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JP6098397B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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JP6098397B2 JP2013136892A JP2013136892A JP6098397B2 JP 6098397 B2 JP6098397 B2 JP 6098397B2 JP 2013136892 A JP2013136892 A JP 2013136892A JP 2013136892 A JP2013136892 A JP 2013136892A JP 6098397 B2 JP6098397 B2 JP 6098397B2
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Description

本発明は、酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池を備える燃料電池システムに関するものである。
従来、都市ガス等の原料を改質して水素を含む燃料ガスを生成する改質器を備える固体酸化物型の燃料電池システムが提案されている。
また、水蒸気改質を行う燃料電池システムでは、水蒸気改質反応が進む600℃程度に改質器内の触媒を昇温するために、システムの起動時には部分酸化改質の反応熱により改質器を加熱するとともに、酸化剤ガスのオフガスと燃料ガスのオフガスとを燃焼させてその熱により改質器全体を一様に加熱する(例えば、特許文献1参照)。
特許第4369685号明細書
ここで、図5の破線は、従来の燃料電池システムの部分酸化改質運転時の改質器内温度分布特性を示している。この図5に示すように、従来の燃料電池システムでは、オフガスの燃焼熱により改質器全体を一様に加熱しているものの、部分酸化改質反応は炭化水素の完全酸化反応と水蒸気改質反応が連続的に起こるものであり、この炭化水素の完全酸化反応によって、改質器内におけるガス流れ上流部(すなわち、改質器入口直後)が改質器内において最も高温になる。
そして、部分酸化改質運転時には、改質器内におけるガス流れ上流部の触媒温度が局所的に触媒劣化温度を超えてしまい、触媒が早期に劣化してしまうという問題があった。
本発明は上記点に鑑みて、部分酸化改質運転時に改質器内の触媒が局所的に高温になることによる触媒の劣化を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池(10)と、部分酸化改質機能と水蒸気改質機能と併せ持つ触媒が容器内に収容され、触媒にて改質対象流体を改質して燃料ガスを生成する改質器(13)と、空気と燃料を燃焼させて改質器を昇温させるための昇温用ガスを生成すると共に、燃料電池のオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器(17)とを備え、改質器と燃焼器は、熱伝達可能に接触して配置され、燃焼器における空気の入口部(191)は、改質器における改質対象流体の入口部(141、161)に隣接して配置され、燃焼器にオフガスを供給するオフガス供給経路(22、23)は、燃焼器との接続部が、改質器における改質対象流体の入口部に隣接して配置され、燃焼器における昇温用ガスの出口部(241)は、改質器における燃料ガスの出口部(111)に隣接して配置され、燃焼器における燃料の入口部(181)は、部分酸化改質運転時に改質器内において高温になる改質器内高温部位(a)に隣接する位置よりも、燃焼器内のガス流れ下流側に配置され、部分改質運転時には、空気の入口部より空気を供給すると共に、少なくとも燃料の入口部より燃料を燃焼器に供給することで、改質器内高温部位よりもガス流れ下流側の触媒を加熱し、水蒸気改質運転時には、少なくともオフガス供給経路よりオフガスを燃焼器に供給することで、改質器入口直後の触媒を加熱することを特徴とする。
これによると、部分酸化改質運転時に改質器内において高温になる部位の触媒は、燃焼器に供給される空気にて冷却され、部分酸化改質運転時に改質器内において高温になる部位よりも下流側の触媒は、燃焼器内で空気と燃料を燃焼させて生成される昇温用ガスにて加熱される。
換言すると、部分酸化改質運転時に改質器内において高温になる部位の触媒は冷却され、部分酸化改質運転時に改質器内において低温になる部位の触媒は加熱されるため、部分酸化改質運転時の改質器内の触媒温度分布は平滑化され、部分酸化改質運転時に改質器内の触媒が局所的に高温になることを防止でき、ひいては触媒の劣化を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池(10)と、改質対象流体を触媒にて改質して燃料ガスを生成する改質器(13)と、空気と燃料を燃焼させて改質器を昇温させるための昇温用ガスを生成する燃焼器(17)と、部分酸化改質運転時に改質器内において高温になる改質器内高温部位(a)の温度を検出する温度検出手段(132)と、燃焼器に供給する空気の流量を変化させる流量調整弁(20)と、を備え、改質器と燃焼器は、熱伝達可能に接触して配置され、燃焼器における空気の入口部(191)は、改質器における改質対象流体の入口部(141、161)に隣接して配置され、燃焼器における昇温用ガスの出口部(241)は、改質器における燃料ガスの出口部(111)に隣接して配置され、燃焼器における燃料の入口部(181)は、改質器内高温部位(a)に隣接する位置よりも、燃焼器内のガス流れ下流側に配置され、温度検出手段にて検出した改質器内高温部位の温度に応じて流量調整弁を作動させて、空気の流量を調整することを特徴とする。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの全体構成図である。 図1の改質器および燃焼器の斜視図である。 第1実施形態において実行されるシステム起動時のプログラムのフローチャートである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの作動説明に供するタイムチャートである。 部分酸化改質運転時の改質器内温度分布を示す図である。 水蒸気改質運転時の改質器内温度分布を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの改質器および燃焼器の構成図である。 本発明の第3実施形態に係る燃料電池システムの改質器および燃焼器の構成図である。 図8の改質器および燃焼器の斜視図である。 本発明の第4実施形態に係る燃料電池システムの改質器および燃焼器の構成図である。 図10の改質器および燃焼器の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1、図2に基づいて説明する。
この燃料電池システムは、燃料を水蒸気改質することによって生成した水素(および一酸化炭素)を含む燃料ガスと空気中に含まれる酸素(酸化剤ガス)とを電気化学反応させて電気エネルギを発生させる燃料電池10を備えている。本実施形態の燃料電池10は、作動温度が高温となる固体酸化物型燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)で構成されている。
燃料電池10には、炭化水素系の燃料(水蒸気を含む燃料ガスを含む)および空気が供給流体として供給される。具体的には、燃料電池10の燃料極側には、燃料ガスを供給するためのFC燃料供給経路11が接続され、燃料電池10の空気極側には、空気を供給するためのFC空気供給経路12が接続されている。
そして、燃料電池10では、FC燃料供給経路11を介して水素を含む燃料ガスが供給され、FC空気供給経路12を介して酸素を含む空気が供給されることにより、以下の電気化学反応が起こり、電気エネルギが発生する。
(燃料極)H2+O2-→H2O+2e-
(空気極)1/2O2+2e-→O2-
燃料電池10は、燃料電池10の温度を検出してその温度に応じた電気信号を図示しない電子制御装置に出力する燃料電池温度センサ101を備えている。燃料電池温度センサ101は、燃料電池10の平均的な温度が検出される部位に配置される。なお、燃料電池温度センサ101は、例えば熱電対を用いることができる。また、電子制御装置は、CPU、RAM、ROM、EEPROM等からなる周知のマイクロコンピュータを備え、マイクロコンピュータに記憶したプログラムに従って演算処理を行うものである。
FC燃料供給経路11の燃料流れ上流側に改質器13が設けられている。この改質器13には、改質器燃料供給経路14を介して炭化水素系の燃料が供給され、改質器空気供給経路15を介して空気が供給され、改質器水蒸気供給経路16を介して水蒸気が供給される。
改質器13の容器は、直方体であり、金属(例えば、SUS)よりなる。そして、改質器燃料供給経路14、改質器空気供給経路15、および改質器水蒸気供給経路16は、改質器13の一端面に接続されている。また、FC燃料供給経路11は、改質器13の他端面に接続されている。なお、図1中の矢印Aは、改質器13内のガス流れを示している。
改質器13は、部分酸化改質機能と水蒸気改質機能とを併せ持つ触媒が改質器容器内に収容されており、改質対象流体としての混合ガスを触媒にて改質して、水素および一酸化炭素を含む燃料ガスを生成する。
なお、改質器燃料供給経路14が改質器13の容器に接続された部位141、および改質器水蒸気供給経路16が改質器13の容器に接続された部位161は、本発明の改質対象流体(水蒸気と燃料の混合ガス)の入口部に相当する。また、FC燃料供給経路11が改質器13の容器に接続された部位111は、本発明の燃料ガスの出口部に相当する。
改質器13は、改質器13内の触媒温度等を検出してその温度に応じた電気信号を電子制御装置に出力する、改質器第1温度センサ131、改質器第2温度センサ132、改質器第3温度センサ133、および改質器第4温度センサ134を備えている。
改質器第1温度センサ131は、改質器13における混合ガスの入口部に配置されて、その部位での混合ガスの温度(以下、改質器入口部ガス温度という)を検出する。
ここで、図1中の破線aは、部分酸化改質運転時に改質器13内において最も高温になる改質器内高温部位を示している。因みに、改質器内高温部位aは、改質器13における混合ガスの入口部の直後の位置にある。
そして、温度検出手段としての改質器第2温度センサ132は、改質器内高温部位aの触媒温度(以下、高温部触媒温度という)が検出される部位に配置される。
また、改質器第3温度センサ133は、部分酸化改質運転時に改質器13内の平均的な触媒温度(以下、平均触媒温度という)が検出される部位に配置される。
さらに、改質器第4温度センサ134は、改質器13における燃料ガスの出口部に配置されて、その部位での触媒温度(以下、出口部触媒温度という)を検出する。
燃料電池システムは、燃焼器17を備えている。この燃焼器17には、燃焼器燃料供給経路18を介して炭化水素系の燃料が供給され、燃焼器空気供給経路19を介して空気が供給される。燃焼器空気供給経路19には、燃焼器空気供給経路19を介して燃焼器17に供給される空気の流量を調整する流量調整弁20が配置されている。そして、燃焼器17は、点火プラグ21を備え、供給された空気と燃料の混合気に点火プラグ21にて着火し、混合気を燃焼させて昇温用ガスとしての高温の燃焼ガスを生成する。
また、燃焼器17には、燃料電池10の燃料極側排ガスに含まれる未反応水素(以下、オフガスという)が第1オフガス供給経路22を介して供給され、燃料電池10の空気極側排ガスに含まれる未反応空気(以下、オフガスという)が第2オフガス供給経路23を介して供給される。そして、燃焼器17は、オフガスを燃焼させて高温の燃焼ガスを生成する。
燃焼器17の容器は、直方体であり、金属(例えば、SUS)よりなる。そして、燃焼器空気供給経路19、第1オフガス供給経路22、および第2オフガス供給経路23は、燃焼器17の一端面に接続されている。また、燃焼器17にて生じた高温の燃焼ガスを外部に排出するための燃焼ガス経路24が、燃焼器17の他端面に接続されている。さらに、燃焼器燃料供給経路18は、燃焼器空気供給経路19や燃焼ガス経路24等が接続された面とは異なる面に接続されている。なお、図1中の矢印Bは、燃焼器17内のガス流れを示している。
なお、燃焼器燃料供給経路18が燃焼器17の容器に接続された部位181は、本発明の燃料の入口部に相当する。また、燃焼器空気供給経路19が燃焼器17の容器に接続された部位191は、本発明の空気の入口部に相当する。さらに、燃焼ガス経路24が燃焼器17の容器に接続された部位241は、本発明の昇温用ガスの出口部に相当する。
改質器13と燃焼器17は、改質器13と燃焼器17との間で熱伝達可能なように、それぞれの一面を接触させて一体化されている。また、改質器13と燃焼器17は、改質器内ガス流れAと燃焼器内ガス流れBが平行流になるように配置されている。
より詳細には、燃焼器17における空気の入口部191およびオフガスの入口部は、改質器13における混合ガスの入口部141、161に隣接して配置されている。また、燃焼器17における燃焼ガスの出口部241は、改質器13における燃料ガスの出口部111に隣接して配置されている。さらに、燃焼器17における燃料の入口部181は、改質器内高温部位aに隣接する位置よりも、燃焼器17内のガス流れB下流側に配置されている。
燃焼器17は、燃焼器17内の温度を検出してその温度に応じた電気信号を電子制御装置に出力する、燃焼器第1温度センサ171および燃焼器第2温度センサ172を備えている。
燃焼器第1温度センサ171は、燃焼器17における空気およびオフガスの入口部に配置されて、その部位でのオフガスの燃焼温度(以下、燃焼器オフガス燃焼温度という)を検出する。
燃焼器第2温度センサ172は、燃焼器17における燃料の入口部に配置されて、その部位での混合気の燃焼温度(以下、燃焼器混合気燃焼温度という)を検出する。
次に、本実施形態において実行されるシステム起動時の制御について、図4および図5を参照しつつ、図3に基づいて説明する。なお、図5の実線は、本実施形態の燃料電池システムの部分酸化改質運転時の改質器内温度分布特性を示している。
図示しない電源スイッチが投入されると、電子制御装置は図3に示すシステム起動時の制御を開始する。
まず、ステップS100では、燃焼器17への燃料供給を開始するとともに(図4a参照)、燃焼器17への空気供給を開始し、空気と燃料の混合気に点火プラグ21にて着火して燃焼器17を起動させる。これにより、燃焼器17内の熱が改質器13に伝達され、平均触媒温度が次第に上昇する(図4b参照)。なお、このときには改質器13には空気および水蒸気を供給しない(図4c、d参照)。
続いて、ステップS110では、改質器第3温度センサ133にて検出した平均触媒温度と、触媒による部分酸化改質反応が進行可能な温度であるPOX起動温度とを比較する。なお、POX起動温度は、マイクロコンピュータに予め記憶されている。
そして、システム起動直後は平均触媒温度がPOX起動温度未満であり、このときには、ステップS110でNOと判定され、ステップS110でYESと判定されるまでステップS110の判定が繰り返される。平均触媒温度がPOX起動温度以上になると、ステップS110でYESと判定されてステップS120に進む。
ステップS120では、改質器13への空気供給を開始するとともに(図4c参照)、改質器13への燃料供給を開始する。これにより、改質器13は部分酸化改質を開始する。そして、部分酸化改質反応熱で触媒を昇温させ(図4b参照)、かつ、改質ガスを燃料電池10の燃料極に供給することで燃料電池10を昇温させる。
また、ステップS120では、燃料、空気、およびオフガスを、燃焼器17に供給する。そして、空気と燃料の燃焼ガスおよびオフガスの燃焼ガスにて、改質器13内の触媒を加熱する。
ここで、燃焼器17における燃料の入口部は、改質器内高温部位aに隣接する位置よりも、燃焼器17内のガス流れB下流側に配置されているため、空気と燃料の燃焼ガスは、改質器内高温部位aよりも改質器内ガス流れA下流側の触媒を加熱する。
換言すると、改質器内高温部位a付近の触媒、および改質器内高温部位aよりも改質器内ガス流れA上流側の触媒は、空気と燃料の燃焼ガスによっては加熱されない。また、改質器内高温部位a付近の触媒、および改質器内高温部位aよりも改質器内ガス流れA上流側の触媒は、燃料と混合する前の空気により冷却される。
したがって、図5に示すように、改質器内高温部位a付近の触媒、および改質器内高温部位aよりも改質器内ガス流れA上流側の触媒は、温度上昇が抑制され、部分酸化改質運転時の改質器内触媒温度分布は平滑化される。
この際、改質器第2温度センサ132で検出した高温部触媒温度や、燃焼器第2温度センサ172にて検出した燃焼器混合気燃焼温度が、設定値以上になった場合は、触媒保護のため、流量調整弁20により燃焼器17に供給する空気の量を調整して混合気の燃焼温度を下げるのが望ましい。
続いて、ステップS130では、改質器第3温度センサ133にて検出した平均触媒温度、および改質器第1温度センサ131にて検出した改質器入口部ガス温度と、触媒によるオートサーマル改質反応が進行可能な温度であるATR起動温度とを比較する。なお、ATR起動温度は、マイクロコンピュータに予め記憶されている。
そして、平均触媒温度および改質器入口部ガス温度のうち少なくとも一方がATR起動温度未満のときはステップS130でNOと判定され、ステップS130でYESと判定されるまでステップS130の判定が繰り返される。平均触媒温度および改質器入口部ガス温度が上昇し、それらの温度がともにATR起動温度以上になると、ステップS130でYESと判定されてステップS140に進む。
ステップS140では、改質器13への水蒸気供給を開始するとともに(図4d参照)、燃料と空気を改質器13に供給する。これにより、改質器13はオートサーマル改質を開始する。なお、図4dに破線で示すように、オートサーマル改質を開始後に、平均触媒温度の上昇に伴って改質器13への水蒸気供給量を漸増させてもよい。
また、燃料、空気、およびオフガスを、引き続き燃焼器17に供給する。そして、空気と燃料の燃焼ガスおよびオフガスの燃焼ガスにて、改質器13内の触媒を加熱する。
ステップS150では、改質器第4温度センサ134にて検出した出口部触媒温度、および燃料電池温度センサ101にて検出した燃料電池10の温度と、触媒による水蒸気改質反応が進行可能な温度であるSR起動温度とを比較する。なお、SR起動温度は、マイクロコンピュータに予め記憶されている。
そして、出口部触媒温度および燃料電池10の温度のうち少なくとも一方がSR起動温度未満のときはステップS150でNOと判定され、ステップS150でYESと判定されるまでステップS150の判定が繰り返される。
出口部触媒温度および燃料電池10の温度が上昇し、それらの温度がともにSR起動温度以上になると、ステップS150でYESと判定され、システム起動時の制御が終了する。
システム起動時の制御が終了後、水蒸気改質運転に移行する。具体的には、改質器13への空気の供給を停止し(図4c参照)、改質器13への燃料と水蒸気の供給を継続して、水蒸気改質を開始する。なお、図4cに破線で示すように、オートサーマル改質を開始後に、平均触媒温度の上昇に伴って改質器13への空気供給量を漸減させてもよい。
また、図6に示すように、水蒸気改質運転時には、吸熱反応により改質器入口直後の触媒温度が下がるため、オフガスを燃焼器17に供給して、オフガスを燃焼器17の入口にて燃焼させ、改質器入口直後の触媒を加熱する。この際、燃焼器第1温度センサ171にて検出した燃焼器オフガス燃焼温度が設定値(例えば、1000℃)以上になった場合は、触媒保護のため、燃焼器17に空気を供給してオフガスの燃焼温度を下げるのが望ましい。
本実施形態によると、部分酸化改質運転時に改質器13内において高温になる部位の触媒は冷却され、部分酸化改質運転時に改質器13内において低温になる部位の触媒は加熱されるため、部分酸化改質運転時の改質器13内の触媒温度分布は平滑化され、部分酸化改質運転時に改質器13内の触媒が局所的に高温になることを防止でき、ひいては触媒の劣化を抑制することができる。
また、水蒸気改質運転時には吸熱反応により改質器入口直後の触媒温度が下がるが、水蒸気改質運転時にオフガスの燃焼熱にて改質器入口直後の触媒を加熱するため、水蒸気改質運転時に高い改質率が得られる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、燃焼器17の構成が変更されており、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図7に示すように、燃焼器17におけるガス流れ上流部側に、フィン173が多数設けられている。また、燃焼器17におけるガス流れ下流部側に、燃焼器内ガス流れBをジグザグにする邪魔板174が2枚設けられている。
そして、フィン173により燃焼器17の容器の実質的な表面積が増加するため、燃焼器17の容器と燃焼器17内の燃焼ガスとの間の熱伝達が促進され、ひいては改質器13と燃焼器17との間の熱伝達が促進される。
また、邪魔板174により流れがジグザグになった燃焼ガスは燃焼器17の容器に衝突するため、燃焼器17の容器と燃焼器17内の燃焼ガスとの間の熱伝達が促進され、ひいては改質器13と燃焼器17との間の熱伝達が促進される。
したがって、本実施形態によると、改質器13と燃焼器17との間の熱交換効率が向上するとともに、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態は、燃焼器17の構成が変更されており、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図8、図9に示すように、燃焼器17は、L字形状であり、改質器13における隣接する2つの面(本実施形態では、下面および側面)と燃焼器17における隣接する2つの面が、熱伝達可能に接触している。
改質器燃料供給経路14、改質器空気供給経路15、および改質器水蒸気供給経路16は、改質器13の下方付近に接続されている。
燃焼器空気供給経路19、第1オフガス供給経路22、および第2オフガス供給経路23は、燃焼器17の下面に接続されるとともに、空気やオフガスが改質器13の下面に向かって流れるように構成されている。
このように、燃焼器17に供給される空気やオフガスは、改質器13の下面に向かって流れるため、それらの空気およびオフガスと改質器入口直後の触媒との熱交換効率が向上する。
より詳細には、部分酸化改質運転中は、改質器内高温部位付近の触媒および改質器内高温部位よりも改質器内ガス流れA上流側の触媒は、燃焼器17に供給される空気により効率よく冷却される。
また、水蒸気改質運転時には、燃焼器17に供給されるオフガスで改質器13の下面と側面を加熱させることで、熱交換効率を向上させる。
本実施形態によると、改質器13と燃焼器17との間の熱交換効率が向上するとともに、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、燃焼器17の構成が変更されており、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図10、図11に示すように、改質器13は、改質器13内のガス流れがコ字状になるように内部に仕切り壁175が設けられている。燃焼器17は、改質器13内のガス流れがコ字状になるように、コ字形状になっている。
そして、改質器13を燃焼器17で挟みこむことにより、水蒸気改質運転時における改質器13から外部への放熱を抑制するようにしている。
本実施形態によると、水蒸気改質運転時の外部への放熱を抑制するとともに、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
なお、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
10 燃料電池
13 改質器
17 燃焼器
111 燃料ガスの出口部
141 改質対象流体の入口部
161 改質対象流体の入口部
181 燃料の入口部
191 空気の入口部
241 昇温用ガスの出口部

Claims (4)

  1. 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池(10)と、
    部分酸化改質機能と水蒸気改質機能と併せ持つ触媒が容器内に収容され、前記触媒にて改質対象流体を改質して前記燃料ガスを生成する改質器(13)と、
    空気と燃料を燃焼させて前記改質器を昇温させるための昇温用ガスを生成すると共に、前記燃料電池のオフガスを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器(17)とを備え、
    前記改質器と前記燃焼器は、熱伝達可能に接触して配置され、
    前記燃焼器における前記空気の入口部(191)は、前記改質器における前記改質対象流体の入口部(141、161)に隣接して配置され、
    前記燃焼器に前記オフガスを供給するオフガス供給経路(22、23)は、前記燃焼器との接続部が、前記改質器における前記改質対象流体の入口部に隣接して配置され、
    前記燃焼器における前記昇温用ガスの出口部(241)は、前記改質器における前記燃料ガスの出口部(111)に隣接して配置され、
    前記燃焼器における前記燃料の入口部(181)は、部分酸化改質運転時に前記改質器内において高温になる改質器内高温部位(a)に隣接する位置よりも、前記燃焼器内のガス流れ下流側に配置され
    前記部分改質運転時には、前記空気の入口部より前記空気を供給すると共に、少なくとも前記燃料の入口部より前記燃料を前記燃焼器に供給することで、前記改質器内高温部位よりもガス流れ下流側の触媒を加熱し、
    水蒸気改質運転時には、少なくとも前記オフガス供給経路より前記オフガスを前記燃焼器に供給することで、前記改質器入口直後の触媒を加熱することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 酸化剤ガスと燃料ガスとの電気化学反応により電気エネルギを発生させる燃料電池(10)と、
    改質対象流体を触媒にて改質して前記燃料ガスを生成する改質器(13)と、
    空気と燃料を燃焼させて前記改質器を昇温させるための昇温用ガスを生成する燃焼器(17)と
    部分酸化改質運転時に前記改質器内において高温になる改質器内高温部位(a)の温度を検出する温度検出手段(132)と、
    前記燃焼器に供給する前記空気の流量を変化させる流量調整弁(20)と、を備え、
    前記改質器と前記燃焼器は、熱伝達可能に接触して配置され、
    前記燃焼器における前記空気の入口部(191)は、前記改質器における前記改質対象流体の入口部(141、161)に隣接して配置され、
    前記燃焼器における前記昇温用ガスの出口部(241)は、前記改質器における前記燃料ガスの出口部(111)に隣接して配置され、
    前記燃焼器における前記燃料の入口部(181)は、前記改質器内高温部位(a)に隣接する位置よりも、前記燃焼器内のガス流れ下流側に配置され
    前記温度検出手段にて検出した前記改質器内高温部位の温度に応じて前記流量調整弁を作動させて、前記空気の流量を調整することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記燃焼器は、前記改質器内高温部位と前記燃焼器におけるガス流れ上流側の部位との間の熱伝達を促進するフィン(173)を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記改質器は、直方体であり、
    前記燃焼器は、L字形状であり、
    前記改質器内高温部位における隣接する2つの面と前記燃焼器のガス流れ上流側の部位における隣接する2つの面が、熱伝達可能に接触していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
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