以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。また、以下に示す図面の寸法比率は、説明の都合上拡張されており、実際の比率と異なる場合がある。
[画像形成システムの構成例]
まず、画像形成システム1について説明する。図1は、本発明に係る中綴じ冊子を作成することが可能な画像形成システム1の全体構成の一例を示している。図1に示すように、画像形成システム1は、画像形成装置2と、画像形成装置2の用紙搬送方向の下流側に接続される後処理装置3とを備えている。後処理装置3は、断裁装置4と、冊子形成装置5とを有している。断裁装置4および冊子形成装置5は、後処理装置3の一例を構成している。
画像形成装置2は、例えば中綴じ用の画像を用紙S1に面付け印刷し、面付け印刷した用紙S1を後処理装置3の断裁装置4に搬送する。断裁装置4は、画像形成装置2から搬送されてくる用紙S1の余白を断裁して冊子形成装置5に搬送する。冊子形成装置5は、各用紙S1の折り位置をずらしながら中折り処理し、複数枚の用紙S1を集積して中綴じ処理することにより一端側に頁間が段差状にずれた段差部Uを有する冊子S2を作成する(図5参照)。
[画像形成装置の構成例]
次に、画像形成装置2について詳細に説明する。図1に示すように、画像形成装置2は、原稿搬送部11と、画像読取部12と、画像形成部13と、操作表示部14とを有している。
原稿搬送部11は、画像読取部12の読取位置に原稿を1枚ずつ搬送する。画像読取部12は、原稿搬送部11により搬送された原稿又は原稿台16に載置された原稿の画像を読み取って、画像データを生成する。
画像形成部13は、ドラム状の感光体21と、感光体21の周囲に配置された帯電部22、露光部23、現像部24、転写部25A、分離部25B及びクリーニング部26を有している。帯電部22は、感光体21の表面を一様に帯電する。露光部23は、原稿から読み取られた画像データに基づいて、感光体21上に露光走査を行って潜像を形成する。現像部24は、トナーを付着させることにより潜像を現像して感光体21の表面にトナー像を形成する。
用紙S1は、用紙収容部27に収納されている。この用紙S1は、給紙部28Aにより給紙されて転写部25Aが配置された転写位置へ送られる。転写部25Aは、転写位置へ送られた用紙S1上にトナー像を転写する。分離部25Bは、トナー像が転写された用紙S1の裏面の電荷を消去して、用紙S1を感光体21から分離する。そして、感光体21の表面に残留しているトナーは、クリーニング部26により除去される。
感光体21から分離された用紙S1は、中間搬送部28Bにより搬送され、定着部29へ送られる。定着部29は、用紙S1に転写されたトナー像を加熱定着する。
定着部29における用紙S1の搬送方向下流側(以下、「下流側」という)には、切換ゲート28Cが配置されている。切換ゲート28Cは、定着部29を通過した用紙S1の搬送路を切り換える。すなわち、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースアップ排紙を行う場合に、用紙S1を直進させる。これにより、用紙S1は、一対の排紙ローラー28Dによって排紙される。また、切換ゲート28Cは、片面画像形成におけるフェースダウン排紙及び両面画像形成を行う場合に、用紙S1を下方に配置された用紙反転搬送部28Eへ案内する。
フェースダウン排紙を行う場合は、用紙S1を切換ゲート28Cによって下方へ案内した後、用紙S1の後端が切換ゲート28Cを通過した時点で用紙の搬送方向を切り換え、一対の排紙ローラー28Dによって排紙する。両面画像形成を行う場合は、用紙S1を切換ゲート28Cによって下方に案内して用紙反転搬送部28Eに送り込んだ後、再給紙路28Fに搬送することにより用紙S1を表裏反転させた状態で転写部25Aに再給紙する。
操作表示部14は、タッチパネル等を有しており、ユーザが画像形成装置2および後処理装置3を動作させるためのジョブ情報を入力する入力部として機能する。操作表示部14では、例えば、用紙のサイズの選択や印刷枚数の選択等をジョブ情報として入力することができる。さらに、後処理装置3による中折り処理や中綴じ処理に関する情報をジョブ情報として入力することもできる。これらのジョブ情報は、画像形成装置2にネットワークを介して接続されるコンピュータの操作部から入力することもできる。
操作表示部14は、スタートボタンを有している。ユーザが操作表示部14によりジョブ情報を入力してスタートボタンを押圧することにより、画像形成装置2および後処理装置3は、入力されたジョブ情報に基づいた動作を開始する。また、操作表示部14は、報知部の一例を構成し、入力される中綴じ処理等に関する情報に基づいて冊子S2の作成が不可能であると判断した場合にその旨をユーザに報知する。
[後処理装置の構成例]
次に、後処理装置3について図1および図2を参照して詳細に説明する。図2は、後処理装置3の構成の一例を示している。なお、後処理装置3における水平方向と平行をなし、かつ後処理装置3と画像形成装置2とが対向する方向を幅方向Wとする。また、幅方向Wと直交し、かつ鉛直方向と平行をなす方向を高さ方向Hとする。そして、幅方向W及び高さ方向Hと直交する方向を奥行き方向Dとする。
断裁装置4は、図1および図2に示すように、画像形成装置2の用紙搬送方向の下流側に連結され、スリットカッター52とローラー53とを備えている。スリットカッター52およびローラー53は、筐体54の内部に設けられている。
スリットカッター52は、断裁刃を有し、用紙S1の奥行き方向Dの両端部のそれぞれに対応した位置に設置されている。スリットカッター52は、断裁処理が選択されると用紙S1の両端側の余白位置に移動して回転駆動し、画像形成装置2から搬送されてくる用紙S1の余白Gu,Gdを断裁処理する。
ローラー53は、スリットカッター52のそれぞれに対向して配置されている。ローラー53は、画像形成装置2において画像が印刷された用紙S1をスリットカッター52のローラー部とでニップしながら後段の冊子形成装置5に搬送する。なお、ローラー53以外にも複数の搬送ローラーを設けても良い。また、スリットカッター52は、上記構成に限定されず、公知の技術を採用することができる。
冊子形成装置5は、図1および図2に示すように、断裁装置4の用紙搬送方向の下流側に連結され、受入部31と第1の用紙搬送部32と中折り処理部33と第2の用紙搬送部34(図3参照)と中綴じ処理部36と複合処理部37とを有している。なお、中折り処理部33は折り部の一例を構成し、中綴じ処理部36は綴じ部の一例を構成している。
受入部31は、後処理装置3における筐体30の幅方向Wの一側に設けられている。受入部31は、筐体30の画像形成装置2に対向する面に開口している。この受入部31には、断裁装置4から排紙された用紙S1が挿入される。
第1の用紙搬送部32は、モータ(不図示)により駆動される複数のローラー32aと、幅方向Wに沿って配置された搬送路32bから構成されている。この第1の用紙搬送部32は、受入部31が受け取った用紙S1を中折り処理部33に搬送する。
中折り処理部33は、折り位置調整部材35と、互いに圧接された2つの折りローラー33a,33aと、不図示の折り板とを有している。
折り位置調整部材35は、例えば奥行き方向Dに延びる板状部材から構成され、折りローラー33a,33aの幅方向Wの下流側に設けられている。折り位置調整部材35は、幅方向Wに沿って移動可能に設けられ、搬送される用紙S1の幅方向Wの下流側端部をその板面に押し当てることで用紙S1の折り位置Pbが折り板の直上(折りローラー33a,33b間)に位置するように用紙S1を移動させる。段付きの冊子S2を作成する場合には、用紙S1毎に設定される折り位置Pbに応じて折り位置調整部材35を移動させることにより用紙S1の折り位置Pbの整合を行う。
なお、本例では、用紙S1の折り位置Pbを折り位置調整部材35により片寄せして整合させた例を説明したが、これに限定されることはない。例えば、折りローラー33a,33aの幅方向Wの両側のそれぞれに折り位置調整部材を設け、この2つの折り位置調整部材を中央側に寄せていくことで用紙S1の折り位置Pbを整合させるようにしても良い。
2つの折りローラー33a,33aは、互いに逆方向に回転する。折り板は、折り位置調整部材35により折り位置Pbが整合された用紙S1を押圧して2つの折りローラー33a,33aの間に用紙S1の中央(折り位置Pb)を通過させる。その後、2つの折りローラー33a,33aは、回転方向を反転させて用紙S1を高さ方向Hの下方へ排出する。これにより、用紙S1は、中央が高さ方向Hの上方に凸となるように折り曲げられ、中折り処理が終了する。
図3A〜図3Cは、後処理装置3における中綴じ処理部36を幅方向Wから見た概略構成図である。図3Aに示すように、中折り処理部33の2つの折りローラー33a,33aの高さ方向Hの下方には、第2の用紙搬送部34が配置されている。第2の用紙搬送部34は、奥行き方向Dに沿って配置されている。この第2の用紙搬送部34は、中折り処理部33によって中折り処理された用紙S1を中綴じ処理部36に搬送する。
中綴じ処理部36は、鞍部材40と、ステープル処理部41と、整合部材42と、第1ストッパ44とを有している。鞍部材40は、奥行き方向Dから見た形状が略三角形に形成され、一の頂部が高さ方向Hの上方に向いている。鞍部材40の頂部には、中折り処理された用紙S1における折り目の内側が載置される。このとき、用紙S1の折り目は、鞍部材40における頂部の稜線に沿って配置される。鞍部材40には、複数枚の用紙S1が集積されて用紙束Sが形成される。
ステープル処理部41は、鞍部材40内に配置された受針機構41aと、受針機構41aと対向する打針機構41bとから構成されている。受針機構41aは、不図示の支持部により高さ方向Hに移動可能に支持されている。打針機構41bは、鞍部材40における高さ方向Hの上方で、不図示の取付部材に固定されている。
また、鞍部材40における高さ方向Hの上方には、整合部材42と、第1ストッパ44が配置されている。整合部材42は、奥行き方向Dへ移動可能に構成されている。第1ストッパ44は、高さ方向Hと奥行き方向Dへ移動可能に構成されている。さらに、鞍部材40における奥行き方向Dの下流側には、冊子搬送部43が配置されている。この冊子搬送部43の高さ方向Hの上方には、第2ストッパ45が配置されている。
ここで、図3A〜図3Cを参照して、中綴じ処理部36における中綴じ処理動作について説明する。まず、図3Aに示すように、整合部材42は、鞍部材40に所定枚数の用紙S1が集積されて用紙束Sが形成された後、用紙束Sを第1ストッパ44に押し当てることで、用紙束Sの位置揃えを行う。次に、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束Sに一回目のステープル処理を行う。このとき、第1ストッパ44は、所定の高さまで上昇する。
一回目のステープル処理が行われると、図3Bに示すように、整合部材42は、奥行き方向Dの下流側へ所定量移動する。これにより、用紙束Sは、整合部材42によって、二回目のステープル処理が行われる位置まで押し出される。そして、ステープル処理部41の受針機構41aが上昇して、用紙束Sに二回目のステープル処理を行うことにより冊子S2を作成する。
二回目のステープル処理を実施しているときに、第1ストッパ44は、奥行き方向Dにおける中折り処理部33側へ移動して、冊子S2における上流側の端部の上方に位置する。また、整合部材42は、奥行き方向Dへ移動して所定位置まで後退する。
二回目のステープル処理が行われると、図3Cに示すように、第1ストッパ44は、冊子S2における上流側の端部に対向する位置まで下降する。続いて、第1ストッパ44は、奥行き方向Dにおける第2ストッパ45側へ移動する。これにより、冊子S2は、第1ストッパ44に押し出され、鞍部材40から冊子搬送部43へ移動する。このとき、冊子S2を第2ストッパ45に押し当てることで、冊子S2の位置揃えを行う。冊子搬送部43は、鞍部材40から受け取った冊子S2を複合処理部37まで搬送する。
図1および図2に戻り、複合処理部37は、角背処理部38と、断裁処理部39と、排出部47とを有している。角背処理部38は、鞍部材40から搬送されてくる冊子S2の湾曲した背部をローラーにより押圧することにより冊子S2の背部を平坦化処理する。断裁処理部39は、冊子S2のステープルで綴じ処理した端部とは反対側の端部(以下、小口という)側を断裁して揃える。排出部47は、平坦化処理等が終了した冊子S2を図示しない排紙トレイ上に排出する。
[画像形成システムのブロック構成例]
次に、本発明に係る画像形成システム1のブロック構成例について説明する。図4は、画像形成システム1のブロック構成の一例を示している。図4に示すように、画像形成システム1の画像形成装置2は、画像形成システム1の全体動作をメインで制御する制御部15を備えている。制御部15は、CPU(Central Processing Unit)を有しており、後述する制御プログラムに従って断裁装置4の制御部50や冊子形成装置5の制御部90と連動しながら画像形成処理や後処理を実行する。
制御部15には、操作表示部14と、記憶部17と、画像処理部18と、画像形成部13と、通信部15aとがそれぞれ接続されている。操作表示部14は、画像形成条件や後処理条件等の各種指定を受け付け、この受け付けた各種指定に基づくジョブ情報を制御部15に供給する。なお、ジョブ情報は、画像形成装置2にネットワークを介して接続されたコンピュータ等の操作部によっても受け付けることができる。
ここで、ジョブ情報には、画像形成部13による印刷処理および後処理装置3による各種後処理に関する設定内容を記述する印刷設定情報、画像を表すPDL(Page Description Language)形式の印刷データが含まれている。印刷処理に関する印刷設定情報としては、レイアウトや、紙種、サイズ、両面等の情報がある。後処理に関する設定内容を記述する印刷設定情報としては、後処理の有無や、後処理モードの内容、冊子の綴じ方向、冊子の用紙枚数、段付きの有無、段差量、余白の断裁処理の有無等の情報がある。
画像形成部13は、制御部15の制御により、画像処理部18により生成された画像データに基づく印刷画像を用紙収容部27から給紙された用紙S1に印刷する。
記憶部17は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)とを有している。ROMは、画像形成装置2の基本動作を制御するプログラム等を格納する。RAMは、作業領域として制御プログラムを一時的に保持する。HDDは、OSや制御プログラム等を格納する。
画像処理部18は、画像形成装置2にネットワークを介して接続されるコンピュータ等から受信したジョブ情報に基づいて印刷用の画像データを生成する。画像処理部18は、後処理として中綴じ処理を行う場合、中綴じ用のページレイアウトとなるよう、画像データの頁順を入れ替える処理(画像の割り付け処理)を行う。
通信部15aは、断裁装置4の通信部50aに接続され、断裁装置4との間において印刷設定情報の通信を行う。印刷設定情報には、後処理モードの内容、サイズ情報、中綴じ処理を行う場合の折り位置情報、画像幅情報等が含まれている。折り位置情報や画像幅情報は、段差量情報やサイズ情報、枚数情報等に基づいて制御部15により算出される。
断裁装置4は、各部の動作を制御する制御部50を備えている。制御部50は、CPUを有しており、制御プログラムに従って画像形成装置2の制御部15等と連動しながら用紙S1の余白の断裁処理を実行する。制御部50には、通信部50aと断裁用駆動部520とがそれぞれ接続されている。
通信部50aは、画像形成装置2の通信部15aおよび冊子形成装置5の通信部90aのそれぞれに接続され、画像形成装置2から送信される印刷設定情報を取得すると共に、取得した印刷設定情報を制御部50や冊子形成装置5の通信部90aに送信する。
断裁用駆動部520は、例えばステッピングモータ等から構成され、制御部50から供給される駆動信号に基づいてスリットカッター52を駆動して用紙S1の余白Gu,Gdの断裁処理を実行する(図9参照)。この駆動信号は、印刷設定情報の断裁処理の有無を示す情報や余白量に基づいて生成される。
冊子形成装置5は、各部の動作を制御する制御部90を備えている。制御部90は、CPUを有しており、制御プログラムに従って画像形成装置2の制御部15等と連動しながら中折り処理や中綴じ処理を実行する。
制御部90には、通信部90aと、中折り用駆動部330と、中綴じ用駆動部410とがそれぞれ接続されている。通信部90aは、断裁装置4の通信部50aに接続され、断裁装置4の通信部50aを経由して画像形成装置2から送信される後処理モード情報、折り位置情報、段差量情報等の印刷設定情報を取得する。
中折り用駆動部330は、例えばステッピングモータ等から構成され、制御部90から供給される駆動信号に基づいて折り位置調整部材35や中折りローラー33a,33a等を駆動することで用紙S1の中折り処理を実行する。この駆動信号は、印刷設定情報の折り位置情報や段差量情報等に基づいて生成される。
中綴じ用駆動部410は、ステッピングモータ等から構成され、制御部90から供給される駆動信号に基づいてステープル処理部41を駆動することで鞍部材40上に集積された複数枚の用紙S1の中綴じ処理を実行する。
[冊子の構成例]
次に、本発明に係る冊子S2の構成の一例について説明する。図5Aは冊子S2の構成の一例を示す斜視図であり、図5Bはその平面図であり、図5Cはその側面図である。図6は、段差部Uを有する冊子S2を構成する各用紙S1の折り位置Pbを説明するための図である。図5および図6に示すように、冊子S2は、4枚のA3サイズ(297mm×420mm)の用紙S11,S12,S13,S14を左開きで中綴じ処理することにより構成されている。
冊子S2を構成する1枚目の用紙S11の表面側には折り位置Pb1を基準として画像が均等に面付け印刷され、その裏面側にも折り位置Pb1を基準として画像が均等に面付け印刷される。用紙S12〜S14の表裏面についても同様に画像が面付け印刷される。このとき、画像は、中綴じ処理したときに頁順となるように各用紙S11,S12,S13,S14の表裏面のそれぞれに割り付けられて印刷される。例えば、用紙S11の表面側には7頁,10頁に対応した画像が印刷され、その裏面側には8頁,9頁に対応した画像が印刷される。
また、冊子S2は、小口側が段差状にずれた段差部Uを有している。本例では、冊子S2に段差部Uを設けるために、各用紙S11,S12,S13,S14の折り位置Pbを用紙一枚毎に中心位置Paから離れる方向にずらして設定している。なお、A3サイズの用紙S1を用いる場合、通常の中心位置Paは用紙S1の両端側から210mmの位置となる。
例えば、段差部Uにおける頁間の段差量を2mmに設定した場合、各用紙S1の折り位置Pbは以下のように設定される。冊子S2において最も内側に配置される用紙S11の折り位置Pb1は、中央位置Paから右方向に1mmだけずれた位置に設定され、用紙S11の左端から211mm、右端から209mmの位置とされる。冊子S2において内側から2枚目となる用紙S12の折り位置Pb2は、中央位置Paから右方向に3mmだけずれた位置に設定され、用紙S12の左端から213mm、右端から207mmの位置とされる。
冊子S2において内側から3枚目となる用紙S13の折り位置Pb3は、中央位置Paから右方向に5mmだけずれた位置に設定され、用紙S13の左端から215mm、右端から205mmの位置とされる。冊子S2において最も外側に配置される4枚目の用紙S14の折り位置Pb4は、中央位置Paから右方向に7mmだけずれた位置に設定され、用紙S14の左端から217mm、右端から203mmの位置とされる。
折り位置が設定された各用紙S11,S12,S13,S14は、中折り処理部33により各折り位置Pb1,Pb2,Pb3,Pb4にて順に山折り処理された後、鞍部材40上に集積される。鞍部材40上に集積された用紙S11,S12,S13,S14は、山折りされた位置(折り位置Pb1〜Pb4)にて綴じ処理部36により中綴じ処理される。
これにより、全16頁の中綴じ処理された冊子S2が作成される。本例では、各用紙S11,S12,S13,S14の各折り位置Pb1,Pb2,Pb3,Pb4を中央位置Paから離れる方向にずらしていくので、冊子S2の小口側に頁間が段差状にずれた段差部Uを形成することができる。
[画像サイズの調整について]
次に、段差部Uを設けた冊子S2の各用紙S1に印刷する画像サイズについて説明する。図7Aは冊子S2に段差部Uを設けた場合における調整前の画像サイズを説明するための図であり、図7Bは調整後の画像サイズを説明するための図である。ここで、段差部Uを設けない場合において、A3サイズの用紙S1を中折り処理(中綴じ処理)すると、中折り処理後の各頁のサイズはA4サイズ(210mm×297mm)となる。そのため、A4サイズの各頁に印刷される画像データは、210mm×297mmで規定される画像領域内に収まるようなサイズに調整される。
これに対し、段差部Uを有する冊子S2を作成する場合には、各用紙S1の折り位置Pbを中央位置Paから離れる方向にずらしていくため、折り位置Pbのシフトにより一方側の頁の用紙幅が狭くなってしまう。例えば、図6に示したように、冊子S2において最も外側に配置される用紙S14の第1頁、第2頁(以下、頁Pという)では、折り位置Pbのシフトにより用紙幅が203mmとなり、最少サイズの用紙幅となる。そのため、用紙幅が最少サイズの203mmとなる頁において、用紙幅210mmの画像領域に収まるように調整された画像Gが印刷される場合には、図7Aに示すように、画像Gが用紙S1の右端からはみ出してしまうという問題がある。
そこで、本例では、段差部Uを有する冊子S2を作成する場合、最少サイズの頁Pの用紙幅に画像が収まるように、画像サイズを縮小(調整)することで印刷処理を行う。制御部15は、例えば冊子S2を構成する用紙S1の枚数と段差部Uにおける段差量とに基づいて画像サイズの縮小率(高さ×幅)を算出し、算出した縮小率に基づく画像Gを画像処理部18を制御して生成する。これにより、図7Bに示すように、最少サイズの頁Pに画像Gを印刷した場合でも、頁Pから画像Gがはみ出すことを防止できるようになる。
[余白の断裁について]
次に、画像サイズを縮小した場合に用紙S1の上下部にできる余白Bu,Bdの断裁処理について説明する。図8は、画像サイズを最少サイズの頁に合わせて縮小した場合にできる冊子S2の余白Bu,Bdを説明するための図である。図9は、冊子S2を構成する用紙S1の余白Bu,Bdを断裁する場合の状態を説明するための図である。図10は、断裁処理された冊子S2の構成の一例を示している。
段差部Uを有する冊子S2を作成する場合において、最少サイズの頁の用紙幅に合わせて画像サイズを縮小すると、図8に示すように、用紙S1の上下部のそれぞれに余白Bu,Bdができる。そこで、本例では、完成物として、上下部のそれぞれに余白Bu,Bdがない、頁全面に画像Gが印刷された冊子S2を望む場合には、断裁(スリット)機能を用いて用紙S1の上下部のそれぞれの余白Bu,Bdを断裁する断裁処理を選択することもできる。
断裁処理を行う場合、最少サイズとなる頁に印刷するための画像サイズが算出された後、この算出された画像サイズに基づいて用紙S1の上下部にできる余白量が算出される。余白量が算出されると、図9に示すように、算出された余白量に基づいてスリットカッター52がカット位置(余白Gu,Gdと画像Gとの境界となる位置)に移動した後に駆動され、搬送されてくる用紙S1の両端側のそれぞれの余白Bu,Bdをカット線L,Lに沿って断裁する。これにより、図10に示すように、完成物として、余白Bu,Bdのない冊子S2を作成することができる。なお、余白量の算出は、画像形成装置2の制御部15が行っても良いし、断裁装置4の制御部50が行っても良い。
[画像形成装置の動作例]
次に、中綴じ処理された段付きの冊子S2を作成する場合における画像形成装置2の動作の一例について説明する。図11は、冊子S2を作成する場合における画像形成装置2の動作の一例を示すフローチャートである。
図11に示すように、ステップS100では、後処理モードに関する情報等を含む印刷設定情報(ジョブ情報)の入力が行われる。ステップS110で画像形成装置2の制御部15は、後処理モードの入力があるか否かを印刷設定情報に基づいて判断する。制御部15は、後処理モードの入力があると判断した場合にはステップS120に進み、後処理モードの入力がないと判断した場合にはステップS140に進む。
後処理モードの入力がある場合、ステップS120で画像形成装置2の制御部15は、後処理モードの内容として中綴じ処理が選択されたか否かを判断する。制御部15は、後処理モードとして中綴じ処理が選択された場合にはステップS130に進み、後処理モードとして中綴じ処理以外の処理が選択された場合にはステップS150に進む。
後処理モードとして中綴じ処理が選択されると、ステップS130で画像形成装置2の制御部15は、中綴じ処理に関する詳細な印刷設定情報を操作表示部14等から取得する。印刷設定情報には、例えば冊子S2の頁数や段差部Uの段差量等の情報が含まれている。
一方、後処理モードとして中綴じ以外の後処理が設定されると、ステップS150で画像形成装置2の制御部15は、中綴じ処理以外に関する詳細な印刷設定情報を操作表示部14等から取得する。中綴じ処理以外のその他の後処理としては、例えば平綴じ処理やくるみ製本処理等が挙げられる。
後処理モードとして中綴じ処理や中綴じ処理以外の印刷設定情報を取得すると、ステップS140で画像形成装置2の制御部15は、後処理モードの内容を確定する。
続けて、後処理モードの内容として中綴じ処理が選択された場合の画像形成装置2の動作の一例について説明する。図12は、後処理モードとして中綴じ処理が選択された場合の画像形成装置2の動作の一例を示すフローチャートである。
図12に示すように、ステップS200で画像形成装置2の制御部15は、後処理モードとして中綴じ処理が選択されると、中綴じ処理に対応した画像形成処理を開始する。ステップS210で制御部15は、操作表示部14やコンピュータの操作部により受け付けられたジョブ情報に基づく印刷設定情報を認識する。印刷設定情報を認識したら、ステップS220で制御部15は、印刷設定情報に含まれる原稿画像を示す印刷データを読み込むよう画像処理部18を制御する。
ステップS230で制御部15は、認識した印刷設定情報に基づいて後処理が実行可能であるか否かを判断する。具体的には、制御部15は、中綴じ処理された段差部Uを有する冊子S2を作成する場合、印刷設定情報に含まれる段差量が規定値を超えていないか、冊子S2の用紙枚数が規定枚数を超えていないか等を判断する。これは、段差量が規定値を超えている場合には、冊子S2の一方側の頁が長くなってしまうことで、長くなった頁が他の機構に引っかかってしまったり、鞍部材40上において冊子S2のバランスが悪くなってしまったりするからである。冊子S2の用紙枚数が規定値を超える場合でも同様に、鞍部材40上での冊子S2のバランスが悪くなり、冊子S2を安定して保持できなくなってしまうからである。制御部15は、後処理が実行可能であると判断した場合にはステップS240に進み、後処理が実行不可能であると判断した場合にはステップS280に進む。
後処理が実行可能である場合、ステップS240で制御部15は、中綴じ処理における各設定に応じた設定別の印刷処理を行う。中綴じ処理は、後述するように、画像を用紙全面に印刷する全面印刷モードと、画像を面付け印刷する小冊子モードと、段差部Uを設けて画像を面付け印刷する段付き冊子モードの3つのモードを有している。中綴じ処理における各モードの設定は、操作表示部14の操作画面等において行うことができる。
ステップS250で制御部15は、断裁装置4および冊子形成装置5のそれぞれに画像形成処理や後処理に関する印刷設定情報を送信する。印刷情報としては、例えば、後処理モード情報、サイズ情報、中綴じ処理を行う場合の折り位置情報、画像幅情報等である。
ステップS260で制御部15は、中綴じ処理の各設定モードに応じた設定別の画像形成処理が終了したか否かを判断する。制御部15は、各設定モードに応じた設定別の画像形成処理が終了したと判断した場合にはステップS270に進み、各設定モードに応じた設定別の画像形成処理が終了していないと判断した場合にはステップS240に戻る。
一方、後処理が実行不可能であると判断した場合、ステップS280で制御部15は、中綴じ処理が不可能である旨の警告(報知)をユーザに対して行う。警告としては、例えば、操作表示部14やコンピュータの操作部の画面上に、中綴じ処理が不可能である旨のメッセージを表示した後、用紙枚数や段差量等を再度入力させる画面を表示するようにしても良い。警告は音声を用いても良い。また、後処理が実行不可能であると判断した場合、制御部15は、画像形成処理等が開始する前段階において冊子形成動作(ジョブ)を中止させる。これにより、用紙S1が他の機構に引っ掛かる等の問題によりエラーが発生してしまうことを事前に回避することができる。
ステップS270で制御部15は、中綴じ処理の各設定モードに応じた設定別の画像形成処理の一連の動作を完了させる。
続けて、中綴じ処理の各設定モードの動作の一例について説明する。図13は、図12に示したステップS240のサブルーチンである。図14Aは全面印刷モードが設定された場合に用紙S1に印刷される画像の一例であり、図14Bは小冊子モードが設定された場合に用紙S1に印刷される画像の一例であり、図14Cは段付け有りの小冊子モードが設定された場合に用紙S1に印刷される画像の一例である。
図13に示すように、ステップS300で画像形成装置2の制御部15は、後処理が実行可能である場合、中綴じ処理の各設定モードに応じた設定別の印刷処理を行う。制御部15は、全面印刷モード、小冊子モードおよび段付き冊子モードの3つのモードのうちユーザにより設定されたモードを実行する。
ステップS310で制御部15は、小冊子モードが設定されたか否かを印刷設定情報に基づいて判断する。制御部15は、小冊子モードが設定されたと判断した場合にはステップS330に進む。一方、制御部15は、小冊子モードが設定されていないと判断した場合には、全面印刷モードが設定されたと判断してステップS320に進む。
全面印刷モードが設定された場合、ステップS320で制御部15は、全面印刷モードの印刷処理を実行する。全面印刷モードでは、図14Aに示すように、用紙S1の折り位置Pbに関係なく、用紙S1を基準として用紙全面に画像G1が印刷される。
一方、小冊子モードが設定された場合、ステップS330で制御部15は、段付け指定があるか否かを印刷設定情報に基づいて判断する。制御部15は、段付け指定があると判断した場合にはステップS350に進み、段付け指定がないと判断した場合にはステップS340に進む。
段付け指定がない場合、ステップS340で制御部15は、通常の小冊子モードの印刷処理を実行する。小冊子モードでは、図14Bに示すように、用紙S1の折り位置Pbを基準として各頁P1,P2のそれぞれに画像G2,G3が割り付けられて印刷される。
一方、段付け指定がある場合、ステップS350で制御部15は、印刷設定情報に含まれる段差部Uに関する段差量情報およびサイズ情報等を確認する。ステップS360で制御部15は、確認した段差量情報およびサイズ情報等に基づいて、各用紙S1の折り位置Pbを算出する。また制御部15は、段差量情報および用紙枚数情報に基づいて、冊子S2において最少となる頁を判断し、この判断した最小サイズの頁を基準として画像サイズおよび画像の印刷位置の調整を行う。
ステップS370で制御部15は、段付け有りの小冊子モードの印刷処理を実行する。段付け有りの小冊子モードでは、図14Cに示すように、用紙S1の折り位置Pbを基準として、最小サイズ(最少幅)となる頁P3に収まるように調整された画像G4が印刷される。頁P3に隣接する頁P4についても、折り位置Pbを基準として、画像G4と同一サイズの画像G5が折り位置Pb側に寄せて印刷される。
[後処理装置の動作例]
次に、中綴じ処理された段付きの冊子S2を作成する場合における後処理装置3側の動作の一例について説明する。図15は、後処理装置3の動作の一例を示すフローチャートである。図15に示すように、ステップS400で後処理装置3は、後処理モードとして中綴じ処理が設定されると中綴じ処理モードを実行する。ステップS410で断裁装置4の制御部50は、画像形成装置2から送信される印刷設定情報の内容を確認する。同様に、冊子形成装置5の制御部90についても、画像形成装置2から送信される印刷設定情報の内容を確認する。
ステップS420で断裁装置4の制御部50は、確認した印刷設定情報から用紙S1の余白Gu,Gdを断裁する断裁処理が設定されているか否かを判断する。制御部50は、断裁処理が設定されていると判断した場合にはステップS430に進む。一方、制御部50は、断裁処理が設定されていないと判断した場合には、画像形成装置2から搬送される用紙S1の断裁処理を行わずに後段の冊子形成装置5に搬送し、ステップS440に進む。
ステップS430で断裁装置4の制御部50は、断裁処理を実行する。制御部50は、カット位置にスリットカッター52を移動させた後(図9参照)にスリットカッター52を駆動し、搬送されてくる用紙S1の上下部にできる余白Bu,Bdを断裁する。余白Bu,Bdの断裁が終了した用紙S1は、後段の冊子形成装置5に搬送される。
ステップS440で冊子形成装置5の制御部90は、中折り処理を実行する。制御部90は、画像形成装置2の制御部15から送信される印刷設定情報に含まれる用紙S1毎に設定される折り位置情報に基づいて、各用紙S1の折り位置Pbを折り位置調整部材35により整合させる。制御部90は、整合が終了したら中折り処理部33を制御して各用紙S1を折り位置Pbに沿って中折り処理する。
ステップS450で冊子形成装置5の制御部90は、冊子S2を構成する最終用紙の中折り処理が終了したか否かを印刷設定情報の枚数情報に基づいて判断する。制御部90は、最終用紙の中折り処理が終了したと判断した場合にはステップS460に進み、最終用紙の中折り処理が終了していないと判断した場合にはステップS410に戻り、最終用紙の中折り処理が終了するまで上述した処理を繰り返し実行する。
ステップS460で冊子形成装置5の制御部90は、中綴じ処理を実行する。制御部90は、中折り処理された用紙S1を鞍部材40上に順次積載して用紙束Sを形成した後、ステープル処理部41により各用紙S1の綴じ位置(折り位置Pb)にて中綴じ処理する。このような一連の画像形成処理動作および後処理動作により、一端側に段差部Uを有する中綴じ処理された冊子S2を作成することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、用紙1枚毎に用紙S1の折り位置Pbを中央位置Paから離れる方向にずらして中綴じ処理することにより冊子S2を作成するので、頁毎に段差状にずれた段差部Uを冊子S2の一端側に設けることができる。これにより、頁がめくり易い中綴じ冊子S2を提供することができる。
また、折り位置Pbのシフトにより冊子S2の最少サイズとなる頁から画像がはみ出さないようにするために、頁の画像領域に合うように画像サイズを縮小すると共に縮小した画像の印刷位置を調整して各頁に印刷するので、見栄えの良い中綴じ冊子S2を作成することができる。また、画像を折り位置Pb側に寄せて形成した場合には、画像が外部に露出しないので、ユーザが触ることによる汚れを防止することができる。
また、画像を縮小印刷した場合に形成される余白Gu,Gdを断裁処理する機能を備えることで、頁の全面に画像が印刷された冊子S2を提供することができる。これにより、冊子S2の見栄えをより向上させることができると共に、ユーザの多様な要望にも対応することができる。
また、鞍部材40を用いることで、1枚毎に折り位置Pbをずらして中折り処理した用紙S1を順次鞍部材40上に載置することができる。これにより、中綴じの冊子S2においても段差部Uを形成することができる。
さらに、ユーザにより設定される冊子S2の用紙枚数や段差部Uの段差量に基づいて、冊子S2の作成が不可能である場合に警告を行うので、ユーザはこの警告に基づき用紙枚数等の条件を再度設定することができる。これにより、迅速かつ無駄のない冊子形成処理が可能となる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、上述した図5および図6に示した冊子S2の例では、用紙S1の折り位置Pbを用紙一枚毎にずらすことにより段差部Uを形成していたが、用紙S1の折り位置Pbを用紙複数枚毎(1セット毎)にずらすことにより段差部Uを形成することもできる。
図16は、用紙S1の折り位置Pbを2枚単位でずらして段差部Uを形成した場合の冊子S3の構成の一例を示している。図16に示すように、最も内側に配置される用紙S11の折り位置Pb1は、中央位置Paと同一位置に設定され、用紙S11の左端から210mm、右端から210mmの位置とされる。
内側から2枚目に配置される用紙S12の折り位置Pb2および最も外側に配置される3枚目の用紙P13の折り位置Pb3は、中央位置Paから右方向に4mmだけずれた位置に設定され、用紙S11の左端から214mm、右端から206mmの位置とされる。
このように、用紙2枚を1セットとして折り位置Pbをずらして中綴じ処理した場合でも、小口側が段差状にずれた段差部Uを有する冊子S3を作成することができる。なお、本例では、用紙2枚を1セットとして折り位置Pbをずらして冊子S3を作成したが、用紙2枚に限定されることはなく、3枚以上を1セットとして折り位置Pbをずらして冊子を作成するようにしても良い。
また、上述した実施の形態では、左開きの冊子S2について説明したが、もちろん右開きの冊子S4を作成することもできる。図17Aは右開きの冊子S4の構成の一例を示す斜視図であり、図17Bはその側面図である。
図17Aおよび図17Bに示すように、冊子S4は、右開きで中綴じ処理することにより作成され、冊子S4の小口側には段差部Uが設けられている。冊子S4の段差部Uは、各用紙S1の折り位置Pbを中央位置Paから離れた位置から中央位置Paに近づく方向にずらしながら中折り処理し、中折り処理した複数枚の用紙S1を中綴じ処理することにより作成される。
また、本例では、制御部15が、冊子S2の各頁に印刷される画像を、折り位置Pbを基準として折り位置Pb側に寄るように印刷制御を行っているが、これに限定されることはない。例えば、段差部Uを基準として画像が段差部U側に寄るように印刷制御を行うこともできる。この場合、段差部Uでは、画像が外部に露出することになるので、ユーザが冊子S2を閉じた状態でも画像を視認することができる。
また、冊子S2の段差部Uに文字や記号等の識別情報を印刷することで、段差部Uをインデックスとしても利用することができる。
また、上述した実施の形態では、断裁装置4と冊子形成装置5とで別々の装置構成としたが、これに限定されることはない。例えば、断裁装置4と冊子形成装置5とを一つの筐体に内蔵させた構成とすることにより、単一の後処理装置3として構成することもできる。また、画像形成装置2をモノクロ画像を形成する構成としたが、カラー画像を形成する構成とした場合でも本発明を適用することができる。
また、上記実施の形態では、画像形成装置2の制御部15がメインとなり、他の制御部50,90と連動して画像形成処理や後処理を行う例を説明したが、これに限定されることはなく、他の制御部50,90がメインとなって画像形成処理や後処理を行うこともできる。