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JP6078945B2 - 遠心送風機 - Google Patents

遠心送風機 Download PDF

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JP6078945B2
JP6078945B2 JP2011242699A JP2011242699A JP6078945B2 JP 6078945 B2 JP6078945 B2 JP 6078945B2 JP 2011242699 A JP2011242699 A JP 2011242699A JP 2011242699 A JP2011242699 A JP 2011242699A JP 6078945 B2 JP6078945 B2 JP 6078945B2
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Description

本発明は、空気調和機用の遠心送風機に関する。
従来、空気調和機の送風機として遠心送風機が用いられている。遠心送風機は、複数の羽根を有する羽根車を備えている。この羽根車がファンモータによって回転すると、空気調和機の内部に空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、ベルマウスによって羽根車の空気吸込口(シュラウドの空気吸込口)に案内される。この空気吸込口から羽根車内に流入した空気は、羽根同士の隙間を通って羽根車から吹き出される。
このような空気調和機の内部には、遠心送風機の他に熱交換器などの種々の構造物が配設されている。したがって、羽根車から吹き出される気流が羽根車の周りの構造物と干渉して離散化周波数騒音(BPF(Blade Passing Frequency)騒音)が生じる。
例えば特許文献1の図29には、各羽根の後縁に沿って鋸歯状に並ぶ複数の凹部を形成することにより、送風音を低減する技術が開示されている。
特許第4396775号公報
ところで、近年、空気調和機のコンパクト化が図られているため、羽根とその周りの構造物との距離が小さくなる傾向にある。それに伴ってBPF騒音が生じやすくなるので、遠心送風機に起因する騒音のさらなる低減が求められている。
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、騒音低減効果に優れた遠心送風機を提供することにある。
本発明の遠心送風機は、回転軸(A)を中心に回転し、空気吸込口(19a)を有する羽根車(23)を備えている。前記羽根車(23)は、前記回転軸(A)の周りに配列された複数の羽根(21)を含む。前記羽根(21)の後縁(62)には、前記空気吸込口(19a)とは反対側の領域に、前縁(61)側に向かって凹む凹部(71)が設けられている。前記回転軸(A)の方向において、前記後縁(62)の長さ(H)に対する前記凹部(71)の長さ(h1)の比(h1/H)は、0.25〜0.5の範囲にある。
この構成では、羽根(21)の後縁(62)に、特許文献1に開示されている凹部よりも大きな凹部(71)を設けている。そして、前記後縁(62)に設けられている前記凹部(71)の個数が一つである。しかも、前記凹部(71)の前記空気吹込口(19a)とは反対側の端部(711)と、前記羽根(21)における前記空気吹込口(19a)とは反対側の端部(714)とが離れているか、又は前記凹部(71)の前記空気吹込口(19a)とは反対側の端部(711)と、前記羽根(21)における前記空気吹込口(19a)とは反対側の端部(714)とが離れている。具体的に、この構成では、羽根(21)の後縁(62)における空気吸込口(19a)とは反対側の領域に、後縁(62)の長さ(H)に対する凹部(71)の長さ(h1)の比(h1/H)が0.25〜0.5の範囲にある凹部(71)を設けることにより、効果的に騒音を低減することができる。その理由は、次の通りである。
この構成では、羽根(21)の後縁(62)に、特許文献1に開示されている凹部よりも大きな凹部(71)を設けている。具体的に、この構成では、羽根(21)の後縁(62)における空気吸込口(19a)とは反対側の領域に、後縁(62)の長さ(H)に対する凹部(71)の長さ(h1)の比(h1/H)が0.25〜0.5の範囲にある凹部(71)を設けることにより、効果的に騒音を低減することができる。その理由は、次の通りである。
すなわち、羽根(21)同士の隙間から吹き出される気流の速度は、空気吸込口(19a)側よりもその反対側の方が大きい。そこで、本構成では、気流の速度が大きい領域に従来よりも大きな凹部(71)を設けることにより、当該領域の気流の速度を効果的に低減することができる。これにより、優れた騒音低減効果を得ることができる。
この構成では、羽根(21)の後縁(62)に複数の凹部(71)を設けるのではなく単一の凹部(71)を設けることに留めることによって、風量が過度に低減するのを抑制し、羽根車を回転させるモータの回転数の増大を抑制している。
前記遠心送風機において、前記回転軸(A)を中心に前記羽根車(23)を回転させたときに、前記回転軸(A)を含む仮想平面(P)を前記羽根(21)が通過することにより前記仮想平面(P)に描かれる凹部(71)の形状は、前記仮想平面(P)内において前記回転軸(A)に交わる直線(S)に対して線対称となる形状であるのが好ましい。
この構成では、凹部(71)の形状が前記平面(P)内において回転軸(A)に交わる直線(S)に対して線対称となる形状であるので、羽根(21)の後縁(62)における凹部(71)付近において渦が発生するのを抑制しつつ、BPF騒音を低減させることができる。
前記遠心送風機において、前記仮想平面(P)に描かれる凹部(71)の形状が円弧形状である場合には、羽根車の羽根(21)から外側に送られる気流の最大風速(ハブ側の気流の最大風速)を落とすうえで、空気の風速分布をなだらかに変化させることができるので、騒音低減効果(特に、BPF騒音低減効果)を高めることができる。
前記遠心送風機において、前記羽根(21)の翼弦長(L)に対する前記凹部(71)の深さ(C)の比(C/L)は、0.10〜0.30であるのが好ましい。
この構成では、凹部(71)における比(C/L)が上記範囲にあることにより、空気吸込口(19a)とは反対側の領域(ハブ側の領域)の気流の速度を低減する効果がより確実に得られる。
前記遠心送風機において、気流の速度が大きい領域において速度を低減させるために凹部(71)が設けられる領域(空気吸込口(19a)とは反対側の領域)の好ましい範囲を例示すると次のようになる。すなわち、前記回転軸(A)の方向において、前記凹部(71)における前縁方向の端部(712)から前記羽根(21)における前記空気吸込口(19a)とは反対側の端部(714)までの距離(h2)は、前記後縁(62)の長さ(H)の0.18〜0.28倍の範囲にあるのが好ましい。
前記遠心送風機において、前記後縁(62)における前記凹部(71)よりも前記空気吸込口(19a)側の領域には、前記凹部(71)よりも前記回転軸(A)の方向の長さ及び前縁方向の深さが小さく、前記後縁(62)に沿って鋸歯状の鋸歯部(72)が設けられているのが好ましい。
この構成では、気流の速度が大きい領域に大きな凹部(71)を設けることによって当該領域の気流の速度を低減することによる騒音低減効果に加え、さらに、後縁(62)において凹部(71)よりも空気吸込口(19a)側の領域に上記のような複数の第2凹部(72)を設けることにより、次のような効果が得られる。すなわち、羽根(21)の内面(21A)に沿って流れる空気と外面(21B)に沿って流れる空気は、複数の第2凹部(72)においてそれぞれ細分化されることで、後縁(62)からの渦の放出が低減される。このように渦流が低減されることにより、送風音が低減される。
本発明によれば、騒音低減効果に優れた遠心送風機を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る遠心送風機を備えた室内機を示す断面図である。 前記室内機における羽根車、熱交換器及び吹出口の位置関係を示す底面図である。 前記遠心送風機の羽根車を示す斜視図である。 (A)は、前記羽根車の羽根を示す斜視図であり、(B)は、(A)のIVB−IVB線断面図である。 前記回転軸を含む仮想平面に描かれた羽根の形状を説明するための図である。 前記羽根の後縁の一部を拡大した斜視図である。 (A)は、本実施形態に係る遠心送風機における空気の流れ及び風速分布を示す概略図であり、(B)は、従来の遠心送風機における空気の流れ及び風速分布を示す概略図である。 前記羽根車の羽根と前記熱交換器の一部を示す概略図である。 本実施形態に係る遠心送風機と従来の遠心送風機の騒音レベルを比較したグラフである。 前記羽根車の変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る遠心送風機51及びこれを備えた室内機31について図面を参照して説明する。
図1に示すように、室内機31は、天井埋込型のカセット室内機である。この室内機31は、天井35に設けられた開口に埋め込まれる略直方体の筐体33と、筐体33の下部に取り付けられた化粧パネル47とを備えている。化粧パネル47は、平面視の形状が筐体33よりも一回り大きく、天井の開口を覆った状態で室内に露出している。化粧パネル47は、その中央部に設けられた矩形状の吸込グリル39と、この吸込グリル39の各辺に沿って設けられた細長い矩形状の4つの吹出口37とを有している。
室内機31は、筐体33内に、遠心送風機(ターボファン)51、ファンモータ11、熱交換器43、ドレンパン45、エアフィルタ41などを備えている。遠心送風機51は、羽根車23とベルマウス25とを含む。ファンモータ11は、筐体33の天板の略中央に固定されている。ファンモータ11のシャフト13は上下方向に延びている。
図1及び図2に示すように、熱交換器43は、厚みの小さな扁平な形状を有している。熱交換器43は、その下端部に沿って延設された皿状のドレンパン45から上方に起立した状態で羽根車23の周囲を囲むように配置されている。ドレンパン45は、熱交換器43において生じる水滴を収容する。収容された水は図略の排水経路を通じて排出される。
エアフィルタ41は、ベルマウス25の入口を覆う大きさを有し、ベルマウス25と吸込グリル39との間に吸込グリル39に沿って設けられている。エアフィルタ41は、吸込グリル39から筐体33内に吸い込まれた空気がエアフィルタ41を通過する際に空気中の塵埃を捕捉する。
図1〜図3に示すように、羽根車23は、ハブ(主板)15と、シュラウド(側板)19と、複数の羽根21とを含む。ハブ15は、ファンモータ11のシャフト13の下端部に固定されている。ハブ15は、平面視で回転軸Aを中心とする円形状を有している。羽根車23は、回転軸Aを中心に回転する。
シュラウド19は、ハブ15に対してシャフト13の回転軸A方向の正面側Fに対向配置されている。シュラウド19は、回転軸Aを中心として円形に開口する空気吸込口19aを有している。シュラウド19の外径は、背面側Rに向かうにつれて大きくなっている。
図1に示すように、ベルマウス25は、シュラウド19に対して回転軸A方向の正面側Fに対向配置されている。ベルマウス25は、前後方向に貫通する貫通口25aを有している。ベルマウス25の背面側Rの一部は、空気吸込口19aの周縁部19eとの間に所定の隙間を設けた状態で空気吸込口19aからシュラウド19内に挿入されている。これにより、ベルマウス25は、貫通口25aを通じて背面側Rに向かって吸い込まれる空気をシュラウド19の空気吸込口19aに案内することができる。
図3に示すように、複数の羽根21は、ハブ15とシュラウド19との間において、回転軸Aの周りに配列されている。複数の羽根21の枚数は、特に限定されないが、本実施形態では、周期的な圧力変化に起因する騒音を低減する観点から、奇数枚(例えば7枚)としている。これらの羽根21は、周方向に等間隔又は不等間隔に配列されている。羽根車23の回転時において、周期的な圧力変化に起因する騒音を低減する観点から、複数の羽根21は、等間隔ではなく不等間隔に配列されているのが好ましい。
図3に示すように、各羽根21は、ハブ15の半径方向に対して回転方向の反対向き(後ろ向き)に傾斜した後ろ向き羽根である。本実施形態における各羽根21は、ハブ15とシュラウド19の間において捩れながら回転軸A方向に延びる三次元形状を有している。なお、各羽根21は、上記のような捩れを有していないものであってもよい。
図3及び図4(A),(B)に示すように、各羽根21は、羽根車23において半径方向内側に向く羽根内面21Aと、半径方向外側に向く羽根外面21Bと、羽根車23の回転時における前側の縁である前縁61と、後側の縁である後縁62とを有している。また、各羽根21における正面側Fの端縁21Fは、シュラウド19の内面に接合されている。各羽根21における背面側Rの端縁21Rは、ハブ15の内面に接合されている。
図5は、次のような方法によって回転軸Aを含む仮想平面Pに描き出される羽根21の形状を説明するための図である。まず、回転軸Aを含む任意の平面(仮想平面)Pが一つ決められるとともに、対象となる羽根21が一つ決められる。ついで、回転軸Aを中心に羽根車23を回転させて対象の羽根21が仮想平面Pを通過することを想定する。このとき、羽根21の各部位は、仮想平面P上のいずれかの部位を通過する。図5に示す羽根21の形状は、このようにして羽根21が仮想平面P上を通過した全ての部位により仮想平面P上に描き出される形状である。図5に示す羽根21の形状は、羽根21の前縁61、後縁62、端縁21F及び端縁21Rの形状を示している。
図3、図4(A),(B)及び図5に示すように、各羽根21の後縁62には、一つの凹部(第1凹部)71と、複数の第2凹部72とが設けられている。第1凹部71は、後縁62におけるハブ15側の領域(空気吸込口19aとは反対側の領域)に設けられている。第1凹部71は、前縁61側に向かって凹んでおり、羽根21の後縁62の一部が切り欠かれたような形状を有している。
図4(A)、図5及び図6に示すように、第1凹部71は、円弧状に滑らかに湾曲している。凹部71は、ハブ15側の端部711と、最も前縁61側に位置する底部712(前縁61方向の底部712)と、シュラウド19側の端部713とを有している。
図6に示すように、第1凹部71は、羽根21の羽根内面21Aと羽根外面21Bとをつなぐ凹面を有している。この凹面の幅は、ハブ15側の端部711から底部712又はその近傍まで次第に大きくなり、底部712又はその近傍からシュラウド19側の端部713まで次第に小さくなっている。すなわち、この凹面は、ハブ15側(背面側R)に位置する凹面部71Aと、シュラウド19側(正面側F)に位置する凹面部71Cと、これらの間に位置する凹面部71Bとを含み、この凹面部71Bの幅は、凹面部71Aの幅及び凹面部71Cの幅よりも大きい。
ここで、第1凹部71がハブ15側の領域(空気吸込口19aとは反対側の領域)に設けられているとは、次のことを意味する。すなわち、第1凹部71がハブ15側の領域に設けられているとは、図5に示す羽根21の形状において、第1凹部71の底部712が、回転軸A方向における後縁62の長さHの1/2の位置よりもハブ15側に位置していることをいう。なお、ハブ15側の気流の速度をより重点的に低減させるという観点から、第1凹部71の全体が後縁62の長さHの1/2の位置よりもハブ15側に位置しているのがより好ましい。
図5に示すように、回転軸A方向において、後縁62の長さHに対する第1凹部71の長さh1の比(h1/H)は、0.25〜0.5の範囲にあり、0.35〜0.46の範囲にあるのが好ましい。
また、図4(B)及び図5に示すように、羽根21の翼弦長Lと、第1凹部71における前縁61に向かう方向の深さCとの比(C/L)は、0.10〜0.30であるのが好ましく、0.15〜0.25であるのがより好ましく、0.15〜0.20であるのがさらに好ましい。比(C/L)が0.10〜0.30の範囲にあることにより、風量の低減を抑制しつつ、Nz音を効果的に低減することができる。
なお、第1凹部71の深さCとは、図5において、ハブ15側の端部711とシュラウド19側の端部713とを結ぶ直線(仮想直線)と、底部712との距離をいう。また、翼弦長Lとは、回転軸Aに直交し底部712を通る平面で第1羽根211を切ったときの断面において、前縁61と前記仮想直線との距離をいう。
さらに、図5に示すように、底部712と羽根21におけるハブ15側の端部714との回転軸A方向の距離h2は、後縁62の回転軸A方向の長さHの0.18〜0.28倍の範囲にあるのが好ましい。
図5に示す第1凹部71の形状は、仮想平面P内において回転軸Aに直交する直線Sに対して線対称となる形状であるのが好ましい。本実施形態では、仮想平面Pに描かれる第1凹部71の形状は、円弧形状又は円弧形状に近い形状である。仮想平面Pに描かれる第1凹部71の形状は、例えば、楕円弧形状や弓形状などであってもよい。
図4(A)、図5及び図6に示すように、複数の第2凹部72は、後縁62における第1凹部71よりもシュラウド19側(空気吸込口19a側)の領域に設けられている。各第2凹部72は、前縁61側に向かって凹んでいる。各第2凹部72は、第1凹部71よりも回転軸A方向の長さ及び前縁61方向の深さが小さく、後縁62に沿って鋸歯状に並んでいる。
次に、遠心送風機51における空気の流れについて説明する。図7(A)は、本実施形態に係る遠心送風機51における空気の流れ及び風速分布を示す概略図である。遠心送風機51のモータ11が動作して羽根車23が回転すると、図7(A)に示すようにベルマウス25に沿って空気がシュラウド19の空気吸込口19aに案内される。空気吸込口19aに案内された気流は、羽根車23内を回転軸A方向に沿って背面側Rに流れる。この気流は、背面側Rに流れながら次第に半径方向外側に向きを変え、羽根21同士の間から羽根車23の外に吹き出される。
図7(B)は、従来の遠心送風機における空気の流れ及び風速分布を示す概略図である。図7(B)に示す従来の遠心送風機においても同様に、空気吸込口19aに案内された気流は、背面側Rに流れながら次第に半径方向外側に向きを変え、羽根121同士の間から羽根車の外に吹き出される。従来の遠心送風機では、羽根121同士の隙間から吹き出される気流の速度は、図7(B)における速度分布V2に矢印で示されているように、シュラウド19側を流れる気流よりもハブ15側を流れる気流の方が大きい傾向にある。
一方、本実施形態では、羽根21の後縁62におけるハブ15側の領域に、第1凹部71が設けられているので、図7(A)における速度分布V1に示されているように、図7(B)における速度分布V2に比べて、ハブ15側を流れる気流の速度を局所的に低減することができる。これにより、本実施形態では、従来の遠心送風機に比べて最大風速を低減することができる。
ところで、空気調和機の内部には、遠心送風機の他に熱交換器43などの種々の構造物が配設されている。したがって、図8に示すように羽根車が回転方向RDに回転して羽根車から吹き出される気流は、例えば羽根21(121)の近傍に位置する熱交換器43などの構造物と干渉するので、BPF騒音が生じる。BPF騒音は、特にハブ15側を流れる速度の大きな気流に起因している。
図9は、図7(A)に示す遠心送風機51(本実施形態)と図7(B)に示す従来の遠心送風機(比較例)の騒音レベルを比較したグラフである。図9に示すように、本実施形態に係る遠心送風機51では、BPF騒音のレベルが比較例の遠心送風機に比べて低減されていることがわかる。また、本実施形態に係る遠心送風機51を用いた場合、ファンモータの入力(消費電力)が比較例の遠心送風機に比べて約5%低減する効果も得られた。
以上説明したように、本実施形態では、羽根21の後縁62におけるハブ15側の領域に、後縁62の長さHに対する凹部71の長さh1の比(h1/H)が0.25〜0.5の範囲にある第1凹部71を設けることにより、効果的に騒音を低減することができる。
また、本実施形態では、羽根21の後縁62に複数の第1凹部71を設けるのではなく単一の第1凹部71を設けることに留めることによって、風量が過度に低減するのを抑制し、羽根車を回転させるモータの回転数の増大を抑制している。
また、本実施形態では、仮想平面Pに描かれる第1凹部71の形状が円弧形状であるので、羽根車の羽根21から外側に送られる空気の風速分布をなだらかに変化させることができる。これにより、騒音低減効果を高めることができる。
また、本実施形態では、羽根21の翼弦長Lに対する第1凹部71における前縁方向の深さCの比(C/L)が0.15〜0.20であることにより、空気吸込口19aとは反対側の領域の気流の速度を低減する効果がより確実に得られる。
また、本実施形態では、気流の速度が大きい領域に大きな第1凹部71を設けることによって当該領域の気流の速度を低減することによる騒音低減効果に加え、さらに、後縁62において第1凹部71よりも空気吸込口19a側の領域に複数の第2凹部72を設けることにより、次のような効果が得られる。すなわち、羽根21の内面21Aに沿って流れる空気と外面21Bに沿って流れる空気は、複数の第2凹部72においてそれぞれ細分化されるので、これらが後縁62の近傍において合流する際の気流の乱れが抑制される。これにより、羽根21の後縁62の近傍において生じる送風音を低減することができる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更、改良等が可能である。
例えば、前記実施形態では、遠心送風機51を天井埋込型の室内機に適用する場合を例示したが、これに限定されない。本発明の遠心送風機は、天吊り型やエアハンドリングユニット、ルーフトップなどの高所設置型、床置き型などの他のタイプの室内機にも適用できる。
前記実施形態では、後縁62における第1凹部71よりも空気吸込口19a側の領域には、後縁62に沿って鋸歯状に並ぶ複数の第2凹部72が設けられている場合を例示したが、図10に示すように第2凹部72を省略して、第1凹部71のみを後縁62に設けてもよい。
前記実施形態では、第1凹部71の全体が後縁62の長さHの1/2の位置よりもハブ15側に位置している場合を例示したが、第1凹部71の一部が後縁62の長さHの1/2の位置よりもシュラウド19側に位置していてもよい。
前記実施形態では、各羽根21の後縁62に設けられている第1凹部71の個数が一つである場合を例示したが、これに限定されない。各羽根21の後縁62には、ハブ15側の領域に複数(例えば2つ)の第1凹部71を設けてもよい。
前記実施形態では、各羽根21に第1凹部71が設けられている場合を例示したが、これに限定されない。複数の羽根21のうちの一部の羽根21にのみ第1凹部71を設ける形態であってもよい。具体的に、第1凹部71を設ける羽根21と第1凹部71を設けない羽根21とが交互に並ぶような形態例示できる。また、第1凹部71を設けている羽根21の間に第1凹部71が設けられていない羽根21が1つ又は複数介在するような形態が例示できる。
前記実施形態では、仮想平面Pに描かれる第1凹部71の形状は、仮想平面P内において回転軸Aに直交する直線に対して線対称となる形状である場合を例示したが、これに限定されない。例えば、仮想平面Pに描かれる第1凹部71の形状は、仮想平面P内において回転軸Aに交わる直線に対して線対称となる形状であってもよい。具体的に、回転軸Aに交わる直線としては、図5において、回転軸Aに直交する直線(図5における水平方向の直線)に対して例えば数度〜十数度程度傾斜した直線が例示できる。また、第1凹部71の形状は、仮想平面P内において回転軸Aに直交する直線に対して線対称でなくてもよい。
前記実施形態では、仮想平面Pに描かれる凹部71の形状は、円弧形状である場合を例示したが、これに限定されない。上述したように、仮想平面Pに描かれる凹部71の形状は、楕円弧形状や弓形状などであってもよく、また、直線又は平面の部分を有していてもよい。
19 シュラウド
19a 空気吸込口
21 羽根
23 羽根車
25 ベルマウス
31 室内機
51 遠心送風機
61 前縁
62 後縁
71 凹部(第1凹部)
712 第1凹部における前縁方向の端部
714 羽根における空気吸込口とは反対側の端部
72 第2凹部
A 回転軸
C 前縁方向における第1凹部の深さ
H 回転軸方向における後縁の長さ
h1 回転軸方向における凹部の長さ
h2 凹部における前縁方向の端部から羽根におけるハブ側の端部までの距離
L 翼弦長

Claims (7)

  1. 回転軸(A)を中心に回転し、空気吸込口(19a)を有する羽根車(23)を備え、
    前記羽根車(23)は、前記回転軸(A)の周りに配列された複数の羽根(21)を含み、
    前記羽根(21)の後縁(62)には、前記空気吸込口(19a)とは反対側の領域に、前縁(61)側に向かって凹む凹部(71)が設けられており、
    前記回転軸(A)の方向において、前記後縁(62)の長さ(H)に対する前記凹部(71)の長さ(h1)の比(h1/H)は、0.25〜0.5の範囲にあり、
    前記後縁(62)に設けられている前記凹部(71)の個数が一つであり、
    前記凹部(71)が、前記羽根(21)における前記空気込口(19a)とは反対側の端部(714)から離れた位置に形成されている、遠心送風機。
  2. 回転軸(A)を中心に回転し、空気吸込口(19a)を有する羽根車(23)を備え、
    前記羽根車(23)は、前記回転軸(A)の周りに配列された複数の羽根(21)を含み、
    前記羽根(21)の後縁(62)には、前記空気吸込口(19a)とは反対側の領域に、前縁(61)側に向かって凹む凹部(71)が設けられており、
    前記回転軸(A)の方向において、前記後縁(62)の長さ(H)に対する前記凹部(71)の長さ(h1)の比(h1/H)は、0.25〜0.5の範囲にあり、
    前記後縁(62)に設けられている前記凹部(71)の個数が一つであり、
    前記凹部(71)の前記空気込口(19a)とは反対側の端部(711)と、前記羽根(21)における前記空気込口(19a)とは反対側の端部(714)とが離れている遠心送風機。
  3. 前記回転軸(A)を中心に前記羽根車(23)を回転させたときに、前記回転軸(A)を含む仮想平面(P)を前記羽根(21)が通過することにより前記仮想平面(P)に描かれる凹部(71)の形状は、前記仮想平面(P)内において前記回転軸(A)に交わる直線(S)に対して線対称となる形状である、請求項1又は2に記載の遠心送風機。
  4. 前記仮想平面(P)に描かれる凹部(71)の形状は、円弧形状である、請求項3に記載の遠心送風機。
  5. 前記羽根(21)の翼弦長(L)に対する前記凹部(71)の深さ(C)の比(C/L)は、0.10〜0.30である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の遠心送風機。
  6. 前記回転軸(A)の方向において、前記凹部(71)における前縁方向の端部(712)から前記羽根(21)における前記空気吸込口(19a)とは反対側の端部(714)までの距離(h2)は、前記後縁(62)の長さ(H)の0.18〜0.28倍の範囲にある、請求項1〜5のいずれか1項に記載の遠心送風機。
  7. 前記後縁(62)における前記凹部(71)よりも前記空気吸込口(19a)側の領域には、前記凹部(71)よりも前記回転軸(A)の方向の長さ及び前縁方向の深さが小さく、前記後縁(62)に沿って鋸歯状の鋸歯部(72)が設けられている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の遠心送風機。
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