JP6024344B2 - 反応液の粘度検知方法及び装置並びに反応液の生成装置 - Google Patents
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- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Description
T=(PI−PL)/ω
により回転トルク(T)を求め、この回転トルクから反応液の粘度を演算することを特徴としている。
1)電動機に供給されている電力を計測する電力計測器
2)電動機に供給されている電流を計測する電流計測器
3)電動機に供給されている電圧を計測する電圧計測器
4)電動機の回転軸の速度を計測する回転速度計測器
5)インバータ出力周波数を計測する周波数計測器
以上の状況から、簡便でより精度の高い反応液の粘度検知装置を提供することが望まれる。
誘導電動機を動力源として、攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行う反応器であって、かつ、
前記誘導電動機の回転軸と、
前記撹拌翼を備えた回転軸と、の間に
前記誘導電動機の回転速度を低減する潤滑油式減速機が設置される、
反応器において、
前記反応液の粘度を検知する方法であって、
1)誘導電動機トルク(Ts)の検知工程、
2)潤滑油温度(t)を検知する温度検知工程、
の各工程を有し、前記各工程で得られた検知出力の値を基に、特定の演算を行うことで、精度の高い回転トルク(T)が演算できること、更に該回転トルク(T)の検知値を基に反応液の粘度を検知できる方法を見出すことにより、本発明の反応液の粘度検知方法を完成するに至った。
T = Ts − F(t)
として回転トルク(T)を求めることができることに着目した点にある。
但し、F(t)は、前記潤滑油の温度がtである時の前記反応液が空の状態のときのトルク検知値を、温度を変化させて複数組検知した値に基づき、温度tで関数回帰させた式。
誘導電動機トルクTsを求める工程が、以下の工程を含むことを特徴とすることで、回転速度計測器を用いた場合と同等の結果が得られることを見出すに至った。
1)誘導電動機に投入電力Pが供給されているときの損失電力をPLとし、
該損失電力PLを誘導電動機の回転軸の回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依存する損失電力Bとに区分し、
前記投入電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PM1とみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM1=αS1(αは電動機定数)から前記回転軸の回転速度の一次近似値N1=NS(1−S1)(NSは同期速度)を求めるステップIと、
前記一次近似値N1に基づいて、前記損失電力B1を求めるステップIIと、
前記誘導電動機の出力の二次近似値PM2をP−(A+B1)とみなし、
前記誘導電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM2=αS2(αは電動機定数)から回転軸の回転速度の二次近似値N2=NS(1−S2)(NSは電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知工程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知工程のステップIで得られた前記損失電力B1、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N2を基に、下記式
Ts=(P−(A+B1))/(2π×N2/60)
により前記誘導電動機トルクTsを求める回転トルク検知工程。
誘導電動機を動力源として、攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行う反応器に設置され、かつ、
前記誘導電動機の回転軸と、
前記撹拌翼を備えた回転軸と、の間に
前記誘導電動機の回転速度を低減する潤滑油式減速機が設置される、
前記反応液の粘度を検知する装置であって、
前記装置は
1)前記誘導電動機トルク(Ts)の検知手段
2)潤滑油温度(t)を検知する温度検知手段
の各手段を有し、
前記反応液の粘度を、
前記誘導電動機トルクTsから、下記式
T = Ts − F(t)
により回転トルク(T)を求め、更に、該回転トルクから前記反応液の粘度を演算により求める演算手段を備えることを特徴とする反応液の粘度検知装置を作出するに至った。
但し、F(t)は、前記潤滑油の温度がtである時の前記反応液が空の状態のときのトルク検知値を、温度を変化させて複数組検知した値に基づき、温度tで関数回帰させた式。
本発明における反応液の粘度検知方法の特徴は、
誘導電動機を動力源として、攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を行う反応器であって、かつ、
前記誘導電動機の回転軸と、前記撹拌翼を備えた回転軸と、の間に前記誘導電動機の回転速度を低減する潤滑油式減速機が設置される反応器において、
前記反応液の粘度を検知する方法であって、
1)誘導電動機トルク(Ts)の検知工程、
2)潤滑油温度(t)を検知する温度検知工程、
の各工程を有し、前記各工程で得られた検知出力の値を基に、
T = Ts − F(t)
として回転トルク(T)を求め、更に該回転トルク(T)から反応液の粘度を演算により求めることができることにある。
つまり、式(1)により、前記攪拌翼の回転トルクを求める際に、前記潤滑油の温度の変化を加味する事で正確な回転トルクが得られるようになり、より高精度で粘度が検知できるようになることである。
但し、F(t)は、前記潤滑油の温度がtである時の前記反応液が空の状態のときのトルク検知値を、温度を変化させて複数組検知した値に基づき、温度tで関数回帰させた式。
本発明の誘導電動機トルクTsを検知する工程における1)の工程は、誘導電動機を動力源として攪拌翼を供えた回転軸の回転速度を検知する工程である。この工程は以下のステップI〜IIIの工程を含む。
以下、上記ステップIを詳細に説明する。
なお、式(1)をNで解くと式(1’)の通りである。
N=NS(1−S) …式(1')
つまり、すべりSが特定できれば、誘導電動機の回転速度を得ることができる。そこで、本発明者は誘導電動機の回転速度を求めるのにすべりSを利用することにした。なお、すべりSは誘導電動機に伴って提供される基本的な特性である。
この式(2)におけるκは誘導電動機に固有の定数であり、定格すべりS0に対する定格機械出力PM0の比PM0/S0として与えられる。
したがって、機械出力PMが判れば、すべりSが求められ、さらに回転速度(あるいは角速度)を求めることができる。
PM=κ×S …式(2)
PM=P−PL …式(3)
ここで、誘導電動機の損失PLは、一次銅損、二次銅損、鉄損、機械損、及び浮遊損からなることが知られている。そして、一次銅損は固定子巻線の電気抵抗によるジュール熱、二次銅損は回転子巻線の電気抵抗によるジュール熱、に起因してそれぞれ発生する損失である。また、鉄損はヒステリシ損と渦電流損とから成り何れも回転磁界発生に起因する損失である。さらに、機械損は軸の回転によって生ずる摩擦や空気抵抗に起因する損失であり、浮遊損は誘導電機によって決まる固有損失であり定数として扱われる。浮遊損以外の損失は、誘導電導機を運転している時の電圧、電流、電源周波数、回転速度、及び電導機回路定数を使って演算で求めることができる(特許文献1 段落[0028]〜[0040])。なお、各損失の要素を以下に示しておく。
一次銅損:∝ (一次電流I1)2
渦電流損:∝ (一次電圧V)2
ヒステリシス損:∝ (一次電圧V)2/ (周波数f)
二次銅損:∝ (二次電流I2)2 → φ(I1,V,ω)
機械損:∝ (角速度ω)
浮遊損:一定
[非依存損失成分A] 一次銅損,渦電流損,ヒステリシス損,浮遊損
[依存損失成分B] 二次銅損,機械損
PM1=P−A …式(4)
こうして、機械出力(一次近似値)が求められたので、上記の式(2)を適用することによりすべりの一次近似値S1は下記の式(5)により求められる。
S1=PM1/κ=PM1×S0/P0 …式(5)
さらに式(1')を適用することにより、下記の式(6)により、すべりの一次近似値S1に対応する回転速度の一次近似値N1を求めることができるのである。ここで、NSは同期速度である。
N1=NS(1−S1) …式(6)
PM2=P−(A+B1) …式(7)
S2=PM2/κ=PM2×S0/P0 …式(8)
N2=NS(1−S2) …式(9)
本発明においては前記繰り返しの回数を多くするほど、損失電力PLの値が真の値に近づいていくことになるので、それによって得られる回転速度もより正確な値に近づいて行く。ただし、本発明は、次数を高くすることを必須な要件とするものではない。後述する実施例に示されるように、二次近似速度により、回転速度検知の目的を十分に達成することができる。
PMn=P−(A+B(n−1)) …n次近似機械出力
Nn=NS(1−Sn) …n次近似回転速度
Bn=φ(Nn) …n次近似依存損失成分
なお、以上の一般式のnは1以上の整数であり、B0はゼロと見做す。
ここで、誘導電動機トルクTsは、投入電力Pと損失電力PLと誘導発電機の回転軸の角速度(ω)を用いて、以下の式により求めることができる。
Ts=(P−PL)/ω…式(10)
更に、式(10)を、1)工程における二次近似値を用いて表すと
Ts=(P−(A+B1))/(2π×N2/60)…式(10−1)となる。
本実施形態の粘度検知方法は、前記誘導電動機トルクTs、前記潤滑油の温度がtである時の前記反応液が空の状態のときのトルクを表す関係式F(t)を基に、下記式
T = Ts − F(t)
により回転トルクTを求め、式(11)
η=αT/N (単位Pa・S) …式(11)
により粘度ηを求める。
ここで、κは反応釜や攪拌翼等によって決まる比例定数である。尚、粘度の検知目的が相対的な変化(絶対値でなく)である場合はκ=1として扱ってもよい。
本実施形態において、誘導電動機の回転トルクTsを求めるために投入電力Pが必要である。
投入電力Pとしては、投入電力計測値を用いる。計測には公知の電力計測器を用いることができる。電力計測器は、用いられる誘導電動機の種類によって、使い分けを行うことが必要で、例えば、誘導電動機が単相回路である場合は単相用電力計、3相誘導電動機である場合は3相用電力計を用いる。
また、誘導電動機の回転トルクTsを求めるために損失電力PLが必要である。
損失電力PLは、前述したように、一次銅損(∝(一次電流I1)2)、渦電流損(∝ (一次電圧V)2)、ヒステリシス損(∝ (一次電圧V)2/(周波数f))、二次銅損(∝ φ(I1,V,ω))、機械損(∝ (角速度ω))及び浮遊損(一定)を含んでいる。
[非依存損失成分A(W)]
これらの中で、一次銅損、渦電流損及びヒステリシス損は、電流を計測する電流計測器、電圧を計測する電圧計測器及びインバータ出力周波数を計測するための周波数計測器から得られる計測値によって算出される。より具体的には、回転駆動中の電圧値、電流値及び周波数と、誘導電動機に固有の回路定数を用い、所定演算を行うことにより求めることができる。ここで回路定数は、電動機メーカーから提供される試験表によっても、又は、誘電電動機の負荷試験による計測値によっても得ることができる。また、浮遊損は、誘電電動機に固有の値(固定損(単位W)として提供される。
一次銅損=一次巻線抵抗×(一相電流)2×誘電電動機の相数式
渦電流損=定格電圧で運転時の渦電流損×(一相電圧計測値/定格相電圧)2(単位W)
ヒステリシス損=定格電圧及び定格周波数で運転時のヒステリシス損×(一相電圧計測値 / 定格相電圧)2/(インバータ出力周波数計測値/定格周波数)(単位Hz)
これに対して、二次銅損及び機械損は、誘電電動機の回転速度に依存する成分であり、前述した依存損失成分Bnを用いることができる。ただし、一次近似回転速度N1を求める段階では依存損失成分Bnは得られていないので、損失電力PLは非依存損失成分Aだけを含むが、二次近似以降になると、損失電力PLは非依存損失成分Aに加えて依存損失成分B1、B2…を含むことになる。
機械出力PMは、投入電力Pから各損失電力を差し引いた値であるが、本実施形態では、前述のように、一般式:PMn=P−(A+B(n−1))で求められる。
Tsn=(P−PL)/ω=PMn/ωn=PMn/(2π×Nn/60)…式(10−2)
Tn=Tsn− F(t) …式(10−3)
Tn=PMn/(2π×Nn/60)− F(t) …式(10−4)
このようにした求めたトルクから反応生成物粘度は以下のように求めることができる。
ηn=αTn/Nn(単位Pa・S) …式(11)
ここでαは前記攪拌翼の構造等で決定される定数である。
ニュートンの式によれば、厚さhの液体を間に挟んだ2枚の面積Aの平面が相対速度Uで運動する時発生する力Fは、ηが粘度を表すとして、以下の式(12)で表される。
F=ηAU/h(単位N) …式(12)
ここで、図2に表される反応容器において、rは撹拌翼半径、Lは撹拌翼が撹拌対象である液状物に没している長さ、Nは回転数、Fは距離rにおいて撹拌翼に発生する力、gは撹拌翼と反応釜との距離を表すとすると、上記式(12)式は以下の式(13)のように表される。
従って、
回転トルク(T)=F・r=η(2πrl・2πrN)/g・r(単位N・m)
であるので、
η=T・g/(2πrl・2πrN・r)となる。
η=αT/N …式(11)
本実施形態において、負荷の時間変動が速い場合は、各計測器における計測タイミングのズレがエネルギーの入出力の総和がゼロになるというエネルギー保存則の前提を崩してしまうため、各計測器における計測は同期的に行われることが望ましい。但し、負荷の変動が緩やかであって、全ての計測値を採取し終えるまでの間に計測値が実質的に変化しないと言えるような場合はこの限りではない。
検知装置1は、反応釜12内に投入された液状物、例えば化学反応製品を誘導電動機9により回転駆動される撹拌翼13の回転速度を検知するものである。
検知装置1は、計測部2と演算処理部5を備えている。
なお、本発明における回転速度検知は、電動機出力とすべりの高い直線性を利用して行うので直線性が崩れる大出力領域(定格出力を超える)では誤差が大きくなる。しかしながら産業界における誘電電動機の使用実態、特に、化学反応を伴う樹脂製造の工程においては、誘電電動機の大多数が定格出力以下、更には定格出力の50%前後で使用されているので上記誤差が問題になることは殆どない。
ところで、一次銅損を求める際に巻線抵抗の値を用いるが、巻線抵抗は、通常基準温度(20℃)での値が提供される。したがって、一次銅損を求めるにあたっては、実際の運転温度で補正した値を用いると回転速度、ひいては回転トルク及び反応液の粘度の検知精度をより高めることができる。
この温度補正については、特許文献1に記載された手順に準じて行えばよいので、ここでの再掲は省略する。以下に示す空トルク補正、粘度の温度補正、粘度の仕込み量の補正についても同様であり、ここでの再掲は省略する。
式(10)によって求められるトルクは、反応釜の内容物が空の場合であっても減速機や軸受けの機械摩擦など発生している成分である空トルクを含む。当該空トルクには環境温度や運転時間で大きく変化する減速機の潤滑油の粘性抵抗が含まれており、製造時の潤滑油の温度がtである時の前記反応液が空の状態のときのトルクを予め検知しておいてこれを変数として扱い、粘度を求める際に誘導電動機トルクTsから当該変数を式(1)のように差し引くことで粘度の検知精度をより高めることができる。
一般に反応温度は製品毎によって決められるので反応釜には温度制御機能が備えられる。温度制御誤差の粘度影響が無視できる場合にはこの補正は不要であるが現実には±1〜3℃程度の誤差は避けられないので、予め定められる温度(標準反応温度)での値に補正した値を用いると検知精度を高めることができる。
また、本実施形態において、予め定められた反応釜での製造単位あたりの標準仕込み量と、当該製造単位における実仕込み量が異なる場合に、両者の仕込み量の差に基づいて反応液粘度値を補正することで検知精度を高めることができる。
三相誘導電動機(Y結線)の仕様
容量:22kW 定格速度:毎分975回転(定格すべり0.025)
定格電圧:200V 定格電流:79A 定格周波数:50Hz
極数:6
一次巻線抵抗:0.0358Ω
一次巻線リアクタンス:0.2010Ω(定格周波数時)
二次巻線抵抗:0.0310Ω
二次巻線リアクタンス:0.1797Ω(定格周波数時)
抵抗計測基準温度:20℃ 抵抗温度係数:234.5
機械損:130W(定格速度時)
鉄損:650W(設計値:ヒステリシス損350W、渦電流損300W)
浮遊損:110W 撹拌軸減速比:16.7:1
尚、この関数式において、例えば潤滑油の温度がt=30℃であるときの前記空トルクは511Nmである。
また、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、本発明は前記潤滑油の温度を検知して適用することに限定されるものではなく、周囲の外気温度或いは減速機の表面温度を検知し、本発明に前記潤滑油の温度の代わりにその温度を適用することでも同様の効果が得られることから、周囲の外気温度及び減速機の表面温度も許容する。
2 計測部
5 演算処理部
9 誘導電動機
12 反応釜
13 撹拌翼
14 インバータ
15 三相電源
16 潤滑油温度
Claims (7)
- 誘導電動機を動力源として、攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を
行う反応器であって、かつ、
前記誘導電動機の回転軸と、
前記撹拌翼を備えた回転軸と、の間に
前記誘導電動機の回転速度を低減する潤滑油式減速機が設置される、
反応器において、
前記反応液の粘度を検知する方法であって、
1)誘導電動機トルク(Ts)の検知工程、
2)潤滑油温度(t)を検知する温度検知工程、
の各工程を有し、
前記反応液の粘度を、
前記誘導電動機トルクTsから、式(1)
T =Ts − F(t) 式(1)
により回転トルク(T)を求め、
更に、該回転トルクから前記反応液の粘度を演算により求める演算工程、
を備えることを特徴とする反応液の粘度検知方法。
(但し、F(t)は、前記潤滑油の温度がtである時の前記反応液が空の状態のときのト
ルク検知値を、温度を変化させて複数組検知した値に基づき、温度tで関数回帰させた式
である。) - 誘導電動機トルクTsを求める工程が、
1)誘導電動機に供給されている電力を検知する電力検知工程
2)誘導電動機に供給されている電流を検知する電流検知工程
3)誘導電動機に供給されている電圧を検知する電圧検知工程
4)誘導電動機の前記回転軸の速度を検知する回転速度検知工程
5)誘導電動機の電源周波数を検知する周波数検知工程
の各工程を有し、
前記電力検知工程で得た値(P)と、
前記誘導電動機で生ずる損失電力(PL)と、及び
前記回転軸角速度(ω)とから、次の式(2)
Ts=(P―PL)/ω 式(2)
であることを特徴とする請求項1に記載の反応液の粘度検知方法。 - 誘導電動機トルクTsを求める工程が、
以下の工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の反応液の粘度検知方法。
1)誘導電動機に投入電力Pが供給されているときの損失電力をPLとし、
該損失電力PLを誘導電動機の回転軸の回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依
存する損失電力Bとに区分し、
前記投入電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PM
1とみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM1=
αS1(αは電動機定数)から前記回転軸の回転速度の一次近似値N1=NS(1−S1
)(NSは同期速度)を求めるステップIと、
前記一次近似値N1に基づいて、前記損失電力B1を求めるステップIIと、
前記誘導電動機の出力の二次近似値PM2をP−(A+B1)とみなし、
前記誘導電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM2=αS2
(αは電動機定数)から回転軸の回転速度の二次近似値N2=NS(1−S2)(NSは
電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知工程。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知工程のステップIで得られた前
記損失電力B1、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N2を基に、
式(3)
Ts=(P−(A+B1))/(2π×N2/60) 式(3)
により前記誘導電動機トルクTsを求める回転トルク検知工程。 - 誘導電動機を動力源として、攪拌翼を備えた回転軸を回転することにより反応液の攪拌を
行う反応器に設置され、かつ、
前記誘導電動機の回転軸と、
前記撹拌翼を備えた回転軸と、の間に
前記誘導電動機の回転速度を低減する潤滑油式減速機が設置される、
前記反応液の粘度を検知する装置であって、
前記装置は
1)前記誘導電動機トルク(Ts)の検知手段
2)潤滑油温度(t)を検知する温度検知手段
の各手段を有し、
前記反応液の粘度を、
前記誘導電動機トルクTsから、式(1)
T = Ts − F(t) 式(1)
により回転トルク(T)を求め、
更に、該回転トルクから前記反応液の粘度を演算により求める演算手段、
を備えることを特徴とする反応液の粘度検知装置。
(但し、F(t)は、前記潤滑油の温度がtである時の前記反応液が空の状態のときのト
ルク検知値を、温度を変化させて複数組検知した値に基づき、温度tで関数回帰させた式
である。) - 誘導電動機トルクTsを求める手段が、
1)誘導電動機に供給されている電力を検知する電力検知手段
2)誘導電動機に供給されている電流を検知する電流検知手段
3)誘導電動機に供給されている電圧を検知する電圧検知手段
4)誘導電動機の前記回転軸の速度を検知する回転速度検知手段
5)誘導電動機の電源周波数を検知する周波数検知手段
の各手段を有し、
前記電力検知手段で得た値(P)と、
前記誘導電動機で生ずる損失電力(PL)と、及び
前記回転軸角速度(ω)とから、次の式(2)
Ts=(P―PL)/ω 式(2)
であることを特徴とする請求項4に記載の反応液の粘度検知装置。 - 誘導電動機トルクTsを求める手段が、
以下の手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の反応液の粘度検知装置。
1)誘導電動機に投入電力Pが供給されているときの損失電力をPLとし、
該損失電力PLを誘導電動機の回転軸の回転速度に依存しない損失電力Aと回転速度に依
存する損失電力Bとに区分し、
前記投入電力Pと前記損失電力Aの差分を前記誘導電動機の機械出力の一次近似値PM
1とみなし、前記誘導電動機について既知である出力PMとすべりSとの関係式PM1=
αS1(αは電動機定数)から前記回転軸の回転速度の一次近似値N1=NS(1−S1
)(NSは同期速度)を求めるステップIと、
前記一次近似値N1に基づいて、前記損失電力B1を求めるステップIIと、
前記誘導電動機の出力の二次近似値PM2をP−(A+B1)とみなし、
前記誘導電動機について前記既知である出力PMとすべりSとの関係式PM2=αS2
(αは電動機定数)から回転軸の回転速度の二次近似値N2=NS(1−S2)(NSは
電動機定数)を求めるステップIIIを含む回転速度検知手段。
2)前記投入電力P、前記損失電力A、前記回転速度検知手段のステップIで得られた前
記損失電力B1、前記ステップIIIで得られた前記回転速度の二次近似値N2を基に、
式(3)
Ts=(P−(A+B1))/(2π×N2/60) 式(3)
により前記誘導電動機トルクTsを求める回転トルク検知手段。 - 前記反応液が、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、又はワニス用樹脂を含むものである請求項4〜6の何れかに記載の粘度検
知装置が設置されていることを特徴とする反応液の生成装置。
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JP2012214110A JP6024344B2 (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 反応液の粘度検知方法及び装置並びに反応液の生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012214110A JP6024344B2 (ja) | 2012-09-27 | 2012-09-27 | 反応液の粘度検知方法及び装置並びに反応液の生成装置 |
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JP2014066680A JP2014066680A (ja) | 2014-04-17 |
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CN103124908B (zh) * | 2010-12-27 | 2015-04-29 | Dic株式会社 | 转速检测方法及检测装置、反应液粘度检测方法及检测装置、以及反应生成物的制造方法 |
JP5817624B2 (ja) * | 2012-03-30 | 2015-11-18 | Dic株式会社 | 印刷インキワニス用樹脂溶液の生成方法、及び生成装置 |
-
2012
- 2012-09-27 JP JP2012214110A patent/JP6024344B2/ja active Active
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