[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP6076664B2 - ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP6076664B2
JP6076664B2 JP2012210965A JP2012210965A JP6076664B2 JP 6076664 B2 JP6076664 B2 JP 6076664B2 JP 2012210965 A JP2012210965 A JP 2012210965A JP 2012210965 A JP2012210965 A JP 2012210965A JP 6076664 B2 JP6076664 B2 JP 6076664B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide resin
resin composition
metal powder
vapor
deposited metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012210965A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014065792A (ja
Inventor
弘文 迎
弘文 迎
辰典 正木
辰典 正木
行成 祢宜
行成 祢宜
祐子 田中
祐子 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Priority to JP2012210965A priority Critical patent/JP6076664B2/ja
Publication of JP2014065792A publication Critical patent/JP2014065792A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6076664B2 publication Critical patent/JP6076664B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、輝度、クリア感に優れたポリアミド樹脂組成物に関する。
自動車のエンジンカバーや家電製品などの内外装カバーは、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂にて形成されることが一般的である。このような樹脂成形品の外観には、鋼やアルミニウム合金のようなメタリックな色調が要求される場合がある。特に近年では、樹脂成形品の美観に対する要求が高まり、単にメタリックな色調を有するだけでなく、光沢感を有したうえで高輝感を抑えたメタリックな色調が要求されている。また、メタリックな色調も、銀灰色からやや白みがかった灰白色のものまで様々な種類の色調が要求されている。このような要求を満たすために、従来より、樹脂成形品の表面にアルミニウムなどの金属粉を含有する塗料を塗装する方法いわゆるメタリック塗装が行なわれていた。しかし、このメタリック塗装では、有機溶剤を使用するために、作業環境面で問題がある。また、生産性に劣りコストが高くなる。
上記の問題点を解消する方法として、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂に、アルミニウムなどの金属粉や、マイカ、ワラストナイト、ガラスなどの表面に金属を被覆した光沢性粒子を充填した樹脂組成物が提案されている。
例えば、特許文献1には、層状珪酸塩が分子レベルで均一に分散されたポリアミド樹脂に対し、メタリック色を発現する粒子を配合したポリアミド樹脂組成物が開示されている。
特許文献2には、ポリアミド樹脂、金属フレークを含有するポリアミド樹脂組成物が開示されている。
国際公開第99/13006号パンフレット
特表2001−509524号
しかしながら、特許文献1、2いずれのポリアミド樹脂組成物であっても輝度とクリア感のバランスが不十分である、という問題があった。
また、ポリアミド樹脂に金属フレーク等を分散する場合、一旦ポリエチレン等に金属フレークを高濃度に練り込んだ、いわゆるマスターバッチとして混合するか、金属フレークと各種オイルからなるペーストを混合するかに方法が限られており、ポリアミド樹脂以外の有機成分が混入することで、樹脂組成物としてのクリア感が低下したり、色調に斑が生じることがあった。
本発明は、輝度、クリア感に優れるポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、膨潤性層状珪酸塩(B)2〜9質量部、蒸着金属粉顔料(C)0.5〜5質量部を含み、蒸着金属粉顔料(C)が、鱗片状であり、その平均粒子径が1〜60μm、厚みが1〜10μmであることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
(2)膨潤性層状珪酸塩(B)がフッ素雲母、モンモリロナイト、ヘクトライトから選ばれるいずれかであることを特徴とする(1)記載のポリアミド樹脂組成物。
(3)蒸着金属粉顔料(C)が蒸着金属膜を粉砕して得られたものであることを特徴とする(1)または(2)記載のポリアミド樹脂組成物。
(4)蒸着金属粉顔料(C)が鱗片状であり、その厚みが1〜10μmであることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
(5)蒸着金属粉顔料(C)の嵩比重が0.20g/cm3以下であることを特徴とする(1)〜(4)いずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
(6)ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分に対し膨潤性層状珪酸塩(B)を分散し、重合を行い樹脂組成物を得た後、前記樹脂組成物と蒸着金属粉顔料(C)を溶融混合することを特徴とする(1)〜()いずれか記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
(7)(1)〜(5)いずれか記載のポリアミド樹脂を成形してなる成形体。
(8)自動車部品または電気部品であることを特徴とする(7)記載の成形体。
(9)ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分に対し膨潤性層状珪酸塩(B)を分散し、重合を行い得られた樹脂組成物を溶融することなく、蒸着金属粉顔料(C)と混合した後、成形機に供給して成形を行うことを特徴とする(7)または(8)記載の成形体の製造方法。
本発明によれば、輝度、クリア感に優れるポリアミド樹脂組成物を提供することができる。このようなポリアミド樹脂組成物を成形して得られる成形体は、特に金属光沢、意匠性を高めることができるため、自動車部品、電気部品として好適に用いることができる。
本発明で用いるポリアミド樹脂(A)は、特に制限はなく、各種脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドを用いることができる。
脂肪族ポリアミドとしては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6/66)、ポリウンデカミド(ナイロン11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ナイロン6/11)、ポリドデカミド(ナイロン12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ナイロン6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン116)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。
半芳香族ポリアミドまたは芳香族ポリアミドとしては、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6T)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6I)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTMDT)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、およびこれらの混合物や共重合体等が挙げられる。
上記各種脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミドはそれぞれ単独で用いてもよいが、混合して用いてもよい。混合をする場合は、例えば、ナイロン6を構成するモノマー成分(ε−カプロラクタム)に対し、後述する膨潤性層状珪酸塩(B)を分散させ重合体を得た後、膨潤性層状珪酸塩(B)を含有しないナイロン10Tを混合して用いることができる。
ポリアミド樹脂の分子量の指標である相対粘度は、特に制限されるものではないが、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dlの条件で測定した相対粘度が1.5〜3.5であることが好ましく、より好ましくは1.7〜3.2であり、さらに好ましくは1.9〜3.0である。相対粘度が1.5未満であると、得られるポリアミド樹脂組成物の強度が低下する場合がある。一方、相対粘度が、3.5を超えると、流動性が劣り、混練が困難となったり、成形性が低下するため、輝度、クリア感が劣ったりすることがある。
本発明で用いる膨潤性層状珪酸塩(B)は、天然に産出するものでも人工的に合成あるいは変成されたものでもよく、例えばスメクタイト族(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、ソーコナイト等)、バーミキュライト族(バーミキュライト等)、雲母族(フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、レピドライト等)、脆雲母族(マーガライト、クリントナイト、アナンダイト等)、緑泥石族(ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモナイト、ニマイト等)が挙げられるが、本発明においてはNa型あるいはLi型膨潤性フッ素雲母やモンモリロナイトが特に好適に用いられる。
本発明において好適に用いられる膨潤性フッ素雲母は一般的に次式で示される構造式を有するものである。
a(MgXLib)Si4YZ
(式中で、Mはイオン交換性のカチオンを表し、具体的にはナトリウムやリチウムが挙げられる。また、a、b、X、YおよびZはそれぞれ係数を表し、0≦a≦0.5、0≦£b≦£0.5、2.5≦X≦3、10≦Y≦11、1.0≦Z≦2.0、である)
このような膨潤性フッ素雲母の製造法としては、例えば、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび各種フッ化物とを混合し、その混合物を電気炉あるいはガス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その冷却過程で反応容器内に膨潤性フッ素雲母の結晶成長させる溶融法が挙げられる。
一方、タルク〔Mg3Si410(OH)2〕を出発物質として用い、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤性を付与し、膨潤性フッ素雲母を得る方法もある(特開平2-149415号公報)。この方法では、所定の配合比で混合したタルクと珪フッ化アルカリを、磁性ルツボ内で700〜1200℃の温度下に短時間加熱処理することによって、膨潤性フッ素雲母を得ることができる。
この際、タルクと混合する珪フッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜35質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲を外れる場合には膨潤性フッ素雲母の生成収率が低下する傾向にある。
本発明に用いるモンモリロナイトは次式で表されるもので、天然に産出するものを水ひ処理等を用いて精製することにより得ることができる。
aSi(Al2−aMg)O10(OH)2・nH2
(式中で、Mはナトリウム等のカチオンを表し、0.25≦a≦0.6である。また層間のイオン交換性カチオンと結合している水分子の数はカチオン種や湿度等の条件によって様々に変わりうるので、式中ではnH2Oで表した)
またモンモリロナイトにはマグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロナイト等の同型イオン置換体の存在が知られており、これらを用いてもよい。
膨潤性層状珪酸塩(B)の配合量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、1〜10質量部であり、2〜9質量部であることが好ましく、3〜8質量部であることがより好ましい。1質量部未満では、機械的強度が損なわれたり、クリア感の向上効果が不足する。10質量部を超えると平滑性、色調の斑を有したり、クリア感が低下する。
本発明で用いる蒸着金属粉顔料(C)は、アルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、プラチナ、ニッケルよりなる一群の金属の何れか若しくは複数、若しくはこれらの一群の金属を用いた合金、若しくはこれらの一群の金属又はその合金の酸化物からなる金属からなる蒸着金属粉顔料である。中でも、ポリアミド樹脂組成物の輝度向上の効果が優れる点で、アルミニウムを用いたものが好ましい。蒸着金属粉顔料(C)は、保護層を有するものであってもよい。このような蒸着金属粉顔料(C)を用いることによって、ポリアミド樹脂(A)に対する蒸着金属粉顔料(C)の配合が少ない場合であっても、必要な金属光沢を付与することが可能であるため特に好ましい。
本発明の蒸着金属粉顔料(C)は、その形状は特に限定はされないが、平面状または鱗片状であることが好ましい。従来の金属粉顔料は、通常、略粒形状であり、これを平面状に並べた状態で側面から観察するとその表面はランダムな凹凸状となってしまう。つまり表面がランダムな凹凸である以上、そこに光線が入射しても乱反射してしまい、結局所望の金属光沢を得ることが困難である。
本発明の蒸着金属粉顔料(C)として、鱗片状の金属粉顔料を用いた場合は、これを平面状に並べた状態で側面から観察すると得られる成形体表面は従来の略粒形状微粉の場合に比べより平面的な状態となっている。つまり表面が比較的滑らかであるので、ここに光線が入射すると入射光はほぼ同一方向に反射する状態となり、得られる成形体表面における金属光沢を良好なものとすることができる。前記蒸着金属粉顔料(C)中、基材の上にアルミ蒸着を施した後、基材とともに粉砕して得る方法で製造された蒸着金属粉顔料(C)は、特に平面性が高く、本発明において好適に用いることができる。
蒸着金属粉顔料(C)の嵩比重は、0.25g/cm3以下であることが好ましく、0.20g/cm3以下であることがより好ましく、0,15g/cm3以下であることがさらに好ましい。嵩比重が0.25g/cm3を超えると、樹脂組成物との混合時に偏析、凝集等の懸念が少なくなるため、分散性が向上し、効率よく輝度を高めることが可能となる。嵩比重は、JIS K 7365に準拠して測定することができる。
蒸着金属粉顔料(C)の平均粒子径は、1〜60μmであることが好ましく、2〜50μmであることがより好ましく、3〜40μmであることがさらに好ましく、4〜30μmであることが特に好ましい。平均粒子径が1μm未満は、蒸着金属粉顔料自体を得ることが難しく、また、そのような蒸着金属粉顔料を得たとしても、輝度向上の効果が低下する。平均粒子径が60μmを超えると、ポリアミド樹脂組成物を得る際のハンドリングが難しくなり、原料である蒸着金属粉顔料が有する平均粒子径を維持しながら溶融混合をすることが困難となる。また、溶融混合ができたとしても、得られるポリアミド樹脂組成物の輝度は高まるが、意匠性に劣る傾向が高まる。蒸着金属粉顔料(C)の平均粒子径は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラック2(日機装社製)により測定が可能である。
蒸着金属粉顔料(C)の平均厚みは1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましく、1〜3μmであることがさらに好ましい。平均厚みが1μm未満であると、剛性に劣り溶融混合した際に、形状を保つことが難しくなる。したがって、ポリアミド樹脂組成物において、十分な光沢度を得ることが難しくなる。平均厚みが10μmを超えると蒸着金属粉顔料(C)の分散性に劣り、蒸着金属粉顔料(C)が重なった場合に得られる成形体の表面平滑性が低下し、結果的に光沢度が劣ったものとなる。なお、前記蒸着金属粉顔料(C)中、基材の上にアルミ蒸着を施した後、基材とともに粉砕して得る方法で製造された蒸着金属粉顔料(C)の平均厚みとは、基材厚みと蒸着厚みを足した合計の厚みを指すものとする。蒸着金属粉顔料(C)の平均厚みは、電子顕微鏡による蒸着金属粉顔料50個測定の単純平均により算出することができる。
蒸着金属粉顔料(C)のアスペクト比は、2〜60であることが好ましく、2〜50であることがより好ましく、2〜30であることがさらに好ましい。アスペクト比が2未満であると、もはや粒状金属粉顔料との区別ができず、得られる成形体表面の輝度は劣ったものとなる。アスペクト比が60を超えるものは工業的に得ることは難しく、また得られたとしても分散安定性が劣り、得られる成形体の表面平滑性が損なわれたものとなる。
蒸着金属粉顔料(C)のアスペクト比は、前記平均粒径の値を前記平均厚み値で除することにより求めることができる。
蒸着金属粉顔料(C)の配合量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.5〜5質量部である。配合量が0.5質量部未満では、優れた輝度を得ることはできず、5質量部を超えると、配合量に応じたクリア感が発現しない。
本願において、特定量の膨潤性層状珪酸塩(B)と、特定量の蒸着金属粉顔料(C)を併用して用いることは重要である。得られる成形体として輝度を向上させるためには、蒸着金属粉顔料(C)を用いることは必須の要件であるが、蒸着金属粉顔料(C)に対し、膨潤性層状珪酸塩(B)を併用することは、蒸着金属粉顔料(C)の分散性を向上させる効果が高まる。蒸着金属粉顔料(C)は、鱗片状の金属粉顔料であるため、輝度に優れる反面、従来の粒状金属粉顔料に比べ分散性に劣る傾向があった。膨潤性層状珪酸塩(B)と蒸着金属粉顔料(C)を併用することで、分散性を損ねず得られる成形体の輝度を向上することが可能となる。さらには、理由はよく分からないが、成形体表面の輝度の向上とともに、クリア感が増す傾向がある。得られる成形体表面において分散した蒸着金属粉顔料(C)の隙間に、膨潤性層状珪酸塩(B)が入り込んだり、成形体表面の蒸着金属粉顔料(C)よりも深い位置に分散する膨潤性層状珪酸塩(B)が光の反射を増強するため、あるいは、成形体表面の光の反射率を高めているためと推察される。
本発明のポリアミド樹脂組成物の製造方法を説明する。本発明において、ポリアミド樹脂組成物の製造方法としては、ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分に対し膨潤性層状珪酸塩(B)を分散して得られる樹脂組成物を得た後、蒸着金属粉顔料(C)を溶融混合する方法を好ましく挙げることができる。ポリアミド樹脂(A)に対し、膨潤性層状珪酸塩(B)、蒸着金属粉顔料(C)を一括または2回に分けて別々に溶融混練することも可能であるが、本発明のポリアミド樹脂組成物より得られる成形体が有する輝度を一層高めるためには、前記、ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分に対し膨潤性層状珪酸塩(B)を分散して得られる樹脂組成物を得た後、蒸着金属粉顔料(C)を溶融混合する方法が最も好ましい。なお、蒸着金属粉顔料(C)の溶融混合を行う場合、公知の溶融混練押出機を用いることができるが、蒸着金属粉顔料(C)の混練による破砕あるいは折損を極力抑制するためには、押出機のスクリューは二軸のものよりも単軸のものを用いることが好ましい。蒸着金属粉顔料(C)の供給方法としては、前記樹脂組成物と蒸着金属粉顔料(C)を混合した後、主ホッパーより一括投入することもできるが、破砕あるいは折損を極力抑制するため押出機途中よりサイドフィーダーにて供給することもできる。なお、供給の際に、より押出機下流にて供給することが好ましい。前記樹脂組成物と蒸着金属粉顔料(C)の混合は、必ずしも十分に溶融混練されていなくても、例えば、その後の射出成形加工において、作業に支障がでない範囲で混合できていればよい。必要に応じて、溶融混練を行うことなく、前記樹脂組成物と蒸着金属粉顔料(C)をドライブレンドした後、直接射出成形機に供給し、射出成形を行うこともできる。用いる蒸着金属粉顔料(C)の嵩比重が0.25g/cm3以下である場合、蒸着金属粉顔料が舞い散る等混合時の作業性が低下することがあるが、そのような場合は流動パラフィン等、適当な展着剤用い、ある程度の蒸着金属粉顔料を樹脂組成物へ展着した後、射出成形を行うことで作業性を向上することが可能である。蒸着金属粉顔料(C)は外部応力に対し脆いものであり、溶融混練時のスクリュー剪断応力を極力与えない状態であることが、得られるポリアミド樹脂組成物の輝度を向上させる上で重要である。
膨潤性層状珪酸塩(B)をポリアミド6樹脂中に分子レベルで分散させる方法は特に限定されないが、あらかじめ膨潤させ層間を拡げた膨潤性層状珪酸塩(B)をポリアミドモノマーと混合し重合する方法、または、あらかじめ層間処理剤で処理された膨潤性層状珪酸塩(B)を溶融混練によって配合する方法から選ばれるが、その他、膨潤性層状珪酸塩(B)をポリアミド樹脂に均一に分散できる配合方法であれば、上記以外の方法を選ぶこともできる。
あらかじめ膨潤させ層間を拡げた膨潤性層状珪酸塩(B)をポリアミドモノマーと混合し重合する方法としては、適宜選択した膨潤性層状珪酸塩(B)の存在下、所定量のモノマーをオートクレーブに仕込んだ後、水等の開始剤を用い、温度240〜300℃、圧力0.2〜3MPa、1〜15時間の範囲内で溶融重縮合法によればよい。ナイロン6を樹脂マトリックスとする場合には、温度250〜280℃、圧力0.5〜2MPa、3〜5時間の範囲で重合することが好ましい。
また、重合後のポリアミド樹脂に残留しているポリアミドのモノマーを除去するために、該ポリアミド樹脂のペレットに対して熱水による精練を行うことが好ましい。この場合、好ましくは90〜100℃の熱水中で8時間以上の処理を行えばよい。
あらかじめ層間処理剤で処理された膨潤性層状珪酸塩(B)を溶融混練によって配合する方法としては、単軸混練機を用い、ポリアミド樹脂の融点以上に加温して、ポリアミド樹脂と膨潤性層状珪酸塩(B)を溶融混練することで得られる。その際、膨潤性層状珪酸塩(B)は、混練時の分散を良くするために、四級アンモニウム塩等の層間処理剤で層間処理されていることが好ましく、ポリアミド樹脂との密着を阻害しないものであれば、適宜用いることができる。
蒸着金属粉顔料(C)を前記「膨潤性層状珪酸塩(B)を分散したポリアミド樹脂」に対し、溶融混練する方法としては、二軸混練機を用い、ポリアミド樹脂の融点以上に加温して、ポリアミド樹脂と蒸着金属粉顔料(C)を溶融混練する方法を挙げることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等を添加することができる。熱安定剤や酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物などが例示される。なお、本発明の樹脂組成物にこれらを混合する方法は特に限定されない。また特に難燃性を補助するために、縮合リン酸エステル、ポリリン酸、窒素化合物系難燃剤などを添加してもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、およびシート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体とすることができる。中でも、射出成形法を用いることが好ましく、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形、射出プレス成形等も採用できる。本発明のポリアミド樹脂組成物に適した射出成形条件の一例を挙げれば、シリンダ温度を樹脂組成物の融点または流動開始温度以上、好ましくは190〜270℃とし、また、金型温度は樹脂組成物の(融点−20℃)以下とするのが適当である。成形温度が低すぎると成形品にショートが発生するなど成形性が不安定になったり、得られる成形体表面の光沢度が失われることがある。逆に、成形温度が高すぎるとポリアミド樹脂組成物が分解し、得られる成形体の強度が低下したり、光沢度を低下させる要因となる場合がある。
本発明のポリアミド樹脂組成物より得られる成形体は、特に射出成形法により得られた成形体の輝度、クリア感を高めることができる。クリア感は、板状成形体表面に樹脂層が十分に形成されているか、平面性と表面平滑性が十分であるかの指標である。樹脂層の形成が不十分であると平面平滑性が劣り、表面荒れやざらつき感を伴うことになる。クリア感があると、表面に透明な層を有するかのように奥行きを持って光沢面が見える。この状態は、例えばガラス板裏面にメッキ層が形成された鏡において、ガラス越しにメッキ層へ像が写し出される状態と似ている。
本発明において、得られる成形体の輝度、クリア感が十分であることで、蒸着金属粉顔料(C)による金属光沢を高めることができ、しかも光沢度に深みを有するため、意匠性を高めることができる。また、射出成形時の各種条件をバランス良く整えることで、さらに、輝度、クリア感の向上が可能である。その際、樹脂温度、射出速度、射出圧、金型温度を適宜設定することで輝度、クリア感の調製が可能である。なお、樹脂温度、射出速度、射出圧は、溶融したポリアミド樹脂組成物の金型内での流動性、さらには、ポリアミド樹脂組成物中での膨潤性層状珪酸塩(B)、蒸着金属粉顔料(C)の分散性に影響を与えるため、慎重に条件を設定する必要がある。条件の1例として、射出速度を高速とした場合には、蒸着金属粉顔料の配向が乱れてしまい、輝度が低下する傾向があるため、射出速度は低速から中速とした方がよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物を用いた成形体の具体例としては、パソコン周辺の各種部品および筐体、携帯電話部品および筐体、その他OA機器部品等の電化製品用樹脂部品、バンパー、インストルメントパネル、コンソールボックス、ガーニッシュ、ドアトリム、天井、フロア、エンジン周りのパネル等の自動車用樹脂部品等が挙げられる。また、フィルム、シート、中空成形品などとすることもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.評価方法
得られた樹脂組成物を用い、射出成形機(東芝機械社製EC−100II型)を用い、樹
脂温度260℃、金型温度100 ℃、射出速度100mm/s、射出圧力100MPa、保圧30MPa、冷却時間10秒にて射出成形を行い、縦90mm×横50mm×厚さ2mmの板状成形体を得た。
得られた板状成形体にて、下記評価を行った。
(1)平滑性
板状成形体の平滑性につき、目視で判断した。
○:金型転写が十分なされており、平滑である。
×:成形体表面に含有する顔料の浮き、またはヒケが見られる。
(2)色調の斑
板状成形体を肉眼観察し、含有する顔料の分散状態を評価した。
○:均一に分散している。
△:やや分散に斑があり、濃淡を感じる。
×:濃淡があるばかりか、局所的に顔料の凝集がある。
(3)表面光沢度
JIS Z 8741に基づき、光沢度計(日本電色社製 グロスメーターVG7000型)を用い、板状成形体の表面光沢度の測定を行った。光沢度は、実用的には、90 %以上であることが好ましい。
(4)輝度
照度1000Lxである蛍光灯下で板状成形体の法線とのなす角度45°の方向から観察し、肉眼にて輝度を官能評価した。評価結果は3または4であることが好ましい。
5:ギラギラ感を有するが、過剰である。
4:ギラギラ感を有するが、やや過剰。
3:適度なギラギラ感を有する。
2:金属特有の輝きが不足する。
1:金属特有の輝きを有さない。
(5)クリア感
照度1000Lxである蛍光灯下で様々な角度から板状成形体を観察し、肉眼にてクリア感を官能評価した。
○:板状成形体表面に蛍光灯を写すと、蛍光灯の形がそのまま見える。
△:板状成形体表面に蛍光灯を写すと、蛍光灯の形は見えるが、蛍光灯のラインがぼ やけて見える。
×:板状成形体表面に蛍光灯を写しても、蛍光灯の形を認識できない。
(6)総合判断(意匠性)
上記評価より総合的に判断をした。◎または○であることが好ましい。
◎:輝度、クリア感が十分で、金属光沢、意匠性が十分である。
○:実用的には十分であるが、輝度、クリア感が不足する。
△:輝度、クリア感が十分でない。
×:平面性、平滑性に問題がある。
2.原料
(1)ポリアミド樹脂
・(a−1):ポリアミド6(ユニチカ社製 A1030BRT)
・(a−2):ポリアミド66(ユニチカ社製E2000)
・(a−3):ポリアミド10T( ユニチカ社製XecoT)
(2)膨潤性層状珪酸塩
・(b−1):フッ素雲母(コープケミカル社製ME−100)
・(b−2):ヘクトライト(Elementis Specialities社製BentoneHC)
・(b−3):有機処理フッ素雲母(コープケミカル社製MEE;ME−100を4級アンモニウム塩で処理)
(3)メタリック顔料
・(c−1):蒸着アルミ粉顔料(尾池工業社製エルジーneo Silver #325)平均粒子径35μm、厚み2〜3μm、嵩比重0,15g/cm3
・(c−2):蒸着アルミ粉顔料(尾池工業社製エルジーneo Silver #500)平均粒子径15μm、厚み2〜3μm、嵩比重0,15g/cm3
・(c−3):蒸着アルミ粉顔料(尾池工業社製エルジーneo Silver #100)平均粒子径115μm、厚み2〜3μm、嵩比重0,15g/cm3
・(c−4):酸化鉄系顔料(チタン工業社製AM−200)平均粒子径13μm、平均厚み0.3μm、嵩比重0,35g/cm3、酸化アルミと酸化鉄の混合物。
・(c−5):アルミ粉末マスターバッチ(東洋アルミニウム社製NME U20TZ)ポリエチレンに対しアルミ粉末を70質量%練り込んだもの。含有するアルミ粉末;平均粒子径20μm
・(c−6):アルミニウム顔料ペースト(東洋アルミニウム社製アルペーストSCR−5070)、平均粒子径12μm、厚さ0.57μm、アスペクト比21、固形分75%
・(c−7):パール顔料(メルクジャパン社製イリオジン#100)平均粒子径20μmのマイカ表面にチタンを0.3μmコーティングしたもの。
製造例1
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性層状珪酸塩(b−1)5質量部、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行ない、フッ素雲母を5.2 質量%含有するポリアミド樹脂(P−1)を得た。その結果を表1に示す。
製造例2
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性層状珪酸塩(b−2)5質量部、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行ない、ヘクトライトを4.7 質量%含有するポリアミド樹脂(P−2)を得た。その結果を表1に示す。
製造例3
ポリアミド樹脂(a−1)100質量部、有機処理された膨潤性層状珪酸塩(b−3)5質量部を一括混合し、二軸押出機を用いて溶融混練してポリアミド樹脂(P−3)を得た。溶融混練は、樹脂温度260℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/hにて行った。その結果を表1に示す。
製造例4
ポリアミド樹脂(a−2)100質量部、有機処理された膨潤性層状珪酸塩(b−3)5質量部を一括混合し、二軸押出機を用いて溶融混練してポリアミド樹脂(P−4)を得た。溶融混練は、樹脂温度280℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/hにて行った。その結果を表1に示す。
製造例5
ポリアミド樹脂(a−3)100質量部、有機処理された膨潤性層状珪酸塩(b−3)5質量部を一括混合し、二軸押出機を用いて溶融混練してポリアミド樹脂(P−5)を得た。溶融混練は、樹脂温度335 ℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/hにて行った。その結果を表1に示す。
製造例6
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性層状珪酸塩(b−1)1質量部、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行ない、フッ素雲母を1.1質量%含有するポリアミド樹脂(P−6)を得た。その結果を表1に示す。
製造例7
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性層状珪酸塩(b−1)8質量部、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行ない、フッ素雲母を8.1質量%含有するポリアミド樹脂(P−7)を得た。その結果を表1に示す。
製造例8
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性層状珪酸塩(b−1)11質量部、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行ない、フッ素雲母を10.8質量%含有するポリアミド樹脂(P−8)を得た。その結果を表1に示す。
製造例9
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性層状珪酸塩(b−1)0.5質量部、水5質量部を配合して、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合を行ない、フッ素雲母を0.5質量%含有するポリアミド樹脂(P−9)を得た。その結果を表1に示す。
実施例1
製造例1で得られた膨潤性層状珪酸塩塩含有ポリアミド樹脂(P−1)105.5質量部、および蒸着金属粉顔料(c−1)1質量部を一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し溶融混練を行い、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度260℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/hにて行った。得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、射出成形を行い、得られた板状成形体を用いて各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例2〜6、9、10
表2に記載の配合に従う以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得て
各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例7
製造例4で得られた膨潤性層状珪酸塩含有ポリアミド樹脂(P−4)104.7質量部、および蒸着金属粉顔料(c−1)1質量部を一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し溶融混練を行い、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度280℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/hにて行った。得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、射出成形を行い、得られた板状成形体を用いて各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例8
製造例5で得られた膨潤性層状珪酸塩含有ポリアミド樹脂(P−5)104.7質量部、および蒸着金属粉顔料(c−1)1質量部を一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し溶融混練を行い、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度335℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/hにて行った。得られたポリアミド樹脂組成物を用いて、射出成形を行い、得られた板状成形体を用いて各種評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例11
単軸押出機に代えて二軸押出機を用いる以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得て各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例12
製造例1で得られた膨潤性層状珪酸塩含有ポリアミド樹脂(P−1)のペレット105.5質量部、および蒸着金属粉顔料(c−1)1質量部を溶融混練を行うことなく、十分に一括混合した後、直接射出成形機に投入し、射出成形を行い、得られた板状成形体を用いて各種評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例1、2、5〜8
表3に記載の配合に従う以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得て
各種評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例3
膨潤性層状珪酸塩含有ポリアミド樹脂(P−9)を用い、表3記載の配合従う以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得て各種評価を行った。その結果を表3に示す。
比較例4
膨潤性層状珪酸塩含有ポリアミド樹脂(P−8)を用い、表3記載の配合従う以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド樹脂組成物を得て各種評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例1〜12は、本願所定の配合に従ったため、評価結果は、輝度高く、ムラがなく、クリア感があって深みがあり、十分なメタリック調を有していた。
下記実施例については、特に次のような傾向を有していた。参考例1は膨潤性層状珪酸塩の配合が所定範囲であったが、下限値近傍であったためクリア感がやや低下した。参考例2は平均粒子径の比較的大きな蒸着金属粉顔料を用いたため、金属光沢特有のギラギラ感は増したが、色調斑、クリア感がやや低下した。実施例11は二軸押出機を用いて混練を行ったため、輝度が低下する傾向が見られた。実施例12は蒸着金属粉顔料の混練を行うことなしに成形を行ったため、表面光沢度、輝度が向上する傾向であった。
比較例1は、蒸着金属粉顔料の配合が上限値を超えたため、色調に斑があり、クリア感がなかった。
比較例2は、蒸着金属粉顔料の配合が下限値未満であったため、輝度、クリア感が不十分だった。
比較例3は、膨潤性層状珪酸塩の配合が下限値未満であったため、蒸着金属粉顔料の配合との相乗効果であるクリア感の向上性が不十分だった。
比較例4は、膨潤性層状珪酸塩の配合が上限値を超えたため、膨潤性層状珪酸塩の凝集物が存在し、平面性、平滑性が悪く、また、輝度、クリア感がなかった。
比較例5は、蒸着金属粉顔料ではないメタリック顔料を用いたため、クリア感が不十分であった。
比較例6は、蒸着金属粉顔料ではないメタリック顔料を用いたため、クリア感が不十分であった。また、用いるメタリック顔料に起因するポリエチレンの混入があったため色調の斑があった。
比較例7は、蒸着金属粉顔料ではないメタリック顔料を用いたため、クリア感が不十分であった。また、用いるメタリック顔料に起因するオイルの混入があったため色調の斑があった。
比較例8は、蒸着金属粉顔料ではないメタリック顔料を用いたため、輝度が不足した。また、色調の斑も生じた。
























Claims (9)

  1. ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、膨潤性層状珪酸塩(B)〜10質量部、蒸着金属粉顔料(C)0.5〜5質量部を含み、蒸着金属粉顔料(C)の平均粒子径が1〜60μmであることを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
  2. 膨潤性層状珪酸塩(B)がフッ素雲母、モンモリロナイト、ヘクトライトから選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. 蒸着金属粉顔料(C)が蒸着金属膜を粉砕して得られたものであることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 蒸着金属粉顔料(C)が鱗片状であり、その厚みが1〜10μmであることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. 蒸着金属粉顔料(C)の嵩比重が0.20g/cm3以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分に対し膨潤性層状珪酸塩(B)を分散し、重合を行い樹脂組成物を得た後、前記樹脂組成物と蒸着金属粉顔料(C)を溶融混合することを特徴とする請求項1〜いずれか記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜5いずれか記載のポリアミド樹脂を成形してなる成形体。
  8. 自動車部品または電気部品であることを特徴とする請求項7記載の成形体。
  9. ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分に対し膨潤性層状珪酸塩(B)を分散し、重合を行い得られた樹脂組成物を溶融することなく、蒸着金属粉顔料(C)と混合した後、成形機に供給して成形を行うことを特徴とする請求項7または8記載の成形体の製造方法。
JP2012210965A 2012-09-25 2012-09-25 ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体 Active JP6076664B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012210965A JP6076664B2 (ja) 2012-09-25 2012-09-25 ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012210965A JP6076664B2 (ja) 2012-09-25 2012-09-25 ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014065792A JP2014065792A (ja) 2014-04-17
JP6076664B2 true JP6076664B2 (ja) 2017-02-08

Family

ID=50742501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012210965A Active JP6076664B2 (ja) 2012-09-25 2012-09-25 ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6076664B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6619188B2 (ja) * 2014-09-24 2019-12-11 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体
KR102479091B1 (ko) * 2016-06-07 2022-12-19 한국자동차연구원 무도장 고광택 나노 수지 조성물
KR101739973B1 (ko) * 2016-06-23 2017-05-29 주식회사 우성케미칼 광택도를 갖는 수지 조성물
KR101853075B1 (ko) * 2017-05-17 2018-04-30 주식회사 우성케미칼 압출 데코 몰딩재 및 그 제조방법
WO2021081786A1 (en) * 2019-10-30 2021-05-06 The Procter & Gamble Company Molded article with metallic appearance
JP7534398B2 (ja) 2019-10-30 2024-08-14 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 金属的外観を有する成形品
JP7574449B2 (ja) 2021-04-30 2024-10-28 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 金属的外観を有する成形品

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5113180B2 (ja) * 1972-08-29 1976-04-26
JP3457753B2 (ja) * 1994-10-21 2003-10-20 Jsr株式会社 熱可塑性樹脂組成物
JP3571403B2 (ja) * 1995-03-01 2004-09-29 豊田合成株式会社 樹脂組成物
US20030004248A1 (en) * 1997-09-08 2003-01-02 Kazuyuki Wakamura Polyamide resin composition
JPH11279289A (ja) * 1998-03-31 1999-10-12 Unitika Ltd 樹脂成形品
JPH11293106A (ja) * 1998-04-09 1999-10-26 Mitsubishi Eng Plast Corp 強化ポリアミド樹脂組成物
JPWO2004026970A1 (ja) * 2002-09-20 2006-01-19 東洋アルミニウム株式会社 樹脂添加用光沢顔料並びにそれを含む樹脂組成物及び樹脂成形体
JP2006096935A (ja) * 2004-09-30 2006-04-13 Nishikawa Kasei Co Ltd 高輝度着色樹脂組成物及び高輝度着色射出成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014065792A (ja) 2014-04-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6076664B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体
JP6733986B1 (ja) メタリック調熱可塑性樹脂ペレット
WO1999013006A1 (fr) Composition de resine de polyamide
JP5907804B2 (ja) 耐熱変色性メタリック調ポリアミド樹脂組成物
TW200418927A (en) Impact-strength-modified polymer compositions
EP2906306A1 (en) Ionomer composite
JP6246419B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JP6128643B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体
JP6274782B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JP2020204024A (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形体
JP2014173057A (ja) ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体
JP6059044B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体
JP4868699B2 (ja) 熱可塑性ポリアミド樹脂組成物
JP2007297607A (ja) 無機粒子を含有するポリアミド樹脂組成物の製造方法、並びに、そのポリアミド樹脂組成物を用いたフィルム成形用樹脂組成物
JP6465608B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JP2014070202A (ja) ポリアミド樹脂組成物、およびそれよりなる成形体
JP5281735B2 (ja) 光反射成形品用ポリアミド樹脂組成物
WO2018010764A1 (en) Compounded copolyamide powders
JP6400991B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JP6928946B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体
JP6619188B2 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体
WO2021085056A1 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体
WO2021220786A1 (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形体またはその表面に保護層が形成された成形体
JP2022066841A (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形体
JP2022122042A (ja) ポリアミド樹脂組成物およびその成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150911

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160517

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170111

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6076664

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150