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JP6029005B2 - 流体浄化装置 - Google Patents

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JP6029005B2 JP2013004583A JP2013004583A JP6029005B2 JP 6029005 B2 JP6029005 B2 JP 6029005B2 JP 2013004583 A JP2013004583 A JP 2013004583A JP 2013004583 A JP2013004583 A JP 2013004583A JP 6029005 B2 JP6029005 B2 JP 6029005B2
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Description

本発明は、自らの内部に収容している浄化対象流体と酸化剤とを加圧及び加熱しながら浄化対象流体中の有機物を酸化反応によって分解するための反応槽を備える流体浄化装置に関するものである。
この種の流体浄化装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この流体浄化装置は、浄化対象流体たる浄化対象水と酸化剤たる空気とを反応槽の中で加熱及び加圧して、浄化対象水の水分を超臨界水にする。超臨界水は、液体と気体との中間の性質を帯びた状態の水であり、その状態は、温度が水の臨界温度を超えるとともに圧力が水の臨界圧力を超えることによって起こる。反応槽の中においては、超臨界水の中で有機物が一瞬のうちに酸化分解される。
このように浄化対象水と空気とを高温高圧下でそれぞれ超臨界の状態にして浄化対象水中の有機物を酸化分解する構成では、活性汚泥による生物処理では不可能であった高濃度有機溶剤廃水を良好に浄化することができる。また、活性汚泥による生物処理では不可能であったプラスチック微粒子含有廃水や難分解性有機物含有廃水なども、良好に浄化することができる。
かかる流体浄化装置における反応槽としては、特許文献1に記載の圧力バランス型反応槽を用いるのが一般的である。この圧力バランス型反応槽900は、図1に示されるように、円筒状の外筒体901と、これの内側に配設された円筒状の内筒体902とを具備する二重筒構造になっている。外筒体901は、高圧に耐えるように十分に厚みのあるステンレス材からなるものである。また、内筒体902は、ニッケル合金などの高耐食性金属からなるものである。内筒体902内では、有機物の酸化分解に伴って硫酸や塩酸が発生することから、内筒体902の材料として鉄やステンレスなどの一般的な金属を使用すると、内筒体902をごく短時間のうちに腐食させてしまう。このため、内筒体902の材料として、ニッケル合金などの高耐食性金属を使用しているのである。
圧力バランス型反応槽900内において、酸化剤としての空気は次のように移動する。即ち、空気は、外筒体901の下蓋に設けられた送気管903を経由して外筒体901と内筒体902との間の筒間空間に圧送された後、その筒間空間内を下側から上側に向けて移動して外筒体901の上蓋の付近に至る。そして、内筒体902の上端壁に設けられた貫通口902aと、この貫通口902aに挿入された流入管904との間の間隙を通って内筒体902内に流入した後、浄化対象水と混合されて、内筒体902内を上側から下側に向けて移動する。
外筒体901と内筒体902との間の筒間空間と、内筒体902とは互いに連通していることから、筒間空間の内圧と、内筒体902の内圧とはほぼ同じになる。このため、内筒体902の内外に圧力差をほとんど発生させることなく、内筒体902内の混合流体に大きな圧力をかけることができる。これにより、高価な高耐食性金属からなる内筒体902を厚みの小さな非耐圧仕様のものにして、低コスト化を図ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の流体浄化装置では、圧力バランス型反応槽900から排出される浄化済みの水を受け入れて搬送する浄化水搬送管905を内圧によって破裂させるおそれがある。具体的には、圧力バランス型反応槽900の端部から延びている浄化水搬送管905は、内筒体902と一体形成されたものであり、内筒体902と同様に高価なニッケル合金等からなることから、肉薄なものになっている。この浄化水搬送管905と、圧力バランス型反応槽900の中の内筒体902とは互いに連通していることから、浄化水搬送管905は内筒体902と同様に内圧が非常に高くなっている。にもかかわらず、浄化水搬送管905は、内筒体902とは異なり、高圧ガスで覆われていないことから、内圧によって大きな負荷がかかってすぐに破裂するおそれがあるのである。このような破裂の発生を防止して長寿命化を実現するために、高耐食性金属からなる浄化水搬送管905を高圧に耐え得る肉厚なものにすると、コストアップを引き起こしてしまう。
そこで、本発明者らは、次のような新規な流体浄化装置を開発中である。即ち、浄化水搬送管として、外管とこれに内包される内管とを具備する二重管構造のものであって、内管を肉薄の高耐食性金属で構成するとともに、外管を肉厚の耐圧性金属で構成にしたものを用いる。そして、外管と内管との間に圧力バランス用の水などといった加圧用流体を圧送する。かかる構成によれば、バランス型反応槽と同様に、浄化水搬送管の内管と外管との間に加圧用流体を介在させて内管の内圧とのバランスをとることで、高価な耐食性金属からなる内管を肉厚なものにすることなく、浄化水搬送管の長寿命化を実現することができる。よって、浄化水搬送管の長寿命化を安価に実現することができる。
ところが、この開発中の流体浄化装置においては、次のような新たな問題を引き起こすおそれがあった。即ち、バランス型反応槽の内筒体(例えば図1の902)からは、浄化済みの水とともに、酸素、窒素、二酸化炭素などが排出される。これらは何れも高温高圧の超臨界の状態になっているが、最終的には、気液分離器によって液体状態の浄化済みの水と、気体状態の酸素、窒素、二酸化炭素などとに分離する必要がある。そして、その分離を迅速に行うためには、浄化水反応槽905の中において浄化済みの水や酸素などを含む流体を冷却しておくことが望ましい。そのために、二重管構造の浄化水搬送管を外側から冷却すると、浄化水搬送管の内筒の中でそれまで超臨界の状態で存在していた浄化済みの水、硫酸、塩酸がそれぞれ液体の状態になる。すると、硫酸や塩酸の元素が液体の水中でイオンとして存在するようになることから、それらの酸が強い腐食性を発揮するようになる。そして、高耐食性金属からなる内管であってもそれを徐々に腐食させていき、やがて内管にスルーホールや亀裂を発生させる可能性がある。内管にスルーホールや亀裂が発生すると、硫酸や塩酸が内管と外管との間に漏れだして、耐食性に劣る外管を急速に腐食させる。これにより、肉厚で耐圧性に優れた外管であるにもかかわらず、その外管を破裂させてしまうおそれがあることがわかった。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような流体浄化装置を提供することである。即ち、浄化処理の高速化と、浄化流体搬送管の長寿命化とを低コストで実現しつつ、浄化流体搬送管の破裂の発生を未然に防止することができる流体浄化装置である。
上記目的を達成するために、本発明は、自らの内部に収容している浄化対象流体と酸化剤とを加圧及び加熱しながら浄化対象流体中の有機物を酸化反応によって分解するための反応槽と、前記反応槽から排出される浄化済みの流体を受け入れて搬送する浄化流体搬送管とを有する流体浄化装置において、前記浄化流体搬送管を少なくとも内管とこれを内包する外管とを具備する多重管構造にして、前記反応槽から排出される浄化済み流体を前記内管内に受け入れさせるようにするとともに、前記内管と前記外管との管間空間に前記内管を外側から加圧するための加圧用流体を圧送する加圧用流体圧送手段と、前記内管内の浄化済み流体を冷却する冷却手段と、前記内管の腐食損傷箇所を介した前記内管内から前記管間空間内への浄化済み流体の漏洩を検知する漏洩検知手段と、前記漏洩検知手段によって浄化済み流体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段と、前記反応槽内の浄化対象流体及び酸化剤を加熱する加熱手段と、前記内管の中に冷却用流体を圧送する冷却用流体圧送手段と、前記反応槽に向けて浄化前の浄化対象流体を圧送する浄化前流体圧送手段と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記浄化前流体圧送手段による浄化対象流体の圧送を停止させ、前記加熱手段による加熱を停止させ、且つ前記冷却用流体圧送手段による冷却用流体の圧送を開始させる処理を実施する制御手段とを設けたことを特徴とするものである。
本発明においては、浄化流体搬送管における内管の中の浄化済み流体を冷却手段によって冷却することで、その後に浄化済み流体と二酸化炭素等のガスとを分離するための気液分離処理を容易にして浄化処理の高速化を図ることができる。
また、本発明においては、浄化流体搬送管の内管と外管とのうち、高価な耐食性金属を用いる必要がある内管については、内管と外管との間の加圧用流体によって内管の外側から圧力をかけることで、その厚みを肉厚にすることなく内圧による破裂の発生を抑える。また、高価な耐食性金属を用いる必要がない外管については、その厚みを大きくして高耐圧仕様にすることで、内圧による破裂の発生を抑えることが可能である。かかる構成により、浄化流体搬送管の長寿命化を低コストで実現することができる。
また、本発明において、浄化流体搬送管の内筒が内管内で元素をイオン化させた硫酸や塩酸の強い腐食性によって徐々に腐食して損傷し、その損傷箇所を介して内筒体内の流体が内筒体と外筒体との間の筒間空間に漏洩したとする。すると、その漏洩が漏洩検知手段によって検知されて警報が発せられる。この警報により、流体浄化装置を停止させたり、浄化流体搬送管の内管と外管との間に介在している酸を含む加圧用流体を除去したり、内管を交換したりする作業を作業員などに促すことで、酸を浄化流体搬送管の外管に接触させてしまう時間の短縮化を図る。これにより、浄化流体搬送管の外管の破裂を未然に防止することができる。
特許文献1に記載の圧力バランス型反応槽を示す断面図。 参考形態に係る流体浄化装置を示す概略構成図。 同流体浄化装置の給送二重管を示す縦断面図。 同流体浄化装置の反応槽と浄化流体搬送管とを示す縦断面図。 実施形態に係る流体浄化装置のプログラマブルシーケンサーによって実施される緊急措置処理の各工程を示すフローチャート。
以下、本発明を適用した流体浄化装置の一実施形態について説明する前に、本発明を理解する上で参考になる参考形態に係る流体浄化装置について説明する
まず、参考形態に係る流体浄化装置の基本的な構成について説明する。図2は、参考形態に係る流体浄化装置を示す概略構成図である。参考形態に係る流体浄化装置は、原水タンク1、攪拌機2、原水供給ポンプ3、原水圧力計4、原水出口弁5、酸化剤圧送ポンプ6、酸化剤圧力計7、酸化剤出口弁8、熱交換器9、熱媒体タンク10、熱交換ポンプ11、出口圧力計12などを備えている。また、出口弁13、給送二重管15、浄化流体搬送管16、反応槽20、反応槽ヒーター23、反応槽温度計24、原水タンク弁30、清水タンク31、清水タンク弁32、予備加熱ヒーター33、熱媒体弁34なども備えている。また、第1均圧水タンク47、第1均圧水タンク弁48、第1均圧水ポンプ49、第1均圧水弁50、第1均圧水圧力計45、第1圧力調整弁46、第2均圧水タンク35なども備えている。また、第2均圧水タンク弁36、第2均圧水ポンプ37なども備えている。更には、第2均圧水弁38、均圧水冷却装置39、第2均圧水圧力計40、第2圧力調整弁41、漏洩検知センサー42、図示しない制御部なども備えている。
制御部は、漏電ブレーカー、マグネットスイッチ、サーマルリレーなどの組み合わせからなる給電回路を、駆動系機器の分だけ有している。そして、プログラマブルシーケンサーからの制御信号によってそれら駆動系機器の給電回路のマグネットスイッチを個別にオンオフすることで、それら駆動系機器に対する電源のオンオフを個別に制御する。
原水圧力計4、酸化剤圧力計7、出口圧力計12、第1均圧水圧力計45、第2均圧水圧力計40はそれぞれ、圧力の検知結果に応じた値の電圧を出力する。また、反応槽温度計24は、反応槽20における後述の内筒の先端側領域の温度を検知してその検知結果に応じた電圧を出力する。また、漏洩検知センサー42は、後述する浄化流体搬送管16の内管からの流体の漏洩を検知して、その検知信号を出力する。それらの測定機器から出力される電圧は、それぞれ図示しないA/Dコンバーターによって個別にデジタルデータに変換された後、センシングデータとしてプログラマブルシーケンサーに入力される。プログラマブルシーケンサーは、それらのセンシングデータに基づいて、各種の機器の駆動を制御する。
原水タンク1には、分子量の比較的大きな有機物を含む廃水が未処理の状態で貯留されている。廃水は、有機溶剤廃水、製紙工程で生ずる製紙廃水、及びトナー製造工程で生ずるトナー製造廃水のうち、少なくとも何れか1つからなるものである。製紙廃水やトナー製造廃水には、難分解性の有機物が含まれている可能性がある。
攪拌機2は、浄化対象流体としての廃水を撹拌することで、廃水中に含まれる浮遊物質(Suspended solids)を均等に分散せしめて、有機物濃度の均一化を図っている。廃水を圧送するための高圧ポンプからなる原水供給ポンプ3には、原水タンク弁30を介して原水タンク1が接続されている。また、清水タンク弁32を介して清水タンク31も接続されている。原水タンク弁30や清水タンク弁32は、モータバルブからなり、制御部からの指令によって弁を自動で開閉することができる。通常運転時には、清水タンク弁32が閉じられているとともに、原水タンク弁30が開かれている。これにより、原水供給ポンプ3が原水タンク1内の廃水を吸引して、後述する給送二重管15に向けて圧送する。
原水供給ポンプ3の吐出管に接続されている原水出口弁5は、逆止弁の役割を担っており、原水供給ポンプ3から圧送されてくる廃水について、原水供給ポンプ3側から後述する給送二重管15側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
コンプレッサーからなる酸化剤圧送ポンプ6は、酸化剤として取り込んだ空気を、廃水の流入圧力と同程度の圧力まで圧縮しながら、酸化剤出口弁8を介して給送二重管15に送り込む。酸化剤出口弁8は、逆止弁の役割を担っており、酸化剤圧送ポンプ6から圧送されてくる空気について、酸化剤圧送ポンプ6側から給送二重管15側への流れを許容する一方で、逆方向の流れを阻止する。
給送二重管15は、図3に示されるように、外管15aとこれの内側に配設された内管15bとからなる二重管構造になっている。そして、原水供給ポンプ(図2の3)から圧送されてくる廃水Wを内管15bと外管15aとの間の空間に受け入れて、後述する反応槽(図2の20)の中に流入させる。また、酸化剤圧送ポンプ(図2の6)から圧送されてくる空気を内管15b内に受け入れて、後述する反応槽の中に流入させる。
図2において、原水供給ポンプ3の駆動による廃水の流入圧力は、原水出口弁5よりも上流側に配設された原水圧力計4によって検知されて、センシングデータとして制御部のプログラマブルシーケンサーに入力される。原水供給ポンプ3が駆動しているときの廃水の流入圧力と、反応槽20内の圧力とは、ほぼ同じになる。
酸化剤圧送ポンプ6の駆動による空気の流入圧力は、酸化剤出口弁8よりも上流側に配設された酸化剤圧力計7によって検知されて、センシングデータとして制御部のプログラマブルシーケンサーに入力される。酸化剤圧力計7が駆動しているときの空気の流入圧力と、反応槽20内の圧力とは、ほぼ同じになる。
酸化剤圧送ポンプ6の駆動による空気の圧送量は、廃水中の有機物を完全に酸化させるのに必要となる化学量論的な酸素量に基づいて決定されている。詳しくは、廃水のCOD(Chemical Oxygen Demand)、全窒素(TN)、全リン(TP)など、廃水W中の有機物濃度、窒素濃度、リン濃度などに基づいて、有機物の完全酸化に必要な酸素量が算出され、その結果に基づいて空気の圧送量が設定されている。
空気の流入量の設定は作業員によって行われるが、廃水W中に含まれる有機物の種類が経時で安定しており、濁度、光透過度、電気伝導度、比重などの物性と、前述の酸素量との相関関係が比較的良好である場合には、次のようにしてもよい。即ち、その物性をセンサー等で検知した結果に基づいて、前述の制御範囲を自動で補正する処理を実施するように、プログラマブルシーケンサーを構成してもよい。
酸化剤としては、空気の他、酸素ガス、オゾンガス、過酸化水素水の何れか1つ、あるいは、それらの2種類以上を混合したもの、を用いることも可能である。
給送二重管15の外面には、給送二重管15内の空気Aや廃水Wを予備加熱するための予備加熱ヒーター33が取り付けられている。給送二重管15内の空気Aや廃水Wは予備加熱ヒーター33によって予備加熱された後に、反応槽20内に圧送される。
図4は、反応槽20と浄化流体搬送管16とを示す縦断面図である。反応槽20は、外筒21と、これの内側に配設された内筒22とからなる二重筒構造を具備している。給送二重管15と、反応槽20の外筒21における図中左側の端部とは、入口カップリング17によって連結されている。そして、反応槽20内においては、給送二重管15が反応槽20の内筒22と連通しているが、内筒22と外筒21との間の筒間空間には連通しないようになっている。
内筒22は、酸に強いチタン(Ti)からなる筒である。チタンからなるものに代えて、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、Pd、Zr、V、Ni、Co、Moからなるものを用いてもよい。また、Ti、Ta、Au、Pt、Ir、Rh、Pd、Zr、V、Ni、Co及びMoのうち、少なくとも何れか1つを含む合金からなるものを用いてもよい。また、セラミックや石英ガラスからなるものを用いてもよい。
外筒21は、ステンレス(SUS304、SUS316)、インコネル625、ニッケル合金など、強度に優れた金属材からなる筒である。反応槽20の内部の圧力は、0.5〜30MPa、望ましくは5〜30MPaという高圧に制御される。このような高圧に耐え得るように、外筒21の厚みは肉厚になっている。これに対し、内筒22は、耐圧性よりも耐食性が求められることから、優れた耐食性を発揮するチタンが材料として採用されている。
給送二重管15の内管15bと外管15aとの間の空間内で反応槽20に向けて圧送される廃水Wや、給送二重管15の内管15b内で反応槽20に向けて圧送される空気Aは、反応槽20の内筒22内における図中左側端部に流入する。そして、廃水Aと空気Aとは互いに混合して混合流体になりながら、内筒22内を図中左側から右側に向けて移動する。
反応槽20の外筒21には、均圧水流入部21aや、均圧水排出部21bが形成されている。均圧水流入部21aは、外部から送られてくる均圧水を反応槽20の内筒22と外筒21との間の筒間空間内に受け入れるためのものである。また、均圧水排出部22bは、前述の筒間空間内から反応槽20の外に均圧水を排出するためのものである。
図2において、第1均圧水ポンプ49は、第1均圧水タンク47内に貯留されている清水からなる均圧水や、反応槽20の内筒と外筒との間の筒間空間から排出された均圧水を吸引して、反応槽20の筒間空間に圧送するものである。圧送された均圧水は、逆止弁からなる第1均圧水弁50を経由した後、反応槽20の筒間空間内に流入する。
反応槽20の筒間空間を筒長手方向に沿って流れる均圧水は、やがて、筒間空間から排出されて反応槽20の外に出る。そして、第1圧力調整弁46を経由した後、第1均圧水ポンプ49に再び吸引されて、反応槽20の筒間空間内に戻る。
通常運転時には、第1均圧水タンク47と第1均圧水ポンプ49との間に介在している第1均圧水タンク弁48が閉じられている。プログラマブルシーケンサーは、第1均圧水圧力計45によって検知される均圧水の圧力が所定の第2閾値よりも高く、且つ第1閾値よりも低くなった場合には、圧力が第1閾値よりも高くなるまでモータバルブからなる第1均圧水タンク弁48を開く。これにより、反応槽20の筒間空間や第1均圧水ポンプ49などからなる均圧水循環経路に一定量の均圧水が補充されるようにする。
図4において、反応槽20の内筒22内では、廃水W中の有機物が分解されるのに伴って、有機塩化物のクロロ基に由来する塩酸や、アミノ酸等のスルホニル基に由来する硫酸が発生して、内筒22の内壁を強い酸性下におくことがある。このため、内筒22には、耐食性に優れたチタンからなる筒が採用されているのである。但し、チタンは非常に高価な材料であるため、内筒22の厚みを高圧に耐え得る値まで大きくすると、非常にコスト高になってしまう。そこで、内筒22の外側に外筒21を配設し、チタンよりも安価なステンレス等からなる外筒21によって必要な耐圧性を発揮させるようにしている。内筒22と外筒21との間の筒間空間における均圧水の圧力については、内筒22内の混合流体の圧力と同じ値に維持するか、あるいは混合流体の圧力に近い値に維持することが望ましい。均圧水の圧力と内筒22内の混合流体の圧力との差を許容範囲内に維持するのであれば、均圧水の圧力を混合流体の圧力よりも高くしても低くしてもよい。
内筒22内の混合流体に加える圧力としては、0.5〜30MPa(望ましくは5〜30MPa)の範囲を例示することができる。内筒22内の圧力は、出口弁(図2の13)によって調整される。背圧弁からなる出口弁は、内筒22内の圧力が所定の閾値よりも高くなると、自動で弁を開いて後述する浄化流体搬送管16の内管の中から混合流体を外部に排出することで、内筒22内や内管内の圧力を閾値付近に維持する。
内筒22内の混合流体は、高圧であることに加えて、高温になっている。その温度は、100〜700℃、望ましくは200〜550℃である。流体浄化装置の運転が開始されるときには、内筒22内の廃水Wと空気Aとの混合流体は、圧力がかけられているが、温度はそれほど高くなっていない。そこで、運転開始時には、プログラマブルシーケンサーが反応槽ヒーター(図3の23)を発熱させて、内筒22内の混合流体の温度を200〜700℃まで昇温させる。
反応槽ヒーターをオンにすると、その熱が外筒21と、筒間空間内の均圧水と、内筒22とを介して、内筒22内の混合流体に伝わる。運転開始時には、筒間空間内の均圧水に一定の圧力をかけた状態で、第1均圧水ポンプ(図2の49)を停止させて均圧水の循環搬送を停止させる。このため、外筒21から筒間空間内の均圧水に伝わった熱が効率良く、内筒22と、内筒22内の混合流体とに伝わる。
内筒22内の廃水W中で有機物の酸化分解が開始されると、その酸化分解に伴って熱が発生する。廃水Wが有機物を高濃度に含むものである場合、多量の有機物が酸化分解される際の多量の発熱だけで、内筒22内の廃水Wや空気Aが所望の温度まで昇温することもある。この場合、装置の立ち上げ時のみ、反応槽ヒーター(23)による加熱を行い、酸化分解が開始された後には、反応槽ヒーター(23)に対する電源をオフにすることができる。そこで、プログラマブルシーケンサーは、反応槽温度計(24)による検知結果が所望の温度以上になった場合には、反応槽ヒーター(23)をオフにする。
内筒22内には、触媒25が投入されている。この触媒25は、内筒22内における有機物の酸化分解を促進するものである。触媒25としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Fe、Cu、Zn、Ni、Co、Ce、Ti、MnおよびCのうち、少なくとも何れか1つの元素を含むものを用いることが望ましい。内筒22を図中左側から右側に向けて移動する混合流体の中では、有機物の酸化分解が急速に進行していく。そして、内筒22の図中右側端部付近まで移動した混合流体(W+A)は、有機物や無機化合物がほぼ完全に酸化分解された状態になっている。
なお、内筒22内の温度及び圧力の条件として、次のような条件を採用してもよい。即ち、温度=200℃以上(望ましくは374.2℃以上)、且つ、圧力=21.8MPa未満(望ましくは10MPa以上)の比較的高圧の条件である。かかる条件では、内筒22内で混合流体中の廃水が過熱水蒸気(過熱蒸気状態)になる。加熱水蒸気にする場合にも、有機物の酸化分解を効率良く行うことができる。
反応槽20の内筒22の中で浄化された浄化済み流体は、反応槽20の内筒22に連通している浄化流体搬送管16を経由した後、樹脂製管55に至る。浄化流体搬送管16では、浄化済み流体が熱交換器(図2の9)によって冷却されることから、浄化流体搬送管16から浄化済み流体を受け入れる樹脂製管55は温度に耐えることが可能である。但し、耐圧性の樹脂である必要がある。なお、浄化流体搬送管16の詳しい説明については、後述する。
樹脂製管55には、図2に示される出口圧力計12や出口弁13が接続されている。出口弁13を通過した浄化済み流体は、急激に減圧されながら図示しない気液分離器によって浄化水とガスとに分離され、浄化水は図示しない処理水タンクに貯留される。また、ガスは大気中に放出される。
浄化水は、活性汚泥による生物処理では除去し切れないフェノールなどの難分解性の有機物もほぼ完全に酸化分解されたものであるため、浮遊物質や有機物は殆ど含まれていない。酸化できない無機物が含まれているだけである。そのままの状態でも、用途によっては工業用水として再利用することが可能である。また、限外濾過膜による濾過処理を施せば、LSI洗浄液などに転用することも可能である。気液分離器によって分離されたガスは、二酸化炭素、窒素、及び酸素ガスを主成分とするものである。
図4において、浄化流体搬送管16は、内管16aとこれを内包する外管16bとからなる二重管構造になっている。内管16aは、反応槽20の内筒22と一体形成されたものであり、内筒22と継ぎ目無く繋がって連通している。そして、反応槽20の内筒22から排出される浄化済み流体を自らの内部に受け入れて、図中左側から右側に向けて送る。
浄化流体搬送管16の外管16bには、均圧水流入部16cや、均圧水排出部16dが形成されている。均圧水流入部16cは、外部から送られてくる均圧水を内管16aと外管16bとの間の管間空間内に受け入れるためのものである。また、均圧水排出部16dは、前述の筒間空間内から浄化流体搬送管16の外に均圧水を排出するためのものである。
図2において、第2均圧水ポンプ37は、第2均圧水タンク35内に貯留されている均圧水や、浄化流体搬送管16の内管(16a)と外管(16b)との間の管間空間から排出された均圧水を吸引して、浄化流体搬送管16の管間空間に圧送するものである。圧送された均圧水は、逆止弁からなる第2均圧水弁38を経由した後、浄化流体搬送管16の管間空間内に流入する。
浄化流体搬送管16の管間空間を管長手方向に沿って流れる均圧水は、やがて、外管(16b)の均圧水排出部(16d)から排出されて浄化流体搬送管16の外に出る。そして、均圧水冷却装置39と第2圧力調整弁41とを経由した後、加圧用流体圧送手段としての第2均圧水ポンプ37に再び吸引されて、浄化流体搬送管16の管間空間内に戻る。
通常運転時には、第2均圧水タンク35と第2均圧水ポンプ37との間に介在している第2均圧水タンク弁36が閉じられている。プログラマブルシーケンサーは、第2均圧水圧力計40によって検知される均圧水の圧力が所定の第2閾値よりも高く、且つ第1閾値よりも低くなった場合には、圧力が第1閾値よりも高くなるまでモータバルブからなる第2均圧水タンク弁36を開く。これにより、浄化流体搬送管16の管間空間や第2均圧水ポンプ37などからなる均圧水循環経路に一定量の均圧水が流れるようにする。
なお、図2において、通常運転時には、浄化流体搬送管16から排出された均圧水を冷却する均圧水冷却装置39は停止している。このため、浄化流体搬送管16から排出された均圧水は、均圧水冷却装置39内を素通りするだけで、冷却されることなく、浄化流体搬送管16の管間空間内に再送される。
浄化流体搬送管16の外壁には、熱交換器9が装着されている。熱交換器9の本体は、浄化流体搬送管16の外壁を覆う外管で構成され、外管と浄化流体搬送管16の外壁との間の空間を水などの熱交換流体で満たしている。そして、冷却手段としての熱交換器9は、浄化流体搬送管16の外壁と熱交換流体との熱交換を行う。反応槽20の運転時には、非常に高温の浄化済み流体が浄化流体搬送管16の内管16a内に流れる。浄化済み流体の熱は、内管16aと、管間空間内の均圧水と、外管16bとを介して熱交換器(9)内の熱交換流体に移動する。これにより、内管16a内の浄化済み流体が冷却される。熱交換器(9)内における熱交換流体の搬送方向は、いわゆる向流型の熱交換を行うように、浄化流体搬送管16内の浄化済み流体の搬送方向とは逆方向になっている。
図2において、熱交換器9を通過して熱せられた熱交換流体は、発電施設に送られる。発電施設では、熱せられたことによって圧力を高めている熱交換流体を液体から気体の状態にするときに発生する気流によってタービンを回転させることで発電が行われる。
出口弁13の近傍には、上述した樹脂製管の温度を検知する図示しない出口温度計が設けられている。制御部のプログラマブルシーケンサーは、出口温度計による検知結果を所定の上限温度以下にするように、熱交換ポンプ11の駆動を制御する。具体的には、出口温度計による検知結果が所定の上限温度に達したときには、熱交換ポンプ11の駆動量を増加して熱交換器9への熱交換流体の供給量を増やすことで、熱交換器9による冷却機能を高める。これにより、液体を上限温度以下の温度にした状態で、熱交換器9に流入させるようにする。
また、熱交換器9の近傍には、熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度を検知する図示しない熱交換温度計が設けられている。熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度は、所定の下限温度以上であることが望ましい。そこで、制御部のプログラマブルシーケンサーは、熱交換温度計による検知結果を所定の下限温度以下にするように、熱交換ポンプ11の駆動を制御する。
具体的には、熱交換温度計による検知結果が所定の下限温度まで低下したときには、熱交換ポンプ11の駆動量を減少させて熱交換器9への熱交換流体の供給量を低下させる。これにより、熱交換器9を通った直後の熱交換流体の温度を上昇させるようにする。但し、出口温度計による検知結果に基づく熱交換ポンプ11の駆動量の調整が、熱交換温度計による検知結果に基づく熱交換ポンプ11の駆動量の調整よりも優先して行われる。このため、出口温度計による検知結果が所定の上限温度以上になっており、且つ、熱交換温度計による検知結果が所定の下限温度以下になっている場合には、前者の検知結果による駆動量の調整が優先されて、駆動量が増やされる。
かかる構成では、浄化流体搬送管16における内管(16a)の中の浄化済み流体を熱交換器9によって冷却することで、その後に浄化済み流体と二酸化炭素等のガスとを分離するための気液分離処理を容易にして浄化処理の高速化を図ることができる。また、浄化流体搬送管16の内管(16a)と外管(1b)とのうち、高価なチタンからなる内管については、内管と外管との間の均圧水によって内管の外側から圧力をかけることで、その厚みを肉厚にすることなく内圧による破裂の発生を抑える。一方、高価な耐食性金属を用いる必要がない外管については、その厚みを大きくして高耐圧仕様にすることで、内圧による破裂の発生を抑えることが可能である。よって、高価な耐食性金属からなる単管構造の浄化流体搬送管を肉厚にして高耐圧仕様にする場合よりも低コストで内圧による浄化流体搬送管16の破裂の発生を抑えることができる。
しかしながら、本発明者らの実験により、かかる構成の浄化流体搬送管16では、内管(16a)を高耐食性のチタンによって構成しているにもかかわらず、内管の内壁に部分的な腐食を発生させるという新たな問題を引き起こしてしまうことがわかった。そして、この部分的な腐食は、次のような理由によって発生していることが判明した。即ち、水、塩酸、硫酸などは常温では液体の状態であるが、反応槽20の中では超臨界あるいは加熱蒸気の状態になる。誘電率の低い超臨界や加熱蒸気の状態では、液体を構成する各種の元素がイオンとして存在しないことから、塩酸や硫酸であっても、それほど強い腐食性を発揮しない。このため、反応槽20の内筒(22)の内壁が塩酸や硫酸によって短期間のうちに腐食してしまうことはない。ところが、浄化流体搬送管16の中では、浄化処理の高速化のために冷却された塩酸や硫酸が液体の状態になって、それらの酸を構成する元素が液体の状態の水中でイオンとして存在するようになることから、それらの酸が強い腐食性を発揮するようになる。このため、浄化流体搬送管16では、内管(16a)をチタンで構成しているにもかかわらず、その内壁に部分的な腐食を発生させてしまうのである。
二重管構造になっている浄化水搬送管16では、既に述べたように内管(16a)には大きな圧力がかからないことから、内管に部分的な腐食が発生しても内管が破裂するようなことはない。ところが、部分的な腐食が進行して内管にスルーホールや亀裂などが発生すると、内管の中の硫酸や塩酸が内管と外管との間の管間空間に漏れだして、耐食性に劣る外管を急速に腐食させてしまう。そして、急速な腐食によって外管にスルーホールや亀裂などが発生すると、高温高圧の加圧水が外管の外に激しく噴出させてしまうおそれがある。
そこで、参考形態に係る流体浄化装置では、浄化流体搬送管16の内管(16a)内から管間空間への浄化済み流体の漏洩をいち早く検知するための手段を設けている。具体的には、第2均圧水ポンプ37は、既に述べたように、均圧水を浄化流体搬送管16の管間空間内に圧送するものである。圧送された均圧水は、浄化流体搬送管16の管間空間を移動した後、管間空間を出て第2圧力調整弁41を通過する。その後、再び第2均圧水ポンプ37に吸引される前の均圧水は、漏洩検知センサー42によってその所定の特性が検知される。実施形態に係る流体浄化装置においては、漏洩検知センサー42として、電気伝導率を検知する電気伝導率計からなるものを用いている。
図4において、長期間の運転に伴って内管16aの腐食が徐々に進行していき、内管16aに部分的な損傷(スルーホールや亀裂)が発生したとする。すると、内管16a内の浄化済み流体の一部が、その損傷箇所を通って内管16aと外管16bとの間の管間空間に進入する。浄化済み流体には、上述したように、液体状態の硫酸や塩酸が混じっていることがある。管間空間に進入した浄化済み流体中の硫酸や塩酸が外管16bに触れると、ステンレス等からなる外管16bが急激に腐食してしまう。
但し、参考形態に係る流体浄化装置では、その腐食に先立って、内管16a内から管間空間内への浄化済み流体の漏洩を検知することが可能である。具体的には、均圧水は、通常であれば清水だけからなるので、電気伝導率は極めて低い値になっている。この均圧水に硫酸や塩酸が混入すると、図2に示される漏洩検知センサー42によって検知される電気伝導率が急に高くなる。これにより、内管(16a)内から管間空間への浄化済み流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知される電気伝導率が所定の閾値よりも高くなったことに基づいて、漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、警報を発信する。より詳しくは、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させる。この点灯により、内管(16a)内からの浄化済み流体の漏洩が発生したことを知った作業者は、流体浄化装置を停止させたり、内管(16a)と外管(16b)との間の管間空間から硫酸や塩酸を含む均圧水を除去したりする。これにより、硫酸や塩酸を含む均圧水を接触させることによる外管(16b)の損傷の発生を低減して、浄化流体搬送管16の外管の腐食損傷箇所から高温高圧の流体を噴出させてしまう可能性を低減することができる。なお、漏洩検知センサー42に用いる電気伝導度計としては、東亜DKK(株)社製のCM−30Rを例示することができる。
反応槽20や浄化流体搬送管16を水平方向に延在させる横置きの姿勢で配設した例について説明したが、鉛直方向に延在させる縦置きの姿勢で配設してもよい。また、水平方向や鉛直方向からそれぞれ傾斜させた傾斜姿勢で配設してもい。縦置きの姿勢や傾斜姿勢において、上方から下方に混合流体を流してもよいし、重力に逆らって混合流体を下方から上方に流してもよい。
また、熱交換器9を冷却手段として設けた例について説明したが、熱交換器9を設けずに、均圧水冷却装置39を冷却手段として用いてもよい。この場合、装置の運転中には、漏洩が検知されなくても均圧水冷却装置39を作動させるようにする。
次に、参考形態に係る流体浄化装置の一部の構成を他の構成に置き換えた各参考例の流体浄化装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各参考例に係る流体浄化装置の構成は、参考形態と同様である。
参考例1]
参考例1に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、pH計からなるものを用いている。かかるpH計としては、日機装(株)社製の9794型を例示することができる。
浄化流体搬送管16の内管(16a)に腐食による損傷が発生して内管(16a)内の浄化済み流体が管間空間に漏洩すると、均圧水中に硫酸や塩酸が混じるようになる。均圧水は、通常であれば清水だけからなるので、pHは7付近の値になっている。この均圧水に硫酸や塩酸が混入すると、漏洩検知センサー42によって検知されるpHが急に低くなる。これにより、内管(16a)から管間空間への混合流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知されるpHが所定の閾値よりも低くなったことに基づいて、浄化済み流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
参考例2]
参考例2に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、吸光度計からなるものを用いている。浄化流体搬送管16の内管(16a)に腐食による損傷が発生して内筒(内管16a)内の浄化済み流体が管間空間に漏洩すると、均圧水中に無機固形物が混じるようになる。この無機固形物は、廃水Wに由来するものである。均圧水は、通常であれば清水だけであり透明度が高いので、漏洩検知センサー42によって検知される吸光度は非常に低い値になっている。この均圧水に無機固形物が混入すると、漏洩検知センサー42によって検知される吸光度が急に高くなる。これにより、内管(16a)から管間空間への浄化済み流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知される吸光度が所定の閾値よりも高くなったことに基づいて、浄化済み流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
参考例3]
参考例3に係る流体浄化装置では、漏洩検知センサー42として、ICP(誘導結合プラズマ:Inductively Coupled Plasma)発光分析装置からなるものを用いている。ICP発光分析装置は、被検液体中に含まれる元素の組成を分析するものである。浄化流体搬送管16の内管(16a)に腐食による損傷が発生して内管(16a)内の浄化済み流体が管間空間に漏洩すると、均圧水中に微量のチタンが混入するようになる。内管(16a)を構成しているチタンが硫酸や塩酸によって浄化済み流体中に溶解されて均圧水中に流れ出るからである。
均圧水は、通常であれば清水だけでありチタンを全く含んでいない。内管(16a)のチタンが浄化済み流体中に溶け出してそれが均圧水に混入すると、漏洩検知センサー42によってチタンが検知されるようになる。これにより、内管(16a)から管間空間への浄化済み流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によってチタンが検出されたことに基づいて、浄化済み流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
参考例4]
参考例4に係る流体浄化装置では、漏洩を検知するための専用の漏洩検知センサー42を設けていない。その代わりに、第2均圧水圧力計40を漏洩検知センサーとして兼用している。
また、参考例4に係る流体浄化装置においては、浄化流体搬送管16の内管(16a)と外管(16b)との間の管間空間内における均圧水の圧力を、内管内における浄化済み流体の圧力よりも少し高めに維持するようになっている。このために、均圧水に関連する上述した第1閾値を、内管内における浄化済み流体の圧力目標値よりも少し高めの値に設定している。
腐食による損傷が内管(16a)に発生して管間空間と内管とが損傷箇所で連通すると、圧力のより高い管間空間から内筒に多くの均圧水が流れ込み始める。内管内に流れ込んだ均圧水は、やがて内管から上述した樹脂製管に排出される。このようにして均圧水が排出されるようになると、第2均圧水圧力計40によって検知される圧力が急激に低下する。
上述したように、第2均圧水圧力計40によって検知される圧力が第1閾値を下回ると、第2均圧水タンク弁36が開かれて、均圧水の循環経路内に均圧水が補充されるようになる。しかしながら、内管(16a)に損傷が発生して均圧水が内管内に流れ出すようになると、均圧水の循環経路内に補充される均圧水の量よりも、管間空間から内管内に流れ出る均圧水の量が多くなる。このため、第2均圧水圧力計40によって検知される圧力が低下し続けて、やがて第1閾値よりも低い所定の第2閾値を下回るようになる。これにより、内管から管間空間への浄化済み流体の漏洩が検知される。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知される圧力が所定の第2閾値よりも低くなったことに基づいて、浄化済み流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
参考例5]
参考例5に係る流体浄化装置では、変形例4に係る流体浄化装置と同様に、浄化流体搬送管16の内管と外管との間の管間空間内における均圧水の圧力を、内管内における浄化済み流体の圧力よりも少し高めに維持するようになっている。また、漏洩検知センサー42として、流量計からなるものを用いている。参考例4で述べたように、腐食による損傷が内管に発生して内管と外管との間の管間空間と、内管とが損傷箇所で連通すると、圧力のより高い管間空間から内管内に多くの均圧水が流れ込み始める。そして、第2均圧水タンク35から均圧水の循環経路内に補充される均圧水の量よりも、管間空間から内管内に流れ出る均圧水の量が多くなる。これにより、循環経路内における均圧水の流量が急激に低下する。
プログラマブルシーケンサーは、漏洩検知センサー42によって検知される流量度が所定の閾値よりも少なくなったことに基づいて、浄化済み流体の漏洩が発生したことを把握する。そして、漏洩が発生した場合には、制御盤の漏洩発生警報ランプを点灯させて警報を発信する。
次に、参考形態や各参考例に係る流体浄化装置に、より特徴的な構成を付加した実施形態の流体浄化装置について説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施形態に係る流体浄化装置の構成は、参考形態や各参考例と同様である。
流体浄化装置において、反応槽20の大きさは、流体浄化装置が設置される施設から排出される廃水の量や、流体浄化装置の1日あたりの運転時間などに基づいて決定される。1日あたりの運転時間が短くなるほど、単位時間あたりに処理しなければならない廃水の量が多くなるので、反応槽20を大きくする必要がある。コストの観点からすれば、夜間も運転して1日あたりの運転時間をできるだけ長くすることが望ましい。
ところが、夜間は作業員が不在になる。このため、内管(16a)の損傷による浄化済み流体の管間空間への漏洩が夜間に発生すると、管間空間内に漏洩した浄化済み流体を管間空間から除去する作業が翌朝まで行われずに、外管(16b)の腐食を大きく進行させてしまうおそれがある。
そこで、実施形態に係る流体浄化装置においても、参考例4に係る流体浄化装置と同様に、内管(16a)と外管(16b)の間の管間空間内における均圧水の圧力を、内管内における浄化済み流体の圧力よりも少し高めに維持するようになっている。そして、実施形態に係る流体浄化装置では、内管から管間空間への浄化済み流体の漏洩が検知された場合に、管間空間から浄化済み流体を除去する工程を、プログラマブルシーケンサーの制御によって自動で行うようになっている。図5は、内管(16a)から管間空間への浄化済み流体の漏洩が検知された場合にプログラマブルシーケンサーによって実施される緊急措置処理の各工程を示すフローチャートである。
管間空間への浄化済み流体の漏洩が検知されたことに基づいて緊急措置処理を開始したプログラマブルシーケンサーは、まず、原水タンク弁30を閉じた後(ステップ1:以下、ステップをSと記す)、清水タンク弁32を開く(S2)。これにより、原水供給ポンプ3によって反応槽20の内筒内に圧送される流体を、廃水Wから清水に切り替える。この切り替えにより、反応槽20内での有機物の酸化分解反応を停止させても、浄化されていない廃水を排出してしまうことがなくなる。
次に、プログラマブルシーケンサーは、酸化剤圧送ポンプ6を停止させる(S3)ことで、反応槽20内への空気の圧送を停止させる。この停止により、やがて反応槽20の内筒内の酸素がなくなって、内筒内での有機物の酸化分解反応が停止する。
プログラマブルシーケンサーは、酸化剤圧送ポンプ6を停止させると、次に、予備加熱ヒーター33及び反応槽ヒーター23をそれぞれ強制停止させる(S4)。これにより、ヒーターによる加熱で反応槽20内の混合流体や均圧水を昇温せしめてしまうことが回避される。
ヒーターの強制停止によって外部からの加熱を停止させたプログラマブルシーケンサーは、次に、均圧水冷却装置39を作動させて浄化流体搬送管16における均圧水の冷却を開始する(S5)。そして、第2均圧水ポンプ37の駆動速度をそれぞれ増加させる(S6)。これにより、浄化流体搬送管16についての均圧水循環経路内における均圧水の流速を速めて、内管(16a)の損傷箇所を介した筒間空間から内管(16a)内への均圧水の逆流量を増加させる。筒間空間内の均圧水が内管(16a)の損傷箇所を介して内管内に逆流することで、均圧水に混じってしまった浄化済み流体が少しずつ内管内に戻される。これとともに、後述する理由により、第2均圧水タンク35内の均圧水が循環経路内の均圧水に適宜補充されることで、均圧水における混合流体濃度が徐々に低下していく。即ち、均圧水に混じってしまった浄化済み流体が徐々に除去されていく。
次いで、プログラマブルシーケンサーは、反応槽20、浄化流体搬送管16についてそれぞれ、均圧水循環経路内における均圧水の圧力が上述した第1閾値よりも低い場合には(S7でY)、均圧水タンク弁(48、36)を開く。これにより、均圧水循環経路内の均圧水に清水を補充する(S8)。これに対し、均圧水の圧力が第1閾値以上である場合には(S7でN)、均圧水タンク弁(48、36)を閉じて清水の補充を停止させる(S9)。
その後、プログラマブルシーケンサーは、反応槽20内の温度について、50℃以上であるか否かを判定する(S10)。そして、50℃以上である場合には(S10でY)、処理フローを上述したS7にループさせる。これに対し、50℃以上でない場合には(S10でN)、S11以降の工程を実施する。このような処理フローにより、反応槽20内の温度が50℃未満になるまで、浄化流体搬送管16の内管(16a)や均圧水循環経路に清水が供給され続ける。
反応槽20内の温度が50℃未満になると(S10でN)、プログラマブルシーケンサーは、出口弁13を大きく開放して(S11)、出口弁13による圧力規制を解除することで、反応槽20の内筒(22)や浄化流体搬送管16の内管(16a)の内圧を下げる。また、第1圧力調整弁46、第2圧力調整弁41をそれぞれ大きく開放して(S12)、圧力調整弁による圧力規制を解除する。これにより、反応槽20、浄化流体搬送管16のそれぞれについて、均圧水循環経路内における均圧水圧力を下げる。その後、浄化流体搬送管16の内管(16a)内の圧力と、均圧水循環経路内の圧力とがそれぞれ常圧まで下がると(S13でY、及びS14でY)、原水供給ポンプ3及び第2均圧水ポンプ37を停止させて(S15)、一連の処理フローを終了する。
かかる構成では、管間空間内の均圧水から硫酸や塩酸を殆ど除去し、反応槽20、浄化流体搬送管16のそれぞれについて、均圧水、混合流体、浄化済み流体の圧力や温度を下げた状態で、流体浄化装置を自動停止させる。これにより、作業員がいないときに浄化流体搬送管16の内管の損傷が発生して管間空間への浄化済み流体の漏洩が発生しても、管間空間に混入してしまった硫酸や塩酸を自動で除去して、酸による外管(16b)の腐食の発生をより確実に抑えることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
自らの内部に収容している浄化対象流体(例えば廃水W)と酸化剤(例えば空気A)とを加圧及び加熱しながら浄化対象流体中の有機物を酸化反応によって分解するための反応槽(例えば反応槽20)と、前記反応槽から排出される浄化済みの流体を受け入れて搬送する浄化流体搬送管(例えば浄化流体搬送管16)とを有する流体浄化装置において、前記浄化流体搬送管を少なくとも内管(例えば内管16a)とこれを内包する外管(例えば外管16b)とを具備する多重管構造にして、前記反応槽から排出される浄化済み流体を前記内管内に受け入れさせるようにするとともに、前記内管と前記外管との管間空間に前記内管を外側から加圧するための加圧用流体を圧送する加圧用流体圧送手段(例えば第2均圧水ポンプ37)と、前記内管内の浄化済み流体を冷却する冷却手段(例えば熱交換器9)と、前記内管の腐食損傷箇所を介した前記内管内から前記管間空間内への浄化済み流体の漏洩を検知する漏洩検知手段(例えば漏洩検知センサー42)と、前記漏洩検知手段によって浄化済み流体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段(例えばプログラマブルシーケンサーや制御盤)とを設けたことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記管間空間内の加圧用流体(例えば均圧水)、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、における電気伝導率の変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への浄化済み流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、電気伝導率計を利用して内管から管間空間への浄化済み流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様C]
態様Cは、態様Aにおいて、前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、におけるpHの変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、pH計を利用して内管から管間空間への浄化済み流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様D]
態様Dは、態様Aにおいて、前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、における吸光度の変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、吸光度計を利用して内管から管間空間への浄化済み流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様E]
態様Eは、態様Aにおいて、前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、における元素組成の変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、ICP発光分析装置を利用して内管内から管間空間への浄化済み流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様F]
態様Fは、態様Aにおいて、前記管間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内管内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段(例えば第2圧力調整弁41)を設けるとともに、前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、における圧力変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、圧力計を利用して内管内から管間空間への浄化済み流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様G]
態様Gは、態様Aにおいて、前記管間空間内の加圧用流体を前記管間空間の外に排出する加圧用流体排出手段(例えば均圧水排出部16d)と、前記管間空間内の加圧用流体の圧力を前記内管内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段(例えば第2圧力調整弁41)とを設けるとともに、前記管間空間内の加圧用流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出される加圧用流体、における流量変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、流量計を利用して内管内から管間空間への浄化済み流体の漏洩の有無を検知することができる。
[態様H]
態様Hは、態様A〜Gの何れかにおいて、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加熱手段(例えば反応槽ヒーター23)による加熱を停止させる処理を実施する制御手段(例えばプログラマブルシーケンサー)を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、漏洩が検知された場合に、加熱手段を停止させることで、反応槽内の流体の温度低下を促すことができる。
[態様I]
態様Iは、態様Hにおいて、前記内管の中に冷却用流体を圧送する冷却用流体圧送手段(例えば原水供給ポンプ3)と、前記反応槽に向けて浄化前の浄化対象流体を圧送する浄化前流体圧送手段(例えば原水供給ポンプ3)とを設けるとともに、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記浄化前流体圧送手段による浄化対象流体の圧送を停止させ、且つ前記冷却用流体圧送手段による冷却用流体の圧送を開始させる処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、内管内から管間空間への浄化済み流体の漏洩が検知された場合に、反応槽への浄化対象流体の供給を停止させることで、浄化されない浄化対象流体を反応槽から排出することなく、管間空間からの酸の除去操作を行うことができる。また、冷却用流体としての清水を内管内に供給することで、内管内の浄化済み流体の温度を迅速に下げることができる。
[態様J]
態様Jは、態様H又はIにおいて、前記反応槽に酸化剤を圧送する酸化剤圧送手段(例えば酸化剤圧送ポンプ6)を設けるとともに、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加圧用流体圧送手段による加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させる処理と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記酸化剤圧送手段による酸化剤の圧送を停止させる処理とを実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。かかる構成では、浄化済み流体の漏洩が検知された場合に、酸化剤の圧送を停止することで、反応槽内での有機物の酸化分解反応を迅速停止させて、酸化分化に伴う酸の発生を停止させることができる。また、加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させることで、内管の損傷箇所を介した管間空間から内管への加圧用流体(例えば均圧水)の逆流を促して、管間空間内から酸を除去することができる。
3:原水供給ポンプ(浄化前流体圧送手段)
6:酸化剤圧送ポンプ(酸化剤圧送手段)
16:浄化流体搬送管
16a:内管
16b:外管
16d:均圧水排出部(加圧用流体排出手段)
20:反応槽
21:外筒
22:内筒
23:反応槽ヒーター(加熱手段)
37:第2均圧水ポンプ(加圧用流体圧送手段)
42:漏洩検知センサー(漏洩検知手段)
W:廃水(浄化対象流体)
A:空気(酸化剤)
特開2001−170664号公報

Claims (8)

  1. 自らの内部に収容している浄化対象流体と酸化剤とを加圧及び加熱しながら浄化対象流体中の有機物を酸化反応によって分解するための反応槽と、前記反応槽から排出される浄化済みの流体を受け入れて搬送する浄化流体搬送管とを有する流体浄化装置において、
    前記浄化流体搬送管を少なくとも内管とこれを内包する外管とを具備する多重管構造にして、前記反応槽から排出される浄化済み流体を前記内管内に受け入れさせるようにするとともに、
    前記内管と前記外管との管間空間に前記内管を外側から加圧するための加圧用流体を圧送する加圧用流体圧送手段と、前記内管内の浄化済み流体を冷却する冷却手段と、前記内管の腐食損傷箇所を介した前記内管内から前記管間空間内への浄化済み流体の漏洩を検知する漏洩検知手段と、前記漏洩検知手段によって浄化済み流体の漏洩が検知されたことに基づいて警報を発信する警報発信手段と、前記反応槽内の浄化対象流体及び酸化剤を加熱する加熱手段と、前記内管の中に冷却用流体を圧送する冷却用流体圧送手段と、前記反応槽に向けて浄化前の浄化対象流体を圧送する浄化前流体圧送手段と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記浄化前流体圧送手段による浄化対象流体の圧送を停止させ、前記加熱手段による加熱を停止させ、且つ前記冷却用流体圧送手段による冷却用流体の圧送を開始させる処理を実施する制御手段とを設けたことを特徴とする流体浄化装置。
  2. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、における電気伝導率の変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への浄化済み流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  3. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、におけるpHの変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  4. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、における吸光度の変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  5. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、における元素組成の変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  6. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記管間空間内の加圧用流体の圧力を、前記内管内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段を設けるとともに、
    前記管間空間内の加圧用流体、又は前記管間空間を経由した後に前記浄化流体搬送管から排出される加圧用流体、における圧力変化に基づいて前記内管内から前記管間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  7. 請求項1の流体浄化装置において、
    前記管間空間内の加圧用流体を前記管間空間の外に排出する加圧用流体排出手段と、
    前記管間空間内の加圧用流体の圧力を前記内管内の流体の圧力よりも高くするようにそれら圧力を調整する圧力調整手段とを設けるとともに、
    前記管間空間内の加圧用流体、又は前記筒間空間を経由した後に前記反応槽から排出される加圧用流体、における流量変化に基づいて前記内筒体内から前記筒間空間内への流体の漏洩を検知させるように、前記漏洩検知手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
  8. 請求項1乃至7の何れかの流体浄化装置において、
    前記反応槽に酸化剤を圧送する酸化剤圧送手段を設けるとともに、
    前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記加圧用流体圧送手段による加圧用流体の単位時間あたりの圧送量を増加させる処理と、前記漏洩検知手段によって流体の漏洩が検知されたことに基づいて、前記酸化剤圧送手段による酸化剤の圧送を停止させる処理とを実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする流体浄化装置。
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