以下、本発明の実施の形態に係る建設機械の代表例として、キャブを搭載した小旋回式の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図10に従って詳細に説明する。
図1において、1は建設機械としてのクローラ式の油圧ショベルを示している。この油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4と、該上部旋回体4の前,後方向の前側に俯仰動可能に設けられ土砂の掘削作業等を行う作業装置5とにより構成されている。
旋回装置3は、下部走行体2と上部旋回体4(旋回フレーム6)との間に大径な軸受構造体として設けられた旋回輪3A(図1参照)と、該旋回輪3Aを旋回中心として上部旋回体4を旋回駆動する旋回モータ3B(図3参照)とを含んで構成されている。また、旋回輪3Aの中心には、下部走行体2と上部旋回体4との間で圧油を流通させるためのセンタジョイント3Cが配設されている。
6は上部旋回体4の支持構造体を形成する旋回フレームである。この旋回フレーム6は、図4に示すように、前,後方向に延びる厚肉な鋼板等からなる底板6Aと、該底板6A上に立設され、左,右方向に所定の間隔をもって前,後方向に延びた左縦板6B,右縦板6Cと、該各縦板6B,6Cの左,右方向に間隔をもって配置され、前,後方向に延びた左サイドフレーム6D,右サイドフレーム6Eと、前記底板6A、各縦板6B,6Cから左,右方向に張出し、その先端部に該左,右のサイドフレーム6D,6Eを支持する張出ビーム6Fとにより構成されている。
ここで、底板6Aと左,右の縦板6B,6Cとは、旋回フレーム6のセンタフレームを構成している。このセンタフレームを構成する底板6A、各縦板6B,6Cは、旋回フレーム6の左,右方向の内側、即ち中央位置に配置されている。一方、左,右のサイドフレーム6D,6Eは、旋回フレーム6の左,右方向の外側に配置されている。
旋回フレーム6の後側には、左,右の縦板6B,6C間に位置して、複数個、例えば4個のエンジンブラケット6Gが設けられている。これらのエンジンブラケット6Gは、後述する防振マウント8Dを介してエンジン8を支持するものである。さらに、左,右の縦板6B,6Cの前側には、作業装置5が俯仰動可能に取付けられ、後部には後述のカウンタウエイト7が取付けられている。
7は旋回フレーム6の後部に取付けられたカウンタウエイトである(図3参照)。このカウンタウエイト7は、作業装置5との重量バランスをとるもので、円弧状をした重量物として形成されている。カウンタウエイト7は、旋回動作時でも上部旋回体4の後側が下部走行体2の車幅内にほぼ収まるように配置されている。
8はカウンタウエイト7の前側に位置して旋回フレーム6の後側に設けられたエンジンを示し、該エンジン8は、左,右方向に延在する横置き状態で搭載されている。エンジン8の左側には、後述の熱交換装置9に冷却風を供給するための冷却ファン8A(図5参照)が設けられている。一方、エンジン8の右側は、円環状の端面に複数個のめねじ穴(図示せず)が設けられたポンプ取付部8Bとなり、このポンプ取付部8Bには、後述する油圧ポンプ10の取付フランジ10Aと後処理ユニット21の取付台を構成する取付ベース22がボルト止めされる。さらに、エンジン8の前側の上部には、排気ガスを排出するための排気口(図示せず)が設けられ、この排気口には、後述する排気管20の入口側が連通状態で取付けられている。
エンジン8は、旋回フレーム6の各エンジンブラケット6Gに対応するように前,後方向および左,右方向に間隔をもって4個の取付脚部8Cを有し、該各取付脚部8Cが防振マウント8Dを介して各エンジンブラケット6Gに防振状態で取付けられている。
9はエンジン8の冷却ファン8Aに対面するように旋回フレーム6の左後側に設けられた熱交換装置を示している。この熱交換装置9は、温度上昇した各種の流体を冷却風により冷却するものである。熱交換装置9は、支持枠体9A内にラジエータ9B、オイルクーラ、インタクーラ等(いずれも図示せず)を備えている。
10はエンジン8の右側に位置してエンジン8のポンプ取付部8Bに取付けられた油圧ポンプである。この油圧ポンプ10は、エンジン8によって駆動されることにより、後述の作動油タンク11から供給される作動油を、圧油として制御弁装置(図示せず)に向け吐出するものである。油圧ポンプ10には、エンジン8側の端部を円形状に拡開することにより取付フランジ10Aが設けられている。この取付フランジ10Aの外周側には、複数個のボルト挿通孔(図示せず)が設けられている。
そして、油圧ポンプ10は、取付フランジ10Aをエンジン8のポンプ取付部8Bに対面させ、各ボルト挿通孔にボルト(図示せず)を挿入し、該各ボルトをポンプ取付部8Bの各めねじ穴に螺着することにより、該ポンプ取付部8Bに取付けられている。一方、油圧ポンプ10をエンジン8に取付ける各ボルトのうち、上側に位置する複数本のボルトは、取付ベース22をエンジン8に対して取付ける場合にも用いられている。
11は油圧ポンプ10の前側で旋回中心側(作業装置側)に位置して旋回フレーム6に設けられた作動油タンクである。この作動油タンク11は、下部走行体2、旋回装置3、作業装置5に設けられた各アクチュエータを駆動するための作動油を貯えるものである。このために、作動油タンク11は、上,下方向に長尺な直方体状の容器として形成され、後述する燃料タンク12の左側となる左,右方向の内側に配置されている。
次に、本実施の形態に用いられる燃料タンク12について説明する。
12はエンジン8と油圧ポンプ10よりも前側に位置して旋回フレーム6に設けられた燃料タンクを示している。具体的には、燃料タンク12は、作動油タンク11に対し右サイドフレーム6E側となる左,右方向の外側(右側)に並ぶように旋回フレーム6に設けられている。この燃料タンク12は、エンジン8に供給される燃料を貯えるものである。ここで、燃料タンク12が配置されている作動油タンク11の右側位置は、左,右方向の外側に位置して外部に露出している。これにより、燃料タンク12は、外気に触れることにより、温まった状態で戻される燃料の熱を効率よく放出することができる。そして、燃料タンク12は、図5ないし図9に示すように、底板13、長尺板14、短尺板15、前L字状側板16,後L字状側板17、段付状上板18によってボックス状に構成されている。
13は燃料タンク12の底部を構成する底板を示し、該底板13は、旋回フレーム6のセンタフレームを構成する底板6A、各縦板6B側(左,右方向の内側)に配置された一の端縁としての左端縁13Aと、該左端縁13Aと対向し右サイドフレーム6E側(左,右方向の外側)に配置された他の端縁としての右端縁13Bと、左端縁13Aと右端縁13Bとの間を接続する前端縁13C,後端縁13Dとにより前,後方向に長尺な矩形状に形成されている(図7参照)。
14は底板13の左端縁13Aから立上った長尺板を示し、該長尺板14は、前,後方向と上,下方向とに延びることにより、燃料タンク12の左側面を構成し、作動油タンク11の右面に対面している。長尺板14は、下端縁14A側が底板13の左端縁13Aに溶接等により固着され、この左端縁13Aから上方に向けて延びている。ここで、長尺板14の高さ寸法H1は、底板13から長尺板14の上端縁14Bまでの高さ寸法を示し、この高さ寸法H1は、後述する短尺板15の高さ寸法H2よりも長く形成されている(H1>H2)。
15は底板13の右端縁13Bから立上った短尺板を示し、該短尺板15は、長尺板14と左,右方向で対面する燃料タンク12の右側面を構成している。即ち、短尺板15は、右サイドフレーム6E側に配置させることにより、外部(外気)に隣接する位置に配置されている。これにより、短尺板15は、外気に触れることができるので温まった状態で戻される燃料の熱を効率よく放出することができる。
短尺板15は、下端縁15A側を底板13の右端縁13Bに溶接等により固着され、この右端縁13Bから上方に向けて延びている。ここで、短尺板15の高さ寸法H2は、底板13から短尺板15の上端縁15Bまでの高さ寸法を示し、長尺板14の高さ寸法H1よりも寸法ΔHだけ低く設定されている。この寸法ΔH分の高低差によって後述する尿素水タンク34の縦型タンク部35を設置するためのスペースを確保している。
さらに、短尺板15は、上部旋回体4の右側面の一部を形成している。この場合、上部旋回体4の右側面は、平坦面よりも強度が高く、意匠面で優れた円弧面、具体的には、上,下方向の途中部分が左,右方向の外側に突出した凸円弧面として形成されている。これに伴い、短尺板15も凸円弧面として形成されている。
16は底板13の前端縁13Cから立上る前L字状側板を示している。この前L字状側板16は、長尺板14の前端縁と短尺板15の前端縁との間を連結する(覆う)もので、燃料タンク12の前面を構成している。前L字状側板16は、長尺板14と短尺板15との中間がL字状に切欠かれている。これにより、前L字状側板16は、長尺板14側(左,右方向の内側)に位置する長尺側板部16Aと、短尺板15側(左,右方向の外側)に位置する短尺側板部16Bとが一体形成されており、全体として略L字状に形成されている。
長尺側板部16Aは、下端縁(底板13の前端縁13C)から上端縁16A1までの高さ寸法が長尺板14の高さ寸法H1と同じ寸法に形成されている。長尺側板部16Aの左端縁16A2は、長尺板14の前端縁に溶接等により固着されている。一方、長尺側板部16Aには、その上端縁16A1の右端から短尺側板部16Bに向かって立下がるように立下り端縁16A3が形成されている。この立下り端縁16A3は、上側から下側に向け外側(右側)に傾斜している。
短尺側板部16Bは、下端縁(底板13の前端縁13C)から上端縁16B1までの高さ寸法が短尺板15の高さ寸法H2と同じ寸法に形成されている。短尺側板部16Bの上端縁16B1は、長尺側板部16Aの立下り端縁16A3の下端縁から短尺板15の上端縁15Bに向けて延びている。また、短尺側板部16Bの右端縁16B2は、凸円弧状の短尺板15に沿うように外部に向けて突出した凸円弧状に形成され、短尺板15の前端縁に溶接等により固着されている。
これにより、前L字状側板16は、その上端側部位が長尺側板部16Aの上端縁16A1と長尺側板部16Aの立下り端縁16A3と短尺側板部16Bの上端縁16B1とにより段付状に形成されている。
17は底板13の後端縁13Dから立上る後L字状側板を示し、この後L字状側板17は、前L字状側板16と前,後方向で対面している。後L字状側板17は、長尺板14の後端縁と短尺板15の後端縁との間を連結する(覆う)もので、燃料タンク12の後面を構成している。後L字状側板17は、前L字状側板16と同様に、長尺板14と短尺板15との中間がL字状に切欠かれ、長尺側板部17Aと短尺側板部17Bとが一体形成されており、全体として略L字状に形成されている。
即ち、後L字状側板17は、その上側部位が長尺側板部17Aの上端縁17A1と、長尺側板部17Aの立下り端縁17A2と、短尺側板部17Bの上端縁17B1とにより段付状に形成され、前L字状側板16と同じ形状となっている。そして、後L字状側板17は、長尺板14の後端縁と短尺板15の後端縁に溶接等により固着されている。また、長尺側板部17Aの上側位置には、ポンプブラケット17Cが設けられている(図5、図9参照)。このポンプブラケット17Cには、後述の尿素水ポンプ19が取付けられている。
18は長尺板14、短尺板15、前L字状側板16、後L字状側板17の上端縁を覆う段付状上板を示している。この段付状上板18は、燃料タンク12の上面を構成すると共に、後述する尿素水タンク34の設置場所となっている。段付状上板18は、上段に位置する高面部18Aと、下段に位置する低面部18Bと、左,右方向の中間部に位置する縦面部18Cとにより構成されている。
高面部18Aは、段付状上板18の左側(左,右方向の内側)に位置して、前,後方向に長尺な平板として形成されている。高面部18Aは、長尺板14の上端縁14Bおよび前,後の長尺側板部16A,17Aの上端縁16A1,17A1と同じ高さ位置に設けられ、段付状上板18の高い位置にある上段面を構成している。高面部18Aは、前,後の長尺側板部16A,17Aの上端縁16A1,17A1に溶接等により固着されている。高面部18Aの前側位置には、燃料を供給するための給油口18Dが上向きに突出して設けられている。
低面部18Bは、段付状上板18の右側(左,右方向の外側)に位置して、前,後方向に長尺な平板として形成されている。低面部18Bは、短尺板15の上端縁15Bおよび短尺側板部16B,17Bの上端縁16B1,17B1と同じ高さ位置に設けられ、段付状上板18の低い位置にある下段面を構成している。低面部18Bは、高面部18Aよりも低い位置で高面部18Aと平行となるように前,後方向に延び、前,後の短尺側板部16B,17Bの上端縁16B1,17B1に溶接等により固着されている。
縦面部18Cは、高面部18Aと低面部18Bとの間を連結するもので、該縦面部18Cは、高面部18Aの右端縁18A1から低面部18Bの左端縁18B1に向けて立下って延びている。ここで、図7および図8に示すように、縦面部18Cは、前,後の長尺側板部16A,17Aの立下り端縁16A3,17A2の傾斜角度と同じ角度に形成されている。即ち、縦面部18Cは、高面部18Aの右端縁18A1から低面部18Bの左端縁18B1に向けて右側(左,右方向外側)に傾斜している。この場合、縦面部18Cの傾斜角度は、後述の尿素水タンク34を構成する縦型タンク部35の内側面35Bと外側面35Cとほぼ平行となるように設定されている。
また、高面部18Aと低面部18Bには、後述の尿素水タンク34を取付けるためのボルト38が螺着されるめねじ穴18E1が穿設されたねじ座18Eが合計4個設けられている。具体的には、高面部18Aに設けられた2個のねじ座18Eは、給油口18Dの後側と高面部18Aの後端縁側とに配置されている。一方、低面部18Bに設けられた2個のねじ座18Eは、低面部18Bの前端縁側と後端縁側とに配置されている。
19は油圧ポンプ10の上側に張出すようにして燃料タンク12に設けられた尿素水ポンプである。この尿素水ポンプ19は、図5に示すように、後述する尿素水タンク34とNOx浄化装置を構成する後述の尿素水噴射弁27との間に配置されている。尿素水ポンプ19は、後述の尿素水タンク34に貯えられた尿素水をエンジン8に設けられた後処理ユニット21側に供給するものである。尿素水ポンプ19は、燃料タンク12の後L字状側板17に設けられたポンプブラケット17Cに取付けられている。
20はエンジン8に接続して設けられた排気管(図3参照)である。この排気管20は、エンジン8から排出される排気ガスを外部に排出するもので、下流側は、後述の尾管41Gに接続されている。排気管20の途中部位には、後述する後処理ユニット21が設けられている。
次に、エンジン8から排出される排気ガスを処理するために、エンジン8の排気側に接続して設けられた後処理ユニット21の構成について述べる。
21は排気管20の途中に設けられた後処理ユニットを示し、この後処理ユニット21は、エンジン8から排出される排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去し、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を浄化し、さらに、排気ガスの騒音を低減するものである。後処理ユニット21は、エンジン8の右側に位置して油圧ポンプ10の上側に設けられ、後述の取付ベース22、第1の排気ガス後処理装置23、接続管26、尿素水噴射弁27、第2の排気ガス後処理装置28により構成されている。
後処理ユニット21は、図5に示すように、取付ベース22に第1の排気ガス後処理装置23、接続管26、第2の排気ガス後処理装置28を組付けた状態で、この取付ベース22を油圧ポンプ10と一緒にエンジン8に取付ける構成となっている。
22は後処理ユニット21の取付台をなす取付ベースである。この取付ベース22は、油圧ポンプ10の上側に位置してエンジン8のポンプ取付部8Bに取付けられている。取付ベース22は、後述の第1の排気ガス後処理装置23と第2の排気ガス後処理装置28とをエンジン8側に固定的に取付けるものである。取付ベース22は、例えばエンジン8に油圧ポンプ10を取付けるときに、油圧ポンプ10の取付フランジ10Aと一緒に(共締め状態で)ポンプ取付部8Bに取付けることができる。
23は後処理ユニット21の一部を構成する第1の排気ガス後処理装置である。この第1の排気ガス後処理装置23は、エンジン8に接続された排気管20の途中に設けられている。第1の排気ガス後処理装置23は、上部旋回体4の前,後方向に延設された筒状ケース24と、該筒状ケース24内に配置された酸化触媒25(図10参照)とにより構成されている。
筒状ケース24は、円筒状の密閉容器として形成され、取付ベース22に締結バンド、ボルト等(いずれも図示せず)を用いて固定されている。筒状ケース24の上流側(前側部位)には、管体からなる給気口24A(図10参照)が径方向に突出して設けられている。この給気口24Aには、筒状ケース24内に位置して多数個の貫通孔(図示せず)が設けられ、この各貫通孔を排気ガスが通過することにより、排気音が低減(消音)される。一方、給気口24Aの突出端側には、排気管20が接続される。さらに、筒状ケース24の下流側(後側部位)には、径方向に開口して排気口24B(図10参照)が設けられている。
筒状ケース24内に配置された酸化触媒25は、排気ガスを浄化する処理部材の1つを構成するものである。この酸化触媒25は、例えばセラミックス製のセル状筒体からなり、その軸方向には多数個の貫通孔が形成され、内面に貴金属等がコーティングされている。そして、酸化触媒25は、所定の温度下で各貫通孔に排気ガスを流通させることにより、この排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去するものである。
26は筒状ケース24の排気口に接続された接続管である。この接続管26は、第1の排気ガス後処理装置23の外周に該第1の排気ガス後処理装置23とほぼ平行に延びて配置されている。接続管26は、入口側が第1の排気ガス後処理装置23をなす筒状ケース24の排気口24Bに接続され、出口側が後述する第2の排気ガス後処理装置28をなす筒状ケース29の給気口29Aに接続されている。これにより、接続管26は、第1の排気ガス後処理装置23から排出される排気ガスを第2の排気ガス後処理装置28に導くことができる。
27は接続管26に設けられた尿素水噴射弁を示し、該尿素水噴射弁27は、後述する第2の排気ガス後処理装置28と共にNOx浄化装置の一部を構成するものである。尿素水噴射弁27は、接続管26の上流側に取付けられ、後述の尿素水管路32の下流側供給管路32Bを介して尿素水ポンプ19に接続され、戻し管路32Cを介して尿素水タンク34に接続されている。尿素水噴射弁27は、接続管26内を流通する排気ガスに向けて尿素水溶液を噴射するものである。
28は後処理ユニット21の一部を構成する第2の排気ガス後処理装置である。この第2の排気ガス後処理装置28は、接続管26の出口側に設けられると共に、例えば、第1の排気ガス後処理装置23の上側に重なる位置に配置されている。第2の排気ガス後処理装置28は、前述した第1の排気ガス後処理装置23とほぼ同様に、円筒状の筒状ケース29と、該筒状ケース29内に配置された尿素選択還元触媒30と、該尿素選択還元触媒30の下流側に配置された酸化触媒31とにより構成されている。
ここで、第2の排気ガス後処理装置28(筒状ケース29、尿素選択還元触媒30、酸化触媒31)と前述した尿素水噴射弁27とは、エンジン8から排出される排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を除去するためのNOx浄化装置を構成している。
筒状ケース29は、円筒体の両端を閉塞することにより密閉容器として形成され、取付ベース22に締結バンド、ボルト等(いずれも図示せず)を用いて固定されている。筒状ケース29の上流側となる前側部位には、径方向に開口して給気口29Aが設けられ、この給気口29Aには、接続管26の出口側が接続されている。一方、筒状ケース29の下流側となる後側部位には、径方向の上側に突出して排気口29Bが設けられている。この排気口29Bは、排気管20の下流側を構成するもので、排気口29Bの突出端側は、後述する尾管41Gに接続されている。排気口29Bの下側部分には、多数個の貫通孔が設けられ、この各貫通孔を排気ガスが通過することにより、排気音が低減(消音)される。
尿素選択還元触媒30は、例えばセラミックス製のセル状筒体からなり、その軸方向には多数の貫通孔が形成され、内面に貴金属がコーティングされている。この尿素選択還元触媒30は、通常、エンジン8から排出される排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を、尿素水溶液から生成されたアンモニアによって選択的に還元反応させ、窒素と水に分解するものである。
一方、筒状ケース29内に配置された酸化触媒31は、前述した第1の排気ガス後処理装置23の筒状ケース24内に配置された酸化触媒25とほぼ同様に、セラミックス製のセル状筒体からなり、その軸方向には多数の貫通孔が形成され、内面に貴金属がコーティングされている。これにより、酸化触媒31は、尿素選択還元触媒30で窒素酸化物を還元した後に残った残留アンモニアを酸化し、窒素と水に分離するものである。
32は後述の尿素水タンク34と尿素水ポンプ19とNOx浄化装置を構成する尿素水噴射弁27とを接続して設けられた尿素水管路である。この尿素水管路32は、後述の尿素水タンク34から尿素水噴射弁27に向けて尿素水を流通させるものである。尿素水管路32は、尿素水ポンプ19によって加圧された尿素水が流通するものであるから、例えば、可撓性を有する耐圧ホースが用いられている。
尿素水管路32は、後述の尿素水タンク34(蓋体36L)と尿素水ポンプ19とを接続する上流側供給管路32Aと、尿素水ポンプ19と尿素水噴射弁27とを接続する下流側供給管路32Bと、尿素水噴射弁27と尿素水タンク34(蓋体36L)とを接続する戻し管路32Cとにより構成されている。上流側供給管路32Aは、蓋体36Lの下部で縦型タンク部35内を上,下方向に延び、下端側が吸込口32A1となっている。これにより、吸込口32A1は、尿素水タンク34内の尿素水の残量が僅かになった場合でも尿素水を吸出すことができる。そして、尿素水管路32は、尿素水タンク34と尿素水噴射弁27との間で尿素水を循環流通させている。
33は尿素水管路32の一部、例えば下流側供給管路32Bと戻し管路32Cの尿素水噴射弁27側の約半分とを覆うように設けられた断熱管体である。この断熱管体33は、例えば発泡性の樹脂材料を管状に成形することにより形成されている。断熱管体33は、尿素水管路32内を流通する尿素水が、エンジン8、油圧ポンプ10、後処理ユニット21等が発する熱によって温度上昇しないように断熱するものである。
次に、本実施の形態に用いられる尿素水タンク34について説明する。
34は燃料タンク12の段付状上板18の上側に設けられた尿素水タンクである。この尿素水タンク34は、第2の排気ガス後処理装置28の筒状ケース29内に配置された尿素選択還元触媒30の上流側で接続管26を流通する排気ガス中に供給する還元剤としての尿素水を貯えるものである。尿素水タンク34は、縦型タンク部35と横型タンク部36とにより逆L字状の容器として形成されている。
35は燃料タンク12を構成する段付状上板18の低面部18B上に配置された縦型タンク部を示している。この縦型タンク部35は、燃料タンク12を構成する段付状上板18の高面部18Aと低面部18Bとの間で、縦面部18Cに沿って上,下方向に延びている。そして、縦型タンク部35は、段付状上板18の縦面部18Cよりも右サイドフレーム6E側(左,右方向の外側)に配置されることにより、尿素水タンクカバー44Dを介して外部に隣接している。これにより、縦型タンク部35は、外気に近い位置に配置されるので、温度上昇した尿素水の熱を放出することができ、適温状態を保つことができる。そして、縦型タンク部35は、深底面35A、内側面35B、外側面35C、前面35D、後面35Eにより構成されている。
縦型タンク部35の深底面35Aは、例えばその幅寸法(左,右方向寸法)が低面部18Bの幅寸法とほぼ同じ寸法に形成され、前,後方向の長さ寸法が低面部18Bの前,後両端側に設けられたねじ座18E間の長さ寸法よりも僅かに短い寸法に形成されている。
内側面35Bは、深底面35Aの左端縁から上方に向けて立上って形成されている。この内側面35Bは、段付状上板18の縦面部18Cに対面し、該縦面部18Cに沿うように傾斜している。一方、外側面35Cは、深底面35Aの右端縁から上方に向けて立上ることにより、内側面35Bと対面している。外側面35Cは、内側面35Bと左,右方向に間隔をもって平行となるように傾斜している。また、外側面35Cは、後述する尿素水タンクカバー44Dの外側パネル44D1に沿うように上,下方向に延びている。
ここで、尿素水タンクカバー44Dの外側パネル44D1は、図8に示すように、燃料タンク12の外側に位置する短尺板15の上側に連続するように凸円弧状に湾曲して形成されている。このために、縦型タンク部35の外側面35Cは、外側パネル44D1に沿うように下側から上側に向けて左側(センタフレーム側)に傾斜している。
これに合わせて、縦型タンク部35の内側面35Bは、外側面35Cと平行となるように傾斜している。これにより、尿素水タンク34の縦型タンク部35は、外側面35Cを外側パネル44D1に合わせて傾斜させている。この上で、内側面35B、燃料タンク12を構成する段付状上板18の縦面部18Cを外側面35Cと平行となるように傾斜させている。これにより、尿素水タンク34を燃料タンク12に組付けたときに、尿素水タンク34の内側面35Bと燃料タンク12の縦面部18Cとを隙間なく密着させることができる。従って、尿素水タンク34および燃料タンク12の容量を効率よく拡大することができる。
しかも、縦型タンク部35の内側面35Bと外側面35Cとを平行に配置したことにより、この縦型タンク部35内で尿素水が減少するときの単位流量ごとの液面変動を一定にすることができ、尿素水の残量制御を容易に行うことができる。
深底面35Aの前端縁から立上る前面35Dは、燃料タンク12の高面部18Aまで延び、内側面35Bの前端縁と外側面35Cの前端縁との間を連結している。一方、前面35Dと対面し深底面35Aの後端縁から立上る後面35Eは、燃料タンク12の高面部18Aまで延び、内側面35Bの後端縁と外側面35Cの後端縁との間を連結している。前面35Dと後面35Eとは、対面して平行に形成されている。
36は燃料タンク12を構成する段付状上板18の高面部18A上に配置された横型タンク部を示している。この横型タンク部36は、縦型タンク部35の上部から高面部18A上に向けて横向き(左側)に延びている。これにより、尿素水タンク34は、縦型タンク部35と横型タンク部36とにより全体として逆L字状に形成されている。横型タンク部36は、浅底面36A、前内側面36B、後内側面36C、外側面36D、右前面36E、左前面36F、後面36G、上面36Hにより構成されている。
縦型タンク部35の内側面35Bの上端縁から左側に延びた浅底面36Aは、燃料タンク12の給油口18Dを避けるように給油口18Dよりも後側に配置されている。浅底面36Aは、その幅寸法(左,右方向寸法)が燃料タンク12の高面部18Aの幅寸法とほぼ同じに形成され、前,後方向の長さ寸法が高面部18Aの前,後両端側に設けられたねじ座18E間の長さ寸法よりも僅かに短い寸法に形成されている。
横型タンク部36には、縦型タンク部35の内側面35Bの上側に位置する前内側面36Bと、浅底面36Aの左端縁から上方に向けて立上った後内側面36Cとが設けられている。
横型タンク部36の外側面36Dは、縦型タンク部35の外側面35Cの上部と連接している。即ち、外側面36Dは、外側面35Cと同様の角度をもって傾斜している。これにより、外側面36Dは、外側面35Cと一体形成された同一平面をなしている。
横型タンク部36の右前面36Eは、縦型タンク部35の前面35Dの上部と連接しつつ、上側に向け後側に傾斜している。右前面36Eには、尿素水タンク34に尿素水を給水するための給水口36Jが設けられている。一方、浅底面36Aの前端縁から上方に向けて立上った左前面36Fは、給油口18Dの後側に対面している。ここで、横型タンク部36の左前側は、前内側面36Bと左前面36Fとに囲まれた部位が給油口18Dを避けるための切欠部36Kとなっている。
横型タンク部36の後面36Gは、浅底面36Aの後端縁から立上って形成されている。また、上面36Hは、前内側面36B、後内側面36C、外側面36D、右前面36E、左前面36F、後面36Gの上部を覆っている。上面36Hのうち縦型タンク部35の上方位置には、尿素水管路32の上流側供給管路32Aと戻し管路32Cの他に、後述の液面計39のセンサ部39Aやヒータ41に接続されたリード線40等が取付けられる蓋体36Lが設けられている。
37は尿素水タンク34に設けられた4個の取付部を示している。この取付部37は、L字状の板材により形成され、上,下方向に貫通孔37Aが穿設されている。この貫通孔37Aは、尿素水タンク34を燃料タンク12に取付けるボルト38が挿通するものである。取付部37は、縦型タンク部35の前面35D、後面35Eと、横型タンク部36の左前面36F、後面36Gとに、燃料タンク12に設けられたねじ座18Eに対応するように配置されている。そして、取付部37をねじ座18E上に載置しボルト38をねじ座18Eのめねじ穴18E1に螺着することにより、尿素水タンク34は燃料タンク12の段付状上板18に取付けられる。
39は蓋体36Lの下側に設けられた液面計を示し、該液面計39は、蓋体36Lに取付けられたリード線40に接続され、尿素水タンク34内の尿素水の液量を計測するものである。液面計39は、センサ部39Aとフロート39Bとにより構成されている。センサ部39Aは、縦型タンク部35内を上,下方向に延びている。フロート39Bは、尿素水の液面上に浮き、液面の変動に合わせセンサ部39Aに沿って上,下方向に移動することができる。これにより、センサ部39Aは、フロート39Bの位置を検出して尿素水タンク34内の尿素水の残量を検出している。また、蓋体36Lの下部には、尿素水管路32の上流側供給管路32Aが液面計39に沿って上,下方向に延びて設けられている。
この場合、縦型タンク部35は、上,下方向に長尺に形成しているので、尿素水の残りが少ない場合でも、尿素水タンク34(縦型タンク部35)内の液面を高い位置に維持することができる。これにより、傾斜地で作業を行う場合でも、上流側供給管路32Aの吸込口32A1を尿素水の液中に位置させることができるので、尿素水タンク34内の尿素水を吸出することができる。その結果、尿素水タンク34内の尿素水を効率よく供給することができる。
また、縦型タンク部35の互いに対面する内側面35Bと外側面35C、および前面35Dと後面35Eは、それぞれ対面する面が平行に形成されている。これにより、縦型タンク部35内で尿素水が減少するときの単位流量ごとの液面変動を一定にすることができ、尿素水の残量制御を容易に行うことができる。
41は液面計39の下端縁から横方向(後方)に向けて延びる尿素水加熱部材としてのヒータを示している。このヒータ41は、尿素水タンク34内の尿素水が凍結しないように加熱するものである。
42は尿素水タンク34に設けられた断熱材である。この断熱材42は、燃料タンク12が発する熱が尿素水タンク34に伝わるのを阻止するもので、例えば発泡性の樹脂材料をクランク状に折曲げられた板状に成形することにより形成されている。断熱材42は、尿素水タンク34と燃料タンク12との間に設けられている。
なお、43は旋回フレーム6の左前側に搭載されたキャブ(図3、図5参照)で、該キャブ43は、オペレータが搭乗するもので、その内部には、オペレータが着座する運転席、走行用の操作レバー、作業用の操作レバー等(いずれも図示せず)が配設されている。
44はキャブ43の後側から側方に亘って旋回フレーム6に設けられた外装カバーである。この外装カバー44は、旋回フレーム6上に搭載されたエンジン8、熱交換装置9、油圧ポンプ10、尿素水ポンプ19、後処理ユニット21、尿素水タンク34等を覆うものである。外装カバー44は、燃料タンク12の前側を覆うように右前部に設けられた右前カバー44Aと、エンジン8、熱交換装置9等を覆うようにキャブ43とカウンタウエイト7との間に設けられたエンジンカバー44Bと、該エンジンカバー44Bの左側から立ち下がった左側面カバー44Cと、これらとは別個に設けられた尿素水タンクカバー44D、尿素水ポンプカバー44E、浄化装置カバーとしての処理装置カバー44Fとを含んで構成されている。
尿素水タンクカバー44Dは、燃料タンク12の上側に搭載された尿素水タンク34を覆うものである。尿素水タンクカバー44Dは、燃料タンク12の低面部18Bの左端縁から上方に向けて延びる外側パネル44D1と、該外側パネル44D1の上端縁から左側に向けて延びる上パネル44D2と、該上パネル44D2の左端縁から燃料タンク12の高面部18Aの左端縁に向けて立下がる内側パネル44D3とを有している。外側パネル44D1は、燃料タンク12の短尺板15の凸円弧形状に続いて右側(左,右方向外側)に突出した湾曲面となっている。外側パネル44D1は、尿素水タンク34の外側面35Cと外側面36Dとに対面している。
また、尿素水ポンプカバー44Eは、尿素水タンクカバー44Dの後側に位置して尿素水ポンプ19を覆うものである。さらに、処理装置カバー44Fは、尿素水タンクカバー44D、尿素水ポンプカバー44Eの左側を前,後方向に延び、NOx浄化装置を構成する第2の排気ガス後処理装置28を覆うものである。処理装置カバー44Fには、後側に位置して尾管44Gが上側に突出して設けられている。この尾管44Gは筒状ケース29の排気口29Bに接続されている。
次に、本実施の形態が適用された油圧ショベル1の動作(操作)について説明する。
キャブ43に搭乗したオペレータは、エンジン8を始動して油圧ポンプ10を駆動する。これにより、油圧ポンプ10からの圧油は、制御弁装置を介して各種アクチュエータに供給される。これにより、オペレータが走行用の操作レバーを操作したときには、下部走行体2を前進または後退させることができる。一方、作業用の操作レバーを操作することにより、旋回装置3と作業装置5を動作させて土砂の掘削作業等を行うことができる。
エンジン8の運転時に、該エンジン8から排出される排気ガスは、排気管20、第1の排気ガス後処理装置23、接続管26、第2の排気ガス後処理装置28を通じて大気中に排出される。このときには、第1の排気ガス後処理装置23に設けられた酸化触媒25が排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去する。
一方、接続管26では、尿素水噴射弁27から排気ガスに向けて尿素水を噴射し、第2の排気ガス後処理装置28では、尿素選択還元触媒30によって窒素酸化物を窒素と水に分解する。さらに、酸化触媒31が残留アンモニアを酸化し、窒素と水に分離することにより、浄化した排気ガスを大気中に排出する。
この場合、尿素水を貯留する尿素水タンクは、尿素水の給水回数を少なくするために、容量を大きく設定することが望まれる。しかし、種々の機器が錯綜する旋回フレーム上に十分な容量の尿素水タンクを配置するのは困難である。
そこで、本実施の形態では、燃料タンク12の上面側を、高面部18A、低面部18B、および縦面部18Cとにより段付状上板18として形成している。そして、尿素水タンク34は、高面部18Aと低面部18Bとの間で縦面部18Cに沿って上,下方向に延びる縦型タンク部35と、該縦型タンク部35の上部から高面部18A上に向けて横向きに延びた横型タンク部36とにより逆L字状に形成している。これにより、燃料タンク12の上面側に十分な容量をもった尿素水タンク34を配設している。
さらに、燃料タンク12の上面を段付状上板18とし、尿素水タンク34に縦型タンク部35を形成したことにより、例えば直方体形状の燃料タンクの上部に尿素水タンクを配置した場合に比べて、油圧ショベル1の車体(上部旋回体4)の高さ寸法を低く抑えることができる。その結果、オペレータの視界を良好に確保することができる。
また、縦型タンク部35により、尿素水の残りが少ない場合でも、尿素水タンク34(縦型タンク部35)内の液面を高い位置に維持することができる。これにより、傾斜地で作業を行う場合でも、上流側供給管路32Aの吸込口32A1を尿素水の液中に位置させることができるので、尿素水タンク34内の尿素水を吸出することができる。その結果、尿素水の供給不良を低減させることができ、尿素水タンク34内の尿素水を効率よく供給することができる。
また、エンジン8、油圧ポンプ10、後処理ユニット21等が発する熱によって尿素水が温度上昇する虞がある。この尿素水は、約50℃を越えると劣化が始まるとされている。
そこで、本実施の形態によれば、燃料タンク12は、短尺板15を旋回フレーム6の右サイドフレーム6E側となる外部に隣接して配置することにより、尿素水タンク34の縦型タンク部35を尿素水タンクカバー44Dを介して外部に隣接させることができる。これにより、尿素水タンク34内の熱を外部に放出することができるので、尿素水の温度上昇を抑えることができる。その結果、NOx浄化装置に対し、劣化しない適正温度に保持された正常な尿素水を供給することができると共に、尿素水の寿命を延ばすことができる。
また、尿素水タンク34の縦型タンク部35の内側面35Bと外側面35Cと燃料タンク12の段付状上板18の縦面部18Cとを平行に配置している。これにより、尿素水タンク34は、燃料タンク12に対して隙間なく配置されるので、尿素水タンク34と燃料タンク12との容量を無駄なく拡大することができる。
しかも、縦型タンク部35の内側面35Bと外側面35Cとを平行に配置したことにより、この縦型タンク部35内で尿素水が減少するときの単位流量ごとの液面変動を一定にすることができ、尿素水の残量制御を容易に行うことができる。
また、尿素水タンク34の横型タンク部36には、燃料タンク12の高面部18Aに設けられた給油口18Dを避けるための切欠部36Kを形成している。これにより、燃料タンク12の高面部18A上に横型タンク部36を配置することができるので、尿素水タンクの容量を増大させることができる。また、尿素水タンク34に邪魔されることなく燃料タンク12に燃料を供給(補給)することができる。
また、液面計39は、尿素水の液面変動の小さい縦型タンク部35内を上,下方向に延びる構成としている。これにより、車体の傾斜作動時でも、尿素水の液量の計測の誤差を小さくさせることができる。
また、尿素水は、−11℃で凝固するとされ、凝固した尿素水は体積が膨張して尿素水タンクを破損させる虞がある。しかし、尿素水タンク34は、縦型タンク部35の上側に横型タンク部36を設けているから、この横型タンク部36によって容量を拡大することができる。しかも、横型タンク部36を設けたことにより、尿素水が満たされた状態で尿素水の液面の面積を広くすることができる。これにより、尿素水が凍結して体積が増大した場合でも、上方への盛り上がりを小さく抑えることができるので、尿素水タンク34の破損を抑制することができる。さらに、液面計39の下端縁には、横方向に延びたヒータ41を設けている。これにより、寒冷地で作業を行う場合でも、温度低下による尿素水の凝固を防止することができる。
なお、上述した実施の形態では、燃料タンク12の短尺板15を外部に隣接させることにより、尿素水タンク34を右サイドフレーム6E側(左,右方向の外側)に配置する構成とした。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば燃料タンクの短尺板をセンタフレームをなす底板6A、各縦板6B,6C側(左,右方向の内側)に配置して、尿素水タンクを左,右方向の内側に配置したり、燃料タンクの短尺板を前側または後側に配置して、尿素水タンクを前側または後側に配置する構成としてもよい。
また、実施の形態では、燃料タンク12は、作動油タンク11の右側に並ぶように配置した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば作動油タンクの前側に燃料タンクを配置する構成としてもよい。
また、実施の形態では、第1の排気ガス後処理装置23の筒状ケース24内に酸化触媒25だけを設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば第1の排気ガス後処理装置の筒状ケース内に、酸化触媒の下流側に位置して粒子状物質除去フィルタ(Diesel Particulate Filter、略してDPFとも呼ばれている)を設ける構成としてもよい。
また、実施の形態では、上部旋回体4が下部走行体2の車幅内でほぼ旋回できる小旋回式の油圧ショベル1を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、前,後方向に長尺となった上部旋回体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。
さらに、実施の形態では、建設機械として、クローラ式の下部走行体2を備えた油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えばホイール式の下部走行体を備えた油圧ショベルに適用してもよい。それ以外にも、油圧クレーン等の他の建設機械にも広く適用することができる。