JP6012369B2 - 目封止ハニカム構造体 - Google Patents
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Description
0.2p≦a≦0.7p ・・・(1)
図1は、本発明の目封止ハニカム構造体の一の実施形態において使用されているハニカム構造体の、セルの延びる方向に垂直な断面の一部を示す部分断面図である。図2は、本発明の目封止ハニカム構造体の一の実施形態の、セルの延びる方向に平行な断面を示す断面図である。図3は、本発明の目封止ハニカム構造体の一の実施形態の、端面の一部を示す部分平面図である。図4は、本発明の目封止ハニカム構造体のセル形状を説明するための模式図である。
0.2p≦a≦0.7p ・・・(1)
本発明の目封止ハニカム構造体は、最初にハニカム構造体(目封止部の無いハニカム構造体)を作製し、そのハニカム構造体の各セルの一方の開口端部(入口端面側又は出口端面側の開口端部)に目封止部を形成することにより製造することができる。
コージェライト化原料100質量部に対し、造孔剤として発泡樹脂を5.0質量部、バインダとしてメチルセルロースを5.0質量部、界面活性剤としてエチレングリコールを1.0質量部、分散媒として水を40質量部加えて混練することにより杯土を調製した。ここで、「コージェライト化原料」とは、焼成によりコージェライトとなる原料を意味する。本実施例では、コージェライト化原料として、タルク41質量%、カオリン19質量%、アルミニウム酸化物25質量%、及びシリカ15質量%を混合したものを使用した。こうして調製した坏土を、真空脱気した後、図1に示すような九角形のセル形状が得られる成形用口金を用いて押出成形することによりハニカム成形体を得た。次に、得られたハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させて、ハニカム乾燥体とした。
図6に示すような四角形のセル形状が得られる成形用口金を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、セル形状が四角形で、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、実施例1〜9の目封止ハニカム構造体と同一である比較例1の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図8に示すように、開口端部に目封止部21が形成されたセル13と、開口端部に目封止部21が形成されていないセル13とによって、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)が、市松模様を呈するように行った。
図7に示すような六角形のセル形状が得られる成形用口金を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、セル形状が六角形で、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、実施例1〜9の目封止ハニカム構造体と同一である比較例2の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図9に示すように、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)上の一定方向(図9の矢印方向)において、セル13の開口端部が、目封止部21によって1つ置きに目封止されるように行った。
実施例1〜9並びに比較例1及び2の目封止ハニカム構造体について、下記の方法で、昇温性、保温性及び強度の評価を行い、その結果を表1に示した。
昇温性及び保温性の評価方法を、図5を参照して説明する。まず、ディーゼル燃料の燃焼により発生させたススを含む排ガスを、目封止ハニカム構造体の入口端面より流入させ、出口端面より流出させることにより、目封止ハニカム構造体内に10g/L(目封止ハニカム構造体の体積1リットル当り10g)のススを堆積させた。次いで、一旦、室温(25℃)まで冷却した目封止ハニカム構造体に、加熱空気を一定流量で流して、目封止ハニカム構造体を昇温させた。こうして、目封止ハニカム構造体を昇温させ、目封止ハニカム構造体の温度が550℃に達した時点から30分間その温度をキープした後、今度は、室温(25℃)の空気を一定流量で流して、ハニカム構造体の温度を室温まで降温させた。そして、目封止ハニカム構造体が、昇温時に550℃に達した時間Tを測定するとともに、目封止ハニカム構造体の降温後のススの再生効率を求めた。尚、Tは、目封止ハニカム構造体に、加熱空気を流し始めた時点から測定した時間である。このTが短い程、昇温性が高いと言える。また、再生効率は、目封止ハニカム構造体の昇温前に、目封止ハニカム構造体内に堆積させたススの量(A)と、目封止ハニカム構造体の降温後に目封止ハニカム構造体内に残存していたススの量(B)とから、下式(2)により求められる値である。この再生効率は、目封止ハニカム構造体の降温時の降温速度が遅く、ススの燃焼温度(530℃)以上の温度がより長く保たれる程、高くなる。よって、再生効率が高い程、保温性が高いと言える。
再生効率(%)={(A−B)/A}×100 ・・・(2)
フレキシブルチューブ内に目封止ハニカム構造体を挿入して、水圧による均等圧を掛け、部分破壊を生じた圧力を測定し、これを目封止ハニカム構造体のアイソスタティック強度とした。尚、測定結果は、比較例2の目封止ハニカム構造体についての測定値を1.0として、相対表示した。
表1に示すとおり、セル形状が特定の九角形である実施例1〜9の内、実施例2〜9は、セル形状が四角形である比較例1やセル形状が六角形である比較例2よりも高い再生効率(保温性)が得られた。実施例1は、セル形状が六角形である比較例2よりも再生効率が高く、また、セル形状が四角形である比較例1と比べて、昇温性が高く、再生効率は若干低いものの、ほぼ同等であった。また、表1に示す結果から、実施例1〜9の内、特に距離aの値が下式(1)を満たしている実施例2〜7の昇温性は、セル形状が四角形である比較例1やセル形状が六角形である比較例2の昇温性と比べても大きな差がない(Tの差が10秒以内)ことがわかる。また、これら実施例2〜7の保温性は、セル形状が四角形である比較例1やセル形状が六角形である比較例2の保温性よりも高いことがわかる。更に、これら実施例2〜7の強度は、セル形状が六角形である比較例2の強度と比べて、同等以上であることがわかる。
実施例1〜9と同様にして、セル形状が九角形で、図4に示す距離aの値が0.5pであり、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、表2に示す値である実施例10の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図3に示すように、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)上の一定方向(図3の矢印方向)において、セル13の開口端部が、目封止部21によって1つ置きに目封止されるように行った。
図6に示すような四角形のセル形状が得られる成形用口金を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、セル形状が四角形で、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、実施例10の目封止ハニカム構造体と同一である比較例3の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図8に示すように、開口端部に目封止部21が形成されたセル13と、開口端部に目封止部21が形成されていないセル13とによって、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)が、市松模様を呈するように行った。
図7に示すような六角形のセル形状が得られる成形用口金を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、セル形状が六角形で、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、実施例10の目封止ハニカム構造体と同一である比較例2の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図9に示すように、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)上の一定方向(図9の矢印方向)において、セル13の開口端部が、目封止部21によって1つ置きに目封止されるように行った。
実施例10並びに比較例3及び4の目封止ハニカム構造体について、前記の方法で、昇温性、保温性及び強度の評価を行い、その結果を表2に示した。但し、アイソスタティック強度の測定結果は、比較例4の目封止ハニカム構造体についての測定値を1.0として、相対表示した。
表2に示す結果から、実施例10の昇温性は、セル形状が四角形である比較例3やセル形状が六角形である比較例4の昇温性と比べても大きな差がない(Tの差が10秒以内)ことがわかる。また、実施例10の保温性は、セル形状が四角形である比較例3及びセル形状が六角形である比較例4の保温性よりも高いことがわかる。更に、実施例10の強度は、セル形状が四角形である比較例3及びセル形状が六角形である比較例4の強度よりも高いことがわかる。
実施例1〜9と同様にして、セル形状が九角形で、図4に示す距離aの値が0.5pであり、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、表3に示す値である実施例11の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図3に示すように、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)上の一定方向(図3の矢印方向)において、セル13の開口端部が、目封止部21によって1つ置きに目封止されるように行った。
図6に示すような四角形のセル形状が得られる成形用口金を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、セル形状が四角形で、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、実施例11の目封止ハニカム構造体と同一である比較例5の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図8に示すように、開口端部に目封止部21が形成されたセル13と、開口端部に目封止部21が形成されていないセル13とによって、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)が、市松模様を呈するように行った。
図7に示すような六角形のセル形状が得られる成形用口金を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、セル形状が六角形で、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、実施例11の目封止ハニカム構造体と同一である比較例6の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図9に示すように、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)上の一定方向(図9の矢印方向)において、セル13の開口端部が、目封止部21によって1つ置きに目封止されるように行った。
実施例11並びに比較例5及び6の目封止ハニカム構造体について、前記の方法で、昇温性、保温性及び強度の評価を行い、その結果を表3に示した。但し、アイソスタティック強度の測定結果は、比較例6の目封止ハニカム構造体についての測定値を1.0として、相対表示した。
表3に示す結果から、実施例11の昇温性は、セル形状が四角形である比較例5やセル形状が六角形である比較例6の昇温性と比べても大きな差がない(Tの差が10秒以内)ことがわかる。また、実施例11の保温性は、セル形状が四角形である比較例5及びセル形状が六角形である比較例6の保温性よりも高いことがわかる。更に、実施例11の強度は、セル形状が四角形である比較例5及びセル形状が六角形である比較例6の強度よりも高いことがわかる。
実施例1〜9と同様にして、セル形状が九角形で、図4に示す距離aの値が0.5pであり、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、表4に示す値である実施例12の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図3に示すように、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)上の一定方向(図3の矢印方向)において、セル13の開口端部が、目封止部21によって1つ置きに目封止されるように行った。
図6に示すような四角形のセル形状が得られる成形用口金を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、セル形状が四角形で、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、実施例12の目封止ハニカム構造体と同一である比較例7の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図8に示すように、開口端部に目封止部21が形成されたセル13と、開口端部に目封止部21が形成されていないセル13とによって、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)が、市松模様を呈するように行った。
図7に示すような六角形のセル形状が得られる成形用口金を用いた以外は、実施例1〜9と同様にして、セル形状が六角形で、体積、隔壁の厚さ及びセル密度が、実施例12の目封止ハニカム構造体と同一である比較例8の目封止ハニカム構造体を得た。尚、目封止部の形成は、図9に示すように、ハニカム構造体の各端面(入口端面及び出口端面)上の一定方向(図9の矢印方向)において、セル13の開口端部が、目封止部21によって1つ置きに目封止されるように行った。
実施例12並びに比較例7及び8の目封止ハニカム構造体について、前記の方法で、昇温性、保温性及び強度の評価を行い、その結果を表4に示した。但し、アイソスタティック強度の測定結果は、比較例8の目封止ハニカム構造体についての測定値を1.0として、相対表示した。
表4に示す結果から、実施例12の昇温性は、セル形状が四角形である比較例7やセル形状が六角形である比較例8の昇温性と比べても大きな差がない(Tの差が10秒以内)ことがわかる。また、実施例12の保温性は、セル形状が四角形である比較例7及びセル形状が六角形である比較例8の保温性よりも高いことがわかる。更に、実施例12の強度は、セル形状が四角形である比較例7及びセル形状が六角形である比較例8の強度よりも高いことがわかる。
Claims (4)
- 流体の入口側となる入口端面から流体の出口側となる出口端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有するハニカム構造体と、所定のセルの前記入口端面側の開口端部及び残余のセルの前記出口端面側の開口端部を目封止する目封止部とを備え、
前記セルの延びる方向に垂直な断面における前記セルの形状が九角形であり、
前記九角形が、正六角形の6つの頂点の内、当該正六角形の周方向において1つ置きに存在する3つの頂点と、当該3つの頂点を結ぶそれぞれの対角線と平行で、両端が残りの3つの頂点をそれぞれ形成する辺上に在る線分によって、前記残りの3つの頂点を含む角部が切断されることにより形成された6つの新たな頂点とを有する形状であり、
隣接するセル間において、前記新たな頂点と前記新たな頂点以外の頂点とを結ぶ辺同士が平行な状態で対向するように、前記複数のセルが配置されている目封止ハニカム構造体。 - 前記線分のそれぞれが、前記残りの3つの頂点のそれぞれから前記線分の内で前記残りの3つの頂点のそれぞれに最も近い線分までの距離をaとし、前記残りの3つの頂点のそれぞれから前記対角線の内で前記残りの3つの頂点のそれぞれに最も近い対角線までの距離をpとしたときに、下式(1)の関係を満たすものである請求項1に記載の目封止ハニカム構造体。
0.2p≦a≦0.7p ・・・(1) - 前記隔壁の厚さが、203〜508μmである請求項1又は2に記載の目封止ハニカム構造体。
- ディーゼルパティキュレートフィルタとして使用される請求項1〜3の何れか一項に記載の目封止ハニカム構造体。
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