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JP6051491B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

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JP6051491B2 JP2013109236A JP2013109236A JP6051491B2 JP 6051491 B2 JP6051491 B2 JP 6051491B2 JP 2013109236 A JP2013109236 A JP 2013109236A JP 2013109236 A JP2013109236 A JP 2013109236A JP 6051491 B2 JP6051491 B2 JP 6051491B2
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Description

本発明は、エンジンを始動させるエンジン始動装置に関する。
特許文献1に、従来のエンジン始動装置が記載されている。このエンジン始動装置は、アキュームレータに蓄えられた油を用いて、油圧モータ(以下「回生モータ」)を駆動させ、この回生モータの駆動力によりエンジンを始動させる装置である。
このエンジン始動装置が建設機械に適用される場合がある。建設機械では、エンジンの出力軸(以下「エンジン軸」)に、油圧ポンプ(以下「ポンプ」)が取り付けられる。このポンプは、建設機械を動作させるアクチュエータに油を供給するものである。この構成では、アキュームレータから回生モータに油を供給して回生モータを駆動させると、エンジンが回転するだけでなく、ポンプも回転(駆動)する。このとき、ポンプに負荷が掛かっていると、エンジンの始動性が悪くなる(エンジンの回転数の上昇が遅くなる)。そのため、エンジン始動時には、ポンプの吐出油をほぼ無負荷でタンクに流す(戻す)ために、アンロード弁が開くように制御されるのが一般的である。
特開2006−037820号公報
このアンロード弁には、パイロット油圧に応じて開度が変わるものがある。また、エンジン始動用の回生モータには、パイロット油圧が大きくなるほど、容量が大きくなるものがある。また、アンロード弁の開閉制御用のパイロット油圧と、回生モータの容量制御用のパイロット油圧との油圧源(パイロット油圧源)が共通しているものがある。
上記の構成のエンジン始動装置では、エンジンの始動性が悪い問題がある。この問題の詳細は次の通りである。エンジンの始動時には、図8(b)に示すように回生モータへの油の供給の有無を切り換える放出弁が開かれるとともに、図8(e)に示すように回生モータの容量が上げられる。そして、図8(c)に示すように、アンロード弁にパイロット油圧が入力されて、アンロード弁が開かれる。すると、図8(d)に示すようにパイロット油圧源の圧力が瞬間的に下がる(低下X1)。すると、図8(e)に示すように、回生モータの容量が小さくなり(低下X2)、回生モータの発生トルクが低下する。すると、エンジンの始動トルクに対し、回生モータの発生トルクが不足する。そのため、エンジン停止状態から、エンジンが自立運転可能な回転数に達するまでの時間が長くかかる(図8(a)参照)。最悪の場合、自立運転可能な回転数までエンジン回転数が達しない(立ち上がらない)おそれもある。
エンジンの始動性を向上させるために、回生モータに供給されるパイロット油圧源を大きくすることも考えられる。しかし、パイロット油圧源を大きくすると、設置スペースやコストが増大するおそれがある。
そこで本発明は、パイロット油圧源を大きくする必要なく、エンジンの始動性を向上させることができるエンジン始動装置を提供することを目的とする。
エンジン始動装置は、エンジンと、前記エンジンの出力軸であるエンジン軸と、前記エンジン軸に接続され、油を吐出するポンプと、前記ポンプに接続されるアクチュエータと、前記ポンプと前記アクチュエータとの間に設けられ、前記ポンプから前記アクチュエータに供給される油を制御するアクチュエータ制御弁と、前記ポンプとタンクとの間に設けられ、前記アクチュエータ制御弁とは別に設けられ、パイロット油圧に応じて開閉する油圧制御弁と、前記エンジン軸に接続され、パイロット油圧に応じて容量が変わる回生モータと、前記回生モータに接続される始動用アキュームレータと、前記回生モータと前記始動用アキュームレータとの間に設けられ、前記始動用アキュームレータから前記回生モータへの油の供給の有無を切り換える放出弁と、前記油圧制御弁及び前記回生モータにパイロット油圧を供給するパイロット油圧源と、を備える。前記回生モータは、入力されるパイロット油圧が大きいほど容量が大きくなるように構成される。前記油圧制御弁は、パイロット油圧入力状態のときに閉状態、パイロット油圧非入力状態のときに開状態、となるように構成される。前記エンジンを停止状態から始動させるエンジン始動時には、前記放出弁が開状態、かつ、前記油圧制御弁が開状態となるように制御される。
上記構成により、パイロット油圧源を大きくする必要なく、エンジンの始動性を向上させることができる。
エンジン始動装置の油圧回路図である。 図1に示すエンジン始動装置の動作のフローチャートである。 図1に示すエンジン始動装置の動作のタイムチャートである。 変形例1のエンジン始動装置の動作のフローチャートである。 変形例1のエンジン始動装置の動作のタイムチャートである。 変形例2のエンジン始動装置の油圧回路図である。 変形例3のエンジン始動装置の油圧回路図である。 従来のエンジン始動装置の動作のタイムチャートである。
図1〜図3を参照してエンジン始動装置1について説明する。
エンジン始動装置1(図1参照)は、作業機械に設けられる。作業機械は、土木作業や建設作業を行うための機械である。作業機械は、例えば作業車両であり、例えば油圧ショベルである。エンジン始動装置1は、第1アキュームレータ33(後述)に蓄えられた油で回生モータ31(後述)を駆動させることで、エンジン10(後述)を始動させる装置である。エンジン始動装置1は、エンジン10と、アクチュエータ駆動機器群21〜29と、エンジン始動機器群31〜37と、パイロット油圧関連機器群41〜56と、電気機器群61〜65と、を備える。
エンジン10は、作業機械の駆動源である。エンジン10は、エンジン軸11を備える。エンジン軸11は、エンジン10の駆動力を出力するための出力軸である。エンジン軸11は、エンジン10に駆動力を入力するための入力軸でもある。
アクチュエータ駆動機器群21〜29は、ポンプ21と、アクチュエータ23と、アクチュエータ制御弁25と、アンロード油路26と、アンロード弁27と、センタバイパス油路28と、カット弁29(油圧制御弁)と、を備える。
ポンプ21は、エンジン軸11に接続される。ポンプ21は、エンジン軸11の回転力により駆動される。ポンプ21は、タンクTから吸い込んだ油(作動油、圧油)を吐出する油圧ポンプである。ポンプ21とエンジン軸11との接続は、直接的でもよく、間接的でもよい。間接的な接続とは、駆動力伝達のための手段(例えばギア等)を介した接続である。なお、エンジン軸11との接続が、直接的でも間接的でもよい点は、後述するパイロットポンプ43および回生モータ31についても同様である。ポンプ21は、例えば容量可変形である。
アクチュエータ23は、作業機械を動作させる機械である。アクチュエータ23は、ポンプ21に接続される。アクチュエータ23は、ポンプ21から供給された油により駆動される油圧アクチュエータである。作業機械が油圧ショベルの場合、アクチュエータ23は、例えば次の(a)〜(c)等である。(a)アタッチメント(ブーム、アーム、バケット等)の作動用の油圧シリンダ。(b)走行用の油圧モータ。(c)上部旋回体の旋回用の油圧モータ。なお、図1ではアクチュエータ23の例として油圧シリンダを図示している。
アクチュエータ制御弁25は、アクチュエータ23の動作を制御するための弁である。アクチュエータ制御弁25は、ポンプ21からアクチュエータ23に供給される油の流量及び方向を制御する。アクチュエータ制御弁25は、ポンプ21とアクチュエータ23との間に設けられる。「間」とは、「間の油路」を意味する(以下同様)。アクチュエータ制御弁25は、パイロット油圧に応じて制御される弁(パイロット油圧制御式の弁)である。アクチュエータ制御弁25は、例えば6ポートを備える方向切換弁である。アクチュエータ制御弁25は、操作レバー61(後述)の操作に応じて、切換位置(ポジション)が切り換わる。アクチュエータ制御弁25は、3つの切換位置を備える。3つの切換位置は、中立位置25aと、位置25bと、位置25cと、である。
中立位置25aは、操作レバー61(後述)の操作位置が中立位置のときに選択される切換位置である。中立位置25aが選択されている場合、ポンプ21の吐出油はアクチュエータ23に供給されず、ポンプ21の吐出油はアクチュエータ制御弁25を通過する。中立位置25aは、アクチュエータ制御弁25が「パイロット油圧非入力状態」(後述)のときの切換位置である。
位置25b及び位置25cは、操作レバー61が操作されているとき(中立位置以外のとき)に選択される切換位置である。位置25bまたは位置25cが選択されている場合、ポンプ21からアクチュエータ23に油が供給される。
アンロード油路26は、ポンプ21とアクチュエータ制御弁25との間から分岐してタンクTにつながれる油路である。
アンロード弁27は、アンロード油路26に設けられる。アンロード弁27は、ポンプ21の吐出油のうち、アクチュエータ23に供給されない油(余剰分)をタンクTに流す(ブリードオフ制御を行う)ための弁である。アンロード弁27は、操作レバー61(後述)の操作量に応じて開閉する(開度が変わる)。
このアンロード弁27は、パイロット油圧制御式の開閉弁(パイロット油圧に応じて開閉する弁)である。アンロード弁27は、「パイロット油圧非入力状態」(後述)のときに「閉状態」となるように、かつ、「パイロット油圧入力状態」(後述)のときに「開状態」となるように構成される。
(開状態/閉状態について) 上記「閉状態」とは、全閉の状態である。上記「開状態」とは、弁の開度が、ゼロ(全閉)より大きい状態である。すなわち「開状態」には、全開と全閉との間の中間開度の状態を含む。これらの「閉状態」及び「開状態」の定義は、後述する他の開閉弁(カット弁29、放出弁35、蓄圧切換弁37、及び電磁切換弁47など)の開閉状態についても同様である。
(パイロット油圧入力状態/非入力状態について) 上記「パイロット油圧非入力状態」とは、パイロット油圧が弁に入力されていないときの弁の状態(開度や切換位置)と同じ状態である(いわば中立状態である)。例えば、微小なパイロット油圧が弁に入力されているものの、パイロット油圧が入力されていないときと弁の状態が同一であれば、この弁は「パイロット油圧非入力状態」である。上記「パイロット油圧入力状態」は、パイロット油圧非入力状態とは異なる弁の状態(開度や切換位置)、かつ、パイロット油圧が弁に入力されたときの弁の状態である。これらの「パイロット油圧非入力状態」及び「パイロット油圧入力状態」の定義は、他のパイロット油圧制御式の弁(アクチュエータ制御弁25、カット弁29、放出弁35、及び蓄圧切換弁37など)についても同様である。
上記のように、アンロード弁27は、パイロット油圧非入力状態のときに閉状態となる。よって、故障により、アンロード弁27がパイロット油圧非入力状態のままで動かなくなった場合でも、ポンプ21からアクチュエータ23に油を供給できる。
センタバイパス油路28は、アクチュエータ制御弁25の中立位置25aを介して、ポンプ21とタンクTとをつなぐ油路である。センタバイパス油路28は、アクチュエータ23を通さずに(バイパスして)ポンプ21の吐出油をタンクTに流す油路である。
カット弁29(油圧制御弁)は、アンロード弁27が故障した場合に、ポンプ21の吐出油をタンクTに流す(後述)ための弁である。カット弁29は、ポンプ21とタンクTとの間に設けられる。カット弁29は、センタバイパス油路28のうち、アクチュエータ制御弁25より下流側に設けられる。下流側とは、ポンプ21から遠い側である。カット弁29は、センタバイパス油路28のうち、最も下流側に設けられる。
このカット弁29は、パイロット油圧制御式の開閉弁(パイロット油圧に応じて開閉する弁)である。カット弁29は、パイロット油圧入力状態のときに閉状態、パイロット油圧非入力状態のときに開状態、となるように構成される。カット弁29は、例えば、全開と全閉とに切り換え可能な切換弁である。カット弁29では、中間開度での制御が行われる必要はない。
このカット弁29は、次の(a)及び(b)のように用いられる。(a)アンロード弁27が正常に動作する場合、カット弁29を閉状態とする。そして、アンロード弁27でブリードオフ制御(上述)を行う。(b)故障によりアンロード弁27が閉状態のままで動かなくなった場合、カット弁29を開状態とする。これにより、アクチュエータ制御弁25が中立位置25aのとき、ポンプ21の吐出油は、カット弁29を介してタンクTに流れることができる。
なお、故障によりカット弁29がパイロット油圧非入力状態(開状態)のままで動かなくなった場合でも、アクチュエータ制御弁25を位置25bまたは位置25cに切り換えると、ポンプ21からアクチュエータ23に油が供給される。この場合、アクチュエータ23は、通常の動作はできないが、動作自体は可能である。
エンジン始動機器群31〜37は、回生モータ31と、第1アキュームレータ33(始動用アキュームレータ)と、放出弁35と、蓄圧切換弁37と、を備える。
回生モータ31は、エンジン軸11に接続される。回生モータ31は、エンジン10を始動させるためのモータである。回生モータ31は、油が供給されることで駆動する油圧モータである。回生モータ31は、エンジン10運転時の動力(運動エネルギ)を、エンジン10始動時に回生する(利用する)ためのモータである。さらに詳しくは、エンジン10の動力によりポンプ21が駆動され、ポンプ21により第1アキュームレータ33に圧油(油圧エネルギ)が蓄えられ、第1アキュームレータ33により回生モータ31が駆動されて、エンジン10始動用の駆動力(運動エネルギ)が発生する。回生モータ31は、パイロット油圧に応じて容量が変わる(パイロット油圧制御式である)。回生モータ31は、入力されるパイロット油圧が大きいほど容量が大きくなるように構成される。回生モータ31は、入力されるパイロット油圧が大きいほど、斜板の傾転角が大きくなり、容量が大きくなる。なお、回生モータ31は、エンジン10始動後にポンプとして動作可能なポンプモータでもよい。ポンプとして動作する回生モータ31は、エンジン10の(エンジン軸11の)回転力により駆動されて、第1アキュームレータ33に油を供給可能である。
第1アキュームレータ33(始動用アキュームレータ)は、油(圧油)を蓄える蓄圧器(蓄圧手段)である。第1アキュームレータ33は、回生モータ31に接続され、回生モータ31に油を供給する。
放出弁35は、第1アキュームレータ33から回生モータ31への油の供給の有無を切り換える切換弁である。放出弁35は、回生モータ31と第1アキュームレータ33との間に設けられる。放出弁35は、パイロット油圧制御式の開閉弁である。放出弁35は、パイロット油圧非入力状態のときに閉状態、パイロット油圧入力状態のときに開状態となるように構成される。
蓄圧切換弁37は、アクチュエータ23から吐出された油を第1アキュームレータ33に蓄えるか否かを切り換える切換弁である。蓄圧切換弁37は、パイロット油圧制御式の開閉弁である。蓄圧切換弁37は、パイロット油圧非入力状態のときに閉状態、パイロット油圧入力状態のときに開状態となるように構成される。
パイロット油圧関連機器群41〜56は、パイロット油路41と、パイロットポンプ43と、第2アキュームレータ45(パイロット油圧源)と、電磁切換弁47と、複数の電磁弁51〜56と、を備える。
パイロット油路41は、上述したパイロット油圧制御式の各構成要素にパイロット油圧を供給するための油路である。
パイロットポンプ43は、パイロット油路41にパイロット油圧を供給する。パイロットポンプ43は、エンジン軸11に接続され、エンジン軸11の回転力により駆動される。パイロットポンプ43は、エンジン10始動時には、パイロット油路41にパイロット油圧を供給しない(パイロット油圧源となることができない)(詳細は後述)。
第2アキュームレータ45(パイロット油圧源)は、パイロット油路41にパイロット油圧を供給する、パイロット油圧の油圧源である。第2アキュームレータ45は、少なくとも、カット弁29及び回生モータ31にパイロット油圧を供給する。すなわち、少なくともカット弁29及び回生モータ31については、パイロット油圧源が同一(共通)である。第2アキュームレータ45は、配置スペース及びコストの削減のために、カット弁29及び回生モータ31以外の構成要素にもパイロット油圧を供給することが好ましい。例えば、第2アキュームレータ45は、アクチュエータ制御弁25、アンロード弁27、カット弁29、回生モータ31、放出弁35、及び、蓄圧切換弁37(以下「パイロット油圧制御式構成要素25・27・29・31・35・37」)にパイロット油圧を供給することが好ましい。
この第2アキュームレータ45は、エンジン10停止時でも、パイロット油路41にパイロット油圧を供給可能である。第2アキュームレータ45は、油(圧油)を蓄える蓄圧器である。第2アキュームレータ45には、エンジン10運転時に、パイロットポンプ43から油が供給される。
電磁切換弁47は、第2アキュームレータ45からパイロット油路41へのパイロット油圧の供給の有無を切り換える切換弁(開閉弁)である。電磁切換弁47は、第2アキュームレータ45より下流側、かつ、全ての電磁弁51〜56よりも上流側(第2アキュームレータ45に近い側)に設けられる。電磁切換弁47は、電磁切換弁47に入力される電気信号に応じて開閉する。
電磁弁51〜56は、パイロット油圧制御式構成要素25・27・29・31・35・37を制御(電磁制御)するための弁(電磁比例弁)である。電磁弁51〜56は、電磁弁51〜56に入力される電気信号に応じて、二次圧の大きさを制御する。二次圧とは、電磁弁51〜56の下流側の圧力であり、パイロット油圧制御式構成要素25・27・29・31・35・37のパイロットポートに供給されるパイロット油圧である。電磁弁51〜56には、アクチュエータ制御弁25の切換位置を制御するアクチュエータ制御用電磁弁51(2つ)と、アンロード弁27の開閉(中間開度含む)を制御するアンロード弁用電磁弁52と、カット弁29の開閉を制御するカット弁用電磁弁53と、回生モータ31の容量(傾転角)を制御する回生モータ傾転角制御用電磁弁54と、放出弁35の開閉を制御する放出弁用電磁弁55と、蓄圧切換弁37の開閉を制御する蓄圧切換弁用電磁弁56と、がある。
電気機器群61〜65は、操作レバー61と、エンジン始動指令手段63と、コントローラ65と、を備える。
操作レバー61は、アクチュエータ23を(アクチュエータ制御弁25を)操作するための手段である。操作レバー61は、建設機械の運転室(図示なし)に設けられる。操作レバー61は、レバー位置に応じた信号(操作状態信号)を出力する。
エンジン始動指令手段63は、エンジン10の始動を指令するための手段であり、例えばスイッチ等である。エンジン始動指令手段63は、運転室(図示なし)等に設けられる。エンジン始動指令手段63は、操作状態(例えばスイッチのオン・オフの状態など)に応じて、エンジン10の始動を指令する信号(始動指令信号)を出力する。
コントローラ65は、各種電気信号の入出力および演算を行う。コントローラ65には、操作レバー61から操作状態信号が入力され、エンジン始動指令手段63から始動指令信号が入力され、エンジン10から回転数の情報(回転数信号)が入力され、回生モータ31から容量の情報(容量信号)(後述)が入力される。コントローラ65は、パイロット油圧制御式構成要素25・27・29・31・35・37を制御する。具体的には、コントローラ65は、電磁弁51〜56に制御用の電気信号(電流指令)を出力することで、パイロット油圧制御式構成要素25・27・29・31・35・37に供給されるパイロット油圧を制御する。コントローラ65は、以下で説明する各ステップ(ステップS1及びS7等)での「判断」を行う。
(機器群G1及び機器群G2)ここで、アクチュエータ駆動機器群21〜29と、アクチュエータ駆動機器群21〜29を制御するための電磁弁(アクチュエータ制御用電磁弁51、アンロード弁用電磁弁52、及びカット弁用電磁弁53)と、を機器群G1とする。エンジン始動装置1は、機器群G1と同様の機器を有する機器群G2を備える。例えば、エンジン軸11には、ポンプ21が2つ接続される。なお、図1では、機器群G2のうち主要な構成要素のみ図示し、符号を省略している。また、エンジン始動装置1は、機器群G1と同様の機器を有する機器群を3以上備えてもよい。
(動作)
次に、エンジン始動装置1の動作を説明する。以下では、上述したエンジン始動装置1の各構成要素については図1を参照し、各ステップS1〜S13については図2を参照し、各時刻t3〜t11については図3を参照して説明する。
エンジン始動装置1の動作の概要は次の通りである。エンジン10を停止状態から始動させる時(エンジン10始動時)には、放出弁35が開状態(図3(b)参照)、かつ、アンロード弁27が閉状態(図3(c)参照)、かつ、カット弁29が開状態となるように制御される。エンジン10の回転数が自立運転回転数R1(所定回転数)(図3(a)参照)以上の時には、放出弁35が閉状態(図3(b)参照)、かつ、アンロード弁27が開状態(図3(c)の時刻t11参照)、かつ、カット弁29が閉状態となるように制御される。以下、図2に示す各ステップS1〜S13について説明する。
ステップS1では、エンジン10を始動させるか否かが判断される。具体的には、エンジン始動指令手段63からコントローラ65に始動指令信号が入力されたか否かが判断される。エンジン10を始動させる場合(S1でYES)、ステップS3に進む。エンジン10を始動させない場合(S1でNO)、制御を終了する。
ステップS3では、エンジン10を始動させるために、放出弁35が開かれる。図3(b)に示すように、放出弁35が開状態となる時を時刻t3とする。時刻t3の時のエンジン始動装置1の動作の詳細は次の通りである。
(放出弁35等)時刻t3の時、放出弁35は、パイロット油圧入力状態になり、開状態(例えば全開)になる。その結果、第1アキュームレータ33から回生モータ31に油が供給され、回生モータ31が駆動する。回生モータ31は、発生トルクをエンジン軸11に伝える。回生モータ31の発生トルクがポンプ21の負荷より大きくなると、図3(a)に示すように、エンジン10が停止状態から始動する(回転数がゼロから増加する)。
(アンロード弁27及びカット弁29等の動作) 時刻t3の時、アクチュエータ制御弁25、アンロード弁27、及びカット弁29は、パイロット油圧非入力状態である。この時の各弁の動作等の詳細は次の(a)〜(c)の通りである。(a)アクチュエータ制御弁25は、中立位置25aである。なお、アクチュエータ制御弁25が中立位置25aの場合にのみ、エンジン10の始動が可能となるように、コントローラ65に制御(規制)される。(b)アンロード弁27は、閉状態である。(c)カット弁29は、開状態(例えば全開)である。よって、ポンプ21の吐出油は、カット弁29を介してタンクTに流れる。よって、ポンプ21に負荷がほとんどかからない。よって、エンジン10が始動しやすい(回転数が上昇しやすい)。次に、ステップS5に進む。
ステップS5では、回生モータ31の発生トルクを大きくするために、回生モータ31の容量が増やされる。図3(e)に示すように、回生モータ31の容量の増加開始時を時刻t5とする。時刻t5は、放出弁35が開状態となる時刻t3と同時、又は、ほぼ同時である(以下、「同時」には「ほぼ同時」を含む)。回生モータ31の容量は、次に述べる所定容量qとなるように制御される。
(所定容量qについて) 所定容量qは、回生モータ31の発生トルクがエンジン10の始動トルクよりも大きくなるような値である。所定容量qは、「(回生モータ31の発生トルク)/(回生モータ31に供給される油圧)」から導出される。所定容量qは、コントローラ65に予め設定される。具体的には例えば、所定容量qは、回生モータ31がとりうる容量の最大値(最大容量)である。
(容量の検出等について) 回生モータ31の容量は、例えば次の(a)や(b)のように求められる。(a)回生モータ31の容量は、回生モータ31又はその周辺からコントローラ65に入力される情報に基づいて求められる。回生モータ31の容量は、例えば次の(a1)〜(a3)のように求められる。(a1)回生モータ31の傾転角が傾転角センサ(図示なし)で検出される。(a2)回生モータ31の容量制御用のパイロット油圧の大きさが圧力センサ(図示なし)で検出され、このパイロット油圧から回生モータ31の容量が算出される。(a3)回生モータ31の容量増加開始時からの経過時間に基づき、回生モータ31の容量が算出(推算)される。(b)回生モータ31の容量は、回生モータ31の容量の増加開始時(時刻t5)からの経過時間に基づいて推測(算出)してもよい。
次に、ステップS7に進む。
ステップS7では、エンジン10の回転数が自立運転回転数R1に達したか否かが判断される。図3(a)に示すように、エンジン10が自立運転回転数R1に達した時を時刻t7とする。この判断は、例えば、エンジン10からコントローラ65に入力されるエンジン10の回転数情報に基づいて行われる。自立運転回転数R1は、コントローラ65に予め設定される。自立運転回転数R1は、エンジン10が自立運転するのに必要な回転数である。自立運転とは、エンジン10外部からの動力を利用することなく、エンジン10内部での燃料の爆発により、エンジン10が駆動している状態である。自立運転回転数R1は、例えば300〜400[回転/分]などである。なお、エンジン10の回転数が自立運転回転数R1に達したか否かの判断は、放出弁35を開状態とした時(時刻t3)からの経過時間に基づいて(推測により)行ってもよい。エンジン10が停止状態から自立運転回転数R1に達するまでの時間は例えば1秒未満などである。エンジン10が自立運転回転数R1に達したら、ステップS9に進む。
ステップS9では、第1アキュームレータ33から回生モータ31への油の供給を停止させるために、放出弁35を閉状態にする。図3(b)に示すように、放出弁35を閉状態とする時を時刻t9とする。時刻t9は、エンジン10が自立運転回転数R1に達した時(時刻t7)と同時である。図3(e)に示すように、時刻t9には、回生モータ31の容量の減少を開始させる。具体的には、回生モータ31の容量が、回生モータ31の最小容量(回生モータ31が取り得る容量の最小値)となるように制御される。次に、ステップS11に進む。
ステップS11では、アンロード弁27が開かれる。エンジン10が自立運転に達した後は、アンロード弁27でブリードオフ制御(上述)が行われる。図3(c)に示すように、アンロード弁27が開状態となる時を時刻t11とする。この時刻t11は、エンジン10が自立運転回転数R1に達した時(時刻t7)よりも後である。時刻t11は、放出弁35が閉状態となった時(時刻t9)よりも後である。なお、時刻t11は、時刻t7や時刻t9と同時でもよい。次にステップS13に進む。
ステップS13では、ポンプ21の吐出油が不要にタンクTに流れることが無いように、カット弁29を閉状態にする。カット弁29を閉状態とする時は、例えば、アンロード弁27を開状態にする時(時刻t11)と同時などである。
以上の動作は、図1に示す複数の機器群(機器群G1及び機器群G2)の全てで行われる(機器群の数が3以上の場合も同様)。
(パイロット油圧について)
時刻t3〜時刻t5の間、図3(d)に示すように、第2アキュームレータ45の油圧(パイロット油路41の油圧)は、次の(1)〜(3)のようになる。
(1)時刻t3の時には、エンジン10の回転数はゼロである。よって、パイロットポンプ43からパイロット油路41への油の供給はない。そのため、パイロット油圧制御式構成要素25・27・29・31・35・37に入力されるパイロット油圧の油圧源は、第2アキュームレータ45のみである。
(2)上述したように、時刻t3の時に、アンロード弁27及びカット弁29は、いずれもパイロット油圧非入力状態に制御される。よって、アンロード弁27及びカット弁29の制御による、第2アキュームレータ45の油圧の瞬間的な低下X1(図8(d)参照)は生じない。
(3)図3(e)に示すように、時刻t5の時に、回生モータ31の容量制御用のパイロット油圧が高くなるように(容量が増加するように)制御される。この時、上記「低下X1」が生じないので、回生モータ31の容量の瞬間的な低下X2(図8(e)参照)が抑制される。なお、図3(e)では省略しているが、放出弁35を開く(時刻t3)ことにより、及び、回生モータ31の容量の制御(時刻t5)により、第2アキュームレータ45の油圧は低下する。
(効果1)
次に、図1に示すエンジン始動装置1による効果を説明する。
エンジン始動装置1は、エンジン10と、エンジン10の出力軸であるエンジン軸11と、エンジン軸11に接続され、油を吐出するポンプ21と、ポンプ21に接続されるアクチュエータ23と、ポンプ21とアクチュエータ23との間に設けられ、ポンプ21からアクチュエータ23に供給される油を制御するアクチュエータ制御弁25と、を備える。さらに、エンジン始動装置1は、カット弁29と、回生モータ31と、回生モータ31に接続される第1アキュームレータ33と、放出弁35と、第2アキュームレータ45と、を備える。カット弁29は、ポンプ21とタンクTとの間に設けられ、アクチュエータ制御弁25とは別に設けられ、パイロット油圧に応じて開閉する。回生モータ31は、エンジン軸11に接続され、パイロット油圧に応じて容量が変わる。放出弁35は、回生モータ31と第1アキュームレータ33との間に設けられ、第1アキュームレータ33から回生モータ31への油の供給の有無を切り換える。
[構成1−1] 第2アキュームレータ45は、カット弁29及び回生モータ31にパイロット油圧を供給する。
[構成1−2] 回生モータ31は、入力されるパイロット油圧が大きいほど容量が大きくなるように構成される。
[構成1−3] カット弁29は、パイロット油圧入力状態のときに閉状態、パイロット油圧非入力状態のときに開状態、となるように構成される。エンジン10を停止状態から始動させるエンジン10始動時には、放出弁35が開状態、かつ、カット弁29が開状態となるように制御される。
上記[構成1−3]により、エンジン10始動時には、カット弁29はパイロット油圧非入力状態である。よって、カット弁29の開閉による第2アキュームレータ45の油圧の低下(「低下α」とする)が生じない。ここで、上記[構成1−1]のように、カット弁29及び回生モータ31のパイロット油圧源(第2アキュームレータ45)は共通している。しかし、回生モータ31に入力されるパイロット油圧が、上記「低下α」を原因として低下することはない。よって、上記[構成1−2]の構成の回生モータ31は、上記「低下α」を原因とする容量の低下が生じない。よって、エンジン10の始動トルクに対する、回生モータ31の発生トルクの不足を抑制できる。よって、エンジン10の始動性を向上させることができる。また、上記効果を得るために、第2アキュームレータ45の容量を大きくする必要がない。
(効果2)
エンジン始動装置1は、ポンプ21とアクチュエータ制御弁25との間から分岐してタンクTにつながれるアンロード油路26と、アンロード油路26に設けられパイロット油圧に応じて開閉するアンロード弁27と、アクチュエータ制御弁25の中立位置25aを介してポンプ21とタンクTとをつなぐセンタバイパス油路28と、を備える。カット弁29は、センタバイパス油路28のうちアクチュエータ制御弁25よりも下流側に設けられる。アンロード弁27は、パイロット油圧非入力状態のときに閉状態、パイロット油圧入力状態のときに開状態となるように構成される。エンジン10始動時には、アンロード弁27が閉状態、かつ、カット弁29が開状態となるように制御される。エンジン10の回転数が所定回転数(図3(a)の自立運転回転数R1)以上の時には、アンロード弁27が開状態、かつ、カット弁29が閉状態となるように制御される。
この構成では、アンロード弁27でブリードオフ制御を行う油圧回路で、上記「(効果1)」を実現できる。
(変形例1)
図1、図4及び図5を参照して、変形例1のエンジン始動装置101について、上記実施形態(エンジン始動装置1)との相違点を説明する。以下では、エンジン始動装置101の各構成要素については図1を参照し、各ステップS1〜S9及びS105〜S113については図4を参照し、各時刻t3〜t9及びt105〜t111については図5を参照して説明する。上記実施形態と変形例1との相違点は、回生モータ31の容量を増加させるタイミング(ステップS105及びS106、時刻t5〜t6)と、アンロード弁27及びカット弁29の制御のタイミング(ステップS111及びS113、時刻t111)と、である。以下、この相違点の詳細を説明する。
ステップS105では、回生モータ31の容量を増加させる。図5(e)に示すように、回生モータ31の容量の増加開始時を時刻t105とする。図3(e)に示すように、上記実施形態では、回生モータ31の容量の増加開始時(時刻t5)は、放出弁35を開状態とする時(時刻t3)と同時であった。一方、図5(e)に示すように、変形例1の時刻t105は、時刻t3よりも前である。次に、ステップS106に進む。
ステップS106では、回生モータ31の容量が所定容量qに達したか否かが判断される。回生モータ31の容量が所定容量qに達した時を時刻t106とする。所定容量qの詳細、及び、回生モータ31の容量の検出等については、上記実施形態のステップS5で説明した通りである。所定容量qは、例えば回生モータ31がとりうる容量の最大値(最大容量)などである。回生モータ31の容量が所定容量q(例えば傾転角の最大値)になったら、放出弁35を開状態(例えば全開)にする(ステップS3、時刻t3)。図5(b)及び(e)に示すように、時刻t3は、時刻t106と同時である。なお、時刻t3は、時刻t106より後でもよい。
ステップS111では、アンロード弁27を開状態にする。図5(c)に示すように、アンロード弁27を開状態にする時を時刻t111とする。図3(c)に示すように、上記実施形態では、アンロード弁27を開状態とする時(時刻t11)は、エンジン10が自立運転回転数R1に達した時(時刻t7)よりも後であった。一方、図5(c)に示すように、変形例1の時刻t111は、時刻t7よりも前である。時刻t111は、エンジン10の回転数が所定回転数R2に達した時である。所定回転数R2は、自立運転回転数R1よりも小さい。所定回転数R2は、エンジン10の始動性を十分確保できるように設定される。所定回転数R2(又は所定回転数R2に関する情報)は予めコントローラに設定される。エンジン10の回転数が所定回転数R2に達したか否かの判断は、例えば次の(1)や(2)のように行われる。(1)図5(a)に示すように、放出弁35を開状態とした時(時刻t3)から、所定の経過時間Δtが経過した時に、エンジン10の回転数が所定回転数R2に達したと判断される(推測される)。(2)エンジン10からコントローラ65に入力される回転数情報に基づいて、エンジン10の回転数が所定回転数R2に達したか否か判断してもよい。次に、ステップS113に進む。
ステップS113では、カット弁29を閉状態にする。上記ステップS13(図2参照)と同様に、カット弁29を閉状態にする時は、例えば時刻t111と同時などである。
(パイロット油圧について)
変形例1の動作では、エンジン10が自立運転回転数R1に達する時(時刻t7)よりも前に、図5(c)に示すように、アンロード弁27がパイロット油圧入力状態(開状態)になる(時刻t111)。また、時刻t111の時に、カット弁29がパイロット油圧入力状態(閉状態)になる。そのため、時刻t111の時に、第2アキュームレータ45の油圧が瞬間的に低下する場合がある(この低下を「低下β」とする。図示なし)。しかし、図5(e)に示すように、上記「低下β」が生じる時には、既に回生モータ31の容量が所定容量qに達しているので、回生モータ31の発生トルクの不足が生じにくい。よって、エンジン10の始動性が悪くなる問題が抑制される。
(効果3)
次に、変形例1のエンジン始動装置101による効果を説明する。図5(b)及び(e)に示すように、エンジン10始動時に放出弁35が開状態となる時以前(時刻t3以前)に、回生モータ31の容量は、回生モータ31の発生トルクがエンジン10の始動トルクよりも大きくなるように(所定容量qに)制御される。
よって、エンジン10の始動トルクに対する、回生モータ31の発生トルクの不足をより抑制できる。よって、エンジン10の始動性をより向上させることができる。
(変形例2)
図6を参照して、変形例2のエンジン始動装置201について、上記実施形態のエンジン始動装置1(図1参照)との相違点を説明する。上記実施形態と変形例2との相違点は、アンロード弁227及びカット弁229の構成である。以下、上記相違点をさらに説明する。
アンロード弁227(油圧制御弁)は、パイロット油圧に対する開閉動作が上記実施形態のアンロード弁27(図1参照)と逆となるように構成される。さらに詳しくは、上記実施形態のアンロード弁27(図1参照)は、パイロット油圧非入力状態のときに閉状態、パイロット油圧入力状態のときに開状態となるように構成された。一方、図6に示すように、変形例2のアンロード弁227は、パイロット油圧非入力状態のときに開状態、パイロット油圧入力状態のときに閉状態となるように構成される。なお、「油圧制御弁」、すなわち、「ポンプ21とタンクTとの間に設けられ、アクチュエータ制御弁25とは別に設けられ、パイロット油圧に応じて開閉する、油圧制御弁」は、上記実施形態ではカット弁29(図1参照)であったが、変形例2ではアンロード弁227である。
カット弁229は、手動式の切換弁である。さらに詳しくは、上記実施形態のカット弁29(図1参照)は、パイロット油圧に応じて開閉する弁であった。一方、変形例2のカット弁229は、手動により、開状態と閉状態とを切り換え可能な弁である。カット弁229は、通常は閉状態とされ、非常時等に手動で開状態とされる。非常時とは、ポンプ21の吐出油がタンクTに戻れない状態の時である。具体的には、非常時とは、アンロード弁227が故障して閉状態のまま動かなくなった時などである。
(変形例3)
図7を参照して、変形例3のエンジン始動装置301について、上記実施形態のエンジン始動装置1(図1参照)との相違点を説明する。図1に示すエンジン始動装置1では、エンジン10始動時のパイロット油圧源は、第2アキュームレータ45であった。一方、図7に示す変形例3のエンジン始動装置301では、エンジン10始動時のパイロット油圧源は、第3アキュームレータ333である。また、エンジン始動装置301は、減圧弁345を備える。以下、上記相違点をさらに説明する。
第3アキュームレータ333(始動用アキュームレータ、パイロット油圧源)は、第1アキュームレータ33と同様の機能を備える。
減圧弁345は、第3アキュームレータ333の油圧を減圧して、パイロット油路41にパイロット油圧を供給するための弁である。減圧弁345は、第3アキュームレータ333とパイロット油路41との間に設けられる。
この構成では、第3アキュームレータ333は、回生モータ31に油を供給するための(エンジン始動用)のアキュームレータと、パイロット油圧源としてのアキュームレータと、の両方の機能を兼ねる。よって、パイロット油圧源(図1の第2アキュームレータ45)の設置スペース及びコストを削減できる。
(その他の変形例)
上記実施形態や変形例は、様々に変更できる。
例えば、図1、図5、及び図6に示す油圧回路の各構成要素の接続等は適宜変更できる。具体的には例えば、上記実施形態では、図1に示すように、アクチュエータ23から蓄圧切換弁37を介して第1アキュームレータ33に油が供給された。しかし、アクチュエータ23以外から第1アキュームレータ33に油が供給されてもよい。例えば、上述したように回生モータ31をポンプとして動作させ、このポンプから第1アキュームレータ33に油が供給されてもよい。
また例えば、図7に示す変形例3のエンジン始動装置301に対し、図1に示す第2アキュームレータ45を付加してもよい。この付加をした場合、パイロット油圧源の容量が増える。
また例えば、弁の制御方式を変更してもよい。具体的には、アクチュエータ制御弁25、放出弁35、及び蓄圧切換弁37等は、パイロット油圧制御式でなくてもよく、例えば電磁制御式などとしてもよい。但し、「圧力制御弁」(変形例3以外のカット弁29(図1、図6参照)、変形例3のアンロード弁227(図7参照))の開閉制御、及び、回生モータ31の容量制御は、パイロット油圧制御式とする。
また例えば、弁の開閉のタイミングを変更してもよい。例えば、図5(a)及び(c)に示すように、変形例1では、エンジン10が自立運転回転数R1に達する時(時刻t7)より前に、アンロード弁27を開状態とした(時刻t111)。しかし、時刻t111は、時刻t7以後でもよい。
1、101、201、301 エンジン始動装置
10 エンジン
11 エンジン軸
21 ポンプ
23 アクチュエータ
25 アクチュエータ制御弁
26 アンロード油路
27 アンロード弁
28 センタバイパス油路
29 カット弁(油圧制御弁)
31 回生モータ
33 第1アキュームレータ(始動用アキュームレータ)
35 放出弁
45 第2アキュームレータ(パイロット油圧源)
227 アンロード弁(油圧制御弁)
333 第3アキュームレータ(始動用アキュームレータ、パイロット油圧源)
R1 自立運転回転数(所定回転数)
R2 所定回転数

Claims (3)

  1. エンジンと、
    前記エンジンの出力軸であるエンジン軸と、
    前記エンジン軸に接続され、油を吐出するポンプと、
    前記ポンプに接続されるアクチュエータと、
    前記ポンプと前記アクチュエータとの間に設けられ、前記ポンプから前記アクチュエータに供給される油を制御するアクチュエータ制御弁と、
    前記ポンプとタンクとの間に設けられ、前記アクチュエータ制御弁とは別に設けられ、パイロット油圧に応じて開閉する油圧制御弁と、
    前記エンジン軸に接続され、パイロット油圧に応じて容量が変わる回生モータと、
    前記回生モータに接続される始動用アキュームレータと、
    前記回生モータと前記始動用アキュームレータとの間に設けられ、前記始動用アキュームレータから前記回生モータへの油の供給の有無を切り換える放出弁と、
    前記油圧制御弁及び前記回生モータにパイロット油圧を供給するパイロット油圧源と、
    を備え、
    前記回生モータは、入力されるパイロット油圧が大きいほど容量が大きくなるように構成され、
    前記油圧制御弁は、パイロット油圧入力状態のときに閉状態、パイロット油圧非入力状態のときに開状態、となるように構成され、
    前記エンジンを停止状態から始動させるエンジン始動時には、前記放出弁が開状態、かつ、前記油圧制御弁が開状態となるように制御される、
    エンジン始動装置。
  2. 前記ポンプと前記アクチュエータ制御弁との間から分岐してタンクにつながれるアンロード油路と、
    前記アンロード油路に設けられ、パイロット油圧に応じて開閉するアンロード弁と、
    前記アクチュエータ制御弁の中立位置を介して前記ポンプとタンクとをつなぐセンタバイパス油路と、
    を備え、
    前記油圧制御弁は、前記センタバイパス油路のうち前記アクチュエータ制御弁よりも下流側に設けられるカット弁であり、
    前記アンロード弁は、パイロット油圧非入力状態のときに閉状態、パイロット油圧入力状態のときに開状態となるように構成され、
    前記エンジン始動時には、前記アンロード弁が閉状態、かつ、前記カット弁が開状態となるように制御され、
    前記エンジンの回転数が所定回転数以上の時には、前記アンロード弁が開状態、かつ、前記カット弁が閉状態となるように制御される、
    請求項1に記載のエンジン始動装置。
  3. 前記エンジン始動時に前記放出弁が開状態となる時以前に、前記回生モータの容量は、前記回生モータの発生トルクが前記エンジンの始動トルクよりも大きくなるように制御される、
    請求項1または2に記載のエンジン制御装置。
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