JP6072171B1 - 軸封を使用しない連続式のメディア撹拌型粉砕機 - Google Patents
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Abstract
Description
更に、本発明は、従来の軸封を使用しない連続式のメディア撹拌型粉砕機よりも、メディア分離手段において、スラリーとメディアの流れが整流されていることで、メディアの分離性能が良く、微小ビーズの使用を可能とし、また、メディア分離手段の回転速度を低下できることにより、機内圧力を低くでき、シール部への負荷が低下でき、ポンプ等の付帯設備への負担が少なくかつコスト低減に繋がる、軸封を使用しない連続式のメディア撹拌型粉砕機を提供することを目的とする。
(1)
軸封を使用しない連続式のメディア撹拌型粉砕機であって、筒型容器内の上方部分に配置され、原料スラリーから粉砕メディアを分離する遠心分離型のメディア分離手段、および筒型容器内であって、前記メディア分離手段の上側に隣接して配置され、前記メディア分離手段により粉砕メディアが分離されて、上昇してきた製品スラリーの一部を遠心力により半径方向外方に付勢する製品スラリー付勢手段を備え、前記メディア分離手段の外周と前記筒型容器の内壁の間には、メディア分離手段により分離された粉砕メディアを前記粉砕室に戻すメディア循環通路として作用する間隙が設けられており、前記製品スラリー付勢手段と前記筒型容器の内壁の間には、製品スラリー付勢手段により付勢された製品スラリーを前記メディア循環通路に導く製品スラリー返送通路として作用する間隙が設けられており、前記製品スラリー付勢手段の上方に製品スラリー排出通路が設けられており、前記製品スラリー付勢手段の一部を構成する筒状容器の内側上面の少なくとも上昇してきた粉砕メディアが突き当たる部分およびそれより外周側の部分を、該筒型容器の中心側から外周側に向かって斜め上方に延びた傾斜面として、粉砕メディア漏れを防止することを特徴とするメディア撹拌型粉砕機。
(2)
前記製品スラリー付勢手段は、複数の回転羽根を備え、該回転羽根の高さが、前記傾斜面に平行して大きくなっている前記(1)のメディア撹拌型粉砕機。
(3)
前記傾斜面の水平に対する角度が、1度〜45度である前記(1)または(2)のメディア撹拌型粉砕機。
(4)
前記傾斜面の水平に対する角度が、1.8度〜30度である前記(1)または(2)のメディア撹拌型粉砕機。
(5)
前記傾斜面の水平に対する角度が、3度〜15度である前記(1)または(2)のメディア撹拌型粉砕機。
(6)
前記傾斜面の水平に対する角度が、3度〜6度である前記(1)または(2)のメディア撹拌型粉砕機。
(7)
前記筒型容器内の前記メディア分離手段の下方に、原料粉砕用の撹拌部材が配置されている前記(1)〜(6)のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
(8)
前記メディア分離手段が、原料粉砕用の撹拌部材の機能をも有している前記(1)〜(6)のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
(9)
前記メディア分離手段は、回転駆動軸、該回転駆動軸の周囲に配置され、互いに対向して上下に配置された一対の環状端板、およびこれら一対の環状端板の間に配置された複数の分離ブレードを備え、前記分離ブレードの内周端は、前記回転駆動軸から所定間隔離されており、前記一対の環状端板のうち、下側の環状端板には、原料スラリーと粉砕メディアの混合スラリーを該メディア分離手段の内部に導くための複数の導入用開口が形成されており、この導入用開口は、前記分離ブレード長の範囲内に配置されている前記(1)〜(8)のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
(10)
前記導入用開口が、前記分離ブレード長の範囲内であって、前記下側の環状端板の半径1/2より外周側部部分に形成されている前記(9)のメディア撹拌型粉砕機。
(11)
前記製品スラリー付勢手段の前記回転羽根は、ボリュートカーブ状に形成されている前記(2)のメディア撹拌型粉砕機。
(12)
前記回転羽根の上面と前記筒状容器の上面の傾斜面との間の間隔が、使用する粉砕メディアの直径の3倍から50倍に設定されている前記(2)のメディア撹拌型粉砕機。
(13)
メディア分離手段を多段に配した前記(1)〜(12)のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
(14)
前記製品スラリー付勢手段の外径を、前記メディア分離手段の外径より大きくした前記(1)〜(13)のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
(15)
前記筒型容器内部に原料スラリーを投入する原料スラリー投入口を、該筒型容器の下部中央部に設けた前記(1)〜(14)のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
(16)
前記製品スラリー付勢手段の上方に、製品スラリー強制排出手段を設け、この製品スラリー強制排出手段は、回転駆動軸および製品スラリー強制排出用回転羽根を備え、製品スラリー排出通路が、前記製品スラリー強制排出用回転羽根の外周の接線方向に延びている前記(1)〜(15)のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
(17)
用いる粉砕メディアの直径が、0.015mm〜3mmである前記(1)〜(16)のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
また、機内の圧力により該筒型容器の上面表面近傍に沿って外側から内側へ向かう流れの薄膜層が形成され、該筒状容器の上面近傍に流れ込んだビーズが該薄膜層の流れによって製品スラリー排出方向へ向かってしまい機外へ流出してしまう。
しかし、本発明のメディア撹拌型粉砕機においては、製品スラリー付勢手段の一部を構成する筒状容器の上面の少なくとも上昇してきた粉砕メディアが突き当たる部分およびそれより外周側の部分を、該筒状容器の中心側から外周側に向かって斜め上方に延びた傾斜面としたことにより、内周側へ向かうビーズが傾斜面へぶつかり上部方向へ押しやられ、内周側へ向かう流れに対する抵抗ができる。傾斜面の境界は流速が弱くなるため、傾斜面でビーズが固着し成長していくが、一定の量までビーズの固着層が形成されると製品スラリー付勢手段による付勢効果が働く領域になるため、外周方向へ向かう製品スラリー付勢手段により付勢されたスラリーと一緒に機内に戻され、機外へのビーズ流出が防止される。
なお、原因は分からないが、前記傾斜面の角度が、30度を超えると、粉砕メディアの漏洩防止効果が急激に落ちて行くことが、実験の結果判明している。
また、前記したような構成のメディア分離手段および製品スラリー付勢手段を備えているので、スラリーと粉砕メディアの流れが整流され、メディアの分離性能が良く、微小メディアの使用を可能とし、また、メディア分離手段の回転速度を低下できることにより、機内圧力を低くでき、ポンプ等の付帯設備への負荷を低減でき、動力の低減を図ることができる。さらに部材の摩耗を軽減しコスト削減を実現できる。
本発明の実施形態による軸封を使用しない連続式のメディア撹拌型粉砕機(以下、メディア撹拌型粉砕機と略称する)10は、竪型であって、垂直方向に延びる筒型容器12を備えている。この筒型容器12の底壁14の中央には、該筒型容器内に原料スラリーを供給するための原料スラリー供給口16が設けられている。
前記粉砕セクション20には、回転駆動軸22により回転駆動される原料粉砕用の撹拌部材24が内部に配置され、粉砕メディアMを収容した粉砕室26が配置されている。本メディア撹拌型粉砕機10においては0.015mm〜3mmまでの微細な径の粉砕メディアMを用いることができる。
この傾斜面は、前記上部ライナー80の下面の全体でなくともよく、少なくとも上昇してきた粉砕メディアが突き当たる部分およびそれより外周側の部分が傾斜面であればよい。
前記符号f2で示されたスラリーの流れは、スラリー返送通路84を通る下向きの流れとなり、メディア分離手段52により分離された粉砕メディアMが前記スラリー返送通路84を通って上昇し、装置外部に排出されるのを防止する。
図6(a)、(b)で示したように、機内圧力によって粉砕メディアMを含むスラリーはスラリー返送通路付近まで上昇してくるが、製品スラリー付勢手段70により付勢された製品スラリーの流れで、ほとんどのスラリーは機内へ戻される。しかし、上部ライナー80の近傍は製品スラリー付勢手段の付勢効果が弱いため、一部のスラリーが上部ライナー80に沿って半径方向外側から半径方向内側へ薄膜層の状態で流れ込んでくる。流れ込んだ粉砕メディアMを含むスラリーは傾斜面81に突き当たり、半径方向内側へ向かうが、粉砕メディアMは該傾斜面の作用により半径方向内側へ向かわず上部方向へ押しやられ、該傾斜面の途中で固着する。該傾斜面の境界は流速が弱くなるため、粉砕メディアMが固着し成長していくが、一定の量まで固着層が形成されると製品スラリー付勢手段70により半径方向外方に付勢されたスラリーに乗り、スラリー返送通路84を介して(F3)筒型容器12内に戻る。これにより、粉砕メディアMの機外への漏出が防止される。
12 筒型容器
14 底壁
16 原料スラリー供給口
20 粉砕セクション
22 回転駆動軸
24 撹拌部材
26 粉砕室
50 粉砕メディア分離セクション
52 メディア分離手段
54 垂直円筒部
56 水平環状部
58 分離手段基体
60 分離ブレード
61 混合スラリー導入用開口
62 メディア循環通路
70 スラリー付勢手段
72 垂直円筒部
74 水平環状部
75 製品スラリー導入用開口
76 付勢手段基体
78 スラリー出口フランジ
80 上部ライナー
82 付勢ブレード
84 スラリー返送通路
86 排出通路
88 環状排出室
90 回転遠心排出羽根
92 スラリー出口通路
Claims (17)
- 軸封を使用しない連続式のメディア撹拌型粉砕機であって、筒型容器内の上方部分に配置され、原料スラリーから粉砕メディアを分離する遠心分離型のメディア分離手段、および筒型容器内であって、前記メディア分離手段の上側に隣接して配置され、前記メディア分離手段により粉砕メディアが分離されて、上昇してきた製品スラリーの一部を遠心力により半径方向外方に付勢する製品スラリー付勢手段を備え、前記メディア分離手段の外周と前記筒型容器の内壁の間には、メディア分離手段により分離された粉砕メディアを前記粉砕室に戻すメディア循環通路として作用する間隙が設けられており、前記製品スラリー付勢手段と前記筒型容器の内壁の間には、製品スラリー付勢手段により付勢された製品スラリーを前記メディア循環通路に導く製品スラリー返送通路として作用する間隙が設けられており、前記製品スラリー付勢手段の上方に製品スラリー排出通路が設けられており、前記製品スラリー付勢手段の一部を構成する筒状容器の内側上面の少なくとも上昇してきた粉砕メディアが突き当たる部分およびそれより外周側の部分を、該筒型容器の中心側から外周側に向かって斜め上方に延びた傾斜面として、粉砕メディア漏れを防止することを特徴とするメディア撹拌型粉砕機。
- 前記製品スラリー付勢手段は、複数の回転羽根を備え、該回転羽根の高さが、前記傾斜面に平行して大きくなっている請求項1のメディア撹拌型粉砕機。
- 前記傾斜面の水平に対する角度が、1度〜45度である請求項1または2のメディア撹拌型粉砕機。
- 前記傾斜面の水平に対する角度が、1.8度〜30度である請求項1または2のメディア撹拌型粉砕機。
- 前記傾斜面の水平に対する角度が、3度〜15度である請求項1または2のメディア撹拌型粉砕機。
- 前記傾斜面の水平に対する角度が、3度〜6度である請求項1または2のメディア撹拌型粉砕機。
- 前記筒型容器内の前記メディア分離手段の下方に、原料粉砕用の撹拌部材が配置されている請求項1〜6のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
- 前記メディア分離手段が、原料粉砕用の撹拌部材の機能をも有している請求項1〜6のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
- 前記メディア分離手段は、回転駆動軸、該回転駆動軸の周囲に配置され、互いに対向して上下に配置された一対の環状端板、およびこれら一対の環状端板の間に配置された複数の分離ブレードを備え、前記分離ブレードの内周端は、前記回転駆動軸から所定間隔離されており、前記一対の環状端板のうち、下側の環状端板には、原料スラリーと粉砕メディアの混合スラリーを該メディア分離手段の内部に導くための複数の導入用開口が形成されており、この導入用開口は、前記分離ブレード長の範囲内に配置されている請求項1〜8のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
- 前記導入用開口が、前記分離ブレード長の範囲内であって、前記下側の環状端板の半径1/2より外周側部部分に形成されている請求項9のメディア撹拌型粉砕機。
- 前記製品スラリー付勢手段の前記回転羽根は、ボリュートカーブ状に形成されている請求項2のメディア撹拌型粉砕機。
- 前記回転羽根の上面と前記筒状容器の上面の傾斜面との間の間隔が、使用する粉砕メディアの直径の3倍から50倍に設定されている請求項2のメディア撹拌型粉砕機。
- メディア分離手段を多段に配した請求項1〜12のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
- 前記製品スラリー付勢手段の外径を、前記メディア分離手段の外径より大きくした請求項1〜13のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
- 前記筒型容器内部に原料スラリーを投入する原料スラリー投入口を、該筒型容器の下部中央部に設けた請求項1〜14のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
- 前記製品スラリー付勢手段の上方に、製品スラリー強制排出手段を設け、この製品スラリー強制排出手段は、回転駆動軸および製品スラリー強制排出用回転羽根を備え、製品スラリー排出通路が、前記製品スラリー強制排出用回転羽根の外周の接線方向に延びている請求項1〜15のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
- 用いる粉砕メディアの直径が、0.015mm〜3mmである請求項1〜16のいずれかのメディア撹拌型粉砕機。
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