JP6069499B2 - 低ピークｍｒｉ加熱を有するリード線 - Google Patents

Description

本発明は植込み型医療装置に関する。特に、本発明はＭＲＩ−適合性のある頻脈治療用リード線構造に関する。

核磁気共鳴画像法（ＭＲＩ）は核磁気共鳴技術を利用して患者体内の解剖映像を表現する非侵襲的なイメージング手法である。代表的に、ＭＲＩシステムは約０．２〜３テスラの磁場強度を有する電磁コイルを採用する。治療過程中に、身体組織は磁場と垂直な平面において、電磁エネルギーのＲＦパルスに短時間晒される。これらのパルスから合成された電磁エネルギーは組織において励起された原子核の緩和特性を測定することによって身体組織をイメージするように用いられる。

映像成形の際に、ＭＲＩシステムによって生成した電磁放射はペースメーカーまたは心臓除細動器などの植込み型医療装置に使用された植込み型装置のリード線によってピックアップされる。このエネルギーはリード線を通して組織と接触する伝導性要素まで伝送され、接触点において高められた温度をもたらす。組織加熱の程度はリード線の長さ、リード線の伝導性またはインピーダンス、及びリード線の電極の表面面積などの要素と代表的に関連する。磁場に晒される部分はリード線に対して望ましくない電圧をもたらす可能性がある。

本発明の目的は、低ピークＭＲＩ加熱を有するリード線を提供することにある。

実施例１は低ピークＭＲＩ加熱を有するリード線に関する。リード線は、少なくとも一つの管腔と、植込み型医療装置とインターフェイスするように構成される近位端及び遠位端とを有するリード線の本体と、前記少なくとも一つの管腔内に前記リード線の本体の少なくとも一部分に沿って延びるケーブル伝導体と、前記リード線の本体の遠位端の一部分に沿って延びるコイルであって、少なくとも前記コイルの一部分は前記リード線の本体の部分に沿って露出され、電気刺激治療を送達するように構成され、長手方向の圧縮を受ける前記コイルの一部分は前記コイルの一部分に沿ってピークＭＲＩ加熱を低減するコイルと、前記ケーブル伝導体を前記コイルに対して機械的、かつ電気的に接続する少なくとも二つの結合部であって、前記コイルの一部分の長手方向の圧縮を維持する少なくとも二つの結合部と、を備える。

実施例２において、実施例１に係るコイルの一部分は前記少なくとも二つの結合部の間にある。
実施例３において、実施例１または実施例２に係るケーブル伝導体は前記少なくとも二つの結合部の間にあるテンション状態に置かれ、前記ケーブル伝導体における前記テンションは前記コイル内における長手方向の圧縮を維持する。

実施例４において、実施例１〜３のいずれか一つに係る長手方向の圧縮は前記コイルの一部分の各ターンを前記コイルの一部分の近接ターンの外周部に接触するように維持させる。

実施例５において、実施例１〜４のいずれか一つに係るコイルは前記コイルの一部分の
近位端または遠位端である第二部分を含み、前記第二部分は長手方向の圧縮を受けない。

実施例７において、実施例１〜６のいずれか一つに係る各少なくとも二つの結合部は、前記ケーブル伝導体に圧着され、前記コイルに溶接される。
実施例８において、実施例１〜７のいずれか一つに係るコイルの外側の表面は非酸化性金属から形成される。

実施例９において、実施例１〜８のいずれか一つに係るコイルの外側の表面はプラチナから形成される。
実施例１０において、実施例１〜９のいずれか一つに係る実施形態は、更に、前記コイルに対して、前記リード線の本体に沿って遠位側に配置された第二のコイルを含み、前記第二のコイルは長手方向の圧縮を受けない。

実施例１１は低ピークＭＲＩ加熱を有するリード線に関する。リード線は少なくとも一つの管腔と、植込み型医療装置とインターフェイスするように構成される近位端及び遠位端とを有するリード線の本体と、前記少なくとも一つの管腔内に前記リード線の本体の少なくともの一部分に沿って延びるケーブル伝導体と、前記リード線の本体の遠位端の一部分に沿って延びるコイルであって、少なくとも一つの前記コイルの一部分は前記リード線の本体の部分に沿って露出され、電気刺激治療を送達するように構成されるコイルと、前記ケーブル伝導体を前記コイルに対して機械的、かつ電気的に接続する近位結合部と、前記近位結合部に対して遠位側に前記ケーブル伝導体を前記コイルに対して機械的、かつ電気的に接続する遠位結合部であって、前記近位結合部及び前記遠位結合部が前記コイルに沿ったＭＲＩ加熱を低減する、離間された関係に維持する遠位結合部と、備える。

実施例１２において、実施例１１に係るコイルの一部分は離間された関係における前記近位結合部及び前記遠位結合部に、かつ長手方向の圧縮の状態に配置される。
実施例１３において、実施例１〜１２のいずれか一つに係る長手方向の圧縮はコイルの一部分の近接ターンの間における周囲的な接触を維持する。

実施例１４において、実施例１〜１３のいずれか一つに係る前記コイルの一部分における長手方向の圧縮は前記ケーブル伝導体内のテンションによって少なくとも部分的に維持される。

実施例１５において、実施例１〜１４のいずれか一つに係るコイルの長さは４センチ及び８センチの間にある。
実施例１６において、実施例１〜１３のいずれか一つに係るコイルは少なくとも三つの巻線を含む。

実施例１７は低ピークＭＲＩ加熱を有するリード線に関する。リード線は少なくとも一つの管腔と、植込み型医療装置とインターフェイスするように構成される近位端及び遠位端とを有するリード線の本体と、前記少なくとも一つの管腔内に前記リード線の本体の少なくともの一部分に沿って延びるケーブル伝導体と、前記リード線の本体の前記遠位端の一部に沿って延び、前記伝導体と電気的に接続するコイル電極とを備え、前記コイル電極の少なくとも一部分は長手方向の圧縮を受ける。

実施例１８において、実施例１７に係る長手方向の圧縮は前記コイル電極に沿ったピークＭＲＩ加熱を低減する。
実施例１９において、実施例１７または実施例１８に係る長手方向の圧縮は前記コイル電極の一部分の近接ターンの間における周囲的な接触を維持する。

実施例２０において、実施例１〜１９のいずれか一つに係る実施形態において、更に前記伝導体及び前記コイルに対して機械的に接続される近位結合部と、前記伝導体及び前記近位結合部に対して遠位側に配置された前記コイル電極に対して機械的に接続される遠位結合部とを備える。

複数の実施形態は開示されるが、本発明の他の実施形態は本発明の例示的な実施形態を開示、記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。従って、図面及び詳細な説明は本質的に例示のためのものであって、制限的なものではない。

患者の心臓に移植されたパルス発生装置及びリード線を含む心臓律動管理（ＣＲＭ）システムを示す概略図。 二つの除細動コイルを有するリード線を示す概略図。 除細動コイルを有する図２Ａのリード線の遠位部分を示す断面図。 除細動コイルを有するリード線の遠位部分を示す断面図。 除細動コイルとケーブル伝導体とを機械的、かつ電気的に接続する結合部を示す概略図。 リード線の本体を示す断面図。 模擬のＭＲＩ環境において、圧縮コイル及び非圧縮コイルに沿った加熱状況を比較するデータを示すプロット。 模擬のＭＲＩ環境において、異なる数の巻線を有するコイルに沿った加熱状況を比較するデータを示すプロット。 模擬のＭＲＩ環境において、異なる長さのコイルに沿った加熱状況を比較するデータを示すプロット。

核磁気共鳴画像法は患者の内部構造を非侵襲的に可視化し、分析する有用なツールである。しかし、ＭＲＩ環境に生じた高周波数（ＲＦ）磁場は植込み型のパルス発生装置または他の医療装置の医療リード線の伝導体などの伝導性要素に電流を生成する。電流はリード線の絶縁部分に沿った長尺状の伝導体（例えば、ケーブル）におけるＲＦ磁場によって生成される。そして、電流は患者の組織に接触するリード線の非絶縁要素（例えば、刺激用コイルまたは電極）に導入される。誘導されたＭＲＩエネルギーは患者の組織に分散した場合、熱エネルギーに変換される。温度は十分に高い場合、分散したエネルギーによって生じた加熱はリード線に近接する組織に対して有害となる虞がある。誘導されたＲＦエネルギーに関連するピーク加熱を最小化することはＭＲＩ環境においてリード線を安全に使用することを許容する。本発明は他のもののうち、ＲＦエネルギーに関連するピーク加熱を最小化するリード線の特徴部に関する。

図１は本発明の様々な実施形態に係る心臓律動管理（ＣＲＭ）システム１０を示す概略図である。図１に示すように、ＣＲＭシステム１０はパルス発生装置１２を含む。パルス発生装置１２は患者の心臓１８に配置された複数のリード線１４、１６に接続されている。更に、図１に示すように、心臓１８は三尖弁２８によって分離された右心房２４及び右心室２６を含む。心臓１８の正常的な作動中に、脱酸素化血液は上大静脈３０及び下大静脈３２を通して右心房２４に供給される。血液を上大静脈３０に供給する主脈は左右腋窩静脈３４、３６を含む。血液は左右鎖骨下静脈３８、４０に流入する。左右外頚静脈４２、４４は、左右内頸静脈４６、４８とともに、左右鎖骨下静脈３８、４０に連結し、左右腕頭静脈５０、５２を形成する。血液は順に合流して上大静脈３０に流入する。

リード線１４、１６は心臓１８及びパルス発生装置１２の間に検知された生体電気信号及び電気刺激を伝達するように作動する。例示的な実施形態において、リード線１４は右心室２６に移植され、リード線１６は右心房２４に移植される。他の実施形態において、ＣＲＭシステム１０は付加的または代替的なリード線を含んでもよい。該リード線は、例えば、両室ペーシングまたは心臓再同期療法システムにおいて左心室を刺激するために、肺静脈内に延びるリード線などが挙げられる。いくつかの実施形態において、一つ以上のリード線は（例えば、皮下かつ非胸腔内の位置に移植される）心臓と接触せず、遠隔で刺激を検知して心臓へ送達する。いくつかの他の実施形態において、本発明に係る一つ以上のリード線は移植され、心臓以外の器官を刺激する。図示のように、リード線１４、１６は左鎖骨下静脈４０の壁に形成された血管の進入部位５４を通して血管系に進入し、左腕頭静脈５２及び上大静脈３０を通して延び、そして、それぞれに右心室２６及び右心房２４に移植される。いくつかの他の実施形態において、リード線１４、１６は右鎖骨下静脈３８、左腋窩静脈３６、左外頚静脈４４、左内頸静脈４８または左腕頭静脈５２を通して血管系に進入する。

パルス発生装置１２は代表的に患者の胸部または腹部における移植位置またはポケット内に皮下に移植される。パルス発生装置１２は例えば、電気治療刺激を患者に送達するための周知な、または将来開発されうる植込み型医療装置である。様々な実施形態において、パルス発生装置１２はペースメーカー、植え込み型除細動器であってもよいし、及び／またはペーシング性能及び除細動性能の両方を含んでもよい。パルス発生装置１２から血管の進入部位５４まで延びるリード線１４、１６の部分は皮下にまたは筋下に配置される。リード線１４、１６の各は近位コネクターを介してパルス発生装置に接続される。任意過剰なリード線の長さ、例えば、パルス発生装置１２の位置から所望の心臓内埋め込み部位まで到達できる必要な長さを超える長さは、通常、パルス発生装置１２の近くにある皮下ポケットにおいて巻回される。

図２Ａはリード線６０の断面図を示す。リード線６０は、例えば、図１のリード線１４、１６の何れかの一つのリード線または本明細書に言及された何れか他のリード線に対応する。リード線６０はリード線６０の近位端において複数の近位接点６４を含む。リード線の近位端はパルス発生装置の近位接点６４及び異なるチャンネルの間に電気接続を作成するためのヘッダーまたはインターフェイスに寸法を合わせて成形し挿入される。近位接点６４は伝導体に接続され、伝導体はリード線の本体６２内の一つ以上の管腔内に延びてリード線の遠位端にあるそれぞれの電気要素に電気的に接続する。このような要素は近位コイル７０、遠位コイル７２、電極６６及び伝導性固定要素６８を含む。パルス発生装置または他の植込み型医療装置はリード線の本体６２内のそれぞれの伝導体によってリード線６０の電気要素を通して刺激を独立的に検知し、及び／または送達する。

電極６６及び／または伝導性固定要素６８は電気信号を検知し、及び／または電気エネルギー（例えば、ペーシングパルス）を心臓に送達するように用いられる。各電極６６及び／または伝導性固定要素６８はそれぞれの電気伝導体（例えば、ケーブル伝導体、コイル伝導体）に接続される。電気伝導体はリード線の本体６２内の一つ以上の管腔内に延びて近位接点６４とそれぞれに電気接続を作成する。電極６６は図２Ａで一つのリング電極として示されるが、異なる構造及び／または異なる数量の電極（例えば、二つのリング電極のような一つ以上のリング電極は提供される）は提供されてもよい。いくつかの実施形態において、電極６６は酸化イリジウム（ＩｒＯｘ）、チタニウム／ニッケル（Ｔｉ／Ｎｉ）、黒プラチナ（Ｐｔｂｌａｃｋ）、酸化タンタル（ＴａＯ）の組合せで被覆したプラチナまたはチタニウムを含む。図２Ａにおける伝導性固定要素６８の構成は螺旋状であるが、様々な他の実施形態は歯状部材（ｔｉｎｅｓ）または他の固定要素を付加的にかつ代替的に含む。いくつかの実施例は電極６６及び／または伝導性固定要素６８を含まないことに注意される。

近位及び遠位コイル７０、７２の何れかまたは両方は高電圧除細動治療信号を心臓に送達するように用いられる。リード線６０は心臓（例えば、図１の方法で）に配置されることでコイル７０を通して送達された除細動信号は心筋の臨界質量を脱分極して不整脈を停止させ、正常な洞調律に回復させることを許容する。コイル７０、７２はリード線６０の外部に露出されることで組織の刺激を容易にする。例えば、近位コイル７０の一部分または全体は絶縁体によって覆われていなく、コイル７０の近くにある組織と直接に接触することができる。コイル７０、７２のそれぞれの管腔内にリード線の本体６２の長手方向の部分を備えるとともに、コイル７０、７２は、リード線の本体６２のそれぞれの長手方向の部分を囲んでいる。各コイル７０、７２はそれぞれの電気伝導体（例えば、ケーブル伝導体、コイル伝導体）に接続される。電気伝導体はリード線の本体６２内の一つ以上の管腔内に延びて近位接点６４とのそれぞれの電気接続を作成する。二つのコイル７０、７２は図２Ａに示されているが、様々な実施形態に係るリード線６０は近位コイル７０のような単に一つのコイルを含んでもよいし、または三つまたは四つコイルなどの多数のコイルを含んでもよい。

図２Ｂは近位コイル７０に集中したリード線６０の断面図を示す。断面図は複数の管腔を含むリード線の本体６２を示す。複数の管腔は、リード線の本体の材料９２内に形成されたケーブル管腔８６及びコイル管腔１００を含む。リード線の本体の材料９２はウレタンまたはシリコンなどのポリマーから構成される。リード線の本体の材料９２は突出されて丸い外部形状及び複数の内部管腔（例えば、図５に示すように）を形成する。コイル伝導体９４はコイル管腔１００内に含まれる。コイル伝導体９４は電極６６及び／または伝導性固定要素６８と電気的に接続する。いくつかの実施形態において、コイル伝導体９４は、リード線６０の遠位電気要素の一つ（例えば、電極６６または伝導性固定要素６８）に接続する単線のカソードコイルである。単一の巻線のコイル伝導体９４は電気的に接続された電極６６においてＭＲＩ治療手法に関連した加熱を最小化させることに注意される。絶縁体（図示せず）はコイル伝導体９４の管腔内に配置され、コイル伝導体９４を針状体、ガイドワイヤ、センサー、またはコイル管腔１００内に配置された他のメンバーから絶縁させる。しかし、個別の絶縁体の存在は、針状体またはコイル伝導体９４の管腔内の他のメンバーのパッセージ用の空間を最大化させる。

図２Ｂに示すように、コイル７０は一つ以上の巻線の複数のターン（例えば、ターン１１０−１１３）を含む。いくつかの実施形態において、単一の巻線はコイル７０内に使用されるが、二つ、三つ、四つ、五つまたはそれ以上の巻線はコイル７０を形成するように使用される。いくつかの実施形態において、コイル７０のような除細動コイルは三つ以上の巻線から構成される。三つ以上の巻線はＭＲＩ治療手法と伴い、除細動コイルに沿ったピーク加熱を最小化させる。更に本明細書に示されるように、コイルに沿ったピーク加熱の程度は巻線の数に基づいて変化する。ピーク加熱の低減は増加している巻線の数と関連している。特に、二つの巻線を有するコイル及び三つの巻線を有するコイルの間のピーク加熱には大きい温度降下がある。そこでは、三つの巻線を有するコイルはより低いピーク加熱と関連している。従って、様々な実施形態において、コイル７０は三つ以上の巻線を含む。

近位コイル７０は近位結合部７４及び遠位結合部７６の間に保持される。近位結合部７４はリード線の本体６２にわたって配置されたリングである。例示的な結合部は図４に示され、更に本明細書に記載される。遠位結合部７６は近位結合部７４と同様であり、遠位結合部７６は（例えば、近位結合部７４と反対する方向にリード線の本体６２にわたって配置されることで結合部は互いに面している）リード線の本体６２において、近位結合部７４と反対する方向に配置される。近位テーパ特徴部１０２は近位結合部７４の一部にわたって鋳造されまたは付着される。同様に、遠位テーパ特徴部１０４は遠位結合部７６の一部にわたって鋳造されまたは付着される。近位及び遠位テーパ特徴部１０２、１０４は結合部７４、７６をリード線の本体６２に固定させ、及び／または結合部７４、７６を電気的絶縁させる。いくつかのケースにおいて、テーパ特徴部は結合部をリード線の本体に固定させることができる。いくつかのケースにおいて、近位テーパ特徴部１０２は近位結合部７４の少なくとも近位側の一部分に配置され、近位結合部７４（例えば、本明細書に更に説明されたコイル７０によって）に加えた近位方向向きの応力に応答して近位結合部７４を近位側に移動させることを阻止する。いくつかのケースにおいて、遠位テーパ特徴部１０４は遠位結合部７６の少なくとも遠位側の一部分に配置され、遠位結合部７６に加えた遠位方向向きの応力に応答して遠位結合部７６を遠位側に移動させることを阻止する。近位及び遠位テーパ特徴部１０２、１０４はポリマー及び／または医療用接着剤によって形成される。いくつかのケースにおいて、近位及び遠位テーパ特徴部１０２、１０４は結合部７４、７６及びリード線の本体６２にわたって鋳造される。

図２Ｂに示すように、リード線の本体の材料９２内の空洞はリード線の本体の材料９２の一部（例えば、削除過程でカットアウェイ）を除去することによって形成され、該空洞はケーブル管腔８６へのアクセスを提供する。リード線の本体の材料９２の除去された部分はコイル７０の長さより短い。ケーブル伝導体９０はケーブル管腔８６（例えば、近位端から）を通して走り、ケーブル管腔８６からリード線の本体の材料９２の部分が除去される領域まで延びるように曲げられる。近位結合部７４はコネクター８０を含む。コネクター８０はケーブル伝導体９０に機械的、かつ電気的に接続する。いくつかの実施形態において、コネクター８０はケーブル伝導体９０の周りに圧着される。いくつかの実施形態において、コネクター８０はケーブル伝導体９０に溶接される。他のタイプの機械及び電気接続は結合部及びケーブル伝導体の間に構成されてもよい。遠位結合部７６は更に本明細書に記載された方法で（例えば、ケーブル伝導体９０にわたってコネクター８８を圧着することによって）、ケーブル伝導体９０に接続するコネクター８８を含む。図２Ｂに示すように、同様なケーブル伝導体９０は圧着によってケーブル伝導体９０に沿ったそれぞれの近位及び遠位位置における各近位結合部７４及び遠位結合部７６に直接的に接続する。空間は近位結合部７４の遠位端及び遠位結合部７６の近位端の間に提供される。ケーブル伝導体９０の部分１０６は近位結合部７４の遠位端及び遠位結合部７６の近位端の間の空間を跨いでいる。二つの結合部はコイル７０のため、図２Ｂの実施形態に提供されるが、異なる数の結合部は特殊のコイルのため、様々他の実施形態に提供することができる。例えば、コイルは、結合部及びコイルの長さに沿った複数の位置（例えば、近位接続及び遠位接続）における単一の結合部に電気的、かつ機械的に接続される。

近位結合部７４は停止部７８を含み、停止部７８はコイル７０の最も近いターンと直接に接触することができる。同様に、遠位結合部７６は停止部８２を含み、停止部８２は近位コイル７０の最も遠いターンと接触することができる。各停止部７８、８２は近位結合部７４または遠位結合部７６の外周表面から外側に延びる突出部を含む。いくつかの実施形態において、停止部７８、８２は柱である。いくつかの他の実施形態において、停止部７８、８２はリッジである。様々な実施形態において、コイル７０は、それがリード線の本体６０及び結合部７４、７６に亘る場合、リード線の本体６２及び近位結合部７４と遠位結合部７６との外周表面を抱え込む。これらのケースにおいて、コイル７０はリード線の本体６０及び近位結合部７４と遠位結合部７６との外周表面に対して下方方向への応力を加える。

コイル７０は停止部７８、８２（リード線の特別な部分の長さに沿った意味での長手方向の長さ）の間における長手方向の圧縮を受ける。様々な実施形態において、コイル７０は特別な長さに亘って非圧縮状態へ引き伸ばす傾向にある。長手方向の圧縮状態はコイル７０の長さを非圧縮傾向の長さより短くさせることによって、コイル７０内に生成し、維持される。例えば、コイル７０は停止部７８、８２の間の距離より長い長さまで本質的に引き伸ばす傾向にあるが、コイル７０は停止部７８、８２の間に嵌められる場合、圧縮される。遠位結合部７６の遠位停止部８２（または他の特徴部）はコイル７０の最も遠いターンに近位方向向きの応力を加える同時に、近位結合部７４の近位停止部７８（または他の特徴部）は最も近いターンに遠位方向向きの応力を加えることで停止部７８、８２の間のコイル７０を圧縮する。いくつかの実施形態において、コイルは特別な程度まで圧縮される。例えば、コイルにおける圧縮力は約１〜１５ニュートン（Ｎ）の間にある。いくつかの実施形態において、コイルにおける圧縮力は約５〜１５ニュートン（Ｎ）の間にある。他の範囲及び尺度のコイル圧縮力は様々な構成において使用される。圧縮は、停止部７８などに係止する特徴部に応用するコイル７０に加えた応力に基づいて測定される。他の要素のうち、コイルはコイルを形成する材料の種類、コイルの厚さ、コイルのバネ定数に基づいて圧縮された場合、反力を応用するように構成される。

長手方向の圧縮力は様々な特徴部によって支持される。いくつかのケースにおいて、結合部７４、７６はリード線の本体の材料によって機械的に支持される。いくつかのケースにおいて、結合部７４、７６のコネクター８０、８８はケーブル伝導体に沿ったそれぞれの近位及び遠位部分に接続される。これらのケースにおいて、コイル７０は長手方向に圧縮され、長手方向の圧縮はテンション状態に置かれたケーブル伝導体９０の部分１０６によって支持される。このように、ケーブル伝導体９０内のテンションはコイル７０の長手方向の圧縮を維持することができる。付加的または代替的には、結合部７４、７６は近位及び遠位テーパ特徴部１０２、１０４によって支えられる。近位及び遠位テーパ特徴部１０２、１０４は近位及び遠位応力をそれぞれにリード線の本体の材料９２に伝送し、コイル７０の長手方向の圧縮を機械的に支持する。

長手方向の圧縮力は近接コイルの巻線の間に隙間を設けなく、コイル７０の各ターンをリード線の本体６２の周囲を囲む近位近接ターン及び遠位近接ターンに直接に接触させる。例えば、ターン１１１の近位側はターン１１０の遠位側と直接に接触し、ターン１１１の遠位側はターン１１２の近位側と直接に接触する。この関係は、コイル７０（例えば、最も近いターン及び最も遠いターンを除き、コイルの全てのターン）に沿った複数のターンのために、存在する。様々な実施形態において、ターンの側面の間における接触はリード線の本
体６２の周りを巡って円周的であるため、近接ターンの側面は各ターン用のリード線の本体６２の周りに全体的に直接に接触する。長手方向の圧縮は近接ターンがリード線を曲げることのほか、リード線の本体６２の周囲の周りに、互いと直接に接触するように維持するが、それではなければ、曲げはリード線の寸法を変更し、ターンの分離をさせる。長手方向の圧縮は近接ターンの間での流体漏れを抑制し、及び／または近接ターンの間での組織のくさびを抑制する。

長手方向の圧縮力は、ＭＲＩ治療手法と関連したピーク温度増加を低減するように様々な利点を提供することができる。長手方向の圧縮は除細動コイルの近接ターンをリード線の本体の周りに互いに近接させることでＭＲＩエネルギーをターンの間に直接に伝導することを許容し、除細動コイルの各ターン（例えば、エネルギーはターンの間の回路を短絡することができる）の間に単独に伝導することを要求しない。複数の巻線は使用された場合、誘導されたＭＲＩエネルギーは各巻線を通して単に各ターンの周りに伝導することの代わりに、近接の異なる巻線の間に直接に伝導することができる。エネルギーは組織に分散し、熱エネルギーに変換するため、これらの実施形態はＲＦエネルギーをコイルのターンに沿って引伸ばし、ＲＦエネルギーをより少なめに集中させるように許容する。エネルギーはターンの間に直接に伝導しない場合、エネルギーはより少ないターン及び巻線に集中される。コイルのより小さい領域に沿ってより高い集中においてＲＦエネルギーは組織に逃げ、より高い温度のスパイクをもたらす。このように、長手方向の圧縮コイルは除細動コイルを採用し、ＲＦエネルギーを発散し、集中的なＭＲＩ加熱を回避することができ
る。

図２Ａ−Ｂの実施形態は二つのコイル７０、７２を示すことに注意されるが、より多い数またはより少ない数のコイルは様々な他の実施形態において提供される。いくつかの実施形態において、リード線の本体に沿った複数のコイルは長手方向の圧縮を受ける。いくつかのケースにおいて、遠位コイル７２は長手方向の圧縮を受けないが、近位コイル７０は長手方向の圧縮を受ける。このような構成は下記の応用に特に適用される。下記の応用では、ＭＲＩ加熱は遠位コイルより近位コイルにおいて、より大きい程度を経験する。また、遠位コイルは近位コイルより、より動的な心臓環境に導入されると意図されるため、リード線は近位コイルより遠位コイルに沿ったほうがより柔軟である。

図３はコイル１４２を有するリード線の本体の領域を示す横断面図である。コイル１４２は本明細書に示されるようにエネルギーを送達するように使用される。コイル１４２は図１及び図２Ａのリード線のようなリード線の一部である。図３の断面図は複数の管腔を含むリード線の本体を示す。複数の管腔はケーブル管腔１７４及びリード線の本体の材料１４０内に形成されたコイル管腔１６８を含む。コイル伝導体１６４は一つ以上の電極（例えば、図２Ａの電極６６）に電気的に接続するコイル管腔１６８内に含まれる。

コイル１４２は第一結合部１４６及び第二結合部１５０にわたって配置される。第一結合部１４６はリード線の本体にわたって配置されるリングである。第二結合部１５０は第一結合部１４６と同様であるが、本明細書に検討されるように、それらは反対方向に配置される。第一結合部１４６は第二結合部１５０の近位側に配置される。第一のテーパ特徴部１７０は第一結合部１４６の一部分にわたって鋳造され、付着される。また、第二のテーパ特徴部１７２は第二結合部１５０の一部分にわたって鋳造され、付着される。テーパ部分１７０、１７２は結合部１４６、１５０をリード線の本体に固定し、及び／または結合部１４６、１５０を電気的に絶縁する。リード線の本体の材料１４０内の空洞はリード線の本体の材料１４０の一部分を除去することによって形成され、ケーブル管腔１７４へのアクセスを提供する。ケーブル伝導体１９０はケーブル管腔１７４を通して走り、ケーブル管腔１７４から外へリード線の本体の材料１４０が除去される領域まで延びるように曲げる。

図３の実施例は異なる構成である結合部１４６、１５０を除き、図２Ｂの実施例と同様な構成を有する。また、コイル１４２は図３の実施形態では複数の部分を有する。しかし、本発明の範囲内における実施形態は図２Ｂ及び図３の実施形態を含む他の実施形態の特徴とともに変更することができる。図２Ｂの実施形態では、クリンピングは結合部及びケーブル伝導体の間に機械的かつ電気的な接続を作成するように記載されるが、溶接は図３の実施形態に記載される。各結合部１４６、１５０はケーブル伝導体１９０に溶接された、それぞれのコネクター１４８、１５２を備えるリングである。いくつかの構成において、第一結合部１４６のコネクター１４８はコネクター１４８の外部から結合部１４６の内側の表面または管腔までの孔を有する。同様に、第二結合部１５０のコネクター１５２はコネクター１５２の外部から第二結合部１５０の内側の表面または管腔までの孔を有する。孔は、コネクター１４８、１５２に沿って、（例えば、レーザ溶接で）ケーブル伝導体１９０を結合部１４６、１５０の内部に溶接するように使用される。いくつかの実施形態において、コネクター１４８、１５２は個別の管腔を有する。個別の管腔には、ケーブル伝導体１９０が挿入さることで溶接または他のタイプの接続（例えば、クリンプ）を容易にする。

コイル１４２は溶接、即ち、図に示された溶接部１５６、１５８によって、結合部１４６、１５０に機械的、かつ電気的に接続される。溶接部１５６、１５８はコイル１４２の特別な部分を結合部１４６、１５０に固定する。例えば、コイル１４２の特別なターンは結合部１４６に溶接され、また、他のターンは結合部１５０に溶接される。コイル１４２の特別な部分を固定することによって、コイル１４２の様々な異なる部分は定義される。コイル１４２の近位部分１８４は近位機械的な接続の近位端（例えば、コイル１４２及び結合部１４６の間における溶接部１５６）及び第一のテーパ特徴部１７０の遠位端に設置される。近位部分１８４は圧縮されない。また、例示のように、ターンは分離されることで近接ターンの側面は互いに接触しない。非圧縮のため、コイル１４２の近位部分１８４はそのバイアス長さを推測することができる。コイル１４２の中間部分１８２はコイル１４２及び結合部１４６、１５０の間の機械的な接続（例えば、溶接部１５６、１５８）の間のコイル１４２の中間部分である。中間部分１８２のバイアス長さ（例えば、非圧縮状態の場合、コイルの一部分の長さは伸びる）はコイル１４２及び結合部１４６、１５０の間の機械的なアタッチメントの間の距離より長いため、コイルの中間部分１８２は圧縮される。遠位部分１８６は遠位機械的な接続（例えば、コイル１４２及び第二結合部１５０の間の溶接部１５８）の遠位端かつ第二のテーパ特徴部１７２の近位端に配置される。遠位部分１８６は非圧縮され、また、例示のように、ターンは分離されることで近接ターンの側面は互いと接触しない。コイル１４２の遠位部分１８６はそのバイアス長さを推測することができる。様々な実施形態において、複数のコイルの一部分は異なる程度（例えば、各部分に置ける、より大きいまたはより小さい圧縮力及び／または特別な部分のバイアス長さからのより大きいまたはより小さい偏差）まで圧縮されることに注意される。

ケーブル伝導体１９０の部分１６０はコイル１４２の中間部分１８２において長手方向の圧縮に機械的に支持することができる。ケーブル伝導体１９０の部分１６０はケーブル伝導体１９０から結合部１４６、１５０への機械的な接続の間に定義される。ケーブル伝導体１９０の部分１６０はコイル１４２の中間部分１８２は圧縮の状態で、近位及び遠位応力をそれぞれに第一結合部１４６及び第二結合部１５０に加えるため、テンション状態にある。このように、ケーブル伝導体１９０はコイルにおける長手方向の圧縮を維持することができる。

本明細書に検討されるように、コイル１４２内の長手方向の圧縮はＭＲＩ治療手法から誘導されたＭＲＩエネルギーの分散を容易にさせ、また、ピーク加熱を最小化させる。図３の実施形態において、少なくとも一つの部分が圧縮されるが、コイル１４２のいくつかの部分は非圧縮される。そのため、これは所望通り、ＲＦエネルギーを導くことができる。具体的に、より多いＲＦエネルギーは外側の近位及び遠位非圧縮部分１８４、１８６より中間圧縮部分１８２のほうに沿って分散する可能性が高い。機械的な接続は異なる領域またはコイルのターンをリード線の本体に固定させることに基づいて、圧縮コイルの一部分及び非圧縮コイルの一部分の異なる構成は形成される。このように、コイルに沿った、誘導されたＭＲＩエネルギーの分散はコイルの一つ以上の部分に導かれる。従って、コイルに沿った加熱はＲＦエネルギーの指定された分散に基づいてコントロールされる。

いくつかの実施形態において、圧縮コイルは各近接コイルの側面の間において接触する必要がない。近接コイルのターンの側面は互いと接触しないが、ＭＲＩ加熱はこのような実施形態において低減される。圧縮コイルの近接ターンの側面の間において周囲に接触することがなくても、該コイルは非圧縮コイルと比較して、ＭＲＩ環境において、より低いピーク加熱を受ける。圧縮コイルはより密接な間隔が空けられたターンを有する。従って、類似な非圧縮コイルと比較して、各単位の長さ毎により密接なターンを有する。各単位の長さ毎のターンのより高い密度はより広い表面領域を提供し、組織に誘導されたＭＲＩエネルギーを分散させる。従って、コイルは圧縮の状態で、ターンをより互いに近接させることでピークＭＲＩ加熱を低減する。しかし、顕著な低ピーク加熱は圧縮されたコイルから期待される。このような構成は、単に各ターンの周囲の代わりに、ターンの間において直接に伝導することによってより低い集中方式で誘導されたＲＦエネルギーを迅速に分散することを許容するため、コイルの各ターンの側面はコイルの近接ターンと接触する。

図４は様々な実施形態において使用された結合部２００を示す。図４に示された結合部２００はリングから構成されるが、他の形状も代替的に使用されてもよい。結合部２００は様々な材料から構成される。材料はチタニウム、ＭＰ３５Ｎまたはプラチナ、他の材料などの伝導性金属を含む。結合部２００は放電加工過程によって製造される。結合部２００は結合部２００の管腔２０４に挿入されたリード線の本体及びリード線の本体を越えて所定位置（例えば、リード線の本体にわたってのコイルのすぐ近位端または遠位端）まで走る結合部２００によって、リード線の本体（例えば、一つ以上の管腔を有するポリマー製のチューブ）にわたって嵌合する。結合部２００はケーブル伝導体及びコイル伝導体などの伝導体と機械的な接続を作成する。結合部２００はケーブル伝導体を収納するように寸法を合わせた管腔２０８を有するコネクター２０６を含む。コネクター２０６は管腔２０８内において、ケーブル伝導体を結合部２００に機械的、かつ電気的に接続するために、圧着作業中の圧力の下で変形しケーブル伝導体の周りを挟むように構成される。いくつかのケースにおいて、コネクター２０６は例えば、外部表面から管腔２０４までの孔を有することによって、ケーブルコネクターに溶接するように形成される。該孔は伝導体を管腔２０４の内部表面に溶接することを容易にすることができる。結合部２００は結合部２００の外周表面から突出する停止部２０２を含む。停止部の特徴部２０２はコイルに係止し、（例えば、停止部はコイルの各近位端及び各遠位端に圧縮力を加えることができる。また、コイルは各停止部に均等な応力を加えることができる）コイルを圧縮する。結合部２００は結合部２００をリード線の本体に機械的に固定するように使用される一つ以上の孔２１０、２１２を含む。例えば、成形またはリフロー過程は結合部２００をリード線の本体に固定するように使用される場合、溶解したポリマーまたは粘着剤は孔２１０、２１２に流入し、結合部２００をリード線の本体の材料のようなリード線の他の要素に機械的に結合する。医療粘着剤の応用は粘着剤を孔２０２、２１２の一つまたは両方に流入させる。このような成形またはリフロー過程、または医療粘着剤の応用は更に、図２Ｂの近位テーパ特徴部１０２及び遠位テーパ特徴部１０４を形成し、結合部２００をリード線の本体に固定する。本明細書に記載された実施形態において、コイルは結合部に溶接される。例えば、一つ以上のターンのコイルは停止部２０２及び／または（例えば、図３のように）結合部２００の外周表面に溶接される。いくつかの実施形態において、溶接は結合部及びコイルの外周部に（例えば、リード線の本体の周りのコイルのターンに追随する）わたる。いくつかの他の実施形態において、結合部及びコイルの間の溶接は一つ以上の離散したスポットにおいて実行される。

本明細書に例示された、ケーブル伝導体を除細動コイルに対して機械的かつ電気的に接続する結合部はリングから構成されるが、本明細書では他の構造も考えられる。いくつかのケースにおいて、結合部は二つのコネクターを備える両端を有する。各コネクターはケーブル伝導体及び除細動コイル（例えば、圧着及び／または溶接による）の一つまたは両方に機械的かつ電気的に接続するように構成される。更に、複数の結合部を介してケーブル伝導体及びコイルの間における複数の個別の電気的な接続及び機械的な接続は開示、記載されるが、必ずしも実施例はこのように限定するわけではない。例えば、圧縮部分を備えるコイルはリード線内に延びる伝導体と電気的かつ機械的に接続する単一の接続部を有する。

図５はリード線の本体２２０の横断面図を示す。該図は図２のリード線の本体を示す。リード線の本体２２０は例えば、ウレタン、シリコン、または他のポリマーなどのリード線の本体の材料から構成される。一つ以上の管腔はケーブル伝導体の管腔２２６、２２８などのリード線の本体の材料２２２内に構成される。これはそれぞれにケーブル伝導体２３０、２３２を含む。ケーブル伝導体２３０、２３２は本明細書に検討されたそれぞれの除細動コイルに電気的に接続する。ケーブル伝導体２３０、２３２は例えば、シルバーコアを備えるＭＰ３５Ｎ合金の編素線から構成される。コイル管腔２３８はリード線の本体の材料２２２内に形成される。一つ以上のコイル伝導体はリード線の本体２２０の一つ以上の管腔内に配置される。例えば、コイル伝導体２３４はコイル管腔２３８内に配置される。図５に示すように、二つ以上のケーブル伝導体２３０、２３２及びコイル伝導体２３４はリード線を通して個別の管腔内に平行に延び、それぞれの遠位要素（例えば、コイル、電極）に電気的に接続する。

図６は模擬のＭＲＩ環境中において、除細動コイルに沿った加熱におけるピークの増加を評価する一シリーズのテストで取ったデータのプロット２６０を示す。テストでは、一グループのプラチナで被覆った除細動コイルは圧縮され、そして、模擬のＭＲＩ磁場に逢わす。別のグループのプラチナで被覆った除細動コイルはＭＲＩ磁場に逢わすが、圧縮されない。それらは模擬のＭＲＩ磁場に逢わす時、温度測定はコイルに沿って測定される。プロット２６０に示すように、圧縮コイルに沿ったピーク加熱の増加は非圧縮された除細動コイルに沿ったピーク加熱の増加より２７度少ない。より低いピーク加熱は圧縮コイルが近傍の組織を許容されないレベルまで加熱する可能性が低いことを暗示する。従って、コイルの圧縮は、リード線がＭＲＩ治療手法の際に誘導されたＲＦエネルギーを安全的に扱うことを補助する。

圧縮コイルに沿ったピーク加熱の降下はコイルの外部を形成する他の金属と比較してコイルの外部を形成するいくつかの金属のほうが少ないと注意される。例えば、ＭＰ３５Ｎの外部表面を有する圧縮コイルに沿ったピーク加熱の降下はプラチナの外部表面を有する圧縮コイルと比較して少ない。いくつかの金属の場合、圧縮はコイルに沿ったピーク加熱を減少する可能性がない。プラチナなどの貴金属から形成された外部を有するコイルは圧縮された場合、ピーク加熱において、より著しく大きい降下を経験する。いくつかのケースにおいて、これはコイルの外部表面を形成する金属のタイプであるが、コイルの内部を形成する金属のタイプの必要ではない。これはコイル圧縮によって最小化された加熱の程度を影響する。チタニウム合金などのいくつかの金属の外部表面における絶縁層（例えば、酸化層）は、非酸化性金属の上に形成しないが、このような絶縁層の形成はコイルのターンの間の誘導されたＭＲＩエネルギーの伝達を抑制する。増加したピーク加熱を伴ういくつかのリード線の実施形態において、第一の材料はコイル内部を形成し、第二の材料はコイルの外部表面を形成する。第二の金属は第一の金属におけるコーティングである。いくつかの実施形態において、コイルの外部表面は非酸化性金属によって形成される。いくつかの実施形態において、コイルの外部表面は貴金属によって形成される。いくつかの実施形態において、コイルの外部表面はプラチナによって形成される。いくつかの実施形態において、コイルの内部は酸化金属によって形成される。いくつかの実施形態において、コイルの内部はＭＰ３５Ｎによって形成される。

図７は模擬のＭＲＩ環境中において、除細動コイルに沿った加熱におけるピークの増加を評価する一シリーズのテストで取ったデータのプロット２７０を示す。テストでは、異なる数量のコイル巻線を有する除細動コイルは模擬のＭＲＩ磁場に逢わす。各除細動コイルはケーブル伝導体に接続される。ＭＲＩ環境中において、ケーブル伝導体はＲＦエネルギーを代表的に受取る要素であって、該エネルギーは、除細動コイルに分散するように伝達されることに注意される。それらは模擬のＭＲＩ磁場に逢わす時、温度測定はコイルに沿って測定される。プロット２７０に示すように、増加している巻線の数に伴って、ＭＲＩ加熱が低減することによって最大な温度が増加する。特に、ＭＲＩ加熱による最大な温度増加の大きな降下は一つ及び三つの巻線の間に、約１５度の差で記録される。本発明に係るコイルは任意数の巻線を有する。しかし、いくつかの実施形態において、コイルは三つ以上の巻線を有し、ＭＲＩ環境と関連するピーク加熱を最小化する。いくつかの実施形態において、プロット２７０は単に三つの巻線及びより多い数の巻線を越えるピーク加熱において最小の減少量を示すため、三つの巻線を有するコイルは望ましい。三つの巻線及びより多い数の巻線はリード線に複雑性を増加し、及び／またはリード線の機械特性を影響する。しかし、いくつかの実施形態において、コイルは四つまたは五つの巻線を有する。本発明に係る何れかのリード線は上記に記載された任意数の巻線を含むコイルを有する。

図８は模擬のＭＲＩ環境中において、除細動コイルに沿った加熱におけるピークの増加を評価する一シリーズのテストで取ったデータのプロット２８０を示す。テストでは、異なる数量のコイル巻線を有する除細動コイルは模擬のＭＲＩ磁場に逢わす。それらは模擬のＭＲＩ磁場に逢わす時、温度測定はコイルに沿って測定される。プロット２８０に示すように、コイルの長さの範囲内にＭＲＩ加熱が低減することによって最大な温度が増加する。プロット２８０に示すように、約４センチより短いコイルはより高いピーク加熱を受け、また約８センチより長いコイルはより高いピーク加熱を受けるが、約４センチ及び約８センチの間の長さを有するコイルはより低いピーク加熱を受ける。プロット２８０に示すように、約５センチより短いコイルはより高いピーク加熱を受け、また約７センチより長いコイルはより高いピーク加熱を受けるが、約５センチ及び約７センチの間の長さを有するコイルはより低いピーク加熱を受ける。従って、本発明の実施形態において、コイルは４〜８センチの間の長さを有してもよいし、より望ましいくは５〜７センチの間の長さを有する。いくつかの実施形態において、約６センチの長さを有するコイルはより長いまたはより短いコイルより、より低いピーク加熱を受ける。いくつかの実施形態において、約６センチの長さを有するコイルは最も低いＭＲＩ加熱を受ける。

本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な変更及び追加は本明細書に検討された例示的な実施例に加えることができる。例えば、上記に記載された実施形態は特殊な技術特徴に言及するが、本発明の範囲は更に、上記の全ての技術特徴を含まない技術特徴及び実施形態の異なる組合せを含む実施形態を含む。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲、及びその均等範囲に属する置換、変形や変更をすべて含むことと意図される。

Claims (18)

1. 低ピークＭＲＩ加熱を有するリード線において、
   少なくとも一つの管腔と、植込み型医療装置とインターフェイスするように構成される近位端及び遠位端とを有するリード線の本体と、
   前記少なくとも一つの管腔内に前記リード線の本体の少なくとも一部分に沿って延びるケーブル伝導体と、
   前記リード線の本体の遠位端の一部分に沿って延びるコイルであって、少なくとも前記コイルの一部分は前記リード線の本体の部分に沿って露出され、電気刺激治療を送達するように構成され、長手方向の圧縮を受ける前記コイルの一部分は前記コイルの一部分に沿ってピークＭＲＩ加熱を低減するコイルと、
   前記ケーブル伝導体を前記コイルに対して機械的、かつ電気的に接続する少なくとも二つの結合部であって、前記コイルの一部分の長手方向の圧縮を維持する少なくとも二つの結合部と、
   を備えるリード線。
2. 請求項１に記載のリード線において、前記コイルの一部分は前記少なくとも二つの結合部の間にあることを特徴とするリード線。
3. 請求項１または請求項２に記載のリード線において、前記ケーブル伝導体は前記少なくとも二つの結合部の間にあるテンションに置かれ、前記ケーブル伝導体における前記テンションは前記コイル内における長手方向の圧縮を維持することを特徴とするリード線。
4. 請求項１〜３のいずれか１項に記載のリード線において、前記長手方向の圧縮は前記コイルの一部分の各ターンを前記コイルの一部分の近接ターンの外周部に接触するように維持させることを特徴とするリード線。
5. 請求項１〜４のいずれか１項に記載のリード線において、前記コイルは前記コイルの一部分の近位端または遠位端である第二部分を含み、前記第二部分は長手方向の圧縮を受けないことを特徴とするリード線。
6. 請求項１〜５のいずれか１項に記載のリード線において、前記少なくとも二つの結合部は少なくとも二つのリングを含み、前記ケーブル伝導体は各リング内に延び、前記各リングは前記コイルの管腔内に少なくとも部分的に形成されることを特徴とするリード線。
7. 請求項１〜６のいずれか１項に記載のリード線において、前記各少なくとも二つの結合部は、前記ケーブル伝導体に圧着され、前記コイルに溶接されることを特徴とするリード線。
8. 請求項１〜７のいずれか１項に記載のリード線において、前記コイルの外側の表面は非酸化性金属から形成されることを特徴とするリード線。
9. 請求項１〜８のいずれか１項に記載のリード線において、前記コイルの外側の表面はプラチナから形成されることを特徴とするリード線。
10. 請求項１〜９のいずれか１項に記載のリード線において、更に、前記コイルに対して、前記リード線の本体に沿って遠位側に配置された第二のコイルを含み、前記第二のコイルは長手方向の圧縮を受けないことを特徴とするリード線。
11. 低ピークＭＲＩ加熱を有するリード線において、
    少なくとも一つの管腔と、植込み型医療装置とインターフェイスするように構成される近位端及び遠位端とを有するリード線の本体と、
    前記少なくとも一つの管腔内に前記リード線の本体の少なくとも一部分に沿って延びるケーブル伝導体と、
    前記リード線の本体の遠位端の一部分に沿って延びるコイルであって、少なくとも前記コイルの一部分は前記リード線の本体の部分に沿って露出され、電気刺激治療を送達するように構成されるコイルと、
    前記ケーブル伝導体を前記コイルに対して機械的、かつ電気的に接続する近位結合部と、
    前記近位結合部に対して遠位側に前記ケーブル伝導体を前記コイルに対して、機械的、かつ電気的に接続する遠位結合部であって、前記近位結合部及び前記遠位結合部が前記コイルを圧縮することにより前記コイルに沿ったＭＲＩ加熱を低減する、離間された関係に維持する遠位結合部と
    を備えるリード線。
12. 請求項１１に記載のリード線において、前記コイルの一部分は離間された関係における前記近位結合部及び前記遠位結合部に、かつ長手方向の圧縮の状態に配置されることを特徴とするリード線。
13. 請求項１２に記載のリード線において、前記長手方向の圧縮はコイルの一部分の近接ターンの間における周囲的な接触を維持することを特徴とするリード線。
14. 請求項１２に記載のリード線において、前記コイルの一部分における長手方向の圧縮は前記ケーブル伝導体内のテンションによって少なくとも部分的に維持されることを特徴とするリード線。
15. 低ピークＭＲＩ加熱を有するリード線において、
    少なくとも一つの管腔と、植込み型医療装置とインターフェイスするように構成される近位端及び遠位端とを有するリード線の本体と、
    前記少なくとも一つの管腔内に前記リード線の本体の少なくとも一部分に沿って延びるケーブル伝導体と、
    前記リード線の本体の前記遠位端の一部に沿って延び、前記ケーブル伝導体と電気的に接続するコイル電極であって、長手方向の圧縮を受ける前記コイル電極の少なくとも一部分と、
    を備えるリード線。
16. 請求項１５に記載のリード線において、前記長手方向の圧縮は前記コイル電極に沿ったピークＭＲＩ加熱を低減することを特徴とするリード線。
17. 請求項１６に記載のリード線において、前記長手方向の圧縮は前記コイル電極の一部分の近接ターンの間における周囲的な接触を維持することを特徴とするリード線。
18. 請求項１５〜１７のいずれか１項に記載のリード線において、更に前記伝導体及び前記コイル電極に機械的に接続される近位結合部と、
    前記伝導体及び前記近位結合部に対して遠位側に配置された前記コイル電極に機械的に接続される遠位結合部と
    を備えるリード線。