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JP6015518B2 - 磁気特性測定方法及び装置 - Google Patents

磁気特性測定方法及び装置 Download PDF

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JP6015518B2 JP2013064424A JP2013064424A JP6015518B2 JP 6015518 B2 JP6015518 B2 JP 6015518B2 JP 2013064424 A JP2013064424 A JP 2013064424A JP 2013064424 A JP2013064424 A JP 2013064424A JP 6015518 B2 JP6015518 B2 JP 6015518B2
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Description

本発明は、電磁鋼板等の磁性材料の磁気特性を計測する磁気特性測定方法及び装置に関する。
電磁鋼板等の磁性板材料の特性評価は、磁性板試料に励磁コイルで交流磁界を印加し、磁性板試料内部の磁界Hと磁束密度Bとを測定してB−H特性(カーブ)等を得ることにより行われる。ここで、磁性板試料内部の磁界Hは、試料の両端等に生じる磁極から生じる反磁界の影響により外部からの印加磁界Hextとは異なるため、別の方法で測定する必要がある。
磁性板試料内部の磁界Hの測定方法としては、エプスタイン法が知られており、この方法はJIS C 2550に採用されている。
また、他の測定方法としては、単板磁気特性試験方法(SST:Single Sheet Tester)が知られており、この方法はJIS C 2556に採用されている。SSTにおける磁界検出方法としては、磁性板試料の表面に近接させた磁界検出用コイルを1個使う1Hコイル法が知られている。また、磁界検出用コイルを磁性試料表面から異なる高さに2個置いて、2つの磁界測定値を直線で外挿して磁気試料表面の磁界を推測する2Hコイル法が知られている。このとき、磁性試料内部の磁界は、磁性試料表面の磁界で近似する。
また、独立した2つ以上の軸方向に磁界を発生する電磁コイルを備え、磁性板試料の面内における任意の方向に磁界を印加して、2次元ベクトル磁気特性を測定する、2D−SSTも使用されている。
特開2011−220692号公報
J. G. Zhu et al., "Two Dimensional Measurement of Magnetic Field and Core Loss Using a Square Specimen Tester", IEEE Trans. on Magn. Vol. 29,No. 6, Nov. 1993 pp. 2995-2997 M. Jesenik et al., "Field Homogeneity in a Two-Phase Round Rotational Single Sheet Tester with One and Both Side Shields", J. Magn. Magn. Mater. 254-255, 2003, pp. 247-249
エプスタイン試験機では、励磁用1次コイルと磁束検出用2次コイルを4辺に内蔵したエプスタイン試験枠と呼ばれる正方形の枠に、12〜36枚の磁性板試料(1枚のサイズは例えば長さ300mm、幅30mm)を四角いループ形状に積層してコイル内に嵌め込んだ状態で測定が行われる。このため、大型の装置と多量の磁性板試料が必要であった。また、試料の磁界Hは、H=アンペアターン/実効磁路長により励磁電流から計算するが(励磁電流法)、特に正方形枠の角付近で試料内の磁界Hが一様でないため、測定誤差が生じることがあった。
一方、SSTでは、1枚の磁性板試料で試験することが可能である。磁束密度Bの測定は、試料に巻いたコイル(Bコイル)で行い、磁界Hの測定は、試料表面に近接して設置した1個又は2個の磁界検出コイル)(Hコイル)で行う(1Hコイル法、2Hコイル法)。
しかしながら、高い測定精度を得るためには、磁界分布を一様とするために大型の測定装置と大型の磁性板試料が必要であり、小型化すると測定精度が劣化するというジレンマを有していた。また、B−H特性と同時に、磁性板試料表面の微視的磁区状態をカー顕微鏡等で観察することが望まれるが、これらの測定装置では、磁性板試料がBコイルや励磁コイルなどで覆われていて、磁性板試料表面を顕微鏡観察することができなかった。また、磁性板試料表面の微視的磁区状態をカー顕微鏡で観察するためには、磁性板試料表面を研磨(機械研磨や電解研磨)して鏡面にする必要があるが、磁性板試料のサイズを大きくすると、研磨が困難になったり研磨のコストがかかるという問題があった。
本発明の目的は、磁性板試料の磁気特性を高精度に測定しうる磁気特性測定装置及び磁気特性測定方法を提供することにある。
実施形態の一観点によれば、第1の磁性板試料と、前記第1の磁性板試料から離間して平行に配置された第2の磁性板試料と、前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料の表面に平行な方向の成分を有する磁界を印加する磁界印加手段と、前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との間の第1の位置に配置された第1の磁界センサと、前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との間の第2の位置に配置された第2の磁界センサとを有し、前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との中間の平面からの前記第1の位置と前記第2の位置の距離の絶対値が異なる磁気特性測定装置が提供される。
また、実施形態の他の観点によれば、互いに平行に配置された第1及び第2の磁性板試料に、前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料の表面に平行な方向の成分を有する磁界を印加し、前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との中間の位置に配置された第1の磁界センサにより第1の磁界を検出し、前記第2の磁性板試料と前記第1の磁界センサとの間に配置された第2の磁界センサにより第2の磁界を検出し、前記第1の磁界センサにより検出した前記第1の磁界の強さと、前記第2の磁界センサにより検出した前記第2の磁界の強さに基づいて、前記第1の磁性板試料内の磁界を算出する磁気特性測定方法が提供される。
開示の磁気特性測定装置及び磁気特性測定方法によれば、磁界測定点付近における磁界の一様性を向上することができ、磁性板試料の磁界特性をより高い精度で測定することができる。また、高い精度で磁性板試料内部の磁界を算出することができる。
図1は、第1実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す斜視図である。 図2は、第1実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す断面図である。 図3は、第1実施形態による磁気特性測定装置の全体構成を示す概略図である。 図4は、第1実施形態による磁気特性測定方法における磁性板試料内の磁界の推定方法を説明するグラフである。 図5は、SST法における磁性板試料内の磁界の推定方法を説明するグラフである。 図6は、第2実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す斜視図である。 図7は、第2実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す断面図である。 図8は、第2実施形態による磁気特性測定装置の全体構成を示す概略図である。 図9は、励磁コイルに流す電流とX軸方向の磁界の強さとの関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフ(その1)である。 図10は、励磁コイルに流す電流とX軸方向の磁界の強さとの関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフ(その2)である。 図11は、第3実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す斜視図である。 図12は、第3実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す断面図である。 図13は、第3実施形態による磁気特性測定装置の磁界センサの構造を示す上面図及び断面図である。 図14は、第3実施形態による磁気特性装置の磁束密度センサの構造を示す上面図及び断面図である。 図15は、磁界測定誤差の高さ方向の位置依存性を有限要素法によるシミュレーションにより求めた結果を示すグラフ(その1)である。 図16は、磁界測定誤差の高さ方向の位置依存性を有限要素法によるシミュレーションにより求めた結果を示すグラフ(その2)である。
[第1実施形態]
第1実施形態による磁気特性測定装置及び磁気特性測定方法について図1乃至図5を用いて説明する。
図1は、本実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す斜視図である。図2は、本実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す断面図である。図3は、本実施形態による磁気特性測定装置の全体構成を示す概略図である。図4は、本実施形態による磁気特性測定方法における磁性板試料内の磁界の推定方法を説明するグラフである。図5は、SST法における磁性板試料内の磁界の推定方法を説明するグラフである。
はじめに、本実施形態による磁気測定装置の構造について図1乃至図3を用いて説明する。
本実施形態による磁気特性測定装置10では、測定対象の磁性板試料を2枚用いて測定を行う。測定に用いる2枚の磁性板試料は同じ材料からなる形状の等しいものであり、例えば図1及び図12に示すような、長方形の板状体の磁性板試料12A,12Bを用いることができる。磁性板試料12A,12Bは、磁性板試料12A,12Bの両端部に配置されたスペーサ14によって一定の間隔を離して平行に配置される。ここでは、磁性板試料12A,12Bの長手方向がX軸方向となるように磁性板試料12A,12Bが配置されているものとする。スペーサ14の材料は、非磁性体でもよいが、ここでは後述するリターンヨーク22と同様に軟磁性体材料により形成するものとする。この軟磁性体材料としては、渦電流の影響を低減するために、電磁鋼板を積層したものなどが適する。
磁性板試料12A,12Bの周囲には、磁性板試料12A,12BをX軸方向に励磁するための励磁コイル16が配置されている。磁性板試料12A,12Bの間領域の中央部付近には、2つの磁界センサ18A,18Bが配置されている。磁界センサ18Aは、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの間の第1の位置(ここでは例として、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの中間位置とした)に配置され、磁界センサ18Bは、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの間の第2の位置(ここでは例として、磁界センサ18Aと磁性板試料12Bとの間の位置とした)に配置されている。磁界センサ18A,18Bとしては、例えば、空芯コイル(Hコイル)やホールセンサを用いることができる。
一方の磁性板試料12Aの中央部付近には、磁性板試料12A内の磁束密度をモニタするための磁束密度センサ20が配置されている。磁束密度センサ20としては、例えば、磁性板試料12Aに巻回されたコイル(Bコイル)を用いることができる。
励磁コイル16により巻回された磁性板試料12A,12Bの上方及び下方には、軟磁性体材料よりなるリターンヨーク22がそれぞれ配置されている。リターンヨーク22の端部は、磁性板試料12A,12Bの端部にそれぞれ接続されており、これにより閉磁路が形成されている。
励磁コイル16、磁界センサ18A,18B及び磁束密度センサ20には、図3に示すように、DST(Double Sheet Tester)制御装置30が接続されている。DST制御装置30には、本実施形態による磁気特性測定装置の全体の制御を司るCPU(中央処理装置)40が接続されている。CPU40には、測定結果等を表示するためのモニタ50が接続されている。なお、本明細書では、2枚の磁性板試料を用いて測定を行う測定装置を、1枚の磁性板試料を用いて測定を行う磁気特性装置(SST)と区別する観点から、DSTと表現することもある。
DST制御装置30は、D/Aコンバータ(DAC)と、D/Aコンバータ(DAC)の出力を増幅する電力増幅器(PAMP)とを有している。また、磁束密度センサ20の出力を増幅する増幅器(SAMP1)と、増幅器(SAMP1)の出力に接続されたA/Dコンバータ(ADC1)とを有している。また、磁界センサ18Aの出力を増幅する増幅器(SAMP2)と、増幅器(SAMP2)の出力に接続されたA/Dコンバータ(ADC2)とを有している。また、磁界センサ18Bの出力を増幅する増幅器(SAMP3)と、増幅器(SAMP3)の出力に接続されたA/Dコンバータ(ADC3)とを有している。
次に、本実施形態による磁気特性測定装置を用いた磁気特性測定方法について図1乃至図4を用いて説明する。
まず、CPU40からの指示により、D/Aコンバータ(DAC)及び電力増幅器(PAMP)を介して励磁コイル16に電流を流し、磁性板試料12A,12Bに磁界を印加する。この際、CPU40により、D/Aコンバータ(DAC)の出力波形が設定され、D/Aコンバータ(DAC)の出力が電力増幅器(PAMP)により増幅され、励磁コイル16に流す電流となる。
次いで、励磁コイル16内に励磁された磁界の強さを磁界センサ18A,18Bにより検出し、磁性板試料12A内の磁束密度を磁束密度センサ20により検出する。磁界センサ18A,18Bからの出力は、増幅器(SAMP1,SAMP2)により増幅され、ADコンバータ(ADC2,ADC3)によりデジタルデータ化されて、CPU40に読み込まれる。また、磁束密度センサ20からの出力は、増幅器(SAMP1)により増幅され、ADコンバータ(ADC1)によりデジタルデータ化されて、CPU40に読み込まれる。
次いで、CPU40は、ADコンバータ(ADC2,ADC3)からの出力に基づいて演算を行い、磁界Hを算出する。また、ADコンバータ(ADC1)からの出力に基づいて演算を行い、磁束密度Bを算出する。そして両者の結果からB−H特性等の所定の磁気特性が求められる。CPU40による算出結果は、必要に応じてモニタ50に出力される。
ここで、測定すべき磁界は、磁性板試料12A内における磁界であるところ、磁界センサ18A,18Bにより測定される磁界は、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの間の空間における磁界である。そこで、本実施形態による磁気特性測定方法では、磁性板試料12A内の磁界Hを、2つの磁界センサ18A,18Bにより検出した磁界に基づいて、以下のようにして算出する。
図4は、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの間の位置と磁界の強度との関係を示すグラフである。グラフの横軸は、磁性板試料12A,12Bの表面に直交するZ軸方向の位置(高さ)を表しており、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの間の中間点を原点Oとしている。高さZsが磁性板試料12Bの磁性板試料12A側の表面位置に相当し、高さ−Zsが磁性板試料12Aの磁性板試料12B側の表面位置に相当する。また、原点Oが磁界センサ18Aの位置に相当し、高さZ1が磁界センサ18Bの位置に相当する。グラフの縦軸は、磁界印加軸方向(X軸方向)の磁界成分、Hx(Z,0,0)≡Hx(Z)、を表している。
励磁用コイル16や励磁磁界を導くリターンヨーク22により磁性板試料12A,12Bに印加される外部磁界がZ=0面に対称とみなせれば、測定系の対称性から、
Hx(Z)=Hx(−Z)
の関係が成立する。したがって、Hx(Z)をZの冪級数で展開すると、Zの偶数次数の項のみが残る。2つの磁性板試料12A,12Bの内側表面の磁界Hx(Zs)(=Hz(−Zs))は、3次の冪までの近似では、Hx(0)とHx(Z1)を用いて、
Hx(Zs)≒Hx(0)+[Hx(Z1)−Hx(0)]×(Zs/Z1)
と表される。通常、磁性板試料の内部磁界の厚み方向での磁界分布はほぼ一様とみなせるので、磁性板試料の内部磁界は表面磁界Hx(Zs)で近似することができる。
したがって、磁界センサ18Aにより磁界Hx(0)を検出し、磁界センサ18Bにより磁界Hx(Z1)を検出し、CPU40により上の式を用いてHx(Zs)を算出することで、磁性板試料12A,12Bの内部磁界を高精度の近似で求めることができる。
また、より一般的には、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの間の中間の平面からの距離が、Z1とZ2(但し、|Z1|≠|Z2|)となる第1の位置と第2の位置を磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの間に選択し、この2つの位置における磁界、Hx(Z1)とHx(Z2)を用いて、3次の冪までの近似では、
Hx(Zs)≒[(Z1×Hx(Z2)−Z2×Hx(Z1))
+(Hx(Z1)−Hx(Z2))×Zs]/(Z1−Z2
と表されるので、|Z1|≠|Z2|として、Z1の位置に置いた磁界センサ18Aにより磁界Hx(Z1)を検出し、Z2の位置に置いた磁界センサ18Bにより磁界Hx(Z2)を検出し、CPU40により上の式を用いてHx(Zs)を算出することで、磁性板試料12A,12Bの内部磁界を高精度の近似で求めることができる。ここで、第1の位置と第2の位置は一つのZ軸上の位置であり、さらには、このZ軸は図1の測定系の中央を原点とする軸であることが理想であるが、磁界分布の一様性が十分保たれる範囲であれば、1つのZ軸上に位置していなくてもよい。
なお、SSTの2Hコイル法による磁界の測定では、例えば図5に示すように、高さZ1の位置に配置した磁界センサにより磁界H(Z1)を検出し、高さZ2の位置に配置した磁界センサにより磁界H(Z2)を検出する。そして、磁界H(Z1)と磁界H(Z2)とを直線(図中、点線)で外挿して磁性板試料表面の高さZsの位置の磁界H(Zs)を算出し、この磁界H(Zs)を磁性板試料内部の磁界と推定する。
しかしながら、実際の磁界強度の分布には2次以上の項も含まれるため、必ずしも直線的に変化するものではなく、例えば図5に実線で示すような曲線となることもある。このため、SSTの2Hコイル法では、磁性板試料内部の磁界Hを高い精度で測定することは困難である。
このように、本実施形態によれば、2枚の磁性板試料を平行に配置し、これら磁性板試料間の領域で磁界を測定するので、磁界測定点付近における磁界の一様性を向上することができ、磁性板試料の磁界特性をより高い精度で測定することができる。また、磁性板試料内の磁界を算出する際、磁界の高さ依存曲線の奇数次の項をキャンセルし、2次の項をも含めて補正を行うことができるので、高い精度で磁性板試料内部の磁界を算出することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態による磁気特性測定装置及び磁気特性測定方法について図6乃至図10を用いて説明する。図1乃至図4に示す第1実施形態による磁気特性測定装置及び磁気特性測定方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図6は、本実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す斜視図である。図7は、本実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す断面図である。図8は、本実施形態による磁気特性測定装置の全体構成を示す概略図である。図9及び図10は、励磁コイルに流す電流とX軸方向の磁界の強さとの関係をシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。
はじめに、本実施形態による磁気特性測定装置の構造について図6乃至図8を用いて説明する。
本実施形態による磁気特性測定装置は、励磁コイル16及びリターンヨーク22の配置が異なるほかは、図1乃至図4に示す第1実施形態による磁気特性測定装置10と基本的に同様である。すなわち、本実施形態による磁気特性測定装置の測定部は、図6及び図7に示すように、磁性板試料12Bの上面が励磁コイル16及びリターンヨーク22で覆われないように、これらの配置を工夫したものである。
2枚の磁性板試料12A,12Bは、長方形の板状体であり、磁性板試料12A,12Bの両端部に配置されたスペーサ14によって一定の間隔を離して平行に配置される。磁性板試料12A,12Bの両端部には、スペーサ14とともに磁性板試料12A,12Bを挟持するように固定ブロック24が配置されている。スペーサ14及び固定ブロック24により固定された磁性板試料12A,12Bの両端部には、軟磁性体材料よりなるサイドヨーク26がそれぞれ配置されている。スペーサ14及び固定ブロック24の材料は非磁性体でもよいが、磁性板試料12A,12Bをサイドヨーク26に接続してヨークの働きを強めるためには、軟磁性材料であることが望ましい。
サイドヨーク26の周囲には、磁性板試料12A,12BをX軸方向に励磁するための励磁コイル16A,16Bがそれぞれ配置されている。励磁コイル16A,16Bは、少なくとも磁性板試料12Bの中央部分を覆わないように配置されていればよく、磁性板試料12A,12Bの端部は励磁コイル16A,16Bにより覆われていてもよい。
磁性板試料12A,12Bの間領域の中央部付近には、2つの磁界センサ18A,18Bが配置されている。磁界センサ18Aは、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの中間の位置に配置され、磁界センサ18Bは、磁界センサ18Aと磁性板試料12Bとの間の位置に配置されている。一方の磁性板試料12Aの中央部付近には、磁性板試料12A内の磁束密度をモニタするための磁束密度センサ20が配置されている。
磁性板試料12A,12Bの両端部は、サイドヨーク26及びリターンヨーク22を介して接続されており、これにより閉磁路が形成されている。リターンヨーク22は、磁性板試料12B上を覆わないように、リターンヨーク22により形成される閉磁路の面が、磁性板試料12A及び磁性板試料12Bの表面に対して平行になるように、X−Y面に沿って平行に形成されている。
このようにして励磁コイル16及びリターンヨーク22が磁性板試料12B上を覆わないように配置し、かつ磁束密度センサ20を一方の磁性板試料12Aに配置することで、磁性板試料12Bの磁区観察を行うことも可能になる。例えば図8に示すように、測定部上に顕微鏡60を配置することで、磁性板試料Aを用いて磁気特性の測定を行うと同時に、磁性板試料12Bを用いて磁区観察を行うことができる。顕微鏡60は、CPU40によって制御するようにしてもよい。
なお、本実施形態による磁気特性測定装置を用いた磁気特性測定方法は、第1実施形態による磁気特性測定装置を用いた磁気特性測定方法と同様である。
図9及び図10は、励磁コイル16A,16Bに流す電流IとX軸方向の磁界Hx(Z)との関係を有限要素法によるシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。図9が本実施形態による磁気特性測定装置の場合であり、図10が磁性板試料を1枚とした場合(SST)である。図中、両矢印で示す部分が磁性板試料の配置場所に相当している。励磁コイル16A,16Bのコイル巻き数はそれぞれ600ターンとした。磁性板試料1枚のサイズは、磁界印加方向の長さを50mm、幅を10mm、厚みを0.5mmとした。磁性板試料と測定装置を構成する強磁性体には、総て軟鉄のB−H特性(ヒステリシス無し、有限個の点データを直線補間したもの)を使用して計算を行った。
コイル電流Iを1Aとした場合、図10に示すSSTでは、磁界Hx(Z)の曲線の曲がりが強くなっており、直線で外挿を行う2H法では誤差が生じることが想定される。
これに対し、図9に示す本実施形態による磁気特性測定装置では、2つの磁性板試料間で磁界Hx(Z)はコイル電流Iの値によらずに2次曲線でよく近似できていることが判る。また、磁性板試料内部では、磁界Hx(Z)はほぼ一定となっていることが判る。したがって、磁界センサ18A,18Bで検出した磁界の値を用いて2次曲線で磁性板試料表面に外挿を行う本実施形態による測定方法によれば、SST法と比較して、磁性板試料内部の磁界をより高精度に測定することができる。
表1は、各種測定方法における測定誤差の計算例をまとめたものである。表中、1Hセンサ法とは、磁界センサを1つ用いた測定方法であり、2Hセンサ法とは、磁界センサを2つ用いた測定方法である。また、SSTは、1枚の磁性板試料を用いた測定方法であり、DSTは、2枚の磁性板試料を用いた測定方法である。本実施形態による磁気特性の測定方法は、DST−2Hセンサ法に該当する。
SST−1Hセンサ法の計算では、磁性板試料の厚みの中央を原点として、Z=1mmの高さに磁界センサを配置した場合と、Z=2mmの高さに磁界センサを配置した場合を想定した。
SST−2Hセンサ法では、磁性板試料の厚みの中央を原点として、Z=1mmの高さとZ=2mmの高さに磁界センサを配置した場合を想定した。
DST−1Hセンサ法では、磁性板試料の厚みの中央間の距離が4.5mmとなるように2枚の磁性板試料を配置し、Z=0の高さ(2枚の磁性板試料の中間の位置)に磁界センサを配置した場合を想定した。
DST−2Hセンサ法では、磁性板試料の厚みの中央間の距離が4.5mmとなるように2枚の磁性板試料を配置し、Z=0の高さ(2枚の磁性板試料の中間の位置)とZ=1mmの高さに磁界センサを配置した場合を想定した。
励磁コイルに流すコイル電流Iは、I=0.1Aの場合とI=1.0Aの場合の2種類を想定した。なお、I=0.1Aのコイル電流によりおよそ2100A/mの磁界が励起され、I=1.0Aのコイル電流によりおよそ19000A/mの磁界が励起されるものとした。
Figure 0006015518
表1の結果から、本実施形態による磁気特性測定装置を用いて測定を行うことにより、磁性板試料内の内部磁界を他の方法よりも高精度に測定できることが検証できた。
このように、本実施形態によれば、2枚の磁性板試料を平行に配置し、これら磁性板試料間の領域で磁界を測定するので、磁界測定点付近における磁界の一様性を向上することができ、磁性板試料の磁界特性をより高い精度で測定することができる。また、磁性板試料内の磁界を算出する際、磁界の高さ依存曲線の奇数次の項をキャンセルし、2次の項をも含めて補正を行うことができるので、高い精度で磁性板試料内部の磁界を算出することができる。また、励磁コイルを磁性板試料の両端部に分けて配置し、かつ磁束密度センサを一方の磁性板試料に配置することで、もう一方の磁性板試料の中央部分を露出することができるので、この領域を磁区観察に利用することができる。
[第3実施形態]
第3実施形態による磁気特性測定装置及び磁気特性測定方法について図11乃至図16を用いて説明する。図1乃至図10に示す第1及び第2実施形態による磁気特性測定装置及び磁気特性測定方法と同様の構成要素には同一の符号を付し説明を省略し或いは簡潔にする。
図11は、本実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す斜視図である。図12は、本実施形態による磁気特性測定装置の測定部の構造を示す断面図である。図13は、本実施形態による磁気特性測定装置の磁界センサの構造を示す上面図及び断面図である。図14は、本実施形態による磁気特性装置の磁束密度センサの構造を示す上面図及び断面図である。図15及び図16は、磁界測定誤差の高さ方向の位置依存性を有限要素法によるシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。
はじめに、本実施形態による磁気特性測定装置の構造について図11乃至図14を用いて説明する。なお、図12は、磁性板試料12A,12Bの形成部のX−Z平面に平行な面に沿った断面図である。磁性板試料12A,12Bの形成部のY−Z平面に平行な面に沿った断面図も、図12と同様である。
本実施形態による磁気特性測定装置は、直交する2つの軸方向に独立に磁界を印加する励磁コイルを備えた2次元磁気特性測定装置である。
本実施形態による磁気特性測定装置においても、測定対象の磁性板試料を2枚用いて測定を行う。2枚の磁性板試料12A,12Bは、図11及び図12に示すように、四角形の板状体であり、磁性板試料12A,12Bの4辺の端部に配置されたスペーサ14によって一定の間隔を離して平行に配置される。ここでは、磁性板試料12A,12Bの対向する2組の辺がそれぞれX軸方向及びY軸方向に平行になるように磁性板試料12A,12Bが配置されているものとする。磁性板試料12A,12Bの4辺の端部には、スペーサ14とともに磁性板試料12A,12Bを挟持するように固定ブロック24が配置されている。スペーサ14及び固定ブロック24により固定された磁性板試料12A,12Bの4辺の端部には、軟磁性体材料よりなるサイドヨーク26がそれぞれ配置されている。
なお、本実施形態による磁気特性装置では、磁性板試料12A,12B内の磁化ベクトルを一様にするためには、磁性板試料12A,12Bをサイドヨーク26に磁気的に接触させずにスペースを設けることが望ましい(図12参照)。また、スペーサ14及び固定ブロック24の材料としては、非磁性体が望ましい。
磁性板試料12A,12BのY軸に平行な2辺に隣接するサイドヨーク26の周囲には、磁性板試料12A,12BをX軸方向に励磁するための励磁コイル16A,16Bがそれぞれ配置されている。また、磁性板試料12A,12BのX軸に平行な2辺に隣接するサイドヨーク26の周囲には、磁性板試料12A,12BをY軸方向に励磁するための励磁コイル16C,16Dがそれぞれ配置されている。
磁性板試料12A,12Bの周囲には、四角い枠状のリターンヨーク22が配置されている。リターンヨーク22は、磁性板試料12A,12Bの周囲に配置されたサイドヨーク26に接続されており、これにより閉磁路が形成されている。リターンヨーク22は、磁性板試料12B上を覆わないように、X−Y平面に沿って配置されている。
磁性板試料12A,12B間の領域の中央部付近には、2つの磁界センサ18A,18Bが配置されている。磁界センサ18Aは、磁性板試料12Aと磁性板試料12Bとの中間の位置に配置され、磁界センサ18Bは、磁界センサ18Aと磁性板試料12Bとの間の位置に配置されている。
磁界センサ18A,18Bとしては、例えば図13に示すような2軸の磁界ベクトルセンサを適用することができる。図13(a)は上面図であり、図13(b)は断面図である。図13に示す磁界センサは、平板状のボビン70に、直交する2つのコイル72,74が巻回されたものである。ボビン70のX軸に平行な2辺に巻回されたコイル72は、X軸方向の磁界を検出するセンサとして機能し、ボビン70のY軸に平行な2辺に巻回されたコイル74は、Y軸方向の磁界を検出するセンサとして機能する。
一方の磁性板試料12Aの中央部付近には、磁性板試料12A内の磁束密度をモニタするための磁束密度センサ20が配置されている。
磁束密度センサ20としては、例えば図14に示すような2軸の磁束密度ベクトルセンサを適用することができる。図14(a)は上面図であり、図14(b)は断面図である。図14に示す磁束密度センサは、磁性板試料12Aに開けられた開口部76,78を通して磁性板試料12Aの中央部に巻回された直交する2つのコイル80,82を有している。Y軸方向に沿って隣接配置された2つの開口部76を通して巻回されたコイル80は、X軸方向の磁束密度を検出するセンサとして機能し、X軸方向に沿って隣接配置された2つの開口部78を通して巻回されたコイル82は、Y軸方向の磁束密度を検出するセンサとして機能する。
本実施形態による磁気特性測定装置の全体構成は、基本的には、図3に示す第1実施形態による磁気特性測定装置と同様である。なお、DST制御装置30は、磁性板試料12A,12に印加する磁界のX軸方向及びY軸方向の成分をそれぞれ独立して制御できるようになっている。また、磁性板試料12A内の磁界及び磁束密度をX軸方向及びY軸方向の成分に分けてそれぞれ独立して検出できるようになっている。
磁性板試料12B上には、例えば図8に示す第2実施形態による磁気特性測定装置の場合と同様に、磁区観察用の顕微鏡を配置するようにしてもよい。
なお、本実施形態による磁気特性測定装置を用いた磁気特性測定方法は、基本的には第1実施形態による磁気特性測定装置を用いた磁気特性測定方法と同様である。第1実施形態による磁気特性測定方法と同様にして、X軸方向の磁気特性とY軸方向の磁気特性とをそれぞれ測定することにより、磁性板試料12AにX−Y面内の任意の方向に沿った磁界や、円および任意の角度の楕円形の回転磁界を印加したときの磁気特性を測定することができる。
図15及び図16は、磁界測定誤差の高さ方向の位置(Z軸方向の位置)依存性を有限要素法によるシミュレーションにより求めた結果を示すグラフである。図15が本実施形態による磁気特性測定装置(2D−DST)の場合であり、図16がSST法を用いた2次元磁気特性測定装置(2D−SST)の場合である。励磁コイル16A〜Dのコイル巻き数はそれぞれ600ターンとした。磁性板試料1枚のサイズは50mm×50mm、厚さは0.5mmとした。磁性板試料と測定装置を構成する強磁性体には、総て軟鉄のB−H特性(ヒステリシス無し、有限個の点データを直線補間したもの)を使用して計算を行った。
2D−DSTの励磁コイルやヨークは、2D−SSTと同じ形状サイズとした。ここでは、X軸方向の励磁コイル16A,16Bにのみ電流を印加し、Y軸方向の励磁コイル16C,16Dの電流はゼロとした場合を計算した。
2D−DSTのシミュレーション(図15)では、磁性板試料の厚みの中央間の距離が4.5mmとなるように2枚の磁性板試料を配置し、2枚の磁性板試料の中間の位置を原点(0,0,0)とした。そして、磁界センサのサイズを無視し、位置(0,0,Z)に磁界センサを置いて測定される磁界のX成分Hx(0,0,Z)≡Hx(Z)と磁性板試料の磁性板試料中心における磁界Hx(0,0,2.25mm)≡Hx(2.25mm)との差をHx(2.25mm)に対する比率で表したδr(2D−DST,Z)、
δr(2D−DST,Z)≡[Hx(Z)−Hx(2.25mm)]/Hx(2.25mm)
を励磁コイルの電流を変えながら計算した。これが2D−DSTにおける磁界センサの測定誤差を比率で表した値となる。
2D−SSTのシミュレーション(図16)では、磁性板試料の厚みの中央を原点(0,0,0)として、Z=1mmの高さに磁界センサを配置した場合と、Z=2mmの高さに磁界センサを配置した場合を想定した。そして、磁界センサのサイズを無視し、位置(0,0,Z)に磁界センサを置いて測定される磁界のX成分Hx(0,0,Z)≡Hx(Z)と磁性板試料中心における磁界Hx(0,0,0)≡Hx(0)との差をHx(0)に対する比率で表したδr(2D−SST,Z)、
δr(2D−SST,Z)≡[Hx(Z)−Hx(0)]/Hx(0)
を励磁コイルの電流を変えながら計算した。これが2D−SSTにおける磁界センサの測定誤差を比率で表した値となる。
図15及び図16に示すように、2D−DSTを用いた場合の測定誤差は、2D−SSTを用いた場合の測定誤差と比較して、非常に小さいことが判る。例えば、δr(2D−DST,2mm)とδr(2D−SST,0mm)とを比較すると、磁界Hx(0,0,0)が500[A/m]のときには、2D−SSTの測定誤差が+38%であるのに対し、2D−DSTの測定誤差は−0.2%となる。また、磁界Hx(0,0,0)が8000[A/m]のときには、2D−SSTの測定誤差が+5%であるのに対し、2D−DSTでは+0.4%となる。
このように、本実施形態によれば、本実施形態によれば、2枚の磁性板試料を平行に配置し、これら磁性板試料間の領域で磁界を測定するので、磁界測定点付近における磁界の一様性を向上することができ、磁性板試料の磁界特性をより高い精度で測定することができる。また、磁性板試料内の磁界を算出する際、磁界の高さ依存曲線の奇数次の項をキャンセルし、2次の項をも含めて補正を行うことができるので、高い精度で磁性板試料内部の磁界を算出することができる。また、交差する2方向に磁気特性測定手段を配置するので、磁性板試料の任意の方向や、円および楕円形の回転磁界に対する磁気特性を測定することができる。また、励磁コイルを磁性板試料の両端部に分けて配置し、かつ磁束密度センサを一方の磁性板試料に配置することで、もう一方の磁性板試料の中央部分を露出することができるので、この領域を磁区観察に利用することができる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、磁性板試料のB−H特性を測定することを考慮して磁界センサ16と磁束密度センサ20とを設けたが、磁界センサ16のみを設けて磁性板試料内の磁界のみを測定するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、2枚の磁性板試料12A,12Bを用いた例を示したが、磁性板試料12A,12Bのそれぞれを、同じ枚数の複数枚の磁性板試料を重ねたものとしてもよい。これにより、個々の磁性板試料の特性ばらつきによって生じる測定ばらつきを平均して磁気特性を測定することができる。また、磁束密度センサの感度を向上することができる。
また、上記第1実施形態では、磁性板試料12A,12Bを囲うように励磁コイル16を設けたが、第2実施形態の場合のように、磁性板試料12A,12Bの両端部に分割して励磁コイル16A,16Bを配置してもよい。
また、上記実施形態では、磁性板試料12A,12Bを同じ材料からなる形状の等しいものを用いる場合を示したが、磁性板試料12A,12Bの中間点から見た磁界の対称性を十分に確保できるものであれば、必ずしも同じ材料からなる形状の等しい試料を用いる必要はない。磁性板試料12A,12Bの中間点から見た磁界の対称性がずれた場合に、このずれを補正するようにしてもよい。
また、リターンヨークは、より高精度な測定が求められる際には形成することが望ましいが、必ずしも形成する必要はない。
また、上記実施形態に記載の磁気特性測定装置の構造及び磁気特性測定方法は、一例を示したものにすぎず、当業者の技術常識等に応じて適宜修正や変更が可能である。
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 第1の磁性板試料と、
前記第1の磁性板試料から離間して平行に配置された第2の磁性板試料と、
前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料の表面に平行な方向の成分を有する磁界を印加する磁界印加手段と、
前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との間の第1の位置に配置された第1の磁界センサと、
前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との間の第2の位置に配置された第2の磁界センサとを有し、
前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との中間の平面からの前記第1の位置と前記第2の位置の距離の絶対値が異なる
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記2) 付記1記載の磁気特性測定装置において、
前記第1の磁性板試料に設けられた磁束密度センサを更に有する
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記3) 付記1又は2記載の磁気特性測定装置において、
前記第1の磁界センサにより検出した第1の磁界の強さと、前記第2の磁界センサにより検出した第2の磁界の強さに基づき前記第1の磁性板試料内の磁界を算出する演算装置を更に有する
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記4) 付記3記載の磁気特性測定装置において、
前記演算手段は、前記第1の磁界の強さ及び前記第2の磁界の強さを、前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との中間の位置に対称な2次曲線で外挿することにより、前記第1の磁性板試料内の磁界を算出する
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記5) 付記1乃至4のいずれか1項に記載の磁気特性測定装置において、
前記磁界印加手段は、第1の方向に磁界を印加する第1の磁界印加手段と、前記第1の方向と交差する第2の方向に磁界を印加する第2の磁界印加手段とを有する
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記6) 付記1乃至5のいずれか1項に記載の磁気特性測定装置において、
前記第2の磁性板試料の磁区状態を観察する磁区観察手段を更に有する
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記7) 付記1乃至6のいずれか1項に記載の磁気特性測定装置において、
前記磁界印加手段は、前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料の一端部に配置された第1の磁界印加手段と、前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料の他端部に配置された第2の磁界印加手段とを有する
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記8) 付記1乃至7のいずれか1項に記載の磁気特性測定装置において、
前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料とは、同じ材料からなり形状が等しい
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記9) 付記1乃至8のいずれか1項に記載の磁気特性測定装置において、
前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料は、同じ枚数の複数の磁性板試料を重ねたものである
ことを特徴とする磁気特性測定装置。
(付記10) 互いに平行に配置された第1及び第2の磁性板試料に、前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料の表面に平行な方向の成分を有する磁界を印加し、
前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との中間の位置に配置された第1の磁界センサにより第1の磁界を検出し、
前記第2の磁性板試料と前記第1の磁界センサとの間に配置された第2の磁界センサにより第2の磁界を検出し、
前記第1の磁界センサにより検出した前記第1の磁界の強さと、前記第2の磁界センサにより検出した前記第2の磁界の強さに基づいて、前記第1の磁性板試料内の磁界を算出する
ことを特徴とする磁気特性測定方法。
(付記11) 付記10記載の磁気特性測定方法において、
前記第1の磁性板試料に設けられた磁束密度センサにより、前記第1の磁性板試料内の磁束密度を更に検出する
ことを特徴とする磁気特性測定方法。
10…磁気特性測定装置
12A,12B…磁性板試料
14…スペーサ
16,16A,16B,16C,16D…励磁コイル
18A,18B…磁界センサ
20…磁束密度センサ
22…リターンヨーク
24…固定ブロック
26…サイドヨーク
30…DST制御装置
40…CPU
50…モニタ
60…顕微鏡
70…ボビン
72,74,80,82…コイル
76,78…開口部

Claims (7)

  1. 第1の磁性板試料と、
    前記第1の磁性板試料から離間して平行に配置された第2の磁性板試料と、
    前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料の表面に平行な方向の成分を有する磁界を印加する磁界印加手段と、
    前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との間の第1の位置に配置された第1の磁界センサと、
    前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との間の第2の位置に配置された第2の磁界センサとを有し、
    前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との中間の平面からの前記第1の位置と前記第2の位置の距離の絶対値が異なる
    ことを特徴とする磁気特性測定装置。
  2. 請求項1記載の磁気特性測定装置において、
    前記第1の磁性板試料に設けられた磁束密度センサを更に有する
    ことを特徴とする磁気特性測定装置。
  3. 請求項1又は2記載の磁気特性測定装置において、
    前記第1の磁界センサにより検出した第1の磁界の強さと、前記第2の磁界センサにより検出した第2の磁界の強さに基づき前記第1の磁性板試料内の磁界を算出する演算装置を更に有する
    ことを特徴とする磁気特性測定装置。
  4. 請求項3記載の磁気特性測定装置において、
    前記演算手段は、前記第1の磁界の強さ及び前記第2の磁界の強さを、前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との中間の位置に対称な2次曲線で外挿することにより、前記第1の磁性板試料内の磁界を算出する
    ことを特徴とする磁気特性測定装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気特性測定装置において、
    前記磁界印加手段は、第1の方向に磁界を印加する第1の磁界印加手段と、前記第1の方向と交差する第2の方向に磁界を印加する第2の磁界印加手段とを有する
    ことを特徴とする磁気特性測定装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気特性測定装置において、
    前記第2の磁性板試料の磁区状態を観察する磁区観察手段を更に有する
    ことを特徴とする磁気特性測定装置。
  7. 互いに平行に配置された第1及び第2の磁性板試料に、前記第1の磁性板試料及び前記第2の磁性板試料の表面に平行な方向の成分を有する磁界を印加し、
    前記第1の磁性板試料と前記第2の磁性板試料との中間の位置に配置された第1の磁界センサにより第1の磁界を検出し、
    前記第2の磁性板試料と前記第1の磁界センサとの間に配置された第2の磁界センサにより第2の磁界を検出し、
    前記第1の磁界センサにより検出した前記第1の磁界の強さと、前記第2の磁界センサにより検出した前記第2の磁界の強さに基づいて、前記第1の磁性板試料内の磁界を算出する
    ことを特徴とする磁気特性測定方法。
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