以下に添付図面を参照して、この発明にかかるポイント処理システム、ポイント処理方法およびポイント処理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(ポイント処理システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システムのシステム構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システムのシステム構成を示す説明図である。図1において、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、ポイント処理装置110と、店舗の端末装置120と、利用者の端末装置130と、を備えている。
ポイント処理装置110は、インターネットなどのネットワーク140を介して、店舗の端末装置120や利用者の端末装置130と通信可能に接続されている。この実施の形態において、ポイント処理装置110は、決済サーバとしても機能する。ポイント処理装置110は、決済サーバとは別体であってもよく、この場合決済サーバと通信可能なコンピュータ装置によって実現することができる。ポイント処理装置110は、具体的には、たとえば、サーバコンピュータなどと称されるコンピュータ装置(図2を参照)によって実現することができる。
店舗の端末装置120は、インターネットなどのネットワーク140を介して、ポイント処理装置110と通信可能に接続されている。店舗の端末装置120は、具体的には、たとえば、POS端末によって実現することができる(図3を参照)。店舗の端末装置120は、たとえば、カード決済機能を備えたPOS端末によって実現してもよい。
店舗の端末装置120は、CAT(Credit Authorization Terminal)端末などのカードの信用照会端末や、INFOX端末などの多機能決済端末が接続されていてもよい。店舗の端末装置120が備える多機能決済端末は、当該店舗の端末装置120を実現するPOS端末に一体に組み込まれていてもよい。
利用者の端末装置130は、インターネットなどのネットワーク140を介して、ポイント処理装置110と通信可能に接続されている。利用者の端末装置130は、具体的には、たとえば、パーソナルコンピュータなどと称されるコンピュータ装置(図4−1を参照)や、スマートフォンなどの携帯型電話機(可搬性のコンピュータ装置)によって実現することができる(図4−2を参照)。
(ポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成するポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成するポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図2において、コンピュータ装置は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、HDD(ハードディスクドライブ)204と、HD(ハードディスク)205と、ネットワークI/F(インターフェイス)206と、を備えている。ポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置が備える各部201〜206は、バス200によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、ポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM202は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HDD204は、CPU201の制御にしたがってHD205に対するデータのリード/ライトを制御する。HD205は、HDD204の制御で書き込まれたデータを記憶する。
ネットワークI/F206は、インターネットなどのネットワーク140を介して利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置や店舗の端末装置120に接続されている。ネットワークI/F206は、インターネットなどのネットワークと内部とのインターフェイスをつかさどり、ポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置におけるデータの入出力を制御する。
(店舗の端末装置120のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成する店舗の端末装置120のハードウエア構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成する店舗の端末装置120のハードウエア構成を示すブロック図である。
図3において、店舗の端末装置120は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、HDD304と、HD305と、ディスプレイ306と、タッチパネル307と、キーボード308と、バーコードスキャナ309と、プリンタ310と、ドロワ開放装置311と、ネットワークI/F312と、スピーカー313と、カードリーダ314と、を備えている。また、店舗の端末装置120が備える各部301〜314は、バス300によってそれぞれ接続されている。
CPU301は、店舗の端末装置120全体の制御をつかさどる。ROM302は、カード決済時、商品の売り上げ登録時あるいは売り上げの精算時などに実行させる各種のプログラムなどを記憶している。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。CPU301は、たとえばカード決済に際して、ネットワークI/F312を介してポイント処理装置110との間で通信をおこなう。
店舗の端末装置120は、ネットワークI/F312を介して、ポイント処理装置110との間で直接通信をおこなうことができる。また、店舗の端末装置120は、ネットワークI/F312を介して店舗ごとあるいはグループごとに設けられたサーバコンピュータに接続し、当該サーバコンピュータを介してポイント処理装置110との間で通信をおこなってもよい。
HDD304は、CPU301の制御にしたがって、HD305に対するデータのリード/ライトを制御する。HDD304は、HD305の制御によって書き込まれたデータを記憶する。具体的には、HD305は、たとえば商品マスタファイルや売り上げファイルなどを記憶している。店舗の端末装置120における商品マスタファイルや売り上げファイルは、たとえば、上記のサーバコンピュータから取得することができる。商品マスタファイルや売り上げファイルについては公知であるため説明を省略する。
ディスプレイ306は、たとえば液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ306は、カーソル、アイコン、ツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータに関するウインドウ(ブラウザ)を表示する。この実施の形態の店舗の端末装置120は、店員側に情報を表示するディスプレイと、利用者側に情報を表示するディスプレイとのように、1台あたり複数のディスプレイ306を備えている。ディスプレイ306は、店員側に情報を表示するディスプレイのみであってもよい。
タッチパネル307は、ディスプレイ306の表示面側に積層され、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置(操作位置)に応じた電気信号を、CPU301に対して出力する。タッチパネル307は、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式など公知の各種の方式のものを用いることができる。キーボード308は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、操作されたキーに応じた信号をCPU301に対して出力する。
バーコードスキャナ309は、商品に付されたバーコードや2次元コードなどを光学的に読み取ることが可能な光学式マーク認識装置(OMR:Optical Mark RecognitionもしくはOptical Mark Reader)によって実現することができる。バーコードスキャナ309は、LEDなどの光源、光源からの光を走査させるポリゴンミラー、読み取り対象物からの反射光を受光するセンサ、センサが受光した光信号をデコードするデコード回路などを備えている。センサとしてCCDイメージセンサを採用することにより、2次元コードを読み取ることが可能になる。デコード回路がデコードしたデータは、CPU301に出力される。
プリンタ310は、ロール紙に対して決済の内容などを印字する印字処理をおこなう。サーマルプリンタ、レーザプリンタ、インクジェットプリンタなど公知の各種の印字方式のプリンタによって実現することができる。プリンタ310は、ロール紙を保持するロール紙保持機構、ロール紙に対して印字をおこなうプリンタヘッド、印字済みのロール紙を任意の長さでカットするカッタ機構などを備えて構成されている。
ドロワ開放装置311は、店舗の端末装置120に対して所定の操作がおこなわれた場合に、当該店舗の端末装置120に接続されたドロワ装置を開放する。ドロワ開放装置311は、具体的には、たとえばソレノイドなどによって実現することができ、キーボード308における「預/現計」キーの操作に応じてCPU301から出力された開放信号を受信した場合に動作してドロワ装置を解錠する。
スピーカー313は、商品をスキャンした場合の『ピッ』という音声やエラーなどの異常発生時の報知音を出力する。スピーカー313は、ボイスコイル(図示を省略する)を備えており、CPU301から出力された音声信号にしたがった電気信号をボイスコイルに印加することによって音声を出力する。
カードリーダ314は、ポイントカードなどのカードに記録されたデータを読み出す。また、カードリーダ314は、カードを用いた決済において用いられる、クレジットカードなどのカードに記録されたデータを読み出すことが可能なものであってもよい。カードは、ICチップを備えたタイプであってもよいし、磁気ストライプを備えたタイプであってもよい。
(利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。図4−1は、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
図4−1において、利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置は、CPU411と、ROM412と、RAM413と、HDD414と、HD415と、ディスプレイ416と、入力デバイス417と、ネットワークI/F418と、を備えている。利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置が備える各部411〜418は、バス410によってそれぞれ接続されている。
CPU411は、利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置全体の制御をつかさどり、RAM413をワークエリアとしながらROM412に記憶された各種プログラムを実行する。HDD414は、CPU411の制御にしたがってHD415に対するデータのリード/ライトを制御する。HD415は、HDD414の制御で書き込まれたデータを記憶する。
ディスプレイ416は、各種の表示画面を表示する。具体的には、ディスプレイ416は、たとえば、買い物条件を指定する入力画面や、決済承認要求に対する承認情報を入力する入力画面などを表示する。ディスプレイ416は、具体的には、たとえばTFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなど、公知の各種のディスプレイによって実現することができる。
入力デバイス417は、複数の入力キーを備えたキーボードによって実現することができる。キーボードは、数字を入力するテンキーを備えている。また、キーボードは、入力位置や操作位置を移動させるカーソルキーを備えていてもよい。入力デバイス417は、入力位置や操作位置を指定するマウスなどのポインティングデバイスを備えていてもよい。入力デバイス417は、当該入力デバイス417に対する入力操作に応じた信号を出力する。
ネットワークI/F418は、ポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置との間での通信をおこなう。ネットワークI/F418は、ポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置と利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置の内部とのインターフェイスをつかさどり、ポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置との間におけるデータの入出力を制御する。
利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置は、ネットワークI/F418を介してポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置との間で通信をおこなうことによって、たとえば、ディスプレイ416に表示した各種の入力画面を介して入力された各種の入力情報をポイント処理装置110を実現するコンピュータ装置に送信する。
(利用者の端末装置130を実現する携帯型電話機のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成する利用者の端末装置130を実現する携帯型電話機(可搬性のコンピュータ装置)のハードウエア構成について説明する。図4−2は、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成する利用者の端末装置130を実現する携帯型電話機のハードウエア構成を示すブロック図である。図4−2においては、利用者の端末装置130を実現する携帯型電話機として、スマートフォンのハードウエア構成を示している。
図4−2において、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するスマートフォンは、CPU421と、ROM422と、RAM423と、ネットワークI/F424と、ディスプレイ425と、操作部426と、マイク427と、スピーカー428と、カメラ429と、を備えている。また、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するスマートフォンが備える各構成部421〜429は、バス420によってそれぞれ接続されている。
CPU421は、スマートフォン全体の制御をつかさどる。ROM422は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM423は、CPU421のワークエリアとして使用される。ネットワークI/F424は、インターネットなどのネットワーク140を介して、当該ネットワーク140に接続されたコンピュータ装置や別のスマートフォンとの間におけるデータの入出力を制御する。また、ネットワークI/F424は、電話回線網に接続されており、別のスマートフォン(携帯型電話機やPHS)などの通信端末装置や、固定型電話機との間における音声による通話を実現する。
ディスプレイ425は、たとえば、スマートフォンを携帯型電話機(あるいはPHS)として利用する場合における設定中のモード(マナーモードやドライブモードなど)や電波の受信状態を示す各種のマーク、アイコンあるいはツールボックスなどを表示する。ディスプレイ425は、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。
操作部426は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。操作部426は、たとえば、タッチパネルやキーボードなどによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される操作部426は、当該操作部426に対する入力操作に応じた信号を出力する。
操作部426をタッチパネルによって実現する場合、当該タッチパネルは、ディスプレイ425の表示面側に積層される。タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。
マイク427は、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。スピーカー428は、通話相手側から送信されたデジタル形式の音声データをデジタル/アナログ変換し、アナログ形式の音声データに基づいてスピーカコーンにおけるコイルに通電するなどして音声を出力する。
カメラ429は、操作部426の操作によって撮像対象を撮像し、画像データを生成する。生成された画像データは、RAM423などに記憶される。ネットワークI/F424は、インターネットなどのネットワーク140に接続され、当該ネットワーク140と利用者の端末装置130を実現するスマートフォンの内部とのインターフェイスをつかさどる。
(表示画面例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100における表示画面例について説明する。図5、図6−1および図6−2は、それぞれ、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100における表示画面例を示す説明図である。
図5においては、利用者の端末装置130が備えるディスプレイが表示する表示画面例を示している。図5において、表示画面500は、利用者のカード番号や、現在までに発行されて貯められているポイントのポイント数や、当該ポイントの失効期日(ポイント期限)などを表示する。
また、表示画面500は、ポイントの利用条件を表示する。表示画面500に表示されたポイントの利用条件は、表示画面500を表示した時点で設定されているポイントの利用条件を示すとともに、設定可能なポイントの利用条件の一覧を示している。表示画面500においては、内側が塗り潰された四角によって表示画面500を表示した時点で設定されているポイントの利用条件を示している。また、表示画面500においては、内側が白抜きの四角によって設定可能なポイントの利用条件を示している。
図6−1および図6−2においては、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306が表示する表示画面例を示している。図6−1において、表示画面610は、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306のうち、店員側に情報を表示させるディスプレイに表示される。
表示画面610は、「一点で20円です。今なら○×(商品名)購入(100円)で2ポイントつきます。○×はいかかですか?」などのように、店員が利用者に対して伝える情報を表示する。店員側に情報を表示させるディスプレイには、表示画面に表示した内容を読み上げるだけで当該内容を利用者に伝えることができるようなメッセージのみを表示することが好ましい。表示画面610は、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306のうち、店員側に情報を表示させるディスプレイに先に表示されている情報に重ねて、ポップアップ表示させることができる。
これにより、店員が独自にアレンジしたことをしゃべらせる必要がなく、店員に対して、利用者の対応を迅速におこなわせることができる。そして、これにより、たとえば、昼休み時のコンビニエンスストアや夕方のスーパーマーケットなど、利用者の対応を迅速におこなうべき状況下において、店員に独自のアレンジを求めることによる対応の遅延をなくし、利用者の対応を迅速におこなわせることができる。
図6−2において、表示画面620は、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306のうち、利用者側に情報を表示させるディスプレイに表示される。表示画面620は、「決済処理前までに貯められているポイント(購入前ポイント)」、「決済処理の対象となる利用金額(商品金額)」、「今回の決済で利用する(予定の)ポイント(使用ポイント)」、「利用者に支払いを求める金額(支払い金額)」、「今回の決済によりあらたに発行されるポイント(今回ポイント)」、「今回の決済後のポイント(ポイント残り)」など、決済処理に際して変動するポイントに関する各種の情報を表示する。表示画面620においては、利用者に当該利用者自身が最適と考える内容でポイントを利用できるように、複数の情報を表示することが好ましい。
(ポイント条件データベースの一例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100が用いる各ポイント条件データベースの一例について説明する。この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100においては、ポイント条件データベースを用いて各種の処理を実現する。
ポイント条件データベースは、たとえば、ポイント処理装置110が備えるHD205に記憶される。ポイント条件データベースは、たとえば、ポイント処理装置110と一体に設けられた記憶媒体に記憶されるものに限らない。ポイント条件データベースは、たとえば、ポイント処理装置110とは別体のコンピュータ装置に設けられた記憶媒体やポイント処理装置110とは別体の記憶装置に記憶されるものであってもよい。
図7は、ポイント条件データベースの一例を示す説明図である。図7において、ポイント処理装置110は、利用者の識別情報ごとに、当該利用者に提供した商品またはサービスの代価に応じて発行されたポイントと、当該ポイントの利用条件と、を関連付けて記憶するポイント条件データベース700を備えている。
利用者の識別情報は、利用者を一意に識別可能な情報であって、たとえば、クレジットカードのカード番号などによって実現することができる。クレジットカード番号においては、最初の6桁の銀行識別番号(Bank Identification Number:BIN)によって、クレジットカード会社などのカードの発行事業者を特定することができる。クレジットカード番号は、BINを含み、カードの発行事業者によって割り当てられた任意の数列によって構成され、カードごとに固有の情報とされている。
また、利用者の識別情報は、たとえば、所定桁数の数字やアルファベットを組み合わせた会員番号によって実現してもよい。この場合、会員番号は、たとえば、ポイント処理システム100に加入した利用者に発行された会員カードが備える記憶媒体に記憶することができる。
会員番号などによって実現される利用者の識別情報は、各利用者を識別可能な情報に限るものではない。会員番号などによって実現される利用者の識別情報は、各利用者を識別するのではなく、各利用者に発行されたポイントカードなどのカードを一意に識別可能な情報であってもよい。
この実施の形態において、ポイント処理装置110は、利用者の識別情報の入力をともなっておこなわれた決済処理にかかる代価に応じた数(ポイント数)のポイントを発行する。また、この実施の形態において、ポイント処理装置110は、利用者が購入した商品や利用者が利用したサービスなど、利用者に提供した商品またはサービスに対して、当該利用者が店舗に支払った金額を代価に決定して、当該代価に応じた数(ポイント数)のポイントを発行する。支払いは、現金を用いておこなわれたものであってもよいし、クレジットカードなどのカードを用いたカード決済によっておこなわれたものであってもよい。
この実施の形態において、ポイント処理装置110は、所定の条件にしたがって、決済処理にかかる代価に応じた数(ポイント数)のポイントを算出し、算出したポイント数分のポイントを利用者に発行する。ポイント処理装置110は、利用者に発行したポイントを、当該ポイントの算出にかかる決済処理に際して入力された利用者の識別情報に関連付けて、ポイント条件データベース700に記憶する。この実施の形態において、ポイント処理装置110は、決済処理をおこなうことによって算出したポイントと、当該ポイントを算出するまでに受け付けた利用者の識別情報のうち入力日時がもっとも遅い(最近の)利用者の識別情報と、を関連付けてポイント条件データベース700に記憶する。
また、この実施の形態において、ポイント処理装置110は、ポイントを算出した日時と、当該ポイントを算出するまでに受け付けた利用者の識別情報のうち入力日時がもっとも遅い(最近の)利用者の識別情報を受け付けた日時と、が所定時間以上離れている場合、ポイントの算出をおこなわないようにしてもよい。これにより、たとえば、前回の決済処理の対象となる利用者が、会員カードを提示して決済の意思を示したものの、支払いをおこなう前に当該決済処理を中断し、その次の回の決済処理の対象となる利用者が会員カードを所持していない場合に、本来、次の回の決済処理の支払いをおこなった利用者にかかる代価に応じたポイントが、前回の決済処理の対象となる利用者の識別情報に記憶されることを回避できる。
たとえば、コンビニエンスストアなどの小売店においては、決済処理を開始する際に、来店者の性別やおおよその年齢などの所定の情報を入力することが広くおこなわれている。この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、たとえば、決済処理を開始する際に所定の情報を入力する運用をおこなっている小売店に適用し、来店者の性別やおおよその年齢などが入力された後の1回目に受け付けた利用者の識別情報と、来店者の性別やおおよその年齢などが入力された後の1回目におこなわれた決済処理にかかるポイントと、を関連付けて、ポイント処理装置110によりポイント条件データベース700に記憶させることができる。
決済処理をおこなうことによって発行したポイントは、次の回以降の決済処理にかかる支払いに充当して利用することができる。決済処理をおこなう際に、前回の決済処理までに発行したポイントを支払いに充当した場合、ポイント処理装置110は、商品やサービスの利用金額から、支払いに充当したポイントに相当する金額を差し引いた金額を代価に決定して、当該代価に相当する分のポイントを発行する。記憶しているポイント数によっては、代価のすべてをポイントで支払うように当該ポイントを充当することができる。
ポイントの利用条件は、上記のように、決済処理をおこなう際に、前回の決済処理までに発行されてポイント条件データベース700が記憶するポイントを、今回の決済処理にかかる支払いに利用するか否かを規定する。この場合、ポイントの利用条件は、具体的には、たとえば、「決済処理をおこなう際にポイントを利用する。」や「決済処理をおこなう際にポイントは利用せず、決済処理をおこなうことによって発行されたポイントを貯める。」などのように設定することによって、ポイント条件データベース700が記憶するポイントを利用するか否かを規定することができる。
また、ポイントの利用条件は、決済処理をおこなう際に、当該決済処理にかかる支払いに充当するポイント数を決定する判断基準を規定してもよい。この場合、ポイントの利用条件は、具体的には、たとえば、「充当可能なだけ利用する。」、「500円に相当する分利用する。」などのように設定することによって、決済処理にかかる支払いに充当するポイント数を決定する判断基準を規定することができる。
また、具体的には、たとえば、「決済処理をおこなう際にポイントを利用する。」という利用条件を設定した場合、ポイントの利用条件によって、ポイントを利用する時期を規定することができる。ポイントを利用する時期を規定するポイントの利用条件は、より具体的には、たとえば、「前回ポイントを利用してから1ヶ月以上経過している場合に利用する。」、「毎月10日から20日の間におこなった決済に際して利用する。」、「ポイントの失効期日の1ヶ月以内になったら利用する。」などのように、ポイントを利用する時期を規定してもよい。また、ポイントの利用条件は、たとえば、「決済金額に充当する。」、「1000ポイント貯まったら景品Aと交換する。」などのように、ポイントをどのように利用するのかを規定してもよい。
また、具体的には、たとえば、「決済処理をおこなう際にポイントを利用する。」という利用条件を設定した場合、どのように利用するかを規定するポイントの利用条件を設定することができる。どのように利用するかを規定するポイントの利用条件は、より具体的には、たとえば、「貯まっているポイントをすべて(可能な限り多く)利用する。」、「100ポイント単位で利用する。」などのように設定することによって、利用すると判断したポイントを、さらに、どのように利用するかを規定することができる。
「100ポイント単位で利用する。」などのようにポイントを利用する際の単位を規定する単位ポイント数は、たとえば、「100ポイント」、「50ポイント」などのように任意に設定することができる。単位ポイント数は、たとえば、「1ポイント」に設定することもできる。単位ポイント数は、たとえば、ポイント処理システム100の運用者などが任意に設定することができる。あるいは、単位ポイント数は、利用者が任意に設定できるようにしてもよい。
単位ポイント数の整数倍となる数は、たとえば、単位ポイント数が100ポイントである場合、「100」、「200」、・・・、「1000」、・・・などの数によって実現される。また、単位ポイント数の整数倍となる数は、たとえば、単位ポイント数が50ポイントである場合、「50」、「100」、・・・、「550」、・・・などの数によって実現される。
ポイントの利用条件は、複数組み合わせることができる。具体的には、たとえば、「1ポイント以上の場合に利用する。」というポイントの利用条件と、「貯まっているポイントをすべて利用する。」というポイントの利用条件と、を設定した場合、決済に際しては、貯まっているポイントのうち充当可能なすべてのポイントが代価に充当される。この場合、ポイント数によっては、充当するポイント数に応じた金額が代価から差し引かれる。また、この場合、記憶しているポイント数によっては、代価のすべてをポイントを利用して支払うことができる。
ポイント条件データベース700が記憶する各情報は、利用者が任意に設定することができる。具体的には、ポイント処理装置110は、たとえば、利用者の端末装置130から、ポイント処理システム100の運営者などが作成した所定のWEBサイトへのアクセス要求を受け付けた場合に、当該利用者の端末装置130に対して、ポイントの利用条件の入力を受け付けるWEBページなどを表示するための画面情報を出力する。
利用者の端末装置130は、ポイント処理装置110から出力された画面情報に基づいてWEBページなどの各種の表示画面を表示する。利用者は、利用者の端末装置130が表示する表示画面の表示内容にしたがってポイントの利用条件を入力する入力操作をおこなう。利用者の端末装置130は、ポイントの利用条件を入力する表示画面を表示している状態で所定の入力操作を受け付けた場合に、ポイント処理装置110に対して、利用条件登録要求を出力する。利用条件登録要求は、利用者の識別情報や、当該利用者が入力したポイントの利用条件に関する情報などを含んでいる。
(ポイント処理装置110の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100が備えるポイント処理装置110の機能的構成について説明する。図8は、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100が備えるポイント処理装置110の機能的構成を示すブロック図である。
図8において、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100が備えるポイント処理装置110の各機能は、記憶部801と、受付部802と、利用条件取得部803と、判断部804と、確認要求出力部805と、応答受付部806と、代価決定部807と、出力部808と、完了通知受付部809と、ポイント算出部810と、更新部811と、残りポイント数判断部812と、報知部813と、更新受付部814と、によって実現される。
ポイント処理装置110の各機能を実現する記憶部801、受付部802、利用条件取得部803、判断部804、確認要求出力部805、応答受付部806、代価決定部807、出力部808、完了通知受付部809、ポイント算出部810、更新部811、残りポイント数判断部812、報知部813、更新受付部814は、この発明にかかる実施の形態のポイント処理装置110を構成する各部によって実現することができる。
記憶部801は、ポイント条件データベース700など、各種のデータベースを備えている。受付部802は、店舗の端末装置120から、商品またはサービスの利用金額および利用者の識別情報を含む決済要求を受け付ける。受付部802は、店舗の端末装置120が読み取ったポイントカードなどのカードに記憶されたカード情報や、店舗の端末装置120が読み取った商品コードに関連付けられた当該商品の販売価格などを含む決済要求を受け付ける。
利用条件取得部803は、ポイント条件データベース700から、受付部802が受け付けた決済要求に含まれる利用者の識別情報に関連付けられたポイントの利用条件を取得する。利用条件取得部803は、受付部802が受け付けた決済要求から当該決済要求に含まれる利用者の識別情報を抽出し、ポイント条件データベース700において、決済要求から抽出した利用者の識別情報に関連付けられて記憶されているポイントの利用条件を取得する。
判断部804は、利用条件取得部803が取得したポイントの利用条件に基づいて、受付部802が受け付けた決済要求に応じた決済処理に、ポイント条件データベース700が記憶するポイントを充当するか否かを判断する。具体的には、判断部804は、たとえば、ポイント条件データベース700において、「100ポイント貯まると使う」というポイントの利用条件が設定され、かつ、該当する利用者の識別情報に関連付けられたポイントのポイント数が150ポイントであった場合に、ポイントを充当すると判断する。
また、判断部804は、受付部802が決済要求を受け付けた時点から所定期間内に失効期日が到来する場合に、ポイントを充当すると判断してもよい。失効期日からさかのぼる所定期間は、たとえば、利用者が任意に設定することができる。また、失効期日からさかのぼる所定期間は、たとえば、ポイント処理システム100の運用者などが任意に設定してもよい。
具体的には、判断部804は、たとえば、所定期間が30日に定められ、かつ、受付部802が2012年4月10日に受け付けた決済要求に基づいてポイント条件データベース700から取得されたポイントの利用条件における失効期日が「2012年5月1日」である場合に、ポイントを充当すると判断する。また、具体的には、判断部804は、たとえば、所定期間が30日に定められ、かつ、受付部802が2012年3月30日に受け付けた決済要求に基づいてポイント条件データベース700から取得されたポイントの利用条件における失効期日が「2012年5月1日」である場合に、ポイントを充当しないと判断する。
また、判断部804は、ポイント条件データベース700が記憶するポイントの数が、ポイントを充当する判断にかかる下限値となる下限ポイント数以上である場合に、当該ポイントを充当すると判断してもよい。ポイントを充当する判断にかかる下限値は、たとえば、利用者が任意に設定することができる。また、ポイントを充当する判断にかかる下限値は、たとえば、ポイント処理システム100の運用者などが任意に設定してもよい。
具体的には、判断部804は、たとえば、ポイント条件データベース700において、下限ポイント数が100ポイントに設定され、かつ、該当する利用者の識別情報に関連付けられたポイントのポイント数が150ポイントであった場合に、ポイントを充当すると判断する。
また、判断部804は、ポイント条件データベース700が記憶するポイントの数が、単位ポイント数以上である場合に、当該ポイントを充当すると判断してもよい。具体的には、判断部804は、たとえば、ポイント条件データベース700において、単位ポイント数が100ポイントに設定され、かつ、該当する利用者の識別情報に関連付けられたポイントのポイント数が150ポイントであった場合に、100ポイントを充当すると判断する。また、具体的には、判断部804は、たとえば、ポイント条件データベース700において、単位ポイント数が100ポイントに設定され、かつ、該当する利用者の識別情報に関連付けられたポイントのポイント数が230ポイントであった場合に、200ポイントを充当すると判断する。
確認要求出力部805は、判断部804が、失効期日に基づいてポイントを充当すると判断した場合に、ポイントを利用金額に充当した金額を代価とする決済処理をおこなうか否かの確認を要求する確認要求を出力する。具体的には、確認要求出力部805は、たとえば、所定期間が30日に定められ、かつ、受付部802が2012年4月10日に受け付けた決済要求に基づいてポイント条件データベース700から取得されたポイントの利用条件における失効期日が「2012年5月1日」である場合に、確認要求を出力する。
確認要求出力部805が出力する確認要求は、たとえば、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306に、「ポイントの失効期限が近づいています。ポイントを利用しますか。」などのメッセージを表示させる指示情報を含む。また、確認要求は、たとえば、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306(客側のディスプレイ)に、「ポイントを利用する。」や「ポイントを利用しないで貯める。」などのように、ポイントを利用した決済処理を承認するか非承認するかについての利用者の意思を入力する操作キーを表示させる指示情報を含んでいてもよい。
ポイント処理システム100の運用上、利用者または店員は、ポイントを利用した決済処理を承認するか非承認するかについての利用者の意思を、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306に表示された操作キーを操作するなどして入力する。店舗の端末装置120は、ポイントを利用した決済処理を承認するか非承認するかについての利用者の意思が入力された場合、入力された内容を通知する応答情報を、ポイント処理装置110に対して出力する。応答受付部806は、確認要求出力部805が出力した確認要求に対して店舗の端末装置120から出力された、決済処理の承認または非承認を通知する応答情報を受け付ける。
代価決定部807は、判断部804が充当しないと判断した場合は受付部802が受け付けた決済要求に含まれる利用金額を代価に決定し、判断部804が充当すると判断した場合は利用条件取得部803が取得したポイントの利用条件に基づいてポイント条件データベース700が記憶するポイントを利用金額に充当したときの金額を代価に決定する。
また、代価決定部807は、応答受付部806が受け付けた応答情報に基づいて代価を決定してもよい。具体的には、たとえば、所定期間が30日に定められ、かつ、受付部802が2012年4月10日に受け付けた決済要求に基づいてポイント条件データベース700から取得されたポイントの利用条件における失効期日が「2012年5月1日」である場合に、確認要求出力部805が確認要求を出力した結果、応答受付部806が該当する決済処理の非承認を通知する応答情報を受け付けた場合、ポイントを充当しないと判断する。
これにより、失効期日に基づいてポイントを充当すると判断される状況であっても、利用者が「失効期日ぎりぎりまでポイントを貯める。」という意思を持っている場合は、該当する決済処理にポイントが充当されることを回避できる。
また、代価決定部807は、単位ポイント数の整数倍のポイントを利用金額に充当したときの金額を代価に決定してもよい。具体的には、代価決定部807は、たとえば、ポイント条件データベース700において、単位ポイント数が100ポイントに設定され、かつ、該当する利用者の識別情報に関連付けられたポイントのポイント数が150ポイントであった場合に、100ポイントを利用金額に充当したときの金額を代価に決定する。
また、具体的には、代価決定部807は、たとえば、ポイント条件データベース700において、単位ポイント数が100ポイントに設定され、かつ、該当する利用者の識別情報に関連付けられたポイントのポイント数が230ポイントであった場合に、200ポイントを利用金額に充当したときの金額を代価に決定する。
代価決定部807は、単位ポイント数の整数倍のポイントを利用金額に充当したときの金額を代価に決定するものに限らない。具体的には、代価決定部807は、たとえば、ポイント条件データベース700において、下限ポイント数が100ポイントに設定され、かつ、該当する利用者の識別情報に関連付けられたポイントのポイント数が150ポイントであった場合に、150ポイントを利用金額に充当したときの金額を代価に決定してもよい。
出力部808は、代価決定部807が決定した代価を店舗の端末装置120に対して出力する。店舗の端末装置120は、ポイント処理装置110から出力された代価を受け付けた場合、当該代価を決済金額とする決済処理をおこなう。決済処理は、現金の支払いをともなう決済処理であってもよく、クレジットカードや電子マネーのなどの現金に代わる決済手段をともなう決済処理であってもよい。店舗の端末装置120がおこなう決済処理については、公知の技術であるため、説明を省略する。店舗の端末装置120は、決済処理をおこなった後、当該決済処理にかかる決済金額を含む決済完了通知を、ポイント処理装置110に対して出力する。
完了通知受付部809は、出力部808が出力した代価に基づいて、店舗の端末装置120がおこなった決済処理にかかる決済金額を含む決済完了通知を受け付ける。ポイント算出部810は、完了通知受付部809が受け付けた決済完了通知に基づいて、当該決済完了通知に含まれる決済金額に応じたポイントを算出する。
更新部811は、ポイント条件データベース700が記憶するポイントのうち受付部802が受け付けた識別情報に関連付けられたポイントに、ポイント算出部810が算出したポイントを加算することによりポイント条件データベース700を更新する。また、更新部811は、完了通知受付部809が受け付けた決済完了通知に含まれる決済金額が、代価決定部807が決定して出力部808が出力した代価と同じであった場合、ポイント条件データベース700が記憶するポイントから、当該代価の決定に供されたポイント数分のポイントを減算することによりポイント条件データベース700を更新する。
残りポイント数判断部812は、受付部802が決済要求を受け付けた場合、単位ポイント数の整数倍となる数と店舗の端末装置120における決済処理後のポイントとの差分が、所定値以下であるか否かを判断する。所定値は、たとえば、ポイント処理システム100の運用者などが任意に設定することができる。
残りポイント数判断部812がおこなう処理についての具体例について説明する。具体例として、たとえば、代価10円あたり0.1ポイントを発行し、かつ、1ポイントを1円に換算して決済金額に充当できる運用条件が設定され、利用者が貯めているポイント数が198ポイントであって、かつ、ポイント条件データベース700において「100ポイント以上の場合に利用する。」というポイントの利用条件と「100ポイント単位で利用する。」というポイントの利用条件とが記憶されている状況下において、120円という決済金額の決済要求を受け付けた場合を例にして説明する。
この場合、決済処理に充当可能なポイント数は100ポイントとなり、決済処理後の残りポイント数は、198ポイント−100ポイント=98ポイントとなる。また、この場合、決済処理に100ポイントを充当するため、代価は20円となる。そして、代価20円となる決済処理をおこなった場合、該当する利用者に対して0.2ポイントが発行されるため、当該利用者の決済処理をおこなった後のポイント数は98.2ポイントとなる。
残りポイント数判断部812は、決済処理をおこなった後のポイント数である98.2ポイントと、「100ポイント単位で利用する。」というポイントの利用条件と、に基づいて、100ポイントと98.2ポイントとの差分を算出し、当該差分があらかじめ定められた所定値以下であるか否かを判断する。この場合、差分は0.8ポイントとなる。
たとえば、判断の基準となる所定値を±1とした場合、上記の例においては差分が0.8ポイントであるため、差分が所定値以下であると判断する。上記の例に示した各条件が設定されている場合、差分が「1.1」あるいは「−1.1」であると、残りポイント数判断部812は、差分が所定値以下ではないと判断する。
報知部813は、残りポイント数判断部812が差分が所定値以下であると判断した場合、当該差分以上のポイントが発行される金額、および、当該金額の商品あるいはサービス、の少なくとも一方を報知する。具体的には、報知部813は、たとえば、上記の残りポイント数判断部812の説明における具体例が示す状況において、判断の基準となる所定値が±1であり、差分が0.8ポイントである場合、店舗の端末装置120に対して、当該店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306に「今なら○×購入(100円分の商品)で2ポイントつきます。○×はいかがですか?」などのように、利用者に対して、100円分の商品の購入を勧めるメッセージを表示させる指示情報を出力する。
店舗の端末装置120が、店員に対して情報を表示するディスプレイと利用者に対して情報を表示するディスプレイとを備えている場合、利用者に対して所定金額の商品の購入を勧めるメッセージは、店員に対して情報を表示するディスプレイに表示してもよく、利用者に対して情報を表示するディスプレイに表示してもよく、いずれのディスプレイにも表示するようにしてもよい。
また、店舗の端末装置120が、利用者に対して情報を表示するディスプレイを備えている場合、報知部813は、利用者に対して情報を表示するディスプレイに、表示画面620のように、利用者のポイントの状況を案内する情報を表示させる指示情報を出力してもよい。これにより、利用者は、状況を素早く理解することができ、該当する金額の商品を購入するかしないかを素早く判断することができる。そして、これによって、当該利用者に後続するつぎの利用者の待ち時間を減らすことができる。
更新受付部814は、利用者の端末装置130から出力された、更新要求を受け付ける。更新要求は、上記のように、利用者の端末装置130から所定のWEBサイトへアクセスすることによって当該利用者の端末装置130において表示された表示画面の表示内容にしたがってポイントの利用条件などを入力する入力操作がおこなわれた場合に、当該利用者の端末装置130から出力される。更新受付部814は、利用者の端末装置130から更新要求を直接受け付けてもよく、利用者の端末装置130から出力された更新要求を所定のWEBサイトを介して受け付けてもよい。上記の更新部811は、更新受付部814が更新要求を受け付けた場合、当該更新要求に基づいて、ポイント条件データベース700におけるポイントの利用条件などを更新する。
(店舗の端末装置120の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の店舗の端末装置120の処理手順について説明する。図9は、この発明にかかる実施の形態の店舗の端末装置120の処理手順を示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、まず、カード情報の入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS901)。ステップS901においては、クレジットカードあるいは会員カードの読み取り処理をおこなったか否かを判断することによって、カード情報の入力を受け付けたか否かを判断する。
ステップS901において、カード情報の入力を受け付けるまで待機し(ステップS901:No)、カード情報の入力を受け付けた場合(ステップS901:Yes)、商品コードの入力を受け付けたか否かを判断する(ステップS902)。ステップS902においては、たとえば、商品に付されたバーコードを読み取ったか否かを判断することによって、商品コードの入力を受け付けたか否かを判断する。ステップS902において、商品コードの入力を受け付けていない場合(ステップS902:No)、商品コードの入力を受け付けるまで待機する。
ステップS902において、商品コードの入力を受け付けた場合(ステップS902:Yes)、入力を受け付けた商品コードに基づいて、当該商品コードに関連付けられている商品情報を取得する(ステップS903)。ステップS903においては、たとえば、あらかじめ、店舗のサーバ装置などにおいて、商品コードごとに当該商品の販売価格や商品名などを関連付けて記憶する商品データベースから、ステップS902:Yesにおいて入力を受け付けた商品コードに関連付けられた商品情報を取得する。
そして、ステップS903において取得した商品情報に基づいて小計金額を算出し(ステップS904)、小計金額を算出するごとに、「預/現計」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS905)。ステップS905において、「預/現計」キーが操作されていない場合(ステップS905:No)、ステップS902に戻り、商品コードの入力を受け付けたか否かを判断する。
一方、ステップS905において、「預/現計」キーが操作された場合(ステップS905:Yes)、ステップS901:Yesにおいてカード情報の入力を受け付けてから、ステップS905:Yesにおいて決済キーが操作されるまでの間に取得した商品情報に基づいて算出された小計金額と、ステップS901:Yesにおいて入力を受け付けたカード情報に含まれる利用者の識別情報と、を含む決済要求を生成する(ステップS906)。そして、ポイント処理装置110に対して、ステップS906において生成した決済要求を送信する(ステップS907)。
つぎに、ステップS907において送信した決済要求に応じてポイント処理装置110から出力された確認要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS908)。ステップS908において、確認要求を受け付けていない場合(ステップS908:No)、ステップS913へ移行する。
一方、ステップS908において、確認要求を受け付けた場合(ステップS908:Yes)、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306に、確認情報を出力する(ステップS909)。ステップS909においては、たとえば、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306に、「ポイントの失効期限が近づいています。ポイントを利用しますか。」などのメッセージや、「ポイントを利用する。」や「ポイントを利用しないで貯める。」などのように、ポイントを利用した決済処理を承認するか非承認するかについての利用者の意思を入力する操作キーを表示させる指示情報を表示させることによって確認情報を出力する。
ステップS910においては、ステップS909において出力した確認情報に対する確認操作を受け付けたか否かを判断する(ステップS910)。ステップS910においては、たとえば、店舗の端末装置120が備えるディスプレイ306に表示させた、「ポイントを利用する。」や「ポイントを利用しないで貯める。」などのように、ポイントを利用した決済処理を承認するか非承認するかについての利用者の意思を入力する操作キーが操作されたか否かを判断することによって、確認操作を受け付けたか否かを判断する。
ステップS910において、ステップS909において出力した確認情報に対する確認操作を受け付けるまで待機し(ステップS910:No)、当該確認操作を受け付けた場合(ステップS910:Yes)、受け付けた確認操作の内容に基づいて応答情報を生成する(ステップS911)。そして、ポイント処理装置110に対して、ステップS911において生成した応答情報を出力する(ステップS912)。
ステップS913においては、ポイント処理装置110から出力された代価を受け付けたか否かを判断する(ステップS913)。ステップS913において、ポイント処理装置110から出力された代価を受け付けていない場合(ステップS913:No)、ステップS908へ戻る。
一方、ステップS913において、ポイント処理装置110から出力された代価を受け付けた場合(ステップS913:Yes)、受け付けた代価に基づいて決済処理を実行する(ステップS914)。ステップS914においては、現金の支払いをともなう決済処理であってもよく、クレジットカードや電子マネーなどの現金に代わる決済手段をともなう決済処理であってもよい。
つぎに、ステップS914において実行した決済処理にかかる決済完了通知を生成し(ステップS915)、ポイント処理装置110に対して、ステップS915において生成した決済完了通知を出力して(ステップS916)、一連の処理を終了する。
(ポイント処理装置110の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理装置110の処理手順について説明する。図10は、この発明にかかる実施の形態のポイント処理装置110の処理手順を示すフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、まず、店舗の端末装置120から出力された決済要求を受け付けるまで待機する(ステップS1001:No)。
ステップS1001において、店舗の端末装置120から出力された決済要求を受け付けた場合(ステップS1001:Yes)、受け付けた決済要求から、当該決済要求に含まれる利用者の識別情報および決済金額を抽出する(ステップS1002)。そして、ステップS1002において抽出した利用者の識別情報に基づいて、ポイント条件データベース700を参照して、当該利用者の識別情報に関連付けられたポイントの利用条件を取得する(ステップS1003)。
つぎに、ステップS1003において取得したポイントの利用条件に基づいて、ステップS1001:Yesにおいて受け付けた決済要求にかかる決済処理に、ポイントを充当するか否かを判断する(ステップS1004)。ステップS1004において、ポイントを充当しない場合(ステップS1004:No)、ステップS1009へ移行する。
一方、ステップS1004において、ポイントを充当する場合(ステップS1004:Yes)、ステップS1003において取得したポイントの利用条件に基づいて、ステップS1004:Yesの判断が、ポイントを充当するという判断が失効期日が近づいていることによる判断結果であるか、すなわち、ポイントの失効期日が近づいているか否かを判断する(ステップS1005)。
ステップS1005において、ポイントを充当するという判断結果が、ポイントの失効期日が近づいていることによる判断結果ではない場合(ステップS1005:No)、ステップS1009へ移行する。一方、ステップS1005において、ポイントを充当するという判断結果が、ポイントの失効期日が近づいていることによる判断結果の場合(ステップS1005:Yes)、確認要求を生成する(ステップS1006)。ステップS1006においては、ポイントを利用金額に充当した金額を代価とする決済処理をおこなうか否かの確認を要求する確認要求を生成する。
そして、ステップS1001:Yesにおいて受け付けた決済要求の送信元となる店舗の端末装置120に対して、ステップS1006において生成した確認要求を出力する(ステップS1007)。その後、ステップS1007において出力した確認要求の送信先となる店舗の端末装置120から、当該確認要求に対する応答情報を受け付けるまで待機する(ステップS1008:No)。
ステップS1008において、ステップS1007において出力した確認要求の送信先となる店舗の端末装置120から、当該確認要求に対する応答情報を受け付けた場合(ステップS1008:Yes)、当該応答情報およびステップS1004の判断結果に基づいて、ステップS1001:Yesにおいて受け付けた決済要求にかかる決済処理の代価を決定する(ステップS1009)。その後、ステップS1001:Yesにおいて受け付けた決済要求の送信元となる店舗の端末装置120に対して、ステップS1009において決定した代価を出力する(ステップS1010)。
つぎに、ステップS1010において出力した代価に基づいて決済処理を実行した店舗の端末装置120から出力された決済完了通知を受け付けるまで待機する(ステップS1011:No)。ステップS1011において、店舗の端末装置120から出力された決済完了通知を受け付けた場合(ステップS1011:Yes)、受け付けた決済完了通知に含まれる決済金額に基づいて、今回の決済処理において発行されるポイントを算出する(ステップS1012)。
その後、ステップS1012において算出したポイントを、ステップS1002において抽出した利用者の識別情報に関連付けられたポイントに加算することによりポイント条件データベース700を更新して(ステップS1013)、一連の処理を終了する。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、店舗の端末装置120から受け付けた決済要求に含まれる利用者の識別情報に関連付けられたポイントの利用条件を取得し、取得したポイントの利用条件に基づいて、決済要求に応じた決済処理に、ポイント条件データベース700が記憶するポイントを充当するか否かを判断する。
そして、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、充当しないと判断した場合は決済要求に含まれる利用金額を代価に決定し、充当すると判断した場合は、取得したポイントの利用条件に基づいて、ポイントを利用金額に充当したときの金額を代価に決定し、決定した代価を店舗の端末装置120に対して出力する。
さらに、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、店舗の端末装置120に対して出力した代価に基づいて、当該店舗の端末装置120がおこなった決済処理にかかる決済金額を含む決済完了通知を受け付け、受け付けた決済完了通知に基づいて、当該決済完了通知に含まれる決済金額に応じたポイントを算出し、算出したポイントをポイント条件データベース700が記憶するポイントに加算することによりポイント条件データベース700を更新するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者は、決済に際して、以前の支払いによって発行されたポイントを利用するか貯めるかを告知することなく、当該利用者の指定した利用条件にしたがってポイントを利用することができる。
これによって、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者と店員との間において決済の都度ポイントを利用するかどうかを確認する煩わしさをなくし、かつ、利用者や店員の不注意によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。
特に、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、対面方式により決済をおこなう店舗における決済に際して、利用者と店員との間において決済の都度ポイントを利用するかどうかを確認する煩わしさをなくすことができ、かつ、利用者や店員の不注意によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、ポイント条件データベース700が、識別情報ごとに記憶するポイントの失効期日に関する情報に基づいて、店舗の端末装置120からの決済要求を受け付けた時点から所定期間内に失効期日が到来する場合に、決済処理にポイントを充当すると判断するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者は、決済に際して、ポイントを利用するか貯めるかを告知することなく、通常はポイントを貯め、失効期日が近づいた場合は当該利用者の指定した利用条件にしたがってポイントを利用することができる。
これによって、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者と店員との間において決済の都度ポイントを利用するかどうかを確認する煩わしさをなくし、かつ、失効期日の失念によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、失効期日に基づいてポイントを充当すると判断した場合に、店舗の端末装置120に対して、ポイントを利用金額に充当した金額を代価とする決済処理をおこなうか否かの確認要求を出力し、出力した確認要求に対する応答情報を店舗の端末装置120から受け付け、受け付けた応答情報に基づいて代価を決定するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、通常はポイントを貯める設定をしている利用者に対して、ポイントの失効期日が近づいている場合にのみポイントを利用するか否かを確認することにより、利用者は、失効期日の到来が近づいていることを認識できるとともに、失効期日が到来する直前までポイントを貯めることができる。
これによって、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者は、当該利用者の希望に極力適合した方法でポイントを利用することができ、かつ、失効期日の失念によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、ポイント条件データベース700が記憶するポイントの数が、あらかじめ定められた下限ポイント数以上である場合に、当該ポイントを充当すると判断するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者は、決済に際して、ポイントの利用方法を店員に説明することなく、たとえば、ポイントを充当することにより実質100円以上値引きになるなど、当該利用者がポイントを充当することによる有用性を実感できる場合にポイントを充当するように指定した利用条件にしたがってポイントを利用することができる。
これによって、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者と店員との間において決済の都度ポイントを利用するかどうかを確認する煩わしさをなくし、かつ、利用者の希望を優先しつつ利用者や店員の不注意によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、ポイント条件データベース700が記憶するポイントの数が単位ポイント数以上である場合に、当該ポイントを充当すると判断し、単位ポイント数の整数倍のポイントを利用金額に充当したときの金額を代価に決定するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者は、決済に際して、ポイントの利用方法を店員に説明することなく、たとえば、ポイントを充当することにより実質100円以上値引きになるなど、当該利用者がポイントを充当することによる有用性を実感できる場合にポイントを充当するように指定した利用条件にしたがってポイントを利用することができる。
これによって、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者と店員との間において決済の都度ポイントを利用するかどうかを確認する煩わしさをなくし、かつ、利用者の希望を優先しつつ利用者や店員の不注意によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。
また、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100は、決済要求を受け付けた場合、単位ポイント数の整数倍となる数と店舗の端末装置120における決済処理後のポイントとの差分が、所定値以下である場合に、当該差分以上のポイントが発行される金額、および、当該金額の商品あるいはサービス、の少なくとも一方を報知するようにしたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者は、決済に際して、ポイントの利用方法を店員に説明することなく、たとえば、ポイントを充当することにより実質100円単位で値引きされるなど、当該利用者がポイントを充当することによる有用性を実感できる場合にポイントを充当するように指定した利用条件にしたがってポイントを利用することができる。
これによって、この発明にかかる実施の形態のポイント処理システム100によれば、利用者と店員との間において決済の都度ポイントを利用するかどうかを確認する煩わしさをなくし、かつ、利用者の希望を優先しつつ利用者や店員の不注意によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。
なお、上述した実施の形態は、以下の応用例に示すように応用することができる。第1の応用例は、この発明にかかるポイント処理システムを、ETC(Electronic Toll Collection System)と称される電子料金収受システムに適用した場合の例について説明する。
図11は、この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムを示す説明図である。図11を用いて、ETCのシステム構成について簡単に説明する。図11において、この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムを実現するETCは、車両1101に搭載されたETC車載器(図示を省略する)と、当該ETC車載器と通信可能な通信機器や通行料金を案内する表示器などを備えた路側装置1102などのETC設備と、を含んで構成されている。
路側装置1102は、高速道路などの有料道路への入り口(進入ゲート)や出口(退出ゲート)および高速道路中の料金所などに設けられ、ETC車載器との間で通信をおこなう通信機能を備えている。高速道路への入り口(進入ゲート)に設置された路側装置1102は、入り口(進入ゲート)を通過する車両1101に搭載されたETC車載器に対して入り口情報を送信する。入り口情報は、たとえば、当該入り口情報の送信元となる路側装置1102が設置されているインターチェンジを特定可能な情報を含む。
高速道路からの出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102は、当該出口(退出ゲート)を通過する車両1101に搭載されたETC車載器から、当該ETC車載器を搭載する車両1101が入り口(進入ゲート)を通過した際に、当該ETC車載器が受信した入り口情報を受信(取得)する。また、高速道路からの出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102は、受信した入り口情報に基づいて、当該ETC車載器を搭載する車両1101が高速道路などの有料道路を走行した通行距離を積算し、積算した通行距離に応じた通行料金を算出する。
高速道路からの出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102は、さらに、算出した通行料金を報知する報知部を備えており、算出した通行料金を文字や音声によって報知する。また、高速道路からの出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102は、算出した通行料金に関する情報を、出口(退出ゲート)を通過する車両1101に搭載されたETC車載器に送信する。算出した通行料金に関する情報を受信したETC車載器は、受信した情報に基づいて通行料金を文字や音声によって報知する。ETCにおいては、上記のようにして、ETC車載器を搭載する車両1101が高速道路などの有料道路に進入したことや、当該車両1101が高速道路などの有料道路から退出したことを検出し、各車両1101の通行距離や通行料金を算出することができる。
ETCにおいては、車両1101に搭載されたETC車載器と、高速道路からの出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102との間で通信をおこなうことによって、当該ETC車載器を搭載する車両1101の通行距離に応じた通行料金を精算する。通行料金の精算は、高速道路などの有料道路への入り口(進入ゲート)や出口(退出ゲート)および高速道路中の料金所などを通行する車両に載置されたETC車載器に装着(挿入)されるETCカードの発行元であるクレジットカード会社が、ETCの運営者への利用者の支払いを肩代わりすることによっておこなわれる。クレジットカード会社が肩代わりした通行料金は、後日、クレジットカード会社から利用者に請求される。
従来、上記のように高速道路を走行することにより発生した通行料金を、クレジットカード機能を備えるETCカードを利用して後払いした場合、後払いした金額に応じた数のポイントが発行されるサービス、いわゆる「ETCマイレージサービス」が存在する。この「ETCマイレージサービス」においては、所定の手続きを経ることにより、発行されたポイントを次回以降の通行料金に充当し、無料通行分に還元することができる。
この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムは、この「ETCマイレージサービス」によって発行されるポイントを、次回以降の通行料金以外に使用することを可能とする。この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムの利用に際しては、利用に先立って、利用者は、上記の実施の形態と同様に、当該利用者自身で、「ETCマイレージサービス」によって発行されるポイントの利用条件をあらかじめ設定しておく。設定したポイントの利用条件は、たとえば、ETCカードが備えるICチップなどの記憶媒体に記憶することができる。
そして、この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムにおいては、高速道路からの出口(退出ゲート)を通過する際に出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102との間で通信をおこなうごとに、「ETCマイレージサービス」によって発行される(発行されることが想定される)ポイントを累積して記憶する。ポイントは、たとえば、ETCカードが備えるICチップなどの記憶媒体に記憶することができる。
この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムにおいては、ETCカードが備えるICチップなどの記憶媒体には、実際に利用者は支払いを完了させていないが、後日の請求に応じた支払いが完了した場合に発行されることが想定されるポイントが記憶される。ETC車載器は、ETCカードが備えるICチップなどの記憶媒体にポイントを記憶するごとに、当該記憶媒体に記憶されたポイントの合計を算出し、算出した合計のポイントとあらかじめ設定したポイントの利用条件とを出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102に送信する。
この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムにおいて、出口(退出ゲート)や料金所に設置された路側装置1102は、ETCのサーバ装置(図示を省略する)と通信可能に設けられており、定期的あるいは所定のトリガーが生じた際に、当該サーバ装置から、この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムが提供する特典に関する情報を取得する。そして、出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102は、ETC車載器から送信された合計のポイントおよび当該ポイントの利用条件を受信すると、受信したポイントおよび当該ポイントの利用条件に基づいて、サーバ装置から取得した特典の中に、利用者があらかじめ設定したポイントの利用条件に合致する特典があるか否かを判断する。
出口(退出ゲート)や料金所に設置された路側装置1102は、サーバ装置から取得した特典の中に、利用者があらかじめ設定したポイントの利用条件に合致する特典がある場合、該当する特典に関する情報を、ポイントおよび当該ポイントの利用条件の送信元となるETC車載器に送信する。ETC車載器は、出口(退出ゲート)に設置された路側装置1102から、利用者があらかじめ設定したポイントの利用条件に合致する特典に関する情報を受信すると、当該情報に基づいて該当する特典が受けられることを報知する。
この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムの動作について、たとえば、中央自動車道を上り方向に走行している車両1101が、八王子本線料金所を通過して、石川パーキングエリア(図11における符号1103を参照)を経由して、国立府中インターチェンジ以東に移動する場合(図11における矢印Aを参照)を例にして説明する。この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムによれば、たとえば、車両1101(1101a)が西から東方向に八王子本線料金所を通過する際に、当該八王子本線料金所で精算をおこなうことによって、当該精算にかかる通行料金に応じた数のポイントが発行される。発行されたポイントは、八王子本線料金所に設置された路側装置1102を介して、車両1101(1101a)に搭載されたETC車載器に送信される。
ここでは、たとえば、八王子本線料金所での精算にかかる通行料金に応じて発行されるポイント数で、「石川パーキングエリアで同乗者全員コーヒーが無料」という特典が受けられるものとして説明する。この場合、八王子本線料金所で精算を完了させた後、石川パーキングエリアへ進入する分岐に到達するまでに、「石川パーキングエリアで同乗者全員コーヒーが無料です。」というメッセージを出力することができる。メッセージは、たとえば、八王子本線料金所を通過した車両1101(1101b)に設置されたETC車載器が備えるスピーカーから発する音声によって出力することができる。
また、この場合、八王子本線料金所で精算を完了させ、当該料金所において通行料金を報知する際に、通行料金の報知とともに、発行されるポイント数あるいは当該ポイント数を加算した累積のポイント数、および、上記の「石川パーキングエリアで同乗者全員コーヒーが無料です。」などの特典が受けられるメッセージなどを報知するようにしてもよい。これにより、精算をおこなったことと、特典が受けられることとの関連性を分かりやすく案内することができる。
また、この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムは、パーキングエリアやサービスエリアなどのように高速道路上の施設における特典に限らず、高速道路から一般道路に下りてから受けられる特典を提供するものであってもよい。たとえば、八王子本線料金所で精算を完了させた後、調布インターチェンジで一般道に合流するまでに、「調布インターチェンジを下りてすぐのガソリンスタンドでガソリン5リットルの無料サービスが受けられます。」というメッセージを出力することができる。この場合も、メッセージは、たとえば、ETC車載器が備えるスピーカーから発する音声によって出力することができる。
あるいは、この場合、たとえば、ETC車載器とカーナビゲーションシステムなどと称され、車両に装備されている電子機器とを接続し、当該電気機器の表示画面に、上記のメッセージを示すテキスト情報を表示することによってメッセージを出力するようにしてもよい。また、あるいは、たとえば、ETC車載器とカーナビゲーションシステムなどと称される電子機器とを接続し、当該電機機器のスピーカーを介して、音声を出力することによって、メッセージを出力することができる。
このように、この発明にかかる第1の応用例のポイント処理システムによれば、利用者は、ETCの利用に際して、以前のETCの利用によって発行されたポイントを利用するか貯めるかを告知することなく、当該利用者の指定した利用条件にしたがってポイントを利用することができる。特に、ETCは、通行料金の収受を無人のシステムによって実現することを目的としているため、このETCにこの発明にかかるポイント処理システムを適用することにより、利用者と係員との間において料金所やサービスエリアを通過する都度ポイントを利用するかどうかを確認する煩わしさをなくしつつ、利用者や係員の不注意によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。
つぎに、第2の応用例として、スーパーマーケットなどの小売店において、ショッピングカートを用いて買い物をおこなうショッピングシステムに適用した場合の例について説明する。この場合、スーパーマーケットなどの小売店において、ショッピングカートに商品を入れるごとに、当該ショッピングカートに入れた商品の合計金額を算出し、算出した合計金額分の商品の精算をおこなった場合に、ポイントを発行することができる。そして、精算するよりも前の任意の時点において、商品の精算にポイントを利用した場合の特典を出力する。
この場合、特典の出力は、たとえば、ショッピングカートにあらかじめ可搬性のディスプレイを取り付けておき、当該ショッピングカートが精算をおこなうエリアに近づいた場合に、当該ショッピングカートに取り付けられたディスプレイに、商品の精算にポイントを利用した場合の特典を示すテキスト情報を表示することによって特典を出力することができる。
つぎに、第3の応用例として、居酒屋などの飲食店における注文管理システムに適用した場合の例について説明する。第3の応用例においては、たとえば、4500円分まで飲食した場合に、「ご注文金額が5000円以上になりましたら、ポイントのご使用で500円引きになります。」など、決済にポイントを使うことにより料金の割引特典が受けられることを案内するメッセージや、当該割引特典を受けるための条件を案内するメッセージなどを出力する。
あるいは、第3の応用例においては、たとえば、現時点において精算金額が8000円などの所定の金額の場合に、「お会計が10000円を超えますと、ポイントを利用して1000円分の割引が受けられます。」などの決済にポイントを使うことにより料金の割引特典が受けられることを案内するメッセージや、当該割引特典を受けるための条件を案内するメッセージなどを出力することができる。
第1〜第3の応用例は、いずれも、利用者が当該利用者自身であらかじめ設定した条件に合致する状況に近い状況が発生した場合、あるいは、利用者自身であらかじめ設定した条件を既に満たしている場合に、利用者に何ら問合せをすることなく各種のメッセージなどによって特典を報知する。
このように、第1〜第3の応用例は、いずれも、「〜しますか?」などのように、利用者に当該利用者の意思を事前に確認することなく特典を報知する点を特徴としている。これにより、利用者と店員との間において決済の都度ポイントを利用するかどうかを確認する煩わしさをなくし、かつ、利用者や店員の不注意によって利用者がポイントの利用機会を逸することを防止することができる。