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JP6084812B2 - 追尾処理装置、及び追尾処理方法 - Google Patents

追尾処理装置、及び追尾処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、物標の追尾処理に用いられる、追尾処理装置、及び追尾処理方法に関する。
物標から反射されたレーダ信号を用いて、物標を追尾(TT:Target Tracking)する追尾装置が知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。レーダ信号は、レーダアンテナを用いたスキャン動作によって得られる。レーダ信号は、複数の物標について、位置を特定するデータを含んでいる。得られたレーダ信号は、追尾装置へ出力される。追尾装置は、例えば、過去時点における追尾対象の運動予測結果と、最新のレーダ信号に含まれる物標の位置情報と、を用いて、現在のスキャン時点における追尾物標の運動を推定する。
特許文献1に記載の構成は、追尾対象の位置を記憶する。更に、特許文献1に記載の構成は、選択されたターゲットとペアとなり得る物標の位置を探す。そして、特許文献1に記載の構成は、ペアとなり得る物標の全てについて、予測位置を算出する。
特許文献2に記載の構成は、フォアグラウンドの追尾と、バックグラウンドの追尾とを行う。フォアグラウンドの追尾とは、表示装置において追尾対象であることが示された状態の物標を、追尾することである。バックグラウンドの追尾とは、表示装置において追尾対象であることが示されていない状態の物標を、追尾することである。特許文献2に記載の構成は、バックグラウンドの追尾対象を、表示装置に追尾対象として表示する指令を受け付ける。この指令を受け付けることで、バックグラウンドの追尾対象が、フォアグラウンドの追尾対象に切り替わる。
特許文献3に記載の構成は、複数の物標を同時に追尾する。特許文献3に記載の構成は、複数の物標のうち、予め設定された重要度以上の物標のみについて、追尾結果を表示する。
特許文献4に記載の目標追尾装置は、仮説作成手段と、仮説選択手段と、を備えている。仮説作成手段は、追尾開始時点から過去の観測時点に遡って、追尾対象の位置に関する観測情報を、時系列に沿って取り込む。そして、仮説作成手段は、仮説群を作成する。仮説群は、追尾対象の追尾を開始する時点までの各観測時点で予測される、航跡の組み合わせを示す。仮説選択手段は、仮説群のうち信頼度が最も高い航跡を含む仮説を、追尾対象の追尾開始時点以降の追尾処理に用いる仮説として、選択する。
特許文献5に記載の追尾装置は、物標の着弾点を予測する。より具体的には、追尾処理に用いる平滑ベクトル及び共分散行列を、過去に遡って計算する。これにより、着弾点予測の初期値の精度を向上させている。
特許文献6に記載の追尾装置は、蓄積手段と、情報獲得手段と、推定手段と、予測手段と、を備える。蓄積手段は、追尾対象について、追尾開始時点以前の探知情報を時系列に従って蓄積する。情報獲得手段は、探知情報を用いて、追尾開始時点における、追尾対象の運動情報を得る。推定手段は、運動情報をもとに、追尾開始時点以前における追尾対象の軌跡を推定する。予測手段は、推定された軌跡に基づいて、追尾開始時点における追尾対象の動きを予測する。
特開昭61−186877号公報 特開2001−56375号公報([0006]、[0007]) 特開2003−48595号公報([0028]) 特開2003−329770号公報([請求項1]) 特開2003−329771号公報([0034]) 特開2000−304853号公報([請求項1])
通常、複数の物標の中から追尾対象が指定されると、追尾装置は、当該追尾対象の追尾を開始する。しかしながら、通常、追尾装置は、追尾対象の追尾開始時点では、追尾対象の運動情報を保持していない。このため、追尾装置は、追尾対象の追尾開始時点では、追尾対象の運動状態を正確に推定し難い。この対策として、追尾装置は、例えば、追尾対象の運動を、複数スキャンに亘って観測し、観測結果を基に、追尾処理を開始する。これにより、追尾対象の運動状態が表示画面に表示される。この場合、追尾対象の追尾開始が指令されてから、追尾対象の運動状態が表示画面に表示されるまでの間に、タイムラグが生じる。
特許文献2,3に記載の構成は、複数の物標を追尾し、且つ、複数の物標のうちの指定された物標のみを、追尾対象として画面に表示させる。この場合、追尾対象として指定された物標は、指定された時点で、既に追尾されている。よって、追尾対象としてユーザに指定された物標の運動状態は、即座に表示画面に表示される。しかしながら、この構成では、表示画面に追尾対象として表示されていない物標を、追尾する必要がある。このため、追尾装置の計算負荷が高くなってしまう。
特許文献4〜6に記載の構成は、追尾対象として指定された物標について、追尾開始時点よりも過去の時点の情報を用いて、運動状態を算出する。このため、特許文献4〜6に記載の構成によると、追尾対象の運動情報を、追尾開始時点から得ることができる。これにより、追尾対象の追尾を開始した時点で、タイムラグ無く、追尾対象の運動情報を表示画面に表示し得る。しかしながら、特許文献4〜6の何れにも、過去のスキャン時点で得られたデータを、どのようにして蓄積するかについて、特段の考慮がされていない。このため、過去のスキャン時点で得られたデータが膨大になり、追尾装置に要求される記憶容量が多大になるおそれがある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、物標を追尾する指令を受けてから、当該物標の運動状態をより正確に推定するまでのタイムラグを少なくでき、且つ、計算負荷が少なくて済み、且つ、記憶容量が少なくて済む、追尾処理装置、及び追尾処理方法を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる追尾処理装置は、追尾情報検出部と、蓄積部と、追尾処理部と、を備える。前記追尾情報検出部は、物標からのエコー信号を用いて、物標追尾に必要な情報を抽出する。前記蓄積部は、過去に抽出された、前記物標追尾に必要な情報を蓄積する。前記追尾処理部は、追尾対象として選択された追尾物標の追尾処理を行う。前記追尾処理部は、前記追尾物標の追尾開始時点における前記追尾物標の運動状態を、前記蓄積部に蓄積された前記情報を用いて推定する。
さらに、前記追尾情報検出部は、前記情報として、前記物標の追尾代表点の情報を検出する。前記蓄積部は、前記追尾代表点の情報を蓄積する。前記追尾処理部は、前記蓄積部に蓄積された前記追尾代表点の情報を用いて、前記運動状態を推定する。
さらに、前記追尾処理部は、前記蓄積部に蓄積された前記追尾代表点の情報を基に、前記追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、複数の時点での前記追尾物標の前記追尾代表点を、追尾代表点群として抽出する。また、前記追尾処理部は、前記追尾代表点群を用いて、前記追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、前記追尾物標の運動状態を推定する。
さらに、前記追尾処理部は、前記追尾物標の追尾開始時点における前記追尾物標の前記追尾代表点を起点として、前記追尾代表点群を抽出する。
さらに、前記追尾処理部は、前記追尾代表点群のうち、最も古い時点の前記追尾代表点から順に、各前記追尾代表点の運動を追尾処理によって推定する。前記追尾処理部は、次いで、前記追尾代表点群のうち、最も新しい時点における、前記追尾代表点の追尾処理結果を用いて、前記追尾物標の追尾開始時点における、前記追尾物標の前記追尾代表点の運動状態を推定する。
)好ましくは、前記蓄積部は、更に、前記エコー信号を用いて得られる、前記物標に関する特徴情報を蓄積する。前記追尾処理部は、各前記追尾代表点の情報と、前記特徴情報とに基づいて、前記追尾代表点群を抽出する。
)より好ましくは、前記特徴情報は、前記エコー信号によって特定されるエコー像の形状情報、前記エコー信号のレベル、前記物標の周囲の状態を特定する情報、及び、前記エコー信号に関するドップラーシフト量の少なくとも一つを含む。
)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる追尾処理方法は、追尾情報検出ステップと、蓄積ステップと、追尾処理ステップと、を含む。前記追尾情報検出ステップでは、物標からのエコー信号を用いて、物標追尾に必要な情報を抽出する。前記蓄積ステップでは、過去に抽出された、前記物標追尾に必要な情報を蓄積する。前記追尾処理ステップでは、追尾対象として選択された追尾物標の追尾処理を行う。前記追尾処理ステップでは、前記追尾物標の追尾開始時点における前記追尾物標の運動状態を、前記蓄積ステップで蓄積された前記情報を用いて推定する。前記追尾情報検出ステップでは、前記情報として、前記物標の追尾代表点の情報を検出する。さらに、前記蓄積ステップでは、前記追尾代表点の情報を蓄積する。さらに、前記追尾処理ステップでは、前記蓄積ステップで蓄積された前記追尾代表点の情報を用いて、前記運動状態を推定する。さらに、前記追尾処理ステップでは、前記蓄積ステップで蓄積された前記追尾代表点の情報を基に、前記追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、複数の時点での前記追尾物標の前記追尾代表点を、追尾代表点群として抽出し、前記追尾代表点群を用いて、前記追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、前記追尾物標の運動状態を推定する。さらに、前記追尾処理ステップでは、前記追尾物標の追尾開始時点における前記追尾物標の前記追尾代表点を起点として、前記追尾代表点群を抽出する。さらに、前記追尾処理ステップでは、前記追尾代表点群のうち、最も古い時点の前記追尾代表点から順に、各前記追尾代表点の運動を追尾処理によって推定し、次いで、前記追尾代表点群のうち、最も新しい時点における前記追尾代表点の追尾処理結果を用いて、前記追尾物標の追尾開始時点における、前記追尾物標の前記追尾代表点の運動状態を推定する。
本発明によると、物標を追尾する指令を受けてから、当該物標の運動状態をより正確に推定するまでのタイムラグを少なくでき、且つ、計算負荷が少なくて済み、且つ、記憶容量が少なくて済む、追尾処理装置、及び追尾処理方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る追尾処理装置を含む、レーダ装置のブロック図である。 自船と物標エコー像との関係を説明するための模式的な平面図である。 物標エコー像に関するトラッキングファイルを説明するためのデータ一覧表である。 エコー検出部で検出された物標エコー像の一例を示す、模式的な平面図である。 物標エコー像の一例を示す図である。 (A),(B)は、第2処理部で行われる処理を説明するための模式図である。 (A),(B)は、図6(B)に続いて、第2処理部で行われる処理を説明するための模式図である。 (A),(B)は、図7(B)に続いて、第2処理部で行われる処理を説明するための模式図である。 (A),(B)は、図8(B)に続いて、第2処理部で行われる処理を説明するための模式図である。 第2処理部の処理結果を説明するための模式図である。 第3処理部で行われる処理を説明するための模式図である。 nスキャン時点における、新追尾物標の追尾処理を説明するための模式図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。本発明は、追尾対象として選択された物標を追尾する、追尾処理装置として広く適用することができる。以下では、追尾対象として設定された物標を「追尾物標」という。また、以下では、図中同一または相当部分には、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施形態に係る追尾処理装置3を含む、レーダ装置1のブロック図である。本実施形態のレーダ装置1は、例えば、漁船等の船舶に備えられる舶用レーダである。レーダ装置1は、主に他船等の物標の探知に用いられる。また、レーダ装置1は、追尾物標として選択された物標を追尾することが可能に構成されている。レーダ装置1は、複数の追尾物標を、同時に追尾可能に構成されている。レーダ装置1は、追尾物標の運動状態を推定するように構成されている。本実施形態では、レーダ装置1は、上記運動状態として、追尾物標の推定速度ベクトルを算出する。推定速度ベクトルとは、追尾物標について推定される進行方向及び進行速度を示すベクトルである。尚、以下では、レーダ装置1が備えられている船舶を「自船」という。
図1に示すように、レーダ装置1は、アンテナユニット2と、追尾処理装置3と、を備えている。
アンテナユニット2は、アンテナ5と、受信部6と、A/D変換部7と、を含んでいる。
アンテナ5は、指向性の強いパルス状電波を送信可能なレーダアンテナである。また、アンテナ5は、物標からの反射波であるエコー信号を受信するように構成されている。即ち、物標のエコー信号は、アンテナ5で受信された信号のうち、アンテナ5からの送信信号に対する、物標での反射波である。レーダ装置1は、パルス状電波を送信してからエコー信号を受信するまでの時間を測定する。これにより、レーダ装置1は、物標までの距離rを検出することができる。アンテナ5は、水平面上で360°回転可能に構成されている。アンテナ5は、パルス状電波の送信方向を変えながら(アンテナ角度を変えながら)、電波の送受信を繰り返し行うように構成されている。以上の構成で、レーダ装置1は、自船周囲の平面上の物標を、360°にわたり探知することができる。
なお、以下の説明では、パルス状電波を送信してから次のパルス状電波を送信するまでの動作を「スイープ」という。また、電波の送受信を行いながらアンテナを360°回転させる動作を「スキャン」と呼ぶ。以下では、最新時点のスキャンのことを、「nスキャン」といい、nスキャンから1個前のスキャンのことを、「n−1スキャン」という。同様に、nスキャンからm個前のスキャンのことを、「n−mスキャン」という。尚、n、mは、何れも自然数である。
受信部6は、アンテナ5で受信したエコー信号を検波して増幅する。受信部6は、増幅したエコー信号を、A/D変換部7へ出力する。A/D変換部7は、アナログ形式のエコー信号をサンプリングし、複数ビットからなるデジタルデータ(エコーデータ)に変換する。ここで、上記エコーデータは、アンテナ5が受信したエコー信号の強度(信号レベル)を特定するデータを含んでいる。A/D変換部7は、エコーデータを、追尾処理装置3へ出力する。
追尾処理装置3は、1つ又は複数の物標の中から追尾対象として選択された物標を、追尾物標として特定し、且つ、当該追尾物標の追尾処理を行うように構成されている。より具体的には、追尾処理装置3は、追尾物標の推定速度ベクトル、及び追尾物標の推定位置等を算出するように構成されている。
追尾処理装置3は、CPU、RAM及びROM(図示せず)等を含むハードウェアを用いて構成されている。また、追尾処理装置3は、ROMに記憶された追尾処理プログラムを含むソフトウェアを用いて構成されている。
上記追尾処理プログラムは、本発明に係る追尾処理方法を、追尾処理装置3に実行させるためのプログラムである。上記ハードウェアとソフトウェアとは、協働して動作するように構成されている。これにより、追尾処理装置3を、信号処理部8、エコー検出部9、特徴情報抽出部10、及び追尾処理部11等として機能させることができる。
追尾処理装置3は、信号処理部8と、エコー検出部(追尾情報検出部)9と、特徴情報抽出部10と、追尾処理部11と、を有している。
信号処理部8は、エコーデータを、A/D変換部7から受信する。信号処理部8は、エコーデータにフィルタ処理等を施すことにより、エコーデータに含まれる干渉成分と、不要な波形データと、を除去する。信号処理部8は、処理したエコーデータを、エコー検出部9へ出力する。
エコー検出部9は、物標エコー像の検出と、物標エコー像の追尾代表点の検出と、物標の追尾に必要な情報の検出(抽出)と、物標エコー像に関する特徴情報の検出とを、1スキャン毎に行うように構成されている。即ち、エコー検出部9は、追尾情報検出部と、物標エコー像検出部と、特徴情報抽出部と、を含んでいる。
具体的には、エコー検出部9は、信号処理部8からエコーデータを読み出すときの読出しアドレスに基づいて、当該エコーデータに対応する位置までの距離rを求める。また、アンテナ5からエコー検出部9へは、当該アンテナ5が現在どの方向を向いているか(アンテナ角度θ)を示すデータが出力されている。以上の構成で、エコー検出部9は、エコーデータを読み出す際には、当該エコーデータに対応する位置を、距離rとアンテナ角度θとの極座標で取得することができる。なお、エコー検出部9は、エコーデータをA/D変換部7からリアルタイムで取り込みながら処理するように構成してもよい。この場合は、スイープメモリ8は、無くてもよい。
エコー検出部9は、エコーデータに対応する位置に物標が存在するか否かを検出するように構成されている。エコー検出部9は、例えば、エコーデータに対応する位置の信号レベル、即ち、信号強度を判別する。エコー検出部9は、信号レベルが所定のしきいレベル値以上である位置には、物標が存在していると判別する。
次いで、エコー検出部9は、信号レベルが所定のしきいレベル値以上である一まとまりの領域を、物標エコー像が存在している領域として検出する。このようにして、エコー検出部9は、エコーデータを基に、物標エコー像を検出する。次に、エコー検出部9は、エコーデータを用いて、物標エコー像に関連する幾つかの特徴情報を、抽出する。
図2は、自船100と、物標エコー像120との関係を説明するための模式的な平面図である。図2では、物標エコー像120は、矩形の像として例示されている。図2に示すように、極座標系では、自船位置M1を基準として、自船位置M1からの直線距離が、距離rとして示され、自船位置M1周りの角度が、角度θとして示される。エコー検出部9は、物標エコー像120の特徴情報の抽出に際しては、自船位置M1を中心とする、リング状部分の一部形状の像110を用いる。この像110は、第1直線111、第2直線112、第1円弧113、及び第2円弧114によって囲まれた領域の像である。
第1直線111は、物標エコー像120の後縁120aのうち自船位置M1に最も近い点と、自船位置M1とを通る直線である。第2直線112は、物標エコー像120の前縁120bのうち自船位置M1に最も近い点と、自船位置M1とを通る直線である。第1円弧113は、物標エコー像120のうち自船位置M1から最も近い部分120cを通る円であり、当該円の曲率中心点は、自船位置M1である。第2円弧114は、物標エコー像120のうち自船位置M1から最も遠い部分120dを通る円であり、第1円弧113と同心である。
図3は、物標エコー像120に関するトラッキングファイルを説明するためのデータ一覧表である。図2及び図3に示すように、本実施形態では、トラッキングファイルには、物標エコー像120に関する下記12個のテキストデータが、特徴情報データとして列挙される。各テキストデータは、例えば、1ワード(数ビット)程度のデータ量であり、データ量が少ない。本実施形態では、12個のテキストデータは、距離rpのデータ202と、終了角度θeのデータ203と、角度幅θwのデータ204と、最前縁距離rnのデータ205と、最後縁距離rfのデータ206と、面積arのデータ207と、追尾代表点Pのデータ208と、形状情報のデータ209と、エコーレベルのデータ210と、周辺情報のデータ211と、ドップラーシフト量のデータ212と、時刻データ213と、からなる。
距離rpは、自船位置M1から物標エコー像120の中心点までの直線距離である。即ち、距離rpは、自船位置M1から、像110の図心点までの直線距離である。本実施形態では、追尾代表点Pは、像110の図心点である。追尾代表点Pは、物標エコー像120のうち、追尾処理の際に用いられる代表点である。追尾代表点Pのデータ208は、追尾代表点Pの座標データであり、本発明の「物標の追尾に必要な情報」の一例である。終了角度θeは、物標エコー像120の検出が終わった時点における、前述のアンテナ角度θである。角度幅θwは、像110における、自船位置M1回りの角度方向の幅である。角度幅θwは、第1直線111と第2直線112とがなす角度でもある。最前縁距離rnは、物標エコー像120の部分120cと、自船位置M1との距離である。最後縁距離rfは、物標エコー像120の部分120dと、自船位置M1との距離である。面積arは、リング状部分の一部形状の像110における面積である。
形状情報は、物標エコー像120の形状を特定する情報であり、例えば、物標エコー像120の幅、長さ等の情報が含まれる。エコーレベルは、物標エコー像120を特定するエコー信号の強度を示している。エコー周辺情報は、物標エコー像120の周囲の状態を特定する情報である。エコー周辺情報は、例えば、隣接する2つの物標エコー像120,120間の距離を特定する情報等を含んでいる。ドップラーシフト量は、例えば、アンテナ5から放射されたパルス信号の周波数と、物標エコー像120によって特定される物標で反射したエコー信号の周波数と、の差である。ドップラーシフト量を基に、自船と物標との相対速度を求めることが可能である。時刻は、物標エコー像120を検出した時点の時刻である。尚、エコー像120のデータは、予備のデータ領域を含んでいてもよい。
エコー検出部9は、物標エコー像120の画像データを基に、上記の特徴情報データのうち、面積arのデータ207、周辺情報のデータ211、ドップラーシフト量のデータ212、及び時刻データ213以外のデータを、抽出する。
エコー検出部9で検出された複数の物標エコー像120の一例を、図4に示している。図4は、エコー検出部9で検出された、物標エコー像120を示す模式的な平面図であり、各物標エコー像120を上方から見た状態を示している。図4では、一例として、nスキャン時点における4つの物標エコー像120(121,122,123,124)を示している。物標エコー像121,122,123は、例えば、小型船舶である。物標エコー像124は、例えば、大型船舶である。エコー検出部9は、例えば、追尾代表点Pとして、物標エコー像121の追尾代表点P1(n)と、物標エコー像122の追尾代表点P2(n)と、物標エコー像123の追尾代表点P3(n)と、物標エコー像124の追尾代表点P4(n)と、を検出する。以下では、物標エコー像121によって特定される物標が、nスキャン時点以前から、追尾処理装置3で追尾されていた追尾対象である場合を例に説明する。また、物標エコー像121,122,123,124等の物標エコー像を総称して説明する場合に、「物標エコー像120」ということがある。
図1、図3及び図4に示すように、エコー検出部9は、各物標エコー像120についての、追尾代表点Pの座標データと、検出した特徴情報データとを、追尾処理部11へ出力する。また、エコー検出部9は、各物標エコー像120の画像データを、特徴情報抽出部10へ出力する。
特徴情報抽出部10は、各物標エコー像120の画像データ等を基に、上記のエコー周辺情報のデータ211、ドップラーシフト量のデータ212、及び時刻のデータ213を、抽出する。特徴情報抽出部10は、抽出したこれらのデータ211,212,213を、追尾処理部11へ出力する。
追尾処理部11は、1又は複数の物標の中から選択された追尾物標の追尾処理を行うように構成されている。追尾物標は、例えば、レーダ装置1に備えられる表示器(図示せず)に表示された、1又は複数の物標を示すシンボル等を基に、オペレータによって指定される。オペレータによる、追尾物標の選択指令(追尾開始指令ともいう。)は、例えば、オペレータが操作装置(図示せず)を操作することにより、発せられる。尚、この選択指令は、自船位置M1からの最前縁距離rnが所定値未満である物標を選択するように、追尾処理装置3によって自動的に発せされてもよい。追尾処理部11は、新たな追尾物標が設定された場合に、当該新たな追尾物標の追尾処理を迅速に開始するように構成されている。
具体的には、追尾処理部11は、第1処理部21と、第2処理部22と、第3処理部23と、を有している。本実施形態では、第1処理部21、第2処理部22、及び第3処理部23は、X−Y座標系を基準に、処理を行うように構成されている。
第1処理部21は、nスキャン時点(最新のスキャン時点)における、追尾物標の推定速度ベクトルV1(n)を算出するように構成されている。
第1処理部21は、第1選別部31と、第1関連付け部32と、第1運動推定部33と、を含んでいる。
第1選別部31は、エコー検出部9で検出された、nスキャン時点の複数の追尾代表点P(n)から、追尾物標の追尾代表点P1(n)を選別するための領域を設定するように構成されている。第1選別部31は、エコー検出部9、特徴情報抽出部10、第1関連付け部32、第1運動推定部33、及び後述する第3運動推定部51に接続されている。
第1選別部31は、エコー検出部9から、nスキャン時点における、各物標エコー像120の追尾代表点P(n)の座標データを受け付ける。また、第1選別部31は、第1運動推定部33から、追尾物標の予測位置P1’(n−1)の座標データを受け付ける。推定位置P1’(n−1)は、推定速度ベクトルV1(n−1)によって特定される位置である。
次に、第1選別部31は、この推定位置P1’(n−1)を中心にして、所定の半径を有する選別領域S1(n)を設定する。図4は、選別領域S1内に、物標エコー像121,122の追尾代表点P1(n),P2(n)が含まれた状態を例示している。第1選別部31は、選別領域S1内に存在する追尾代表点P1(n),P2(n)の座標データを、第1関連付け部32へ出力する。
第1関連付け部32は、選別領域S1(n)内の各物標エコー像120(121,122)の面積ar(ar1,ar2)を算出する。第1関連付け部32は、本発明の「特徴情報検出部」の一例でもある。次に、第1関連付け部32は、選別領域S1(n)内から、追尾代表点P1(n)を判別する。具体的には、第1関連付け部32は、選別領域S1(n)内の各追尾代表点P1(n),P2(n)について、予測位置P1’(n−1)からの近さを判定する。また、第1関連付け部32は、選別領域S1(n)内の各追尾代表点P1(n),P2(n)に対応付けられた特徴情報と、追尾代表点P1(n−1)に対応付けられた特徴情報と、の類似度を比較する。そして、第1関連付け部32は、上記の判定及び比較の結果、nスキャン時点での追尾代表点P1(n)としての尤度が一番高い点を、追尾代表点P1(n)であると判別する。第1関連付け部32は、追尾代表点P1(n)の座標データを、第1運動推定部33へ出力する。
第1運動推定部33は、追尾フィルタ処理を行うことにより、nスキャン時点における、追尾代表点P1(n)の推定速度ベクトルV1(n)を算出する。具体的には、第1運動推定部33は、nスキャン時点における、追尾代表点P1(n)の座標データと、(n−1)スキャン時点における、追尾物標の推定速度ベクトルV1(n−1)のデータと、を用いて、追尾フィルタ処理を施す。なお、追尾フィルタとして、α−βフィルタ、カルマン・フィルタ等を例示することができる。
上記の追尾フィルタ処理により、第1運動推定部33は、nスキャン時点における追尾代表点P1(n)について、平滑位置と、推定位置P1’(n)と、推定速度ベクトルV1(n)(平滑速度ベクトル)と、を算出する。本実施形態では、追尾代表点P1の平滑位置は、追尾代表点P1の観測位置と同じであるとして、示している。また、推定位置P1’(n)は、(n+1)スキャン時点において、追尾代表点P1が到達すると推定される位置である。第1運動推定部33は、推定位置P1’(n)の座標データを、第1選別部31へ出力する。推定位置P1’(n)の座標データは、第1選別部31において、(n+1)スキャン時点での選別処理に用いられる。尚、推定速度ベクトルV1(n)のデータは、図示しない表示器へ出力されてもよい。この場合、この表示器には、推定速度ベクトルV1(n)が表示される。
一方、物標エコー像121で特定される物標以外の物標が、nスキャン時点において、新たに追尾物標として選択される(追尾開始される)場合がある。この場合、第1選別部31は、当該新たな追尾物標に関する、nスキャン時点以前の運動推定結果を、第3運動推定部51から受け入れる。尚、以下では、nスキャン時点において、新たに追尾物標として選択された物標を、「新追尾物標」ともいう。
具体的には、nスキャン時点において、オペレータによって新追尾物標が選択された場合、第2処理部22及び第3処理部23が動作する。図5は、物標エコー像120(125,126,127,128)の一例を示す図である。以下では、物標エコー像125で特定される物標が、新追尾物標として選択された場合を例に説明する。
図1及び図5を参照して、追尾処理部11は、物標エコー像125で特定される物標における、追尾開始時点での推定速度ベクトルV5(n)(運動状態)を、後述する特徴情報メモリ41に蓄積された追尾代表点Pの座標データを用いて、推定する。
第2処理部22は、nスキャン時点以前の時点における、物標エコー像125の追尾代表点P5(n−1),…P5(n−5)を特定するように構成されている。また、第3処理部23は、第2処理部22で特定された追尾代表点P5(n−1),…P5(n−5)の座標データを用いて、(n−1)スキャン時点を算出基準時点とする、追尾代表点P5(n−1)の推定速度ベクトルV5(n−1)を、算出する。これにより、追尾処理部11は、nスキャン時点から追尾処理を開始された新追尾物標について、推定速度ベクトルV5(n−1)を用いて、推定速度ベクトルV5(n)を、より正確に、且つ、より迅速に算出する。以下、第2処理部22の構成と、第3処理部23の構成と、を説明する。
第2処理部22は、nスキャン時点から過去のスキャン時点に向かう時系列に沿うように、処理を行う。この場合、第2処理部22は、第1処理部21の第1選択部31,第1関連付け部32,及び第1運動推定部33での処理と同様の処理を行う。これにより、第2処理部22は、新追尾物標の追尾代表点P5(n−1),…P5(n−5)の座標を、特定する。
第2処理部22は、特徴情報メモリ(蓄積部)41と、新追尾物標特定部42と、第2選別部43と、第2関連付け部44と、第2運動推定部45と、を有している。
特徴情報メモリ41は、エコー検出部9から出力された特徴情報のデータ、第1関連付け部32で算出された面積ar(特徴情報)のデータ、及び特徴情報抽出部10から出力された特徴情報のデータを、蓄積するように構成されている。本実施形態では、特徴情報メモリ41として、リングバッファが用いられている。特徴情報メモリ41は、(n−mt)スキャン時点から、nスキャン時点までの各時点における、全ての物標エコー像120について、追尾代表点Pの座標データを蓄積している。尚、定数mtは、予め設定されている値である。本実施形態では、mt=5に設定されている。また、特徴情報メモリ41は、(n−mt)スキャン時点から、nスキャン時点までの各時点における、全ての物標エコー像120についての特徴情報データを保持している。このように、特徴情報メモリ41は、過去に抽出された追尾代表点Pの座標データ等を、蓄積している。
しかしながら、前述したように、各物標エコー像120(121〜128)についての特徴情報データ(追尾代表点の座標データを含む)は、テキストデータである。このため、(n−mt)スキャン時点からnスキャン時点までの全てのスキャン時点における、各物標エコー像120の特徴情報データの総データ量は、上記全てのスキャン時点における、各物標エコー像120の画像データの総データ量と比べて、格段に小さい。この定数mtは、特徴情報メモリ41の記憶容量に応じて適宜設定される。特徴情報メモリ41は、空きの記憶容量が無くなった場合、(n−mt)スキャン時点以前のスキャン時点に関する情報の記憶領域に、新たに記憶すべきデータを上書きする。
新追尾物標特定部42は、nスキャン時点において、オペレータによって新追尾物標が選択された場合に、当該新追尾物標に対応する追尾代表点P5(n)を設定するように構成されている。前述したように、本実施形態では、新追尾物標として、物標エコー像125で特定される物標が選択されている。即ち、本実施形態では、物標エコー像125の追尾代表点P5(n)を、nスキャン時点から追尾する場合を例に説明している。オペレータは、表示器(図示せず)に表示された画像を参照しつつ、画像上の所定箇所を指定する。これにより、オペレータは、物標エコー像125によって特定される、新追尾物標を選択する。
この場合、オペレータが指定した座標は、上記新追尾物標の追尾代表点P5(n)の座標と完全に一致するとは限らない。そこで、新追尾物標特定部42は、オペレータが指定した座標に最も近い座標に存在する点を、新追尾物標の追尾代表点P5(n)として設定する。新追尾物標特定部42は、この追尾代表点P5(n)の座標データを、第2選別部43へ出力する。
次に、第2選別部43、第2関連付け部44、及び第2運動推定部45の構成について説明する。第2選別部43、第2関連付け部44、及び第2運動推定部45は、特徴情報メモリ41に蓄積された特徴情報データを用いて、処理を行うように構成されている。
第2選別部43は、特徴情報メモリ41から、(n−1)スキャン時点における、各追尾代表点P(n−1){P1(n−1),…,P8(n−1)}の座標データを読み出す。これにより、例えば、図6Aに示すように、追尾代表点P5(n)の周囲に、(n−1)スキャン時点の追尾代表点P5(n−1),P6(n−1),P7(n−1),P8(n−1)が配置される。尚、追尾代表点P1(n−1),…,P4(n−1)は、追尾代表点P5(n−1)から遠く離れているとして、図示していない。
次に、図1及び図6Bに示すように、第2選別部43は、選別領域S2(n−1)を設定する。選別領域S2(n−1)は、(n−1)スキャン時点において、新追尾物標の追尾代表点P5(n−1)が存在していたと推定される領域である。第2選別部43は、追尾代表点P5(n)を中心に、円状の選別領域S2(n−1)を設定する。図6Bは、一例として、3つの追尾代表点P5(n−1),P6(n−1),P7(n−1)が、選別領域S2(n−1)内に存在している場合を示している。
第2関連付け部44は、(n−1)スキャン時点における複数の追尾代表点P5(n−1),P6(n−1),P7(n−1)のなかから、追尾代表点P5(n−1)を判別するように構成されている。具体的には、第2関連付け部44は、選別領域S2(n−1)内の各追尾代表点P5(n−1),P6(n−1),P7(n−1)について、追尾代表点P5(n)からの近さを判定する。また、第2関連付け部44は、選別領域S2(n−1)内の各追尾代表点P5(n−1),P6(n−1),P7(n−1)に対応付けられている特徴情報データを、特徴情報メモリ41から読み出す。
第2関連付け部44は、各追尾代表点P5(n−1),P6(n−1),P7(n−1)に対応付けられた特徴情報と、追尾代表点P5(n)に対応付けられた特徴情報と、の類似度を比較する。そして、第2関連付け部44は、上記の判定及び比較の結果、(n−1)スキャン時点での追尾代表点P5(n−1)としての尤度が一番高い点を、追尾代表点P5(n−1)であると判別する。図7Aは、追尾代表点P5(n)と、追尾代表点P5(n−1)とが互いに関連付けられた状態を示している。第2関連付け部44は、(n−1)スキャン時点における追尾代表点P5(n−1)の座標データを、第2運動推定部45、及び第3処理部23の後述する代表点群メモリ50へ出力する。
次に、図1及び図7Bに示すように、第2運動推定部45は、nスキャン時点を算定基準時点とする、新追尾物標の逆方向ベクトルV2(n)(平滑速度ベクトル)を算出する。逆方向ベクトルV2は、当該逆方向ベクトルV2の算出基準となるスキャン時点よりも更に1つ過去のスキャン時点において、追尾代表点P5が存在したと推定される位置を特定するために、算出される。
具体的には、第2運動推定部45は、追尾フィルタ処理を行う。なお、追尾フィルタとして、第1運動推定部33の追尾フィルタと同様の、α−βフィルタ、カルマン・フィルタ等を例示することができる。
第2運動推定部45は、追尾代表点P5(n)の座標と、追尾代表点P5(n−1)の座標と、を参照する。そして、第2運動推定部45は、所定のフィルタ係数を用いて、逆方向ベクトルV2(n)を算出する。逆方向ベクトルV2(n)の起点は、追尾代表点P5(n)であり、当該逆方向ベクトルV2(n)の終点は、追尾代表点P5(n)と、P5(n−1)との間に位置する。逆方向ベクトルV2(n)の終点は、平滑位置P5’(n−1)である。平滑位置P5’(n−1)の座標データは、第2選別部43へ出力される。
次に、第2選別部43は、特徴情報メモリ41から、(n−2)スキャン時点における、各追尾代表点P(n−2)の座標データを読み出す。これにより、図8Aに示すように、平滑位置P5’(n−1)の周囲に、(n−2)スキャン時点の各追尾代表点P5(n−2),P6(n−2),P7(n−2)が配置される。
次に、図1及び図8Bに示すように、第2選別部43は、平滑位置P5’(n−1)を中心とする、選別領域S2(n−2)を設定する。
第2関連付け部44は、選別領域S2(n−2)内の複数の追尾代表点P5(n−2),P6(n−2),P7(n−2)のなかから、追尾代表点P5(n−2)を判別する。具体的には、第2関連付け部44は、選別領域S2(n−2)内の各追尾代表点P5(n−2),P6(n−2),P7(n−2)について、平滑位置P5’(n−1)からの近さを判定する。また、第2関連付け部44は、選別領域S2(n−2)内の各追尾代表点P5(n−2),P6(n−2),P7(n−2)に対応付けられている特徴情報データを、特徴情報メモリ41から読み出す。第2関連付け部44は、各追尾代表点P5(n−2),P6(n−2),P7(n−2)に対応付けられた特徴情報と、追尾代表点P5(n−1)に対応付けられた特徴情報と、の類似度を比較する。
そして、第2関連付け部44は、上記の判定及び比較の結果、(n−2)スキャン時点での追尾代表点P5(n−2)としての尤度が一番高い点を、追尾代表点P5(n−2)であると判別する。図9Aは、追尾代表点P5(n)の平滑位置P5’(n−1)と、追尾代表点P5(n−2)とが互いに関連付けられた状態を示している。第2関連付け部44は、追尾代表点P5(n−2)の座標データを、第2運動推定部45、及び第3処理部23の代表点群メモリ50へ出力する。
図1及び図9Bに示すように、第2運動推定部45は、追尾フィルタ処理を行うことにより、逆方向ベクトルV2(n−1)を算出する。この場合、第2運動推定部45は、逆方向ベクトルV2(n)の終点を、平滑位置P5’(n−1)として用いる。また、第2運動推定部45の追尾フィルタは、追尾代表点P5(n−2)の座標データを読み込む。これにより、第2運動推定部45は、逆方向ベクトルV2(n−1)を算出する。第2運動推定部45は、逆方向ベクトルV2(n−1)の終点である、平滑位置P5’(n−2)の座標データを、第2選別部43へ出力する。
以下、第2処理部22は、(n−5)スキャン時点における追尾代表点P5(n−5)を検出するまで、図8A〜図9Bに示す処理と同様の処理を、繰り返し行う。
これにより、第2処理部22は、図10に示すように、追尾代表点P5(n−3)、逆方向ベクトルV2(n−2)、追尾代表点P5(n−4)、逆方向ベクトルV2(n−3)、追尾代表点P5(n−5)、を、順に算出する。
上記の構成により、第2関連付け部44は、追尾代表点P5(n−1),P5(n−2),P5(n−3),P5(n−4),P5(n−5)の座標データを、代表点群メモリ50へ出力する。
即ち、第2処理部22は、nスキャン時点よりも過去の複数スキャン時点における、追尾代表点P5(n−1),…,P5(n−5)の座標を検出する。このように、第2処理部22は、新追尾物標について、複数の追尾代表点P5(n−1),…P5(n−5)からなる追尾代表点群PG1を、特定する。
この場合、第2処理部22は、新追尾物標が選択されたnスキャン時点での追尾代表点P5(n)を起点として、追尾代表点群PG1を抽出する。即ち、第2処理部22は、特徴情報メモリ41に蓄積された、追尾代表点Pの座標データを基に、nスキャン時点以前の複数時点における、追尾代表点P5(n−1),…,P5(n−5)の座標を算出する。
追尾代表点群PG1のデータは、第3処理部23において参照される。第3処理部23は、新追尾物標の追尾代表点群PG1を用いて、nスキャン時点以前における、新追尾物標の追尾代表点P5の運動を推定するように構成されている。即ち、第3処理部23は、nスキャン時点よりも過去の時点における新追尾物標の運動を、nスキャン時点において推定するように構成されている。
図11は、第3処理部23で行われる処理を説明するための模式図である。図11の各追尾代表点P5(n),…,P5(n−5)の座標は、図10の各スキャン時点における追尾代表点P5(n),…,P5(n−5)の座標と同じである。
図1及び図11に示すように、第3処理部23は、新追尾物標が選択されたnスキャン時点において、(n−1)スキャン時点における新追尾物標の推定速度ベクトルV5(n−1)を、推定するように構成されている。第3処理部23は、代表点群メモリ50と、第3運動推定部51と、を有している。
第3運動推定部51は、追尾フィルタ処理を施すように構成されている。尚、追尾フィルタとして、第1運動推定部33の追尾フィルタと同様の、α−βフィルタ、カルマン・フィルタ等を例示することができる。
第3運動推定部51は、追尾代表点P5(n−1),…,P5(n−5)の座標データを、代表点群メモリ50から読み出す。第3運動推定部51は、この座標データを用いて、nスキャン時点よりも過去の時点における、新追尾物標の運動を、正の時系列に沿って推定する。尚、この場合の「正の時系列」とは、nスキャン時点よりも前の時点から、nスキャン時点に向かう時系列をいう。
第3運動推定部51は、まず、追尾代表点群PG1のうち、最も古い時点、及びその次に古い時点のそれぞれにおける、追尾代表点P1の座標データを参照する。即ち、本実施形態では、第3運動推定部51は、追尾代表点P1(n−5)の座標データと、追尾代表点P1(n−4)の座標データと、を参照する。
この場合、第3運動推定部51は、追尾代表点P5(n−5)の座標を初期平滑位置として用いる。また、第3運動推定部51の追尾フィルタは、追尾代表点P5(n−4)の座標データを読み込む。これにより、第3運動推定部51は、正方向ベクトルV5(n−5)を算出する。正方向ベクトルV5(n−5)の起点は、追尾代表点P5(n−5)であり、当該正方向ベクトルV5(n−5)の終点は、追尾代表点P5(n−5)とP5(n−4)との間に位置する。
次に、第3運動推定部51は、追尾フィルタ処理を行うことにより、正方向ベクトルV5(n−4)を算出する。この場合、第3運動推定部51は、正方向ベクトルV5(n−5)の終点を、平滑位置として用いる。また、第3運動推定部51の追尾フィルタは、追尾代表点P5(n−3)の座標データを読み込む。これにより、第3運動推定部51は、正方向ベクトルV5(n−4)を算出する。
上記と同様に、第3運動推定部51は、追尾フィルタ処理を行うことにより、正方向ベクトルV5(n−3)を算出する。この場合、第3運動推定部51は、正方向ベクトルV5(n−4)の終点を、平滑位置として用いる。また、第3運動推定部51は、追尾フィルタへ、追尾代表点P5(n−2)の座標データを入力する。これにより、第2運動推定部45は、正方向ベクトルV5(n−3)を算出する。
上記と同様に、第3運動推定部51は、正方向ベクトルV5(n−2),V5(n−1)を算出する。正方向ベクトルV5(n−1)を算出する際、第3運動推定部51は、追尾代表点P5(n)の座標データを用いる。
第3運動推定部51は、上記正方向ベクトルV5(n−1)を、(n−1)スキャン時点における追尾代表点P5(n−1)の推定速度ベクトルデータV5(n−1)として、第1選別部31へ出力する。
そして、第1選別部31は、前述した追尾代表点P1(n)に関する追尾処理と同様の追尾処理を行う。具体的には、図4及び図12に示すように、第1選別部31は、この推定速度ベクトルV5(n−1)を用いて、選別領域S5(n)を設定する。次いで、第1関連付け部32は、選別領域S5(n)内から、追尾代表点P5(n)を検出する。次いで、第1運動推定部33は、追尾代表点P5(n)の座標データと、推定速度ベクトルV5(n−1)のデータと、を用いて、追尾フィルタ処理を施す。これにより、第1運動推定部33は、追尾代表点P5(n)の推定速度ベクトルV5(n)を算出する。
上記したように、第3処理部23では、nスキャン時点以前には追尾処理が行われていなかった新追尾物標の追尾代表点P5(n)について、(n−1)スキャン時点での推定速度ベクトルV5(n−1)が算出される。即ち、第3処理部23は、追尾代表点群PG1のうち、最も古い時点の追尾代表点P5(n−5)から順に、各追尾代表点P5(n−5),…,P5(n−1)の運動状態(正方向ベクトルV5)を推定する。そして、第3処理部23は、追尾代表点群PG1のうち、最も新しい時点の追尾代表点P5(n−1)について、推定速度ベクトルV5(n−1)を算出する。第1処理部21は、この推定速度ベクトルV5(n−1)を用いて、新追尾物標が選択されたnスキャン時点における、追尾代表点P5(n)の推定速度ベクトルV5(n)を、推定する。
以上の処理を追尾処理装置3が行う結果、追尾処理装置3は、新追尾物標が選択された後、迅速に、当該新追尾物標の追尾代表点P5(n)の推定速度ベクトルV5(n)を、より正確に推定できる。その結果、追尾処理装置3は、新追尾物標について、安定した追尾処理を行うことができる。
仮に、新追尾物標が選択された時点以降の情報のみに基づいて、新追尾物標の追尾処理を行う場合、追尾処理装置は、新追尾物標の推定速度ベクトルを正確に算出するまでに、多くの時間を必要とする。このため、追尾処理装置は、新追尾物標の推定速度ベクトルを正確に推定するまでの間に、クラッタ等に起因するノイズを、新追尾物標として誤検出するおそれがある。その結果、追尾処理装置は、正確な追尾処理を行えないおそれがある。
以上説明したように、追尾処理装置3によると、nスキャン時点において、新たな追尾物標が選択された場合、追尾処理部11の第3処理部23は、過去の複数の時点における当該追尾物標の追尾代表点P5(n−1),…,P5(n−5)の情報を用いる。第3処理部23は、新追尾物標の追尾に必要な情報である、この情報を用いて、新追尾物標の追尾代表点P5(n)の推定速度ベクトルV5(n)を算出する。これにより、追尾物標として、新追尾物標が選択された直後においても、追尾処理部11は、新追尾物標について、過去の時点における推定速度ベクトルV5(n−1)のデータを得ることができる。よって、追尾処理部11は、nスキャン時点における推定速度ベクトルV5(n)を、より正確に、且つ迅速に推定できる。
しかも、追尾処理装置3は、新追尾物標が選択されるまでは、当該新追尾物標の追尾処理を行わない。このため、追尾処理装置3は、新追尾物標について、追尾対象として選択される前の時点で、追尾フィルタ処理を行う必要がなく、且つ、追尾フィルタ処理の結果の蓄積も必要ない。その上、過去の時点における追尾代表点Pを特定するためのデータ等、(n−1)スキャン時点における推定速度ベクトルV5(n−1)算出用のデータは、特徴情報メモリ41に蓄積されている。これらのデータは、テキストデータであり、データ容量が小さい。したがって、各スキャン時点における物標エコー像120の画像データを特徴情報メモリ41に蓄積した場合と比べて、追尾処理部11に必要な記憶容量は、格段に小さくて済む。しかも、新追尾物標について、過去の各時点における追尾代表点P5(n−1),…P5(n−5)を特定する処理(特定処理)と、過去の時点における推定速度ベクトルV5(n−1)を算出する処理(算出処理)とは、上記のテキストデータを用いて行われる。よって、追尾処理部は、画像データを用いてこれらの特定処理及び算出処理を行う場合と比べて、計算負荷を格段に少なくできる。
したがって、追尾処理装置3によると、追尾物標の追尾開始の指令を受けてから、当該追尾物標の運動状態をより正確に推定するまでのタイムラグを少なくでき、且つ、計算負荷が少なくて済み、且つ、記憶容量が少なくて済む。
また、追尾処理装置3によると、運動推定部11は、算出した追尾代表点群PG1を用いて、新追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、新追尾物標の運動状態を推定する。これにより、追尾処理部11は、新追尾物標の追尾処理開始直後であっても、過去の複数の時点における、新追尾物標の追尾代表点P5(n−1),…,P5(n−5)の情報を得ることができる。よって、追尾処理部11は、新追尾物標の情報について、追尾開始前の時点から追尾処理を実行していたのと同様の情報を、追尾処理開始時点で得ることができる。これにより、新追尾物標の運動を、より正確に、且つ迅速に推定することができる。
また、追尾処理装置3によると、追尾処理部11は、新追尾物標が選択されたnスキャン時点における、当該新追尾物標の追尾代表点P5(n)を起点として、追尾代表点群PG1を抽出する。これにより、追尾処理部11は、新追尾物標の追尾代表点群PG1と、最新の時点(nスキャン時点)における追尾代表点P5(n)とを、明確に関連づけることができる。これにより、追尾処理部11は、多数の追尾代表点の中から、追尾代表点群PG1を、より正確に抽出することができる。よって、追尾処理部11は、新追尾物標の運動情報を、より正確に推定できる。
また、追尾処理装置3によると、第3処理部23は、追尾代表点群PG1のうち、最も古い時点の追尾代表点P5(n−5)から順に、追尾代表点P5の運動を推定する。また、第1処理部21は、追尾代表点群PG1のうち、最も新しい時点の追尾代表点P5(n−1)の推定速度ベクトルV5(n−1)を用いる。第1処理部21は、この推定速度ベクトルV5(n−1)を用いて、新追尾物標の追尾開始時点における、推定速度ベクトルV5(n)を算出する。このように、第3処理部23は、追尾代表点群PG1の各追尾代表点P5(n−5),…,P5(n−1)について、過去からnスキャン時点に向かう正の時系列に沿って追尾処理を行う。これにより、追尾処理部11は、追尾代表点群PG1の追尾代表点P1(n−5)が観測された時点から、新特定物標の追尾代表点P5を追尾していた場合の精度と同様の精度で、推定速度ベクトルV5(n)を算出することができる。
また、追尾処理装置3によると、特徴情報メモリ41は、各物標エコー像120によって特定される物標の特徴情報を、蓄積する。追尾処理部11は、各物標エコー像120の追尾代表点Pの座標データと、上記特徴情報とに基づいて、物標エコー像125の追尾代表点群PG1を抽出するように構成されている。このように、追尾処理部11は、追尾代表点P5の座標情報に加えて、追尾代表点P5に関連付けられている他の特徴情報を用いて、追尾代表点P5を検出する。これにより、追尾処理部11は、エコーデータの観測誤差の存在、及び他の物標の存在の影響を抑制した状態で、新追尾物標の追尾代表点P5(n−5),…,P5(n−1)を、より正確に特定できる。
また、追尾処理装置3によると、上記の特徴情報は、物標エコー像120の形状情報、物標エコー像120を特定するエコー信号のレベル、各エコー像120によって特定される物標の周囲状態を特定する情報、及び、上記エコー信号に関するドップラーシフト量の少なくとも一つを含む。追尾処理部11の第2処理部22は、これらの特徴情報を用いることにより、新追尾物標の追尾代表点P5(n−5),…,P5(n−1)を、より正確に特定することができる。
また、追尾処理装置3によると、新追尾物標特定部42は、オペレータ等によって指定された座標に最も近い座標を有する追尾代表点を、新追尾物標の追尾代表点P5(n)として設定する。このような簡易な構成によって、追尾処理部11は、新追尾物標の追尾代表点P5(n)を、確実に識別することができる。
その上、追尾処理部11は、物標エコー像120の中心点を、追尾代表点P5(n)として設定する。仮に、物標エコー像のうち、自船からの最前縁部等の縁部を、追尾代表点として設定した場合、追尾代表点の近傍には、クラッタ、又は水面上の波等に起因するノイズが存在する可能性が高い。このため、オペレータによって新特定物標が選択された場合、追尾処理部は、追尾代表点として、上記のノイズ中の点を、追尾代表点として誤って検出するおそれがある。このような誤検出が生じると、追尾処理部は、上記のノイズについて追尾処理を行うこととなり、新追尾物標を追尾することができない。
これに対して、追尾処理装置3によると、エコー検出部9は、物標エコー像120(像110)の中心点を、追尾代表点P5(n)として設定している。この場合、追尾代表点P5(n)の近傍には、クラッタ、又は水面上の波に起因するノイズが存在しない。このため、オペレータによって新特定物標が選択された場合、追尾処理部11は、新追尾物標の物標エコー像120中の点を、追尾代表点P5(n)として正しく検出することができる。よって、追尾処理部11は、新追尾物標を確実に追尾することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
(1)前述の実施形態では、追尾処理装置は、物標追尾に必要な情報(特徴情報メモリに格納される情報)として、追尾代表点の座標情報を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、物標追尾に必要な情報として、追尾代表点の座標情報以外の情報を用いてもよい。
(2)前述の実施形態では、追尾処理装置は、エコー検出部によって検出された物標エコー像の全てについて、追尾代表点と、特徴情報とを検出する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、追尾処理装置は、エコー検出部によって検出された物標エコー像のうち、自船位置の近傍からの物標エコー像についてのみ、追尾代表点と、特徴情報とを検出してもよい。
(3)前述の実施形態では、第2処理部は、1スキャン時点毎に、新追尾物標の追尾代表点を検出する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、第2処理部は、あるスキャン時点において、新追尾物標の追尾代表点としてふさわしい追尾代表点が存在しないと判定した場合、当該スキャン時点については、追尾代表点を特定しなくてもよい。この場合、第2処理部は、上記した、あるスキャン時点の更に1つ過去のスキャン時点における複数の追尾代表点の中から、新追尾物標の追尾代表点を特定する。
(4)上述の実施形態では、定数mt=5とし、(n−5)スキャン時点から(n−1)スキャン時点までの追尾代表点を用いて、(n−1)スキャン時点での新追尾物標の推定速度ベクトルを算出する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、定数mtは、より大きな値に設定されてもよい。これにより、追尾処理部は、新追尾物標について、nスキャン時点以前の運動状態を、より正確に推定できる。
(5)上述の実施形態では、物標エコー像についての中心点を、追尾代表点として用いる形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、物標エコー像のうち、自船に対して最も近い点である最前縁点等を、追尾代表点として用いてもよい。
(6)上述の実施形態では、追尾処理部は、第1処理部、第2処理部、及び第3処理部を有する形態を説明したけれども、この通りでなくてもよい。例えば、追尾処理部の第1処理部が、第2処理部の処理及び第3処理部の処理と同様の処理を行ってもよい。この場合、第2処理部、及び第3処理部は、省略される。その他、上述の実施形態で説明した機能ブロックの組み合わせは、一例に過ぎず、上記の機能ブロックによって実現される機能を、他の機能ブロックの組み合わせによって実現してもよい。
(7)前述の実施形態では、関連付け処理において、尤度判定を用いて、追尾代表点を特定する形態を例に説明した。しかしながら、この通りでなくてもよい。例えば、関連付け部は、関連付け処理において、単に、選別領域の中心に最も近い点を、追尾代表点と判定してもよい。
(8)上述の実施形態では、追尾処理装置が、船舶用の追尾処理装置である形態を例に説明した。しかしながら、本発明は、船舶用の追尾処理装置に限らず、他の移動体用の追尾処理装置として適用することができる。
本発明は、追尾処理装置、及び追尾処理方法として、広く適用することができる。
3 追尾処理装置
9 エコー検出部(追尾情報検出部)
11 追尾処理部
41 特徴情報メモリ(蓄積部)
208 追尾代表点の座標データ(物標追尾に必要な情報)

Claims (4)

  1. 物標からのエコー信号を用いて、物標追尾に必要な情報を抽出する、追尾情報検出部と、
    過去に抽出された、前記物標追尾に必要な情報を蓄積する、蓄積部と、
    追尾対象として選択された追尾物標の追尾処理を行う、追尾処理部と、を備え、
    前記追尾処理部は、前記追尾物標の追尾開始時点における前記追尾物標の運動状態を、前記蓄積部に蓄積された前記情報を用いて推定し、
    前記追尾情報検出部は、前記情報として、前記物標の追尾代表点の情報を検出し、
    前記蓄積部は、前記追尾代表点の情報を蓄積し、
    前記追尾処理部は、前記蓄積部に蓄積された前記追尾代表点の情報を用いて、前記運動状態を推定し、
    前記追尾処理部は、前記蓄積部に蓄積された前記追尾代表点の情報を基に、前記追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、複数の時点での前記追尾物標の前記追尾代表点を、追尾代表点群として抽出し、前記追尾代表点群を用いて、前記追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、前記追尾物標の運動状態を推定し、
    前記追尾処理部は、前記追尾物標の追尾開始時点における前記追尾物標の前記追尾代表点を起点として、前記追尾代表点群を抽出し、
    前記追尾処理部は、前記追尾代表点群のうち、最も古い時点の前記追尾代表点から順に、各前記追尾代表点の運動を追尾処理によって推定し、次いで、前記追尾代表点群のうち、最も新しい時点における前記追尾代表点の追尾処理結果を用いて、前記追尾物標の追尾開始時点における、前記追尾物標の前記追尾代表点の運動状態を推定することを特徴とする、追尾処理装置。
  2. 請求項に記載の追尾処理装置であって、
    前記蓄積部は、更に、前記エコー信号を用いて得られる、前記物標に関する特徴情報を蓄積し、
    前記追尾処理部は、各前記追尾代表点の情報と、前記特徴情報とに基づいて、前記追尾代表点群を抽出することを特徴とする、追尾処理装置。
  3. 請求項に記載の追尾処理装置であって、
    前記特徴情報は、前記エコー信号によって特定されるエコー像の形状情報、前記エコー信号のレベル、前記物標の周囲の状態を特定する情報、及び、前記エコー信号に関するドップラーシフト量の少なくとも一つを含むことを特徴とする、追尾処理装置。
  4. 物標からのエコー信号を用いて、物標追尾に必要な情報を抽出する、追尾情報検出ステップと、
    過去に抽出された、前記物標追尾に必要な情報を蓄積する、蓄積ステップと、
    追尾対象として選択された追尾物標の追尾処理を行う、追尾処理ステップと、を備え、
    前記追尾処理ステップでは、前記追尾物標の追尾開始時点における前記追尾物標の運動状態を、前記蓄積ステップで蓄積された前記情報を用いて推定し、
    前記追尾情報検出ステップでは、前記情報として、前記物標の追尾代表点の情報を検出し、
    前記蓄積ステップでは、前記追尾代表点の情報を蓄積し、
    前記追尾処理ステップでは、前記蓄積ステップで蓄積された前記追尾代表点の情報を用いて、前記運動状態を推定し、
    前記追尾処理ステップでは、前記蓄積ステップで蓄積された前記追尾代表点の情報を基に、前記追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、複数の時点での前記追尾物標の前記追尾代表点を、追尾代表点群として抽出し、前記追尾代表点群を用いて、前記追尾物標の追尾開始時点以前の時点における、前記追尾物標の運動状態を推定し、
    前記追尾処理ステップでは、前記追尾物標の追尾開始時点における前記追尾物標の前記追尾代表点を起点として、前記追尾代表点群を抽出し、
    前記追尾処理ステップでは、前記追尾代表点群のうち、最も古い時点の前記追尾代表点から順に、各前記追尾代表点の運動を追尾処理によって推定し、次いで、前記追尾代表点群のうち、最も新しい時点における前記追尾代表点の追尾処理結果を用いて、前記追尾物標の追尾開始時点における、前記追尾物標の前記追尾代表点の運動状態を推定することを特徴とする、追尾処理方法。
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