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JP6028721B2 - 保護材付電線 - Google Patents

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JP6028721B2 JP2013262092A JP2013262092A JP6028721B2 JP 6028721 B2 JP6028721 B2 JP 6028721B2 JP 2013262092 A JP2013262092 A JP 2013262092A JP 2013262092 A JP2013262092 A JP 2013262092A JP 6028721 B2 JP6028721 B2 JP 6028721B2
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Description

本発明は、電線と電線の周囲を囲む保護材とを備える保護材付電線に関する。
自動車等の車両において、電線が、例えばエンジンルームなどのように室外の位置に取り付けられる場合、電線の周囲を囲む合成樹脂チューブが、電線の保護および防水のために用いられる。合成樹脂チューブは、電線の保護材(保護チューブ)の一例である。
例えば、コルゲートチューブのような柔軟性を有する合成樹脂チューブが、防水機能を兼ねる保護材として用いられる。なお、防水機能を兼ねるコルゲートチューブは、周方向において切れ目がないコルゲートチューブである。
また、特許文献1は、電線の周囲を囲む金属パイプを電線の保護材として用いることを示している。金属パイプは、合成樹脂チューブよりも耐衝撃性に優れているとともに、防水機能および電線を予め定められた経路に沿う形状に維持する機能も有している。
また、車両用の電線において、エンジンなどの硬質な重量物の近傍に配線される部分の保護材として、耐衝撃性に優れ電線の形状を維持する機能を有する金属プロテクタが用いられる場合がある。一般に、金属プロテクタは、予め定められた形状に成形された複数の金属部材が組み合わされた構造を有している。
特開2004−224156号公報
従来の金属パイプまたは金属プロテクタが採用される場合、配線経路の仕様ごとに大がかりな成形装置を用いて金属パイプなどの硬質な金属部材を仕様に対応した形状へ正確に成形することが必要になる。そのため、従来の金属パイプおよび金属プロテクタは、仕様変更および寸法公差への適応性が高いといえず、また、低コスト化が難しい。
本発明は、電線の防水と電線の一部についての耐衝撃性の確保および電線形状の維持とが可能であり、さらに仕様変更および寸法公差への適応性が高く低コストの保護材付電線を提供することを目的とする。
第1態様に係る保護材付電線は、電線とチューブと金属外装材と複数の固定部とを備えている。上記チューブは、上記電線における長手方向の少なくとも一部の領域の周囲を囲む。さらに、上記チューブは、周方向において切れ目がない管状に形成されているとともに柔軟性を有する。上記金属外装材は、上記チューブにおける長手方向の一部の領域の周囲を囲む。さらに、上記金属外装材は、曲げ変形可能な管状に形成されているとともに上記電線および上記チューブの荷重に抗して形状を一定に維持可能な部材である。複数の上記固定部は、上記金属外装材に設けられており支持体に固定可能な部分である。
また、第1態様に係る保護材付電線は、上記チューブおよび上記金属外装材の各々は、周方向の輪郭の大きさが異なる小径部と大径部とが長手方向において交互に連なる蛇腹構造を有する管状に形成された部材であり、前記チューブと前記金属外装材との間に介在し、前記チューブにおける隣り合う前記大径部の間に嵌る内面側の凸部と前記金属外装材における隣り合う前記小径部の間に嵌る外面側の凸部とが形成された環状の介在部材をさらに備えるものである。
第2態様に係る保護部材付電線は、第1態様に係る保護材付電線の一態様である。第2態様に係る保護部材付電線において、上記金属外装材はその全長に亘る一連の切れ目がある管状に形成された部材である。
第3態様に係る保護材付電線は、第1または第2態様に係る保護材付電線の一態様である。第3態様に係る保護材付電線において、上記固定部は、上記金属外装材における上記介在部材を内包する部分に取り付けられた部材である。
第4態様に係る保護材付電線は、第1から第3態様のいずれかに係る保護材付電線の一態様である。第4態様に係る保護材付電線において、上記金属外装材は磁性材料を含む部材である。
上記の各態様において、周方向において切れ目がないチューブが電線の防水機能および保護機能を有する。一方、金属外装材が、電線の一部について耐衝撃性を確保するとともに電線形状を維持する。但し、曲げ変形可能な金属外装材は、大きな外力に抗して一定形状を維持できるだけの剛性を有していない。しかしながら、金属外装材の複数箇所に設けられた複数の固定部が、車両のボディパネルなどの支持体に固定された状態において、金属外装材を大きな外力に抗して一定形状に保持する役割を果たす。
さらに、内側のチューブが柔軟性を有する部材であるとともに、外側の金属外装材が曲げ変形可能な部材である。そのため、大がかりな成形装置を用いることなく、配線経路の仕様変更および寸法公差に応じて金属外装材を比較的容易に変形させることができる。その結果、配線経路の仕様に応じた形状の金属外装材を比較的低コストで提供することができる。
以上に示したことから、上記の各態様によれば、電線の防水と電線の一部についての耐衝撃性の確保および電線形状の維持とが可能であり、さらに仕様変更および寸法公差への適応性が高く低コストの保護材付電線を提供することができる。
また、第1態様において、耐摩耗性に優れた比較的硬質な合成樹脂の部材がチューブとして採用される場合でも、蛇腹構造によってチューブの柔軟性を確保しやすい。同様に、耐衝撃性に優れた金属部材が金属外装材として採用される場合であっても、蛇腹構造によって金属外装材を曲げ変形可能にしやすい。
また、第2態様において、金属外装材がその全長に亘る一連の切れ目がある管状である。そのため、チューブの一部を金属外装材の切れ目から金属外装材の中空部に挿入することができる。すなわち、電線およびチューブをその一端から金属外装材の中空部に貫通させる工程を必要としない。その結果、金属外装材をチューブの一部の周囲を覆う状態にする工程が容易となる。
また、第1態様によれば、介在部材が、チューブに対する金属外装材の位置ずれを防ぎ、第3態様によれば、金属外装材における固定部が取り付けられた部分が固定部から受ける圧力によって内側へ変形することを防ぐ。
また、第4態様によれば、磁性材料を含む金属外装材が、電線を保護し電線の形状を維持する機能に加え、磁気シールド材としても機能する。このような金属外装材は、電線の磁気シールドが必要な場合に好適である。
実施形態に係る保護材付電線10の側面図である。 保護材付電線10の一部の断面図である。 保護材付電線10が備える介在部材の分解斜視図である。 保護材付電線10が備える金属外装材の側面図である。 保護材付電線10が備える固定具の斜視図である。 保護材付電線10に適用可能な第1応用例に係る金属外装材およびそれと接続された合成樹脂チューブの側面図である。 保護材付電線10に適用可能な第2応用例に係る金属外装材の側面図である。 第2応用例に係る金属外装材の元になる金属板材の斜視図である。
以下、添付の図面を参照しながら、実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<実施形態>
まず、図1を参照しつつ、実施形態に係る保護材付電線10について説明する。保護材付電線10は、自動車などの車両に搭載されるワイヤハーネスである。保護材付電線10は、例えば車両のエンジンルーム内の支持体に取り付けられる。
図1が示すように、保護材付電線10は、電線1と合成樹脂チューブ2と金属外装材3と複数の固定具4とを備えている。さらに、図2が示す例では、保護材付電線10は介在部材7も備えている。
<電線>
電線1は、例えば、長尺な導体である芯線と、その芯線の周囲を覆う絶縁体である絶縁被覆とを有する絶縁電線である。電線1の芯線は、例えば、銅を主成分とする金属の線材またはアルミニウムを主成分とする金属の線材などである。図1,2が示す例では、保護材付電線10は、束ねられた複数の電線1(電線束)を含む。
当該電線1を接続先に接続するための不図示の端子が、電線1の端部に接続されている場合が多い。なお、電線1が絶縁被覆のない裸電線であることも考えられなくはない。
<合成樹脂チューブ>
合成樹脂チューブ2は、電線1における長手方向の少なくとも一部の領域の周囲を囲む管状の部材である。例えば、合成樹脂チューブ2は、電線1における一方の端部付近から他方の端部付近までに亘る領域の周囲を囲んでいる。なお、合成樹脂チューブ2は、電線1の周囲を覆うチューブの一例である。
合成樹脂チューブ2は、周方向において切れ目がない管状に形成されている。本実施形態においては、合成樹脂チューブ2は、周方向の輪郭の大きさが異なる小径部21と大径部22とが長手方向において交互に連なる蛇腹構造を有する管状に形成されたコルゲートチューブである。
合成樹脂チューブ2は、蛇腹構造を有することにより柔軟性を有している。合成樹脂チューブ2は、可撓性を有することによって柔軟に変形可能な保護チューブの一例である。 合成樹脂チューブ2は、例えば、ポリプロピレン、ポリアミドまたはポリエチレンなどを主成分とする合成樹脂のチューブである。
<金属外装材>
金属外装材3は、合成樹脂チューブ2における長手方向の一部の領域の周囲を囲む管状の金属部材である。この金属外装材3は、曲げ変形可能な管状に形成されているとともに、電線1および合成樹脂チューブ2の荷重に抗して形状を一定に維持可能な硬さの管状部材である。即ち、金属外装材3の曲げ変形は主として塑性変形である。
金属外装材3は、例えば、アルミニウムまたはステンレスなどを含む金属の部材であることが考えられる。また、金属外装材3が、鉄、ケイ素鋼、パーマロイまたはフェライトなどの磁性材料を含む金属の部材であることも考えられる。
本実施形態においては、金属外装材3は、周方向の輪郭の大きさが異なる小径部31と大径部32とが長手方向において交互に連なる蛇腹構造を有する管状に形成された金属部材である。
図4が示すように、本実施形態における金属外装材3は、その全長に亘る一連の切れ目33がある管状に形成されている。そのため、合成樹脂チューブ2を金属外装材3における切れ目33から中空部へ挿入することが可能である。
<介在部材>
介在部材7は、合成樹脂チューブ2と金属外装材3との間に介在する環状の部材である。介在部材7は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラートまたはポリアミドなどの合成樹脂の部材である。
図3が示すように、介在部材7は、予め成形された複数の要素部材70が組み合わされることによって環状を成している。図3が示す例では、介在部材7は、2つの半環状の要素部材70が合体した部材である。2つの要素部材70は、その一方に形成された仮留め用凸部701と他方に形成された仮留め用凹部702とが嵌り合うことによって合体した状態に維持される。
なお、図3が示す例では、2つの要素部材70は同じ形状の半環状の部材である。しかしながら、2つの要素部材70が異なる形状で形成されていることも考えられる。
図2,3が示すように、介在部材7は、合成樹脂チューブ2における隣り合う大径部22の間に嵌る内面側の内側凸部71と、金属外装材3における隣り合う小径部31の間に嵌る外面側の外側凸部72とが形成された部材である。
介在部材7は、内側凸部71および外側凸部72において合成樹脂チューブ2および金属外装材3の各々に引っ掛かることにより、合成樹脂チューブ2と金属外装材3との位置関係を維持する。
図3が示す例では、内側凸部71および外側凸部72は、それぞれ環状の介在部材7の周方向において一連に形成された環状の凸部である。しかしながら、内側凸部71および外側凸部72のうちの一方または両方が、周方向における一部の範囲に形成された凸部であることも考えられる。
図1には、合成樹脂チューブ2および金属外装材3が曲げられていない状態の保護材付電線10と回避対象物80とが仮想線(二点鎖線)で描かれている。回避対象物80は、例えば保護材付電線10が車両などに取り付けられたときに干渉を回避すべき車両部品などである。
金属外装材3は、電線1の一部を合成樹脂チューブ2の外側から囲むことにより、電線1の耐衝撃性を確保するとともに電線1の形状を維持する。図1は、金属外装材3が、回避対象物80との干渉の回避するための予め定められた経路に沿って曲げられた形状を維持している状態を示している。
金属外装材3は、その中空部に通されている電線1および合成樹脂チューブ2から受ける荷重以外の外力を受けなければ一定の形状を維持できる程度の硬さで形成された部材である。
<固定具>
固定具4は、金属外装材3に取り付けられており、車両のボディパネルなどの支持体に固定可能な部材である。複数の固定具4が、金属外装材3における複数の箇所に取り付けられている。なお、固定具4は、金属外装材3に設けられた固定部の一例である。
図5が示すように、固定具4は、金属外装材3の一部に接続された接続部5と、支持体8の取付孔81の部分に留まることが可能な留め具部6とを有している。
固定具4の接続部5は、なお、図5には、固定具4の留め具部6が留まる支持体8が仮想線(二点鎖線)で描かれている。
固定具4は、例えば、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレートまたはABS樹脂などの合成樹脂の成形部材である。なお、固定具4が金属の部材であることも考えられる。
図5が示す例では、固定具4の接続部5は、金属外装材3の一部を挟み込む第一片側部51および第二片側部52と、それらを相対的に回動可能に連結するヒンジ部53とを有している。
第一片側部51および第二片側部52の各々の一部は、相互に係り合うことによって第一片側部51および第二片側部52を組み合わさった状態に維持するロック部55を構成している。第一片側部51および第二片側部52は、金属外装材3の一部を挟み込んだ状態で組み合わさる。
第一片側部51および第二片側部52は、金属外装材3の一部を挟み込むことによって金属外装材3に接続されている。そのため、組み合わさった第一片側部51および第二片側部52は、金属外装材3が貫通する外装材通し孔54を形成している。
そして、固定具4の接続部5は、第一片側部51および第二片側部52によって金属外装材3をその両側から挟み込むことにより、金属外装材3をその切れ目33が閉じた状態に保持する。そのため、合成樹脂チューブ2が金属外装材3の切れ目33からはみ出すことを防ぐために金属外装材3に対して粘着テープを巻き付けたり、あるいは切れ目33を閉じる溶接を施したりする手間が省ける。
さらに、第一片側部51および第二片側部52における外装材通し孔54の内側面には、金属外装材3における隣り合う大径部32の間に嵌り込む内側凸部56が形成されている。これにより、固定具4が金属外装材3に対して位置ずれすることが防がれる。
一方、留め具部6は、支持体8に固定可能な部分の一例である。留め具部6は、接続部5から起立した起立部61と、起立部61の先端寄りの部分から両側方へ張り出して形成された張出部62とを有している。さらに、留め具部6は、起立部61の根元部分に形成された鍔部63を有している。
留め具部6の起立部61が支持体8の取付孔81に挿入されると、張出部62がその幅を狭める方向へ一時的に弾性変形しながら取付孔81を通過し、支持体8の一方の主面側(裏面側)において取付孔81の縁部に引っ掛かる。
さらに、留め具部6の鍔部63は、支持体8の他方の主面側(表面側)において取付孔81の縁部に引っ掛かる。留め具部6は、張出部62と鍔部63とが支持体8における取付孔81の縁部を挟み込むことによって支持体8に留まる。これにより、固定具4が支持体8に固定され、金属外装材3が、複数箇所において固定具4各々によって支持体8に固定される。
<効果>
保護材付電線10において、周方向において切れ目がない合成樹脂チューブ2が電線1の防水機能および保護機能を有する。一方、金属外装材3が、電線1の一部について耐衝撃性を確保するとともに電線1の形状を維持する。
但し、蛇腹構造を有することによって曲げ変形可能な金属外装材3は、大きな外力に抗して一定形状を維持できるだけの剛性を有していない。しかしながら、金属外装材3の複数箇所に取り付けられた複数の固定具4が、車両のボディパネルなどの支持体8に固定された状態において、金属外装材3を大きな外力に抗して一定形状に保持する役割を果たす。
さらに、内側の合成樹脂チューブ2が柔軟性を有するチューブであるとともに、外側の金属外装材3が曲げ変形可能な部材である。そのため、大がかりな成形装置を用いることなく、配線経路の仕様変更および寸法公差に応じて金属外装材3を比較的容易に変形させることができる。その結果、配線経路の仕様に応じた形状の金属外装材3を比較的低コストで提供することができる。
以上に示したことから、保護材付電線10は、電線1の防水と電線1の一部についての耐衝撃性の確保および電線1の形状の維持とが可能である。さらに、保護材付電線10は、仕様変更および寸法公差への適応性が高く、保護材付電線10を低コストで提供することが可能である。
また、耐摩耗性に優れた比較的硬質な合成樹脂の部材が合成樹脂チューブ2として採用される場合でも、蛇腹構造によって合成樹脂チューブ2の柔軟性を確保しやすい。同様に、耐衝撃性に優れた金属部材が金属外装材3として採用される場合であっても、蛇腹構造によって金属外装材3を曲げ変形可能にしやすい。
また、金属外装材3は、その全長に亘る一連の切れ目33がある管状の部材である。そのため、合成樹脂チューブ2の一部を金属外装材3の切れ目33から金属外装材3の中空部に挿入することができる。すなわち、電線1および合成樹脂チューブ2をその一端から金属外装材3の中空部に貫通させる工程を必要としない。その結果、金属外装材3を合成樹脂チューブ2の一部の周囲を覆う状態にする工程が容易となる。
また、介在部材7が、合成樹脂チューブ2に対する金属外装材3の位置ずれを防ぐとともに、金属外装材3の一部が固定具4の接続部5から受ける圧力によって内側へ変形することを防ぐ。
また、磁性材料を含む金属外装材3が採用される場合、金属外装材3は、電線1を保護し電線1の形状を維持する機能に加え、磁気シールド材としても機能する。このような金属外装材3は、電線1の磁気シールドが必要な場合に好適である。
<第1応用例>
次に、図6を参照しつつ保護材付電線10に適用可能な第1応用例に係る金属外装材3Aについて説明する。図6は、金属外装材3Aおよびそれと接続された合成樹脂チューブ2の側面図である。
第1応用例に係る金属外装材3Aは、実施形態に示された金属外装材3に被結束部34が追加された構成を有している。図6において、図1〜5に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、金属外装材3Aにおける金属外装材3と異なる点について説明する。
図6が示すように、金属外装材3は、少なくともその一端において合成樹脂チューブ2に沿って張り出して形成された被結束部34を有している。この被結束部34は、金属外装材3の一端から延び出た合成樹脂チューブ2と結束材9によって結束されている。結束材9は、例えば結束ベルトまたは粘着テープなどである。
被結束部34および合成樹脂チューブ2が結束材9で結束されることにより、合成樹脂チューブ2に対する金属外装材3の位置ずれを防ぐことができる。そのため、保護材付電線10において、金属外装材3Aが金属外装材3の代わりに採用される場合、介在部材7の内側凸部71および外側凸部72が省略されることが考えられる。
<第2応用例>
次に、図7,8を参照しつつ保護材付電線10に適用可能な第2応用例に係る金属外装材3Bについて説明する。図7は、第2応用例に係る金属外装材3Bの側面図である。図8は、金属外装材3Bの元になる金属板材30の斜視図である。
金属外装材3Bは、実施形態に示された金属外装材3のように蛇腹構造を有さず、金属板材30が螺旋状に巻かれた構造を有している。図7,8において、図1〜5に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、金属外装材3Bにおける金属外装材3と異なる点について説明する。
金属外装材3Bの元になる金属板材30は、長尺な金属の板材である。図8が示すように、金属板材30は、当該金属板材30の中央部分を成す帯状の基部301と、当該金属板材30の長手方向に沿う両側の縁部の一方および他方の各々に形成された起立部302および溝状部303とを有している。
起立部302は、基部301からその一方の主面側へ起立し、金属板材30の長手方向に沿って形成されている。溝状部303は、基部301の他方の主面側において金属板材30の長手方向に沿う溝(凹部)を形成する部分である。
金属外装材3Bは、両側縁部の一方の起立部302と他方の溝状部303とが形成された金属板材30が合成樹脂チューブ2の周りに螺旋状に巻かれることによって管状に形成された部材である。さらに、金属外装材3Bは、金属板材30における起立部302が溝状部303に入った状態で管状に形成されている。
保護材付電線10において、金属外装材3Bが金属外装材3の代わりに採用される場合も、切れ目33が形成された金属外装材3が採用される場合と同様に、金属外装材3Bを合成樹脂チューブ2の一部の周囲を覆う状態にする工程が容易となる。
また、長尺な金属板材30における一方の側縁部の起立部302と他方の側縁部の溝状部303とが係り合う。これにより、螺旋状に巻かれた金属板材30の位置ずれによって金属外装材3Bに隙間が生じることが防がれる。
<その他の応用例>
実施形態において、金属外装材3の材料の候補とされた金属材料は、金属外装材3A,3Bの材料の候補でもある。また、保護材付電線10において、介在部材7が省略されることも考えられる。
また、実施形態において、複数の固定具4のうちの一部または全部が、金属外装材3の一部として形成された固定部に置き換えられることも考えられる。例えば、支持体への固定用のネジが通される孔が形成された固定部が、金属外装材3の一部に形成されていることなどが考えられる。
また、合成樹脂チューブ2が蛇腹構造を有さない比較的柔軟な合成樹脂材料のチューブであることも考えられる。例えば、合成樹脂チューブ2が、エラストマーなどのゴム系合成樹脂またはその他の比較的柔軟な合成樹脂材料のチューブであることも考えられる。また、合成樹脂チューブ2が、ゴム系合成樹脂のチューブ以外のゴムチューブであることも考えられる。
なお、本発明に係る保護材付電線は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態および応用例を自由に組み合わせることの他、実施形態および応用例を適宜、変形するまたは一部を省略することによって構成されることも可能である。
10 保護材付電線
1 電線
2 合成樹脂チューブ
21 合成樹脂チューブの小径部
22 合成樹脂チューブの大径部
3,3A,3B 金属外装材
30 金属板材
31 小径部
32 大径部
33 切れ目
34 被結束部
301 基部
302 起立部
303 溝状部
4 固定具
5 接続部
51 第一片側部
52 第二片側部
53 ヒンジ部
54 外装材通し孔
55 ロック部
56 内側凸部
6 留め具部
61 起立部
62 張出部
63 鍔部
7 介在部材
70 要素部材
701 仮留め用凸部
702 仮留め用凹部
71 内側凸部
72 外側凸部
8 支持体
80 回避対象物
81 取付孔
9 結束材

Claims (4)

  1. 電線と、
    前記電線における長手方向の少なくとも一部の領域の周囲を囲み、周方向において切れ目がない管状に形成されているとともに柔軟性を有するチューブと、
    前記チューブにおける長手方向の一部の領域の周囲を囲み、曲げ変形可能な管状に形成されているとともに前記電線および前記チューブの荷重に抗して形状を一定に維持可能な金属外装材と、
    前記金属外装材に設けられており支持体に固定可能な複数の固定部と、を備え
    前記チューブおよび前記金属外装材の各々は、周方向の輪郭の大きさが異なる小径部と大径部とが長手方向において交互に連なる蛇腹構造を有する管状に形成された部材であり、
    前記チューブと前記金属外装材との間に介在し、前記チューブにおける隣り合う前記大径部の間に嵌る内面側の凸部と前記金属外装材における隣り合う前記小径部の間に嵌る外面側の凸部とが形成された環状の介在部材をさらに備える、保護材付電線。
  2. 前記金属外装材はその全長に亘る一連の切れ目がある管状に形成された部材である、請求項1に記載の保護部材付電線。
  3. 前記固定部は、前記金属外装材における前記介在部材を内包する部分に取り付けられた部材である、請求項1又は請求項2に記載の保護部材付電線。
  4. 前記金属外装材は磁性材料を含む部材である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の保護材付電線。
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