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JP6082674B2 - 空気調和機の室内機 - Google Patents

空気調和機の室内機 Download PDF

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Description

本発明は、天井に取付けられる空気調和機の室内機に関し、特に、昇降可能なグリルの巻取り構造に関する。
本技術分野の背景技術として、特開2000−16697号公報(特許文献1)がある。この公報には、「ワイヤをスプールに巻き取るために、スプールを回転させるためのモータとモータを支持するテーブルと、テーブルをスプールの回転軸方向にスプールの両縁部間に相当する距離を往復移動させるためのアクチュエータとによって構成されるワイヤ巻取り機構において、往復移動させられるテーブルの移動方向の反転位置直前において、その移動方向への推力よりも小さい所定の圧力でテーブルを反転方向に押すテーブル押圧部材を、テーブルの移動方向に沿う両側に配置してある。」と記載されている。
特開2000−16697号公報
業務用空気調和機の室内機は天井裏に収納する形態が主流であり、この形態の場合、その室内機は天井裏上部から吊り下げられている。その室内機を長期に渡り使用を続けると、空気吸込口のフィルタに塵埃が溜まりフィルタが目詰まりを起こす。すると通風抵抗が増加し規定の量の空気を吸い込めなくなる。すなわち、室内機の熱交換器を通過する風量が減るため空調能力が低下する。
そこで、フィルタが目詰まりを無くすため、定期的にフィルタを取り外し清掃または交換する必要があるが、フィルタの取り外しは脚立上の高所作業になるため非常に危険を伴い手間も掛かるという難点がある。従って、その難点を解決するためにフィルタを備えたグリルのみを自在に昇降できる昇降機構を備えた室内機が発明された。この昇降機構は、モータ、モータで駆動するワイヤ巻取るためのリール、グリルを昇降させるワイヤおよびグリルで構成される。その動きは、モータでリールを回転駆動させ、リールによりワイヤが巻取られ、ワイヤとつながったグリルを昇降させるというものである。
ところで、前記リールの個数は、例えば、前記グリルは略四角形で構成され、前記グリルの角4点とつなげるワイヤそれぞれに対応するよう4個配置する、あるいは、前記リールに対し、前記グリルの角2点につなげるワイヤに対してリール1個、計2個を配置させる、というように複数個配置させることが多い。
ここで、上記昇降機構において複数個リールを配置させたときの問題点をあげる。
まず、モータでリールを回転させワイヤを巻き取った状態を考える。一般的にはリールに工夫を凝らさない限り、ワイヤはリールに均等には巻かれない。すなわち、ワイヤの巻取り状態により、モータの回転が一定であっても、上昇(巻き上げ)速度や下降速度に時間的なばらつきがあることは容易に考えることができる。従って、このようなワイヤ巻取り状態のリールが複数個ある場合、各リールの上昇あるいは下降速度にはそれぞればらつきがあり、ワイヤとつながれているグリルは、上昇あるいは下降中、その姿勢が水平に保たれず、傾いて昇降するため非常に見栄えが悪くなり、これが問題点となっている。
そこで、前記問題点を解決するためには、各リールに均等にワイヤを巻き上げることが必須となり、以下のような従来技術がある。
前記特許文献1によると、ワイヤの巻取り構造において、巻取り部をアクチュエータにより往復運動させ、巻取り部の両端に緩衝部材を設けることで巻取り部が往復運動の両端に来たときに減速させ、均等にワイヤを巻き取る構造が記載されている。しかし、特許文献1に記載の方法にも問題点がある。それは巻取り部を往復運動させるためのアクチュエータを配置しなければならず、コストが増大する。またアクチュエータを駆動させる入力エネルギーが必要で、近年の省エネ化と言う観点からも不利である。
そこで本発明は、構室内機に備えられた複数のリールを持つグリル昇降機構のワイヤ巻取り構造において、各リールのワイヤ巻取り量のばらつきをなくし、グリルの昇降時の傾きを低減し略水平の姿勢を保つことで、見栄えを良くすることを目的とする。
なお、以下、昇降機構を備えたグリルを昇降グリルと呼ぶこととする。
上記課題を解決するために、本発明は「室内機本体部の中央上部に設けられたファンモータと、該ファンモータによって駆動される送風機と、該送風機を囲うように配置された熱交換器と、前記室内機の本体部の下面に設けられた化粧パネルと、を備えた空気調和機の室内機において、前記化粧パネルの中央に設けられた空気吸込口から塵埃の進入を防ぐフィルタと、前記化粧パネルの中央に前記フィルタが取り付けられた昇降グリルと、該昇降グリルの近傍の前記化粧パネルに設けられた昇降グリル用モータと、該昇降グリル用モータの軸に取り付けられ、該軸と共に回転する複数のリールと、該リールの回転により、巻取り又は巻出しがされることで前記昇降グリルの昇降を行うワイヤと、を備え、前記リールは、巻取り部の径に傾斜を付け、一方から他方の末端に向かい径を太くするように構成され、巻取りを行う際、前記巻取り部の細い箇所から先に集中して前記ワイヤを巻取ること」を特徴とする。
本発明によれば構室内機に備えられた複数のリールを持つグリル昇降機構のワイヤ巻取り構造において、各リールのワイヤ巻取り量のばらつきをなくし、グリルの昇降時の傾きを低減し略水平の姿勢を保つことで、見栄えを良くすることができる。
本発明の実施例1を示すグリル昇降機構のワイヤ巻取り部の構造図 天井に本体を吊り下げる従来のグリル昇降機構を備えた空気調和機室内機内部構造図 図2のHから見た図 化粧パネルを図2のIから見た図 図4のグリルの昇降時斜視図 図4A部の拡大図 本発明の実施例2を示す図1に対応する図4A部拡大図 本発明の実施例3を示す図1に対応する図4A部拡大図 本発明の実施例4を示す図1に対応する図4A部拡大図 本発明の実施例5を示す図1に対応する図4A部拡大図 図10B部の斜視図
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
以下、図1〜5を用いて本発明の実施例について説明する。本実施例は室内機と室外機とが冷媒配管で接続されて構成される空気調和機について、特に室内機の構造に関するものである。
図2は天井に本体を吊り下げる従来のグリル昇降機構を備えた空気調和機室内機内部構造図を示し、図3は図2のHから見た図を示す。また、図4に化粧パネルを図2のIから見た図を示す。一般的な吹き出し口を4つ備える室内機の構造をこれら図2、図3及び図4を用いて説明する。本実施例の室内機は、室内機本体部40の中央上部に設けられたファンモータ44と、ファンモータ44によって駆動されるファン45(送風機)と、該ファン45を囲うように配置された熱交換器43と、室内機の本体部40の下面に設けられた化粧パネル21と、化粧パネル21の中央に設けられた空気吸込口27から塵埃の進入を防ぐフィルタ25と、化粧パネル40の中央にフィルタ25が取り付けられた昇降グリル29と、を備えている。
ファン45が回転することで空気吸込口27から空気が吸い込まれ、この空気と熱交換器43内部を流れる冷媒との熱交換が行われる。冷房運転であれば、この熱交換により冷却された空気が図3の吹出口42aから吹出されて室内の空気調和が行われる。
また、室内機は、昇降グリル29の近傍の化粧パネル21に設けられた昇降グリル用モータ1と、昇降グリル用モータ1の軸に取り付けられ該軸と共に回転する複数のリール2と、リール2の回転により巻取り又は巻出しがされることで昇降グリル29の昇降を行うワイヤ3と、を備える。このように昇降グリル用モータ1の回転を制御することでリール2の巻取り部へワイヤ3が巻き取られる、あるいは巻き出されることで昇降グリル29の昇降を自在に制御するものである。
そのため、リール2を複数備えた構造では、ワイヤ3の巻取り方によるワイヤ3の多い箇所と少ない箇所のばらつきにより、巻取り速さに差が生じ昇降グリルの上昇時に、昇降グリル29が傾くことがある。複数のリール2が同じようにワイヤ3を巻き取れれば、巻取り速さの差は生じないため、昇降グリル29の上昇時の傾きはなくなる。
図5は図4のグリルの昇降時斜視図である。ワイヤ3はクレーン11の11a部で屈曲し、滑車14を介しクレーン11の11b部で固定されている。昇降グリル29の上昇時では、昇降グリル用モータ1が回転しワイヤ3をリール2に巻き取ることで昇降グリル29を上昇させている。
そのため、リール2の表面が平らでない等で、複数のリール2の径にばらつきがあったり、昇降グリル29の重心がずれていると、複数のリール2に掛かるワイヤ3の張力がばらつき、リール2にワイヤ3が均等に巻かれず、ワイヤ3が多く巻かれる箇所と少ない箇所とで偏りが発生する。その結果ワイヤ3が多く巻かれている箇所は径が大きく、少ない箇所では径が小さい箇所となる。したがって、一定の回転数でモータ1が回転しても、巻取り部の径の大きさが異なることでワイヤ3の巻取り速さは変化する。
図4、図5に示すようにモータ1及びリール2は2個ずつ備えられている構造では、各リール2によりワイヤ3の巻取り速さに差が生じるため、昇降グリル29の上昇速度が昇降グリル29の吊り下げ箇所により異なり、昇降グリル29が傾き、見栄えが悪くなる。しかし、各リール2の巻取り箇所の径が全て同じであれば前記の問題は発生せずこの問題は解決される。
そこで以下、特許文献1に記載のワイヤ巻取り構造と同様、リール2の指定箇所にワイヤ3を巻取り、特許文献1より更に入力エネルギーを小さく省エネ化しコストを削減することのできる、ワイヤ巻取り構造について説明する。
図1は本発明の実施例1を示すグリル昇降機構のワイヤ巻取り部の構造を説明するための図であり、図6に図4のA部を拡大した従来グリル昇降機構のワイヤ巻取り構造を示す。図1は図6の従来のワイヤ巻取り構造に比べ、リール2の径をどちらか片側へ向かって径の大きさを比例的に変化させ円筒形を円錐形にすることを特徴とする。つまり本実施例のリール2は、巻取り部の径に傾斜を付け、一方から他方の末端に向かい径を太くするように構成され、巻取りを行う際、巻取り部の細い箇所から先に集中して前記ワイヤを巻取るものである。このようにリール2の径の細い箇所からワイヤ3が巻き取られることにより、複数あるリール2のワイヤ3巻取り速さの差を小さくし、昇降グリルの上昇時の昇降グリル29の傾きを低減することが可能である。
本発明の実施例2について図7を用いて説明する。実施例1と共通な点については説明を省略する。
図7は本実施例の室内機の昇降グリルのワイヤ巻取り構造を説明するための図である。図7は図6の従来のワイヤ巻取り構造に比べ、リール2の中央の径を最も細く、両端に向かう程比例的に傾斜を付けながら径を太くすることを特徴とする。つまり、本実施例のリール2は、巻取り部の中央の径を細くするとともに巻取り部の両端に向かい中央より大きい径になるよう傾斜をつけるように構成され、巻取りを行う際、巻取り部の細い箇所から先に集中してワイヤ3を巻取るものである。このようにリール2の径の細い箇所からワイヤ3が巻き取られることにより、複数あるリール2のワイヤ3巻取り速さの差を小さくし、昇降グリル29の上昇時の傾きを低減することが可能である。
本発明の実施例3について図8を用いて説明する。実施例1と共通な点については説明を省略する。
図8は本実施例の室内機の昇降グリルのワイヤ巻取り構造を説明するための図である。図8は図6の従来のワイヤ巻取り構造に比べ、リール2の径の太さをどちらか片側に向かってワイヤ3の径の段差をつけながらリール2を太くすることを特徴とする。つまり本実施例のリール2は、巻取り部の一方の径を細くするとともに、他方の側に向かうに連れて段差をつけながら径を太くするように構成され、巻取りを行う際、巻取り部の細い箇所から先に集中してワイヤ3を巻取るものである。リール2の径の細い箇所からワイヤ3が巻き取られることで複数あるリール2のワイヤ3巻取り速さの差を小さくし、昇降グリル29の上昇時の傾きを低減することが可能である。
本発明の実施例4について図9を用いて説明する。実施例1と共通な点については説明を省略する。
図9は本実施例の室内機の昇降グリルのワイヤ巻取り構造を説明するための図である。図9は図6の従来のワイヤ巻取り構造に比べ、リール2の幅Lを狭めていることを特徴とする。その際、図9に示す通り寸法L(リール2の巻取り箇所の長さ)及びワイヤ3の径φとすると、Lをφの略4倍とすることで、ワイヤ3の巻き取られ方が均等になる。ワイヤ3がリール2に均等に巻き取られ易くすることにより、複数あるリール2のワイヤ3巻取り速さの差を小さくし、グリル上昇時のグリル29の傾きを低減することが可能である。
本発明の実施例5について図10、11を用いて説明する。実施例1と共通な点については説明を省略する。
図10は本実施例の室内機の昇降グリルのワイヤ巻取り構造の上面図であり、図11は図10中B部の斜視図である。本実施例の昇降グリルのワイヤ巻取り構造は、図10に示すようにワイヤ3の巻取り時、昇降グリル用モータ1が矢印90の方向に回転することで歯車駆動側5が回転するため、歯車駆動側5と噛み合う歯車伝達側6が矢印91の方向に回転する。歯車伝達側6が矢印91の方向に回転することにより、クランクシャフト7が回転する。図10及び図11に示す通り、クランクシャフト7が矢印91の方向に回転することにより、コネクティングロッド8が動きワイヤガイド9が矢印92のように往復運動をする。そのため、ワイヤガイド9がワイヤ3を誘導するため、ワイヤ3がリール2の手前で移動しながら巻き取られる。
図6の従来の天井吊下げ型空気調和機室内機の昇降グリル用ワイヤ巻取り構造に比べ、本実施例ではこの構造を備えることにより、ワイヤ3がリール2へ均等に巻き取られるため、グリル上昇時のグリル29の傾きを低減することが可能である。
1 昇降グリル用モータ
2 リール
3 ワイヤ
4 モータステー
4a 軸受け
5 歯車駆動側
6 歯車伝達側
7 クランクシャフト
8 コネクティングロッド
9 ワイヤガイド
10 ワイヤガイド支え
11 クレーン
11a ワイヤ屈曲部
11b ワイヤ固定部
12 昇降グリル用電気箱
13 リミットスイッチ
14 滑車
21 化粧パネル
22 風向ルーバ
23 吹出ガイド
24 パッキン
25 フィルタ
26 コーナーパネル
27 吸込口
28 天井面
29 グリル
30 化粧パネル取付用ボルト
40 筐体
40a 天板
41 発泡ケース
42 ドレンパン
42a 吹出口
43 熱交換機
44 ファンモータ
45 送風機
46 電気箱
47 昇降ケース
90 ワイヤ巻取り時のモータ回転方向
91 ワイヤ巻取り時のクランクシャフト回転方向
92 ピストンの往復運動
93 空気の流れ

Claims (3)

  1. 室内機本体部の中央上部に設けられたファンモータと、
    該ファンモータによって駆動される送風機と、
    該送風機を囲うように配置された熱交換器と、
    前記室内機本体部の下面に設けられた化粧パネルと、を備えた空気調和機の室内機において、
    前記化粧パネルの中央に設けられた空気吸込口から塵埃の進入を防ぐフィルタと、
    前記化粧パネルの中央に前記フィルタが取り付けられた昇降グリルと、
    該昇降グリルの近傍の前記化粧パネルに設けられた昇降グリル用モータと、
    該昇降グリル用モータの軸に取り付けられ、該軸と共に回転する複数のリールと、
    該リールの回転により、巻取り又は巻出しがされることで前記昇降グリルの昇降を行うワイヤと、を備え、
    前記リールは、巻取り部の一方の径を細くするとともに、他方の側に向かうに連れて段差をつけながら径を太くするように構成され、巻取りを行う際、前記巻取り部の細い箇所から先に集中して前記ワイヤを巻取ることを特徴とする空気調和機の室内機。
  2. 室内機本体部の中央上部に設けられたファンモータと、
    該ファンモータによって駆動される送風機と、
    該送風機を囲うように配置された熱交換器と、
    前記室内機本体部の下面に設けられた化粧パネルと、を備えた空気調和機の室内機において、
    前記化粧パネルの中央に設けられた空気吸込口から塵埃の進入を防ぐフィルタと、
    前記化粧パネルの中央に前記フィルタが取り付けられた昇降グリルと、
    該昇降グリルの近傍の前記化粧パネルに設けられた昇降グリル用モータと、
    該昇降グリル用モータの軸に取り付けられ、該軸と共に回転する複数のリールと、
    該リールの回転により、巻取り又は巻出しがされることで前記昇降グリルの昇降を行うワイヤと、を備え、
    前記リールは、巻取り部の幅を前記ワイヤの径の略4倍となるように構成され、前記ワイヤを巻取ることを特徴とする空気調和機の室内機。
  3. 室内機本体部の中央上部に設けられたファンモータと、
    該ファンモータによって駆動される送風機と、
    該送風機を囲うように配置された熱交換器と、
    前記室内機本体部の下面に設けられた化粧パネルと、を備えた空気調和機の室内機において、
    前記化粧パネルの中央に設けられた空気吸込口から塵埃の進入を防ぐフィルタと、
    前記化粧パネルの中央に前記フィルタが取り付けられた昇降グリルと、
    該昇降グリルの近傍の前記化粧パネルに設けられた昇降グリル用モータと、
    該昇降グリル用モータの軸に取り付けられ、該軸と共に回転する複数のリールと、
    該リールの回転により、巻取り又は巻出しがされることで前記昇降グリルの昇降を行うワイヤと、
    前記昇降グリル用モータの軸に取り付けられた歯車駆動部と、
    該歯車駆動部と噛み合い回転軸方向を90度曲げるための歯車伝達部と、
    該歯車伝達部の軸となるクランクシャフトと、
    該クランクシャフトのクランク部とコネクティングロッドにより連結されるワイヤガイドと、を備え、
    前記昇降グリル用モータが回転する際に前記ワイヤガイドが往復運動をすることで前記ワイヤを前記リールに誘導しながら均等に巻取ることを特徴とする空気調和機の室内機。
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