JP6065641B2 - 分散型電源システムおよびその診断方法 - Google Patents
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Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電流検出装置の取付向きを正確に判定できる分散型電源システムおよびその診断方法を提供することにある。
すなわち、上述した場合、負荷装置が起動されて、商用電源によって供給される電流の増大を電流検出装置が検出したと推定され、電流検出装置が逆向きに取り付けられていると判定することができる。
尚、上述した、商用電源に向けた電流を検出した時とは、実際に、商用電源に対して付加電源の電圧が高くなり、商用電源に向けて逆潮流が発生している場合と、電流検出装置の取付向きが逆方向であって、商用電源から負荷装置側に向けた電流を、商用電源に向けた電流として検出した場合とを含んでいる。
すなわち、上述した場合、負荷装置が起動されて、付加電源からの電流の一部が負荷装置へと流れるため、商用電源に向けた逆潮流が減少したと推定され、電流検出装置は逆向きに取り付けられていないと判定することができる。
通常、付加電源は、商用電源に向けて、すべての交流線を介した逆潮流は発生しないように制御されているため、上述した場合、すべての電流検出装置が逆向きに取り付けられていると判定することができる。
すなわち、一般的に、商用電源に向けて逆潮流が発生している時と、電流検出装置が逆向きに取り付けられている時に、電圧位相に対する電流位相が所定量だけ相違することを利用して、商用電源に向けた電流を正確に検出することができる。
すなわち、電流変化量検出ステップにより、負荷装置の起動前に比べ、負荷装置の起動後の電流が増大したことが検出された場合、負荷装置が起動されて、商用電源によって供給される電流の増大を電流検出装置が検出したと推定され、取付方向判定ステップにおいて、電流検出装置が逆向きに取り付けられていると判定することができる。
<分散型電源システムの構成>
本実施形態による分散型電源システム1は、発電機能と貯湯機能とを有した、いわゆるコジェネレーションシステムである。図1に示したように、分散型電源システム1には、主幹ブレーカ3を介して、商用電源2が接続されている。主幹ブレーカ3には、主幹電力線4が接続されており、主幹電力線4には複数の負荷コンポーネント5a、5bが接続されている。各々の負荷コンポーネント5a、5bは、商用電源2からの電力を消費する装置であって、例えば、照明装置、エアコンディショナー、テレビ受信機等が該当する。負荷コンポーネント5a、5bの種類および数は、特に限定されるべきものではない。
また、上述した発電装置8は、蓄電線17の接続点と負荷コンポーネント5a、5bとの間において、発電電力線6を形成するU相発電電力線6a、V相発電電力線6bおよびN相発電電力線6cによって、それぞれU相線4a、V相線4bおよびN相線4cに接続されている。
一方、第2ヒータ12bの一端は、第2ヒータN相線12eを介してN相発電電力線6cに接続され、他端は、第2ヒータV相線12fを介してV相発電電力線6bに接続されている。第2ヒータV相線12f上には、作動スイッチ13に含まれる第2スイッチ13bが設けられている。
尚、第1ヒータN相線12c、第1ヒータU相線12d、第2ヒータN相線12eおよび第2ヒータV相線12fは、電力供給線に含まれる。
また、U相線4a上において、第1電圧センサ20aとU相蓄電線17aとの接続点との間には、上述した電流センサ21に含まれる第1電流センサ21aが設けられている。また、V相線4b上において、第2電圧センサ20bとV相蓄電線17bとの接続点との間には、電流センサ21に含まれる第2電流センサ21bが設けられている。
次に、制御装置22による電流センサ21の取付向きに関する診断方法について説明する。
<電流方向検出ステップ>
最初に、発電装置8の発電作動を停止して、発電装置8から商用電源2に向けた逆潮流が発生しない状態にする。この状態において、第1電圧センサ20aおよび第2電圧センサ20bによって、U相線4a上およびV相線4b上の電圧をそれぞれ検出する。また、それとともに、第1電流センサ21aおよび第2電流センサ21bによって、U相線4a上およびV相線4b上の電流をそれぞれ検出する。
また、U相線4a上において位相のずれがなく、かつ、V相線4b上において位相のずれがある場合、U相線4a上において、商用電源2から負荷コンポーネント5aに向けて電流が流れていることが検出されるとともに、V相線4b上において、負荷コンポーネント5b側から商用電源2に向けて電流が流れていることが検出され、第2電流センサ21bの取付向きが正常か否かを診断するために電流変化量検出ステップへと移行する。
これは、U相線4a上およびV相線4b上の一方のみにおいて、負荷コンポーネント5a、5b側から商用電源2に向けて電流が流れていることが検出された場合、蓄電装置19から商用電源2に向けた逆潮流が発生している時と、第1電流センサ21aまたは第2電流センサ21bの取付向きが逆方向の時とがあるためである。
以下、U相線4a上において、負荷コンポーネント5a側から商用電源2に向けて電流が流れていることが検出されるとともに、V相線4b上において、商用電源2から負荷コンポーネント5bに向けて電流が流れていることが検出された場合の電流変化量検出ステップについて説明する。
一方、第1ヒータ12aを所定時間だけ作動させた時の電流50周期分のうち、基準電流値ibaに対して、1周期分の平均電流値iavが所定範囲il1〜il2だけ減少したものが70%(35周期)以上あった場合、冷却水加温ヒータ12の起動前に対して起動後に電流の減少があったことを検出する。上述したih1〜ih2とil1〜il2とは、互いに異なる範囲値であってもよいし、同一の範囲値であってもよい。
冷却水加温ヒータ12の起動前に対して、起動後にU相線4a上またはV相線4b上において、電流の増大があったことが検出された場合、第1電流センサ21aまたは第2電流センサ21bの取付向きが逆方向であると診断される。この場合、冷却水加温ヒータ12が起動されて、商用電源2によって供給される電流の増大を第1電流センサ21aまたは第2電流センサ21bが検出したと推定され、第1電流センサ21aまたは第2電流センサ21bが逆向きに取り付けられていると判定することができるためである。
本実施形態による電流センサ21の取付向きに関する診断において、電流方向検出ステップによるU相線4a上およびV相線4b上の電流方向の監視は、発電装置8の作動停止中において常時行われている。
また、電流変化量検出ステップおよび取付方向判定ステップは、分散型電源システム1の電源再投入(リセット)時または停電モード(アイドリング状態)解除時に、一度のみ行う。
また、分散型電源システム1が異常と判定された場合、その取付向きが逆方向と判定された電流センサ21a、21bの検出値を制御装置22内において反転させ、制御装置22による分散型電源システム1の作動制御を継続させるようにしてもよい。
すなわち、上述した場合、冷却水加温ヒータ12が起動されて、商用電源2によって供給される電流の増大を電流センサ21a、21bが検出したと推定され、電流センサ21a、21bが逆向きに取り付けられていると判定することができる。
すなわち、上述した場合、冷却水加温ヒータ12が起動されて、蓄電装置19からの電流の一部が冷却水加温ヒータ12へと流れるため、商用電源2に向けた逆潮流が減少したと推定され、電流センサ21a、21bは逆向きに取り付けられていないと判定することができる。
通常、蓄電装置19は、商用電源2に向けて、U相線4aおよびV相線4bの双方を介した逆潮流は発生しないように制御されているため、上述した場合、すべての電流センサ21a、21bが逆向きに取り付けられていると判定することができる。
すなわち、一般的に、商用電源2に向けて逆潮流が発生している時と、電流センサ21a、21bが逆向きに取り付けられている時に、電圧位相に対する電流位相が所定量だけ相違することを利用して、商用電源2に向けた電流を正確に検出することができる。
また、発電装置8には、発電による発熱を回収する冷却水循環路9が接続されており、負荷装置を、冷却水循環路9に設けられた冷却水加温ヒータ12としたことにより、制御装置22による負荷装置の起動が容易で、電流センサ21a、21bの取付向きの判定を容易に行うことができる。
すなわち、電流変化量検出ステップにより、冷却水加温ヒータ12の起動前に比べ、冷却水加温ヒータ12の起動後の電流が増大したことが検出された場合、冷却水加温ヒータ12が起動されて、商用電源2によって供給される電流の増大を電流センサ21a、21bが検出したと推定され、取付方向判定ステップにおいて、電流センサ21a、21bが逆向きに取り付けられていると判定することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明による分散型電源システム1においては、主幹電力線4上に、発電装置8用の電流センサと、蓄電装置19用の電流センサとが別々に設けられていてもよい。
また、主幹電力線4は、3つ以上の交流線を含んでいてもよい。
また、電流変化量検出ステップにおいて、発電装置8による発電を停止させた状態で、負荷コンポーネント5a、5bのいずれかを起動させ、負荷コンポーネント5a、5bの起動前後のU相線4a上またはV相線4b上の電流の増減を検出してもよい。
また、電流方向検出ステップにおける、通電電流の大きさ、通電時間、電圧波形に対する電流波形の位相のずれの基準値θ0、電流変化量検出ステップにおける基準電流値iba、平均電流値iavの増減を判定するための範囲ih1〜ih2およびil1〜il2、当該範囲内にある波形の割合等は、どのように設定することも可能である。
また、三通り以上の作動時間によって冷却水加温ヒータ12を起動して、それぞれの場合において、冷却水加温ヒータ12の起動前後におけるU相線4a上またはV相線4b上の電流の増減を検出し、すべての場合においてU相線4a上またはV相線4b上の電流がともに増大した場合、商用電源2に向けた電流が検出されたU相線4a上またはV相線4b上の電流センサ21a、21bの取付向きが逆方向であると判定し、すべての場合においてU相線4a上またはV相線4b上の電流がともに減少した場合、商用電源2に向けた電流が検出されたU相線4a上またはV相線4b上において、蓄電装置19から商用電源2に向けて逆潮流が発生していると判定するようにしてもよい。
Claims (8)
- 1本の接地線と複数の交流線によって形成され、電力を消費する負荷装置に商用電源を接続する電力供給線と、
前記電力供給線に接続された主発電装置と、
前記電力供給線に接続された付加電源と、
各々の前記交流線上にそれぞれ設けられ、前記商用電源と前記主発電装置および前記付加電源との間に配置された複数の電流検出装置と、
それぞれの前記交流線上の電圧を検出する電圧検出装置と、
前記電流検出装置および前記電圧検出装置による検出値に基づき、前記主発電装置および前記負荷装置の作動を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記主発電装置による発電を停止させた状態で、複数の前記交流線のすべてではない一部の前記交流線上の前記電流検出装置によって、前記商用電源に向けた電流を検出した時、前記商用電源に向けた電流が検出された前記交流線に接続された前記負荷装置を起動し、前記負荷装置の起動前後における前記交流線上の電流の増減を検出し、前記負荷装置の起動前に比べ、前記負荷装置の起動後の電流が増大したことを検出した場合、前記商用電源に向けた電流が検出された前記交流線上の前記電流検出装置の取付向きが逆方向であると判定し、前記負荷装置の起動前に比べ、前記負荷装置の起動後の電流が減少したことを検出した場合、前記商用電源に向けた電流が検出された前記交流線上において、前記付加電源から前記商用電源に向けて逆潮流が発生していると判定する分散型電源システム。 - 前記制御装置は、
前記主発電装置による発電を停止させた状態で、すべての前記交流線上において前記商用電源に向けた電流が検出された時、すべての前記交流線上の前記電流検出装置の取付向きが逆方向であると判定する請求項1記載の分散型電源システム。 - 前記制御装置は、
前記主発電装置による発電を停止させた状態で、前記交流線上における電圧位相に対する電流位相が所定量だけ相違した時、当該交流線において、前記商用電源に向けた電流を検出する請求項1または2に記載の分散型電源システム。 - 前記制御装置は、
二通りの作動時間によって前記負荷装置を起動して、それぞれの場合において、前記負荷装置の起動前後における前記交流線の電流の増減を検出し、
双方の場合において前記交流線の電流がともに増大した場合、前記商用電源に向けた電流が検出された前記交流線上の前記電流検出装置の取付向きが逆方向であると判定し、
双方の場合において前記交流線の電流がともに減少した場合、前記商用電源に向けた電流が検出された前記交流線上において、前記付加電源から前記商用電源に向けて逆潮流が発生していると判定する請求項1記載の分散型電源システム。 - 前記制御装置は、
前記商用電源に向けた電流が検出された前記交流線における所定周期分の電流波形について、
前記負荷装置を起動させる前に対して、前記負荷装置を起動させた後の電流の増大量が所定範囲内である波形が、全体に対して所定の割合以上である場合に前記交流線の電流が増大したと判定し、
前記負荷装置を起動させる前に対して、前記負荷装置を起動させた後の電流の減少量が所定範囲内である波形が、全体に対して所定の割合以上である場合に前記交流線の電流が減少したと判定する請求項1記載の分散型電源システム。 - 前記主発電装置は、
燃料電池発電装置である請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の分散型電源システム。 - 前記主発電装置には、
発電による発熱を回収する冷却水循環路が接続されており、
前記負荷装置は、
前記冷却水循環路に設けられた冷却水加温ヒータである請求項1乃至6のうちのいずれか一項に記載の分散型電源システム。 - 1本の接地線と複数の交流線によって形成され、電力を消費する負荷装置に商用電源を接続する電力供給線と、
前記電力供給線に接続された主発電装置と、
前記電力供給線に接続された付加電源と、
各々の前記交流線上にそれぞれ設けられ、前記商用電源と前記主発電装置および前記付加電源との間に配置された複数の電流検出装置と、
それぞれの前記交流線上の電圧を検出する電圧検出装置と、
を備えた分散型電源システムの診断方法であって、
前記主発電装置による発電を停止させた状態で、前記交流線上の前記電流検出装置によって、前記商用電源に向けた電流を検出する電流方向検出ステップと、
複数の前記交流線のすべてではない一部の前記交流線上の前記電流検出装置によって、前記商用電源に向けた電流を検出した時、前記主発電装置による発電を停止させた状態で、前記商用電源に向けた電流を検出した前記交流線に接続された前記負荷装置を起動し、前記負荷装置の起動前後における前記交流線上の電流の増減を検出する電流変化量検出ステップと、
前記負荷装置の起動前に比べ、前記負荷装置の起動後の電流が増大したことを検出した場合、前記商用電源に向けた電流を検出した前記交流線上の前記電流検出装置の取付向きが逆方向であると判定し、前記負荷装置の起動前に比べ、前記負荷装置の起動後の電流が減少したことを検出した場合、前記商用電源に向けた電流が検出された前記交流線上において、前記付加電源から前記商用電源に向けて逆潮流が発生していると判定する取付方向判定ステップと、
を備えた分散型電源システムの診断方法。
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