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JP6099878B2 - 画像処理装置、画像形成装置及び画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置及び画像処理方法 Download PDF

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JP6099878B2 JP2012094192A JP2012094192A JP6099878B2 JP 6099878 B2 JP6099878 B2 JP 6099878B2 JP 2012094192 A JP2012094192 A JP 2012094192A JP 2012094192 A JP2012094192 A JP 2012094192A JP 6099878 B2 JP6099878 B2 JP 6099878B2
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Description

本発明は、異なる大きさのドットで構成される複数の領域を含む画像の画質を維持できる画像処理装置、画像形成装置及び画像処理方法に関する。
電子写真方式による画像形成装置では、感光体の劣化や使用環境の変化等によってトナー像の濃度が変化するので、適切なべた濃度を安定して得られるように現像バイアスやグリッドバイアス(帯電バイアス)を調整して画像濃度を制御する処理が行われている。しかし、現像バイアスやグリッドバイアスの調整では、細線やドットの太りや細りまでを調整することは難しい。
そこで、特許文献1では、細線やドットについても鮮明な画質を実現するための技術が提案されている。特許文献1に開示された発明は、感光体上に作像されたテストパターンのトナー像の濃度を検出し、検出結果に基づいて、各テストパターンの最適光量を設定しておき、処理対象の画像の形態に対応するテストパターンの最適光量にて画像形成を行う構成である。これにより、特許文献1では、感光体の劣化等が生じている場合であっても高画質を実現できる。
ところで、近年、コンビニエンスストア等に設置された端末(複合機)を使用して、通信回線やインターネット等を介して市役所のデータベースに接続し、住民票や印鑑証明書等の機密文書データをダウンロードして印刷(プリント出力)することが行われている。また、このような機密文書を印刷する際に、不正複写による偽造及び改竄を抑制するために、原本の機密文書に地紋画像を合成することが行われている(例えば特許文献2)。
地紋画像は、原稿(原本)を複写した場合にドットが残る、又はドットの減少が少ない潜像部と、原稿(原本)を複写した場合にドットが消失する、又はドットの減少が多い背景部との2つの領域を有する。潜像部及び背景部は同一の濃度に調整されているので、原本では潜像部を識別することは難しいが、複写物では潜像部が明確に現れるので、その複写物は不正複写されたものであることを容易に判断できる。例えば「複写」の文字を潜像部として構成した地紋画像(原本)を複写した場合、複写物では「複写」の文字が明確に現れる。
このように、地紋画像の潜像部は大きいドットで構成されており、背景部は小さいドットで構成されており、潜像部及び背景部は安定性や再現性に関して異なる特性を持っている。即ち、複写された場合、潜像部は濃度変化が少なく原本の画像がそのまま再現されるが、背景部は複写による濃度変化が大きく原本の画像が消失する。よって、複写物において潜像部及び背景部の間に濃度差が生じ、潜像部を構成する文字や画像の判別が容易になる。
特開2004−306590号公報 特許第3918414号公報
しかし、潜像部及び背景部間における特性の相異は、原本の複写時のみに発生するのではなく、地紋画像が合成された画像(原本)を印刷する際にも発生する。従って、画像形成装置の個々のばらつき、画像形成装置を構成する各部の劣化等の経時変化、使用環境の変化等によって、潜像部及び背景部間の濃度の不一致が生じる場合がある。原本では地紋画像が目立たないように潜像部及び背景部を同一の濃度で形成する必要があるが、このように潜像部及び背景部間で濃度の不一致が生じた場合、原本の画質に影響を与えてしまうという問題が生じる。
本発明は、斯かる事情に鑑みてされたものであり、その目的とするところは、地紋画像の潜像部や背景部に代表されるドットや細線等の濃度を最適に調整することができるので、画像の再現性を向上させることが可能な画像処理装置、画像形成装置及び画像処理方法を提供することにある。
本発明に係る画像処理装置は、それぞれ異なる大きさのドットで構成される複数の領域を含み、複数の画素が交差する二方向に配置されてなる画像に処理を行う画像処理装置において、前記複数の領域のうちの小さいドットで構成される領域は、複写した場合に顕像化しない背景部であり、大きいドットで構成される領域は、複写した場合に顕像化する潜像部であり、前記画素の配置に係る二方向に交差する方向に配置される各画素に対して、所定範囲内の値が割り当てられたディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行う処理部を備えることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記処理部は、前記画像の解像度に応じて、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素の数が変更されたディザマトリクスパターンを用いて中間調処理を行うようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記ディザマトリクスパターンは、前記中間調処理によって前記背景部及び潜像部の濃度が同一となる値で構成されていることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記複数の領域のうちのひとつを構成する小さいドットは、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素数のi(自然数)倍以下の画素で構成されており、大きいドットは、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素数のj(自然数,j>i)倍以上の画素で構成されていることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記小さいドットは、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素数の3倍以下の画素で構成されていることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記小さいドットは、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する数の画素を1組の画素群とし、隣り合う2組の画素群と、該画素群の配置方向に交差する方向にいずれかの画素群に隣り合う1組の画素群との3組の画素群で構成されており、近傍の各ドットは、前記2組の画素群及び前記1組の画素群の位置関係を異ならせてあることを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置は、前記ディザマトリクスパターンは、画素が配置される一方向にn(偶数)画素、他方向にm(偶数)画素のサイズ、又は、前記一方向に(n+1)画素、前記他方向に(m+1)画素のサイズのうちの、前記画像と干渉しないサイズを有することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、上述したいずれかの画像処理装置と、画像を形成する画像形成部とを備え、該画像形成部は、前記画像処理装置にて処理された画像を形成するようにしてあることを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、それぞれ異なる大きさのドットで構成される複数の領域を含み、複数の画素が交差する二方向に配置されてなる画像に処理を行う画像処理装置による画像処理方法において、前記複数の領域のうちの小さいドットで構成される領域は、複写した場合に顕像化しない背景部であり、大きいドットで構成される領域は、複写した場合に顕像化する潜像部であり、前記画素の配置に係る二方向に交差する方向に配置される各画素に対して、所定範囲内の値が割り当てられたディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行うステップを含むことを特徴とする。
本発明によれば、異なる大きさのドットで構成される複数の領域を含む画像に対して、画素の配置に係る二方向(主走査方向及び副走査方向)に交差する方向に配置される各画素に所定範囲内の値が割り当てられたディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行う。画素の配置方向に交差する方向、即ち斜め方向に配置される各画素とは、主走査方向及び副走査方向のそれぞれにおいて1画素おきに配置される各画素であり、このような画素は2組ある。そして、各組の画素にそれぞれ所定範囲内の値が割り当てられたディザマトリクスパターンを用いて中間調処理を行う。このような中間調処理により、異なる大きさのドットで構成される各領域の濃度を同時に調整することができる。よって、ドットや細線等の濃度を最適に調整することができる。異なる大きさのドットで構成される複数の領域を含む画像とは、例えば潜像部及び背景部を有する地紋画像であり、地紋画像に対して上述の中間調処理を行うことにより、地紋画像の潜像部及び背景部の濃度を同時に調整することができる。
本発明によれば、画像の解像度に応じて、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素の数が変更されたディザマトリクスパターンを用いて中間調処理を行う。よって、解像度が異なる画像においても、異なる大きさのドットで構成される各領域の濃度を同時に調整することができ、ドットや細線等の濃度を最適に調整することができる。
本発明によれば、ディザマトリクスパターンは、中間調処理によって地紋画像の背景部及び潜像部の濃度が同一となる値で構成されている。このようなディザマトリクスパターンを用いることにより、異なる大きさのドットで構成される各領域(潜像部及び背景部)の濃度を同一の濃度に同時に調整することができる。
本発明によれば、複数の領域のうちのひとつを構成する小さいドットは、例えば、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素数のi(自然数)倍以下の画素で構成されており、大きいドットは、前記画素数のj(自然数,j>i)倍以上の画素で構成されている。なお、小さいドットは、複写の際に行われる処理によって濃度が下げられ、消滅するサイズに構成され、大きいドットは、消滅しないサイズに構成される。このように、小さいドットを構成する画素数と、大きいドットを構成する画素数との間に(j−i)倍個の相異を設けることにより、各ドットを明確に区別できる。また、小さいドットは、例えば、前記画素数の3倍以下の画素で構成される。3倍の画素で構成される場合、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する数の画素を1組の画素群とし、隣り合う2組の画素群と、該画素群の配置方向に交差する方向にいずれかの画素群に隣り合う1組の画素群との3組の画素群で構成される。この場合、近傍の各ドットにおいて、隣り合う2組の画素群と、1組の画素群との位置関係は異ならせてある。このように構成することにより、入力階調値に対する出力濃度を滑らかに変化させることが可能となる。
本発明によれば、ディザマトリクスパターンのサイズに応じたシフト処理にて中間調処理を行うことにより、設定されたディザマトリクスパターンによる中間調処理を適切に実行できる。また、n(偶数)画素×m(偶数)画素(副走査方向×主走査方向)のサイズのディザマトリクスパターンを用いることにより、適切な中間調処理が可能となる。更に、(n+1)画素×(m+1)画素のサイズのディザマトリクスパターンであれば、処理対象の画像と干渉しないサイズのディザマトリクスパターンを用いることにより、適切な中間調処理が可能となる。
本発明によれば、上述した画像処理装置にて処理された画像を画像形成部が形成することにより、適切な濃度に調整された地紋画像を形成することができる。
本発明によれば、1つのディザマトリクスパターンを用いて中間調処理を行うことによって、ドットや細線等を最適に調整することができ、画像の再現性を向上させ、高画質を安定して実現できる。
本実施形態に係る画像形成装置の内部構成例を示す縦断面図である。 本実施形態に係る画像形成装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 画像処理部による画像処理の手順を示すフローチャートである。 地紋画像の例を示す模式図である。 地紋画像の潜像部及び背景部に用いるマスクパターンの例を示す模式図である。 中間調処理に用いられるディザマトリクスパターンの例を示す模式図である。 ディザマトリクスパターンの具体例を示す模式図である。 5×5のディザマトリクスパターンの例を示す模式図である。 中間調処理後の背景部用のマスクパターンの例を示す模式図である。 4×4のディザマトリクスパターンの例を示す模式図である。 中間調処理後の潜像部用のマスクパターンの例を示す模式図である。 中間調処理後の背景部用のマスクパターンの例を示す模式図である。 中間調処理前の地紋画像の階調値と中間調処理後の地紋画像の出力濃度との関係特性を示す特性図である。 解像度が1200dpiの潜像部用のマスクパターンを示す模式図である。 解像度が1200dpiの背景部用のマスクパターンを示す模式図である。 解像度が1200dpiの画像に対する中間調処理に用いられるディザマトリクスパターンの例を示す模式図である。 中間調処理後の潜像部用のマスクパターンの例を示す模式図である。 中間調処理後の背景部用のマスクパターンの例を示す模式図である。
以下に、本発明に係る画像処理装置、画像形成装置及び画像処理方法について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
図1は本実施形態に係る画像形成装置の内部構成例を示す縦断面図である。本実施形態の画像形成装置(画像処理装置)1は、例えば、コンビニエンスストア等の店舗内に設置されたプリンタであり、外部に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置(図示せず)から取得した画像データに基づいて、コピー用紙、OHP(Over Head Projector)フィルム等のシート上に多色及び単色の画像を形成するプリント機能を有する。また、画像形成装置1は、外部の情報処理装置から文字、図形、写真等の画像データをページ記述言語の形式で受信し、印刷可能な印刷実行データ(画像データ)を生成する機能も有する。
本実施形態の画像形成装置1の最下部には、画像形成に使用するシート(記録用紙)を収容するトレイを有する引出し式の給紙カセット20が配設されている。給紙カセット20は、ユーザが手前側に引き出すことによりトレイを開放することができ、トレイを開放させた状態でシートの補充を行うことができる。また、図1における画像形成装置1の右側面には、少量のシートを載置する手差しトレイ26が設けられており、手差しトレイ26上に載置されたシートも画像形成装置1内部に取り込まれて画像形成される。
給紙カセット20の上部には露光ユニット11が設けられている。露光ユニット11の上部には、黒(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の各色を用いて多色画像を形成するために、各色毎の現像器12a,12b,12c,12d、感光体ドラム13a,13b,13c,13d、クリーナユニット14a,14b,14c,14d、帯電器15a,15b,15c,15d等が設けられている。
なお、各符号に付したa、b、c、dの記号は、例えば黒(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の各色に対応するように記載しているが、以下では、特定の色に対応する部材を指定して説明する場合を除いて、各色に対して設けられている部材をまとめて、現像器12、感光体ドラム13、クリーナユニット14、帯電器15と記載する。
帯電器15a〜15dには、それぞれ対応する感光体ドラム13a〜13dに接触するように構成されたローラ型帯電器が用いられており、感光体ドラム13a〜13dの表面を所定の電位に均一的に帯電させる。なお、ローラ型帯電器の代わりに、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器を用いる構成であっても良い。例えば、帯電器15a〜15dはそれぞれ対応する感光体ドラム13a〜13dの表面をマイナス極性に帯電させる。
露光ユニット11は、レーザ光を照射するレーザ照射部及び反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)により構成されており、レーザ照射部から発せられたレーザ光が感光体ドラム13a〜13d上に照射されるようにポリゴンミラー及び反射ミラーが設けられている。なお、露光ユニット11には、LSUのほかに、例えばEL(Electro Luminescence:エレクトロルミネセンス)やLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いることもできる。
露光ユニット11は、印刷実行データに基づいてレーザ光を発し、帯電器15a〜15dにより帯電された感光体ドラム13a〜13dの表面にレーザ光を照射して感光体ドラム13a〜13d上のマイナス電荷を除去する。これにより、印刷実行データ(画像データ)に応じた静電潜像が感光体ドラム13a〜13d上に形成される。
現像器12a〜12dのそれぞれは、黒、シアン、マゼンタ、イエロの各色のトナー(現像剤)を収納しており、収納しているトナーをマイナス極性に帯電させると共に、このトナーを感光体ドラム13a〜13dの表面に形成された静電潜像に対して供給する。マイナス極性に帯電しているトナーは、感光体ドラム13a〜13dの表面においてレーザ光によってマイナス電荷が除去された部分に吸着し、これにより、現像器12は、それぞれ対応する感光体ドラム13上の静電潜像を顕像化したトナー像を形成する。
感光体ドラム13a〜13dの周囲には、現像器12a〜12d及び帯電器15a〜15dのほかに、感光体ドラム13a〜13dの表面に顕像化されたトナー像をシートに転写した後に感光体ドラム13a〜13dの表面に残留するトナーを回収及び除去するクリーナユニット14a〜14dが設けられている。
本実施形態の画像形成装置1は、感光体ドラム13a〜13d上のトナー像を中間転写方式によってシート上に転写するように構成されており、感光体ドラム13a〜13dの上部に中間転写ベルトユニット18を備えている。中間転写ベルトユニット18は、中間転写ベルト17、中間転写ベルト駆動ローラ171、中間転写ベルト従動ローラ172、中間転写ローラ16a,16b,16c,16d、中間転写ベルトクリーニングユニット19等を備えている。また中間転写ベルトユニット18は、中間転写ベルト17の張架状態を維持する中間転写ベルトテンション機構(図示せず)を備えている。なお、以下では、中間転写ローラ16a,16b,16c,16dをまとめて中間転写ローラ16と記載することとする。
中間転写ベルト駆動ローラ171、中間転写ベルトテンション機構、中間転写ローラ16a〜16d、中間転写ベルト従動ローラ172等は、中間転写ベルト17を張架し、中間転写ベルト駆動ローラ171の駆動力により中間転写ベルト17を図中の矢符で示す方向へ回転させるように構成されている。中間転写ローラ16a〜16dは、中間転写ベルトテンション機構に設けられた中間転写ローラ取付部に回転可能に支持されている。また、中間転写ローラ16a〜16dは、中間転写ベルトテンション機構の電源部(図示せず)に接続されており、電源部からの帯電電位によって中間転写ベルト17との接触部分において中間転写ベルト17を所定電位(転写バイアス)に帯電させる。これにより、感光体ドラム13a〜13dのそれぞれから転写されるトナー像が中間転写ベルト17に吸着される。
中間転写ベルト17は、例えば厚さ1100μm〜1150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されており、その表面を感光体ドラム13a〜13dのそれぞれに接触させて設けられている。感光体ドラム13a〜13dのそれぞれに形成された各色のトナー像を中間転写ベルト17に順次的に重ねて転写することにより、中間転写ベルト17上にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成される。
感光体ドラム13a〜13dから中間転写ベルト17へのトナー像の転写は、中間転写ベルト17の裏側に接触している中間転写ローラ16a〜16dによって行われる。中間転写ローラ16a〜16dには、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス、即ち、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加されている。中間転写ローラ16a〜16dは、直径18〜110mmの金属(例えば、ステンレス)軸をベースとし、その表面が、導電性の弾性材(例えば、EPDM、発砲ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性を有する弾性材により、中間転写ローラ16a〜16dは中間転写ベルト17に対して均一的に高電圧を印加することができる。本実施形態では、転写電極としてローラ形状の電極を用いているが、ブラシ形状の電極を用いることもできる。
上述したように各感光体ドラム13a〜13d上で各色に応じて顕像化されたトナー像は中間転写ベルト17上で積層され、印刷用の画像が多色トナー像により中間転写ベルト17上で再現される。このように中間転写ベルト17上に転写された多色トナー像は、中間転写ベルト17の回転によって、シートと中間転写ベルト17との接触位置に配置される転写ローラ21によってシート上に転写される。
このとき、中間転写ベルト17及び転写ローラ21は所定のニップで圧接されると共に、転写ローラ21には多色トナー像をシート上に転写させるための電圧、即ち、トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧が印加される。ここで、中間転写ベルト17と転写ローラ21との間のニップを定常的に得るために、転写ローラ21又は中間転写ベルト駆動ローラ171の何れか一方を金属等の硬質材料により構成し、他方を弾性ゴム、発泡性樹脂等の軟質材料により構成している。
また、上述のようにして感光体ドラム13a〜13dとの接触により中間転写ベルト17に付着したトナー、又は転写ローラ21によってシート上に転写が行われずに中間転写ベルト17上に残留したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるため、中間転写ベルト従動ローラ172の近傍に設けられた中間転写ベルトクリーニングユニット19によって除去及び回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット19には、中間転写ベルト17に接触するクリーニング部材としてクリーニングブレードが設けられており、クリーニングブレードが中間転写ベルト17と接触する部分は、中間転写ベルト17の裏側から中間転写ベルト従動ローラ172で支持されている。
給紙カセット20及び手差しトレイ26は、それぞれに積層されたシートの先端部近傍にピックアップローラ28a,28bを有しており、各ピックアップローラ28a,28bにより1枚毎に分離給送されたシートは搬送経路Sを通じて画像形成装置1内部へ供給される。なお、搬送経路S上の適宜箇所には、シートの搬送を促進及び補助するための搬送ローラ27が複数設けられており、ピックアップローラ28a,28bによりそれぞれ分離給送されて搬送ローラ27まで搬送されたシートは、搬送ローラ27によってレジストローラ23まで搬送経路Sを通じて搬送される。
レジストローラ23は、上述した転写ローラ21及び中間転写ベルト駆動ローラ171の下側に設けられている。レジストローラ23が、給紙カセット20又は手差しトレイ26から搬送されてきたシートを一旦保持し、シートの先端と中間転写ベルト17上のトナー像の先端とを整合するタイミングでシートを転写ローラ21へ搬送することにより中間転写ベルト17上のトナー像を前記シート上に転写する。
トナー像が転写されたシートは略垂直に搬送され、転写ローラ21の上側に設けられた定着ユニット22に到達する。定着ユニット22は、ヒートローラ24及び加圧ローラ25等を備えており、図示しない温度検出器からの検出値に基づいてヒータ(図示せず)を制御することによりヒートローラ24を所定の定着温度に保つ。また定着ユニット22は、多色トナー像が転写されたシートをヒートローラ24と加圧ローラ25とに挟んで回転させ、ヒートローラ24の熱によりシート上に多色トナー像を熱定着させる。なお、シートに転写された多色トナー像は、溶融、混合、圧接し、シートに熱定着する。
多色トナー像が熱定着したシートは、定着ユニット22の出口近傍に設けられた搬送ローラにより排出される。
定着ユニット22を通過したシートは、片面印刷要求の場合、排紙ローラ29を通じて、画像形成装置1の上面に設けられた排紙トレイ30上にフェイスダウンで排出される。両面印刷要求の場合、定着ユニット22を通過したシートは、排紙ローラ29により一旦チャックされた後、排紙ローラ29が逆回転されることにより両面原稿搬送路S1へと導かれ、搬送ローラ31により再度レジストローラ23まで搬送される。そして、シートは、裏面側にトナー像を転写及び熱定着された後、排紙ローラ29により排紙トレイ30上に排出される。
画像形成装置1は、上述した構成のほかにも、例えば、サイズが異なる複数種のシートを収容できる給紙カセット、数千枚単位のシートを収容できる大容量給紙カセット、複数の排紙トレイ及び画像形成されたシートを各排紙トレイに搬送するための搬送機構等を備えることもでき、また、これらをオプション機能として後付けできる構成とすることもできる。
図2は本実施形態に係る画像形成装置1の制御系の構成例を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)2、RAM(Random Access Memory)3、HDD(Hard Disk Drive)4、操作パネル5、ネットワークコントローラ6、画像処理部7及び画像形成部8等を備える。画像形成装置1が備える各部はバスを介して相互に接続されている。
CPU2は、バスを介して接続される上述したハードウェア各部の動作を制御すると共に、HDD4に格納されている制御プログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。
HDD4は大容量のメモリ装置であり、上述したようなハードウェア各部をCPU2が制御するための制御プログラムを予め格納している。RAM3は揮発性の半導体メモリであり、CPU2による制御プログラムの実行中に発生するデータを一時的に記憶する。CPU2が、HDD4に格納してある制御プログラムをRAM2に読み出して順次実行することにより、画像形成装置1を、本発明の画像処理装置及び画像形成装置として動作させる。
またHDD4は、ネットワークコントローラ6を介して外部の装置から受信した印刷ジョブ、印刷ジョブを展開して得られる印刷実行データ(印刷対象のデータ)、画像処理部7によって所定の画像処理が施されたデータ等を記憶する。HDD4に記憶されたデータ(印刷対象のデータ)はCPU2が指示するタイミングで画像処理部7又は画像形成部8へ読み出される。
更にHDD4は、画像処理部7による画像処理に使用される各種データ、画像形成部8の特性データ(濃度、階調、ドット再現等の情報)、予め生成された地紋データ、画像処理部7による中間調処理に使用されるディザマトリクスパターンを格納する。
操作パネル5は、ユーザからの操作指示を受け付けるための各種操作ボタンを備えた操作部と、ユーザに対して報知すべき情報を表示するLEDディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示部とにより構成されている。なお、操作パネル5を、表示画面に触れることで入力が可能なタッチパネルによって構成してもよい。
ネットワークコントローラ6は、外部のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置と通信回線を介して通信を行うための通信インタフェースであり、外部の情報処理装置との間でデータの送受信を行う。外部の情報処理装置は、ページ記述言語形式のデータ(印刷ジョブ)を送信し、ネットワークコントローラ6は、外部の情報処理装置から送信されてくる印刷ジョブを受信する。ネットワークコントローラ6は、受信した印刷ジョブをHDD4又は画像処理部7へ転送する。画像処理部7は、転送されてきた印刷ジョブを展開して印刷実行データを生成し、生成した印刷実行データをHDD4へ転送する。HDD4は、ネットワークコントローラ6から転送されてきた印刷ジョブ及び画像処理部7から転送されてきた印刷実行データを、例えばページ単位で記憶する。
画像処理部7は、ネットワークコントローラ6が受信した印刷ジョブを展開して印刷実行データを生成する処理を行い、また、印刷実行データに対して、色変換処理、階調補正処理、中間調処理等の各種の画像処理を実行する。特に本実施形態の画像処理部7は、印刷実行データに対して地紋データを付加する合成処理、ディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行う。なお、画像処理部7が行う処理の詳細については後述する。画像処理部7は、画像処理後のデータ(画像データ)をHDD4へ出力する。
画像処理部7は、所定の画像処理を実行するための制御プログラムをCPU2が実行することによって実現されるソフトウェア的機能であってもよいし、専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
画像形成部8は、図1に示した各部を含み、印刷対象のデータに基づく画像をシート上に形成する画像形成手段である。本実施形態の画像形成部8は、電子写真方式のプリンタであるが、このほかにインクジェット方式等のプリンタを用いてもよい。
画像形成装置1は、上述した構成のほかに、画像形成部8による色再現性を向上させるために行うカラーキャリブレーションに用いる情報の取得手段として、濃度センサ、温湿度センサ等も備える。
上述した構成の画像形成装置1は、ネットワークコントローラ6を介して外部の情報処理装置から受信した印刷ジョブから、画像処理部7によって印刷実行データを生成し、生成した印刷実行データに基づく画像を画像形成部8によってシート上に形成する。また、本実施形態の画像形成装置1は、印刷実行データに基づく画像出力を行う際に、印刷実行データに地紋データを付加(合成)する。この場合、印刷実行データに基づいてシート上に形成された画像に、地紋データに基づく地紋画像が含まれるので、偽造抑制処理された印刷物を生成できる。印刷対象のデータが機密文書データである場合には、印刷物に地紋画像を形成することによって不正複写を抑制でき、有効である。
以下に、画像処理部7が行う処理について説明する。図3は画像処理部7による画像処理の手順を示すフローチャートである。ここでは、ネットワークコントローラ6を介して受信した印刷ジョブを画像処理部7が展開して得られた印刷実行データに対して行う各種の画像処理について説明する。なお、印刷ジョブは、例えば、市役所のデータベース(サーバ装置)で保存されている住民票や印鑑証明書等の機密文書データの印刷処理である。また画像形成装置1のネットワークコントローラ6は、通信回線やインターネットを介して市役所のデータベースに接続し、機密文書データの印刷ジョブを取得する。画像形成装置1の画像処理部7は、印刷ジョブに基づいて、例えばRGB(R:赤、G:緑、B:青)データ又はBK(白黒)データ等の印刷実行データ(機密文書データ)を生成する。
画像処理部7は、印刷実行データに対して、予め生成してHDD4に記憶してある地紋データを合成する(S1)。なお、地紋データもRGBデータ又はBKデータであり、RGBデータの印刷実行データに対してはRGBデータの地紋データを合成し、BKデータの印刷実行データに対してはBKデータの地紋データを合成する。地紋データの合成は、各画素の画素値の加算又は置換処理によって行われる。
地紋データ及び地紋データに基づく地紋画像の詳細については後述する。地紋データは、機密文書データを出力する都度(機密文書データ毎に)生成してもよいし、予め生成しておいてもよいが、生成された地紋データは、HDD4に格納され、所定のタイミングで読み出されて画像処理部7に入力される。
画像処理部7は、処理対象の印刷実行データがRGBデータであるか否かを判断しており(S2)、RGBデータである場合(S2:YES)、地紋データを合成した印刷実行データに対して色変換処理を行い(S3)、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)データを生成する。色変換処理は、RGBデータを、補色であるCMYの色空間に変換してCMYデータを生成すると共に、CMYデータからKデータを生成し、元のCMYデータからKデータを差し引いて新たなCMYデータを生成する処理である。
一方、処理対象の印刷実行データがRGBデータでない場合(S2:NO)、即ち、印刷実行データがBKデータである場合、画像処理部7は、ステップS3の処理をスキップし、色変換処理を行わない。色変換処理は、例えば、画像形成装置1が備えるファームウェア(図示せず)に実装されたカラーマネジメントモジュールにて、ICCプロファイルのカラーテーブルに基づいて行われる。
画像処理部7は、地紋データが合成された印刷実行データに対して階調補正処理を行う(S4)。これにより、印刷実行データ(画像データ)の空間周波数特性が補正され、出力画像のぼやけ又は粒状性劣化が防止できる。また、階調補正処理により、印刷実行データに合成された地紋データ(地紋データの階調値)が、地紋データに基づく地紋画像の潜像部の濃度と背景部の濃度とが次の中間調処理後に同一となるような階調値(入力階調値)に変更される。なお、印刷実行データがRGBデータである場合、画像処理部7は、各色成分毎に階調補正処理を行う。
次に画像処理部(処理部)7は、階調補正処理した印刷実行データに対して、ディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行う(S5)。なお、中間調処理の詳細については後述する。中間調処理も、印刷実行データがRGBデータであれば、各色成分毎に行われる。
画像処理部7は、中間調処理した印刷実行データをHDD4又はRAM3に一旦記憶し、画像形成を行う所定のタイミングで読み出して画像形成部8へ出力し、画像形成部8にて画像形成を行う(S6)。このように地紋データを合成した上で画像形成を行うことにより、偽造抑制処理が施された印刷物にて機密文書を生成できる。また、上述の階調補正処理及び中間調処理によって、シート上に画像形成された地紋画像の潜像部の濃度と背景部の濃度とが同一になる。これにより、地紋画像が、前景となる機密文書の視認の邪魔にならない。
次に地紋データ及び地紋データに基づく地紋画像について説明する。
図4は地紋画像の例を示す模式図である。地紋画像は、複写された場合に顕在化(顕像化)する潜像部と、潜像部以外の背景部とを有する。図4に示す地紋画像では、「複写」の文字部分を潜像部とし、その他の領域を背景部とする。
図5は地紋画像の潜像部及び背景部に用いるマスクパターンの例を示す模式図であり、図5Aには潜像部に用いるマスクパターンを示し、図5Bには背景部に用いるマスクパターンを示す。なお、図5において、破線で示す四角のそれぞれは画素を示す。また、図において右方向を画像の主走査方向とし、下方向を画像の副走査方向とする。
地紋画像中の潜像部は、図5Aに示すように、各ドットが大きい(粗い)マスクパターンで構成され、背景部は、図5Bに示すように、各ドットが小さい(細かい)マスクパターンで構成される。図5Aに示す潜像部用のマスクパターンは、18×18(副走査方向×主走査方向)画素のブロック毎に、4×4画素の16画素を1つのドットとし、各ドットの左上端を各ブロックの左上端及び中央部に一致させて2つのドットを斜め方向に配置したパターンである。即ち、潜像部用のマスクパターンは、集合画素数(ドットを構成する画素数)が多いドットで構成される。
図5Bに示す背景部用のマスクパターンは、2×1画素の2画素を1つのドットとして各ドットを均等に配置すると共に、24×24画素中に配置された32ドットのうちの、均等に配置された4ドットを、それぞれ1画素ずつ加えて3画素としてあるパターンである。即ち、背景部用のマスクパターンは、集合画素数が少ないドットで構成される。なお、背景部用のマスクパターンを構成する各ドットは、図5Bにおける左右方向(主走査方向)に5画素ずつ隔てて配置されており、上下方向(副走査方向)に隣り合うドットの列は、上下方向に1画素ずつ隔てて配置されると共に、左右方向に2画素分ずつずらして配置されている。また、3画素で構成される4ドットにおいて、近傍に配置される各ドットは、2×1画素の2画素に対して異なる位置に1画素が追加されている。図5Bに示す例では、左上の24×24画素中の4ドットにおいて、左上のドット及び右下のドットは、2×1画素の2画素に対して、上側の画素の右側に1画素が追加されており、右上のドット及び左下のドットは、2×1画素の2画素に対して、下側の画素の右側に1画素が追加されている。
図5に示したマスクパターンは一例にすぎず、例えば、潜像部は、所定数j(自然数)個以上の画素からなるドットで構成されていればよく、背景部は、所定数i(自然数、i<j)個以下の画素からなるドットで構成されていればよい。なお、iは例えば3であり、複写した場合に消失するサイズの画素数である。また、jは例えば6であり、複写した場合でも消失しないサイズの画素数である。このように、潜像部を構成するドットの画素数と背景部を構成するドットの画素数との間に(j−i)個の隔たりを設けることにより、各ドットを明確に区別できる。
具体的には、背景部用のマスクパターンに用いられるドットは、例えば、3つ以下の画素で構成すればよい。なお、3つの画素でドットを構成する場合、主走査方向(又は副走査方向)に隣り合う2つの画素と、この2つの画素のいずれか一方に対して副走査方向(又は主走査方向)に隣り合う1つの画素との3つの画素でドットを構成する。また、近傍に位置する各ドットは、隣り合う2つの画素に対して異なる位置にもう1つの画素が配置される。このように、近傍の各ドットにおいて、追加する画素の位置を異ならせることにより、入力階調値に対する出力濃度を滑らかに変化させることができる。
地紋画像において、集合画素数が2画素のドットと、集合画素数が3画素のドットとでは、階調値(入力階調値)に対する出力濃度の変化量が若干異なる。従って、集合画素数が2画素のドットと、集合画素数が3画素のドットとの混合比率を変更することにより、階調値に対する出力濃度の変化量の微調整が可能である。なお、集合画素数が奇数(例えば3画素)のドットは、後述の中間調処理において市松模様状のディザマトリクスパターンがかけられた場合に出力濃度の変化量に偏りが出ないように配置する必要がある。例えば、24×24画素中に配置される、集合画素数が3画素の4ドットについて、半分の2ドットは、中間調処理によって3画素のうちの2画素が小さい画素値となる位置に、また、残りの2ドットは、中間調処理によって3画素のうちの1画素のみが小さい画素値となる位置に配置する。
ここで、複写された場合に潜像部が顕在化(顕像化)する仕組みについて説明する。図5Aに示す大きいドットで構成された潜像部と、図5Bに示す小さいドットで構成された背景部とを有する地紋画像を複写した場合、小さいドットで構成された背景部が、複写の際の各種処理によって濃度が下げられることにより複写されなくなる。その結果、背景部のドットが消失し、潜像部が浮かび上がったような状態で明確に現われる。なお、「複写」の文字を小さいドットで構成し、その他の背景領域を大きいドットで構成した地紋画像を複写した場合、小さいドットで構成された文字が複写されない。その結果、小さいドットで構成された文字のドットが消失し、「複写」の文字が白抜きの状態で顕在化する。
画像処理部7は、潜像部に用いる文字(図4では「複写」)のビットマップデータと、潜像部用のマスクパターンと、背景部用のマスクパターンとを合成し、上述したような地紋画像を形成するための地紋データを生成する。具体的には、画像処理部7は、画像形成部8が画像出力する際の原稿1枚分の大きさの領域に対して所定の1又は複数箇所に、潜像部に用いる文字を配置させ、各潜像部に潜像部用のマスクパターンを割り当て、背景部に背景部用のマスクパターンを割り当てる。これにより、図5に示すマスクパターンを用いて、図4に示すような地紋画像を形成するための地紋データが生成される。なお、ビットマップデータ、潜像部用のマスクパターン、背景部用のマスクパターンは、HDD4に予め記憶されている。
上述したように、地紋データは、小さいドットからなる潜像部用のマスクパターンと、大きいドットからなる背景部用のマスクパターンとにより構成される。しかし、それぞれのパターンは、画像出力された場合に見た目上同一の濃度で形成されるように設計されているので、地紋の外観としてはパターン間での違いは殆どなく、前景となる画像データ(機密文書データ)への影響はない。
次に、画像処理部7による中間調処理について説明する。図6は中間調処理に用いられるディザマトリクスパターンの例を示す模式図、図7はディザマトリクスパターンの具体例を示す模式図である。図6及び図7に示すディザマトリクスパターンは4×4のサイズを有する。ディザマトリクスパターンは、中間調処理される画像の階調値(入力階調値)に応じて印字出力(出力階調値)を変化させる一連のパターン群である。本実施形態のディザマトリクスパターンは、画素1a、画素1b〜画素1hの各画素に所定範囲内の値が割り当てられ、画素2a、画素2b〜画素2hの各画素に所定範囲内の値が割り当てられている。中間調処理は、入力画像データ(印刷実行データ)の各画素値と、ディザマトリクスパターンの各値との比較を行い、各画素の画素値を決定する処理である。
本実施形態のディザマトリクスパターンは、8ビットの値(0〜255)のうちの、均等に割り振られた16点(0,17,34,51,68,85,102,119,136,153,170,187,204,221,238,255)のいずれかの値で構成されている。従って、このようなディザマトリクスパターンを用いた中間調処理によって、各画素の画素値が16個の値のいずれかに制御された画像データが得られる。
具体的には、例えば、図7Aに示すディザマトリクスパターンは、入力階調値が64の画像に対して用いるパターンであり、画素1a〜1dに136が、画素1e〜1hに119が、画素2a〜2hに0がそれぞれ割り当てられている。また、図7Bに示すディザマトリクスパターンは、入力階調値が128の画像に対して用いるパターンであり、画素1a〜1hに255が、画素2a〜2hに0がそれぞれ割り当てられている。更に、図7Cに示すディザマトリクスパターンは、入力階調値が191の画像に対して用いるパターンであり、画素1a〜1hに255が、画素2a〜2dに136が、画素2e〜2hに119がそれぞれ割り当てられている。このように、本実施形態のディザマトリクスパターンは、画素1a〜1hに対しては同一の値又は差が17である値が割り当てられ、画素2a〜2hに対しても同一の値又は差が17である値が割り当てられており、このようなパターンを、説明の便宜上、市松模様状のディザマトリクスパターンと呼ぶこととする。なお、画素1a〜1h,画素2a〜2hは、主走査方向及び副走査方向に対して交差する方向、即ち斜め方向に配置されている画素であり、主走査方向及び副走査方向のそれぞれにおいて1画素おきに配置されている画素である。
本実施形態では、4×4のディザマトリクスパターンを例に説明するが、パターンを構成する各値が中間調濃度で市松模様状となるディザマトリクスパターンであれば4×4のディザマトリクスパターンに限定されない。例えば、1×2のディザマトリクスパターンを用いる場合、原稿の副走査方向(縦方向)に1画素ずつシフトさせて中間調処理を行ってもよく、また、2×1のディザマトリクスパターンを用いる場合、原稿の主走査方向(横方向)に1画素ずつシフトさせて中間調処理を行ってもよい。
ディザマトリクスパターンが、2×2、4×4、6×6…のような偶数サイズであれば問題はない。しかし、3×3、5×5…のような奇数サイズのディザマトリクスパターンを用いる場合、地紋画像のパターン(潜像部用のマスクパターン及び背景部用のマスクパターン)と、ディザマトリクスパターンとが干渉する場合がある。従って、奇数サイズのディザマトリクスパターンを用いる場合、地紋画像のパターンと干渉しないディザマトリクスパターンを用いる必要がある。
図8は5×5のディザマトリクスパターンの例を示す模式図、図9は中間調処理後の背景部用のマスクパターンの例を示す模式図である。図9には、図5Bに示す背景部用のマスクパターンに対して、図8に示すディザマトリクスパターンをかけた後の状態を示す。なお、図8に示すディザマトリクスパターンも、パターンを構成する各値が市松模様状となるように構成されているものとする。図9に示すように、5×5のディザマトリクスパターンに基づく処理を行った場合、各ドットが均等に配置されなくなることがある。なお、図9において黒色よりも薄い色(グレー)で示す画素は、ディザマトリクスパターンを用いた中間調処理によって濃度が低下した画素である。従って、地紋画像のパターンと干渉せず、中間調処理後の各ドットが均等に配置されるディザマトリクスパターンを用いる必要がある。
また、ディザマトリクスパターンは、偶数画素×偶数画素のサイズのパターン、又は、奇数画素×奇数画素のサイズで地紋画像のパターンと干渉しないパターンに限らない。このほかに、ディザマトリクスパターンは、奇数画素×偶数画素のサイズのパターン、又は、偶数画素×奇数画素のサイズのパターンであってもよく、これらのサイズの場合、地紋画像(ドットの大きさが異なる複数領域を有する画像)のパターンと干渉しないパターンを用いればよい。
図10は4×4のディザマトリクスパターンの例を示す模式図、図11は中間調処理後の潜像部用のマスクパターンの例を示す模式図、図12は中間調処理後の背景部用のマスクパターンの例を示す模式図である。図11には、図5Aに示す潜像部用のマスクパターンに対して、図10に示すディザマトリクスパターンをかけた後の状態を示し、図12には、図5Bに示す背景部用のマスクパターンに対して、図10に示すディザマトリクスパターンをかけた後の状態を示す。
図10に示すディザマトリクスパターンは、入力階調値が196の画像に対して用いられるパターンであり、画素1a〜1hに255が割り当てられており、画素2a〜2hに136が割り当てられている。このようなディザマトリクスパターンを入力階調値が196の画素に対してかけた場合、各画素が階調値136又は255に補正される中間調処理が実行される。
地紋画像に対して、図10に示すようなディザマトリクスパターンをかけた場合、図11に示すように、潜像部の各ドット(大きいドット)を構成する各画素の画素値が市松模様状に低下する。しかし、画素値が低下した画素の周辺に最大画素値(255)の画素があるので、画素値が低下した画素の見た目上の濃度が低下しない。一方、図12に示すように、背景部の各ドット(小さいドット)は、画素値が低下した画素の周辺に最大画素値(255)の画素が1つしか存在しないので、画素値が低下した画素の見た目上の濃度が低下する。
本発明は、このような潜像部及び背景部の出力濃度の特性の差を利用し、地紋画像に市松模様状のディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行うことによって、潜像部及び背景部の濃度を同時に且つ個別に調整する。
図13は中間調処理前の地紋画像の階調値と中間調処理後の地紋画像の出力濃度との関係特性を示す特性図である。図13の横軸は中間調処理前の地紋画像の階調値(入力階調値)を示し、縦軸は中間調処理後の地紋画像の出力濃度を示しており、実線は地紋画像の潜像部における関係特性を示し、破線は地紋画像の背景部における関係特性を示す。図13に示すように、潜像部は入力階調値の変化に対して出力濃度の変化量が小さいのに対して、背景部は入力階調値の変化に対して出力濃度の変化量が大きい。よって、1つのディザマトリクスパターンを用いて処理することによって、地紋画像の潜像部の濃度と背景部の濃度とを同時に調整できる。なお、図13に示す特性によれば、階調値196の潜像部及び背景部に対して、図10に示すディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行った場合に潜像部及び背景部の濃度が同一に調整されることが分かる。
従って、本実施形態の画像形成装置1は、例えば、画像処理部7によって、地紋画像(潜像部及び背景部)の階調値が196となるような階調補正処理を行い、図10に示すようなディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行う。これにより、潜像部及び背景部の濃度が同一に調整された地紋画像をシート上に形成することができる。
上述の図5〜図7、図10〜図12は、解像度が600dpiの画像に用いるディザマトリクスパターン、潜像部用のマスクパターン及び背景部用のマスクパターンについて説明した。本発明は、解像度が1200dpiの画像に対しても適用できる。
図5Aに示した潜像部用のマスクパターンと図5Bに示した背景部用のマスクパターンとを有し、解像度が600dpiの地紋画像(地紋データ)に対しては、図6、図7及び図10に示した市松模様状のディザマトリクスパターンを用いることが適している。一方、図14に示す潜像部用のマスクパターンと図15に示す背景部用のマスクパターンとを有し、解像度が1200dpiの地紋画像(地紋データ)に対しては、図16に示すディザマトリクスパターンを用いるのがよい。
図14は解像度が1200dpiの潜像部用のマスクパターンを示す模式図、図15は解像度が1200dpiの背景部用のマスクパターンを示す模式図、図16は解像度が1200dpiの画像に対する中間調処理に用いられるディザマトリクスパターンの例を示す模式図である。図14に示す潜像部用のマスクパターンは、36×36画素のブロック毎に、8×8画素の64画素を1つのドットとし、各ドットの左上端を各ブロックの左上端及び中央部に一致させて2つのドットを斜め方向に配置したパターンである。また図15に示す背景部用のマスクパターンは、4×2画素の8画素を1つのドットとして各ドットを均等に配置したパターンである。なお、背景部用のマスクパターンを構成する各ドットは、図15における左右方向(主走査方向)に10画素ずつ隔てて配置されており、上下方向(副走査方向)に隣り合うドットの列は、上下方向に2画素ずつ隔てて配置されると共に、左右方向に4画素分ずつずらして配置されている。
図16に示すディザマトリクスパターンは、それぞれ4つの画素1a、画素1b〜画素1hの各画素に所定範囲内の値が割り当てられ、それぞれ4つの画素2a、画素2b〜画素2hの各画素に所定範囲内の値が割り当てられている。解像度1200dpiは解像度600dpiの2倍であるので、図16に示すディザマトリクスパターンは、図6に示すディザマトリクスパターンにおいて各値に対応する画素(1a〜1h,2a〜2h)の数が4倍に変更されている。このように、画像の解像度に応じて、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素の数が変更されたディザマトリクスパターンを用いて中間調処理を行なうことにより、解像度が異なる画像においても、異なる大きさのドットで構成される各領域の濃度を同時に調整することができ、ドットや細線等の濃度を最適に調整することができる。同様に、解像度が2400dpiの画像に対しては、図6に示すディザマトリクスパターンにおいて各値に対応する画素(1a〜1h,2a〜2h)の数が16倍に変更されたディザマトリクスパターンを用いればよい。
図14及び図15に示したマスクパターンは一例にすぎず、例えば、潜像部は、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素の数(図16のディザマトリクスパターンでは4つ)の所定数j倍以上の画素からなるドットで構成されていればよく、背景部は、所定数i(自然数、i<j)倍以下の画素からなるドットで構成されていればよい。なお、iは例えば3であり、12個以下の画素で構成されたドットによって背景部用マスクパターンが構成される。また、jは例えば6であり、24個以上の画素で構成されたドットによって潜像部用マスクパターンが構成される。
図15に示す背景用マスクパターンは、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素の2倍の画素(即ち8画素)からなるドットで構成されている。例えば、3倍の画素(即ち12画素)でドットを構成する場合、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する数の画素(ここでは2×2の4画素)を1組の画素群とし、主走査方向(又は副走査方向)に隣り合う2組の画素群と、この2組の画素群のいずれか一方に対して副走査方向(又は主走査方向)に隣り合う1組の画素群とでドットを構成すればよい。また、近傍に位置する各ドットは、隣り合う2組の画素群に対して異なる位置にもう1組の画素群が配置される。このように、近傍の各ドットにおいて、追加する画素群の位置を異ならせることにより、入力階調値に対する出力濃度を滑らかに変化させることができる。
図17は中間調処理後の潜像部用のマスクパターンの例を示す模式図、図18は中間調処理後の背景部用のマスクパターンの例を示す模式図である。図17には、図14に示す潜像部用のマスクパターンに対して、図16に示すディザマトリクスパターンをかけた後の状態を示し、図18には、図15に示す背景部用のマスクパターンに対して、図16に示すディザマトリクスパターンをかけた後の状態を示す。
このように解像度が1200dpiの地紋画像であっても、潜像部及び背景部の出力濃度の特性の差を利用し、地紋画像に市松模様状のディザマトリクスパターンをかけることによって、潜像部及び背景部の濃度を同時に且つ個別に調整することができる。なお、解像度が1200dpiの画像に対して、図16に示すようなディザマトリクスパターンを用いる処理だけでなく、図16に示したディザマトリクスパターンを用いる処理と、図6に示したディザマトリクスパターンを用いる処理とを適宜切り替えて、また適宜組み合わせて行うようにしてもよい。
上述した実施形態では、機密文書データを印刷する際に地紋データを合成することによって偽造抑制処理された印刷物を生成できる。また、市松模様状のディザマトリクスパターンを用いて中間調処理を行うことによって、地紋画像の潜像部及び背景部の濃度を同時に調整することができ、同一の濃度に容易に調整することができる。機密文書データに合成された地紋データにおいて、潜像部の濃度と背景部の濃度とが同一に制御されているので、機密文書データを印刷した場合の印刷物(原本)において地紋画像は認識し辛く、前景となる機密文書の視認を妨げない。
上述した実施形態では、「複写」等の文字を潜像部とした地紋画像を機密文書に合成する構成について説明した。このほかに「複写」等の文字を背景部(小さいドットで構成される領域)として地紋画像を構成してもよく、このような地紋画像は、複写した場合に「複写」等の文字が白抜けの状態で顕在化する。
上述した実施形態では、地紋画像に対して市松模様状のディザマトリクスパターンに基づく中間調処理を行うことによって、地紋画像の潜像部及び背景部の濃度を同時に且つ個別に調整する構成について説明した。地紋画像のほかに、異なる大きさのドットで構成される複数の領域を含む画像に対しても、市松模様状のディザマトリクスパターンに基づく中間調処理を行うことにより、各領域における入力階調値と出力濃度との関係特性の相異を利用して、各領域の濃度を適切に調整することができるので、適切な画質を実現できる。具体的には、異なる大きさのドットで構成される複数領域を有する画像、異なる太さのライン(細線及び太線)を有する画像に対して、市松模様状のディザマトリクスパターンに基づく中間調処理を行った場合、ドット径や線幅の調整も可能である。細線は、上述の地紋画像の背景部(小さいドット)と同様に、経時変化や環境変化により線幅が大きく変動するのに対して、太線は、上述の地紋画像の潜像部(大きいドット)と同様に、経時変化や環境変化により線幅があまり変動しない。よって、ラインに対して市松模様状のディザマトリクスパターンに基づく中間調処理を行うことにより、画像形成装置の個々のばらつき、画像形成装置を構成する各部の劣化等の経時変化、使用環境の変化等が生じた場合でも、ドット径や線幅を適切に調整できるので、ドットや細線で構成される地紋画像の潜像部及び背景部の濃度を適切に調整でき、高画質を維持できる。
また、細線としては、例えば、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する数の画素において、主走査方向(又は副走査方向)の幅(図6のディザマトリクスパターンでは1画素分、図16のディザマトリクスパターンでは2画素分)のa(自然数)倍以下の幅を有するラインが挙げられる。なお、aは例えば2である。また、太線としては、例えば、ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する数の画素において、主走査方向(又は副走査方向)の幅(図6のディザマトリクスパターンでは1画素分、図16のディザマトリクスパターンでは2画素分)のb(自然数、b>a)倍以上の幅を有するラインが挙げられる。なお、bは例えば4である。
このような細線及び太線が含まれるような画像においても、上述したような市松模様状のディザマトリクスパターンに基づく中間調処理を行うことにより、各ラインの幅を適切に調整でき、適切な画質を実現できる。
上述した実施形態では、本発明の画像形成装置をプリンタに適用した形態を例に説明したが、プリント機能だけでなく、原稿の画像を読み取るスキャナ機能、読み取った画像データに基づいてシート上に多色及び単色の画像を形成する複写機能等を有する各種の画像形成装置に適用できる。また、本発明の画像処理装置は、画像形成部を備えないPC(Personal Computer)にも適用できる。また、上述した実施形態の画像形成装置1は、中間転写方式のカラー画像を形成する構成を例としたが、例えばタンデム方式で配置された各色に対応する感光体ドラムに形成されたトナー像を搬送されるシート上に順次転写する構成の画像形成装置にも適用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。
1 画像形成装置
2 CPU
7 画像処理部(処理部)
8 画像形成部

Claims (9)

  1. それぞれ異なる大きさのドットで構成される複数の領域を含み、複数の画素が交差する二方向に配置されてなる画像に処理を行う画像処理装置において、
    前記複数の領域のうちの小さいドットで構成される領域は、複写した場合に顕像化しない背景部であり、大きいドットで構成される領域は、複写した場合に顕像化する潜像部であり、
    前記画素の配置に係る二方向に交差する方向に配置される各画素に対して、所定範囲内の値が割り当てられたディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行う処理部を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記処理部は、前記画像の解像度に応じて、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素の数が変更されたディザマトリクスパターンを用いて中間調処理を行うようにしてあることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ディザマトリクスパターンは、前記中間調処理によって前記背景部及び潜像部の濃度が同一となる値で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記複数の領域のうちのひとつを構成する小さいドットは、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素数のi(自然数)倍以下の画素で構成されており、
    大きいドットは、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素数のj(自然数,j>i)倍以上の画素で構成されていること
    を特徴とする請求項1からまでのいずれかひとつに記載の画像処理装置。
  5. 前記小さいドットは、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する画素数の3倍以下の画素で構成されていることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  6. 前記小さいドットは、前記ディザマトリクスパターンを構成する各値に対応する数の画素を1組の画素群とし、隣り合う2組の画素群と、該画素群の配置方向に交差する方向にいずれかの画素群に隣り合う1組の画素群との3組の画素群で構成されており、
    近傍の各ドットは、前記2組の画素群及び前記1組の画素群の位置関係を異ならせてあることを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  7. 前記ディザマトリクスパターンは、画素が配置される一方向にn(偶数)画素、他方向にm(偶数)画素のサイズ、又は、前記一方向に(n+1)画素、前記他方向に(m+1)画素のサイズのうちの、前記画像と干渉しないサイズを有することを特徴とする請求項1からまでのいずれかひとつに記載の画像処理装置。
  8. 請求項1からまでのいずれかひとつに記載の画像処理装置と、
    画像を形成する画像形成部とを備え、
    該画像形成部は、前記画像処理装置にて処理された画像を形成するようにしてあることを特徴とする画像形成装置。
  9. それぞれ異なる大きさのドットで構成される複数の領域を含み、複数の画素が交差する二方向に配置されてなる画像に処理を行う画像処理装置による画像処理方法において、
    前記複数の領域のうちの小さいドットで構成される領域は、複写した場合に顕像化しない背景部であり、大きいドットで構成される領域は、複写した場合に顕像化する潜像部であり、
    前記画素の配置に係る二方向に交差する方向に配置される各画素に対して、所定範囲内の値が割り当てられたディザマトリクスパターンを用いた中間調処理を行うステップを含むことを特徴とする画像処理方法。
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