JP6086763B2 - コレットクリーニング方法及びそれを用いたダイボンダ - Google Patents
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Description
このダイと呼ばれる半導体チップを、例えば、配線基板やリードフレームなどの基板の表面に搭載(ボンディング)するダイボンディング装置(ダイボンダ)においては、一般的に、コレットと呼ばれる吸着ノズルを用いて半導体チップを基板上に搬送し、押付力を付与すると共に、接合材を加熱することによりボンディングを行うという動作(作業)が繰り返して行われる。
コレットとは、中心に中空孔を有し、エアを吸引して、ダイを吸着する保持具である。
ウェハセットステップS11では、ダイボンディングに使用するダイで構成されたウェハをピックアップ装置にセット(供給)する。
次に、初期値設定ステップS12では、ダイボンダのイニシャライズと、セットしたウェハのダイについてのマップデータの書込み、及び当該ダイを所望の基板にダイボンディング(搭載)するための実装プログラムの書込みを実行する。
次に、ダイ開始位置読出しステップS13では、初期値設定ステップS12で書込んだマップデータから、ダイのピックアップを開始する位置(開始位置)を読出す。
次に、ダイボンディングステップS14では、ステップS13で読出した開始位置からダイをピックアップすることで、ダイボンディングを実行する。
ダイ有無確認ステップS15では、セットされたウェハにダイが有るか無いかを確認する。ダイが有ればダイボンディング終了確認ステップS16の処理に移行し、ダイが無ければ、ウェハセットステップS11処理に移行する。
ダイボンディング終了確認ステップS16では、ダイボンディングがすべての基板について実行されたか否かを確認する。すべての基板に実行されていない場合には、ダイボンディングステップS14の処理に移行し、すべての基板で実行された場合には、ダイボンディングを終了する。
そのために作業者が定期的に装置からコレットを取り外して交換あるいは清掃を行なっており、その頻度も頻繁に行なっていたため、クリーニング毎にダイボンダを停止させる必要があり、装置の稼動率を低下させていた。
そこで、例えば、以下の特許文献1では、コレットの先端にダイを吸着し、これをリードフレーム上に搭載する装置であって、その途中で、コレットの先端に付着した異物を除去してダイボンディングを行うものにおいて、当該コレットの先端をITV等のカメラで撮像して異物の有無を判断し、その結果、コレットを加熱あるいは洗浄した後、気体を吹き付けて当該異物を除去している。
また、粘着力の強い異物は、エアブローやブラシングでは除去できなかった。
さらに、異物を除去できても、除去された異物が飛散し、製品に付着する恐れがあった。
本発明は、上記のような問題点に鑑み、新たなユニットの追加を行うことなく、コレットのクリーニングが可能で、異物を飛散させずに、粘着力の強い異物をも確実に除去可能なコレットクリーニング方法及びそれを用いたダイボンダを提供することを目的とする。
なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
また、各図の説明において、同一の機能を有する構成要素には同一の参照番号を付し、重複を避け、できるだけ説明を省略する。
ダイボンダは、大別して、ウェハ供給部1と、ワーク供給・搬送部2と、ダイボンディング部3とを有する。
また、ワーク供給・搬送部2において、21はスタックローダ、22はフレームフィーダ、23はアンローダである。さらに、ダイボンディング部3において、31は基板チェック部、32はボンディングヘッド部である。またさらに、ウェハ供給部1において、11はウェハカセットリフタ、12はピックアップ装置である。
また、10は制御部であり、ダイボンダ100の各機器と相互にアクセスして、各機器を所定のプログラムに従って制御する。なお、図1では、各機器と相互にアクセスするための信号線を省略している。
またダイボンディング部3は、ダイボンディング工程中のダイアタッチ工程を担う。ダイボンディング部3において、基板チェック部31は、フレームフィーダ22により搬送されてきた基板Pを撮像装置C2(図示しない)で撮像し、制御部10に撮像した画像データを送信する。制御部10は、ダイボンダ100の原点と搬送された基板P上の基準点とのずれ量を画像処理によって算出する。算出されたずれ量から、ボンディング時の補正量を算出する。
また、ウェハ供給部1は、ダイボンディング工程中の剥離工程を担う。ウェハ供給部1において、ウェハカセットリフタ11は、ウェハリングが収納されたウェハカセット(図示しない)を有し、順次ウェハリングをピックアップ装置12に供給する。ピックアップ装置12の詳しい構成及び動作は、後述の図2及び図3によって説明する。
即ち、ピックアップ装置12は、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に保持されたウェハ5(複数のダイ4)が接着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、支持リング17の内側に配置されダイ4を上方に突き上げるための突き上げユニット50とを有する。
突き上げユニット50は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動するようになっている。ピックアップ対象のダイ4への突き上げユニット50の位置合わせのための移動は、例えば、水平(X)方向にはウェハリング14が移動し、奥行き(Y)方向には突き上げユニット50が移動するようになっているが、相対的にどちらが動いても良いことは自明である。また、コレット6(後述)とピックアップ対象のダイ4との位置合わせのための移動も、同様である。
突き上げユニット50は、下方よりダイ4を突き上げ、コレット(吸着ノズル)6によるダイ4のピックアップ性を向上させている。ダイアタッチフィルム18を有するウェハ5では、ダイシングは、ウェハ5とダイアタッチフィルム18に対して行なわれる。従って、剥離(突き上げ)工程では、ダイ4とダイアタッチフィルム18をダイシングテープ16から剥離すると共に、コレット6がダイ4を吸着してピックアップする。
図4(a)において、異物13が先端部に付着したコレット6は、ウェハ5からダイ4をピックアップする前に、まず、XY平面上をダイ4が存在しないダイシングテープ16の位置(縁辺部)に移動し、次に垂直方向(Z軸に沿って)下降する。なお、好ましくは、このコレット6の下降時に同時にXY平面上を移動して、ダイ4が存在しないダイシングテープ16の位置にまで移動するようにすると、工程時間を低減できる。
コレット6は、下降してダイシングテープ16面まで到達し、到達後、さらに所定の時間または所定の距離、下降する。図4(b)に示すように、コレット6の先端に付着していた異物13は、ダイシングテープ16の接着面と接触する。従って、異物13は、ダイシングテープ16面に接着する。
次に、図4(c)に示すように、コレット6を再び上昇させると、コレット6の先端部の異物13が除去されている。なお、好ましくは、このコレット6の上昇時に同時にXY平面上を移動して、ダイ4のピックアップ位置まで移動すると、工程時間を低減できる。
なお、コレット6がXY平面上を移動する駆動系については、ウェハ5側あるいはコレット6を装着するボンディングヘッド側のいずれかまたは両方が相対的移動することによって実現する。
図5(a)に示すように、ウェハ5のダイ4が、開始位置Tsから終了位置Teまで、破線の矢印の順にピックアップされる場合には、開始位置TsにX方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Psにコレット6を下降させ、コレットクリーニングを行う。または、開始位置TsにY方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Ps’にコレット6を下降させ、コレットクリーニングを行う。
次に、図5(b)では、図5(a)と同様に、開始位置Tsから終了位置Teまでダイ4をピックアップする場合に、始点Tsからダイ4をピックアップする前に位置PsまたはPs’にてコレットクリーニングする他に、終了位置Teにおいても、位置PeまたはPe’にてコレットクリーニングするようにしている。この場合も、終了位置TeにX方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Pe、または終了位置TeにY方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Pe’にコレット6を下降させ、コレットクリーニングを行う。
図6(a)は、図5(a)と同様であるが、ウェハ5のダイ4が、開始位置Tsから途中の位置Tcまで、破線の矢印の順にピックアップされる場合である。この場合にも、開始位置TsにX方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置PsまたはY方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Ps’にコレット6を下降させ、コレットクリーニングを行うことは、図5(a)と同様である。
次に、図6(a)に示すように、ウェハ5のダイ4が、開始位置Tsから途中の位置Tcまで、破線の矢印の順にピックアップされる場合には、開始位置Tsからダイ4のピックアップを開始する前に、ダイシングテープ16にコレット6を下降させ、コレットクリーニングを行うことは、図5(a)と同様である。それに加えて、終了位置Tcにおいても、位置PcまたはPc’にてコレットクリーニングするようにしている。この場合も、終点TcにX方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Pc、または終点TcにY方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Pc’にコレット6を下降させ、コレットクリーニングを行う。
次に、図5(b)では、図5(a)と同様に、開始位置Tsから終了位置Teまでダイ4をピックアップする場合に、開始位置Tsからダイ4をピックアップする前に位置PsまたはPs’にてコレットクリーニングする他に、終了位置Teにおいても、位置PeまたはPe’にてコレットクリーニングするようにしている。この場合も、終了位置TeにX方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Pe、または終点TeにY方向の移動距離が近いダイシングテープ16の位置Pe’にコレット6を下降させ、コレットクリーニングを行う。
例えば、位置Pd’は、ダイをピックアップした跡のダイシングテープ16の一部である。また、例えば、ウェハ5が接着されたダイシングテープ16の縁辺部にある位置Pd’’は、ダイのピックアップ開始位置Tdの位置PdとX方向の反対側のダイシングテープ16面の位置である。このように、コレットクリーニングする位置は、状況に応じて任意に設定して良い。
なお、ダイNGは、前回のダイピックアップ作業時に、マップデータ上特性不良品であったため、ピックアップされずに残ったダイである。
図7の処理動作は、ウェハセットステップS11〜ダイ開始位置読出しステップS13までは、図9で説明した通りなので、説明を省略する。ただし、本発明の実装プログラムでは、コレットクリーニング動作が含まれているが、図9の初期値設定ステップS12で書込む実装プログラムには含まれていない。
次に、コレットクリーニング位置決定ステップS71では、ダイ開始位置読出しステップS13で読出した開始位置を基準点として、ダイシングテープ16の位置Ps(図5(a)参照)を読出す。
次に、移動ステップS72では、コレット6をコレットクリーニング位置Psまで移動する。
次に、コレットクリーニングステップS73では、コレット6を所定の高さまで下降して、コレット6の先端をダイシングテープ6に密着させ、その後、所定の高さまで上昇する。
以下、図9で説明したように、ダイボンディングステップS14〜ダイボンディング終了確認ステップS16の処理を実行する。
図8の処理動作は、ウェハセットステップS11〜ダイ開始位置読出しステップS13までは、図7で説明した通りなので、説明を省略する。
次に、コレットクリーニング位置決定ステップS81では、ダイ開始位置読出しステップS13で読出した開始位置を基準点として、ダイシングテープ16の複数の位置を読出す。例えば、ピックアップ開始時及びピックアップ終了時にコレットクリーニングする位置を読出す(図5(b)、図6(a)、または図6(b)参照。)。
以下、移動ステップS72、コレットクリーニングステップS73、及びダイボンディングステップS14は、図7または図9で説明した処理と同一である。
図5(b)、図6(a)、または図6(b)に示す実施例では、最後のダイをダイボンディングした後、ダイシングテープ16の所定の位置でコレットクリーニングを実行している。
コレットクリーニングを実行するタイミングではない場合には、ダイ有無確認ステップS15の処理に移行する。以下、ダイ有無確認ステップS15及びダイボンディング終了確認ステップS16の処理動作は、図7または図9で説明した処理と同一である。
なお、コレットクリーニングを自動的に実行する位置またはタイミングは、ダイボンディングの開始時や終了時に限らない。例えば、ウェハ上のダイの行が変わる毎に、あるいは2行おきにコレットクリーニングを自動的に実行するようにしても良い。また、作業者が、必要な時にダイボンダを操作して随時実行するようにしても良い。
Claims (6)
- ウェハリングにダイシングテープによって保持されたウェハをセットするウェハセットステップと、
ダイボンダのイニシャライズ、前記セットしたウェハのダイについてのマップデータの書込み、及び実装プログラムの書込みを実行する初期化ステップと、
コレットが前記ダイのピックアップを開始する開始位置を読出すダイ開始位置読出しステップと、
前記ダイ開始位置を基準点として前記ダイシングテープのダイが存在しない所定の位置を読出すコレットクリーニング位置決定ステップと、
前記コレットを前記所定の位置に移動する移動ステップと、
前記コレットを前記ダイシングテープの前記所定の位置に密着させるコレットクリーニングステップと、
前記ダイ開始位置からダイをピックアップし、ダイボンディングを実行するダイボンディングステップと、
を備え、前記コレットの先端部に付着した異物を前記所定の位置で除去することを特徴とするコレットクリーニング方法。 - 請求項1記載のコレットクリーニング方法において、前記異物を除去する所定の位置が前記ダイシングテープの前記ウェハが保持された位置の縁辺部であることを特徴とするコレットクリーニング方法。
- 請求項1または請求項2記載のコレットクリーニング方法において、前記異物を除去するコレットクリーニングステップは、少なくとも、前記ウェハを保持するウェハリングがピックアップ装置に供給され、前記ダイのピックアップを開始する前であることを特徴とするコレットクリーニング方法。
- ウェハからダイをピックアップするためのピックアップ装置を有し前記ウェハを保持するウェハ供給部と、コレットによって前記ウェハからダイを吸着して基板にボンディングするボンディングヘッド部と、前記基板を前記コレットが吸着した受渡ステージから前記ダイをピックアップし基板にボンディングするボンディングヘッド部と、前記基板の搬送を行うワーク供給・搬送部と、前記ウェハ供給部、前記ボンディングヘッド部、及び前記ワーク供給・搬送部を制御する制御部とを備えたダイボンダにおいて、
前記制御部は、前記コレットを前記ウェハリングに保持された前記ウェハの前記ダイシングテープの前記ダイのない位置に移動させ、前記コレットを前記ダイシングテープの接着面に接触させることによって、前記コレットの先端部に付着した異物を除去することを特徴とするダイボンダ。 - 請求項4記載のダイボンダにおいて、前記コレットの先端部に付着した異物を除去する位置は、前記ダイシングテープの前記ウェハが接着された位置の縁辺部であることを特徴とするダイボンダ。
- 請求項4または請求項5記載のダイボンダにおいて、前記異物を除去するタイミングは、少なくとも、前記ウェハを保持するウェハリングが前記ピックアップ装置に供給され、前記ダイのピックアップを開始する前であることを特徴とするダイボンダ。
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