JP6070529B2 - 顆粒状半導体封止用樹脂組成物の製造方法及び半導体装置 - Google Patents
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Description
また、半導体装置は前述のタブレット状樹脂組成物をトランスファー成形機で成形するのが一般であった。
薄型パッケージを樹脂封止する場合、トランスファーモールドによれば、封止樹脂の厚さを精度良くコントロールすることができるものの、封止用の樹脂の流動中に半導体チップが上下に移動したり、半導体チップに接続しているボンディングワイヤーが封止用の樹脂の流動圧力により変形して、断線や接触等を起こすという問題があった。一方、液状の封止用樹脂によるポッティングあるいはスクリーン印刷では、ボンディングワイヤーの断線や接触は生じにくくなるものの、封止樹脂の厚さを精度良くコントロールすることが困難であったり、封止樹脂にボイドが混入しやすいという問題があった。
これら圧縮成形にはタブレットではなく、液状、または顆粒状の樹脂組成物が好適である。
熱硬化性樹脂としては、特にエポキシ樹脂やフェノール樹脂、あるいはそれらの混合物などが好適なものとして挙げられる。
この内、エポキシ樹脂としては、例えばクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフエニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、トリフェニルアルカン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、トリフェニルアルカン型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
他にもベンゾオキサジン型樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アミン樹脂なども使用できる。
熱硬化性樹脂は、原料組成物中、7〜30質量%、特に9〜25質量%含有することが好ましい。
本発明に用いる無機充填材としては、結晶シリカ、溶融シリカ、クリストバライト、アルミナ等が挙げられ、全樹脂組成物中の無機充填材の量は、70〜93質量%、特に75〜90質量%とすることが好ましい。無機充填材が70質量%以上であると、樹脂組成物の吸水率が抑えられ、耐湿性や耐半田クラック性に優れ、93質量%以下では流動性が良好なので、成形性に優れるため、好ましい。
硬化促進剤としては、イミダゾール、有機リン化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等が挙げられる。硬化促進剤は原料組成物中、0.1〜10質量%、特に0.5〜3.0質量%含有することが好ましい。
本発明の原料組成物には、更に必要に応じて、シランカップリング剤、ホスファゼン化合物、モリブデン酸亜鉛等の難燃剤、ハイドロタルサイト類などのイオントラップ剤、カーボンブラック等の着色剤、ワックス等の離型剤、シリコーンオイル、ゴム等の低応力剤を適宜添加してもよい。
また、スリット断面の断面積が0.02〜5mm2の範囲であると、造粒後に、好ましい範囲の粒径である顆粒が得られやすくなるため好ましい。更に、スリット断面を四角形とする場合は、高さ0.5〜2.0mm、幅0.5〜2.0mmの四角形であることが好ましく、高さ1.0〜1.5mm、幅1.0〜1.5mmであることがより好ましい。そして、スリット断面を円形とする場合は、直径0.5〜2.0mmの円形であることが好ましく、0.7〜1.5mmであることがより好ましい。
なお、本発明で言及する「粒径」とは、各所定目開き寸法を有する振動篩いにより10分間篩い分けすることにより得られる粒径を指す。例えば粒径500μm未満の微粉とは目開き500μm(30メッシュ)の篩いで10分間振動後、篩いを通過した試料を指す。
造粒機に具備された円筒スクリーンの目開き径は2.0〜4.0mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは2.0〜3.0mmである。目開き径が2.0mm以上であれば粒径500μm未満の細かい顆粒の混入を抑えることができ、凝集しやすくなるので好ましい。また、目開き径が4.0mm以下であれば2mm以上の粗い顆粒が混入しづらくなるため、コンプレッション成形のための顆粒計量精度が向上する。
下記の配合割合で、各原材料をヘンシェルミキサーで予備混合した後、図1の二軸混練機ホッパー1に投入し、二軸混練機2(東洋精機社製、ラボプラストミル 4C150)を用い、樹脂組成物温度100℃で溶融混練した後、押出機先端部に設置されたTダイ3から角柱状に押し出した。
Tダイのスリット形状を図2に示す。
角柱の断面は約1.5mm×1.5mmであり、樹脂組成物の膨張により、角はなく丸みを帯びている。
角柱状組成物は冷却ベルトで40℃以下まで冷やした。
熱硬化性樹脂
・ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂 70
硬化剤
・フェノールノボラック樹脂 30
無機充填材
・溶融シリカ粉末 700
硬化促進剤
・トリフェニルホスフィン 0.5
その他添加剤
・カルナバワックス 0.5
・カーボンブラック 2.0
・シランカップリング剤 2.0
整粒された組成物は目開き3mmの円筒状のスクリーンを通じて排出され、顆粒12が得られた。
このような工程で得られた顆粒を実施例1、従来のタブレット打錠に供する粉砕パウダーを比較例1として比較評価した。結果を表1に示す。
・収率:粒径 500μm目開き上、2000μm目開き下の粒度の割合を測定した。
・疎充填かさ密度:パウダーテスターにより測定した。
・安息角:パウダーテスターにより測定した。
・粉落ち性:100gをガラス瓶にいれ30分振盪したのち、500μmふるいで篩い、微粉発生量を測定した。
・凝集性:シャーレ内20gを薄く均一に撒き、25℃、8時間放置した。8時間後、粉同士が凝集しているかどうか確認した。
・スパイラルフロー:EMMI−I−66に準じた金型を用い、前記樹脂組成物を低圧トランスファー成形機にて175℃、射出圧70kgf/cm2、保圧時間120秒の条件で成形し、スパイラルフローを測定。
・アセトン不溶分:前記樹脂組成物100gとアセトン200mlを容器に入れ30分間振盪し、液を100メッシュの篩に通し、篩上に残った質量をppmで表示。
2 二軸押し出し混練機
3 Tダイ
4 冷却ベルト
5 角柱状溶融混練組成物
6 スリット
7 ホッパー
8 円筒状スクリーン
9 回転ナイフ
10 モーター
11 フード
12 顆粒
Claims (5)
- 熱硬化性樹脂、無機充填材及び硬化促進剤を必須成分として含有する組成物を、1軸又は2軸の押出混練機を用いて溶融混練し、先端に設置した間隔が0.5〜2.0mmである複数のスリットを有するTダイを通過させ、更に冷却することにより、紐状の混練組成物を得、次いで該混練組成物を円筒スクリーンを具備した破砕型造粒機により造粒することを特徴とする顆粒状半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
- 紐状の混練組成物の断面積が0.02〜5mm2の範囲であることを特徴とする請求項1記載の顆粒状半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
- Tダイのスリットの形状が、高さ0.5〜2.0mm、幅0.5〜2.0mmの四角形、または直径0.5〜2.0mmの円形であることを特徴とする請求項1又は2記載の顆粒状半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
- 破砕型造粒機に具備された円筒スクリーンの目開き径が2.0〜4.0mmであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の顆粒状半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
- 更に、顆粒状組成物を製造後に目開き200μm以上750μm以下の篩いで粒径500μm未満の微粉を10ppm以下にする工程を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載の顆粒状半導体封止用樹脂組成物の製造方法。
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