するピンに限定されず、例えば回動する円柱状の部材に切り欠きを形成したものでもよい。この場合、きりかきのない箇所でロックアーム13を固定し、切り欠きの部分でロックアーム13の回動を許容する。また、ロック装置19は、ロックピン29をロックモータ39や手動で直に動作させる型でもよい。
・ロック装置19は、車載用に限らず、他の機器や装置に適用可能である。
(イ)ロック装置において、前記ロック部材に当接又は離間することにより当該ロック部材のロック又はアンロックを切り替える伝達部材と当該ロック部材との間に付勢部材が設けられ、前記ロック部材がロック状態に切り替わる際、ロック部材が正式なロック位置の手前で止まってしまっても、前記付勢部材の縮みにより前記伝達部材のロック方向への動きを許容し、手前で止まってしまった前記ロック部材を前記付勢部材の付勢力により正規のロック位置に移動可能とする吸収機構を備えた。この構成によれば、例えばロック対象物がその取り付け先に半嵌合する状態となっても、半嵌合を解消すれば、ロック部材を正規のロック位置に移行させることが可能となる。
Claims (4)
- ロック及びアンロックの切り替えに関わるロック部材を、給電口に関係するロック対象物に対して固定又は非固定とすることにより、前記ロック対象物を取り外し不能にロック又は取り外し可能にアンロックするロック装置において、
1つの前記ロック部材を複数のロック対象物であるリッド及び充電ケーブルのいずれにも係止可能とすることにより、当該ロック部材を複数の前記ロック対象物に対する共用部品とし、
前記ロック部材が配設されたロック機構部と、電装品が配設された電装品機構部とに分けられた分割構造をとるとともに、室内側及び室外側から分割して取り付けられる前記ロック機構部と前記電装品機構部が、装置取付部に貫設された通し孔を通じて連結されている
ことを特徴とするロック装置。 - 前記装置取付部に貫設された前記通し孔に通されるとともに、室内外に亘って配設された取付構造をとり、
前記通し孔の周縁に室内外を遮蔽するシール部材が設けられ、当該シール部材をそのシール面に押し付ける保持部材が設けられた防水機構を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載のロック装置。 - ロック時に、前記ロック部材にアンロック方向の力がかけられても、この力を爪部と係止凹部との嵌合形状により受けて、ロック状態を保持する強度受け部が設けられている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロック装置。 - 閉状態の前記リッドを奥に押し込み操作可能とし、前記リッドにおいて前記ロック部材の係止先となるストライカに形成された係止溝の内面に斜面部を設け、前記リッドを押し込み操作した際、ロック位置の前記ロック部材を前記斜面部でアンロック方向に強制的に押し上げることにより、リッドロックを解除可能とするリッドロック非常解除機構を備えた
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のロック装置。
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