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JP6066921B2 - 連続操業型反応器における担持ルテニウム−カルベン錯体の使用 - Google Patents

連続操業型反応器における担持ルテニウム−カルベン錯体の使用 Download PDF

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Description

本発明は、連続操業型反応器における二酸化ケイ素に担持したルテニウム-カルベン錯体の存在下での化学反応を実施する方法、および連続操業型反応器における対応する担持触媒の使用に関する。
有機合成化学、特にオレフィンメタセシスにおける金属-カルベン錯体の重要性は、2005年にY.Chauvin、R.R.SchrockおよびR.H.Grubbsがノーベル化学賞を受賞して以来特に重視されている。
Grubbsにより開発されたルテニウム-カルベン錯体は、Schrockにより開発されたモリブデン-カルベン錯体よりも酸素および水に対してほとんど反応しないことが判明しており、これより、現在のところ、ルテニウム-カルベン錯体は、大学および製造業の研究室において集中的に研究されている。ルテニウム-カルベン錯体の用途における最も重要な分野は現在のところオレフィンメタセシスである。
オレフィンメタセシスは、2のC-C二重結合がお互いに反応することにより2の新しいC-C二重結合を形成することを可能とする。このタイプの反応は、工業的には、例えばシェル高級オレフィンプロセス(SHOP)において、ファインケミカル分野では、例えば香料化成品および芳香剤の製造のための中間体合成においての、両方で使用され得る。
欧州特許出願公開第1288181号は、Re2O7/ガンマ-Al2O3に基づく担持触媒を使用したメタセシス反応においてシクロアルカジエンを製造する方法を開示している。得られたシクロアルカジエンは芳香剤の製造のための中間体として役立つ。欠点は、触媒の複雑な製造、炭化の問題、急速な触媒失活および非常に複雑な触媒再生である。
米国特許第6921735号では、再生可能なルテニウム-カルベン錯体が記載されている。特に、-SiMe2-Cl単位を有するリガンドシステムの合成も開示されており、この単位は次にシリカゲル表面のシラノール基と反応することができ、それにより、そのリガンドの1つを介してシリカゲルの表面に共有結合するルテニウム-カルベン錯体の合成が最終的に可能となる。
Adv.Synth.Catal.2008、350、1949-1953においては、Selsらは、ルテニウム-カルベン錯体をシリカゲル上に固定する簡単な方法および様々なオレフィンメタセシス反応における担持触媒の使用を記載している。
上記触媒システムは、例えば触媒製造にかかる費用が非常に高い、または連続操業型方法における触媒の作動寿命がまだ十分ではないため、工業プロセスにおけるそれらの経済性に関してまだ最適ではない。
欧州特許出願公開第1288181号 米国特許第6921735号
Adv.Synth.Catal.2008、350、1949-1953
上記先行技術に照らして、本発明の目的は担持ルテニウム-カルベン錯体を使用する化学反応を実施するための経済的に有利な方法を発見し、またこのような方法に好適な担持ルテニウム-カルベン錯体に基づく触媒システムを見つけ出す事であった。
本目的は、触媒活性成分として少なくとも1のルテニウム-カルベン錯体および担持材料として二酸化ケイ素を含む担持触媒の存在下での化学反応を実施する方法であって、該担持触媒を製造するために使用する二酸化ケイ素が、2 OH基/nm2未満である表面上のOH基のN2BET表面積に対する比率を有しており、該化学反応が連続操業型反応器において実施される方法により達成される。
本発明の方法においては、様々な化学反応を連続操業型反応器における上記仕様の担持触媒の存在下で実施することができる。ルテニウム-カルベン錯体により触媒されるかかる反応の例には、オレフィンメタセシス、テトラクロロメタンまたはクロロホルムの末端二重結合上へのフリーラジカル付加(原子移動ラジカル付加)、ジアリルシステムのフリーラジカル5-エキソ-trig-環化(原子移動ラジカル環化)またはシリルエーテルやカルボニル化合物のヒドロシリル化を引き起こすシランの活性化がある。有機合成におけるRu-カルベンの使用についての包括的な概要は、Alcaide,B.、Almendros,P、Luna,A.、Chem. Rev. 2009、109、3817-3858において示されている。
本発明の方法における化学反応は、オレフィンメタセシスが好ましい。
用語「オレフィンメタセシス」は遷移金属触媒の存在下での2のオレフィン二重結合のトランスアルキリデネーションを指す。重要なタイプの反応は、クロスメタセシス、閉環メタセシス、開環クロスメタセシス、開環メタセシス重合および非環式ジエンのメタセシス重合である。包括的ではあるが完結的ではない概要は、例えばa)Ivin,K.J.、Mol,J.C.、「Olefin Metathesis and Metathesis Polymerization」、Academic Press、San Diego、1997、 b)Grubbs,R.H.、「Handbook of Metathesis」、Wiley VCH、1st edition、Weinheim、2003において示されている。
従って、本発明の方法における化学反応は、特にクロスメタセシス、閉環メタセシス、開環クロスメタセシス、開環メタセシス重合または非環式ジエンのメタセシス重合である。
特に好適なタイプのオレフィンメタセシス反応は、環状ジエンまたは環状トリエンを形成する環状オレフィンの二量体形成および三量体形成であり、特に環状ジエンを形成する環状オレフィンの二量体形成である。
本発明の方法において実施される化学反応は、特にシクロアルケンモノマー、ポリシクロアルケニレンまたはその2つの混合物からのシクロアルカジエンの製造が好ましい。
可能なシクロアルケンモノマーは、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテンおよびより高級のシクロアルケンである。特にシクロペンテンおよびシクロオクテン、特にシクロオクテンが好ましい。
一般式C2nH4n-4のシクロアルカジエンは一般式CnH2n-2のシクロアルケンモノマーの2分子から形成された二量体が好ましく、nは5〜20、好適には6〜15、特に好適には7〜10、特に8である。
オレフィンメタセシスは可逆反応であるので、一般式C2nH4n-4のシクロアルカジエンは、一般式(CnH2n-2)mの対応するポリシクロアルケニレンの逆反応により得ることができ、mは3と同じかそれより大きい整数であり、nは上記定義の通りである。
本発明の方法はシクロオクテン(C8H14)、ポリシクロオクテニレン((CnH2n-2)m)またはその2つの混合物から1,9-シクロヘキサデカジエン(C16H28)を製造する方法が特に好ましい。
本発明の方法は通常、使用する反応および出発化合物のタイプに依存して、-50℃〜200℃の温度範囲で実施され得る。オレフィンメタセシスは0℃〜200℃の温度範囲で実施することが好ましい。
本発明の方法は、使用する反応および出発化合物のタイプに依存して、溶媒を使用してまたは使用せずに実施され得る。オレフィンメタセシスの場合は、本発明の方法はメタセシス触媒に対して不活性な溶媒または溶媒混合物において実施することが好ましい。このような不活性溶媒の例は、特に芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン等)、塩素化脂肪族(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)およびそれらの混合物である。本発明の方法は、芳香族または脂肪族炭化水素、特にn-ヘプタン等のアルカンまたはシクロヘキサン等のシクロアルカン等において実施されることが特に好ましい。
使用するルテニウム-カルベン錯体の水および酸素に対する相対的な非反応性にもかかわらず、本発明の方法は、理想的には水のない溶媒および出発化合物を使用して、また空気中の酸素を排除して、好適には保護ガス雰囲気、例えば乾燥窒素またはアルゴン下で実施することが好ましい。
本発明の方法において使用する担持触媒は、触媒活性成分として少なくとも1のルテニウム-カルベン錯体および担持材料として二酸化ケイ素を含む。
ルテニウム-カルベン錯体は、錯体の中心フラグメントとして少なくとも1のルテニウム-炭素二重結合を含み、金属-アルキリデン錯体の一種に属する。単核錯体、すなわち1のルテニウム原子を有する錯体とは別に、2核または多核錯体、すなわち2またはそれ以上のルテニウム原子を有する錯体も存在する。
本発明による好適なルテニウム-カルベン錯体は例えば、国際公開第2010/021740号、15頁、段落[0066]〜27頁、段落[00102]に記載されており、その記載文書はその全体の参照により本開示に組み込まれる。
ルテニウム-カルベン錯体が式(I)の化合物である本発明による方法が好ましい。
Figure 0006066921
(式中、
X1、X2は同じであっても異なっていても良く、それぞれ陰イオンリガンドであり、
L1、L2、L3は同じであっても異なっていても良く、それぞれ電荷のない電子供与リガンドであり、
TはO、S、NR11またはPR11であり、
R11は水素またはC1-C40ラジカルであり、
R1、R2は同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素もしくはC1-C40ラジカルであるか、またはX1、X2、L1、L2、L3、R1およびR2からなる群より選択される2以上のリガンドもしくはラジカルがお互いに結合して環状もしくは多環状リングシステムを形成し、
kは0または1であり、
nは0または1であり、
mは0、1または2である。)
X1、X2は同じであっても異なっていても良く、特に同じであることが好ましく、それぞれ陰イオンリガンドである。X1、X2はハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、塩素が好ましく、または擬ハロゲン、例えばシアノ、チオシアノ等、またはメチル、フェニル、アリールオキシもしくはアルコキシである。X1およびX2は塩素が特に好ましい。
L1、L2、L3は同じであっても異なっていても良く、それぞれ電荷のない電子供与リガンドである。好適な電荷のない電子供与リガンドは国際公開第2010/021740号、16頁、段落[0070]および17頁、段落[0075]に記載されており、その記載文書はその全体の参照により本開示に組み込まれる。特に好適な電荷のない電子供与リガンドは、元素の周期律表の第15もしくは16属の2つの原子により安定化されたカルベン、特に2つの窒素原子により安定化された(Arduengoカルベンとして知られる)カルベン、更には、エーテル、チオエーテル、アミンまたは窒素含有ヘテロ環、特にピリジンもしくはピリジン誘導体である。
TはO、S、NR11またはPR11であり、SまたはNR11が好ましい。
R11は水素またはC1-C40ラジカル、例えばC1-C20-アルキル、C2-C20-アルケニル、C2-C20-アルキニル、C6-C40-アリール、C7-C40-アルキルアリール、C7-C40-アリールアルキル、C2-C40-ヘテロ芳香族ラジカル、飽和C3-C20-ヘテロ環状ラジカルまたは3〜24の炭素原子を有するシリルラジカルであり、炭素を含有するラジカルはF、Cl、Br、I、N、P、OおよびSからなる元素群より選択されるヘテロ原子を含むことができ、および/または官能基により置換され得る。
R1、R2は同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素またはC1-C40ラジカル、例えばC1-C20-アルキル、C2-C20-アルケニル、C2-C20-アルキニル、C6-C40-アリール、C7-C40-アルキルアリール、C7-C40-アリールアルキル、C2-C40-ヘテロ芳香族ラジカル、飽和C3-C20-ヘテロ環状ラジカルまたは3〜24の炭素原子を有するシリルラジカルであり、炭素を含有するラジカルはF、Cl、Br、I、N、P、OおよびSからなる元素群より選択されるヘテロ原子を含むことができ、および/または官能基により置換され得る。
X1、X2、L1、L2、L3、R1およびR2からなる群より選択される2以上のリガンドまたはラジカルは、お互いに結合することもでき、環状または多環状リングシステムを形成する。ラジカルL1、L2またはL3の1つをラジカルR1またはR2の1つに結合させることにより環状または多環状リングシステムを一緒に形成することが好ましい。
nは0または1であり、0が好ましく、mは0、1または2であり、0が好ましい。
本発明の方法は、電荷のない電子供与リガンドL1が式(II)のカルベンである式(I)のルテニウム-カルベン錯体を使用して実施することが特に好ましい。
Figure 0006066921
(式中、
X、Yは同じであっても異なっていても良く、同じであることが好ましく、それぞれN、O、SおよびPからなる元素群より選択されるヘテロ原子であり、Nが好ましく、
XがOまたはSである場合、pは0であり、XがNまたはPである場合、pは1であり、
YがOまたはSである場合、qは0であり、YがNまたはPである場合、qは1であり、
Q1、Q2、Q3、Q4はそれぞれ、お互いに独立して1〜40の炭素原子を有する二価の有機基であり、さらにQ1、Q2、Q3および/またはQ4内の近接した原子上の2以上の置換基はお互いに結合して付加的な環状または多環状構造を形成することができ、
w、x、y、zはそれぞれ、お互いに独立して0または1であり、全て0が好ましく、
R3、R3A、R4およびR4Aは同じであっても異なっていても良く、それぞれお互いに独立して水素またはC1-C40ラジカルである。)
R3、R3A、R4およびR4Aは同じであっても異なっていても良く、それぞれお互いに独立して水素またはC1-C40ラジカル、例えばC1-C20-アルキル、C2-C20-アルケニル、C2-C20-アルキニル、C5-C40-アリール、C7-C40-アルキルアリール、C7-C40-アリールアルキル、C2-C40-ヘテロ芳香族ラジカル、飽和C3-C20-ヘテロ環状ラジカルまたは3〜24の炭素原子を有するシリルラジカルであり、炭素を含有するラジカルはF、Cl、Br、I、N、P、OおよびSからなる元素群より選択されるヘテロ原子を含むことができ、および/または官能基により置換され得る。
Q1、Q2、Q3、Q4はそれぞれ、お互いに独立して1〜40の炭素原子を有する二価の有機基であり、さらにQ1、Q2、Q3および/またはQ4内の近接した原子上の2以上の置換基はお互いに結合し、付加的な環状または多環状構造を形成することができる。1〜40の炭素原子を有する二価の有機基は、例えば二価の炭化水素基、二価の置換炭化水素基、ヘテロ原子を含有する二価の炭化水素基、ヘテロ原子を含有する二価の置換炭化水素基または-(CO)-である。
本発明の方法は、電荷のない電子供与リガンドL1が、
式(II)中、
mは0であり、
w、x、y、zはそれぞれ0であり、
p、qはそれぞれ1であり、
X、YはそれぞれNであり、
R3AおよびR4Aはお互いに結合して1〜40の炭素原子を有する二価の有機基Qを一緒に形成している、
式(II)のカルベンである式(I)のルテニウム-カルベン錯体を使用して実施することが特に好ましく、特に好適なルテニウム-カルベン錯体は式(III)により記載することができる。
Figure 0006066921
式(III)のルテニウム-カルベン錯体においては、電荷のない電子供与リガンドL2はホスファイト、ホスフィナイト、アルサン、スチバン、エーテル、アミン、アミド、イミン、スルホキシド、カルボキシレート、ニトロシル、ピリジン、置換ピリジン、イミダゾール、置換イミダゾール、ピラジン、チオエーテルまたはピロリドンが好ましい。
Qは、1〜40の炭素原子を有する二価の有機基である。1〜40の炭素原子を有する二価の有機基は、例えば、二価の炭化水素基、二価の置換炭化水素基、ヘテロ原子を含有する二価の炭化水素基またはヘテロ原子を含有する二価の置換炭化水素基であり得る。
式(III)のルテニウム-カルベン錯体においては、X1、X2、L2、L3、R1、R2、R3およびR4の群の2以上のいずれの組み合わせも、お互いに結合し環状構造を形成することができる。
特に、本発明の方法は式(IV)のルテニウム-カルベン錯体を使用して実施される。
Figure 0006066921
(式中、
X1、X2、Q、R2、R3、R4は、式(I)、(II)、(III)で定義した通りであり、
X5は、O、SまたはPR10であり、Oが好ましく、
Zはそれぞれ、お互いに独立してO、S、NR10またはPR10であり、OまたはNR10が好ましく、
添え字sはそれぞれ、お互いに独立して0または1であり、
R5、R6、R7、R8、R9は、同じであっても異なっていても良く、それぞれお互いに独立して水素またはC1-C40ラジカルであるか、またはs=0の場合には、NO2、CN、COOH、COOR10およびハロゲンの中から選択される官能基でもあり得、
ラジカルR10は同じであっても異なっていても良く、それぞれお互いに独立して水素またはC1-C40ラジカルである。)
R5、R6、R7、R8、R9は、同じであっても異なっていても良く、それぞれお互いに独立して水素またはC1-C40ラジカル、例えばC1-C20-アルキル、C2-C20-アルケニル、C2-C20-アルキニル、C6-C40-アリール、C7-C40-アルキルアリール、C7-C40-アリールアルキル、C2-C40-ヘテロ芳香族ラジカル、飽和C3-C20-ヘテロ環状ラジカルもしくは3〜24の炭素原子を有するシリルラジカルであり、炭素を含有するラジカルはF、Cl、Br、I、N、P、OおよびSからなる元素群より選択されるヘテロ原子を含むことができ、および/もしくは官能基により置換され得るか、またはs=0の場合には、NO2、CN、COOH、COOR10およびハロゲン、例えばF、Cl、BrもしくはIの中から選択される官能基でもあり得る。
ラジカルR10は同じであっても異なっていても良く、それぞれお互いに独立して水素またはC1-C40ラジカル、例えばC1-C20-アルキル、C2-C20-アルケニル、C2-C20-アルキニル、C6-C40-アリール、C7-C40-アルキルアリール、C7-C40-アリールアルキル、C2-C40-ヘテロ芳香族ラジカル、飽和C3-C20-ヘテロ環状ラジカルまたは3〜24の炭素原子を有するシリルラジカルであり、炭素を含有するラジカルはF、Cl、Br、I、N、P、OおよびSからなる元素群より選択されるヘテロ原子を含むことができ、および/または官能基により置換され得る。
本発明の方法において使用する担持触媒は、上記ルテニウム-カルベン錯体を、追加の成分として担持触媒の製造の前に2 OH基/nm2未満である表面上のOH基のN2BET表面積に対する比率を有する二酸化ケイ素と一緒に含む。担持触媒を製造するために使用する二酸化ケイ素上のOH基のN2BET表面積に対する比率は、1.5 OH基/nm2未満、特に0.1〜1.2 OH基/nm2であることが好ましい。
担体表面上のOH密度は当業者により知られるいずれの方法によっても調整することができる。特に好適な担体表面上のOH密度の調整方法は、例えばN2もしくは空気中における、場合により減圧下での担体の熱処理、または、例えばシラノール基ともいわれる表面上のOH基のトリメチルシリルクロライド、ヘキサメチルジシラザンカリウムもしくは他の好適なシリル化剤との反応による、もしくは例えば、アルキル化、特に硫酸ジメチル、ヨウ化メチルもしくは他の好適なアルキル化剤を使用するメチル化による担体表面上のOH基の化学反応である。
本発明の方法においては、使用する二酸化ケイ素の表面上のOH基のN2BET表面積に対する比率は二酸化ケイ素の熱処理により調整することが好ましい。この目的のためには通常は、目的とするOH基のN2BET表面積に対する比率に到達するまで、二酸化ケイ素を、200℃〜1200℃、好適には400℃〜1100℃の温度で、特定の時間乾燥する。
N2BET表面積の測定および使用する二酸化ケイ素の表面上のOH基数の測定は、当事者により知られる方法により実施され、詳細は実施例において記載する。
本発明の方法において、二酸化ケイ素の表面上のOH基の使用するルテニウム-カルベン錯体に対するモル比率は担持触媒の製造において広範囲に変え得る。
しかしながら、ルテニウム-カルベン錯体を、担持触媒の製造において使用する二酸化ケイ素に対し、二酸化ケイ素の表面上のOH基のルテニウム-カルベン錯体に対するモル比率が少なくとも5、好適には少なくとも10、特には少なくとも20であるような比率で使用する、本発明による方法が好ましい。
特に、OH基(シラノール基)に加えて、追加の結合サイト、すなわち別の化学的または物理的結合相互作用に適したサイトがルテニウム-カルベン錯体に生じるように表面上を修飾していない二酸化ケイ素が好ましい。これは、表面上のOH基が、上記のように、例えばトリメチルシリルクロライドまたは同様の働きをする試薬との反応により単に不動態化または保護されているだけの二酸化ケイ素を明らかに含まない。
担持材料として使用する二酸化ケイ素は10〜1000m2/g、好適には300〜900 m2/g、特に好適には450〜800 m2/gの範囲のN2BET表面積を有することが好ましく、好適には、20〜200Å、好適には40〜120Å、特には50〜70Åの平均直径である細孔を有し、0.1〜5ml/gの範囲、好適には0.5〜3.5 ml/gの範囲の細孔容積を有することが好ましい。
担持材料として使用する二酸化ケイ素は原則として、様々な形態、例えば0.1〜500μmの平均粒子直径を有する粉体として、または、技術的に有利である場合は、どんな形態でも良く好適には0.5〜10cmのサイズを有する巨視的成形体として存在し得る。このような成形体には、例えば、押出成形物、球体、ペレット、砕いた材料、中空状押出成形物(リング)等がある得る。規則的な構造を有する成形体、例えばモノリスを使用することもでき、この場合、サイズが30cmに至ることも珍しくはない。
本発明の方法において使用する二酸化ケイ素は乾燥したシリカゲルが好ましい。
本発明の方法は、0.1〜1.2 OH基/nm2の範囲であるOH基のN2BET表面積に対する比率を有し、その細孔は50〜70Åの平均直径を有し、また、特に450〜800m2/gのN2BET表面積を有する乾燥シリカゲルである二酸化ケイ素を使用して実施することが特に好ましい。
担持触媒は、例えばルテニウム-カルベン錯体溶液の担持材料としての二酸化ケイ素との単純な混合、場合により続いて、ろ過、洗浄および/または乾燥工程を実施することにより製造することができる(例えばAdv.Synth.Catal.2008、350、1949〜1953に記載されている)。
本発明の方法において実施される化学反応は、連続操業型反応器において実施される。
連続方法においては、(おそらくは溶媒、ガス等の別の材料と一緒に)出発材料を同時に反応空間/反応器に供給し、製品の流れを反応空間/反応器から引き出す。連続方法の概説および代わりの定義は化学プロセス工学におけるテキスト(例えばE.Fitzner、W.Fritz、E.Klemm「Technische Chemie: Einfuehrung in die chemische Reaktionstechnik」、2005、5th edition、Springer、Berlin - ISBN 3540234527)に見られる。連続方法に特に好適な反応器には、例えば、管式反応器、連続操業型撹拌容器またはそれらのカスケード等がある。ここで、包括的な詳細は引用した文献に見られる。
本発明の方法は、管式反応器、シェルアンドチューブ反応器または連続操業型撹拌容器のカスケード、特に管式反応器またはシェルアンドチューブ反応器において実施することが好ましい。
本発明の方法においては、触媒の寿命/作動寿命の間に反応空間を通過する出発材料の総量は、担持触媒自身の質量に対し、好適には20倍、特に好適には100倍、特には1000倍である。
本発明の方法における環状ジエンを形成するための環状オレフィンの二量体形成の場合においては、連続操業型反応器における反応は、排出される反応混合物において、環状オレフィン、環状ジエンおよびポリマーの総量に基づく環状ジエンの重量比率が10%を超える、特に好適には20〜50%の範囲となるように実施することが好ましい。
本発明は触媒活性成分として少なくとも1のルテニウム-カルベン錯体および担持材料として二酸化ケイ素を含む担持触媒の、連続操業型反応器において実施される化学反応における不均一触媒システムとしての使用を更に提供し、該担持触媒を製造するために使用する二酸化ケイ素は2 OH基/nm2未満であるその表面上のOH基のN2BET表面積に対する比率を有している。
ルテニウム-カルベン錯体、二酸化ケイ素、化学反応および連続操業型反応器に関する好適な実施形態は、本発明の方法に関連して上記で論じられており、同様に担持触媒の発明による使用に適用することができる。
以下の実施例により本発明を説明するが、実施例は本発明を制限するものではない。
担体
それぞれ30および60Åの平均細孔直径を有するシリカゲルGD SP550 10012および10020をGrace Davisonから入手した。ミクロ多孔質担体D11-10はBASF SEの商品である。メソ多孔質材料MCM-41(平均細孔直径180Å)は文献の方法(V.Mynen、P.Cool、E.F.Vansant「Verified syntheses of mesoporous materials」Micropor.Mesopor.Mater.2009、125、170-223、6.4)により社内で合成した。また、同じ文献に、MCM-41の構造タイプの詳細も記載されており、追加の文献も示されている。
担体の製造
材料を焼成するために、窒素雰囲気下において、2℃/分の昇温速度で目的の温度Tcalc.とし、4時間その温度を維持し、その後室温まで冷却した。担体を含侵工程(以下参照)直前に焼成し、焼成後はN2雰囲気下でのみ処理した。
担体の分析
N 2 BET表面積の測定
N2BET表面積の測定をDIN ISO 9277:2003-05「Bestimmung der spezifischen Oberflaeche von Feststoffen durch Gasadsorption nach dem BET-Verfahren」(ISO 9277:1995、刊行日 2003-05)に従いN2吸着法により実施した。
担体上のOH基数の測定
担体表面上のOH基数は、重量測定法により測定した。本目的のためには、担体を5℃/分で担体の焼成に相当する温度Tcalc. まで加熱し、4時間その温度を維持した。続いて担体を更に5℃/分で1200℃まで加熱した。第2の加熱段階中に起こる質量の変化を検出した。調査温度から1200℃の範囲で放出した水は担体表面上のOH基の凝縮から生じた。2つのSi-OH基が1の水分子を形成し、架橋してSi-O-Si基を形成する。従って、担体の重量損失は次のように凝縮したOH基数と関連がある。
Figure 0006066921
担体のOH密度の計算
OH基数をTcalc.での担体質量および担体のN2BET表面積(略してBET)で割る事により担体のOH密度が与えられる。
Figure 0006066921
固体の多孔性の測定方法
担体の多孔性をDIN ISO 66133「Bestimmung der Porenvolumenverteilung und der spezifischen Oberflaeche von Feststoffen durch Quecksilberintrusion」(刊行日1993-06)に従い測定した。
使用担体の結果
本発明による担体
GD SP550 10020 - 550℃で1.2 OH/nm2 - 850℃で0.4 OH/nm2
MCM-41 - 550℃で1.6 OH/nm2
本発明によらない担体
D11-10 - 550℃で5.5 OH/nm2
GD SP550 10012 - 550℃で7.0 OH/nm2
GD SP550 10020 - 未焼成で3.5 OH/nm2
実施例において使用したRu錯体1は式(a)のルテニウム錯体である。
Figure 0006066921
供給流は触媒と接触する前に水を除去するために4Å分子ふるいを含む精製ベッドおよび酸素化合物を除去するためにR3-11G吸収剤(BASF SE)を含む精製ベッドに通した。
触媒の製造:
Grace社製シリカゲル(タイプSP550-10020 ID 4907)を石英ガラス管において、窒素を穏やかに流しながら4時間550℃で焼成した。担体の表面上のOH密度を測定したところ、1.2 OH基/nm2であった。不均一触媒を製造するために、この方法で得られた20gのシリカをジクロロメタン中に懸濁し、81mgのRu錯体1を加えた。懸濁液を2時間撹拌し、続いて、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は緑色であり、100gの触媒中に67mgのRuを含んでいた。
メタセシス反応
まず始めに、垂直管反応器(直径:14mm、長さ:45cm)に不活性ガスの向流中、約20gの上記で製造した担持触媒を装填し、その触媒より上の反応器容積をガラスビーズで満たした。シクロヘキサン中にシクロオクテンを含む溶液(0.7重量%)を供給流量8ml/分に設定し、60℃、わずかな過圧で、底から上に向けてベッドを通して連続的に流した。実験の始めの変換率は1,9-シクロヘキサデカジエンに対して20〜25%の選択率で>90%であった。ポリシクロオクテニレンに対する総選択率は>99%であった。90時間後、シクロオクテンの変換率はまだ約75%であった。
触媒の製造
Grace社製シリカゲル(タイプSP550-10020 ID 4907)を石英ガラス管において、窒素を穏やかに流しながら4時間850℃で焼成した。担体の表面上のOH密度を測定したところ、0.4 OH基/nm2であった。不均一触媒を製造するために、この方法で得られた20gのシリカをジクロロメタン中に懸濁し、81mgのRu錯体1を加えた。懸濁液を2時間撹拌し、続いて、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は緑色であり、100gの触媒中に68mgのRuを含んでいた。
メタセシス反応
まず始めに、垂直管反応器(直径:14mm、長さ:45cm)に不活性ガスの向流中、約20gの上記で製造した担持触媒を装填し、その触媒より上の反応器容積をガラスビーズで満たした。シクロヘキサン中にシクロオクテンを含む溶液(0.7重量%)を供給流量8ml/分に設定し、60℃、わずかな過圧で、底から上に向けてベッドを通して連続的に流した。実験の始めの変換率は1,9-シクロヘキサデカジエンに対して20〜25%の選択率で>90%であった。ポリシクロオクテニレンに対する総選択率は>99%であった。175時間後、シクロオクテンの変換率はまだ約75%であった。
触媒の製造
15gのタイプMCM-41のシリカゲル(担体表面上のOH密度を測定したところ、1.6 OH基/nm2であった)をジクロロメタン中に懸濁し、83mgのRu錯体1を加えた。懸濁液を2時間撹拌し、続いて、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は緑色であり、100gの触媒中に111mgのRuを含んでいた。
メタセシス反応
まず始めに、垂直管反応器(直径:14mm、長さ:45cm)に不活性ガスの向流中、約15gの上記で製造した担持触媒を装填し、その触媒より上の反応器容積をガラスビーズで満たした。シクロヘキサン中にシクロオクテンを含む溶液(0.7重量%)を供給流量8ml/分に設定し、60℃、わずかな過圧で、底から上に向けてベッドを通して連続的に流した。実験の始めの変換率は1,9-シクロヘキサデカジエンに対して20〜25%の選択率で>90%であった。ポリシクロオクテニレンに対する総選択率は>99%であった。10時間後、シクロオクテンの変換率はまだ約75%であった。
比較例4
触媒の製造
20gのGrace社製シリカゲル(タイプ SP550-10020 ID 4907、担体表面上のOH密度を測定したところ、3.5 OH基/nm2であった)をジクロロメタン中に懸濁し、83mgのRu錯体1を加えた。懸濁液を2時間撹拌し、続いて、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は緑色であり、100gの触媒中に63mgのRuを含んでいた。
メタセシス反応
まず始めに、垂直管反応器(直径:14mm、長さ:45cm)に不活性ガスの向流中、約20gの上記で製造した担持触媒を装填し、その触媒より上の反応器容積をガラスビーズで満たした。シクロヘキサン中にシクロオクテンを含む溶液(0.7重量%)を供給流量8ml/分に設定し、60℃、わずかな過圧で、底から上に向けてベッドを通して連続的に流した。実験の始めの変換率は1,9-シクロヘキサデカジエンに対して20〜25%の選択率で65%であった。約7時間後、変換率は10%未満であった。
比較例5
触媒の製造
Grace社製シリカゲル(タイプSP550-10012 ID 4906)を石英ガラス管において、窒素を穏やかに流しながら4時間550℃で焼成した。担体の表面上のOH密度を測定したところ、7.0 OH基/nm2であった。不均一触媒を製造するために、この方法で得られた28gのシリカをジクロロメタン中に懸濁し、83mgのRu錯体1を加えた。懸濁液を2時間撹拌し、続いて、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は緑色であり、100gの触媒中に46mgのRuを含んでいた。
メタセシス反応
まず始めに、垂直管反応器(直径:14mm、長さ:45cm)に不活性ガスの向流中、約20gの上記で製造した担持触媒を装填し、その触媒より上の反応器容積をガラスビーズで満たした。シクロヘキサン中にシクロオクテンを含む溶液(0.7重量%)を供給流量8ml/分に設定し、60℃、わずかな過圧で、底から上に向けてベッドを通して連続的に流した。実験の始めの変換率は1,9-シクロヘキサデカジエンに対して20〜25%の選択率で>80%であった。約7時間後、変換率は40%未満であった。
比較例6
触媒の製造
34.5gのBASF社製シリカゲル(タイプD11-10、担体表面上のOH密度を測定したところ、7.4 OH基/nm2であった)をジクロロメタン中に懸濁し、160mgのRu錯体1を加えた。懸濁液を2時間撹拌し、続いて、溶媒を減圧下で除去した。得られた固体は緑色であり、100gの触媒中に72mgのRuを含んでいた。
メタセシス反応
まず始めに、垂直管反応器(直径:14mm、長さ:45cm)に不活性ガスの向流中、約20gの上記で製造した担持触媒を装填し、その触媒より上の反応器容積をガラスビーズで満たした。シクロヘキサン中にシクロオクテンを含む溶液(0.7重量%)を供給流量16ml/分に設定し、60℃、わずかな過圧で、底から上に向けてベッドを通して連続的に流した。実験の始めの変換率は1,9-シクロヘキサデカジエンに対して25〜35%の選択率で>25%であった。約7時間後、変換率は5%未満であった。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)触媒活性成分として少なくとも1のルテニウム-カルベン錯体および担持材料として二酸化ケイ素を含む担持触媒の存在下での化学反応を実施する方法であって、該担持触媒を製造するために使用する二酸化ケイ素が2 OH基/nm 2 未満である表面上のOH基のN 2 BET表面積に対する比率を有しており、該化学反応は連続操業型反応器において実施される、前記方法。
(2)化学反応がオレフィンメタセシスである、(1)に記載の方法。
(3)実施される化学反応がシクロアルケンモノマー、ポリシクロアルケニレンまたはこれら2つの混合物からのシクロアルカジエンの製造である、(1)または(2)に記載の方法。
(4)ルテニウム-カルベン錯体が式(I)の化合物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
Figure 0006066921
(式中、
X 1 、X 2 は同じであっても異なっていても良く、それぞれ陰イオンリガンドであり、
L 1 、L 2 、L 3 は同じであっても異なっていても良く、それぞれ電荷のない電子供与リガンドであり、
TはO、S、NR 11 またはPR 11 であり、
R 11 は水素またはC 1 -C 40 ラジカルであり、
R 1 、R 2 は同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素もしくはC 1 -C 40 ラジカルであるか、またはX 1 、X 2 、L 1 、L 2 、L 3 、R 1 およびR 2 からなる群より選択される2以上のリガンドもしくはラジカルがお互いに結合して環状もしくは多環状リングシステムを形成し、
kは0または1であり、
nは0または1であり、
mは0、1または2である。)
(5)使用する二酸化ケイ素の表面上のOH基のN 2 BET表面積に対する比率を二酸化ケイ素の熱処理により調整する、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)担持触媒の製造において、ルテニウム-カルベン錯体を、使用する二酸化ケイ素に対し、二酸化ケイ素の表面上のOH基のルテニウム-カルベン錯体に対するモル比率が少なくとも5となるような相対量で使用する、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)二酸化ケイ素が0.1〜1.2 OH基/nm 2 の範囲であるOH基のN 2 BET表面積に対する比率を有し、その細孔は50〜70Åの平均直径を有する乾燥シリカゲルである、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)触媒活性成分として少なくとも1のルテニウム-カルベン錯体および担持材料として二酸化ケイ素を含む担持触媒の、連続操業型反応器において実施される化学反応における不均一触媒システムとしての使用であって、該担持触媒を製造するために使用する該二酸化ケイ素が2 OH基/nm 2 未満である表面上のOH基のN 2 BET表面積に対する比率を有している、前記使用。

Claims (10)

  1. 触媒活性成分として少なくとも1のルテニウム-カルベン錯体および担持材料として二酸化ケイ素を含む担持触媒の存在下での化学反応を実施する方法であって、該担持触媒を製造するために使用する二酸化ケイ素が2 OH基/nm2未満である表面上のOH基のN2BET表面積に対する比率を有しており、該化学反応は連続操業型反応器において実施され、
    実施される化学反応が一般式CnH2n-2のシクロアルケンモノマー、一般式(CnH2n-2)mのポリシクロアルケニレンまたはこれら2つの混合物からの一般式C2nH4n-4のシクロアルカジエンの製造であり、ここで、mは3と同じかそれより大きい整数であり、nは5〜20であり、
    二酸化ケイ素が、OH基(シラノール基)に加えて、追加の結合サイト、すなわち化学的または物理的結合相互作用に適したサイトがルテニウム-カルベン錯体に生じるように表面上を修飾していない二酸化ケイ素である、前記方法。
  2. nが6〜15である、請求項1に記載の方法。
  3. nが7〜10である、請求項1または2に記載の方法。
  4. nが8である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 化学反応がオレフィンメタセシスである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. ルテニウム-カルベン錯体が式(I)の化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
    Figure 0006066921
    (式中、
    X1、X2は同じであっても異なっていても良く、それぞれ陰イオンリガンドであり、
    L1、L2、L3は同じであっても異なっていても良く、それぞれ電荷のない電子供与リガンドであり、
    TはO、S、NR11またはPR11であり、
    R11は水素またはC1-C40ラジカルであり、
    R1、R2は同じであっても異なっていても良く、それぞれ水素もしくはC1-C40ラジカルであるか、またはX1、X2、L1、L2、L3、R1およびR2からなる群より選択される2以上のリガンドもしくはラジカルがお互いに結合して環状もしくは多環状リングシステムを形成し、
    kは0または1であり、
    nは0または1であり、
    mは0、1または2である。)
  7. 使用する二酸化ケイ素の表面上のOH基のN2BET表面積に対する比率を二酸化ケイ素の熱処理により調整する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 担持触媒の製造において、ルテニウム-カルベン錯体を、使用する二酸化ケイ素に対し、二酸化ケイ素の表面上のOH基のルテニウム-カルベン錯体に対するモル比率が少なくとも5となるような相対量で使用する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 二酸化ケイ素が0.1〜1.2 OH基/nm2の範囲であるOH基のN2BET表面積に対する比率を有し、その細孔は50〜70Åの平均直径を有する乾燥シリカゲルである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 触媒活性成分として少なくとも1のルテニウム-カルベン錯体および担持材料として二酸化ケイ素を含む担持触媒の、連続操業型反応器において実施される化学反応における不均一触媒システムとしての使用であって、該担持触媒を製造するために使用する該二酸化ケイ素が2 OH基/nm2未満である表面上のOH基のN2BET表面積に対する比率を有しており、
    実施される化学反応が一般式CnH2n-2のシクロアルケンモノマー、一般式(CnH2n-2)mのポリシクロアルケニレンまたはこれら2つの混合物からの一般式C2nH4n-4のシクロアルカジエンの製造であり、ここで、mは3と同じかそれより大きい整数であり、nは5〜20であり、
    二酸化ケイ素が、OH基(シラノール基)に加えて、追加の結合サイト、すなわち化学的または物理的結合相互作用に適したサイトがルテニウム-カルベン錯体に生じるように表面上を修飾していない二酸化ケイ素である、前記使用。
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