JP6008359B2 - 液中プラズマ発生装置、被処理液浄化装置及びイオン含有液体生成装置 - Google Patents
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液体としては、水が利用でき、また有機溶媒も利用できる。有機溶媒としては、アルカン類等の不飽和炭化水素、アルケン類や芳香族炭化水素等の飽和炭化水素、アルコール類、アミン類、脂肪酸、ケトン類、アルデヒド類が使用できる。但し、使用する液体は、過剰な短絡を防止するため、導電性が低いことが好ましい。
電圧電源としては、パルス交流電源が好ましいが、正弦波交流電源も使用できる。また、多孔質誘電体をに電圧を印加するための電極としては、形成される電界が前記多孔質誘電体のほぼ全体を包有する形状を有することが好ましく、例えば、前記多孔質誘電体の中心軸をほぼ貫通する内部電極と、前記多孔質誘電体の全体を取り囲む外部電極の組合せが使用できる。
尚、第1の形態と違い、本形態においては、液中プラズマとして、少なくとも作動ガス由来プラズマが生成されるが、液体が蒸気圧を有する場合は、液体由来プラズマも生成される。又、電離され易い液体と電離され難い作動ガスを混合することにより、液体由来プラズマをより優先的に生成することも可能である。
作動ガスとしては、ヘリウム、窒素ガス、アルゴン、二酸化炭素などのガス類が使用できる。本形態においては、水素ガス、酸素ガスや二酸化炭素などの化学活性を有するガスも使用することができ、この場合には、化学活性が非常に高い作動ガス由来プラズマが得られる。又、これらのガスの混合物を使用しても良い。
本形態の誘電体チューブは、静電容量が高いことが好ましいが、機械的耐久性、耐熱性及び化学的耐性も考慮する必要がある。材質としては、プラスチック、ガラスなどのシリカ、セラミックス等が使用できる。又、誘電体チューブの一部又は全部が、チタン酸バリウム等の高比誘電率を有する誘電体から形成されても良い。
又、高い静電容量を得るためには、この誘電体チューブが薄いほど好ましい。勿論、誘電体チューブの機械的強度を考慮する必要があるが、充分な機械的強度を得る為に、この誘電体チューブの外周に強度が高い導体チューブを配置してもよい。この場合には、導体チューブを外部電極として使用できる。
収納壁は、前記多孔質誘電体を密閉して、液体の漏洩を防止させる。なお、この収納壁に、導入部側の導入方蓋部や導出部側の導出方蓋部などの、補助的な密閉手段が配置されても良い。この収納壁の材質としては、第7の形態について説明する通り、誘電体を使用することができる。又、第8の形態について説明する通り、導体を使用することもできる。又、この収納壁内においては、前記多孔質誘電体が、前記収納壁の内部と密接するように、隙間無しに配置されることが好ましい。この場合には、液中プラズマは、多孔質誘電体と収納壁の間の空間ではなく、多孔質誘電体の内部において確実に生成され、本発明における3次元領域を利用する液中プラズマ発生を確実に行うことができる。収納壁が誘電体から形成され、更に外部電極がこの収納壁の外面の一部のみに形成される場合においては、この外部電極に面する収納壁の内表面のみに多孔質誘電体が密接していれば、3次元領域を利用する液中プラズマ発生を充分に行うことができる。
電極の形状は、特に問わないが、前記多孔質誘電体の全体を包有する電界を形成できるように配置されることが好ましい。例えば、前記多孔質誘電体の中心軸をほぼ貫通する内部電極と、前記多孔質誘電体の全体を取り囲む外部電極の組合せが使用できる。又、多孔質誘電体の全体を取り囲む2つ以上の外部電極の組合せを使用しても良い。尚、電極が多孔質誘電体に直接に面する場合は、この多孔質誘電体の表面がこの電極の表面と密接するように、隙間無しに配置されることが望ましい。この場合には、液中プラズマは、多孔質誘電体と電極の間の空間ではなく、多孔質誘電体の内部において確実に生成され、本発明における3次元領域を利用する液中プラズマ発生を確実に行うことができる。
導入部は液体の導入管であり、材質は特に問わないが、この導入部の材質が導電性物質である場合は、この導入部を電極として使用することができる。この場合には、導入部が前記多孔質誘電体に埋め込まれ、この埋め込まれた部分に多数の導入孔が穿孔されていることが好ましい。又、この導入部に作動ガスの供給手段が配設されても良いし、または作動ガス供給手段がこの導入部の上流側に配設されても良い。作動ガス供給手段が配設される場合には、第2の形態における生成方法を実施して、作動ガス由来プラズマを生成することができる。更に、この導入部に、不純物を含有する被処理液を供給する被処理液供給手段を接続してもよい。この場合は、前記被処理液供給手段と本形態のプラズマ発生装置により、被処理液浄化装置が形成される。
液体としては、第1の形態に関する説明において記載された通り、水や有機溶媒などが使用できる。この液体がガス成分を含まない場合は、前記多孔質誘電体の連通孔内部で、加熱等による液体の気化を行い、この気化ガス(液体由来ガス)をプラズマ化することにより液中プラズマ(液体由来プラズマ)が得られる。又、作動ガスを予め液体に混合した混合液体を使用する場合は、加熱等による気化は必要無く、作動ガスがプラズマ化されて、液中プラズマ(作動ガス由来プラズマ)が得られる。尚、同プラズマ発生装置内で、加熱気化を経る液中プラズマ発生と、作動ガスをプラズマ化する液中プラズマ発生を、時間を置いて別々に行っても良いし、又は同時に行ってもよい。
第3の形態と同様に、本形態の誘電体チューブは、静電容量が高いことが好ましいが、機械的耐久性、耐熱性及び化学的耐性も考慮する必要がある。材質としては、プラスチック、ガラスなどのシリカ、セラミックス等が使用できる。又、誘電体チューブの一部又は全部が、チタン酸バリウム等の高比誘電率を有する誘電体から形成されても良い。
又、高い静電容量を得るためには、この誘電体チューブが薄いほど好ましい。勿論、誘電体チューブの機械的強度を考慮する必要があるが、充分な機械的強度を得る為に、この誘電体チューブの外周に強度が高い導電チューブを配置してもよい。この場合には、導電チューブを外部電極として使用できる。
更に、外部電極が前記多孔質誘電体を完全に包有することが好ましく、この場合は、前記多孔質誘電体の全体に電界を形成することができる。
図1は、本発明に係る液中プラズマ発生装置1の概略側断面図(1A)、A領域の拡大図(1B)及びB−B断面図(1C)である。図1における液中プラズマ発生装置1は、多孔質誘電体2と、多孔質誘電体2を収納する収納壁4である誘電体チューブ6と、誘電体チューブ6の外部に配置される外部電極8と、液体26の導入部である導電性導入部10と、多孔質誘電体2内を流通した液体26を排出する導出部14と、導電性導入部10と外部電極8に接続されたパルス交流電源20を有する。尚、図1においては、液体26は未供給である。
多孔質誘電体2は、ガラスやセラミックスなどの誘電体から形成され、多数の連通孔24を有し、流体通過性を有する。この多孔質誘電体2は、例えばガラス粉末を焼結させたガラスフィルター、セラミックス粉末を焼結させたセラミックスフィルター、無数のガラスビーズ及び/又はセラミックビーズ等からなる。収納壁4である誘電体チューブ6内において、多孔質誘電体2は、誘電体チューブ6の表面及び導電性導入部の表面と隙間無しの状態で、密接されて配置される。従って、液体26は、全て連通孔24を通過して、導入孔12から導出部14へ流通する。尚、液体26の連通孔24内の流動方向は、後述する電圧による電界の方向と直交する。導電性導入部12と外部電極8の間に、パルス交流電源20により電圧が印加された場合に、多孔質誘電体2に電気エネルギーが貯蔵され、この電気エネルギーにより連通孔24内に電界が発生する。この電界が、液体24の気化により発生した液体由来ガス36の電離を誘発して、液体由来プラズマ38が生成される。
外部電極8は、誘電体チューブ6の円周を取り囲むように形成される。又、導電性導入部10が多孔質誘電体2のほぼ全長にわたって埋め込まれているので、多孔質誘電体2全体において、液体26への電界が形成されるように配置されている。
パルス交流電源20は、内部電極である導電性導入部10と外部電極8に接続され、これらの電極の間にパルス交流を印加する。また、外部電極8側に、アース22が接続され、誘電体チューブ6付近が接地される。尚、電源としては、交流電源が望ましいが、パルス電源の他にも、正弦波電源も使用できる。
導出部14は、液中プラズマ及び/又はプラズマからの生成物である陽イオン及び陰イオンを含有する液体26を外部へ矢印c方向に排出する。導出部の材質としては、ステンレスなどの導電体や、プラスチックなどの絶縁体が使用できるが、液中プラズマ並びに前記陽イオン及び陰イオンへの化学的耐性を有することが望ましい。
(4A)には、矢印eの方向に流通する液体26が連通孔24を充填するステップが図示されている。この時点においては、導電性導入部10と外部電極8の間に電圧が印加されておらず、従って液体26には気泡34は形成されていない。
(7A)においては、図6の導電チューブ42を有する液中プラズマ発生装置1が図示される。(7A)の装置の横断面は図6の(6B)と同じである。図6について説明した通り、誘電体チューブ6を欠く場合は、その分だけ静電容量が減るが、コンデンサ44を接続することにより、パルス電源と装置1全体の負荷との間における整合を取ることができ、効率よく電力伝達させることができる。
(7B)においては、図1の誘電体チューブ6を有する液中プラズマ発生装置1が図示される。(7B)の装置の横断面は図1の(1C)と同じである。この様に、導電体チューブ6とコンデンサ44を併有させ、これらの整合をとることにより、大量の液中プラズマを発生させることができる。装置1全体の整合を取るためには、(7A)に示される通りに、コンデンサ44を直列接続させても良いし、(7B)に示される通りに、コンデンサ44を並列接続させても良い。
2 多孔質誘電体
4 収納壁
6 誘電体チューブ
8 外部電極
10 導電性導入部
12 導入孔
14 導出部
16 導入方蓋部
18 導出方蓋部
20 電源
22 アース
24 連通孔
26 液体
28 作動ガス混入部
30 作動ガス
32 混合液体
34 気泡
36 液体由来ガス
38 液体由来プラズマ
40 作動ガス由来プラズマ
42 導電チューブ
44 コンデンサ
46 導入部
48 内部電極
50 第1外部電極
52 第2外部電極
54 分離容器
54a 第1隔壁
54b 第2隔壁
54c 第3隔壁
54e 第1分離壁
54f 第2分離壁
55 分離液誘導路
56a 負電極
56b 正電極
58 イオン種液流入管
59 陰イオン流出口
59a 陰イオン流出管
60a 第1分離槽
60b 第2分離槽
60c 第3分離槽
61 陽イオン流出口
61a 陽イオン流出管
62a 第1陽イオン分離槽
62b 第2陽イオン分離槽
64a 第1陰イオン分離槽
64b 第2陰イオン分離槽
65a 第1分離液
65b 第2分離液
65c 第3分離液
68 直流電源
70 イオン分離手段
72 イオン含有液体生成装置
101 液中プラズマ発生装置
122 電極板(電圧印加電極)
124 誘電体
126 孔あき電極板(接地電極)
127 孔あき構造部分
127a 開口部
150 送液管
152 流入路
153 流出路
154 絶縁体(送液管壁)
160 多孔質絶縁体
160a 上面
162 ビーズ
164 ギャップ
G 気泡
Claims (10)
- 液体が供給される無数の連通孔を有する多孔質誘電体と、前記多孔質誘電体を密封状に収納して前記液体の漏洩を防止する収納壁と、前記連通孔の内部に放電を発生させる為の2つ以上の電極と、前記電極に電圧を印加する電源と、外部から前記連通孔へ前記液体を供給する導入部と、前記連通孔から前記液体を外部へ排出する導出部からなり、前記導入部は導電性物質から形成される導電性導入部から構成され、前記導電性導入部の先端は前記多孔質誘電体に埋め込まれ、且つこの埋め込まれた部分に多数の導入孔が穿孔され、前記導入孔から前記多孔質誘電体に前記液体が供給され、前記多孔質誘電体に電圧を印加して前記連通孔の内部に発熱及び放電を発生させ、前記発熱により前記連通孔内で前記液体を気化して液体由来ガスを生成し、前記放電により前記連通孔内で前記液体由来ガスをプラズマ化して液体由来プラズマを生成することを特徴とする液中プラズマ発生装置。
- 少なくとも液体と作動ガスの混合液体が供給される無数の連通孔を有する多孔質誘電体と、前記多孔質誘電体を密封状に収納して前記液体の漏洩を防止する収納壁と、前記連通孔の内部に放電を発生させる為の2つ以上の電極と、前記電極に電圧を印加する電源と、外部から前記連通孔へ前記混合液体を供給する導入部と、前記連通孔から前記液体を外部へ排出する導出部からなり、前記導入部は導電性物質から形成される導電性導入部から構成され、前記導電性導入部の先端は前記多孔質誘電体に埋め込まれ、且つこの埋め込まれた部分に多数の導入孔が穿孔され、前記導入孔から前記多孔質誘電体に前記混合液体が供給され、前記多孔質誘電体に電圧を印加して前記連通孔の内部に放電を発生させ、前記放電により前記連通孔内で少なくとも前記作動ガスをプラズマ化して作動ガス由来プラズマを生成することを特徴とする液中プラズマ発生装置。
- 前記導電性導入部の中に前記作動ガスを流入させる作動ガス混入部を設け、前記導電性導入部の中で前記作動ガスを前記液体に混合して前記混合液体が生成される請求項2に記載の液中プラズマ発生装置。
- 前記収納壁は誘電体チューブであり、前記誘電体チューブの外部に外部電極を配置し、この外部電極を前記電極の1つとして使用する請求項1〜3のいずれかに記載の液中プラズマ発生装置。
- 前記収納壁は導電チューブであり、前記導電チューブを前記電極の1つである外部電極として使用する請求項1〜3のいずれかに記載の液中プラズマ発生装置。
- 前記導電性導入部を前記電極の1つとして使用する請求項1〜5のいずれかに記載の液中プラズマ発生装置。
- 前記電極にコンデンサを接続して充放電させる請求項1〜6のいずれかに記載の液中プラズマ発生装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の液中プラズマ発生装置と、不純物を含有する被処理液を前記導入部に供給する被処理液供給手段とから構成され、前記液中プラズマ発生装置により発生されたプラズマが前記連通孔の内部で前記不純物の分解、酸化還元、殺菌及び脱色のうち1つ以上の作用を行い、前記不純物を改質及び/又は除去することを特徴とする被処理液浄化装置。
- 前記被処理液が飲用水、飲料水原水、下水、汚水、廃液又はメッキ廃液である請求項8に記載の被処理液浄化装置。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の液中プラズマ発生装置と、前記導出部に連結されたイオン分離手段から構成され、前記イオン分離手段は、前記導出部から排出された前記液体を流通させるイオン分離流路と、このイオン分離流路の両側面に配設された少なくとも1対の電極対と、この電極対に直流電圧を印加する直流電源から構成され、前記電極対の負極により陽イオン含有液体を回収し、また前記電極対の正極により陰イオン含有液体を回収することを特徴とするイオン含有液体生成装置。
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