JP6084061B2 - 振動アクチュエータ - Google Patents
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Description
そして、前記電動式の機構としては、電磁モータ式,圧電モータ式,形状記憶合金式等が提案されるが、特に内視鏡用としては、小径でも大きな駆動力が得られる等の点から、圧電素子(電歪素子を含む)の振動により可動軸を駆動する振動式アクチュエータが好ましい。
例えば、特許文献1には、一体ナット状の素子(110)と、該素子(110)にクリアランスを介して螺合挿入されたネジ付シャフト(120)と、前記一体ナット状の素子の外周面に固定された圧電層を有する部材(132a〜132d)とを備え、前記圧電層に通電し、一体ナット状の素子(110)に回転振動を与えることで、ネジ付シャフト(120)を回転させると同時に軸方向に運動させるようにした発明が開示されている。
また、特許文献2には、文献内に示される図1及び図2において,角筒状の弾性体からなる振動体(1)と、該振動体に接合された圧電素子(2a〜2d,3a〜3d,4a〜4d,5a〜5d)と、前記振動体内に挿入されたシャフト(9)と、該シャフトに固定された板バネ(8)とを備え、前記圧電素子に通電して、前記振動体を振動させることにより、前記シャフト及び板バネを軸方向へ変位するようにした発明が開示されている。
また、特許文献3には、柱状作動子(12)を一体角筒状のステータ(11)の作動子孔(H)に挿通し、ステータ(11)に取り付けられた複数の超音波発生素子(13)に通電することで、作動子孔(H)の内面に進行波を発生させて、柱状作動子(12)を回転又は軸方向へ移動させるようにした発明が開示されている。
また、特許文献2に示す発明では、一体角筒状の振動体(1)を圧電素子(2a〜2d,3a〜3d,4a〜4d,5a〜5d)によって励振するものであるが、内視鏡等のチューブに挿入固定されると,振動がチューブに吸収されて,スライダ(11)に十分な駆動力が伝達されないおそれがある。
また、特許文献3に示す発明では、柱状作動子(12)とステータ(11)内の作動子孔(H)との接触面が早期に摩耗しその間の隙間が変化してステータ(11)の振動波が柱状作動子(12)に伝わらなくなり作動しなかったり、一体角筒状のステータ(11)が十分に振動せずに必要な駆動力を得られなかったりすることが懸念される。
ここで、前記「運動」には、前記可動軸の軸心を回転中心とした回転運動、及び前記可動軸の軸方向に沿う直進運動を含む。
この構成によれば、付勢部材により可振部材を径内方向へ付勢して可動軸の外周面に押し付けるようにしているため、可振部材と可動軸の間に隙間が生じ難い。よって、振動を効率的に可動軸に伝達することができ、その結果として、例えば、内視鏡等のチューブに挿入できるように極細(例えば2mm以下)な構成とした場合でも、可動軸による駆動力を十分に得ることができる。
この構成によれば、可振部材の振動を効率的に可動軸に伝達して、可動軸の直進運動による駆動力を向上することができる。
この構成によれば、可振部材の振動を効率的に可動軸に伝達して、可動軸の回転運動による駆動力を向上することができる。
この構成によれば、三組以上の電極に順次に通電することで、可動軸を電極の並び方向へ運動させることができる。
また、前記構成の好ましい具体例としては、前記圧電素子に、三組以上の電極を、前記可動軸の軸方向と周方向にわたって並べ設け(図8参照)、これら電極への通電順序に応じて、前記可動軸が直進運動及び/又は回転運動するようにする。
この具体例によれば、電極への通電順序に応じて、可動軸を直進運動させながら回転運動させたり、同可動軸を直進運動又は回転運動させたり等することができる。
この構成によれば、圧電素子が、円筒状チューブの内周面から離隔するため、圧電素子の振動が円筒状チューブにより抑制されてしまうのを防ぐことができる。
この構成によれば、圧電素子の給電配線をコンパクトな構成にすることができ、当該振動アクチュエータを円筒状チューブに挿入した際の収納性が良好である。
図1〜図4に示す振動アクチュエータ1は、可動軸10と、可動軸10の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材20と、各可振部材20の外面に固定された圧電ユニット30と、付勢部材42(図2参照)によって可振部材20を径内方向へ付勢して可動軸10の外周面に押し付けるケース部材40とを備え、圧電ユニット30に通電した際の可振部材20の振動により可動軸10を所定方向へ直進運動させるように構成さている。
各可振部材20は、金属等の剛性材料から可動軸10の軸方向へわたる長尺片状に形成され、その内周側に凹曲面部21を有するとともに、外周面側には、圧電素子31を貼り付け易いように、該圧電素子31にならった形状の部位(図示例によれば、平坦面部22)を有する。
そして、これら複数の溝21aは、可振部材20と可動軸10の間の摩擦力を適宜に調整して、可振部材20の振動波を効率良く可動軸10へ伝達するように作用する。なお、他例としては、これら溝21aの一部又は全部を省いたり、これら溝21aの一部又は全部を突起に置換したりすることも可能である。
さらに、他例としては、前記圧電素子の構造としてユニモルフ構造以外の構造(例えばバイモルフ構造等)を採用することも可能である。
給電配線33は、電極32a,32b,32c,32dの各々に対し電力を供給するように電気的に接続され、可振部材20と円筒状チューブpの間の隙間(詳細には図4に示すように、可振部材20とケース部材40の間の隙間や、ケース部材40と円筒状チューブpの間の隙間等)を通って、可動軸10の軸方向へ導かれる。特に、可振部材20の振動に悪影響を及ぼさないようにする観点からは、図4に示すように、この給電配線33を、ケース部材40と円筒状チューブpの間の隙間であって、ケース部材40の角部分から離れた位置(換言すれば平坦部分寄り)に配置するのが好ましい。
これら電極32a,32b,32c,32dの数は、可動軸10の進行方向を容易に特定できるように三組以上とするのが好ましいが、制御方法等によっては二組とすることも可能である。
また、図2に示す一例では、一枚の圧電素子31に対し複数の電極32a,32b,32c,32dを固定するようにしているが、他例としては、複数枚の圧電素子に対しそれぞれ電極を設けた態様(例えば図8参照)とすることも可能である。
そして、可振部材20とケース部材40の間の隙間や、ケース部材40と円筒状チューブpの間の隙間には、圧電素子31への給電配線33が挿通され、さらに、必要に応じて、当該振動アクチュエータ1以外の機器の電気配線34(例えば、内視鏡等の信号線等)もコンパクトに挿通される。なお、可動軸10は必ずしも円柱状でなくてもよく、他例としては、円筒状の中空軸とし、その中央の孔には必要に応じて前記電気配線34等を挿通する。
振動アクチュエータ1を動作させるためには、図示しない制御回路から圧電ユニット30に対し所定周波数の電力が供給され、電極32a,32b,32c,32dが順次に通電状態となる。詳細に説明すれば、例えば、先ず、一つの電極32aのみが通電され、圧電素子31における電極32aの近傍に振動を発生させる。次に、該電極32aへの通電が遮断されて、電極32aのみが通電されて、圧電素子31における電極32bの近傍に振動を発生させる。同様にして、電極32cのみへの通電、電極32dのみへの通電が順次に行われ、このような通電が無限ループ状に繰り返し行われる。すると、圧電素子31には、前記通電順序の方向へ向かう進行波状の振動が発生し、この進行波状の振動が、各可振部材20に伝達し、さらに可振部材20から可動軸10に伝達することで、可動軸10が前記通電順序の方向へ直進運動する(図2参照)
なお、他の通電方法としては、電極32a,32b、電極32b,32c、電極32c,32d、電極32d,32aの順番に二つずつ通電する方法や、あるいは、電極32a、電極32a,32b、電極32b、電極32b,32c、電極32c、電極32c,32d、電極32d、電極32d,32aのように、電極を移行する毎に通電数が切り替わるように通電する方法等としてもよい。
さらに、各可振部材20を付勢部材42の付勢力によって可動軸10外周面に常に押圧するようにしているため、可振部材20から可動軸50へ伝達される振動の損失を軽減することができる。
また、特に図4に示されるように、比較的振動の少ない角部分41aを円筒状チューブp内周面に接触させるとともに、隣り合う角部分41a,41a間の平坦面部41bを円筒状チューブpの内周面から離隔させた状態で、可振部材20が円筒状チューブpの中心部寄りに付勢部材42によって柔軟に支持されるため、可振部材20及び圧電素子31の振動が円筒状チューブpに吸収されたり抑制されたりするのを効果的に軽減することができる。
よって、圧電素子31の振動を効率的に可動軸10に伝達して、可動軸10の駆動力を増大することができる。
また、ケース部材40と可振部材20の隙間や、円筒状チューブpとケース部材40の隙間に給電配線33や、他の機器の電気配線34を挿通して、コンパクトな収納態様にすることができる。
図5に示す振動アクチュエータ2は、上記振動アクチュエータ1に対し、可振部材20及び圧電ユニット30を三つ以上の可振部材20’及び圧電ユニット30’に置換するとともに、ケース部材40をケース部材40’に置換したものである。
各付勢部材42’は、ケース本体41’の周壁の一部を、板バネ状に切欠する等して、周方向に沿って径内方向へ突出しており、その突端側の部分によって各圧電ユニット30’を径内方向へ付勢して、圧電ユニット30’と一体の可振部材20’を可動軸10の外周面に押し付けている。
この回転運動の際、周方向に分離した可振部材20’をそれぞれ可動軸10に押圧するようにしているため、上述した振動アクチュエータ1と同様に、振動の伝達効率が良好であり、可動軸10の回転方向の駆動力を向上させることができる。
また、図5に示す振動アクチュエータ2においては、周方向に並ぶ圧電ユニット30及び可振部材20’の数を、可動軸10の回転方向を容易に特定できるように三組以上としたが、制御方法等によってはこれらの数を二組とすることも可能である。
図6に示す振動アクチュエータ3は、上記振動アクチュエータ1に対し、上記可動軸10,上記可振部材20,上記ケース部材40を、それぞれ、可動軸10’,可振部材20”,ケース部材40”に置換するとともに、圧電ユニット30とケース部材40”の間に独立した付勢部材42”を設けている。
各可振部材20”は、金属等の剛性材料から可動軸10の軸方向へわたる略長尺状に形成され、その断面形状が可振部材20”の片半部側嵌り合う凹状である。
この可振部材20”の内面(詳細には可動軸10’が周面に接触する面)には、必要に応じて、可動軸10のものと同様の溝(図3の溝21a参照)が設けられる。
また、可振部材20”の外面は平坦状に形成され、この面上に圧電ユニット30が固定される。
この振動アクチュエータ3によれば、上記振動アクチュエータ1と同様に、可振部材20”側の振動を効率的に可動軸10’に伝達できる。その上、可動軸10’を角柱状に形成しているため、当該振動アクチュエータ3の用途等により可動軸10’を回転させたくない場合に、該可動軸10’を回転させることなく軸方向へ直進運動させることができる。
図7に示す振動アクチュエータ4は、図5に示す振動アクチュエータ2からケース部材40’を省き、図6のものと略同様の板バネ状の付勢部材42”を設け、これらを円筒状チューブp内へ直接挿入したものである。
付勢部材42”は、周方向に並ぶ可振部材20’及び圧電ユニット30’に対応して三つ以上(図示例によれば四つ)設けられる。
各付勢部材42”及び圧電ユニット30’は、各可振部材20’の角寄りを避けるようにして、各可振部材20’の平坦面部22’における中央寄りに配設される。したがって、各付勢部材42’及び圧電ユニット30’は、可振部材20’の平坦面部22’と円筒状チューブpの内周面との間に形成される隙間に位置することになる。
図8に示す態様では、単一の可振部材20の平坦面部22に、軸方向と周方向に並ぶ複数の圧電ユニット30”を固定している。図示例では、圧電ユニット30”を、軸方向に四つ、周方向に二つ並べ設けている。
各圧電ユニット30”は、一枚の圧電素子31に一組の電極32を設けてなり、各電極には図示しない給電配線が接続されている。
すなわち、複数の圧電ユニット30”の電極32に対し、軸方向へ順番に通電を行えば、この通電方向に沿って可動軸10を直進運動させることができ、周方向へ順番に通電を行えば、この通電方向に沿って可動軸10を回転運動させることができる。また、前記通電の順番を逆にすれば、可動軸10の直進方向を逆にしたり、可動軸10の回転方向を逆にしたりすることができる。さらに、軸方向と周方向の通電を同時に行って、可動軸10を回転運動させながら直進運動させることも可能である。
滑り防止加工部10a,20aを有する構成によれば、例えば、本実施の形態の振動アクチュエータ1〜4が内視鏡等に適用され、血液や体液等の液体が可動軸10(又は10’)と可振部材20(20’又は20”)との間に流入した場合でも、これらの間に滑りを生じるのを防止することができ、可動軸10(又は10’)の動作を安定させることができる。
前記粗面加工は、表面粗さの範囲を、平均粗さ2マイクロメータ以上で6マイクロメータ以下とするのが好ましい。すなわち、前記範囲よりも平均粗さが小さい場合には、流入した液体により摩擦力が著しく低下し滑りを増加してしまうおそれがある。逆に、前記範囲よりも平均粗さが大きい場合には、摩擦力が著しく増大して、可動軸10(又は10’)の滑らかな運動を阻害してしまうおそれがある。
この構成によれば、可動軸10(又は10’)を直進運動させた場合に、該可動軸10(又は10’)の環状突起と、可振部材20(20’又は20”)の環状凹部とが嵌脱を繰り返しながら軸方向へ進むため、可動軸10(又は10’)が軸方向へ滑りを生じるようなことを防止することができる。
また、滑り防止加工部10a,20aの他例としては、可動軸10(又は10’)の外周面、及び/又は可振部材20(20’又は20”)の内周面を、例えばローレット加工状等の多数の凹凸面とした態様等とすることも可能である。
図11〜図16に示す振動アクチュエータ5は、可動軸50と、可動軸50の外周面に接触するとともに周方向に分離するように支持された複数の可振部材60と、これら可振部材60の外面にそれぞれ固定された複数の圧電ユニット70a,70b,70c,70dと、可振部材60及び圧電ユニット70a,70b,70c,70dの周囲を覆うケース部材80とを備え、圧電ユニット70a,70b,70c,70dに通電した際の可振部材60の振動により可動軸50を所定方向へ回転させながら軸方向へ直進させる。
各可振部材60は、金属等の剛性材料から可動軸50の軸方向へわたる略長尺片状に形成され、その内周側に凹曲面部61を有するとともに、外周面側には平坦面部62を有する(図12及び図13参照)。
電極72は、図示例によれば、圧電素子71の端部側に固定される。
また、給電配線73は、電極72に対し電気的に接続され、可振部材60とケース部材80の隙間や、ケース部材80と円筒状チューブpの隙間等を通って、可動軸50の軸方向へ導かれる。この給電配線73は、特に、可振部材60の振動に悪影響を及ぼさないようにする観点から、図16に示すように、ケース部材80と円筒状チューブpの間の隙間であって、ケース部材80の角部分から離れた位置(換言すれば平坦部分寄り)に配置されるのが好ましい。
また、他例としては、単一の可振部材60に対し周方向に並ぶように複数の圧電ユニットを設けた態様や、単一の圧電素子71に対し周方向に並ぶように複数の電極72を具備した態様等とすることも可能である。
そして、可振部材60とケース部材80の間の隙間や、ケース部材80と円筒状チューブpの間の隙間には、圧電素子71への給電配線73が挿通され、さらに、必要に応じて、当該振動アクチュエータ5以外の機器の電気配線74(例えば、内視鏡等の信号線等)もコンパクトに挿通される。
振動アクチュエータ5を動作させるためには、図示しない制御回路から複数の圧電ユニット70a,70b,70c,70dに対し所定周波数の電力が順次に供給される。詳細に説明すれば、先ず、一つの圧電ユニット70aのみが通電され、次に、該圧電ユニット70aへの通電が遮断されて、圧電ユニット70bのみが通電され、同様にして、圧電ユニット70cのみへの通電、圧電ユニット70dのみへの通電が順次に行われ、このような通電が無限ループ状に繰り返し行われる。すると、圧電素子71には、前記通電順序の周方向へ向かう進行波状の振動が生じ、この進行波状の振動が各可振部材60に伝達し、さらに可振部材60から可動軸50に伝達することで、可動軸50が前記通電順序の周方向に沿って回転運動する。したがって、可動軸50は、周囲の可振部材60の雌ネジ部に螺合して回転しながら軸方向へ進むことになる。
なお、他の通電方法としては、圧電ユニット70a,70b、圧電ユニット70b,70c、圧電ユニット70c,70d、圧電ユニット70d,70aの順番に二つずつ通電する方法や、あるいは、圧電ユニット70a、圧電ユニット70a,70b、圧電ユニット70b、圧電ユニット70b,70c、圧電ユニット70c、圧電ユニット70c,70d、圧電ユニット70d、圧電ユニット70d,70aのように、電極を移行する毎に通電数が切り替わるように通電する方法等としてもよい(図14及び図15参照)。
さらに、各可振部材60を付勢部材82の付勢力によって可動軸50外周面に常に押圧するようにしているため、可振部材60から可動軸50へ伝達される振動の損失を軽減することができる。
また、特に図16に示されるように、比較的振動の少ない角部分81aを円筒状チューブp内周面に接触させるとともに、隣り合う角部分81a,81aの間の平坦面部81bを円筒状チューブpの内周面から離隔させた状態で、可振部材60が円筒状チューブpの中心部寄りに柔軟に支持されるため、可振部材60及び圧電ユニット70a,70b,70c,70dの振動が円筒状チューブpに吸収されたり抑制されたりするのを効果的に軽減することができる。
よって、圧電素子71の振動を効率的に可動軸50に伝達して、可動軸50の駆動力を増大することができる。
また、ケース部材80と可振部材60の隙間や、円筒状チューブpとケース部材80の隙間に給電配線73や、他の機器の電気配線74を挿通して、コンパクトな収納態様にすることができる。
上記振動アクチュエータ5によれば、ケース本体81内に四角筒状の付勢部材82を設けてケース部材80を構成したが、このケース部材80の他例としては、図17に示す振動アクチュエータ6のように、角筒状のケース部材80’内に、独立した板バネ状の付勢部材82’を有する態様等とすることも可能である。なお、さらに他例としては、板バネ状の前記付勢部材82’をコイルスプリングに置換することも可能である。
この振動アクチュエータ7は、図17に示す振動アクチュエータ6からケース部材80’を省き、各可振部材60に対応して図17のものと略同様の板バネ状の付勢部材82’を設け、これらを円筒状チューブp内へ直接挿入したものである。
各付勢部材82’及び各圧電ユニット70a(70b,70c又は70d)は、各可振部材60の角寄りを避けるようにして、各可振部材60の平坦面部62における中央寄りに配設される。したがって、各付勢部材82’及び各圧電ユニット70a(70b,70c又は70d)は、前記平坦面部62と、円筒状チューブpの内周面との間に形成される隙間に位置することになる。
なお、以下に示す応用機構では上記振動アクチュエータ1(図1〜図4参照)を用いているが、この振動アクチュエータ1を、他の態様の振動アクチュエータ2〜7に置換することが可能である。
図19は、先端側部分で被挟持物を挟持したり放したりする挟持機構Aである。
この挟持機構Aは、可撓性を有する円筒状チューブp内に、振動アクチュエータ1を内在するとともに、振動アクチュエータ1の可動軸10に係合したフィンガーA1,A2を、円筒状チューブp前端から外部に露出している。
制御装置Xから振動アクチュエータ1に電力が供給され、振動アクチュエータ1の可動軸10及び作動軸A14が前進すると、作動軸A14の直進運動が長孔A13によってフィンガーA1,A2の回転運動に変換され、フィンガーA1,A2が開放方向へ回動する。可動軸10への供給電力の制御により可動軸10が後退した際には、作動軸A14の後退に伴いフィンガーA1,A2が閉鎖方向へ回動する。
よって、挟持機構Aによれば、円筒状チューブp、振動アクチュエータ1及びフィンガーA1,A2等を極小な構成にした場合でも、上述したように振動アクチュエータ1における振動エネルギーの損失が少なく比較的大きな駆動力が得られるため、良好な動作性を有する。
図20〜図21は、円筒状チューブpを揺動させる揺動機構Bである。
この揺動機構Bは、可撓性を有する円筒状チューブp内に、振動アクチュエータ1を内在するとともに、振動アクチュエータ1の可動軸10前端側に、円筒状チューブp内壁を押動するためのジョイント部B1、揺動杆B2及び接続部B3を設けている。
また、接続部B3は、揺動杆B2に対し回動自在に接続されるとともに、円筒状チューブp内面に接着等により固定されている。この接続部B3を揺動杆B2に対し回動自在にする手段は、前記ジョイント部B1と同様の構造とすればよい。
振動アクチュエータ1への電力供給により可動軸10が前進した際には、図20に示すように、接続部B3が可動軸10の軸方向へは移動不能であるため、ジョイント部B1が折れ曲がるようにして、揺動杆B2が一方へ揺動し、これに伴って円筒状チューブpに前端側も同方向へ揺動する。
また、可動軸10が後退した際には、図21に示すように、ジョイント部B1が折れ曲がった状態から略真直状態に戻るため、これに伴い円筒状チューブpが逆方向へ揺動する。
よって、揺動機構Bによれば、円筒状チューブp、振動アクチュエータ1及び揺動杆B2等を極小な構成にした場合でも、上述したように振動アクチュエータ1における振動エネルギーの損失が少なく比較的大きな駆動力が得られるため、良好な動作性を有する。
また、本発明の一実施形態である振動アクチュエータは、内視鏡以外にも工業用マイクロロボットのハンド等に組み込む事で、小型で大きい駆動力を得ることができる。
10,10’,10”,50:可動軸
10a:滑り防止加工部
20,20’,20”,60:可振部材
21,21’,61:凹曲面部
22,22’,62:平坦面部
30,30’,30”,70a,70b,70c,70d:圧電ユニット
31,71:圧電素子
32a,32b,32c,32d,72:電極
32a1,32a2,32a3,32a4:電極
33,73:給電配線
40,80:ケース部材
41,41’,81:ケース本体
41a,81a:角部分
41b.81b:平坦面部
42,42’,42”,82,82’:付勢部材
51:雄ネジ部
A:挟持機構
B:揺動機構
p:円筒状チューブ
Claims (5)
- 振動により可動軸が運動する振動アクチュエータにおいて、
前記可動軸と、
前記可動軸の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材と、
前記可振部材の外面に固定された圧電素子と、
前記可振部材を径内方向へ付勢して前記可動軸の外周面に押し付ける付勢部材とを備え、
前記圧電素子に通電した際の前記可振部材の振動により前記可動軸を運動させるようにした振動アクチュエータであって、
円筒状チューブに挿入された場合に該円筒状チューブの内周面から離隔するように、前記可振部材の外周側に前記圧電素子を配置したことを特徴とする振動アクチュエータ。 - 振動により可動軸が運動する振動アクチュエータにおいて、
前記可動軸と、
前記可動軸の周囲で周方向に分離して配置された複数の可振部材と、
前記可振部材の外面に固定された圧電素子と、
前記可振部材を径内方向へ付勢して前記可動軸の外周面に押し付ける付勢部材とを備え、
前記圧電素子に通電した際の前記可振部材の振動により前記可動軸を運動させるようにした振動アクチュエータであって、
円筒状チューブに挿入された場合に前記円筒状チューブの内周面と前記可振部材の間に位置するように、前記圧電素子の給電配線を設けたことを特徴とする振動アクチュエータ。 - 前記可動軸の運動には、前記可動軸の軸方向に沿う直進運動を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の振動アクチュエータ。
- 前記可動軸の運動には、前記可動軸の軸心を回転中心にした回転運動を含むことを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載の振動アクチュエータ。
- 前記圧電素子に三組以上の電極を並べ設け、これら電極に順次に通電した際の前記圧電素子及び前記可振部材の振動により前記可動軸が前記電極の並び方向へ運動するようにしたことを特徴とする請求項1〜4何れか1項記載の振動アクチュエータ。
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