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JP6022427B2 - 電磁弁の駆動制御装置 - Google Patents

電磁弁の駆動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、電磁弁の駆動制御装置に関し、特に内燃機関に装着される燃料噴射弁や排気還流制御弁などのように流体の流量を制御する電磁弁の開閉制御を行う装置に関する。
特許文献1には、電磁弁の駆動電流波形に基づいて電磁弁の実開弁時期を検出するとともに、駆動電圧波形に基づいて電磁弁の実閉弁時期を検出する電磁弁制御装置が示されている。この装置によれば、電流波形の変曲点が実開弁時期として検出され、電圧波形の変曲点が実閉弁時期として検出される。
特開平6−174139号公報
上記従来の装置によれば、検出される実開弁時期及び実閉弁時期に応じて駆動信号のフィードバック制御を行うことにより、実開弁時期から実閉弁時期までの実開弁時間を目標値に制御することが可能である。しかし、例えば弁体を閉弁方向に付勢するばねの弾性力によって開弁状態から閉弁状態への移行を行う構造の電磁弁では、ばねの弾性力を決定するばね定数のばらつきまたは経時変化によって、閉弁作動時の弁体移動速度が変化する。そのため、実開弁時間が同一であっても通過する流体の流量が変化し、流量の制御精度を高精度に維持することは困難である。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、弁体を閉弁方向に付勢するばねの付勢力によって閉弁動作が行われる電磁弁の実開弁時間をより適切に制御し、電磁弁を通過する流体流量の制御精度を高精度に維持することができる電磁弁の駆動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、流体の流量を制御する電磁弁(2)の駆動制御装置において、前記電磁弁を通過する流量の目標値である目標流量に対応する目標開弁時間(Topen)を算出する目標開弁時間算出手段と、前記目標開弁時間に応じて前記電磁弁の駆動信号(SDCTL)を設定する駆動信号設定手段と、前記電磁弁の閉弁時期(tCL)を取得する閉弁時期取得手段と、前記電磁弁の弁体(32)を閉弁方向に付勢するばね(40)のばね定数の推定値(kHAT)を算出するばね定数推定手段と、前記ばね定数の推定値(kHAT)に基づいて前記駆動信号を補正する補正手段とを備え、前記ばね定数推定手段は、前記電磁弁の弁体(32)が最大リフト位置に確実に保持された状態から閉弁動作を開始するように前記駆動信号を設定したときにおける前記閉弁時期(tCL)に基づいて、前記ばね定数の推定値(kHAT)を算出することを特徴とする。
この構成によれば、電磁弁を通過する流量の目標値である目標流量に対応する目標開弁時間が算出され、目標開弁時間に応じて電磁弁の駆動信号が設定される。電磁弁の弁体が最大リフト位置に確実に保持された状態から閉弁動作を開始するように駆動信号を設定したときにおける電磁弁の閉弁時期に基づいて、電磁弁の弁体を閉弁方向に付勢するばねのばね定数の推定値が算出され、ばね定数の推定値に基づいて駆動信号が補正される。弁体が最大リフト位置に確実に保持された状態から閉弁動作を開始するように駆動信号を設定したときにおける電磁弁の閉弁時期は、ばね定数と相関があることが確認されており、ばね定数の正確な推定値を得ることができる。そして、ばね定数の推定値に基づいて駆動信号を補正することにより、ばね定数のばらつきや経時変化に起因する流体流量の変化を防止し、制御精度を高精度に維持することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電磁弁の駆動制御装置において、前記ばね定数推定手段は、前記駆動信号(SDCTL)をオフした時点(tIE)から前記閉弁時期(tCL)までの時間に相当する閉弁作動時間(Toff)を算出する閉弁作動時間算出手段を有し、前記閉弁作動時間(Toff)が長くなるほど前記ばね定数の推定値(kHAT)が減少するように前記推定を行い、前記補正手段は、前記弁体が最大リフト位置に到達しないような範囲で前記電磁弁(2)を動作させるときは、前記ばね定数推定値(kHAT)が減少するほど前記駆動信号の継続時間(Ti)を減少させるように前記補正を行うことを特徴とする。
この構成によれば、駆動信号をオフした時点から閉弁時期までの時間に相当する閉弁作動時間が算出され、閉弁作動時間が長くなるほどばね定数の推定値が減少するように推定され、弁体が最大リフト位置に到達しないような範囲で電磁弁を動作させるときは、ばね定数の推定値が減少するほど駆動信号の継続時間が減少するように補正が行われる。ばね定数が減少するほど閉弁作動時間が長くなること、及びばね定数が減少するほど同一の継続時間に対応する流体流量が増加することが確認されているので、上記のようにばね定数推定値の算出及び駆動信号の継続時間の補正を行うことによって、流体流量の制御精度を高精度の維持することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の電磁弁の駆動制御装置において、前記電磁弁(2)は、前記駆動信号が供給されるソレノイド(39)と、該ソレノイドによって発生する電磁力が作用するコア(35)と、前記弁体(32)が固定された弁軸(31)とを備え、前記コア(35)と前記弁軸(31)とが別体に構成されたハンマリングコア構造を有することを特徴とする。
ハンマリングコア構造を有する電磁弁では、開弁時にコアがある程度の初速をもって弁軸(または弁軸に固定された部材)に突き当たるため、弁体を閉弁方向に付勢するばねの経時変化が起きやすい。したがって、請求項1の発明は、ハンマリングコア構造を有する電磁弁の駆動制御に適用することによって、より顕著な効果が得られる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関及びその制御装置を示す図である。 図1に示す燃料噴射弁の要部の構成を説明するための断面図である。 燃料噴射弁の部分リフト動作を行った場合における問題点を説明するためのタイムチャートである。 弁体を閉弁方向に付勢するばねのばね定数(k)と、閉弁作動時間(Toff)との関係を説明するための図である。 燃料噴射制御処理のフローチャートである。 図5の処理で参照されるテーブルを示す図である。 図5の処理で参照されるテーブルを示す図である。 実施形態の変形例を説明するための図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかる内燃機関(以下「エンジン」という)及びその制御装置を示す図であり、本実施形態では、ソレノイドを有する電磁弁で構成される燃料噴射弁の開弁時間を変更することによって、エンジンに供給する燃料量の制御が行われる。
4気筒のエンジン1は各気筒に対応して4つの燃料噴射弁2を備えており、燃料噴射弁2は、エンジン1の燃焼室内に直接燃料を噴射する。4つの燃料噴射弁2はそれぞれECU5に接続されており、ECU5によって、その作動が制御される。
燃料噴射弁2は、燃料通路3を介してデリバリパイプ4に接続されており、デリバリパイプ4には図示しない高圧燃料ポンプによって加圧された燃料が供給される。デリバリパイプ4には、燃料圧PFを検出する燃料圧センサ12が取り付けられており、その検出信号はECU5に供給される。
ECU5には、燃料噴射弁2のソレノイドの両端の電圧VSL及びソレノイドに供給される駆動電流IDを検出する電圧電流センサ11、エンジン1の回転数NEを検出するエンジン回転数センサ13、エンジン1の吸入空気流量GAIRを検出する吸入空気流量センサ14、吸気温TAを検出する吸気温センサ15、エンジン冷却水温TWを検出する冷却水温センサ16などのエンジン運転状態を検出する各種センサが接続されており、それらのセンサの検出信号はECU5に供給される。ECU5は、これらのセンサの検出信号を用いてエンジン運転状態に応じた燃料噴射弁2の開弁要求時間Topenを算出し、開弁要求時間Topenに応じて開弁指令時間Tiを算出し、開弁指令時間Tiを用いて燃料噴射弁2の駆動制御を行う。開弁要求時間Topenは、エンジン運転状態に応じて必要とされる燃料噴射量(目標流量)が得られるように設定されるパラメータである。
図2は燃料噴射弁2の要部の構成を説明するための断面図であり、燃料噴射弁2は、弁軸31と、弁軸31の先端に固定された弁体32と、弁軸31に固定されたフランジ33,34と、電磁力が作用するコア35と、コア35とフランジ34との間に設けられた第1スプリング36と、弁座37と、スリーブ38と、ソレノイド39と、フランジ34を閉弁方向(図の下方向)に付勢する第2スプリング40と、燃料通路として機能する中空部を有するインナカラー41とを備えている。燃料噴射弁2は、コア35と、弁体32が固定された弁軸31とが別体に構成された、いわゆるハンマリングコア構造を有する。
図3は、フランジ34を介して弁体32を閉弁方向に付勢する第2スプリング40のばね定数kのばらつきまたは経時変化に起因するリフト特性の違いを説明するためのタイムチャートであり、図3(a)はリフト量LFTの推移(リフト量が最大リフト量より小さい部分リフト動作を行った場合に対応する特性)を示し、図3(b)は対応する開弁指令信号SDCTLを示す。
開弁指令信号SDCTLは、開弁指令時期tISから閉弁指令時期tIEまでの期間(開弁指令時間Ti)、高レベルとなる信号であり、本実施形態では、開弁指令時期tISから開弁時期tOPまでの期間を開弁遅れ時間Tonと定義するとともに、閉弁指令時期tIEから閉弁時期tCLまでの期間を閉弁作動時間Toffと定義する。したがって、実開弁時間TopenAは、下記式(1)で与えられる。
TopenA=Ti−Ton+Toff (1)
開弁時期tOP及び閉弁時期tCLを例えば特許文献1に示される手法で検出して、実開弁時間TopenAが開弁要求時間Topenと一致するように、開弁指令時間Tiをフィードバック制御しても、第2スプリング40のばね定数kが変化すると、図3(a)に曲線L1,L2で示すように、リフト曲線が変化する。燃料噴射弁2から噴射される燃料量QINJは、このリフト曲線の面積にほぼ比例すると考えられるので、例えば曲線L1が平均的な特性を示し、曲線L2が特定の燃料噴射弁(ばね定数kが設計中心値より大きいもの)の特性を示すとすると、曲線L2に対応する燃料噴射弁の燃料噴射量は、両曲線の間の領域(ハッチングを付して示す)の面積に対応する燃料量だけ不足することになり、燃料噴射量の制御精度が低下する。
そこで本実施形態では、ばね定数kの推定値kHATを算出する処理を実行し、ばね定数推定値kHATに応じて開弁指令時間Tiを補正することにより、燃料噴射量の制御精度を高精度に維持できるようにしている。なお、本実施形態では、燃料噴射弁2の部分リフト動作を行う場合に、第2スプリング40のばね定数kの影響が大きいことを考慮し、部分リフト動作を行う場合に、上記補正を行うようにしている。
図3に示す例では、図3(b)に破線で示すように開弁指令時間Tiを増加補正することにより、曲線L2で示すリフト曲線は図3(a)に破線L3で示すようになり、燃料噴射量を増加させて燃料噴射量の制御精度を高めることが可能となる。
次に、ばね定数推定値kHATの算出手法を説明する。弁体32が最大リフト位置に確実の保持された状態から閉弁作動を開示するように開弁指令時間Tiを設定した場合(全開リフト動作を行った場合)における、ばね定数kと閉弁作動時間Toffとの関係は、図4(a)で示されるように強い相関があり、ばね定数kが減少するほど、閉弁作動時間Toffは増加する。
そこで、本実施形態では、全開リフト動作を行って閉弁作動時間Toffを検出し、検出した閉弁作動時間Toffに応じてばね定数推定値kHATを算出するようにしている。なお、図4(b)及び(c)は、全開リフト動作を行った場合のリフト量LFTの推移及び開弁指令信号SDCTLの一例を示す。この図には、同一の開弁指令時間Tiに対して、初期状態で閉弁作動時間Toffが第1の値Toff1であったものが、経時変化によってばね定数kが減少して、第2の値Toff2に変化した例が示されている。図4(b)にRBで示す範囲では、リフト量LFTが増減する特性が示されているが、これはハンマリングコア構造を有する電磁弁に特有のバウンス動作に起因するものである。バウンス動作は、コア35が電磁力によって吸引されて弁軸31及び弁体32とともに上方向に移動し、スリーブ38の下端に達したときにコア35が跳ね返されてわずかに上下に振動する動作である。開弁指令時間Tiが大きくなると、弁体32は最大リフト位置に安定して保持される。
図5は燃料噴射弁2による燃料噴射の制御を行う燃料噴射制御処理のフローチャートである。この処理では、気筒毎に開弁指令時間Tiの算出が行われ、燃料噴射が実行される。
ステップS10では、エンジン運転状態に応じて開弁要求時間Topenを算出し、ステップS11では、算出した開弁要求時間Topenに応じて、図6に示すTiテーブルを検索して、開弁指令時間Tiを算出する。ステップS12では、開弁要求時間Topenが所定時間TOPTHより短いか否かを判別する。所定時間TOPTHは、部分リフト動作が行われるか否かを判定するための閾値であり、ステップS12の答が肯定(YES)であって部分リフト動作が行われるときは、ステップS13に進んで、下記式(2)により、開弁指令時間Tiを補正する。式(2)のDTiは、ばね定数推定値kHATに応じて算出される補正値である。
Ti=Ti+DTi (2)
ステップS12の答が否定(NO)であるときは、直ちにステップS14に進む。ステップS14では燃料噴射を実行し、上述した開弁遅れ時間Ton及び閉弁作動時間Toffを検出する(ステップS15)。ステップS16では上記式(1)を用いて実開弁時間TopenAを算出し、ステップS17では開弁要求時間Topenから実開弁時間TopenAを減算することにより、開弁時間偏差DTopenを算出する。
ステップS18では、下記式(3)を用いて開弁指令時間Tiを更新する。式(3)のGPは制御ゲインである。
Ti=Ti+GP×DTopen (3)
ステップS19では、式(3)により更新した開弁指令時間Tiを下記式(4)に適用して、図6に示すTiテーブルの更新(学習)を行う。右辺のTiがステップS18で更新された開弁指令時間であり、TiPは更新前のテーブル設定値であり、CLは例えば0.1程度に設定されるなまし係数である。
Ti=CL×Ti+(1−CL)×TiP (4)
図8の処理により、実際に燃料噴射を実行しつつTiテーブルの学習(設定値更新)が行われ、Tiテーブルの設定値は、使用している燃料噴射弁2に最適の値に徐々に収束する。
ステップS20では、補正値更新モードフラグFCUDが「1」であるか否かを判別する。補正値更新モードフラグFCUDは、例えばエンジン1の暖機完了後のアイドル運転状態において所定時間に「1」に設定される。ステップS20の答が否定(NO)であるときは直ちに処理を終了し、補正値更新モードフラグFCUDが「1」であるときは、ステップS21に進み、開弁指令時間Tiを所定学習時間TiLRN(例えば2msec)に設定する。所定学習時間TiLRNは、図4(b)に示すコア35のバウンス動作が発生する開弁指令時間の範囲より大きな値、すなわち弁体32が最大リフト位置に確実に保持された状態から閉弁動作が開始されるような値に設定される。
ステップS22では、燃料圧PFを所定圧PFLRNに設定して、燃料噴射を実行し、閉弁作動時間Toffを検知する(ステップS23)。得られた閉弁作動時間Toffに応じて図7(a)に示すばね定数kと閉弁作動時間Toffとの関係が設定されたkテーブルを検索し、ばね定数推定値kHATを算出する(ステップS24)。kテーブルは、閉弁作動時間Toffが増加するほど、ばね定数kが減少するように設定されている。
ステップS25では、ばね定数推定値kHATに応じて図7(b)に示すDTiテーブルを検索し、補正値DTiを算出する。DTiテーブルは、ばね定数推定値kHATが増加するほど、補正値DTiが増加するように設定されている。図7(b)のk0は、ばね定数kの設計中央値である。図3を参照して説明したように、部分リフト動作では、ばね定数kが増加するほど、燃料噴射量QINJが減少することから、補正値DTiを増加させるようにしている。
以上のように本実施形態では、燃料噴射弁2による燃料噴射量の目標値に対応する開弁要求時間Topenが算出され、開弁要求時間Topenに応じて燃料噴射弁2の開弁指令信号SDCTLが設定される。燃料噴射弁2の弁体32が最大リフト位置に確実に保持された状態から閉弁動作を開始するように開弁指令時間Tiを設定したときにおける閉弁時期tCLに基づいて、弁体32を閉弁方向に付勢する第2スプリング40のばね定数kの推定値kHATが算出され、ばね定数推定値kHATに応じて補正値DTiが算出され、補正値DTiによって開弁指令時間Tiが補正される。弁体32が最大リフト位置に確実に保持された状態から閉弁動作を開始するように開弁指令時間Tiを設定したときにおける閉弁時期tCLは、ばね定数kと相関があることが確認されており、ばね定数kを正確に推定することができる。そして、ばね定数推定値kHATに基づいて開弁指令時間Tiを補正することにより、ばね定数kのばらつきや経時変化に起因する燃料噴射量の変化を防止し、制御精度を高精度に維持することができる。
より具体的には、開弁指令信号SDCTLをオフした時点、すなわち閉弁指令時期tIEから閉弁時期tCLまでの時間に相当する閉弁作動時間Toffが算出され、閉弁作動時間Toffが長くなるほどばね定数推定値kHATが減少するように推定される。弁体32が最大リフト位置に到達しないような部分リフト動作では、ばね定数推定値kHATが増加(減少)するほど開弁指令時間Tiが増加(減少)するように補正される。ばね定数kが減少するほど閉弁作動時間Toffが長くなること、及びばね定数kが減少するほど同一の開弁指令時間Tiに対応する燃料噴射量QINJが増加することが確認されているので、上記のようにばね定数推定値kHATに応じた開弁指令時間Ti間の補正を行うことによって、燃料噴射量QINJの制御精度を高精度の維持することができる。
また、燃料噴射弁2は図2に示すようにハンマリングコア構造を有するものであり、開弁時にコア35がある程度の初速をもってフランジ34に突き当たるため、第2スプリング40の経時変化が起きやすい。したがって、ばね定数推定値kHATに応じて補正値DTiを算出し、補正値DTiによって開弁指令時間Tiを補正する手法は、ハンマリングコア構造を有する燃料噴射弁2の駆動制御に適用することによって、より顕著な効果が得られる。
本実施形態では、電圧電流センサ11が閉弁時期取得手段の一部を構成し、ECU5が目標開弁時間算出手段、駆動信号設定手段、閉弁時期取得手段の一部、ばね定数推定手段、補正手段、及び閉弁作動時間算出手段を構成する。具体的には、図5のステップS10が目標開弁時間算出手段に相当し、ステップS11が駆動信号設定手段に相当し、ステップS23が閉弁時期取得手段に相当し、ステップS24がばね定数推定手段に相当し、ステップS12,S13,及びS25が補正手段に相当する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では部分リフト動作を行うときだけ、ばね定数推定値kHATに応じた開弁指令時間Tiの補正を行うようにしたが、全開リフト動作を行うときも開弁指令時間Tiの補正を行うようにしてもよい。但し、その場合には、部分リフト動作時とは逆に、ばね定数推定値kHATが減少するほど、開弁指令時間Tiが増加するように補正を行う必要がある。
図4(b)に示すように、実線で示すリフト特性が経時変化によってばね定数kが減少して破線で示すリフト特性に変化した場合には、燃料噴射制御は実開弁時間TopenA(tCL−tOP)が開弁要求時間Topenと一致するように開弁指令時間Tiが修正されるため(図5、ステップS18)、図4(b)に破線で示すリフト特性の場合は、図8(a)に破線で示すリフト特性となるように開弁指令時間Tiが修正される。したがって、実線で示す当初のリフト特性の場合に対して燃料噴射量QINJが不足することになるため、全開リフト動作時の補正値DTiFLは、ばね定数推定値kHATに応じて図8(b)に示すように設定される。このように補正値DTiFLを設定することにより、全開リフト動作時における、ばね定数kのばらつきや経時変化の影響を排除し、燃料噴射量QINJの制御精度を高精度に維持することができる。
また上述した実施形態では、内燃機関の燃料噴射弁の駆動制御装置に本発明を適用した例を示したが、流体の流量を制御するための一般的な電磁弁、例えば排気還流量を制御する電磁弁や自動変速機の作動油の流量を制御する電磁弁などの駆動制御装置にも適用可能である。
1 内燃機関
2 燃料噴射弁(電磁弁)
5 電子制御ユニット(目標開弁時間算出手段、駆動信号設定手段、閉弁時期取得手段、ばね定数推定手段、補正手段、閉弁作動時間算出手段)
11 電圧電流センサ(閉弁時期取得手段)

Claims (3)

  1. 流体の流量を制御する電磁弁の駆動制御装置において、
    前記電磁弁を通過する流量の目標値である目標流量に対応する目標開弁時間を算出する目標開弁時間算出手段と、
    前記目標開弁時間に応じて前記電磁弁の駆動信号を設定する駆動信号設定手段と、
    前記電磁弁の閉弁時期を取得する閉弁時期取得手段と、
    前記電磁弁の弁体を閉弁方向に付勢するばねのばね定数の推定値を算出するばね定数推定手段と、
    前記ばね定数の推定値に基づいて前記駆動信号を補正する補正手段とを備え、
    前記ばね定数推定手段は、前記電磁弁の弁体が最大リフト位置に確実に保持された状態から閉弁動作を開始するように前記駆動信号を設定したときにおける前記閉弁時期に基づいて、前記ばね定数の推定値を算出することを特徴とする電磁弁の駆動制御装置。
  2. 前記ばね定数推定手段は、前記駆動信号をオフした時点から前記閉弁時期までの時間に相当する閉弁作動時間を算出する閉弁作動時間算出手段を有し、前記閉弁作動時間が長くなるほど前記ばね定数の推定値が減少するように前記推定を行い、前記補正手段は、前記弁体が最大リフト位置に到達しないような範囲で前記電磁弁を動作させるときは、前記ばね定数の推定値が減少するほど前記駆動信号の継続時間を減少させるように前記補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の電磁弁の駆動制御装置。
  3. 前記電磁弁は、前記駆動信号が供給されるソレノイドと、該ソレノイドによって発生する電磁力が作用するコアと、前記弁体が固定された弁軸とを備え、前記コアと前記弁軸とが別体に構成されたハンマリングコア構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁の駆動制御装置。
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