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JP6012450B2 - 半導体装置の駆動方法 - Google Patents

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Description

開示する発明は、半導体装置の駆動方法に関するものである。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、半導体回路、記憶装置、撮像装置、表示装置、電気光学装置および電子機器などは全て半導体装置である。
半導体素子を利用した記憶装置は、電力の供給がなくなると記憶内容が失われる揮発性のものと、電力の供給がなくなっても記憶内容は保持される不揮発性のものとに大別される。
揮発性記憶装置の代表的な例としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)がある。DRAMは、記憶素子を構成するトランジスタを選択してキャパシタに電荷を蓄積することで、情報を記憶する。
上述の原理から、DRAMでは、情報を読み出すとキャパシタの電荷は失われるため、情報の読み出しの度に、再度の書き込み動作が必要となる。また、記憶素子を構成するトランジスタにおいてはオフ状態でのソースとドレイン間のリーク電流(オフ電流)等によって、トランジスタが選択されていない状況でも電荷が流出、または流入するため、データの保持期間が短い。このため、所定の周期で再度の書き込み動作(リフレッシュ動作)が必要であり、消費電力を十分に低減することは困難である。また、電力の供給がなくなると記憶内容が失われるため、情報を長期間保持するには、磁性材料や光学材料を利用した別の記憶装置が必要となる。
揮発性記憶装置の別の例としてはSRAM(Static Random Access Memory)がある。SRAMは、フリップフロップなどの回路を用いて記憶内容を保持するため、リフレッシュ動作が不要であり、この点においてはDRAMより有利である。しかし、フリップフロップなどの回路を用いているため回路の占有面積が増大し、記憶容量あたりの単価が高くなるという問題がある。また、電力の供給がなくなると記憶内容が失われるという点については、DRAMと変わるところはない。
不揮発性記憶装置の代表例としては、フラッシュメモリがある。フラッシュメモリは、トランジスタのゲート電極とチャネル形成領域との間にフローティングゲートを有し、当該フローティングゲートに電荷を保持させることで記憶を行うため、データの保持期間は極めて長く(半永久的)、揮発性記憶装置で必要なリフレッシュ動作が不要であるという利点を有している(例えば、特許文献1参照)。
しかし、書き込みの際に生じるトンネル電流によって記憶素子を構成するゲート絶縁層が劣化するため、所定回数の書き込みによって記憶素子が機能しなくなるという問題が生じる。この問題の影響を緩和するために、例えば、各記憶素子の書き込み回数を均一化する手法が採られるが、これを実現するためには、複雑な周辺回路が必要になってしまう。そして、このような手法を採用しても、根本的な寿命の問題が解消するわけではない。つまり、フラッシュメモリは、情報の書き換え頻度が高い用途には不向きである。
また、フローティングゲートに電荷を注入させるため、または、その電荷を除去するためには、高い電圧が必要であり、また、そのための回路も必要である。さらに、電荷の注入、または除去のためには比較的長い時間を要し、書き込みまたは消去の高速化が容易ではないという問題もある。
特開昭57−105889号公報
上述の問題に鑑み、本発明の一態様では、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置の駆動方法を提供することを目的の一つとする。また、該半導体装置の回路規模を縮小することを目的の一つとする。また、該半導体装置の消費電力を低減させることを目的の一つとする。また、該半導体装置からのデータの読み出し速度を向上させることを目的の一つとする。
本明細書に開示する本発明の一態様は、酸化物半導体を用いた書き込み用トランジスタ、該書き込み用トランジスタと異なる半導体材料を用いた書き込みおよび読み出し用トランジスタ、並びに容量素子を含む不揮発性のメモリセルを有する半導体装置の駆動方法である。
本明細書に開示する本発明の一態様は、ビット線に第1のトランジスタのソース電極と第2のトランジスタのソース電極とが電気的に接続され、第1のワード線に第2のトランジスタのゲート電極が電気的に接続され、ソース線に第1のトランジスタのドレイン電極が電気的に接続され、第2のワード線に容量素子の一方の電極が電気的に接続され、第1のトランジスタのゲート電極と、第2のトランジスタのドレイン電極と、容量素子の他方の電極が電気的に接続され、電荷が保持されるノードが構成されており、書き込み期間において、第1のワード線の電位を第2のトランジスタがオン状態となる電位とし、第2のワード線の電位をLレベルとし、ソース線の電位をLレベルとし、ビット線からノードにHレベルの電位を供給してノードにデータ”1”を書き込み、または、ビット線からノードにLレベルの電位を供給してノードにデータ”0”を書き込み、保持期間において、第1のワード線の電位をLレベルとし、第2のワード線の電位をHレベルとし、ソース線およびビット線の電位をMレベル(Lレベル<Mレベル<Hレベル)の同電位とすることで、ノードの電位を保持し、読み出し期間において、第1のワード線の電位をLレベルとし、第2のワード線をLレベルとし、ソース線の電位をLレベルとすることで、ノードが保持している電位がHレベルのときに、第1のトランジスタはオフ状態に保持され、ビット線の電位がMレベルに保持されることでデータ”1”を読み出し、または、ノードが保持している電位がLレベルのときに、第1のトランジスタがオン状態となって、ビット線の電位がLレベルに下降することでデータ”0”を読み出すことを特徴とする半導体装置の駆動方法である。
また、本明細書に開示する本発明の他の一態様は、n本(nは2以上の整数)のビット線と、k本(kは1以上の整数)のソース線と、m本(mは2以上の整数)の第1のワード線と、m本の第2のワード線と、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイと、を有し、メモリセルの一つにおいて、ビット線に第1のトランジスタのソース電極と第2のトランジスタのソース電極とが電気的に接続され、第1のワード線に第2のトランジスタのゲート電極が電気的に接続され、ソース線に第1のトランジスタのドレイン電極が電気的に接続され、第2のワード線に容量素子の一方の電極が電気的に接続され、第1のトランジスタのゲート電極と、第2のトランジスタのドレイン電極と、容量素子の他方の電極が電気的に接続され、電荷が保持されるノードが構成されており、書き込み期間において、選択するメモリセルが電気的に接続された第1のワード線の電位を第2のトランジスタがオン状態となる電位とし、選択するメモリセルが電気的に接続された第2のワード線の電位をLレベルとし、非選択とするメモリセルが電気的に接続された第2のワード線の電位をHレベルとし、ソース線の電位をLレベルとし、選択するメモリセルが電気的に接続されたビット線から選択するメモリセルのノードにHレベルの電位を供給して該ノードにデータ”1”を書き込み、または、選択するメモリセルが電気的に接続されたビット線から選択するメモリセルのノードにLレベルの電位を供給して該ノードにデータ”0”を書き込み、保持期間において、m本の第1のワード線の電位をLレベルとし、m本の第2のワード線の電位をHレベルとし、k本のソース線およびn本のビット線の電位をMレベル(Lレベル<Mレベル<Hレベル)の同電位とすることで、複数のメモリセルにそれぞれ含まれるノードの電位を保持し、読み出し期間において、m本の第1のワード線の電位をLレベルとし、非選択とするメモリセルと電気的に接続された第2のワード線の電位をHレベルとし、選択するメモリセルと電気的に接続された第2のワード線をLレベルとし、ソース線の電位をLレベルとすることで、選択したメモリセルのノードが保持している電位がHレベルのときに、第1のトランジスタはオフ状態に保持され、選択したメモリセルが電気的に接続されたビット線の電位がMレベルに保持されることでデータ”1”を読み出し、または、選択したメモリセルのノードが保持している電位がLレベルのときに、第1のトランジスタがオン状態となって、選択したメモリセルが電気的に接続されたビット線の電位がLレベルに下降することでデータ”0”を読み出すことを特徴とする半導体装置の駆動方法である。
また、上記の半導体装置の駆動方法において、第2のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体で形成されていることが好ましい。また、第1のトランジスタはpチャネル型であることが好ましい。
なお、上記において、データ”1”およびデータ”0”は、それらを逆に入れ替えることもできる。
なお、本明細書等において「上」や「下」の用語は、構成要素の位置関係が「直上」または「直下」であることを限定するものではない。例えば、「ゲート絶縁層上のゲート電極」の表現であれば、ゲート絶縁層とゲート電極との間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書等において「電極」や「配線」という用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」や「配線」という用語は、複数の「電極」や「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。
また、「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
なお、本明細書等において、「電気的に接続」には、「何らかの電気的作用を有するもの」を介して接続されている場合が含まれる。ここで、「何らかの電気的作用を有するもの」は、接続対象間での電気信号の授受を可能とするものであれば、特に制限を受けない。
例えば、「何らかの電気的作用を有するもの」には、電極や配線をはじめ、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗素子、インダクタ、キャパシタ、その他の各種機能を有する素子などが含まれる。
本発明の一態様を用いることによって、電力が供給されない状況でも記憶内容の保持が可能で、かつ、書き込み回数にも制限が無い半導体装置を駆動させることができる。
また、該半導体装置に書き込んだデータの電位に対して、該半導体装置から読み出されたデータの電位が反転されないため、論理反転回路が不要となり、回路規模を縮小させることができる。
また、該論理反転回路が不要となることから、消費電力を低減させることができる。
また、該論理反転回路が不要になることから、該回路による遅延が解消され、かつ読み出し時にビット線のプリチャージが不要であることから、読み出し速度を向上させることができる。
半導体装置の回路図。 半導体装置の回路図。 タイミングチャート図。 半導体装置の回路図。 半導体装置の回路図。 半導体装置の断面図および平面図。 半導体装置の作製工程に係る断面図。 半導体装置の作製工程に係る断面図。 半導体装置の作製工程に係る断面図。 半導体装置の作製工程に係る断面図。 半導体装置の作製工程に係る断面図。 半導体装置を用いた電子機器を説明するための図。 半導体装置の断面図。 半導体装置のしきい値電圧の分布を示す図。 半導体装置の保持特性を示す図。 半導体装置の保持特性を示す図。
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
なお、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、構成要素の混同を避けるために付すものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の基本的な回路構成およびその動作について、図1および図2を参照して説明する。なお、回路図においては、酸化物半導体を用いたトランジスタであることを示すために、OSの符号を併せて付す場合がある。
〈基本回路1〉
はじめに、本発明の一態様に係る半導体装置の最も基本的な回路構成、およびその動作について、図1を参照して説明する。
図1(A)に示す半導体装置において、ビット線BL、トランジスタ160のソース電極(またはドレイン電極)、およびトランジスタ162のソース電極(またはドレイン電極)は電気的に接続され、ソース線SLは、トランジスタ160のドレイン電極(またはソース電極)と電気的に接続されている。また、第1のワード線OSGは、トランジスタ162のゲート電極と電気的に接続されている。そして、トランジスタ160のゲート電極、トランジスタ162のドレイン電極(またはソース電極)、および容量素子164の一方の電極は電気的に接続され、第2のワード線Cは、容量素子164の他方の電極と電気的に接続されている。なお、トランジスタ160のソース電極(またはドレイン電極)と、トランジスタ162のソース電極(またはドレイン電極)と、を電気的に接続させずに、それぞれが別の配線と電気的に接続する構成としてもよい。
ここで、トランジスタ160は、書き込みおよび読み出し用トランジスタ、トランジスタ162は、書き込み用トランジスタとして作用する。
トランジスタ162には、例えば、酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタを適用することができる。該トランジスタは、オフ電流が極めて小さいという特徴を有している。このため、トランジスタ162をオフ状態とすることで、トランジスタ160のゲート電極の電位を極めて長時間にわたって保持することが可能となる。また、容量素子164が接続されていることにより、トランジスタ160のゲート電極に与えられた電荷の保持が容易になり、また、保持された情報の読み出しが容易になる。
なお、トランジスタ160を形成する半導体材料については特に限定されない。情報の読み出し速度を向上させるという観点からは、例えば、単結晶シリコンをチャネル形成領域に用いたトランジスタなど、スイッチング速度の高いトランジスタを適用するのが好適である。ただし、本発明の一態様においては、トランジスタ160には、pチャネル型のトランジスタを用いることとする。
図1(A)に示す半導体装置では、トランジスタ160のゲート電極の電位が保持可能という特徴を生かすことで、次のように、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。
はじめに、異なる二つの電位を与える電荷(以下、低電位(Lレベル)を与える電荷を電荷Q、高電位(Hレベル)を与える電荷を電荷Qという)を適用する第1の駆動方法を説明する。なお、記憶容量を向上させる目的として、異なる三つまたはそれ以上の電位を与える電荷を適用する、所謂多値化も可能である。なお、多値化は第1の駆動方法に限らず、後述する第2の駆動方法にも適用可能である。
例えば、図14は、4つの電位を用いて、図1(A)に示す半導体装置に書き込みを行ったときのトランジスタ160の見かけ上のしきい値電圧(Vth)の分布である。データA、データB、データC、データDのそれぞれに用いた書き込みの電位は、0V、1.6V、2.1V、3Vであり、初期分布および10回書き換え後の分布を示している。また、表1には、各データのしきい値電圧の分布の平均値(μ)と標準偏差(3σ)を示す。図14および表1から、各データにおけるしきい値電圧の分布は鋭いピークを有することがわかる。
また、図15および図16は、図1(A)に示す半導体装置にデータDを書き込んだ場合の85℃における保持特性である。図15は、Vthの分布の0秒〜30時間までの変動を重ねてプロットしたものである。また、図16は、Vthの分布の平均値(μ)の時間依存性である。50時間経過後のVthの分布の平均値は約80mVシフトしており、データ間の許容範囲を250mVとした場合には、85℃においても、約11日間の保持が可能であることが見積もられる。
なお、第1の駆動方法においては、スタンバイ時には、ソース線SLおよびビット線BLにLレベルが与えられた状態とする。
まず、書き込み期間において、ビット線BLにHレベルまたはLレベルの電位を与えた状態で、第1のワード線OSGの電位をトランジスタ162がオン状態となる電位とし、トランジスタ162をオン状態とする。これにより、ビット線BLの電位が、トランジスタ162のドレイン電極(またはソース電極)、トランジスタ160のゲート電極、および容量素子164の一方の電極が電気的に接続されたノード(ノードFGとも表記する)に与えられる。すなわち、ノードFGには、所定の電荷が与えられ、書き込みが完了する。
その後、第1のワード線OSGの電位をトランジスタ162がオフ状態となる電位とし、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、ノードFGに与えられた電荷が保持される。トランジスタ162のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタ160のゲート電極の電荷は長時間にわたって保持される。
情報の読み出しについては次の通りである。ソース線SLに所定の電位(定電位)を与えた状態で、第2のワード線Cに適切な電位(読み出し電位)を与えると、ノードFGに保持された電荷量に応じて、ビット線BLは異なる電位をとる。すなわち、トランジスタ160のコンダクタンスは、トランジスタ160のゲート電極(ノードFGともいえる)に保持される電荷によって制御される。
一般に、トランジスタ160をpチャネル型とすると、トランジスタ160のゲート電極にQが与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Hは、トランジスタ160のゲート電極にQが与えられている場合の見かけのしきい値Vth_Lより低くなる。例えば、書き込みにおいてQが与えられた場合には、第2のワード線Cの電位がV(Vth_HとVth_Lの中間の電位)とすれば、トランジスタ160は「オン状態」となる。また、書き込みにおいてQが与えられた場合には、第2のワード線Cの電位をVとしても、トランジスタ160は「オフ状態」のままである。このため、ビット線BLの電位を判別することで、保持されている情報を読み出すことができる。
なお、上述した第1の駆動方法では、半導体装置に書き込んだデータ(電圧レベル)に対して、該半導体装置からは論理が反転されたデータ(電圧レベル)が読み出される。例えば、データ”1”(Hレベル)を書き込んだ場合、データ”0”(Lレベル)が読み出される。そのため、その論理が反転されたデータ(電圧)をさらに反転させる必要があり、論理反転回路(インバータ等)を該半導体装置に接続する必要がある。
なお、本発明の一態様においては、上記第1の駆動方法とは異なる方法で、情報の書き込み、保持、読み出しが可能である。第2の駆動方法では、Lレベル、Hレベル、およびMレベル(LレベルとHレベルの中間の電位)を用いて半導体装置を駆動する。
なお、第2の駆動方法においては、スタンバイ時には、ソース線SLおよびビット線BLにLレベルとHレベルの中間の電位(Mレベル)がプリチャージされた状態とする。なお、Mレベルの電位とは、LレベルとHレベルとの中央の電位に限らず、電位の高低が、Lレベル<Mレベル<Hレベルを満たしていればよい。
まず、ソース線SLにLレベル、ビット線BLにHレベルまたはLレベルの電位を与えた状態で、第1のワード線OSGの電位をトランジスタ162がオン状態となる電位とし、トランジスタ162をオン状態とする。これにより、ビット線BLの電位が、トランジスタ162のドレイン電極(またはソース電極)、トランジスタ160のゲート電極、および容量素子164の一方の電極が電気的に接続されたノードFGに与えられ、書き込みが完了する。
その後、第1のワード線OSGの電位をトランジスタ162がオフ状態となる電位とし、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、ノードFGに与えられた電荷が保持される。トランジスタ162のオフ電流は極めて小さいため、トランジスタ160のゲート電極の電荷は長時間にわたって保持される。
情報の読み出しについては次の通りである。ソース線SLにLレベルの電位を与えた状態で、第2のワード線Cに適切な電位(読み出し電位)を与えると、ノードFGに保持された電荷量に応じて、ビット線BLはMレベルまたはLレベルの電位をとる。この電位を判断することで書き込まれた情報を読み出すことができる。
次に、情報の書き換えについて説明する。情報の書き換えは、上記第1の駆動方法および第2の駆動方法のそれぞれに対応した情報の書き込みおよび保持と同様に行われる。つまり、第1のワード線OSGの電位をトランジスタ162がオン状態となる電位とし、トランジスタ162をオン状態とする。これにより、ビット線BLの電位(新たな情報に係る電位)が、ノードFGに与えられる。その後、第1のワード線OSGを、トランジスタ162がオフ状態となる電位とし、トランジスタ162をオフ状態とすることにより、ノードFGは、新たな情報に係る電荷が与えられた状態となる。
このように、上記半導体装置は、再度の情報の書き込みによって直接的に情報を書き換えることが可能である。このためフラッシュメモリなどにおいて必要とされる高電圧を用いてのフローティングゲートからの電荷の引き抜きが不要であり、消去動作に起因する動作速度の低下を抑制することができる。つまり、消去動作が不要となるため、半導体装置の高速動作が実現される。
さらに、上述した第2の駆動方法を用いた場合では、第1の駆動方法と異なり、データ”0”(Lレベル)の書き込みに対して、データ”0”(Lレベル)を直接読み出すことができるため、論理反転回路(インバータ等)が不要となり、回路規模を縮小することができる。また、論理反転回路が不要になることによって、消費電力を低減することができる。また、該回路による遅延が解消され、かつ読み出し時にビット線のプリチャージが不要であることから、読み出し速度を向上することもできる。
以下に、一例として、上述した第2の駆動方法を用い、ノードFGに電源電位VDD(Hレベル)または接地電位GND(Lレベル)のいずれかを与えた場合の書き込み、保持、読み出しの方法について具体的に説明する。以下では、ノードFGにVDDを与えた場合に保持されるデータをデータ”1”、ノードFGにGNDを与えた場合に保持されるデータをデータ”0”とする。なお、ノードFGに与える電位の関係はこれに限られるものではない。また、データ”1”とデータ”0”は入れ替えることができる。
まず、初期状態(スタンバイ期間)において、ソース線SLおよびビット線BLは、VDDとGNDの中間の電位VSL(Mレベル)にプリチャージした状態とする。例えば、VDD=3V、GND=0Vのとき、VSL=1.5Vとする。
情報を書き込む場合(書き込み期間)には、ソース線SLをGNDとし、第2のワード線CをGNDとし、第1のワード線OSGをVDDとして、トランジスタ162をオン状態とする。そして、ノードFGにデータ”0”を書き込む場合には、ビット線BLにはGNDを与える。また、ノードFGにデータ”1”を書き込む場合には、ビット線BLの電位をVDDとし、トランジスタ162のしきい値電圧(Vth_OS)分電圧降下しないように第1のワード線OSGの電位をVDD+Vth_OSとすることが好ましい。
情報を保持する場合(保持期間)またはメモリセルをスタンバイ状態とする場合(スタンバイ期間)には、第1のワード線OSGをGNDとしてトランジスタ162をオフ状態にする。なお、トランジスタ162のしきい値電圧がマイナスである場合には、トランジスタ162がオフ状態となるように、第1のワード線OSGの電位を負電位とする。
また、スタンバイ期間および保持期間においては、第2のワード線CをVDD、ビット線BLおよびソース線SLを同電位(ここではVSL)とすることで、トランジスタ160のリーク電流を抑制し、消費電力を低減することができる。
また、スタンバイ期間および保持期間において、ビット線BLおよびソース線SLの電位を同電位にすることは、トランジスタ162への電圧ストレスを抑制することができ、信頼性を向上させる面においても好ましい。
なお、本明細書において、「同電位」には、「略同電位」も含まれるものとする。すなわち、上記においては、ビット線BLとソース線SLの間の電圧を十分に低減して、ビット線BLとソース線SLの間に生じる電流を抑制することを目的としているため、ソース線SLの電位をGNDなどに固定した場合と比較して消費電力を十分に(例えば、百分の一以下に)低減できる電位など、「略同電位」とした電位が含まれるのである。また、例えば、配線抵抗などに起因する電位ずれ程度の差は十分に許容される。
情報を読み出す場合(読み出し期間)には、第1のワード線OSGをGNDとし、第2のワード線CをGNDとし、ソース線SLをGNDとする。ここで、ノードFGにデータ”1”が書き込まれている場合は、pチャネル型トランジスタであるトランジスタ160はオフ状態となり、ビット線BLの電位は、読み出し開始時の電位が維持される。また、ノードFGにデータ”0”が書き込まれている場合は、トランジスタ160がオン状態となり、ビット線BLの電位は下降する。したがって、ビット線BLの電位を判別することで、ノードFGに保持されたデータ”1”またはデータ”0”を読み出すことができる。
ここで、トランジスタ162のドレイン電極(またはソース電極)、トランジスタ160のゲート電極、および容量素子164の一方の電極が電気的に接続されたノード(ノードFG)は、不揮発性メモリ素子として用いられるフローティングゲート型トランジスタのフローティングゲートと同等の作用を奏する。トランジスタ162がオフの場合、ノードFGは絶縁体中に埋設されたと見ることができ、ノードFGには電荷が保持される。酸化物半導体を用いたトランジスタ162のオフ電流は、シリコン半導体などで形成されるトランジスタの10万分の1以下であるため、ノードFGに蓄積された電荷のトランジスタ162のリークによる消失を無視することが可能となる。つまり、酸化物半導体を用いたトランジスタ162により、電力の供給が無くても情報の保持が可能な不揮発性の記憶装置を実現することが可能となる。
例えば、トランジスタ162の室温(25℃)でのオフ電流が10zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下であり、容量素子164の容量値が10fF程度である場合には、少なくとも10秒以上のデータ保持が可能である。なお、当該保持時間が、トランジスタ特性や容量値によって変動することはいうまでもない。
また、本実施の形態に係る半導体装置においては、従来のフローティングゲート型トランジスタにおいて指摘されているゲート絶縁膜(トンネル絶縁膜)の劣化という問題が存在しない。つまり、従来問題とされていた、電子をフローティングゲートに注入する際のゲート絶縁膜の劣化という問題を解消することができる。これは、原理的な書き込み回数の制限が存在しないことを意味するものである。また、従来のフローティングゲート型トランジスタにおいて書き込みや消去の際に必要であった高電圧も不要である。
図1(A)に示す半導体装置は、当該半導体装置を構成するトランジスタなどの要素が抵抗および容量を含むものとして、図1(B)のように考えることが可能である。つまり、図1(B)では、トランジスタ160および容量素子164が、それぞれ、抵抗および容量を含んで構成されると考えていることになる。R1およびC1は、それぞれ、容量素子164の抵抗値および容量値であり、抵抗値R1は、容量素子164を構成する絶縁層による抵抗値に相当する。また、R2およびC2は、それぞれ、トランジスタ160の抵抗値および容量値であり、抵抗値R2はトランジスタ160がオン状態の時のゲート絶縁層による抵抗値に相当し、容量値C2はいわゆるゲート容量(ゲート電極と、ソース電極またはドレイン電極との間に形成される容量、およびゲート電極とチャネル形成領域との間に形成される容量)の容量値に相当する。
トランジスタ162がオフ状態にある場合のソース電極とドレイン電極の間の抵抗値(実効抵抗とも呼ぶ)をROSとすると、トランジスタ162のゲートリーク電流が十分に小さい条件において、R1およびR2が、R1≧ROS(R1はROS以上)、R2≧ROS(R2はROS以上)を満たす場合には、電荷の保持期間(情報の保持期間ということもできる)は、主としてトランジスタ162のオフ電流によって決定されることになる。
逆に、当該条件を満たさない場合には、トランジスタ162のオフ電流が十分に小さくとも、保持期間を十分に確保することが困難になる。トランジスタ162のオフ電流以外のリーク電流(例えば、ソース電極とゲート電極の間において生じるリーク電流等)が大きいためである。このことから、本実施の形態において開示する半導体装置は、R1≧ROS、およびR2≧ROSの関係を満たすものであることが望ましいといえる。
一方で、C1とC2は、C1≧C2(C1はC2以上)の関係を満たすことが望ましい。C1を大きくすることで、第2のワード線CによってノードFGの電位を制御する際に、第2のワード線Cの電位を効率よくノードFGに与えることができるようになり、第2のワード線Cに与える電位間(例えば、読み出しの電位と、非読み出しの電位)の電位差を低く抑えることができるためである。
このように、上述の関係を満たすことで、より好適な半導体装置を実現することが可能である。なお、R1およびR2は、トランジスタ160のゲート絶縁層や容量素子164の絶縁層によって制御される。C1およびC2についても同様である。よって、ゲート絶縁層の材料や厚さなどを適宜設定し、上述の関係を満たすようにすることが望ましい。
本実施の形態で示す半導体装置においては、ノードFGが、フラッシュメモリ等のフローティングゲート型トランジスタのフローティングゲートと同等の作用をするが、本実施の形態のノードFGは、フラッシュメモリ等のフローティングゲートと本質的に異なる特徴を有している。
フラッシュメモリでは、コントロールゲートに印加される電位が高いため、その電位が、隣接するセルのフローティングゲートに影響を与えないように、セルとセルとの間隔をある程度保つ必要が生じる。このことは、半導体装置の高集積化を阻害する要因の一つである。そして、当該要因は、高電界をかけてトンネル電流を発生させるというフラッシュメモリの根本的な原理に起因するものである。
一方、本実施の形態に係る半導体装置は、酸化物半導体を用いたトランジスタのスイッチングを利用し、上述のようなトンネル電流による電荷注入の原理を用いない。すなわち、フラッシュメモリのような、電荷を注入するための高電界が不要である。これにより、隣接セルに対する、コントロールゲートによる高電界の影響を考慮する必要がないため、高集積化が容易になる。
また、高電界が不要であり、大型の周辺回路(昇圧回路など)が不要である点も、フラッシュメモリに対する優位点である。例えば、本実施の形態に係るメモリセルに印加される電圧(メモリセルの各端子に同時に印加される最大の電位と最小の電位との差)の最大値は、2段階(1ビット)の情報を書き込む場合、一つのメモリセルにおいて、5V以下、好ましくは3V以下とすることができる。
さらに、容量素子164を構成する絶縁層の比誘電率εr1と、トランジスタ160を構成する絶縁層の比誘電率εr2とを異ならせる場合には、容量素子164を構成する絶縁層の面積S1と、トランジスタ160においてゲート容量を構成する絶縁層の面積S2とが、2・S2≧S1(2・S2はS1以上)、望ましくはS2≧S1(S2はS1以上)を満たしつつ、C1≧C2(C1はC2以上)を実現することが容易である。すなわち、容量素子164を構成する絶縁層の面積を小さくしつつ、C1≧C2を実現することが容易である。具体的には、例えば、容量素子164を構成する絶縁層においては、酸化ハフニウムなどのhigh−k材料でなる膜、または酸化ハフニウムなどのhigh−k材料でなる膜と酸化物半導体でなる膜との積層構造を採用してεr1を10以上、好ましくは15以上とし、トランジスタ160のゲート容量を構成する絶縁層においては、酸化シリコンを採用して、εr2=3〜4とすることができる。
このような構成を併せて用いることで、開示する発明に係る半導体装置の、より一層の高集積化が可能である。
〈基本回路2〉
図2(A)、(B)は、図1(A)に示すメモリセルを2行×2列のマトリクス状に配置したメモリセルアレイの回路図である。図2におけるメモリセル170の構成は、図1(A)と同様である。ただし、図2(A)においては、ソース線SLが2列のメモリセルにおいて共通化された構造を有している。また、図2(B)においては、ソース線SLが2行のメモリセルにおいて共通化された構造を有している。
図2(A)、(B)に示すように、ソース線SLを2列、若しくは、2行で共通化された構造とすることで、メモリセル170に接続する信号線の本数を共通化しない場合の4本から、3.5本(3本+1/2本)へと削減することができる。
なお、ソース線SLを共通化させる列数(または行数)は、2列(2行)に限定されるものではなく、3列(または3行)以上の複数列(または複数行)のメモリセルにおいて共通した構造としてもよい。共通化させるソース線SLの列数(または行数)は、共通化による寄生抵抗および寄生容量を考慮し、好適な値を適宜選択すれば良い。メモリセル170に接続される信号線の本数を削減するには、共通化させる列数(または行数)が多い程好ましい。
図2(A)、(B)に示す半導体装置において、データの書き込み、保持、および読み出しは、図1の場合と同様であり、前述の記載を参酌することができる。例えば、ノードFGにVDD(Hレベル)またはGND(Lレベル)のいずれかを与える場合であって、ノードFGにVDDを与えた場合に保持されるデータをデータ”1”、ノードFGにGNDを与えた場合に保持されるデータをデータ”0”とする場合において、前述した第2の駆動方法を用いた具体的な書き込みの動作は次の通りである。
まず、スタンバイ状態として、全てのメモリセル170に接続される第1のワード線OSGをGND、第2のワード線CをVDD、ビット線BLをVSL(Mレベル)、ソース線SLをVSL(Mレベル)とする。
次に、選択するメモリセルの第2のワード線CをGND、第1のワード線OSGをVDDとする。そして、ビット線BLをVDDまたはGND、ソース線SLをGNDとし、選択されたメモリセル170のノードFGにビット線BLの電位を供給し、データの書き込みを行う。このとき、選択しないメモリセルの第2のワード線Cの電位をVDDから変化させないことから、充放電時間の設定が不要となり、書き込み動作を高速化することができる。
次に、第2のワード線CをVDD、第1のワード線OSGをGND、ビット線BLをVSL、ソース線SLをVSLとして、データの保持を行う。第2のワード線CをVDDとすることで、ノードFGの電位を上昇させ、pチャネル型のトランジスタ160をオフ状態とする。さらにビット線BLおよびソース線SLを同電位とすることでトランジスタ160のソース−ドレイン間電圧(Vds_p)を0Vとし、リーク電流を低減させる。このような動作によって、メモリセル170の保持特性をより向上させることができる。
図2(A)、(B)に示すように、メモリセル170をアレイ状に配置して用いる場合には、読み出し期間に、所望のメモリセル170の情報のみを読み出せることが必要になる。このように、所定のメモリセル170の情報を読み出し、それ以外のメモリセル170の情報を読み出さないためには、読み出さないメモリセル170を非選択状態とする必要がある。
例えば、基本回路1で示したように、ノードFGにVDDまたはGNDのいずれかを与える場合であって、ノードFGにVDDを与えた場合に保持されるデータをデータ”1”、ノードFGにGNDを与えた場合に保持されるデータをデータ”0”とする場合においては、第2のワード線CをVDDとし、第1のワード線OSGをGNDとすることでメモリセル170を非選択状態とすることができる。
第2のワード線CをVDDとすることで、ノードFGの電位は容量素子164との容量結合によって上昇する。容量素子164の容量値がトランジスタ160のゲート容量値よりも十分に大きければ、データ”1”であるVDDがノードFGに書き込まれている場合は、ノードFGはVDD分上昇してVDD+VDD=2VDDになる。一方、データ”0”であるGNDがノードFGに書き込まれている場合は、VDD分上昇してGND+VDD=VDDとなる。つまり、いずれの場合においてもトランジスタ160のゲート−ソース間電圧(Vgs_p)が該トランジスタのしきい値電圧(Vth_p)よりも大きくなるため、pチャネル型トランジスタであるトランジスタ160はオフ状態となる。すなわち、第2のワード線CをVDDとすることで、ノードFGに保持されたデータによらずに、トランジスタ160をオフ状態、すなわち、メモリセル170を非選択状態とすることができる。
なお、仮に読み出し用のトランジスタ160にnチャネル型トランジスタを用いるとすると、第2のワード線Cを0Vとしても、nチャネル型トランジスタのゲート電極の電位が該トランジスタのしきい値より高くなった場合に、全てのメモリセルをオフ状態にできるとは限らない。したがって、メモリセルを非選択状態とするために非選択行の第2のワード線Cおよび第1のワード線OSGに負電位を供給する必要がある。しかしながら、本実施の形態に示す半導体装置では、読み出し用のトランジスタにpチャネル型トランジスタを用いているため、非選択行の第2のワード線Cを正電位とすることでメモリセルをオフ状態とすることが可能である。したがって、メモリセルにおいて負電位を生成する回路を設ける必要がなくなるため、消費電力を削減し、且つ半導体装置を小型化することができる。
図3に、図2に係る半導体装置の書き込み、保持、および読み出し動作に係るタイミングチャートの例を示す。タイミングチャート中のOSG、C等の名称は、タイミングチャートに示す電位が与えられる配線を示しており、同様の機能を有する配線が複数ある場合には、配線の名称の末尾に、_1、_m、_n等を付すことで区別している。なお、本発明の一態様に係る半導体装置は、以下に示す配列に限らない。
図3は、(m×n)個(但し、mおよびnはそれぞれ2以上の整数)のメモリセルを有し、1行1列目のメモリセルにデータ”1”、1行n列目のメモリセルにデータ”0”、m行1列のメモリセルにデータ”0”、m行n列目のメモリセルにデータ”1”をそれぞれ書き込み、保持期間を経て、書き込まれた全データを読み出す場合の各配線間の電位の関係を示すものである。
スタンバイ期間および保持期間1001において、第1のワード線OSGをGND、第2のワード線CをVDDとする。また、全てのビット線BLとソース線SLとを同電位とする。図3においては、OSG_1およびOSG_mをGND、C_1およびC_mをVDD、SL、BL_1およびBL_nをVSLとする。
続いて、書き込み期間1002において、まず、選択行の第1のワード線OSGを電源電位(VDD)より高い電位(VH)、第2のワード線CをGNDとし、非選択行の第1のワード線OSGをGND、第2のワード線CをVDDとすることで、書き込む行を選択する。図3においては、まず、1行目を選択するために、OSG_1をVH、C_1をGNDとする。
なお、メモリセル170のノードFGに書き込む電位をトランジスタ162のしきい値電圧(Vth_OS)分降下させないようにするためには、第1のワード線OSGの電位をビット線BLの電位+Vth_OSよりも高くする必要がある。したがって、例えば、ノードFGにVDDを書き込む(すなわちデータ”1”を書き込む)場合には、VHをVDD+Vth_OS以上とする。ただし、ノードFGに書き込まれる電位がVth_OS分降下しても問題がない場合には、VHはVDDと同等の電位であってもよい。
次いで、ビット線BLからメモリセルへデータを入力する。例えば、データ”1”を書き込む場合であれば、ビット線BLにVDDを供給し、データ”0”を書き込む場合であれば、ビット線BLにGNDを入力する。ここで、図3においては、BL_1をVDD、BL_nをGNDとする。
次いで、全ての行において、第1のワード線OSGをGNDとし、第1のワード線OSGをGNDとするタイミングよりも遅らせて、第2のワード線CをVDD、ソース線SLおよびビット線BLをVSLとする。第1のワード線OSGをGNDとするタイミングよりも早くビット線BLの電位が変化してしまうと、メモリセルへのデータの誤書き込みが生じることがあるためである。図3においては、まず、OSG_1をGNDとした後、C_1をVDDとし、SL、BL_1およびBL_nをVSLとする。このようにして、1行1列目のメモリセルにデータ”1”、1行n列目のメモリセルにデータ”0”を書き込むことができる。
なお、第2のワード線Cは、ビット線BLおよびソース線SLをVSLとするタイミングよりも早くVDDとすることが好ましい。ビット線BLおよびソース線SLをVSLとするタイミングより、第2のワード線CをVDDとするタイミングが遅いと、トランジスタ160のドレインとソース間に電流が流れる場合があるためである。
続いて、上記を参酌してm行目を選択し、BL_1、BL_nの電位を1行目とは入れ替える操作を行うことで、m行1列目のメモリセルにデータ”0”、m行n列目のメモリセルにデータ”1”を書き込むことができる。
なお、書き込み期間1002において、ノードFGにGNDが与えられる場合において、ビット線BLとソース線SLに電流が生じることを抑制するために、ソース線SLの電位をGNDとする。
読み出し期間1003において、まず選択行の第2のワード線CをGNDとし、非選択行の第2のワード線CをVDDにすることで読み出す行を選択する。第1のワード線OSGは、選択、非選択に係わらずGNDとする。図3においては、まず、1行目を選択するために、C_1をGND、C_mをVDDとする。
次いで、ソース線SLをGNDとすると、BL_1の電位はVSLに保持され、1行1列目のメモリセルからデータ”1”を読み出すことができる。また、BL_nの電位はGNDになり、1行n列目のメモリセルからデータ”0”を読み出すことができる。
続いて、m行目を選択し、上記を参酌した操作を行うことで、m行1列目のメモリセルからデータ”0”、m行n列目のメモリセルからデータ”1”を読み出すことができる。
以上示したように、図2(A)、(B)に示す回路構成の半導体装置では、ソース線SLを複数列(または複数行)で共通化することで、メモリセルアレイの面積の縮小を図ることができるため、ダイサイズの縮小を実現することができる。また、ダイサイズの縮小により、半導体装置作製のコストを低減することができる、また、歩留まりを向上させることもできる。
〈応用例1〉
次に、図1に示す回路を応用した、より具体的な回路構成について、図4および図5を参照して説明する。なお、以下の説明においては、書き込み用トランジスタ(トランジスタ162)にnチャネル型トランジスタを用い、読み出し用トランジスタ(トランジスタ160)にpチャネル型トランジスタを用いる場合を例に説明する。なお、図4の回路図において、斜線を有する配線は、複数の信号線を含む配線である。
図4は、(m×n)個のメモリセル170を有する半導体装置の回路図の一例である。図4中のメモリセル170の構成は、図1(A)と同様である。
図4に示す半導体装置は、m本(mは2以上の整数)の第1のワード線OSGと、m本の第2のワード線Cと、n本(nは2以上の整数)のビット線BLと、k本(kは1以上の整数)のソース線SLと、メモリセル170が縦m個(行)×横n個(列)のマトリクス状に配置されたメモリセルアレイと、昇圧回路180と、アドレスデコーダを含む第1の駆動回路182と、ロードライバを含む第2の駆動回路192と、ページバッファを含む第3の駆動回路190と、コントローラを含む第4の駆動回路184と、入出力制御回路を含む第5の駆動回路186と、ソース線切り替え回路194と、を有する。なお、駆動回路は、図4に限られるものではなく、各機能を有する駆動回路を組み合わせて用いてもよく、または、各駆動回路に含まれる機能を分割して用いてもよい。
図4に示す半導体装置において、第1の駆動回路182は、アドレスデコーダを含む。アドレスデコーダは、アドレス選択信号線Aをデコードし、デコードしたアドレス選択信号を行選択信号線RADRと、ページバッファアドレス選択信号線PBADRに出力する回路である。アドレス選択信号線Aは、メモリセル170の行方向のアドレス選択信号と、ページバッファのアドレス選択信号が入力される端子であり、メモリセル170の行数、列数、またはページバッファの構成によって、1本〜複数本となる。行選択信号線RADRは、メモリセルの行方向のアドレスを指定する信号線である。ページバッファアドレス選択信号線PBADRは、ページバッファのアドレスを指定する信号線である。
第2の駆動回路192は、ロードライバを含む。ロードライバは、第1の駆動回路182に含まれるアドレスデコーダから出力される行選択信号線RADRからの信号をもとに、メモリセル170の行方向の選択信号、第1のワード線OSGへの信号、第2のワード線Cへの信号を出力する。
昇圧回路180は、配線VH−Lによって第2の駆動回路192と接続され、昇圧回路180に入力される一定電位(例えば、電源電位VDD)を昇圧して、第2の駆動回路192に該一定電位よりも高い電位(VH)を出力する。メモリセル170のノードFGに書き込む電位を、書き込み用トランジスタであるトランジスタ162のしきい値電圧(Vth_OS)分降下させないようにするためには、第1のワード線OSGの電位をビット線BLの電位+Vth_OSよりも高くする必要がある。したがって、例えば、ノードFGに電源電位VDDを書き込む場合には、VHをVDD+Vth_OS以上とする。ただし、ノードFGに書き込まれる電位がVth_OS分降下しても問題がない場合には、昇圧回路180を設けなくともよい。
第3の駆動回路190は、ページバッファを含む。ページバッファは、データラッチとセンスアンプの機能を有している。データラッチとしての機能は、内部データ入出力信号線INTDIO、若しくはビット線BLから出力されるデータを一時的に保存し、その保存したデータを内部データ入出力信号線INTDIO、若しくはビット線BLに出力する。センスアンプとしての機能は、読み出し時にメモリセルから出力されるビット線BLをセンシングするものである。
第4の駆動回路184は、コントローラを含み、チップイネーブルバー信号線CEB、ライトイネーブルバー信号線WEB、またはリードイネーブルバー信号線REBからの信号によって、第1の駆動回路182、第2の駆動回路192、第3の駆動回路190、第5の駆動回路186、ソース線切り替え回路194、昇圧回路180を制御する信号を生成する回路である。
チップイネーブルバー信号線CEBは、回路全体の選択信号を出力する信号線であり、アクティブ時のみ、入力信号の入力受け付け、および出力信号の出力を行う。また、ライトイネーブルバー信号線WEBは、第3の駆動回路190内のページバッファのラッチデータを、メモリセルアレイへ書き込みを行うことを許可する信号を出力する信号線である。また、リードイネーブルバー信号線REBは、メモリセルアレイのデータの読み出しを許可する信号を出力する信号線である。また、第4の駆動回路184は、昇圧回路制御信号線BCCによって、昇圧回路180と接続されている。昇圧回路制御信号線BCCは、第4の駆動回路184内のコントローラから出力させる昇圧回路の制御信号を伝達する配線であり、回路構成によって、0本〜複数本となる。また、第4の駆動回路184は、ページバッファ制御信号線PBCによって第3の駆動回路190と接続されている。ページバッファ制御信号線PBCは、第4の駆動回路184内のコントローラから出力させるページバッファの制御信号を伝達する配線であり、回路構成によって、0本〜複数本となる。また、第4の駆動回路184は、ロードライバ制御信号線RDRVCによって、第2の駆動回路192と接続されている。また、第4の駆動回路184は、ソース線切り替え信号線SLCによって、ソース線切り替え回路194と接続されている。
また、第4の駆動回路184内には、遅延回路を設け、該遅延回路をページバッファ制御信号線PBC、ロードライバ制御信号線RDRVC、ソース線切り替え信号線SLCと接続するのが好ましい。例えば、遅延回路とページバッファ制御信号線PBCとを接続し、ページバッファ制御信号線PBCへ遅延信号を供給することで、ビット線BLの電位の変化を遅らせることができる。また、遅延回路とロードライバ制御信号線RDRVCとを接続し、ロードライバ制御信号線RDRVCへ遅延信号を供給することで、第2のワード線Cの電位の変化を遅らせることができる。また、遅延回路とソース線切り替え信号線SLCとを接続し、ソース線切り替え信号線SLCへ遅延信号を供給することで、ソース線SLの電位の変化を遅らせることができる。これらによって、メモリセル170への誤書き込みを抑制することができる。
ソース線切り替え回路194は、第4の駆動回路184内のコントローラからのソース線切り替え信号を基にソース線SLの電位を切り替える回路である。ソース線切り替え回路194は、ソース線SLの電位を切り替える機能を有していれば良く、マルチプレクサ、インバータ等を用いても良い。ソース線切り替え信号線SLCは、第4の駆動回路184内のコントローラから出力されるソース線SLの電位を切り替える信号を伝達する配線である。回路構成によって、信号線本数は1本〜複数本となる。
第5の駆動回路186は、入出力制御回路を含む。入出力制御回路は、データ入出力信号線DIOからの入力信号を内部データ入出力信号線INTDIOに出力するか、内部データ入出力信号線INTDIOからの入力信号をデータ入出力信号線DIOに出力するための回路である。データ入出力信号線DIO端子は、外部からのデータが入力されるか、外部へメモリデータが出力される端子である。回路構成によって、信号線本数は1本〜複数本となる。内部データ入出力信号線INTDIOは、入出力制御回路の出力信号をページバッファに入力するか、ページバッファの出力信号を入出力制御回路に入力する信号線である。回路構成によって、信号線本数は1本〜複数本となる。また、データ入出力信号線DIOは、データ入力用信号線とデータ出力用信号線に分けても良い。
なお、第4の駆動回路184内に設けられる遅延回路として、図5(A)に示すような偶数個のインバータを直列に接続した回路を用いることができる。また、図5(B)に示すように、直列に接続した偶数個のインバータに容量素子を付加した構成や、図5(C)に示すように、直列に接続した偶数個のインバータに抵抗を付加した構成としてもよい。さらに、図5(D)に示すように、直列に接続した偶数個のインバータ回路に、抵抗および容量素子を付加した構成としてもよい。なお、遅延回路の構成は、これらに限られるものではない。
以上のように、図4に示す回路構成の半導体装置では、ソース線SLを複数列で共通化することで、メモリセルアレイの面積の縮小を図ることができるため、ダイサイズの縮小を実現することができる。また、ダイサイズの縮小により、半導体装置作製のコストを低減することができ、また、歩留まりを向上させることもできる。
なお、開示する発明の半導体装置に関する動作方法、動作電圧などについては、上述の構成に限定されず、半導体装置の動作が実現される態様において適宜変更することが可能である。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、開示する発明の一態様に係る半導体装置の構成およびその作製方法について図6乃至図11を参照して説明する。
〈半導体装置の断面構成および平面構成〉
図6は、半導体装置の構成の一例である。図6(A)には半導体装置の断面、図6(B)には半導体装置の平面をそれぞれ示す。ここで、図6(A)は、図6(B)のA1−A2およびB1−B2における断面に相当する。図6(A)および図6(B)に示す半導体装置は、下部に第1の半導体材料を用いたトランジスタ160を有し、上部に第2の半導体材料を用いたトランジスタ162を有する。ここで、第1の半導体材料と第2の半導体材料とは異なる材料とすることが望ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。酸化物半導体以外の半導体材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、またはガリウムヒ素等を用いることができ、単結晶半導体を用いることが好ましい。このような半導体材料を用いたトランジスタは、高速動作が容易である。他に、有機半導体材料などを用いることもできる。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、その特性により長時間の電荷保持を可能とする。図6に示す半導体装置は、メモリセルとして用いることができる。
なお、開示する発明の技術的な本質は、情報を保持するために酸化物半導体のようなオフ電流を十分に低減することが可能な半導体材料をトランジスタ162に用いる点にあるから、半導体装置に用いられる材料や半導体装置の構造など、半導体装置の具体的な構成をここで示すものに限定する必要はない。
図6におけるトランジスタ160は、半導体基板500上の半導体層中に設けられたチャネル形成領域134と、チャネル形成領域134を挟むように設けられた不純物領域132(ソース領域およびドレイン領域とも記す)と、チャネル形成領域134上に設けられたゲート絶縁層122aと、ゲート絶縁層122a上にチャネル形成領域134と重畳するように設けられたゲート電極128aと、を有する。なお、図において、明示的にはソース電極やドレイン電極を有しない場合があるが、便宜上、このような状態を含めてトランジスタと呼ぶ場合がある。また、この場合、トランジスタの接続関係を説明するために、ソース領域やドレイン領域を含めてソース電極やドレイン電極と表現することがある。つまり、本明細書において、ソース電極との記載には、ソース領域が含まれうる。
また、半導体基板500上の半導体層中に設けられた不純物領域126には、導電層128bが接続されている。ここで、導電層128bは、トランジスタ160のソース電極やドレイン電極としても機能する。また、不純物領域132と不純物領域126との間には、不純物領域130が設けられている。また、トランジスタ160を覆うように絶縁層136、絶縁層138、および絶縁層140が設けられている。なお、高集積化を実現するためには、図6に示すようにトランジスタ160がサイドウォール絶縁層を有しない構成とすることが望ましい。一方で、トランジスタ160の特性を重視する場合には、ゲート電極128aの側面にサイドウォール絶縁層を設け、不純物濃度が異なる領域を含む不純物領域132を設けても良い。
図6におけるトランジスタ162は、絶縁層140などの上に設けられた酸化物半導体層144と、酸化物半導体層144と電気的に接続されているソース電極(またはドレイン電極)142a、およびドレイン電極(またはソース電極)142bと、酸化物半導体層144、ソース電極142aおよびドレイン電極142bを覆うゲート絶縁層146と、ゲート絶縁層146上に酸化物半導体層144と重畳するように設けられたゲート電極148aと、を有する。
ここで、酸化物半導体層144は水素などの不純物が十分に除去され、十分な酸素が供給されることにより、高純度化されたものであることが望ましい。具体的には、例えば、酸化物半導体層144の水素濃度は、5×1019atoms/cm以下、望ましくは5×1018atoms/cm以下、より望ましくは5×1017atoms/cm以下とする。なお、上述の酸化物半導体層144中の水素濃度は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)で測定されるものである。このように、水素濃度が十分に低減されて高純度化され、十分な酸素の供給により酸素欠乏に起因するエネルギーギャップ中の欠陥準位が低減された酸化物半導体層144では、キャリア濃度が1×1012/cm未満、望ましくは、1×1011/cm未満、より望ましくは1.45×1010/cm未満となる。例えば、室温(25℃)でのオフ電流(ここでは、単位チャネル幅(1μm)あたりの値)は、100zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下、望ましくは10zA以下となる。このように、i型化(真性化)または実質的にi型化された酸化物半導体を用いることで、極めて優れたオフ電流特性のトランジスタ162を得ることができる。
また、酸化物半導体層144は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属等の不純物が十分に除去されたものであるのが好ましい。例えば、酸化物半導体層144のナトリウム濃度は、5×1016cm−3以下、好ましくは1×1016cm−3以下、さらに好ましくは1×1015cm−3以下であり、リチウム濃度は、5×1015cm−3以下、好ましくは1×1015cm−3以下であり、カリウム濃度は、5×1015cm−3以下、好ましくは1×1015cm−3以下とする。なお、上述の酸化物半導体層144中のナトリウム濃度、リチウム濃度、およびカリウム濃度は、それぞれ二次イオン質量分析法(SIMS)で測定されるものである。
アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、酸化物半導体にとっては悪性の不純物であり、少ないほうがよい。特にアルカリ金属のうち、Naは酸化物半導体層に接する絶縁層が酸化物であった場合、その中に拡散し、Naとなる。また、酸化物半導体層内において、金属と酸素の結合を分断し、あるいは結合中に割り込む。その結果、トランジスタ特性の劣化(例えば、ノーマリーオン化(しきい値の負へのシフト)、移動度の低下等)をもたらす。加えて、特性のばらつきの原因ともなる。このような問題は、特に酸化物半導体層中の水素の濃度が十分に低い場合において顕著となる。したがって、酸化物半導体層中の水素の濃度が5×1019cm−3以下、特に5×1018cm−3以下である場合には、アルカリ金属の濃度を上記の値にすることが強く求められる。
また、酸化物半導体層144は、銅、アルミニウム、塩素などが不純物としてほとんど含まれず、高純度化されたものであることが望ましい。トランジスタの製造工程において、これらの不純物が混入または酸化物半導体層表面に付着する恐れのない工程を適宜選択することが好ましく、酸化物半導体層表面に付着した場合には、シュウ酸や希フッ酸などに曝す、またはプラズマ処理(NOプラズマ処理など)を行うことにより、酸化物半導体層表面の不純物を除去することが好ましい。具体的には、酸化物半導体層の銅濃度は1×1018atoms/cm以下、好ましくは1×1017atoms/cm以下とする。また、酸化物半導体層のアルミニウム濃度は1×1018atoms/cm以下とする。また、酸化物半導体層の塩素濃度は2×1018atoms/cm以下とする。なお、アルミニウムが酸化物半導体層144の主成分に含まれる場合には、上記に限られない。
なお、図6のトランジスタ162では、微細化に起因して素子間に生じるリークを抑制するために、島状に加工された酸化物半導体層144を用いているが、島状に加工されていない構成を採用しても良い。酸化物半導体層を島状に加工しない場合には、加工の際のエッチングによる酸化物半導体層144の汚染を防止できる。
図6における容量素子164は、ドレイン電極142b、ゲート絶縁層146、および導電層148bを含んで構成される。すなわち、ドレイン電極142bは、容量素子164の一方の電極として機能し、導電層148bは、容量素子164の他方の電極として機能することになる。このような構成とすることにより、十分な容量を確保することができる。また、酸化物半導体層144とゲート絶縁層146とを積層させる場合には、ドレイン電極142bと、導電層148bとの絶縁性を十分に確保することができる。さらに、容量が不要の場合は、容量素子164を設けない構成とすることもできる。
本実施の形態では、トランジスタ162および容量素子164が、トランジスタ160と少なくとも一部が重畳するように設けられている。このような平面レイアウトを採用することにより、高集積化を図ることができる。例えば、最小加工寸法をFとして、メモリセルの占める面積を15F〜25Fとすることが可能である。
トランジスタ162および容量素子164の上には、絶縁層150が設けられている。そして、ゲート絶縁層146および絶縁層150に形成された開口には、配線154が設けられている。配線154は、メモリセルの一つと他のメモリセルとを接続する配線であり、図2の回路図におけるビット線BLに相当する。配線154は、ソース電極142aおよび導電層128bを介して、不純物領域126に接続されている。これにより、トランジスタ160におけるソース領域またはドレイン領域と、トランジスタ162におけるソース電極142aと、をそれぞれ異なる配線に接続する場合と比較して、配線の数を削減することができるため、半導体装置の集積度を向上させることができる。
また、導電層128bを設けることにより、不純物領域126とソース電極142aとが接続する位置と、ソース電極142aと配線154とが接続する位置を、重畳して設けることができる。このような平面レイアウトを採用することにより、コンタクト領域に起因する素子面積の増大を抑制することができる。つまり、半導体装置の集積度を高めることができる。
〈SOI基板の作製方法〉
次に、上記半導体装置の作製に用いることのできるSOI基板の作製方法の一例について、図7を参照して説明する。
まず、ベース基板として半導体基板500を準備する(図7(A)参照)。半導体基板500としては、単結晶シリコン基板、単結晶ゲルマニウム基板などの半導体基板を用いることができる。また、半導体基板として、太陽電池級シリコン(SOG−Si:Solar Grade Silicon)基板などを用いても良い。また、多結晶半導体基板を用いても良い。太陽電池級シリコンや、多結晶半導体基板などを用いる場合には、単結晶シリコン基板などを用いる場合と比較して、製造コストを抑制することができる。
なお、半導体基板500に変えて、アルミノシリケートガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスのような電子工業用に使われる各種ガラス基板、石英基板、セラミック基板、サファイア基板が挙げられる。また、窒化シリコンと酸化アルミニウムを主成分とした熱膨張係数がシリコンに近いセラミック基板を用いてもよい。
半導体基板500は、その表面をあらかじめ洗浄しておくことが好ましい。具体的には、半導体基板500に対して、塩酸過酸化水素水混合溶液(HPM)、硫酸過酸化水素水混合溶液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合溶液(APM)、希フッ酸(DHF)等を用いて洗浄を行うのが好ましい。
次に、ボンド基板を準備する。ここでは、ボンド基板として単結晶半導体基板510を用いる(図7(B)参照)。なお、ボンド基板は単結晶半導体基板に限らず、多結晶半導体基板であってもよい。
単結晶半導体基板510としては、例えば、単結晶シリコン基板、単結晶ゲルマニウム基板、単結晶シリコンゲルマニウム基板など、第14族元素でなる単結晶半導体基板を用いることができる。また、ガリウムヒ素やインジウムリン等の化合物半導体基板を用いることもできる。市販のシリコン基板としては、直径5インチ(125mm)、直径6インチ(150mm)、直径8インチ(200mm)、直径12インチ(300mm)、直径16インチ(400mm)サイズの円形のものが代表的である。なお、単結晶半導体基板510の形状は円形に限らず、例えば、矩形等に加工したものであっても良い。また、単結晶半導体基板510は、CZ(チョクラルスキー)法やFZ(フローティングゾーン)法を用いて作製することができる。
単結晶半導体基板510の表面には酸化膜512を形成する(図7(C)参照)。なお、汚染物除去の観点から、酸化膜512の形成前に、塩酸過酸化水素水混合溶液(HPM)、硫酸過酸化水素水混合溶液(SPM)、アンモニア過酸化水素水混合溶液(APM)、希フッ酸(DHF)、フッ酸過酸化水素水混合溶液(FPM)等を用いて単結晶半導体基板510の表面を洗浄しておくことが好ましい。また、希フッ酸とオゾン水を交互に吐出して洗浄してもよい。
酸化膜512は、例えば、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等を単層で、または積層させて形成することができる。上記酸化膜512の作製方法としては、熱酸化法、CVD法、スパッタ法などがある。また、CVD法を用いて酸化膜512を形成する場合、良好な貼り合わせを実現するためには、テトラエトキシシラン(略称;TEOS:化学式Si(OC)等の有機シランを用いて酸化シリコン膜を形成することが好ましい。
本実施の形態では、単結晶半導体基板510に熱酸化処理を行うことにより、酸化膜512(ここでは、SiO膜)を形成する。熱酸化処理は、酸化性雰囲気中にハロゲンを添加して行うことが好ましい。
例えば、塩素(Cl)が添加された酸化性雰囲気中で単結晶半導体基板510に熱酸化処理を行うことにより、塩素酸化された酸化膜512を形成することができる。この場合、酸化膜512は、塩素原子を含有する膜となる。このような塩素酸化により、外因性の不純物である重金属(例えば、Fe、Cr、Ni、Mo等)を捕集して金属の塩化物を形成し、これを外方に除去して単結晶半導体基板510の汚染を低減させることができる。
なお、酸化膜512に含有させるハロゲン原子は塩素原子に限られない。酸化膜512にはフッ素原子を含有させてもよい。単結晶半導体基板510表面をフッ素酸化する方法としては、HF溶液に浸漬させた後に酸化性雰囲気中で熱酸化処理を行う方法や、NFを酸化性雰囲気に添加して熱酸化処理を行う方法などがある。
次に、イオンを電界で加速して単結晶半導体基板510に照射し、添加することで、単結晶半導体基板510の所定の深さに結晶構造が損傷した脆化領域514を形成する(図7(D)参照)。
脆化領域514が形成される領域の深さは、イオンの運動エネルギー、イオンの質量と電荷、イオンの入射角などによって調節することができる。また、脆化領域514は、イオンの平均侵入深さとほぼ同じ深さの領域に形成される。このため、イオンを添加する深さで、単結晶半導体基板510から分離される単結晶半導体層の厚さを調節することができる。例えば、単結晶半導体層の厚さが、10nm以上500nm以下、好ましくは50nm以上200nm以下程度となるように平均侵入深さを調節すれば良い。
当該イオンの照射処理は、イオンドーピング装置やイオン注入装置を用いて行うことができる。イオンドーピング装置の代表例としては、プロセスガスをプラズマ励起して生成された全てのイオン種を被処理体に照射する非質量分離型の装置がある。当該装置では、プラズマ中のイオン種を質量分離しないで被処理体に照射することになる。これに対して、イオン注入装置は質量分離型の装置である。イオン注入装置では、プラズマ中のイオン種を質量分離し、ある特定の質量のイオン種を被処理体に照射する。
本実施の形態では、イオンドーピング装置を用いて、水素を単結晶半導体基板510に添加する例について説明する。ソースガスとしては水素を含むガスを用いる。照射するイオンについては、H の比率を高くすると良い。具体的には、H、H 、H の総量に対してH の割合が50%以上(より好ましくは80%以上)となるようにする。H の割合を高めることで、イオン照射の効率を向上させることができる。
なお、添加するイオンは水素に限定されない。ヘリウムなどのイオンを添加しても良い。また、添加するイオンは一種類に限定されず、複数種類のイオンを添加しても良い。例えば、イオンドーピング装置を用いて水素とヘリウムとを同時に照射する場合には、異なる工程で照射する場合と比較して工程数を低減することができると共に、後の単結晶半導体層の表面荒れを抑えることが可能である。
なお、イオンドーピング装置を用いて脆化領域514を形成する場合には、重金属も同時に添加されるおそれがあるが、ハロゲン原子を含有する酸化膜512を介してイオンの照射を行うことによって、これら重金属による単結晶半導体基板510の汚染を防ぐことができる。
次に、半導体基板500と、単結晶半導体基板510とを対向させ、酸化膜512を介して密着させる。これにより、半導体基板500と、単結晶半導体基板510とが貼り合わされる(図7(E)参照)。なお、単結晶半導体基板510と貼り合わせる半導体基板500の表面に酸化膜または窒化膜を成膜してもよい。
貼り合わせの際には、半導体基板500または単結晶半導体基板510の一箇所に、0.001N/cm以上100N/cm以下、例えば、1N/cm以上20N/cm以下の圧力を加えることが望ましい。圧力を加えて、貼り合わせ面を接近、密着させると、密着させた部分において半導体基板500と酸化膜512の接合が生じ、当該部分を始点として自発的な接合がほぼ全面におよぶ。この接合には、ファンデルワールス力や水素結合が作用しており、常温で行うことができる。
なお、単結晶半導体基板510と半導体基板500とを貼り合わせる前には、貼り合わせに係る表面につき、表面処理を行うことが好ましい。表面処理を行うことで、単結晶半導体基板510と半導体基板500との界面での接合強度を向上させることができる。
表面処理としては、ウェット処理、ドライ処理、またはウェット処理とドライ処理の組み合わせ、を用いることができる。また、異なるウェット処理どうしを組み合わせて用いても良いし、異なるドライ処理どうしを組み合わせて用いても良い。
なお、貼り合わせの後には、接合強度を増加させるための熱処理を行ってもよい。この熱処理の温度は、脆化領域514における分離が生じない温度(例えば、室温以上400℃未満)とする。また、この温度範囲で加熱しながら、半導体基板500と酸化膜512とを接合させてもよい。上記熱処理には、拡散炉、抵抗加熱炉などの加熱炉、RTA(瞬間熱処理、Rapid Thermal Anneal)装置、マイクロ波加熱装置などを用いることができる。なお、上記温度条件はあくまで一例に過ぎず、開示する発明の一態様がこれに限定して解釈されるものではない。
次に、熱処理を行うことにより、単結晶半導体基板510を脆化領域において分離して、半導体基板500上に、酸化膜512を介して単結晶半導体層516を形成する(図7(F)参照)。
なお、上記分離の際の熱処理温度は、できる限り低いものであることが望ましい。分離の際の温度が低いほど、単結晶半導体層516の表面荒れを抑制できるためである。具体的には、例えば、上記分離の際の熱処理温度は、300℃以上600℃以下とすればよく、400℃以上500℃以下とすると、より効果的である。
なお、単結晶半導体基板510を分離した後には、単結晶半導体層516に対して、500℃以上の温度で熱処理を行い、単結晶半導体層516中に残存する水素の濃度を低減させてもよい。
次に、単結晶半導体層516の表面にレーザ光を照射することによって、表面の平坦性を向上させ、かつ欠陥を低減させた単結晶半導体層518を形成する(図7(G)参照)。なお、レーザ光の照射処理に代えて、熱処理を行っても良い。
なお、本実施の形態においては、単結晶半導体層516の分離に係る熱処理の直後に、レーザ光の照射処理を行っているが、本発明の一態様はこれに限定して解釈されない。単結晶半導体層516の分離に係る熱処理の後にエッチング処理を施して、単結晶半導体層516表面の欠陥が多い領域を除去してから、レーザ光の照射処理を行っても良いし、単結晶半導体層516表面の平坦性を向上させてからレーザ光の照射処理を行ってもよい。なお、上記エッチング処理としては、ウェットエッチング、ドライエッチングのいずれを用いてもよい。また、本実施の形態においては、上述のようにレーザ光を照射した後、単結晶半導体層516の膜厚を小さくする薄膜化工程を行ってもよい。単結晶半導体層516の薄膜化には、ドライエッチングまたはウェットエッチングの一方、または双方を用いればよい。
以上の工程により、単結晶半導体層518を有するSOI基板を得ることができる(図7(G)参照)。
〈半導体装置の作製方法〉
次に、上記のSOI基板を用いた半導体装置の作製方法について、図8乃至図11を参照して説明する。
〈下部のトランジスタの作製方法〉
はじめに下部のトランジスタ160の作製方法について、図8および図9を参照して説明する。なお、図8および図9は、図7に示す方法で作成したSOI基板の一部であって、図6(A)に示す下部のトランジスタに相当する断面工程図である。
まず、単結晶半導体層518を島状に加工して、半導体層120を形成する(図8(A)参照)。なお、この工程の前後において、トランジスタのしきい値電圧を制御するために、n型の導電性を付与する不純物元素や、p型の導電性を付与する不純物元素を半導体層に添加してもよい。半導体がシリコンの場合、n型の導電性を付与する不純物元素としては、例えば、リンや砒素などを用いることができる。また、p型の導電性を付与する不純物元素としては、例えば、硼素、アルミニウム、ガリウムなどを用いることができる。
次に、半導体層120を覆うように絶縁層122を形成する(図8(B)参照)。絶縁層122は、後にゲート絶縁層となるものである。絶縁層122は、例えば、半導体層120表面の熱処理(熱酸化処理や熱窒化処理など)によって形成することができる。熱処理に代えて、高密度プラズマ処理を適用しても良い。高密度プラズマ処理は、例えば、He、Ar、Kr、Xeなどの希ガス、酸素、酸化窒素、アンモニア、窒素、水素などのうち、いずれか一つ以上を含むガスを用いて行うことができる。もちろん、CVD法やスパッタ法等を用いて絶縁層を形成しても良い。当該絶縁層122は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))等を含む単層構造または積層構造とすることが望ましい。また、絶縁層122の厚さは、例えば、1nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下とすることができる。ここでは、プラズマCVD法を用いて、酸化シリコンを含む絶縁層を単層で形成することとする。
次に、絶縁層122上にマスク124を形成し、一導電性を付与する不純物元素を半導体層120に添加して、不純物領域126を形成する(図8(C)参照)。なお、ここでは、不純物元素を添加した後、マスク124は除去する。
次に、絶縁層122上にマスクを形成し、絶縁層122が不純物領域126と重畳する領域の一部を除去することにより、ゲート絶縁層122aを形成する(図8(D)参照)。絶縁層122の除去方法として、ウェットエッチングまたはドライエッチングなどのエッチング処理を用いることができる。
次に、ゲート絶縁層122a上にゲート電極(これと同じ層で形成される配線を含む)を形成するための導電層を形成し、当該導電層を加工して、ゲート電極128aおよび導電層128bを形成する(図8(E)参照)。
ゲート電極128aおよび導電層128bに用いる導電層としては、アルミニウム、銅、チタン、タンタル、タングステン等の金属材料を用いて形成することができる。また、多結晶シリコンなどの半導体材料を用いて、導電層を形成しても良い。形成方法も特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタ法、スピンコート法などの各種成膜方法を用いることができる。また、導電層の加工は、レジストマスクを用いたエッチングによって行うことができる。
次に、ゲート電極128aおよび導電層128bをマスクとして、一導電型を付与する不純物元素を半導体層に添加して、チャネル形成領域134、不純物領域132、および不純物領域130を形成する(図9(A)参照)。ここでは、p型トランジスタを形成するために、硼素(B)やアルミニウム(Al)などの不純物元素を添加する。ここで、添加される不純物元素の濃度は適宜設定することができる。また、不純物元素を添加した後には、活性化のための熱処理を行う。ここで、不純物領域の濃度は、不純物領域126、不純物領域132、不純物領域130の順に高くなる。
次に、ゲート絶縁層122a、ゲート電極128a、導電層128bを覆うように、絶縁層136、絶縁層138および絶縁層140を形成する(図9(B)参照)。
絶縁層136、絶縁層138、絶縁層140は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。特に、絶縁層136、絶縁層138、絶縁層140に誘電率の低い(low−k)材料を用いることで、各種電極や配線の重なりに起因する容量を十分に低減することが可能になるため好ましい。なお、絶縁層136、絶縁層138、絶縁層140には、これらの材料を用いた多孔性の絶縁層を適用しても良い。多孔性の絶縁層では、密度の高い絶縁層と比較して誘電率が低下するため、電極や配線に起因する容量をさらに低減することが可能である。また、絶縁層136や絶縁層138、絶縁層140は、ポリイミド、アクリル等の有機絶縁材料を用いて形成することも可能である。本実施の形態では、絶縁層136として酸化窒化シリコン、絶縁層138として窒化酸化シリコン、絶縁層140として酸化シリコンを用いる場合について説明する。なお、ここでは、絶縁層136、絶縁層138および絶縁層140の積層構造としているが、開示する発明の一態様はこれに限定されない。1層または2層としても良いし、4層以上の積層構造としても良い。
次に、絶縁層138および絶縁層140にCMP(化学的機械研磨)処理やエッチング処理を行うことにより、絶縁層138および絶縁層140を平坦化する(図9(C)参照)。ここでは、絶縁層138が一部露出されるまで、CMP処理を行う。絶縁層138に窒化酸化シリコンを用い、絶縁層140に酸化シリコンを用いた場合、絶縁層138はエッチングストッパとして機能する。
次に、絶縁層138および絶縁層140にCMP処理やエッチング処理を行うことにより、ゲート電極128aおよび導電層128bの上面を露出させる(図9(D)参照)。ここでは、ゲート電極128aおよび導電層128bが一部露出されるまで、エッチング処理を行う。当該エッチング処理は、ドライエッチングを用いることが好適であるが、ウェットエッチングを用いてもよい。ゲート電極128aおよび導電層128bの一部を露出させる工程において、後に形成されるトランジスタ162の特性を向上させるために、絶縁層136、絶縁層138、絶縁層140の表面は可能な限り平坦にしておくことが好ましい。
以上の工程により、下部のトランジスタ160を形成することができる(図9(D)参照)。
なお、上記の各工程の前後には、さらに電極や配線、半導体層、絶縁層などを形成する工程を含んでいても良い。例えば、配線の構造として、絶縁層および導電層の積層構造でなる多層配線構造を採用して、高度に集積化した半導体装置を実現することも可能である。
〈上部のトランジスタの作製方法〉
次に、上部のトランジスタ162の作製方法について、図10および図11を参照して説明する。
まず、ゲート電極128a、導電層128b、絶縁層136、絶縁層138、絶縁層140などの上に酸化物半導体層を形成し、当該酸化物半導体層を加工して、酸化物半導体層144を形成する(図10(A)参照)。なお、酸化物半導体層を形成する前に、絶縁層136、絶縁層138、絶縁層140の上に、下地として機能する絶縁層を設けても良い。当該絶縁層は、スパッタ法をはじめとするPVD法やプラズマCVD法などのCVD法などを用いて形成することができる。
上記酸化物半導体層に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)を含む。特にInと亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてジルコニウム(Zr)を有することが好ましい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種あるいは複数種を有してもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、In−Zn系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、In−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、酸化物半導体として、InMO(ZnO)(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、MnおよびCoから選ばれた一つの金属元素または複数の金属元素を示す。また、酸化物半導体として、InSnO(ZnO)(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)、あるいはIn:Ga:Zn=3:1:2(=1/2:1/6:1/3)の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子数比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
しかし、インジウムを含む酸化物半導体は、これらに限られず、必要とする半導体特性(移動度、しきい値、ばらつき等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする半導体特性を得るために、キャリア濃度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
例えば、In−Sn−Zn系酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn系酸化物でも、バルク内欠陥密度を低くすることにより移動度を上げることができる。
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C=1)の酸化物の組成のrだけ近傍であるとは、a、b、cが、(a−A)+(b−B)+(c−C)≦r((a−A)+(b−B)+(c−C)は、r以下。)を満たすことをいう。rとしては、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
酸化物半導体層は、単結晶、多結晶(ポリクリスタルともいう。)または非晶質などの状態をとる。
好ましくは、酸化物半導体層は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とする。
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非晶質相に結晶部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体層である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、かつab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
なお、CAAC−OS膜において、結晶部の分布が一様でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の形成過程において、酸化物半導体層の表面側から結晶成長させる場合、被形成面の近傍に対し表面の近傍では結晶部の占める割合が高くなることがある。また、CAAC−OS膜へ不純物を添加することにより、当該不純物添加領域において結晶部が非晶質化することもある。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、酸化物半導体層を構成する酸素の一部は窒素で置換されてもよい。
また、CAAC−OS膜のように結晶部を有する酸化物半導体では、よりバルク内欠陥を低減することができ、表面の平坦性を高めればアモルファス状態の酸化物半導体以上の移動度を得ることができる。表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
酸化物半導体層の厚さは、3nm以上30nm以下とするのが望ましい。酸化物半導体層を厚くしすぎると(例えば、膜厚を50nm以上)、トランジスタがノーマリーオンとなる恐れがあるためである。
酸化物半導体層は、水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が混入しにくい方法で作製するのが望ましい。例えば、スパッタ法などを用いて作製することができる。
本実施の形態では、酸化物半導体層を、In−Ga−Zn−O系の酸化物ターゲットを用いたスパッタ法により形成する。
In−Ga−Zn−O系の酸化物ターゲットとしては、例えば、組成として、In:Ga:ZnO=1:1:1[モル数比]の酸化物ターゲットを用いることができる。なお、ターゲットの材料および組成を上述に限定する必要はない。例えば、In:Ga:ZnO=1:1:2[モル数比]の組成の酸化物ターゲットを用いることもできる。
また、酸化物半導体としてIn−Zn−O系の材料を用いる場合、用いるターゲットの組成は、原子数比で、In:Zn=50:1〜1:2(モル数比に換算するとIn:ZnO=25:1〜1:4)、好ましくはIn:Zn=20:1〜1:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=10:1〜1:2)、さらに好ましくはIn:Zn=15:1〜1.5:1(モル数比に換算するとIn:ZnO=15:2〜3:4)とする。例えば、In−Zn−O系酸化物半導体の形成に用いるターゲットは、原子数比がIn:Zn:O=X:Y:Zのとき、Z>1.5X+Yとする。
酸化物ターゲットの充填率は、90%以上100%以下、好ましくは95%以上99.9%以下とする。充填率の高い金属酸化物ターゲットを用いることにより、成膜した酸化物半導体層を緻密な膜とすることができるためである。
スパッタガスには、希ガス(代表的にはアルゴン)、酸素、または、希ガスと酸素の混合ガスなどを用いればよい。また、酸化物半導体層への水素、水、水酸基、水素化物などの混入を防ぐために、水素、水、水酸基、水素化物などの不純物が十分に除去された高純度ガスをスパッタガスとして用いることが望ましい。
例えば、酸化物半導体層は、次のように形成することができる。
まず、減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持し、基板温度が、200℃を超えて500℃以下、好ましくは300℃を超えて500℃以下、より好ましくは350℃以上450℃以下となるように加熱する。
次に、成膜室内の残留水分を除去しつつ、水素、水、水酸基、水素化物などの不純物が十分に除去された高純度ガスを導入し、上記ターゲットを用いて基板上に酸化物半導体層を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、排気手段として、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプなどの吸着型の真空ポンプを用いることが望ましい。また、排気手段は、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素、水、水酸基または水素化物などの不純物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)などが除去されているため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体層に含まれる水素、水、水酸基または水素化物などの不純物の濃度を低減することができる。
成膜中の基板温度が低温(例えば、100℃以下)の場合、酸化物半導体に水素原子を含む物質が混入するおそれがあるため、基板を上述の温度で加熱することが好ましい。基板を上述の温度で加熱して、酸化物半導体層の成膜を行うことにより、基板温度は高温となるため、水素結合は熱により切断され、水素原子を含む物質が酸化物半導体層に取り込まれにくい。したがって、基板が上述の温度で加熱された状態で、酸化物半導体層の成膜を行うことにより、酸化物半導体層に含まれる水素、水、水酸基または水素化物などの不純物の濃度を十分に低減することができる。また、スパッタによる損傷を軽減することができる。
成膜条件の一例として、基板とターゲットの間との距離を60mm、圧力を0.4Pa、直流(DC)電源を0.5kW、基板温度を400℃、スパッタガスを酸素(酸素流量比率100%)とする。なお、パルス直流電源を用いると、成膜時に発生する粉状物質(パーティクル、ごみともいう)が軽減でき、膜厚分布も均一となるため好ましい。
なお、酸化物半導体層をスパッタ法により形成する前に、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタを行い、酸化物半導体層の被形成表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することが好ましい。逆スパッタとは、基板に電圧を印加し、基板近傍にプラズマを形成して、基板側の表面を改質する方法である。なお、アルゴンに代えて、窒素、ヘリウム、酸素などのガスを用いてもよい。
酸化物半導体層の加工は、所望の形状のマスクを酸化物半導体層上に形成した後、当該酸化物半導体層をエッチングすることによって行うことができる。上述のマスクは、フォトリソグラフィなどの方法を用いて形成することができる。または、インクジェット法などの方法を用いてマスクを形成しても良い。なお、酸化物半導体層のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよい。もちろん、これらを組み合わせて用いてもよい。
その後、酸化物半導体層144に対して、熱処理(第1の熱処理)を行ってもよい。熱処理を行うことによって、酸化物半導体層144中に含まれる水素原子を含む物質をさらに除去し、酸化物半導体層144の構造を整え、エネルギーギャップ中の欠陥準位を低減することができる。熱処理の温度は、不活性ガス雰囲気下、250℃以上700℃以下、好ましくは450℃以上600℃以下、または基板の歪み点未満とする。不活性ガス雰囲気としては、窒素、または希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン等)を主成分とする雰囲気であって、水、水素などが含まれない雰囲気を適用するのが望ましい。例えば、熱処理装置に導入する窒素や、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上(すなわち、不純物濃度が1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とする。
熱処理は、例えば、抵抗発熱体などを用いた電気炉に被処理物を導入し、窒素雰囲気下、450℃、1時間の条件で行うことができる。この間、酸化物半導体層144は大気に触れさせず、水や水素の混入が生じないようにする。
ところで、上述の熱処理には水素や水などを除去する効果があるため、当該熱処理を、脱水化処理や、脱水素化処理などと呼ぶこともできる。当該熱処理は、例えば、酸化物半導体層を島状に加工する前、ゲート絶縁膜の形成後などのタイミングにおいて行うことも可能である。また、このような脱水化処理、脱水素化処理は、一回に限らず複数回行っても良い。
次に、酸化物半導体層144などの上に、ソース電極およびドレイン電極(これと同じ層で形成される配線を含む)を形成するための導電層を形成し、当該導電層を加工して、ソース電極142a、ドレイン電極142bを形成する(図10(B)参照)。
導電層は、PVD法や、CVD法を用いて形成することができる。また、導電層の材料としては、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素や、上述した元素を成分とする合金等を用いることができる。マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、ネオジム、スカンジウムのいずれか、またはこれらを複数組み合わせた材料を用いてもよい。
導電層は、単層構造であっても良いし、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、チタン膜や窒化チタン膜の単層構造、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜が積層された2層構造、窒化チタン膜上にチタン膜が積層された2層構造、チタン膜とアルミニウム膜とチタン膜とが積層された3層構造などが挙げられる。なお、導電層を、チタン膜や窒化チタン膜の単層構造とする場合には、テーパー形状を有するソース電極142aおよびドレイン電極142bへの加工が容易であるというメリットがある。
また、導電層は、導電性の金属酸化物を用いて形成しても良い。導電性の金属酸化物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム−スズ酸化物(In―SnO、ITOと略記する場合がある)、インジウム−亜鉛酸化物(In―ZnO)、または、これらの金属酸化物材料にシリコン若しくは酸化シリコンを含有させたものを用いることができる。
導電層のエッチングは、形成されるソース電極142aおよびドレイン電極142bの端部が、テーパー形状となるように行うことが好ましい。ここで、テーパー角は、例えば、30°以上60°以下であることが好ましい。ソース電極142a、ドレイン電極142bの端部をテーパー形状となるようにエッチングすることにより、後に形成されるゲート絶縁層146の被覆性を向上し、段切れを防止することができる。
上部のトランジスタのチャネル長(L)は、ソース電極142a、およびドレイン電極142bの下端部の間隔によって決定される。なお、チャネル長(L)が25nm未満のトランジスタを形成する場合に用いるマスク形成の露光を行う際には、数nm〜数10nmと波長の短い超紫外線(Extreme Ultraviolet)または電子ビームを用いるのが望ましい。超紫外線による露光は、解像度が高く焦点深度も大きい。したがって、後に形成されるトランジスタのチャネル長(L)を、10nm以上1000nm(1μm)以下とすることも可能であり、回路の動作速度を高めることが可能である。また、微細化によって、半導体装置の消費電力を低減することも可能である。
次に、ソース電極142a、ドレイン電極142bを覆い、かつ、酸化物半導体層144の一部と接するように、ゲート絶縁層146を形成する(図10(C)参照)。
ゲート絶縁層146は、CVD法やスパッタ法等を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層146は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))、などを含むように形成するのが好適である。ゲート絶縁層146は、単層構造としても良いし、上記の材料を組み合わせて積層構造としても良い。また、その厚さは特に限定されないが、半導体装置を微細化する場合には、トランジスタの動作を確保するために薄くするのが望ましい。例えば、酸化シリコンを用いる場合には、1nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下とすることができる。
上述のように、ゲート絶縁層を薄くすると、トンネル効果などに起因するゲートリークが問題となる。ゲートリークの問題を解消するには、ゲート絶縁層146に、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))、などの高誘電率(high−k)材料を用いると良い。high−k材料をゲート絶縁層146に用いることで、電気的特性を確保しつつ、ゲートリークを抑制するために膜厚を大きくすることが可能になる。なお、high−k材料を含む膜と、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウムなどのいずれかを含む膜との積層構造としてもよい。
また、酸化物半導体層144に接する絶縁層(本実施の形態においては、ゲート絶縁層146)は、第13族元素および酸素を含む絶縁材料としてもよい。酸化物半導体材料には第13族元素を含むものが多く、第13族元素を含む絶縁材料は酸化物半導体との相性が良く、これを酸化物半導体層に接する絶縁層に用いることで、酸化物半導体層との界面の状態を良好に保つことができる。
ここで、第13族元素を含む絶縁材料とは、絶縁材料に一つまたは複数の第13族元素を含むことを意味する。第13族元素を含む絶縁材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムガリウム、酸化ガリウムアルミニウムなどがある。ここで、酸化アルミニウムガリウムとは、ガリウムの含有量(原子%)よりアルミニウムの含有量(原子%)が多いものを示し、酸化ガリウムアルミニウムとは、ガリウムの含有量(原子%)がアルミニウムの含有量(原子%)以上のものを示す。
例えば、ガリウムを含有する酸化物半導体層に接してゲート絶縁層を形成する場合に、ゲート絶縁層に酸化ガリウムを含む材料を用いることで酸化物半導体層とゲート絶縁層の界面特性を良好に保つことができる。また、酸化物半導体層と酸化ガリウムを含む絶縁層とを接して設けることにより、酸化物半導体層と絶縁層の界面における水素のパイルアップを低減することができる。なお、絶縁層に酸化物半導体の成分元素と同じ族の元素を用いる場合には、同様の効果を得ることが可能である。例えば、酸化アルミニウムを含む材料を用いて絶縁層を形成することも有効である。なお、酸化アルミニウムは、水を透過させにくいという特性を有しているため、当該材料を用いることは、酸化物半導体層への水の侵入防止という点においても好ましい。
また、酸化物半導体層144に接する絶縁層は、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープなどにより、絶縁材料を化学量論的組成より酸素が多い状態とすることが好ましい。酸素ドープとは、酸素をバルクに添加することをいう。なお、当該バルクの用語は、酸素を薄膜表面のみでなく薄膜内部に添加することを明確にする趣旨で用いている。また、酸素ドープには、プラズマ化した酸素をバルクに添加する酸素プラズマドープが含まれる。また、酸素ドープは、イオン注入法またはイオンドーピング法を用いて行ってもよい。
例えば、酸化物半導体層144に接する絶縁層として酸化ガリウムを用いた場合、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うことにより、酸化ガリウムの組成をGa(X=3+α、0<α<1)とすることができる。また、酸化物半導体層144に接する絶縁層として酸化アルミニウムを用いた場合、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うことにより、酸化アルミニウムの組成をAl(X=3+α、0<α<1)とすることができる。または、酸化物半導体層144に接する絶縁層として酸化ガリウムアルミニウム(酸化アルミニウムガリウム)を用いた場合、酸素雰囲気下による熱処理や、酸素ドープを行うことにより、酸化ガリウムアルミニウム(酸化アルミニウムガリウム)の組成をGaAl2−X3+α(0<X<2、0<α<1)とすることができる。
酸素ドープ処理等を行うことにより、化学量論的組成より酸素が多い領域を有する絶縁層を形成することができる。このような領域を備える絶縁層と酸化物半導体層が接することにより、絶縁層中の過剰な酸素が酸化物半導体層に供給され、酸化物半導体層中、または酸化物半導体層と絶縁層の界面における酸素不足欠陥を低減することができる。
なお、化学量論的組成より酸素が多い領域を有する絶縁層は、ゲート絶縁層146に代えて、酸化物半導体層144の下地膜として形成する絶縁層に適用しても良く、ゲート絶縁層146および下地膜の双方に適用しても良い。
ゲート絶縁層146の形成後には、不活性ガス雰囲気下、または酸素雰囲気下で第2の熱処理を行うのが望ましい。熱処理の温度は、200℃以上450℃以下、望ましくは250℃以上350℃以下である。例えば、窒素雰囲気下で250℃、1時間の熱処理を行えばよい。第2の熱処理を行うことによって、トランジスタの電気的特性のばらつきを軽減することができる。また、ゲート絶縁層146が酸素を含む場合、脱水化または脱水素化処理後の酸化物半導体層144に酸素を供給し、該酸化物半導体層144の酸素欠損を補填して、i型(真性半導体)またはi型に限りなく近い酸化物半導体層を形成することもできる。
なお、本実施の形態では、ゲート絶縁層146の形成後に第2の熱処理を行っているが、第2の熱処理のタイミングはこれに限定されない。例えば、ゲート電極の形成後に第2の熱処理を行っても良い。
上述のように、第1の熱処理および第2の熱処理を適用することで、酸化物半導体層144を、その主成分以外の元素が極力含まれないように高純度化することができる。
次に、ゲート電極(これと同じ層で形成される配線を含む)を形成するための導電層を形成し、当該導電層を加工して、ゲート電極148aおよび導電層148bを形成する(図10(D)参照)。
ゲート電極148aおよび導電層148bは、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成することができる。なお、ゲート電極148aおよび導電層148bは、単層構造としても良いし、積層構造としても良い。
次に、ゲート絶縁層146、ゲート電極148a、および導電層148b上に、絶縁層150を形成する(図11(A)参照)。絶縁層150は、PVD法やCVD法などを用いて形成することができる。また、酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、酸化アルミニウム等の無機絶縁材料を含む材料を用いて形成することができる。なお、絶縁層150には、誘電率の低い材料や、誘電率の低い構造(多孔性の構造など)を用いることが望ましい。絶縁層150の誘電率を低くすることにより、配線や電極などの間に生じる容量を低減し、動作の高速化を図ることができるためである。なお、本実施の形態では、絶縁層150の単層構造としているが、開示する発明の一態様はこれに限定されず、2層以上の積層構造としても良い。
次に、ゲート絶縁層146、絶縁層150に、ソース電極142aにまで達する開口を形成する。その後、絶縁層150上にソース電極142aと接する配線154を形成する(図11(B)参照)。なお、当該開口の形成は、マスクなどを用いた選択的なエッチングにより行われる。
配線154は、PVD法や、CVD法を用いて導電層を形成した後、当該導電層を加工することによって形成される。また、導電層の材料としては、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素や、上述した元素を成分とする合金等を用いることができる。マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、ネオジム、スカンジウムのいずれか、またはこれらを複数組み合わせた材料を用いてもよい。
より具体的には、例えば、絶縁層150の開口を含む領域にPVD法によりチタン膜を薄く(5nm程度)形成した後に、開口に埋め込むようにアルミニウム膜を形成する方法を適用することができる。ここで、PVD法により形成されるチタン膜は、被形成面の酸化膜(自然酸化膜など)を還元し、下部電極など(ここではソース電極142a)との接触抵抗を低減させる機能を有する。また、アルミニウム膜のヒロックを防止することができる。また、チタンや窒化チタンなどによるバリア膜を形成した後に、メッキ法により銅膜を形成してもよい。
絶縁層150に形成する開口は、導電層128bと重畳する領域に形成することが望ましい。このような領域に開口を形成することで、コンタクト領域に起因する素子面積の増大を抑制することができる。
ここで、導電層128bを用いずに、不純物領域126とソース電極142aとの接続と、ソース電極142aと配線154との接続とを重畳させる場合について説明する。この場合、不純物領域126上に形成された絶縁層136、絶縁層138および絶縁層140に開口(下部のコンタクトと呼ぶ)を形成し、下部のコンタクトにソース電極142aを形成した後、ゲート絶縁層146および絶縁層150において、下部のコンタクトと重畳する領域に開口(上部のコンタクトと呼ぶ)を形成し、配線154を形成することになる。下部のコンタクトと重畳する領域に上部のコンタクトを形成する際に、エッチングにより下部のコンタクトに形成されたソース電極142aが断線してしまうおそれがある。これを避けるために、下部のコンタクトと上部のコンタクトが重畳しないように形成することにより、素子面積が増大するという問題がおこる。
本実施の形態に示すように、導電層128bを用いることにより、ソース電極142aを断線させることなく、上部のコンタクトの形成が可能となる。これにより、下部のコンタクトと上部のコンタクトを重畳させて設けることができるため、コンタクト領域に起因する素子面積の増大を抑制することができる。つまり、半導体装置の集積度を高めることができる。
次に、配線154を覆うように絶縁層156を形成する(図11(C)参照)。
以上により、高純度化された酸化物半導体層144を用いたトランジスタ162、および容量素子164が完成する。
なお、トランジスタ162において、酸化物半導体層144とソース電極142a、ドレイン電極142bとの間に、ソース領域およびドレイン領域として機能する酸化物導電層をバッファ層として設けてもよい。図6(A)のトランジスタ162に酸化物導電層を設けたトランジスタ162A、162Bを図13(A)、(B)に示す。
図13(A)(B)のトランジスタ162A、162Bは、酸化物半導体層144とソース電極142a、ドレイン電極142bとの間に、ソース領域およびドレイン領域として機能する酸化物導電層404a、404bが形成されている。図13(A)(B)のトランジスタ162A、162Bは作製工程により酸化物導電層404a、404bの形状が異なる例である。
図13(A)のトランジスタ162Aでは、酸化物半導体膜と酸化物導電膜の積層を形成し、酸化物半導体膜と酸化物導電膜との積層を同じフォトリソグラフィ工程によって形状を加工して島状の酸化物半導体層144と酸化物導電膜を形成する。酸化物半導体層および酸化物導電膜上にソース電極142a、ドレイン電極142bを形成した後、ソース電極142a、ドレイン電極142bをマスクとして、島状の酸化物導電膜をエッチングし、ソース領域およびドレイン領域となる酸化物導電層404a、404bを形成する。
図13(B)のトランジスタ162Bでは、酸化物半導体層144上に酸化物導電膜を形成し、その上に金属導電膜を形成し、酸化物導電膜および金属導電膜を同じフォトリソグラフィ工程によって加工して、ソース領域およびドレイン領域となる酸化物導電層404a、404b、ソース電極142a、ドレイン電極142bを形成する。
なお、酸化物導電層の形状を加工するためのエッチング処理の際、酸化物半導体層が過剰にエッチングされないように、エッチング条件(エッチング材の種類、濃度、エッチング時間等)を適宜調整する。
酸化物導電層404a、404bの成膜方法は、スパッタ法、真空蒸着法(電子ビーム蒸着法など)、アーク放電イオンプレーティング法、スプレー法などを用いることができる。酸化物導電層の材料としては、酸化亜鉛、インジウム−スズ酸化物、酸化亜鉛アルミニウム、酸窒化亜鉛アルミニウム、酸化亜鉛ガリウムなどを適用することができる。また、上記材料に酸化珪素を含ませてもよい。
ソース領域およびドレイン領域として、酸化物導電層を酸化物半導体層144とソース電極142a、ドレイン電極142bとの間に設けることで、ソース領域およびドレイン領域の低抵抗化を図ることができ、トランジスタ162A、162Bが高速動作をすることができる。
また、酸化物半導体層144、酸化物導電層404a、404b、ソース電極142a、ドレイン電極142bの構成とすることによって、トランジスタ162A、162Bの耐圧を向上させることができる。
本実施の形態において示すトランジスタ162では、酸化物半導体層144が高純度化されているため、その水素濃度は、5×1019atoms/cm以下、望ましくは5×1018atoms/cm以下、より望ましくは5×1017atoms/cm以下である。また、酸化物半導体層144のキャリア密度は、一般的なシリコンウェハにおけるキャリア密度(1×1014/cm程度)と比較して、十分に小さい値(例えば、1×1012/cm未満、より好ましくは、1.45×1010/cm未満)をとる。そして、オフ電流も十分に小さくなる。例えば、トランジスタ162の室温(25℃)でのオフ電流(ここでは、単位チャネル幅(1μm)あたりの値)は100zA(1zA(ゼプトアンペア)は1×10−21A)以下、望ましくは10zA以下となる。
このように高純度化され、真性化された酸化物半導体層144を用いることで、トランジスタのオフ電流を十分に低減することが容易になる。そして、このようなトランジスタを用いることで、極めて長期にわたり記憶内容を保持することが可能な半導体装置が得られる。
また、本実施の形態において示す半導体装置では、配線を共通化することも可能であり、集積度が十分に高められた半導体装置を実現することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上述の実施の形態で説明した半導体装置を電子機器に適用する場合について、図12を用いて説明する。本実施の形態では、コンピュータ、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、携帯情報端末(携帯型ゲーム機、音響再生装置なども含む)、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどのカメラ、電子ペーパー、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)などの電子機器に、上述の半導体装置を適用する場合について説明する。
図12(A)は、ノート型のパーソナルコンピュータであり、筐体701、筐体702、表示部703、キーボード704などによって構成されている。筐体701と筐体702の少なくとも一つには、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたノート型のパーソナルコンピュータが実現される。
図12(B)は、携帯情報端末(PDA)であり、本体711には、表示部713と、外部インターフェイス715と、操作ボタン714等が設けられている。また、携帯情報端末を操作するスタイラス712などを備えている。本体711内には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された携帯情報端末が実現される。
図12(C)は、電子ペーパーを実装した電子書籍である。電子書籍720は、筐体721と筐体723の2つの筐体で構成されている。筐体721および筐体723には、それぞれ表示部725および表示部727が設けられている。筐体721と筐体723は、軸部737により接続されており、該軸部737を軸として開閉動作を行うことができる。また、筐体721は、電源731、操作キー733、スピーカー735などを備えている。筐体721、筐体723の少なくとも一つには、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された電子書籍が実現される。
図12(D)は、携帯電話機であり、筐体740と筐体741の2つの筐体で構成されている。さらに、筐体740と筐体741は、スライドし、図12(D)のように展開している状態から重なり合った状態とすることができ、携帯に適した小型化が可能である。また、筐体741は、表示パネル742、スピーカー743、マイクロフォン744、操作キー745、ポインティングデバイス746、カメラ747、外部接続端子748などを備えている。また、筐体740は、携帯電話機の充電を行う太陽電池749、外部メモリスロット750などを備えている。また、アンテナは、筐体741に内蔵されている。筐体740と筐体741の少なくとも一つには、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減された携帯電話機が実現される。
図12(E)は、デジタルカメラであり、本体761、表示部767、接眼部763、操作スイッチ764、表示部765、バッテリー766などによって構成されている。本体761内には、先の実施の形態に示す半導体装置が設けられている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたデジタルカメラが実現される。
図12(F)は、テレビジョン装置であり、筐体771、表示部773、スタンド775などで構成されている。テレビジョン装置770の操作は、筐体771が備えるスイッチや、リモートコントローラ780により行うことができる。筐体771およびリモートコントローラ780には、先の実施の形態に示す半導体装置が搭載されている。そのため、情報の書き込みおよび読み出しが高速で、長期間の記憶保持が可能で、且つ消費電力が十分に低減されたテレビジョン装置が実現される。
以上のように、本実施の形態に示す電子機器には、先の実施の形態に係る半導体装置が搭載されている。このため、消費電力を低減した電子機器が実現される。
120 半導体層
122 絶縁層
122a ゲート絶縁層
124 マスク
126 不純物領域
128a ゲート電極
128b 導電層
130 不純物領域
132 不純物領域
134 チャネル形成領域
136 絶縁層
138 絶縁層
140 絶縁層
142a ソース電極
142b ドレイン電極
144 酸化物半導体層
146 ゲート絶縁層
148a ゲート電極
148b 導電層
150 絶縁層
154 配線
156 絶縁層
160 トランジスタ
162 トランジスタ
162A トランジスタ
162B トランジスタ
164 容量素子
170 メモリセル
180 昇圧回路
182 第1の駆動回路
184 第4の駆動回路
186 第5の駆動回路
190 第3の駆動回路
192 第2の駆動回路
194 ソース線切り替え回路
404a 酸化物導電層
404b 酸化物導電層
500 半導体基板
510 単結晶半導体基板
512 酸化膜
514 脆化領域
516 単結晶半導体層
518 単結晶半導体層
701 筐体
702 筐体
703 表示部
704 キーボード
711 本体
712 スタイラス
713 表示部
714 操作ボタン
715 外部インターフェイス
720 電子書籍
721 筐体
723 筐体
725 表示部
727 表示部
731 電源
733 操作キー
735 スピーカー
737 軸部
740 筐体
741 筐体
742 表示パネル
743 スピーカー
744 マイクロフォン
745 操作キー
746 ポインティングデバイス
747 カメラ
748 外部接続端子
749 太陽電池
750 外部メモリスロット
761 本体
763 接眼部
764 操作スイッチ
765 表示部
766 バッテリー
767 表示部
770 テレビジョン装置
771 筐体
773 表示部
775 スタンド
780 リモートコントローラ
1001 スタンバイ期間および保持期間
1002 書き込み期間
1003 読み出し期間

Claims (2)

  1. pチャネル型の第1のトランジスタと、nチャネル型の第2のトランジスタと、容量素子と、を有し、
    ビット線に、前記第1のトランジスタのソース及びドレインの一方と、前記第2のトランジスタのソース及びドレインの一方と、が電気的に接続され、
    第1のワード線に、前記第2のトランジスタのゲートが電気的に接続され、
    ソース線に、前記第1のトランジスタのソース及びドレインの他方が電気的に接続され、
    第2のワード線に、前記容量素子の一方の電極が電気的に接続され、
    前記第1のトランジスタのゲートと、前記第2のトランジスタのソース及びドレインの他方と、前記容量素子の他方の電極とが電気的に接続されて、電荷が保持されるノードが構成された半導体装置の駆動方法であって、
    書き込み期間において、
    前記第1のワード線の電位を前記第2のトランジスタがオン状態となる電位とし、前記第2のワード線の電位を低電位とし、前記ソース線の電位を低電位とし、前記ビット線の電位を高電位として前記ノードにデータ”1”を書き込み、
    または、
    前記第1のワード線の電位を前記第2のトランジスタがオン状態となる電位とし、前記第2のワード線の電位を低電位とし、前記ソース線の電位を低電位とし、前記ビット線の電位を低電位として前記ノードにデータ”0”を書き込み、
    保持期間において、前記第1のワード線の電位を低電位とし、前記第2のワード線の電位を高電位とし、前記ソース線および前記ビット線の電位を中間電位(低電位<中間電位<高電位)とすることで、前記ノードの電位を保持し、
    読み出し期間において、
    前記第1のワード線の電位を低電位とし、前記第2のワード線の電位を低電位とし、前記ソース線の電位を低電位とすることで、
    前記ノードにデータ”1”が書き込まれているときに、前記第1のトランジスタはオフ状態に保持され、前記ビット線の電位が中間電位に保持されることでデータ”1”を読み出し、
    または、
    前記ノードにデータ”0”が書き込まれているときに、前記第1のトランジスタがオン状態となって、前記ビット線の電位が低下することでデータ”0”を読み出すことを特徴とする半導体装置の駆動方法。
  2. 請求項1において、
    前記第2のトランジスタのチャネル形成領域は、酸化物半導体で形成されていることを特徴とする半導体装置の駆動方法。
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