JP6064873B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Description
スリーブは、ベーンロータの中央部で軸方向へ延びるように筒状に形成され、ハウジング内の進角室に連通している進角ポート、および、ハウジング内の遅角室に連通している遅角ポートを有している。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1に示す。バルブタイミング調整装置5は、内燃機関90のクランク軸91に対しカム軸92を相対回転させることによって、カム軸92が開閉駆動する図示しない吸気弁のバルブタイミングを調整するものであり、クランク軸91からカム軸92までの駆動力伝達系に設けられている。クランク軸91は、特許請求の範囲に記載の「駆動軸」であり、カム軸92は、特許請求の範囲に記載の「従動軸」である。
先ず、バルブタイミング調整装置5の全体構成について図1、図2を参照して説明する。
図1、図2に示すように、バルブタイミング調整装置5は、ハウジング10、ベーンロータ20、および油圧制御弁30を備えている。
ハウジング10は、ケース11およびスプロケット12から構成されている。
ケース11は、カップ状であり、外郭から径方向内側に突き出す複数の突出部13を形成している。各突出部13は、周方向で互いに離間するように配置されている。
ケース11およびスプロケット12は、カム軸92と同軸上に配置されており、周方向の複数箇所をボルト16により一体に固定されている。カム軸92は、特許請求の範囲に記載の「第1軸」に相当する。
ボス21は、後述の軸状部材33およびナット40によってカム軸92に固定されており、カム軸92と一体に回転可能である。
ベーンロータ20は、進角室23または遅角室24に供給される作動油の圧力を受けることによってハウジング10に対し相対回転し、ハウジング10に対する回転位相を進角側または遅角側に変化させる。
スリーブ31は、軸状部材33の一部を構成しており、ベーンロータ20のボス21の中央部で軸方向へ延びるように筒状に形成されている。また、スリーブ31は、進角油路27に連通している進角ポート34、遅角油路28に連通している遅角ポート35、および、供給油路29に連通している供給ポート36を有している。軸状部材33については後に詳述する。
また、回転位相が目標値と一致する場合、油圧制御弁30によって進角室23および遅角室24が閉じられる。これにより、回転位相が保持される。
次に、バルブタイミング調整装置5の特徴構成について図1〜図3を参照して説明する。
軸状部材33は、スリーブ31および固定ロッド50を形成している。
以上説明したように、第1実施形態によるバルブタイミング調整装置5は、スリーブ31から軸方向へ突き出すように当該スリーブ31と一体に形成されている固定ロッド50を備えている。固定ロッド50は、カム軸92の端面に開く収容穴51内に挿入され、スリーブ31の外壁面に開く供給ポート36、進角ポート34および遅角ポート35の周方向位置が、ベーンロータ20の内壁面に開く供給油路29、進角油路27および遅角油路28の周方向位置と一致する状態で、収容穴51の小径穴部53の内壁面から突き出すピン55が嵌合孔56と係合することによって、周方向の回転が規制されている。
したがって、第1実施形態によれば、スリーブ31自体を締結用部材としながら、ベーンロータ20に対するスリーブ31の周方向位置を任意に決めることができる。
したがって、ベーンロータ20に対するスリーブ31の周方向位置を任意の位置で固定しつつ、ナット40の締め込みにより固定ロッド50に作用する引張荷重をピン55で支持することができる。
本発明の第2実施形態によるバルブタイミング調整装置70について図4〜図7を参照して説明する。
図4、図5に示すように、第2実施形態では、カム軸71は、収容穴51の小径穴部53から径方向外側に貫通する一対の通孔72を有している。通孔72には、収容穴51の小径穴部53の内壁面から当該小径穴部53内に突き出すようにピン73が圧入されて固定されている。
したがって、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スリーブ31自体を締結用部材としながら、ベーンロータ20に対するスリーブ31の周方向位置を任意に決めることができる。また、第2実施形態によれば、ナット40の締め込みにより固定ロッド75に作用する引張荷重をピン73で支持することができる。
本発明の第3実施形態によるバルブタイミング調整装置80について図8〜図11を参照して説明する。
図8〜図11に示すように、軸状部材81の固定ロッド82の端部は、ピン73が挿入される凹部を外壁に有している。本実施形態では、上記凹部は、固定ロッド82の端面84からスリーブ31側に軸方向へ延びている導入溝85と、導入溝85から周方向へ延びている周方向溝86と、周方向溝86からスリーブ31とは反対側に軸方向へ延びている軸方向溝87と、を含む。
したがって、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、スリーブ31自体を締結用部材としながら、ベーンロータ20に対するスリーブ31の周方向位置を任意に決めることができる。また、第3実施形態によれば、ナット40の締め込みにより固定ロッド82に作用する引張荷重をピン73で支持することができる。
本発明の他の実施形態では、ピンは、カム軸に圧入されず、固定ロッドに圧入されてもよい。また、ピンは、圧入以外の方法によってカム軸および固定ロッドの一方、または両方に固定されてもよい。
本発明の他の実施形態では、カム軸の収容穴の内壁面から突き出す突起は、ピンに限らず、カム軸と同一の部材から形成されてもよい。
第1実施形態では、ピンは、固定ロッドを貫通するように設けられていた。これに対し、本発明の他の実施形態では、ピンは、固定ロッドを貫通していなくてもよい。
第2実施形態および第3実施形態では、ピンは2つ設けられ、また固定ロッドの凹部は2箇所に形成されていた。これに対し、本発明の他の実施形態では、ピンは、1つ、または3つ以上であってもよい。また、本発明の他の実施形態では、固定ロッドの凹部は、1箇所、または3箇所以上に形成されてもよい。
本発明の他の実施形態では、ベーンロータは、クランク軸と一体に回転可能であり、ハウジングは、カム軸と一体に回転可能であってもよい。
本発明の他の実施形態では、スリーブは、供給ポート、進角ポートおよび遅角ポートの他にポートを有していてもよい。また、ベーンロータは、供給油路、進角油路および遅角油路の他に油路を有していてもよい。
本発明の他の実施形態では、ベーンロータは、供給油路を有さず、スリーブの供給ポートには、例えばカム軸などの他の部材が有する供給油路から作動油が供給されてもよい。
本発明の他の実施形態では、バルブタイミング調整装置は、内燃機関の排気弁のバルブタイミングを調整するものであってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10・・・ハウジング 23・・・進角室
24・・・遅角室 27・・・進角油路
28・・・遅角油路 20・・・ベーンロータ
34・・・進角ポート 35・・・遅角ポート
31・・・スリーブ 32・・・スプール
51・・・収容穴 55、73・・・ピン(突起)
50、75、82・・・固定ロッド 92、71・・・カム軸(従動軸、第1軸)
Claims (6)
- 内燃機関(90)の駆動軸(91)から従動軸(92、71)まで駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記従動軸により開閉駆動される吸気弁および排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置(5、70、80)であって、
前記駆動軸および前記従動軸の一方を第1軸とし、他方を第2軸とすると、
前記第1軸の端部において当該第1軸と同軸上に設けられ、前記第2軸と一体に回転可能なハウジング(10)と、
前記ハウジング内に設けられ、前記第1軸と一体に回転可能であり、前記ハウジング内で進角室(23)および遅角室(24)を区画形成し、前記進角室と連通している進角油路(27)、および、前記遅角室と連通している遅角油路(28)を有しているベーンロータ(20)と、
前記ベーンロータの中央部で軸方向へ延びるように筒状に形成され、前記進角油路に連通している進角ポート(34)、および、前記遅角油路に連通している遅角ポート(35)を有しているスリーブ(31)と、
前記スリーブ内で軸方向へ往復移動可能であり、軸方向位置に応じて前記進角ポートおよび前記遅角ポートを開閉可能なスプール(32)と、
前記スリーブから軸方向へ突き出すように当該スリーブと一体に形成され、前記第1軸の端面に開く収容穴(51)内に挿入され、前記進角ポートおよび前記遅角ポートの周方向位置が、前記ベーンロータの内壁面に開く前記進角油路および前記遅角油路の周方向位置と一致する状態で、前記収容穴の内壁面から突き出す突起(55、73)と係合することによって周方向の回転が規制される固定ロッド(50、75、82)と、
を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記スリーブは、前記ベーンロータに対し前記固定ロッドとは反対側に突き出し、
前記スリーブのうち前記ベーンロータから突き出している部分の外壁には、ねじ(59)が形成され、
前記固定ロッドは、前記突起と係合することによって前記スリーブ側への軸方向移動が規制され、
前記スリーブの前記ねじに締め込まれ、前記第1軸との間に前記ベーンロータを挟持して固定しているナット(40)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記第1軸(71)は、前記収容穴から径方向外側に貫通する通孔(72)を有し、
前記突起は、前記第1軸の前記通孔に挿入されるピン(73)であり、
前記固定ロッド(75、82)は、前記ピンが挿入される凹部(77、78、85、86、87)を外壁に有していることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置(70、80)。 - 前記固定ロッド(75)の前記凹部は、当該固定ロッドの端面(76)から前記スリーブ側に軸方向へ延びている導入溝(77)と、前記導入溝から周方向へ延びている周方向溝(78)と、を含み、
前記固定ロッドは、前記周方向溝のうち前記導入溝との接続部とは反対側の端部(79)が前記突起と係合することによって、軸方向移動が規制されつつ前記ナットの締め込み方向への回転が規制されることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置(70)。 - 前記固定ロッド(82)の前記凹部は、当該固定ロッドの端面(84)から前記スリーブ側に軸方向へ延びている導入溝(85)と、前記導入溝から周方向へ延びている周方向溝(86)と、前記周方向溝から前記スリーブとは反対側に軸方向へ延びている軸方向溝(87)と、を含み、
前記固定ロッドは、前記軸方向溝のうち前記周方向溝との接続部とは反対側の端部(88)が前記突起と係合することによって、前記スリーブ側への軸方向移動が規制されつつ周方向の回転が規制されることを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置(80)。 - 前記第1軸(92)は、当該第1軸の軸心(65)と直交する方向へ貫通する通孔(54)を有し、
前記突起は、前記第1軸の前記通孔に挿入されるピン(55)であり、
前記固定ロッド(50)は、前記ピンが嵌合する嵌合孔(56)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置(5)。
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