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JP6060803B2 - ポリマー生成物、フイルム、成型品、シート、粒子、繊維、及びポリマーの製造方法 - Google Patents

ポリマー生成物、フイルム、成型品、シート、粒子、繊維、及びポリマーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリマー生成物、ポリマー生成物を含有するフイルム、成型品、シート、粒子、及び繊維、並びにポリマーの製造方法に関する。
従来、脂肪族ポリカーボネートは、各種機械部品、電気絶縁性材料、自動車部品、光ディスク等の情報機器材料、及びヘルメット等の安全防護材料等の分野で使用されている。脂肪族ポリカーボネートの製造方法としては、酸化エチレンおよび二酸化炭素を共重合する方法が提案されている(特許文献1参照)。この提案によると、亜鉛グルタレートおよび塩化メチレンを充填した反応器中で、モノマーとしての酸化エチレン(118g)及び二酸化炭素を共重合することにより、109gの収量でポリマーが得られるとしている。ところが、この方法によりポリエチレンカーボネートを製造した場合、相当量のモノマーがポリマー生成物中に残留する。残留したモノマーは、強度や耐熱性等のポリマー生成物の物性を低下させる。
脂肪族ポリカーボネートの他の製造方法としては、開環重合性モノマーを開環重合する方法が知られている。例えば、sec−ブチルリチウムを開始剤として、2,2−ジメチルトリメチレンカーボネートをトルエン中、10℃で開環重合させることで、90mol%以上のポリマー転化率でポリカーボネートが得られる。ところが、この製造方法によりポリマーを製造した場合、10mol%程度のモノマーが生成物に残留する。残留したモノマーは、生成物の加水分解触媒として機能したり、耐熱性を低下させたりする。
ポリエチレンカーボネートにおいてモノマー量を低減させる方法としては、圧縮性流体としての二酸化炭素、及び、触媒としての1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を用いてエチレンカーボネートを開環重合する方法が知られている(特許文献2参照)。この方法によると、残存モノマー量が900ppmのポリマー生成物が得られる。ところが、この方法により開環重合性モノマーを開環重合して脂肪族ポリカーボネートを製造した場合、一部のカーボネート基は脱炭酸によりエーテル化して、オキシドユニットが生成する。生成したオキシドユニットは、ポリマー生成物のガスバリア性やUV安定性を低下させる。
脂肪族ポリカーボネートを含有するポリマー生成物において、モノマー含有率およびオキシドユニット含有率の双方を低減させることは困難であった。
請求項1に係る発明のポリマー生成物は、脂肪族ポリカーボネートを含有し、前記脂肪族ポリカーボネートにおけるオキシドユニット含有率が20mol%以下であり、前記脂肪族ポリカーボネートの基質であるモノマーの含有率が500ppm以下であり、前記脂肪族ポリカーボネートは、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、又はポリトリメチレンカーボネートであることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によると、モノマー含有率およびオキシドユニット含有率の双方が低減されたポリマー生成物を提供することができるという効果を奏する。
温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。 本実施形態において圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。 連続式の重合工程の一例を示す系統図である。 連続式の重合工程の一例を示す系統図である。 複合体製造装置を示す模式図である。 複合体製造装置を示す模式図である。 バッチ式の重合工程の一例を示す系統図である。 バッチ式の重合工程の一例を示す系統図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本発明の一実施形態にかかるポリマー生成物は、脂肪族ポリカーボネートを含有し、脂肪族ポリカーボネートにおけるオキシドユニット含有率が20mol%以下であり、脂肪族ポリカーボネートの基質であるモノマーの含有率が500ppm以下であることを特徴とする。本実施形態において、「脂肪族ポリカーボネート」とは、繰り返し単位として炭酸アルキルエステルを含むポリマーを意味し、単独重合体および共重合体を含む。また、本実施形態において、「脂肪族ポリカーボネートの基質であるモノマー」とは、重合することにより脂肪族ポリカーボネートとなる有機物のモノマーである。本実施形態において「ポリマー生成物」とは、脂肪族ポリカーボネートおよび脂肪族ポリカーボネートの基質であるモノマーを含む組成物を意味する。
<<原材料>>
上記のポリマー生成物は、ルイス酸系触媒およびルイス塩基系触媒(以下、混合触媒と言う)、並びに、圧縮性流体の存在下、炭酸エステルを有する開環重合性モノマーを開環重合して得られる。まず、上記のポリマーの製造に用いられる開環重合性モノマー、混合触媒などの原材料について説明する。本実施形態において、原材料とは、ポリマーを製造するもとになる材料であって、モノマーを含み、更に必要に応じて適宜選択した開始剤、添加剤などの任意成分を含む。
<開環重合性モノマー>
本実施形態において、開環重合性モノマーとは、開環重合に用いられる環状のモノマーを意味する。炭酸エステルを有する開環重合性モノマーとしては、特に限定されないが、環状カーボネートが挙げられる。環状カーボネートとしては、例えば、五員環の環状カーボネート、六員環の環状カーボネート等が挙げられる。五員環の環状カーボネートは、副反応として脱炭酸を引き起こしやすいが、ガスバリア性が高い。環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、トリメチレンカーボネートなどが挙げられ、これらのうち五員環のものが好ましい。
重合反応において、上記の開環重合性モノマーを一種類単独で使用しても、複数種類の上記の開環重合性モノマーを組み合わせて使用しても良い。また、炭酸エステルを有する開環重合性モノマーと、他の開環重合性モノマーとを組み合わせて用いても良い。他の開環重合性モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、ラクチドやカプロラクトンなどが挙げられる。
<混合触媒>
本実施形態で用いられる混合触媒は、以下に示すようなルイス酸系触媒とルイス塩基系触媒とを含むものである。本実施形態のポリマー生成物は、これらのルイス酸系触媒とルイス塩基系触媒とを含む。
(ルイス酸系触媒)
本実施形態においてルイス酸系触媒とは、炭酸エステルを有する開環重合性モノマーの開環重合反応の速度を速めるものであって、ルイス酸であるものを意味する。ルイス酸系触媒としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属錯体が挙げられる。ルイス酸系触媒の具体例としては、オクチル酸錫、ジブチル酸錫、ジ(2−エチルヘキサン酸)スズ、アルミニウムアセチルアセトナート、酢酸アルミニウム、三塩化アルミニウム、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、四塩化チタン、ジルコニウムイソプロオイキシド、三酸化アンチモン、三フッ化ホウ素、臭化鉄(III)、塩化鉄(III)、三塩化ホウ素、などが挙げられる。
(ルイス塩基系触媒)
本実施形態においてルイス塩基系触媒とは、炭酸エステルを有する開環重合性モノマーの開環重合反応の速度を速めるものであって、ルイス塩基であるものを意味する。ルイス塩基系触媒としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、開環重合性モノマーの開環重合反応に寄与し、開環重合性モノマーとの活性中間体を形成した後、アルコールとの反応で脱離、再生するものが好ましい。
ルイス塩基系触媒の具体例としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、環状モノアミン、環状ジアミン(例えば、アミジン骨格を有する環状ジアミン化合物など)、グアニジン骨格を有する環状トリアミン化合物、窒素原子を含有する複素環式芳香族有機化合物、N−ヘテロサイクリックカルベン、キヌクリジン、1,4−ジアザビシクロ−[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、ジアザビシクロノネン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン(TBD)、ジフェニルグアニジン(DPG)、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン(DMAP)、4−ピロリジノピリジン(PPY)、ピロコリン、イミダゾール、ピリミジン、プリン、1,3−ジ−tert−ブチルイミダゾール−2−イリデン(ITBU)、などが挙げられる。
これらの中でも、立体障害による影響が少なく求核性が高い、或いは、減圧除去可能な沸点を有するという理由により、DABCO、DBU、DPG、TBD、DMAP、PPY、ITBUが好ましい。
混合触媒を構成するルイス酸系触媒及びルイス塩基系触媒の組み合わせは、目的に応じて適宜選択される。なお、ルイス酸系触媒およびルイス塩基系触媒はそれぞれ複数混合しても良い。また、混合触媒を構成するルイス酸系触媒とルイス塩基系触媒の混合比は、混合する触媒の性質によって適宜選択されるが、例えば、1/100乃至100/1である。混合触媒の使用量は、製造に用いられる圧縮性流体、開環重合性モノマー、あるいは、混合する触媒の組合せによって変わるので一概には特定できないが、例えば、開環重合性モノマー100mol%に対して、0.001mol%以上15mol%以下が好ましく、0.1mol%以上1mol%以下がより好ましく、0.3mol%上0.5mol%以下が特に好ましい。使用量が、0.001mol%未満であると、重合反応が完了する前に触媒が失活して、目標とする分子量のポリマー生成物が得られない場合がある。一方、使用量が、15mol%を超えると、重合反応の制御が難しくなる場合がある。
混合触媒を用いた重合反応のメカニズムは明らかではないが、ルイス塩基系触媒は主に、重合を開始させる役割を果たしていると考えられ、ルイス酸系触媒は、主に、反応平衡をカーボネート側に移動させる役割を果たすと考えられる。この二つの作用により、オキシドユニット量が少ないポリマーの生成が可能となったと考えられる。
また、圧縮性流体中でルイス酸系触媒とルイス塩基系触媒の混合触媒を使用することで各々の触媒活性が相殺されることなく反応平衡のバランスが調整され、有機溶剤を使用せず、脱炭酸と環状オリゴマーの発生が抑えられる。
<開始剤>
開始剤は、開環重合により得られるポリマー生成物の分子量を制御するために用いられる。
開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール系であれば、脂肪族アルコールのモノ、ジ、又は多価アルコールのいずれでもよく、また飽和、不飽和のいずれであっても構わない。
開始剤としては、例えば、モノアルコール、多価アルコール、乳酸エステルなどが挙げられる。モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、などが挙げられる。多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等のジアルコール;グリセロール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、エリスリトール、トリエタノールアミン、などが挙げられる。乳酸エステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ポリカプロラクトンジオール、ポリテトラメチレングリコールのような末端にアルコール残基を有するポリマー生成物を開始剤に使用することもできる。これにより、ジブロック共重合体や、トリブロック共重合体などが合成される。
重合工程における前記開始剤の使用量は、目標とする分子量に応じて適宜調整すればよく、開環重合性モノマー100mol%に対して、0.1mol%以上5mol%以下が好ましい。不均一に重合が開始されるのを防ぐために、開環重合性モノマーが触媒に触れる前にあらかじめ開環重合性モノマーと開始剤とをよく混合しておくことが好ましい。
<添加剤>
開環重合に際しては、必要に応じて添加剤を添加してもよい。添加剤の例としては、界面活性剤、酸化防止剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤等が挙げられる。界面活性剤としては、圧縮性流体に溶融し、かつ圧縮性流体と前記開環重合性モノマーの双方に親和性を有するものが好適に用いられる。このような界面活性剤を使用することで、重合反応を均一に進めることができ、分子量分布の狭い生成物が得られるとともに、粒子状のポリマー生成物を得やすくなる等の効果を期待できる。界面活性剤を用いる場合、圧縮性流体に加えても、開環重合性モノマーに加えてもよい。例えば、圧縮性流体として二酸化炭素を用いた場合には、親二酸化炭素基と親モノマー基を分子内に持つ界面活性剤が使用される。このような界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などが挙げられる。
<圧縮性流体>
次に、図1及び図2を用いて本実施形態においてポリマーの製造に用いられる圧縮性流体について説明する。図1は、温度と圧力に対する物質の状態を示す相図である。図2は、圧縮性流体の範囲を定義するための相図である。本実施形態において、「圧縮性流体」とは、物質が、図1で表される相図の中で、図2に示す(1)、(2)、及び(3)のいずれかの領域に存在するときの状態を意味する。
このような領域においては、物質はその密度が非常に高い状態となり、常温常圧時とは異なる挙動を示すことが知られている。なお、物質が(1)の領域に存在する場合には超臨界流体となる。超臨界流体とは、気体と液体とが共存できる限界(臨界点)を超えた温度・圧力領域において非凝縮性高密度流体として存在し、圧縮しても凝縮しない流体のことである。また、物質が(2)の領域に存在する場合には液体となるが、本実施形態においては、常温(25℃)、常圧(1気圧)において気体状態である物質を圧縮して得られた液化ガスを表す。また、物質が(3)の領域に存在する場合には気体状態であるが、本実施形態においては、圧力が臨界圧力(Pc)の1/2(1/2Pc)以上の高圧ガスを表す。
圧縮性流体を構成する物質としては、例えば、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化二窒素、窒素、メタン、エタン、プロパン、2,3−ジメチルブタン、エチレン、などが挙げられる。これらの中でも、二酸化炭素は、臨界圧力が約7.4MPa、臨界温度が約31℃であって、容易に超臨界状態を作り出せること、不燃性で取扱いが容易であることなどの点で好ましい。これらの圧縮性流体は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
<<重合反応装置>>
続いて、図3および図4を用いて、本実施形態においてポリマーの製造に用いられる重合反応装置について説明する。図3および図4は、重合工程の一例を示す系統図である。まず、図3を用いて重合反応装置100について説明する。重合反応装置100は、開環重合性モノマーなどの原材料および圧縮性流体を供給する供給ユニット100aと、供給ユニット100aによって供給された開環重合性モノマーを重合させるポリマー製造装置の一例としての重合反応装置本体100bとを有する。供給ユニット100aは、タンク(1,3,5,7,11)と、計量フィーダー(2,4)と、計量ポンプ(6,8,12)と、を有する。重合反応装置本体100bは、重合反応装置本体100bの一端部に設けられた接触部9と、送液ポンプ10と、反応部13と、計量ポンプ14と、重合反応装置本体100bの他端部に設けられた押出口金15とを有する。
供給ユニット100aのタンク1は、開環重合性モノマーを貯蔵する。貯蔵される開環重合性モノマーは粉末であっても液体の状態であってもよい。タンク3は、開始剤、混合触媒及び添加剤のうち固体(粉末又は粒状)のものを貯蔵する。タンク5は、開始剤、混合触媒及び添加剤のうち液体のものを貯蔵する。または、タンク5と併設するように新たなタンクを設置し、開始剤、または混合触媒及び添加剤の固体または液体を貯蔵することもできる。タンク7は、圧縮性流体を貯蔵する。なお、タンク7は、接触部9に供給される過程で、或いは、接触部9内で加熱又は加圧されて圧縮性流体となる気体(ガス)、又は、固体を貯蔵してもよい。この場合、タンク7に貯蔵される気体又は固体は、加熱又は加圧されることにより、接触部9内で図2の相図における(1)、(2)、又は(3)の状態となる。
計量フィーダー2は、タンク1に貯蔵された開環重合性モノマーを計量して接触部9に連続的に供給する。計量フィーダー4は、タンク3に貯蔵された固体を計量して接触部9に連続的に供給する。計量ポンプ6は、タンク5に貯蔵された液体を計量して接触部9に連続的に供給する。計量ポンプ8は、タンク7に貯蔵された圧縮性流体を一定の圧力及び流量で接触部9に連続的に供給する。なお、本実施形態において連続的に供給するとは、バッチ毎に供給する方法に対する概念であって、開環重合性モノマーを開環重合して得られるポリマー生成物が連続的に得られるように供給することを意味する。即ち、開環重合性モノマーを開環重合して得られるポリマー生成物が連続的に得られる限り、各材料は、断続的、或いは、間欠的に供給されてもよい。また、開始剤及び添加剤がいずれも固体の場合には、重合反応装置100は、タンク5及び計量ポンプ6を有していなくてもよい。同様に、開始剤及び添加剤がいずれも液体の場合には、重合反応装置100は、タンク3及び計量フィーダー4を有していなくてもよい。
本実施形態において、重合反応装置本体100bは、一端部に、開環重合性モノマーを導入するモノマー導入口を有し、他端部に、開環重合性モノマーを重合させて得られたポリマー生成物を排出する排出口を有する管状の装置である。また、重合反応装置本体100bの一端部には、圧縮性流体を導入する圧縮性流体導入口を更に有し、一端部と前記他端部との間には、触媒を導入する触媒導入口を有する。重合反応装置本体100bの各装置は、原材料、圧縮性流体、或いは生成したポリマー生成物を輸送する耐圧性の配管30によって、図3に示されたように接続されている。また、重合反応装置の接触部9、送液ポンプ10、及び反応部13の各装置は、上記の原材料等を通過させる管状の部材を有している。
重合反応装置本体100bの接触部9は、各タンク(1,3,5)から供給された開環重合性モノマー、開始剤、添加物などの原材料と、タンク7から供給された圧縮性流体とを連続的に接触させ、原材料を混合させる(例えば、開環重合性モノマー、及び開始剤を、溶融又は溶解させる)ための耐圧性の装置或いは管などにより構成される。本実施形態において、「溶融」とは、原材料又は生成したポリマー生成物が圧縮性流体と接触することで、膨潤しつつ可塑化、液状化した状態を意味する。また、「溶解」とは、原材料が圧縮性流体中に溶けることを意味する。開環重合性モノマーを溶解した場合には流体相、溶融した場合には溶融相が形成されるが、均一に反応を進めるために、溶融相又は流体相のいずれか一相が形成されていることが好ましい。また、圧縮性流体に対して原材料の比率が高い状態で反応を進行させるために、開環重合性モノマーを溶融させることが好ましい。なお、本実施形態では、原材料及び圧縮性流体を連続的に供給することにより、接触部9において、開環重合性モノマーなどの原材料と圧縮性流体とを一定の濃度の比率で連続的に接触させることができる。これにより、原材料を効率的に混合(例えば、開環重合性モノマー、及び開始剤は、溶融又は溶解させる)せることができる。
接触部9は、タンク型の装置により構成されていても、筒型の装置により構成されていてもよいが、一端から原材料を供給し、他端から溶融相或いは流体相などの混合物を取り出す筒型が好ましい。更に、接触部9は、原材料、圧縮性流体などを攪拌する攪拌装置を有していてもよい。接触部9が攪拌装置を有する場合、攪拌装置としては、一軸のスクリュウ、互いに噛み合う二軸のスクリュウ、互いに噛み合う又は重なり合う多数の攪拌素子をもつ二軸の混合機、互いに噛み合うらせん形の攪拌素子を有するニーダー、スタティックミキサーなどが好ましく用いられる。特に、互いに噛み合う二軸又は多軸攪拌装置は、攪拌装置や容器への反応物の付着が少なく、セルフクリーニング作用があるので好ましい。接触部9が攪拌装置を有していない場合、接触部9としては、耐圧性の配管30の一部によって構成されることが好ましい。なお、接触部9が配管30によって構成される場合、接触部9内での各材料を確実に混合するため、接触部9に供給される開環重合性モノマーは予め液化されていることが好ましい。
接触部9には、計量ポンプ8によってタンク7から供給された圧縮性流体を導入する圧縮性流体導入口の一例としての導入口9aと、計量フィーダー2によってタンク1から供給された開環重合性モノマーを導入するモノマー導入口の一例としての導入口9bと、計量フィーダー4によってタンク3から供給された粉末を導入する導入口9cと、計量ポンプ6によってタンク5から供給された液体を導入する導入口9dとが設けられている。本実施形態において各導入口(9a,9b,9c,9d)は、接触部9において原材料などを供給するためのシリンダー或いは配管30の一部などの管状の部材と、各原材料又は圧縮性流体を輸送する各配管とを接続する継手によって構成される。この継手としては、特に制限されず、レデューサー、カップリング、Y、T、アウトレットなどの公知のものが用いられる。また、接触部9は、供給された各原材料及び圧縮性流体を加熱するためのヒータ9eを有している。
送液ポンプ10は、接触部9で形成された溶融相或いは流体相などの混合物を反応部13に送液する。タンク11は、触媒を貯蔵する。計量ポンプ12は、タンク11に貯蔵された触媒を計量して反応部13に供給する。
反応部13は、送液ポンプ10によって送液された各原材料と、計量ポンプ12によって供給された触媒とを混合して、開環重合性モノマーを開環重合させるための耐圧性の装置或いは管などにより構成される。反応部13は、タンク型の装置により構成されていても、筒型の装置により構成されていてもよいが、デッドスペースが少ない筒型が好ましい。更に、反応部13は、原材料、圧縮性流体などを攪拌する攪拌装置を有していてもよい。反応部13の攪拌装置としては、互いに噛み合うスクリュウや、2フライト(長円形)や3フライト(三角形様)などの攪拌素子、円板又は多葉形(クローバー形など)の攪拌翼をもつ二軸又は多軸のものがセルフクリーニングの観点から好ましい。あらかじめ触媒を含む原材料が充分に混合されている場合には、案内装置により流れの分割と複合(合流)を多段的に行う静止混合器も攪拌装置に応用できる。静止型混合器としては、特公昭47−15526号公報、特公昭47−15527号公報、特公昭47−15528号公報、特公昭47−15533号公報などで開示されたもの(多層化混合器)、及び特開昭47−33166号公報に開示されたもの(ケニックス型)、及びそれらに類似する可動部のない混合装置が挙げられる。反応部13が攪拌装置を有していない場合、反応部13は、耐圧性の配管30の一部によって構成される。この場合、配管の形状は特に限定されないが、装置をコンパクト化するために、らせん状のものが好適に用いられる。
反応部13には、接触部9で混合させた原材料を導入するための導入口13aと、計量ポンプ12によってタンク11から供給された触媒を導入する触媒導入口の一例としての導入口13bとが設けられている。本実施形態において各導入口(13a,13b)は、反応部13において原材料などを通過させるシリンダー或いは配管30の一部などの管状の部材と、各原材料又は圧縮性流体を供給するための各配管とを接続する継手によって構成される。この継手としては、特に制限されず、レデューサー、カップリング、Y、T、アウトレットなどの公知のものが用いられる。なお、反応部13には、蒸発物を除去するための気体出口が設けられていてもよい。また、反応部13は、送液された原材料を加熱するためのヒータ13cを有している。
図3では、反応部13が1個の例を示したが、重合反応装置100は、2個以上の反応部13を有していてもよい。複数の反応部13を有する場合、反応部13毎の反応(重合)条件、即ち温度、触媒濃度、圧力、平均滞留時間、攪拌速度などは、同一でもよいが、重合の進行にあわせて、それぞれ最適の条件を選ぶことが好ましい。なお、反応時間の増加や装置の煩雑化を招くため、あまり多くの反応部13を多段的に結合することは得策でなく、段数は1以上4以下、特に1以上3以下が好ましい。
一般的には、反応部を1個だけで重合した場合、開環重合性モノマーが開環重合して得られるポリマー生成物の重合度や残存モノマー量が不安定で変動し易く、工業生産に適しないとされている。これは、溶融粘度数ポイズから数10ポイズ程度の原材料と、溶融粘度数1,000ポイズ程度の重合されたポリマー生成物とが混在するための不安定さに起因するものと思われる。これに対し、本実施形態では、原材料と生成したポリマー生成物とが溶融(液状化)することによって反応部13内(重合系ともいう)の粘度差を小さくすることが可能となるため、従来の重合反応装置より段数を減らしても、安定的にポリマー生成物を製造することができる。
計量ポンプ14は、反応部13で重合されたポリマー生成物Pを、押出口金15から、反応部13の外に送り出す。なお、反応部13の内外の圧力差を利用することにより、計量ポンプ14を用いずにポリマー生成物Pを反応部13内から送り出すこともできる。この場合、反応部13内の圧力やポリマー生成物Pの送り出し量を調整するために、計量ポンプ14に変えて、図4に示したように、圧調整バルブ16を用いることもできる。
また、重合反応装置本体100bはその他の手段を有していても良い。その他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリマー生成物の冷却処理(冷却工程)に用いられる冷却手段、乾燥処理(乾燥工程)に用いられる乾燥手段、押出処理(押出工程)に用いられる押出手段などが挙げられる。
押出手段とは、重合反応装置本体100bで得られたポリマー生成物Pを外部に押し出す手段であり、例えば、ギアポンプ、単軸押出機、多軸押出機などが挙げられる。上記の押出手段を用いることにより、重合反応装置本体100bからポリマー生成物を取り出すことができる。
また、重合反応において有機溶媒をエントレーナーとして使用することもでき、それにより反応時間を短縮できる場合もある。
<<ポリマー製造方法>>
続いて、重合反応装置100を用いたポリマー生成物の連続式の製造方法について説明する。本実施形態では、開環重合性モノマーと、圧縮性流体と、必要に応じてその他の成分と、を連続的に供給し、接触させて、開環重合性モノマーを連続的に開環重合させてポリマー生成物を連続的に得る。この場合、まず、各計量フィーダー(2,4)及び計量ポンプ6、計量ポンプ8を作動させ、各タンク(1,3,5,7)内の開環重合性モノマー、開始剤、添加剤、圧縮性流体を連続的に接触部9に供給する。混合触媒を接触部9に供給する場合、開環重合性モノマー、開始剤、添加剤、圧縮性流体とともに、混合触媒を供給しても良いし、タンクを増設して順次混合触媒を供給しても良い。また、触媒を混合する順番もルイス酸系触媒が先であっても、ルイス塩基系触媒が先であっても良い。なお、混合触媒を接触部9で添加(先添加)せず、反応部13で添加(後添加)しても良い。この場合、モノマーが完全に溶融した状態の均一相に添加されることで、モノマーと触媒の接触面積を増大させることができるという理由により、ポリマー転化率が向上するという効果が得られる。
これにより、各導入口(9a,9b,9c,9d)から、接触部9の管内に原材料及び圧縮性流体が連続的に導入される。なお、固体(粉末又は粒状)の原材料は、液体の原材料と比較して計量精度が低い場合がある。この場合、固体の原材料を前もって溶融させて液体の状態にしてタンク5に貯蔵しておき、計量ポンプ6によって接触部9の管内に導入させてもよい。各計量フィーダー(2,4)及び計量ポンプ6、計量ポンプ8を作動させる順序は、特に限定されないが、初期の原材料が圧縮流体に接触せずに反応部13に送られると、温度低下によって固化する恐れがあるため、先に計量ポンプ8を作動させることが好ましい。
計量フィーダー(2,4)及び計量ポンプ6による各原材料の各供給速度は、開環重合性モノマー、開始剤、触媒及び添加剤の所定の量比に基づいて、一定の比率となるように調整される。計量フィーダー(2,4)及び計量ポンプ6によって単位時間当たりに供給される各原材料の質量の合計(原材料の供給速度、(g/min))は、所望のポリマー物性や反応時間等に基づいて調整される。同様に、計量ポンプ8によって単位時間当たりに供給される圧縮性流体の質量(圧縮性流体の供給速度、(g/min))は、所望のポリマー物性や反応時間等に基づいて調整される。圧縮性流体の供給速度と原材料の供給速度との比(原材料の供給速度/圧縮性流体の供給速度、フィード比という)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1以上が好ましく、3以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上が特に好ましい。また、フィード比の上限値については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000以下が好ましく、100以下がより好ましく、50以下が特に好ましい。
このフィード比を1以上とすることにより、各原材料及び圧縮性流体が反応部13に送液されたときに、原材料及び生成したポリマー生成物の濃度(いわゆる固形分濃度)が高い状態で反応が進行する。このときの重合系内の固形分濃度は、従来の製造方法で圧倒的な量の圧縮性流体に対して少量の開環重合性モノマーを溶解させて重合したときの重合系の固形分濃度とは大きく異なる。本実施形態の製造方法は、固形分濃度が高い重合系でも重合反応が効率的かつ安定して進行することに特徴がある。なお、本実施形態において、フィード比を1未満としてもよく、この場合であっても、得られるポリマー生成物の品質に問題はないが、経済的な効率は劣ることになる。また、フィード比が1,000を超えると、圧縮性流体が開環重合性モノマーを溶融させる能力が不十分となる恐れがあり、目的とする反応が均一に進まない場合がある。
各原材料及び圧縮性流体は、接触部9の管内に連続的に導入されるので、それぞれが連続的に接触する。これにより、接触部9内で、開環重合性モノマー、開始剤、添加物などの各原材料が混合する。接触部9が攪拌装置を有する場合には、各原材料及び圧縮性流体を攪拌してもよい。導入された圧縮性流体が気体に変わることを避けるため、反応部13の管内の温度及び圧力は、少なくとも上記圧縮性流体の三重点以上の温度及び圧力に制御される。この場合、開環重合性モノマーと、圧縮性流体とを、3MPa以上の圧力で接触させることが好ましく、7.4MPa以上で接触させることがさらに好ましい。なお、この圧力は、例えば、ポンプの流量や配管径、配管の長さ、配管の形状などにより制御される。また、この制御は、接触部9のヒータ9eの出力或いは圧縮性流体の供給速度を調整することにより行われる。本実施形態において、開環重合性モノマーを溶融させるときの温度は、開環重合性モノマーの常圧での融点以下の温度であってもよい。これは、圧縮性流体の存在下、接触部9内が高圧となり、開環重合性モノマーの融点が常圧での融点よりも低下することによると考えられる。このため、開環重合性モノマーに対する圧縮性流体の量が少ない場合であっても、接触部9内で開環重合性モノマーは溶融する。
各原材料が効率的に混合するように、接触部9で各原材料及び圧縮性流体に熱や攪拌を加えるタイミングを調整してもよい。この場合、各原材料と圧縮性流体とを接触させた後、熱や攪拌を加えても、各原材料と圧縮性流体とを接触させながら、熱や攪拌を加えてもよい。また、より確実に混合させるため、例えば、あらかじめ開環重合性モノマーに融点以上の熱をかけてから、開環重合性モノマーと圧縮性流体とを接触させてもよい。上記の各態様は、例えば、接触部9が二軸の混合装置である場合には、スクリュウの配列、各導入口(9a,9b,9c,9d)の配置、ヒータ9eの温度を適宜設定することにより実現される。
なお、本実施形態では、開環重合性モノマーとは別に、添加物を接触部9に供給しているが、開環重合性モノマーと共に、添加物を供給してもよい。また、重合反応後に添加物を供給してもよい。この場合、反応部13から、得られたポリマー生成物を取り出した後に添加物を混錬しながら添加することもできる。
接触部9で混合させた各原材料は送液ポンプ10によって送液され、導入口13aから反応部13に供給される。一方、混合触媒を後添加する場合は、計量ポンプ12によってタンク11内の混合触媒が計量され、導入口13bから反応部13へ所定量供給される。
各原材料及び混合触媒は、必要に応じて反応部13の攪拌装置によって充分に攪拌され、或いは送液される間、ヒータ13cにより所定温度(重合反応温度)に加熱される。これにより、反応部13内で、混合触媒の存在下、開環重合性モノマーは開環重合する(重合工程)。重合反応温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200℃以下が好ましく、40℃以上180℃以下がより好ましい。重合反応温度が、200℃を超えると、開環重合の逆反応である解重合反応も平衡して起こりやすく、定量的に重合反応が進みにくくなる可能性があり、さらには着色することがある。一方、重合反応温度が、40℃未満であると、開環重合性モノマー種によっては、圧縮性流体による溶融に長い時間がかかったり、溶融が不十分であったり、触媒の活性が低くなったりする。これにより、重合時には反応速度が低下しやすくなり、定量的に重合反応を進めることができなくなる場合がある。なお、重合反応温度は、例えば、重合反応装置に設けられたヒータ或いは外部からの加熱等により制御される。
超臨界二酸化炭素を用いた従来のポリマー生成物の製造方法において、超臨界二酸化炭素はポリマー生成物の溶解能が低いことから、多量の超臨界二酸化炭素を用いて開環重合性モノマーを重合させていた。本実施形態の重合法によれば、圧縮性流体を用いたポリマー生成物の製造方法においては、従来にない高い濃度で開環重合性モノマーを開環重合させることができる。この場合、圧縮性流体の存在下、反応部13内が高圧となり、生成したポリマー生成物のガラス転移温度(Tg)が低下する。これにより、生成したポリマー生成物が低粘度化するので、ポリマー生成物の濃度が高くなった状態でも均一に開環重合反応が進行する。
本実施形態において、重合反応時間(反応部13内の平均滞留時間)は、目標とする分子量に応じて設定されるが、通常、1時間以内が好ましく、45分間以内がより好ましく、30分間以内が更に好ましい。本実施形態の製造方法によると、重合反応時間を20分間以内とすることもできる。これは、圧縮性流体中での開環重合性モノマーの重合では前例がない短時間である。
反応部13内の水分量は、開環重合性モノマー100モル%に対して、4モル%以下が好ましく、1モル%以下がより好ましく、0.5モル%以下が特に好ましい。水分量が4モル%を超えると、水分自体も開始剤として寄与するため、分子量の制御が困難となる場合がある。重合系内の水分量を制御するために、必要に応じて、前処理として、開環重合性モノマー、その他原材料に含まれる水分を除去する操作を加えてもよい。
反応部13内で開環重合反応を終えたポリマー生成物Pは、計量ポンプ14によって反応部13の外へ送り出される。計量ポンプ14がポリマー生成物Pを送り出す速度は、圧縮性流体で満たされた重合系内の圧力を一定にして、運転させ均一なポリマー生成物を得るために、一定とすることが好ましい。そのため、計量ポンプ14の背圧が一定となるように、反応部13の内部の送液機構及び送液ポンプ10の送液量は制御される。同様に、送液ポンプ10の背圧が一定となるように、接触部9内部の送液機構及び計量フィーダー(2,4)、及び計量ポンプ(6,8)の供給速度は制御される。制御方式は、ON−OFF型つまり間欠フィード型でもよいが、ポンプ等の回転速度を徐々に増減する連続又はステップ方式の方がより好ましいことが多い。いずれにせよこのような制御によって、均一なポリマー生成物を安定に得ることができる。
本実施形態により得られるポリマー生成物に残存する触媒は、必要に応じて除去される。除去方法としては、特に限定するものではないが、減圧留去や圧縮性流体を用いた抽出等が挙げられる。減圧留去する場合、減圧条件は触媒の沸点に基づいて設定される。例えば、減圧の際の温度は、100℃以上120℃以下であり、ポリマー生成物が解重合する温度より低い温度で触媒を除去することが可能である。このため、抽出操作においても溶媒として圧縮流体を用いることが好ましい。このような抽出操作としては、香料の抽出などの公知の技術が転用できる。
<<<ポリマー生成物>>>
上記の製造方法によって得られたポリマー生成物の諸物性について説明する。
<開環重合性モノマーの含有率>
本実施形態によると、ポリマー生成物における脂肪族ポリカーボネートの基質である開環重合性モノマー(炭酸エステルを有する開環重合性モノマー)の含有率は、500ppm以下であることがさらに好ましく、200ppmであることがより好ましい。なお、ポリマー生成物に含まれる炭酸エステルを有する開環重合性モノマーは、原材料としての未反応の開環重合性モノマーや、解重合反応により生じた開環重合性モノマー、すなわち残存モノマーを含む。開環重合性モノマーの含有率が500ppmより多い場合、ポリマー生成物の熱特性や耐久性が不十分となる場合がある。残存モノマーの含有率の測定方法としては、後述の実施例に記載の方法が挙げられる。
<オキシドユニットの含有率>
本実施形態において、オキシドユニットとは、ポリマー生成物に含まれるエーテル基を意味する。また、オキシドユニットの含有率とは、下記式によって表されるモル比を意味する。
オキシドユニット含有率(mol%)=脂肪族ポリカーボネートに含まれるエーテル基の数/(脂肪族ポリカーボネートに含まれるエーテル基の数+脂肪族ポリカーボネートに含まれるカーボネート基の数)
ポリマー生成物におけるオキシドユニットの含有率は、20mol%以下であり、好ましくは15mol%以下であり、より好ましくは10mol%以下であり、さらに好ましくは、5mol%以下である。オキシドユニットが、20%より大きいと、ガスバリア性やUV及び熱安定性が低下する場合がある。オキシドユニットの含有率の測定方法としては、後述の実施例に記載の方法が挙げられる。
<環状オリゴマーの含有率>
本実施形態において、環状オリゴマーとは、比較的分子量の低い環状のポリカーボネートを意味する。なお、比較的分子量が低い環状のポリカーボネートとは、例えば、100個以下のモノマーが結合した環状ポリカーボネートを意味する。リビング重合によりポリカーボネートを製造した場合、アルカリ系の開始剤が生成ポリマー鎖中の分子内のカーボネート結合を攻撃する副反応が生じ、結果として環状オリゴマーが生成する。環状オリゴマーは、ポリカーボネートを着色させ、耐熱性、耐加水分解性等を低下させ、ポリカーボネートの分解やアウトガスの増加等、物性を低下させる場合がある。本実施形態の製造方法により、混合触媒および圧縮性流体の存在下、開環重合性モノマーを開環重合させることにより、環状オリゴマーの副生が抑えられる。
ポリマー生成物における、環状オリゴマーの含有率は、10,000ppm以下であることが好ましく、5,000ppm以下であることがより好ましく、1,000ppm以下であることがさらに好ましい。環状オリゴマーの含有率が10,000ppm以上であると、着色し、耐熱性、耐加水分解性等が低下する他、熱安定性が低下しポリカーボネートの分解、ひいてはアウトガスの増加などの物性に悪影響を及ぼす可能背があり好ましくない。ポリマー生成物における環状オリゴマーの含有率の測定方法としては、後述の実施例に記載の方法が挙げられる。
<重量平均分子量>
本実施形態のポリマー生成物は、ゲルパーエミエイションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)が1,000以上であり、5,000以上が好ましく、10,000以上であることがより好ましい。重量平均分子量が、1,000未満であると、機械的強度が不十分となり、また、結晶化速度が遅くなり、成型に時間がかかってしまうことがある。重量平均分子量(Mw)の上限は、特に限定されないが、成型性の点で、例えば、1,000,000以下、好ましくは600,000以下とすることができる。ポリマー生成物における重量平均分子量の測定方法としては、後述の実施例に記載の方法が挙げられる。
<分子量分布>
ポリマー生成物の重量平均分子量Mwを数平均分子量Mnで除した分子量分布(Mw/Mn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0以上2.5以下が好ましく、1.2以上2.0以下がより好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が、2.5を超えると、低分子量成分が多くなり、ガスバリア性が低下する場合がある。分子量分布(Mw/Mn)の測定方法は特に限定されないが、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により、以下の条件で測定することができる。
・装置:GPC−8020(東ソー株式会社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:クロロホルム
・流速:0.5mL/分
濃度0.5質量%の試料を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマー生成物の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用してポリマー生成物の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出する。分子量分布はMwをMnで除した値である。
<用途>
本発明のポリマー生成物は、上述したようにオキシドユニットが少なく、ガスバリア性に優れているため、例えば、粒子、フイルム、シート、成型品、繊維等に成形して、例えば、日用品、工業用資材、農業用品、衛生資材、医薬品、化粧品、電子写真用トナー、包装材料、電気機器材料、家電筐体、自動車材料等の用途に幅広く用いられる。
また本実施形態のポリマー生成物は、有機溶媒を使用しない製法で製造することもできる。この場合、ポリマー生成物には、実質的に有機溶媒が含まれないことから、安全性、安定性に優れている。本実施形態において、有機溶媒とは、開環重合に用いられる有機物の溶媒である。開環重合反応で得られるポリマー生成物がポリエチレンカーボネートである場合には、有機溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレンなどのトルエンやテトラヒドロフランなどが挙げられる。実質的に有機溶媒を含有しないとは、以下の測定方法により測定されるポリマー生成物中の有機溶媒の含有率が具体的には検出限界(5ppm)未満であることを言う。
(残留有機溶媒の測定方法)
測定対象となるポリマー生成物1質量部に2−プロパノール2質量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、ポリマー生成物中の有機溶媒を抽出する。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A,SHIMADZU)で分析し、ポリマー生成物中の有機溶媒および残留モノマーを定量することにより有機溶媒濃度を測定する。かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。
装置 :島津GC−14A
カラム :CBP20−M 50−0.25
検出器 :FID
注入量 :1〜5μl
キャリアガス :He 2.5kg/cm2
水素流量 :0.6kg/cm2
空気流量 :0.5kg/cm2
チャートスピード:5mm/min
感度 :Range101×Atten20
カラム温度 :40℃
Injection Temp :150℃
<<成形体>>
続いて、上記の製造方法により製造されたポリマー生成物を成形して得られる粒子、フイルム、シート、成型品、繊維等の成形体について説明する。
<粒子>
上記の製造方法により得られるポリマー生成物を粒子に成形する方法としては、ポリマー生成物を従来公知の方法により粉砕する手法が挙げられる。粒子の粒径は、特に限定されないが、通常、1μm以上、50μm以下である。また、成形体の粒子が電子写真用トナーである場合、着色剤および疎水性微粒子がポリマー生成物中に混合された混合物を作製する。混合物は、結着樹脂、着色剤および疎水性微粒子の他に、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、離型剤、帯電制御剤などが挙げられる。添加物を混合する工程は、重合反応と同時でも良いし、重合反応後の後工程や、重合生成物を取り出した後に溶融混錬しながら添加しても良い。その他の粒子として、DDS(Drug Delivery System)などが挙げられる。
<フイルム>
本実施形態において、フイルムとは、ポリマー生成物を薄い膜状に成形したものであって、厚みが250μm未満のものである。本実施形態において、フイルムは、上記の製造方法により得られたポリマー生成物を延伸成形して製造される。
この場合、延伸成形法としては、特に限定されないが、汎用プラスチックの延伸成形に適用される一軸延伸成形法、同時又は逐次二軸延伸成形法(チューブラー法、テンター法等)などを採用することができる。
フイルム成形は通常150℃〜280℃の温度範囲で行われる。成形されたフイルムには、ロール法、テンター法、チューブラー法等により一軸又は二軸延伸が施される。延伸温度は、通常30℃〜110℃、好ましくは50℃〜100℃の範囲である。延伸倍率は、通常、縦、横方向、それぞれ通常0.6倍〜10倍の範囲で行われる。また、延伸後、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法、マイクロ波を照射する方法、ヒートロール上に接触させる等の熱処理を施してもよい。
このような延伸成形法により、延伸シート、フラットヤーン、延伸テープやバンド、筋付きテープ、スプリットヤーンなどの各種延伸フイルムが得られる。延伸フイルムの厚さは、その用途に応じて任意であるが、通常、5μm以上、250μm未満である。
なお、成形された延伸フイルムには、化学的機能、電気的機能、磁気的機能、力学的機能、摩擦/磨耗/潤滑機能、光学的機能、熱的機能、生体適合性等の表面機能等の付与を目的として、各種合目的的二次加工を施すことも可能である。二次加工の例としては、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工、表面処理(帯電防止処理、コロナ放電処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング、等)等が挙げられる。
本実施形態により得られる延伸フイルムは、有機溶剤を使用しない製法で製造されたポリカーボネートを使用しており、有機溶剤が含まれず、環状オリゴマー量も10,000ppm以下と極めて少なく、かつ残存開環重合性モノマーが500,000ppm以下であることから、安全性、ガスバリア性に優れている。従って、本実施形態の延伸フイルムは、医療用途、食品包装用途、日用品、電気機器材料、家電筐体、自動車材料等の用途として幅広く適用される。特に、食品なども含め、酸素の影響を受けやすく、あるいは劣化する可能性のある物質を包装する上でも有用となる。
<シート・成型品>
本実施形態において、シートとは、ポリマー生成物を薄い膜状に成形したものであって、厚みが250μm以上のものである。本実施形態において、シートは、上記の製造方法により得られたポリマー生成物に、熱可塑性樹脂に対して用いられる従来公知のシートの製造方法を適用して製造される。このような方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法等が挙げられる。シートに加工する際の加工条件は、ポリマー生成物の種類や、装置等に基づいて、適宜決定される。例えば、ポリ乳酸をTダイ法で加工する場合、温度は、Tダイを出口に取り付けた押出成型機によって、好ましくは150℃以上、250℃以下に加熱したポリマー生成物をTダイから押し出すことにより、シート加工することができる。
本実施形態において、成型品とは、型を用いて加工された物である。この成型品の概念には、単体としての成型品のみでなく、トレーの取っ手のような成型品からなる部品や、取っ手が取り付けられたトレーのような成型品を備えた製品が含まれる。
加工方法は、特に限定されるものではないが、従来公知の熱可塑性樹脂の方法で加工することができ、例えば、射出成型、真空成型、圧空成型、真空圧空成型、プレス成型等が挙げられる。この場合、上記の製造方法により得られたポリマー生成物を溶融させて、射出成型し、成型品を得ることもできる。また、上記の製造方法で得られたシートを成型金型によりプレス成型して賦型すること(形状を与えること)により、成型品を得ることもできる。賦型する際の加工条件は、ポリマー生成物の種類や、装置等に基づいて、適宜決定される。例えば、本実施形態のポリ乳酸のシートを成型金型によりプレス成型して賦型する場合、金型温度は、100℃以上150℃以下とすることができる。射出成形で賦型する場合、150℃以上、250℃以下に加熱したポリマー生成物を金型に射出して、金型温度を20℃以上、80℃以下程度に設定して、射出成形での加工が可能である。
従来汎用的に用いられてきたポリカーボネートは、金属触媒、有機溶剤、及びモノマーの残存率が多かった。このようなポリカーボネートを加熱し、シート状にした場合、例えば、金属触媒、有機溶剤、及びモノマー等の残存する異物がフィッシュアイ状となって外観が損なわれたり、強度が低下したりすることがあった。また、このようなポリカーボネートを用いて金型成型や、射出成型などで成型した場合も、同様に外観が損なわれたり、強度が低下したりすることがあった。
これに対し、本実施形態に係るシート、及び成型品は、有機溶剤を使用しない製法で製造されたポリカーボネートを使用しており、有機溶剤が含まれず、環状オリゴマー量も10,000ppm以下と極めて少なく、かつ残存開環重合性モノマーが500ppm以下であることから、安全性、ガスバリア性に優れている。従って、本実施形態のシート、成型品は、特に限定されないが、工業用資材、日用品、農業用品、食品用、医薬品用、化粧品等のシート、包装材、トレー等の用途として幅広く適用される。ここで、得られるポリマー生成物がポリ乳酸やポリカプロラクトンのような生分解性を有するポリマーである場合、溶剤や金属も含まない点を生かすことで、体内に入る可能性があるような用途、特に食品に使用する包装材料、化粧品や、医薬品などの医療用シートとして有用となる。
<繊維>
上記の製造方法によって得られるポリマー生成物はモノフィラメント、マルチフィラメント等の繊維にも応用可能である。なお、本実施形態において、繊維の概念には、モノフィラメントのような単体の繊維のみでなく、織布や不織布のような繊維によって構成される中間製品や、マスクのような織布や不織布を有する製品が含まれる。
本実施形態において、繊維は、モノフィラメントの場合、上記の製造方法により得られたポリマー生成物を従来公知の方法により溶融紡糸、冷却、延伸することで繊維化して製造される。用途によっては、モノフィラメントに従来公知の方法により被覆層を形成してもよく、被覆層は、抗菌剤、着色剤等を含んでいてもよい。また不織布とする場合は、従来公知の方法により溶融紡糸、冷却、延伸、開繊、堆積、熱処理する手法が挙げられる。ポリマー生成物には酸化防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、抗菌剤、結着樹脂等の添加剤が含有されていてもよい。添加物を混合する工程は、重合反応時でも良いし、重合反応後の後工程や、重合生成物を取り出した後に溶融混錬しながら添加しても良い。
本実施形態により得られる繊維は、有機溶剤を使用しない製法で製造されたポリカーボネートを使用しており、有機溶剤が含まれず、環状オリゴマー量も10,000ppm以下と極めて少なく、かつ残存開環重合性モノマーが500ppm以下であることから、安全性、ガスバリア性に優れている。従って、本実施形態の繊維は、モノフィラメントであれば釣り糸、魚網、手術用縫合糸、電気機器材料、自動車材料、産業用資材等の用途として幅広く適用される。また、本実施形態の繊維は、不織布であれば水産・農業資材、建築・土木資材、インテリア、自動車部材、包装材料、日用雑貨、衛生資材等の用途として幅広く適用される。
<<<第2の実施形態>>>
続いて、第2の実施形態について第1の実施形態と異なる点を説明する。第1の実施形態の製造方法では、残存モノマーがほとんどなく定量的に反応が進む。この特性を利用して、第2の実施形態の第1の方法では、第1の実施形態の製造方法で製造されたポリマー生成物を用い、さらに1種以上の開環重合性モノマーを加えて重合することにより、複合体としてのポリマー生成物を合成する。また、第2の実施形態の第2の方法では、第1の実施形態の製造方法で製造されたポリマー生成物を含む2種以上のポリマーを、圧縮性流体の存在下で連続的に混合させることにより、複合体を形成する。なお、本実施形態において、「複合体」とは、モノマーを複数の系列に分けて重合して得られる2種以上のポリマーセグメントを有する共重合体又はモノマーを複数の系列に分けて重合して得られる2種以上のポリマー生成物の混合物を意味する。
以下、複合体の一例として、ラクチドとの共重合体作成方法を示す。
<第1の方法及び装置>
第1の方法によると、第1の実施形態と同様の重合工程(第1の重合工程)により、第1の開環重合性モノマーを開環重合させ、第1のポリマー生成物を得る。得られた第1のポリマー生成物と、第2の開環重合性モノマーとを連続的に接触させて、第1のポリマー生成物及び第2の開環重合性モノマーを重合させる(第2の重合工程)。なお、第1の方法によると、更に必要に応じてその他の工程を含んでいても良い。
第1の方法によるポリマー生成物の製造は、図5の複合体製造装置200を用いて実現できる。図5は、複合体製造装置を示す模式図である。図5(A)に示したように、複合体製造装置200は、重合反応装置100と同様の構成の第1の重合反応装置201と、第2の重合反応装置202とを有する。第2の重合反応装置の詳細な構成を図5(B)に示す。第2の重合反応装置202は、タンク(221,227)と、計量フィーダー222と、計量ポンプ228と、接触部229と、反応部233と、圧調整バルブ234と、を有する。
タンク221は、第2の開環重合性モノマーを貯蔵する。なお、第1の方法において、第2の開環重合性モノマーは、第1の開環重合性モノマーとは異なる開環重合性モノマーである。第2の開環重合性モノマーは、上記の開環重合性モノマーとして例示されたものの中から選択することも可能であり、例えば、ラクチドやカプロラクトンなどが挙げられる。タンク227は、圧縮性流体を貯蔵する。タンク227に貯蔵される圧縮性流体は、特に限定されないが、均一に重合反応を進めるために、第1の重合反応装置201で用いられる圧縮性流体と同種のものであることが好ましい。なお、タンク227は、接触部229に供給される過程で、或いは、接触部229内で加熱又は加圧されて圧縮性流体となる気体(ガス)、又は、固体を貯蔵してもよい。この場合、タンク227に貯蔵される気体又は固体は、加熱又は加圧されることにより、接触部229内で図2の相図における(1)、(2)、又は(3)の状態となる。
計量フィーダー222は、タンク21に貯蔵された第2の開環重合性モノマーを計量して接触部229に連続的に供給する。計量ポンプ228は、タンク227に貯蔵された圧縮性流体を、一定の圧力及び流量で接触部229に連続的に供給する。
接触部229は、タンク221から供給された第2の開環重合性モノマーと、タンク227から供給された圧縮性流体とを連続的に接触させ、原材料を溶解又は溶融させるための耐圧性の装置或いは管などにより構成される。接触部229の容器には、計量ポンプ228によってタンク227から供給された圧縮性流体を導入する導入口229aと、計量フィーダー222によってタンク221から供給された第2の開環重合性モノマーを導入する導入口229bとが設けられている。また、接触部229には、供給された第2の開環重合性モノマー及び圧縮性流体を加熱するためのヒータ229cが設けられている。なお、接触部229としては、重合反応装置100における接触部9と同様のものが用いられる。
反応部233は、耐圧性の管又は管状の装置により構成されており、中間体として溶解又は溶融した第1のポリマー生成物を導入するための導入口233aと、接触部229で溶解又は溶融した第2の開環重合性モノマーを導入するための導入口233bとを一端部に有する。導入口233aは、耐圧性の配管230aを介して第1の重合反応装置201の排出口と接続している。ここで、第1の重合反応装置201の排出口とは、第1の重合反応装置201の反応部における配管或いはシリンダーの先端、計量ポンプ、又は、圧調整バルブ16等の排出口を意味する。いずれの場合でも、第1の重合反応装置201で生成されたポリマー生成物を常圧に戻すことなく反応部233に供給することができる。
また、反応部233の他端部には、第1のポリマー生成物と、第2の開環重合性モノマーとを重合させて得られた複合体生成物を排出する複合体排出口が設けられている。さらに、反応部233には、送液されたポリマー生成物及び第2の開環重合性モノマーあるいは重合して得られた複合体生成物を加熱するためのヒータ233cが設けられている。なお、本実施形態において、反応部233としては、重合反応装置100における反応部13と同様のものが用いられる。圧調整バルブ234は、反応部233の内外の圧力差を利用することにより、反応部233で重合された複合体生成物PPを反応部233の外に送り出す。
なお、図5(B)の重合反応装置202を直列に繰り返すことにより、3種以上のセグメントを有する複合体生成物PPを得ることもできる。
第1の方法では、第1の重合反応装置201で融点のより低い第1の開環重合性モノマー(例えば、エチレンカーボネート)を重合し、反応が定量的に終了した後、第2の重合反応装置202で融点のより高い第2の開環重合性モノマー(例えば、ラクチド)の重合を更に行う。これにより、共重合体が得られる。この方法は、残存モノマーが少ない状体で開環重合性モノマーの融点以下で反応を進められることから、定量的に共重合体が生成でき、非常に有用である。
<第2の方法及び装置>
第2の方法であるポリマー生成物の製造方法は、2種以上のポリマー生成物を、圧縮性流体の存在下、連続的に混合させる混合工程を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。2種以上のポリマー生成物としては、第1の開環重合性モノマーを開環重合させて得られた第1のポリマー生成物と、第2の開環重合性モノマーを開環重合させて得られた第2のポリマー生成物とが挙げられる。
第2の方法における複合体製造装置は、2種以上のポリマー生成物を、圧縮性流体の存在下、連続的に混合させる混合装置を含み、更に必要に応じてその他の装置を含む。この複合体製造装置は、一端部(上流側)に、2種以上のポリマー生成物を導入するための2以上の導入口を有し、他端部に、2種以上のポリマー生成物を混合して得られた複合体を排出する複合体排出口を有する管状の混合容器である。2以上の導入口は、2以上のポリマー生成物製造装置の2以上の排出口とそれぞれ接続していることが好ましい。ポリマー生成物の製造は、この複合体製造装置により好適に実施することができる。
続いて、図6を用いて第2の方法における複合体製造装置について説明する。図6は、複合体製造装置を示す模式図である。複合体製造装置300は、重合反応装置100同様に構成された重合反応装置(301a,301b)と混合装置302と圧調整バルブ303とを有する。
複合体製造装置300において、混合装置302のポリマー生成物導入口302aは、耐圧性の配管331を介して各重合反応装置(301a,301b)の排出口(331b,331c)と接続している。ここで、重合反応装置(301a,301b)の排出口とは、反応部における配管或いはシリンダーの先端、計量ポンプ、又は、圧調整バルブ等の排出口を意味する。いずれの場合でも、各重合反応装置(301a,301b)で生成されたポリマー生成物Pを常圧に戻すことなく混合装置302に供給することができる。その結果、圧縮性流体の存在下、各ポリマー生成物Pが低粘度化するので、混合装置302では、より低温で2種類以上のポリマー生成物を混合することが可能となる。なお、図6では、配管331が一つの継手331aを有することにより重合反応装置(301a,301b)を並列に二つ備えた例を示したが、複数の継手を設けることにより、重合反応装置を並列に三つ以上備えていてもよい。
混合装置302としては、各重合反応装置(301a,301b)から供給された複数のポリマー生成物を混合可能なものであれば、限定されないが、攪拌装置を備えたものが挙げられる。攪拌装置としては、一軸のスクリュウ、互いに噛み合う二軸のスクリュウ、互いに噛み合う又は重なり合う多数の攪拌素子をもつ二軸の混合機、互いに噛み合うらせん形の攪拌素子を有するニーダー、スタティックミキサーなどが好ましく用いられる。混合装置302で各ポリマー生成物を混合させる際の温度(混合温度)は、各重合反応装置(301a,301b)の反応部における重合反応温度と同様に設定することができる。なお、混合装置302は、混合されるポリマー生成物に、別途、圧縮性流体を供給する機構を有していてもよい。複合体排出口の一例としての圧調整バルブ303は、混合装置302でポリマー生成物が混合されて得られた複合体生成物PPの流量を調整するための装置である。
第2の方法では、重合反応装置(301a,301b)であらかじめカルボニル結合を有する開環重合性モノマー、その他の開環重合性モノマー(例えば、エチレンカーボネートおよびラクチド)を圧縮性流体の存在下それぞれ重合する(重合工程)。更に、重合させて得られたポリマー生成物を圧縮性流体中でブレンドして共重合体を得る(混合工程)。通常、ポリカーボネートなどのポリマー生成物は、残存モノマーが限りなく少ない場合でも、再度融点以上に加熱すると、分解してしまうことが多い。第2の方法では、圧縮性流体で溶融させた低粘性のポリカーボネートを、常圧での融点以下でブレンドすることにより、第一の方法と同様にラセミ化や熱劣化を抑えることができるため有用である。
なお、第1の方法と第2の方法とを組み合わせることにより、共重合体を混合することも可能である。
<<<第3の実施形態>>>
続いて、第3の実施形態について、第1の実施形態と異なる点を説明する。第3の実施形態では、バッチ式の工程によりポリマー生成物を製造する。まず、図7を用いて、バッチ式の工程で用いられる重合反応装置400について説明する。図7は、バッチ式の重合工程を示す系統図である。図7の系統図において、重合反応装置400は、タンク121と、計量ポンプ122と、添加ポット125と、反応容器127と、バルブ(123,124,126,128,129)とを有している。上記の各装置は耐圧性の配管130によって図7に示したように接続されている。また、配管130には、継手(130a,130b)が設けられている。
タンク121は、圧縮性流体を貯蔵する。なお、タンク121は、反応容器127に供給される供給経路或いは反応容器127内で加熱、加圧されて圧縮性流体となる気体(ガス)又は固体を貯蔵してもよい。この場合、タンク121に貯蔵される気体又は固体は、加熱又は加圧されることにより、反応容器127内で図2の相図における(1)、(2)、又は(3)の状態となる。
計量ポンプ122は、タンク121に貯蔵された圧縮性流体を、一定の圧力及び流量で反応容器127に供給する。添加ポット125は、反応容器127内の原材料に添加される触媒を貯蔵する。バルブ(123,124,126,129)は、それぞれを開閉させることにより、タンク121に貯蔵された圧縮性流体を、添加ポット125を経由して反応容器127に供給する経路と、添加ポット125を経由せずに反応容器127に供給する経路などとを切り換える。
反応容器127には、重合を開始する前に予め開環重合性モノマー、及び開始剤、混合触媒が収容される。反応容器127は、予め収容された開環重合性モノマー、及び開始剤、混合触媒と、タンク121から供給された圧縮性流体と、添加ポット125から供給された触媒とを接触させて、開環重合性モノマーを開環重合させるための耐圧性の容器である。なお、触媒は予め反応容器127に仕込んでおくこともできる。また、反応容器127には、蒸発物を除去するための気体出口が設けられていてもよい。また、反応容器127は、原材料及び圧縮性流体を加熱するためのヒータを有している。更に、反応容器127は、原材料、及び圧縮性流体を攪拌する攪拌装置を有している。原材料と生成したポリマー生成物との密度差が生じたときに、攪拌装置の攪拌を加えることで生成したポリマー生成物の沈降を抑制できるので、重合反応をより均一かつ定量的に進められる。バルブ128は、重合反応終了後に開放されることにより反応容器127内のポリマー生成物Pを排出する。
以下、実施例及び比較例を示して本実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1−1)
図7に示すバッチ式の重合反応装置400を用いて、エチレンカーボネートの開環重合を行った。重合反応装置400の構成を以下に示す。
・タンク121 :炭酸ガスボンベ
・添加ポット125:1/4インチのSUS316の配管をバルブ(124,129)に挟んで添加ポットとして使用した。
・反応容器127 :100mLのSUS316製の耐圧容器を用いた。予め開環重合性モノマーとして液体の状態のエチレンカーボネート(製造会社名:東京化成工業、融点:37℃)と、開始剤としてのラウリルアルコールとの混合物(モル比99/1)108gと、を充填した。
また、実施例1−1では、開環重合性モノマーに対して1mol%のオクチル酸錫とDMAPの混合物(質量比50/50)を反応容器127に充填した。
計量ポンプ122を作動させ、バルブ(123,126)を開放することにより、タンク121に貯蔵された二酸化炭素を、添加ポット125を経由せずに反応容器127に供給した。反応容器127内の空間を二酸化炭素で置換し、温度を170℃にした後、反応容器127内の圧力を15MPaにした。反応容器127内で、4時間エチレンカーボネートの重合反応を行った。反応終了後、バルブ128を開放し、徐々に反応容器127内の温度、圧力を常温、常圧まで戻し、反応容器127内のポリマー生成物(ポリエチレンカーボネート)を、バルブ128の先に取り付けた押出口金からストランド状に押出し、10℃の水中を潜らせた後、カッターでストランドをカットし、乾燥させることによりペレットを得た。実施例1−1におけるポリマーの製造条件を表1−1に示す。なお、表中の混合比および重合密度は、以下のようにして得られたものである。
<混合比〔原材料/(圧縮性流体+原材料)〕>
混合比〔原材料/(圧縮性流体+原材料)〕は、下式により算出した。
超臨界二酸化炭素の空間容積:100mL−11g/1.1(原材料の比重)=90ml
超臨界二酸化炭素の質量:90mLl×0.213(170℃、15MPaでの二酸化炭素の比重)=19.17
混合比:11g/(11g+19.17g)=0.36
なお、上記の原材料の質量は、原材料濃度が高い条件では54g、原材料濃度が低い条件では11gとする。
<重合密度>
重合密度は、参考文献に記載された文献値を使用した。
・参考文献
R. Span and W. Wagner
"A New Equation of State for Carbon Dioxide covering the Fluid Region from the Triple Point Temperature to 1100 K at Pressures up to 800 MPa"
J. Phys. Chem. Ref. Data 25, pp. 1509-1596 (1996)
次に、実施例1−1のペレットについて、以下のようにして、開環重合性モノマーの含有率、重量平均分子量、分子量分布、及びオキシドユニット含有率、ガスバリア性、耐熱性(熱安定性)、UV安定性を評価した。結果を表1−1に示す。
<開環重合性モノマーの含有率>
得られたポリマー生成物の残存開環重合性モノマーの含有率は、「ポリオレフィン等合成樹脂製食品容器包装等に関する自主基準、第3版改訂版、2004年6月追補、第3部、衛生試験法、P13」記載の測定方法に基づいて求めた。具体的には、ポリマー生成物をジクロロメタンに均一に溶解し、アセトン/シクロヘキサン混合溶液を加えてポリマー生成物を再沈させた上澄み液を、水素炎検出器(FID)付ガスクロマトグラフ(GC)に供し、開環重合性モノマー(炭酸エステルを有する残存開環重合性モノマー)を分離し、内部標準法により定量することによりポリマー生成物中の開環重合性モノマーの含有率を測定した。なお、GCの測定は以下の条件で行った。各表中の「ppm」は質量分率を示す。
(GC測定条件)
・カラム :キャピラリーカラム(J&W社製、DB−17MS、長さ30m×内径0.25mm、膜厚0.25μm)
・内部標準 :2,6−ジメチル−γピロン
・カラム流量:1.8mL/分
・カラム温度:50℃で1分間保持。25℃/分間で定速昇温して320℃で5分間保持。
・検出器 :水素炎イオン化法(FID)
<ポリマー生成物の分子量>
ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により以下の条件で測定した。
・装置:GPC−8020(東ソー株式会社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:クロロホルム
・流速:1.0mL/分
濃度0.5質量%の試料を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマー生成物の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して、ポリマー生成物の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を算出した。分子量分布はMwをMnで除した値である。
<オキシドユニット含有率の測定>
開環重合性モノマーを重合する際の脱炭酸により副生するオキシドユニットの含有率は、核磁気共鳴(NMR)の結果を用いて算出した。NMRの測定条件を示す。
・装置:日本電子データム株式会社
・溶媒:重クロロホルム
・測定対象:プロトン
オキシドユニット含有率は、NMRによるスペクトル解析により、得られたポリマー生成物に含まれるカーボネートユニット(カーボネート基)およびオキシドユニット(エーテル基)の和に対するオキシドユニットの割合(モル比)に基づいて、算出される。
<環状オリゴマー含有率の測定>
環状オリゴマー量の測定方法は特に限定はされないが、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により、以下の条件で測定することができる。
・装置:GPC−8020(東ソー株式会社製)
・カラム:TSK G2000HXL及びG4000HXL(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:クロロホルム
・流速:0.5mL/分
濃度0.5質量%の試料を1mL注入し、上記の条件で測定したポリマー生成物の分子量分布から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して環状オリゴマー量を測定することができる。
<ガスバリア性>
フイルム等のサンプルについて、ASTM−D1434に準拠して酸素透過率を測定し、これをガスバリア性の評価値とした。すなわち、この値が低いほどガスバリア性に優れると判断できる。具体的には、酸素透過率測定装置(MOCON社製OX−TRAN2/21ML)を使用して、温度23℃で、湿度30%、湿度65%、湿度90%とした各恒温恒湿条件下にて、酸素透過率を測定した。
ガスバリア特性データの測定単位は、Barrer単位である。得られたBarrer単位値は、分子、即ち秒単位の測定時間にわたって試験フイルムを通過したガスの標準温度及び圧力での立法センチメートル数に、センチメートル単位のフイルムの厚さを乗じた積を分子として、ガスに晒されたフイルムの平方センチメートル単位の面積、時間、フイルムを横切る水銀のセンチメートル単位の分圧差を分母として掛けて得られた商に1010を掛けた値に等しい。
(評価基準)
○:0.001以上0.05未満
△:0.05以上0.1未満
×:0.1以上
<耐熱性(融点、単位:℃)の評価方法>
JIS K7121に従い、示差走査熱量計(DSC)(TAインスツルメンツ社製 Q2000)によって測定し、得られたDSC曲線から融点を求めた。
<UV安定性の評価方法>
短波UV光に、光源からの距離を(通常は1インチ以内に)設定して一定の時間(通常は10分間)露光させる。
このときのポリマー試料の色を記録し、黄色度指数の変化(ΔYI)を計算する。
(評価基準)
○ :5未満
△ :5以上10未満
× :10以上
(実施例1−2〜実施例1−9,比較例1−1)
モノマー種、触媒種、触媒混合種比、開始剤量、重合圧力、重合反応温度、重合密度、反応時間、及び混合比〔原材料/(圧縮性流体+原材料)〕、触媒の添加順の少なくともいずれかを表1−1または表1−2に記載のとおり変えた以外は、実施例1−1と同様にして、実施例1−2〜実施例1−9,比較例1−1のポリマー生成物を作製した。なお、比較例1−1では1種の触媒を用いてポリマーを製造した。また、触媒を後添加する場合には、添加ポット125に予め触媒を充填しておき、反応容器127内の開環重合性モノマー及び開始剤を混合した後に、添加ポット125の触媒を混合物に供給するようにした。また、実施例1−5,1−6および1−9については、反応容器127に開環重合性モノマーに対して1mol%のトルエンをエントレーナーとして加え、重合反応を行った。圧力は、ポンプの流量を変えることにより制御した。
得られた各ポリマー生成物について、実施例1−1と同様の操作を施すことによりペレットを得た。さらに、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表1−1および表1−2に示す。
上記の各本実施例によると、オキシドユニットの含有を少なくすることで、ガスバリア性に優れ、UV及び熱安定性の低下を抑制したポリマー生成物が得られる。
Figure 0006060803






















Figure 0006060803
(実施例2−1〜2−6,比較例1−2)
〔シートの製造〕
モノマー種、触媒種、触媒混合種比、開始剤量、重合圧力、重合反応温度、重合密度、反応時間、及び混合比〔原材料/(圧縮性流体+原材料)〕、触媒の添加順を表2に記載の条件として、実施例1−1と同様の操作によりペレットを作成した。なお、比較例1−2では1種の触媒を用いてポリマーを製造した。また、触媒を後添加する場合には、添加ポット125に予め触媒を充填しておき、反応容器127内の開環重合性モノマー及び開始剤を混合した後に、添加ポット125の触媒を混合物に供給するようにした。
得られたペレットをそれぞれ用いて、幅1000mmのTダイを装着したスクリュー径90mmの単軸押出機(東芝機械製SE−90CV)を使って、押出温度215℃にて溶融押出し、40℃に設定されたキャストロールに密着させて、厚み350μmのシートを得た。
〔シート成型品の製造〕
シートの製造例で得られたそれぞれのシートを材料とし、熱板圧空成型機(株式会社浅
野研究所社製FKH形小型熱板加熱式圧空成形機)とアルミ製の金型とを用いて、縦250mm、横200mm、深さ30mmの箱形の容器を成型した。成型時の加熱熱板温度(加熱軟化温度)は120℃、金型表面温度は117℃であり、賦型に必要な加熱時間は10秒、冷却時間5秒、ショットサイクルは15秒とした。成型した半製品を、トムソン刃を使用した抜刃で打ち抜き、シート成型品を得た。
〔シート、シート成型品の評価〕
得られたシート、シート成型品を以下の基準で評価した。また、得られた成形品を用いて、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。なお、同じポリマー生成物を用いてもペレットと成形品とで物性が異なるのは、成形時の熱および圧力の影響によると考えられる。
(シートの評価)
縦1000mm、横1000mmのサンプルを目視で観察し、フィッシュアイ状の異物があるかを確認し、評価した。
○:フィッシュアイ状の異物がない。
△:フィッシュアイ状の異物が1〜2個ある。
×:フィッシュアイ状の異物が3個以上ある。
(シート成型品の評価)
シート成型品サンプルを100個製造し、その場合の成形性、外観から次のように評価した。
○:成形性、外観に問題なし。
△:成形性、外観に若干問題あり:(1〜9個のサンプルで成型の際または打ち抜きの際の少なくとも一方でワレが発生、目視でやや濁る)
×:成形性、外観に明らかに問題あり:(10個以上の成型の際または打ち抜きの際の少なくとも一方でワレが発生、目視で明らかに濁る)





























Figure 0006060803
(実施例3−1〜3−6,比較例1−3)
モノマー種、触媒種、触媒混合種比、開始剤量、重合圧力、重合反応温度、重合密度、反応時間、及び混合比〔原材料/(圧縮性流体+原材料)〕、触媒の添加順を表3に記載の条件として、実施例1−1と同様の操作によりポリマー生成物を得た。なお、比較例1−3では1種の触媒を用いてポリマーを製造した。また、触媒を後添加する場合には、添加ポット125に予め触媒を充填しておき、反応容器127内の開環重合性モノマー及び開始剤を混合した後に、添加ポット125の触媒を混合物に供給するようにした。
得られたポリマー生成物について、公知の簡易型溶融紡糸機(東洋精機社製キャピログラフ1D PMD−C)にて紡糸し、温風式延伸機で延伸してモノフィラメントを得た。得られた繊維を用いて、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。








Figure 0006060803
(実施例4−1〜4−6,比較例1−4)
モノマー種、触媒種、触媒混合種比、開始剤量、重合圧力、重合反応温度、重合密度、反応時間、及び混合比〔原材料/(圧縮性流体+原材料)〕、触媒の添加順を表4に記載の条件として、実施例1−1と同様の操作によりポリマー生成物を得た。なお、比較例1−4では1種の触媒を用いてポリマーを製造した。また、触媒を後添加する場合には、添加ポット125に予め触媒を充填しておき、反応容器127内の開環重合性モノマー及び開始剤を混合した後に、添加ポット125の触媒を混合物に供給するようにした。
得られたポリマー生成物について、汎用のインフレ成形機で成形温度250℃、厚み25μmとなるようフイルム成形を行った。得られた延伸フイルムについて、ポリマー生成物としての物性値を上記の方法で求めた。結果を表4に示す。









Figure 0006060803
(実施例5−1)
実施例5−1では、図3の連続式の重合反応装置100を使用した。接触部9の混合装置は、互いに噛み合うスクリュウを取り付けた二軸攪拌装置を有するシリンダー内径(d)30mmのもので、2つの回転軸は同方向回転で、速度は30rpmである。反応部13の反応容器は二軸混練機(東芝製TME−18)である。
ギヤポンプ(計量フィーダー2)を作動させて、タンク1内の溶融状態のエチレンカーボネートを接触部9の混合装置に定量供給する。ギヤポンプ(計量フィーダー4)を作動させて、タンク3内の開始剤としてのラウリルアルコールを、エチレンカーボネートに対し0.5mol%となるように接触部9の混合装置に定量供給する。また、ギヤポンプ(計量フィーダ5)を作動させて、タンク5内のオクチル酸錫とDMAPの混合物を、エチレンカーボネートに対して0.5mol%となるように、導入口9bへ供給する。接触部9の混合装置のシリンダーの温度は80℃である。ベント孔(導入口9a)より炭酸ガスを系内の圧力が15MPaになるように供給する。
反応部13の反応容器のシリンダー温度は、原材料供給部付近の温度を170℃、先端部の温度170℃とし、この容器内の反応物の平均滞留時間は0.5時間とした。反応終了後、ポリマー生成物を減圧させながら排出させた。これにより、二酸化炭素が気化して、ポリマー生成物が得られた。得られたポリマー生成物は、内部の二酸化炭素が気化することによって発泡体となっていた。得られたポリマー生成物を、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン社製)により粉砕して体積平均粒子径が6μmの粒子を得た。
(実施例5−2,比較例2−1)
モノマー種、触媒種、触媒混合種比、開始剤量、重合圧力、重合反応温度、重合密度、反応時間、及び混合比〔原材料/(圧縮性流体+原材料)〕、触媒の添加順を表5に記載の条件として、実施例5−1と同様の操作により粒子を得た。なお、比較例2−1では1種の触媒を用いてポリマーを製造した。また、触媒を後添加する場合には、ギヤポンプ(計量フィーダ12)を作動させて、タンク11内のオクチル酸錫とDMAPの混合物を、エチレンカーボネートに対して0.5mol%となるように、導入口13bへ供給する。得られた粒子を用いて、実施例1−1と同様の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0006060803
〔実施例6−1〕
図8に示された重合反応装置500を用いて、ポリエチレンカーボネート−ポリ乳酸共重合体を製造した。図8は、バッチ式の重合工程の一例を示す系統図である。重合反応装置500は、計量ポンプ222と、添加ポット225と、バルブ(223,224,226,229)と、継手(230a,230b)が設けられた配管230を有する点を除き、図7の重合反応装置400と同様の構成である。なお、計量ポンプ222、添加ポット225、バルブ(223,224,226,229)、配管230は、それぞれ、計量ポンプ122、添加ポット125、バルブ(123,124,126,129)、配管130と同様の装置、機構、又は、手段によって構成されている。
重合反応装置400の構成を以下に示す。
・タンク121 :炭酸ガスボンベ
・添加ポット125:1/4インチのSUS316の配管をバルブ(124,129)に挟んで添加ポットとして使用した。
・添加ポット225:1/4インチのSUS316の配管をバルブ(224,229)に挟んで添加ポットとして使用した。また、予め原材料のうち融点の高い開環重合性モノマー(ラクチド)と、開始剤(ラウリルアルコール)との混合物(モル比99/1)54gを充填した。
・反応容器127 :100mLのSUS316製の耐圧容器を用いた。予め原材料のうち融点の低い開環重合性モノマー(エチレンカーボネート)と、開始剤としてのラウリルアルコールとの混合物(モル比99/1)54gと、を充填した。
また、実施例6−1では、原材料の開環重合性モノマーに対して0.5mol%のオクチル酸錫とDMAPの混合物(50/50)を予め添加ポット125に充填した。
反応容器127内の原材料を60℃に加熱した後、計量ポンプ122にて超臨界二酸化炭素(60℃、15MPa)を充填し、10分間攪拌しながら原材料を溶融させた。系内の温度を170℃に調整した後に、圧縮性流体の経路を添加ポット125経由に切り換えた。これにより、あらかじめ添加ポット125に仕込んだ触媒を、反応容器127内の圧力より高い設定圧力で、添加ポット125から反応容器127へ押し出して加えた。その後、2時間融点の低い開環重合性モノマーを重合させた。
続いて、圧縮性流体の経路を添加ポット225経由に切り換えた。これにより、あらかじめ添加ポット225に仕込んだ融点の高い開環重合性モノマーを、反応容器127内の圧力より高い設定圧力で、添加ポット225から反応容器127へ押し出して加えた。その後、2時間融点の高い開環重合性モノマーを重合させた。
反応終了後、バルブ128よりポリマー生成物を減圧させながら排出させた。これにより、二酸化炭素が気化して、ポリマー生成物が得られた。得られたポリマー生成物は、内部の二酸化炭素が気化することによって発泡体となっていた。得られたポリマー生成物を、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン社製)により粉砕して体積平均粒子径が1μm〜50μmの粒子を得た。得られた粒子について、ポリマー生成物としての物性値を上記の方法で求めた。結果を表6−1に示す。
(実施例6−2〜6−9)
モノマー種、触媒種、触媒混合種比、開始剤量、重合圧力、重合反応温度、重合密度、反応時間、及び混合比〔原材料/(圧縮性流体+原材料)〕、触媒の添加順の少なくともいずれかを表6−1または表6−2に記載のとおり変えた以外は、実施例6−1と同様にして、実施例6−2〜実施例6−9のポリマー生成物を作製した。触媒を前添加する場合には、触媒を反応容器127に予め触媒を充填した。また、実施例6−5,6−6および6−9については、反応容器127に開環重合性モノマーに対して1mol%のトルエンをエントレーナーとして加え、重合反応を行った。圧力は、ポンプの流量を変えることにより制御した。
得られた各ポリマー生成物について、実施例6−1と同様の操作を施すことにより粒子を得た。さらに、実施例6−1と同様の評価を行った。結果を表6−1および表6−2に示す。
Figure 0006060803
Figure 0006060803
1 タンク
2 計量フィーダー
3 タンク
4 計量フィーダー
5 タンク
6 計量ポンプ
7 タンク
8 計量ポンプ
9 混合装置
10 送液ポンプ
11 タンク
12 計量ポンプ
13 反応容器
14 計量ポンプ
15 押出口金
21 タンク
22 ポンプ
23 バルブ
24 バルブ
25 添加ポット
26 バルブ
27 圧力容器
28 バルブ
100 重合反応装置
200 重合反応装置
特開平9−301445号公報 特開2013−57050号公報

Claims (13)

  1. 脂肪族ポリカーボネートを含有し、
    前記脂肪族ポリカーボネートにおけるオキシドユニット含有率が20mol%以下であり、
    前記脂肪族ポリカーボネートの基質であるモノマーの含有率が500ppm以下であり、
    前記脂肪族ポリカーボネートは、ポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート、又はポリトリメチレンカーボネートであることを特徴とするポリマー生成物。
  2. 環状オリゴマーの含有率が10,000ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリマー生成物。
  3. 前記モノマーは、五員環の環状カーボネートを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のポリマー生成物。
  4. ゲルパーミエイションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量が1000以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリマー生成物。
  5. 前記重量平均分子量を数平均分子量で除した値が、1.2以上2.5以下であることを特徴とする請求項4に記載のポリマー生成物。
  6. ルイス酸系触媒とルイス塩基系触媒とを含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリマー生成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリマー生成物を含有することを特徴とするフイルム。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリマー生成物を含有することを特徴とする成型品。
  9. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリマー生成物を含有することを特徴とするシート。
  10. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリマー生成物を含有することを特徴とする粒子。
  11. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のポリマー生成物を含有することを特徴とする繊維。
  12. 炭酸エステルを含有する開環重合性モノマーと、圧縮性流体と、を接触させて、
    ルイス酸系触媒およびルイス塩基触媒の存在下、前記炭酸エステルを含有する開環重合性モノマーを開環重合し、
    前記炭酸エステルは、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、又はトリメチレンカーボネート、であり、
    前記ルイス酸系触媒は、オクチル酸スズであり、
    前記ルイス塩基系触媒は、DMAP、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、又はDBUであることを特徴とするポリマーの製造方法。
  13. 前記圧縮性流体は、二酸化炭素を含有することを特徴とする請求項12に記載のポリマーの製造方法。
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