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JP6048214B2 - 液体現像剤 - Google Patents

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JP6048214B2 JP2013036967A JP2013036967A JP6048214B2 JP 6048214 B2 JP6048214 B2 JP 6048214B2 JP 2013036967 A JP2013036967 A JP 2013036967A JP 2013036967 A JP2013036967 A JP 2013036967A JP 6048214 B2 JP6048214 B2 JP 6048214B2
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Description

本発明は、液体現像剤に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる液体現像剤は、トナー粒子を絶縁性液体に分散させて構成されている。絶縁性液体は、トナー粒子を安定して分散させることができるように適宜選択されている。
たとえば、特開2007−41162号公報(特許文献1)には、重量平均分子量が300以下で粘度が0.5〜30mPa・sである第1の液体と、重量平均分子量が300〜1000で粘度が30〜1000mPa・sである第2の液体とを含む絶縁性液体が開示されている。
また、特開2006−99127号公報(特許文献2)には、0.5〜4%の低揮発性の炭化水素と、96〜99.5%の高揮発性の炭化水素とを含む絶縁性液体が開示されている。
特開2007−41162号公報 特開2006−99127号公報
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体から中間転写体へ、または中間転写体から用紙へなどとトナー像を転写させる工程がある。転写の工程では、帯電させたトナー粒子を電気的な力で移動させる方法を使うのが一般的である。感光体から中間転写体へと転写させる際には、両者に、あるいは一方に電源装置を設けて両者の間に電位差(転写電界)を発生させてトナー粒子を移動させる。像担持体(感光体あるいは中間転写体)から用紙へと転写する際には、像担持体と対向して用紙を挟むように転写部材を設け、像担持体と転写部材の両方あるいは一方に電源装置を設けて両者の間に電位差(転写電界)を発生させてトナー粒子を移動させる。
良好な画像を得るには転写の工程で画像乱れが生じないように良好に転写する必要がある。ところが、湿式電子写真方式では、液体現像剤を使っているために転写の工程で粒状の濃度ムラ(以下、「粒状ムラ」という)が生じてしまうことがあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、画像形成装置における転写の工程で発生する粒状ムラを抑制し、良好な画像を得ることができる液体現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、まず粒状ムラの原因を検討したところ、感光体から中間転写体へ、または中間転写体から用紙へトナー像を転写させる工程において、転写部の電界が転写部より広い範囲に作用し、液体現像剤中のトナー粒子が転写部を通過する前に移動するためにトナー粒子が局所的に集まりやすくなることに起因している可能性があることを突き止めた。このような原因による場合、液体現像剤中をトナー粒子が移動しにくいようにすれば、転写の工程で粒状の濃度ムラが発生することを抑制することができるものと予想される。
液体現像剤中をトナー粒子が移動しにくいようにするために、絶縁性液体の粘度を高くすることが考えられるが、この場合、揮発性やメディアへの浸透性が低下し、定着性に不具合を発生させ良好な画像の出力物を得ることができなくなる。定着性の不具合とは、定着前のトナー層に多くの絶縁性液体が残存し、この状態で定着のために熱ローラを通過させることによりトナー層がローラ圧で分断される現象(以下、「像流れ」という)をいう。像流れが生じると、画像濃度が低下したり、画像にズレが生じたりする。本発明者らは、以上を考慮して液体現像剤に用いられる絶縁性液体を鋭意研究し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体とを含み、該絶縁性液体は、炭素数が11〜16の第1炭化水素を10〜60質量%、および炭素数が17〜20の第2炭化水素を40〜90質量%含み、炭素数が21以上の第3炭化水素を含まないまたは10質量%以下含み、該絶縁性液体に含まれる、第1炭化水素、第2炭化水素および第3炭化水素の総量は、95質量%以上であることを特徴とする。
ここで、該絶縁性液体は、第1炭化水素を10〜30質量%、および第2炭化水素を70〜90質量%含むことが好ましい。
また、該絶縁性液体は、第3炭化水素を含まないまたは1質量%以下含むことが好ましい。
また、上記トナー粒子は、樹脂と着色剤とを含み、該樹脂は酸価20mgKOH/g以上のポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明の液体現像剤は、画像品質を低下させることなく、粒状ムラの発生が抑制されるという優れた効果を有する。
中間転写体から用紙にトナー像が転写される様子を模式的に示す断面図と(図1(a))、図1(a)のニップ部分の拡大図である(図1(b))。 均一にトナー像が転写された場合の転写後のトナー像と(図2(a))、粒状ムラが生じた状態でトナー像が転写された場合の転写後のトナー像と(図2(b))を模式的に示す図である。 画像形成装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<液体現像剤>
本発明の液体現像剤は、トナー粒子と絶縁性液体とを含む。かかる液体現像剤は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえば荷電制御剤、増粘剤、トナー粒子を分散させるための分散剤(以下、便宜上「トナー分散剤」という)等を挙げることができる。液体現像剤の配合割合は、たとえばトナー粒子を10〜50重量%、絶縁性液体を50〜90重量%とすることができる。このような液体現像剤は、複写機、プリンタ、デジタル印刷機、簡易印刷機などの電子写真方式の画像形成装置用の現像剤として有用である。
<絶縁性液体>
本発明の液体現像剤に含まれる絶縁性液体とは、常温で不揮発性であり、電気的に絶縁性を示すもの(たとえば抵抗値が1011〜1016Ω・cmの範囲のもの)が好ましい。この範囲の抵抗値を有すれば、通常静電潜像を乱すことがないためである。さらに、このような絶縁性液体としては、臭気および毒性がないものが好ましい。
絶縁性液体は、主として炭素数の異なる炭化水素の混合物からなる。具体的には、炭素数が11〜16の第1炭化水素(C11〜C16)を10〜60質量%、および炭素数が17〜20の第2炭化水素(C17〜C20)を40〜90質量%含み、炭素数が21以上の第3炭化水素(C21以上)を含まないまたは10質量%以下含む。絶縁性液体に含まれる、第1炭化水素、第2炭化水素および第3炭化水素の総量は、95質量%以上である。
まず、図1を用いて、中間転写体から用紙へトナー像を転写させる工程において粒状ムラが発生する原因について考察する。図1(a)は、中間転写体から用紙にトナー像が転写される様子を模式的に示す断面図である。中間転写体2上のトナー像4(転写前)は、中間転写体2と転写ローラ1とのニップ部分において、中間転写体2と転写ローラ1との電位差により生じる電界の影響を受けて用紙3上に転写されてトナー像5(転写後)を形成する。図1(b)は、図1(a)のニップ部分の拡大図を示す。中間転写体2と転写ローラ1のニップ部分9においてトナー像が移動するものの、転写電界の影響はニップ部分9より広い範囲、たとえば範囲8におよぶ。したがって、ニップ部分9に到達する前に、トナー像4中のトナー粒子は転写電界の影響を受けて液体現像剤内を表面7方向へ移動する。たとえば、範囲10では、表面7近傍へのトナー粒子の移動に伴い、表面7近傍においてトナー粒子の凝集が生じやすくなる。このようにして生じたトナー粒子の凝集が、ニップ部分9でそのまま転写されて粒状ムラを生じさせることになる。感光体から中間転写体への転写工程における粒状ムラの発生原因も同様であると考察される。
図2は、均一にトナー像が転写された場合の転写後のトナー像(図2(a))と、粒状ムラが生じた状態でトナー像が転写された場合の転写後のトナー像(図2(b))とを模式的に示す図である。粒状ムラが生じると、白地部分が多くなって画像濃度の低下が生じることになる。
絶縁性液体の粘度を調整することにより、たとえば3mPa・s以上にすることにより粒状ムラを抑制することができる。炭素数が17以上である第2炭化水素および第3炭化水素を主体にすると、絶縁性液体の粘度を3mPa・s以上に調整することができ、粒状ムラを抑制することができる。ただし、炭素数が17以上である第2炭化水素および第3炭化水素のみでは、絶縁性液体の用紙等のメディアへの浸透速度が遅く、メディアへの転写直後に熱ローラによる定着のような接触定着を行なうと、トナー層が分断され像流れが発生する場合がある。特に第3炭化水素は浸透速度が極端に遅く、像流れを発生させやすい。
そこで、本発明では、第1炭化水素を絶縁性液体に含有させることとする。第1炭化水素は、粘度が低いために用紙等のメディアへの浸透速度が速く、また揮発しやすいため、トナー層に含まれる絶縁性液体の量を低減させることができ、熱ローラによる定着工程での像流れの発生を抑制することができる。なお、第1炭化水素を上記数値の範囲内で含有させることにより、炭素数が17以上である第2炭化水素および第3炭化水素に由来する粒状ムラの抑制効果を維持することができる。
第1炭化水素(C11〜C16)の含有量が10質量%未満であると、または第2炭化水素(C17〜C20)の含有量が90質量%を超えると、像流れが顕著になる。また、第1炭化水素(C11〜C16)の含有量が60質量%を超えると、または第2炭化水素(C17〜C20)の含有量が40質量%未満であると、粒状ムラが顕著になる。また、第3炭化水素(C21以上)の含有量が10質量%を超えると、像流れが顕著になる。なお、炭素数が16の炭化水素(C16)と、炭素数が18の炭化水素(C18)の揮発速度を確認したところ、炭素数が16の炭化水素(C16)の方が揮発性、浸透性が大幅に高かった。したがって、本発明では、第1炭化水素の炭素数の上限値を16として、第1炭化水素の含有量を上記のとおり規定し、メディアへの残液の増加を抑制している。
絶縁性液体は、好ましくは、第1炭化水素(C11〜C16)を10〜30質量%、および第2炭化水素(C17〜C20)を70〜90質量%含む。このような比率によると、粒状ムラをより抑制しやすくなる。なお、第3炭化水素(C21以上)は含まないことが好ましく、含む場合は、上記のとおり10質量%以下の範囲で含み、好ましくは1質量%以下の範囲で含む。第3炭化水素(C21以上)は、第2炭化水素(C17〜C20)と比較して、さらに揮発速度が小さく、したがってメディアへの残液の増加を抑制するために、含有する場合であっても上記範囲で含有するものとする。
絶縁性液体は、炭素数が10以下の炭化水素(C10以下)を含んでいてもよいが、かかる炭化水素は揮発性が高いため含まない方が好ましい。
絶縁性液体に含まれる炭化水素は、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族化炭化水素、およびこれらの混合物のいずれであってもよく、また飽和炭化水素が主であることが好ましいが、不飽和炭化水素が混在していてもよい。
第1炭化水素(C11〜C16)としては、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカンなどが例示される。第2炭化水素(C17〜C20)としては、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサンなどが例示される。第3炭化水素(C21以上)としては、ヘンイコサンが例示される。
絶縁性液体は、具体的には、モレスコホワイト(松村石油研究所社製)、アイソパー(エクソン化学社製)、シェルゾール(シェル石油化学社製)、IPソルベント1620、IPソルベント2028、IPソルベント2835(いずれも、出光石油化学社製)等、市販のパラフィンオイルを混合して作製することにより、上記比率を得ることができる。
第1炭化水素(C11〜C16)として、アイソパーL(エクソンモービル社製)、IPソルベント2028(出光興産社製)が例示される。第2炭化水素(C17〜C20)として、モレスコホワイトP−40(モレスコ社製)、IPソルベント2835(出光興産社製)が例示される。第3炭化水素(C21以上)として、モレスコホワイトP−70(モレスコ社製)、P−120(モレスコ社製)が例示される。これらを混合して絶縁性液体を作製することにより、上記比率の絶縁性液体が得ることができる。
本発明の液体現像剤が適用される画像形成システムにおいて、トナー付着量は約0.5〜4g/mである。本発明の液体現像剤によると、粒状ムラおよび像流れを抑制し、良好な画像を形成することができる。
<トナー粒子>
本発明の液体現像剤に含まれるトナー粒子は、樹脂と、該樹脂中に分散された着色剤とを含む。かかるトナー粒子は、これらの成分を含む限り、他の任意の成分を含むことができる。他の成分としては、たとえばワックス、荷電制御剤等を挙げることができる。
トナー粒子の体積平均粒径は、0.5μm以上5.0μm以下であることが好ましい。体積平均粒径が0.5μm未満になると、粒子が小径過ぎて、電界での移動性が悪化し、現像性が低下する。体積平均粒径が5.0μmより大きくなると、均一性が低下し画質が低下するため好ましくない。
<樹脂>
トナー粒子に含まれる樹脂は、熱可塑性であればいかなる樹脂でもよい。たとえば、スチレン、アクリル、酢酸ビニル等のビニル系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ、エチレン、石油系樹脂、等である。
その中でも、シャープメルト性を有するポリエステル樹脂が好ましく用いられる。ポリエステル樹脂は、熱特性等の特性を広範囲に変化させることができるとともに、透光性、延展性、粘弾性に優れるためである。このようにポリエステル樹脂は、透光性に優れることから、カラー画像を得る場合に美しい色彩を得ることができ、また延展性および粘弾性に優れることから紙等のメディア上に形成された画像(樹脂膜)が強靭で、しかもそのメディアと強力に接着することができる。さらに、酸価を有するポリエステル樹脂が好ましく用いられる。酸価を有するポリエステル樹脂は、架橋構造を形成することから、樹脂中へ絶縁性液体が浸入しにくくなり、トナー層中の絶縁性液体の液量を抑制し、像流れを抑制しやすくなる。ポリエステル樹脂の酸価は好ましくは20mgKOH/g以上、より好ましくは30mgKOH/g以上である。酸価が高い方が、架橋構造を多く有するようになり、像流れに対してより優位になるからである。
ポリエステル樹脂は、酸成分(多塩基酸)とアルコール成分(多価アルコール)らなる。ここで、多価アルコールとしては、特に限定されず、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール等のプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のヘキサンジオール等のアルキレングリコール(脂肪族グリコール)およびこれらのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノール等のビスフェノール類およびこれらのアルキレンオキサイド付加物のフェノール系グリコール類、単環あるいは多環ジオール等の脂環式および芳香族ジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール等が挙げられる。これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。特に、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド2〜3モル付加物が、生成物であるポリエステル樹脂の溶解性、安定性の点で液体現像剤のトナー粒子用樹脂として適し、かつ低コストであることからも好ましい。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
また、多塩基酸(多カルボン酸)としては、たとえばマロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸およびその変性酸(たとえば、ヘキサヒドロ無水フタル酸)、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の飽和または不飽和(あるいは芳香族)の多価塩基酸およびこれらの酸無水物、低級アルキルエステル等を挙げることができ、これらを各単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸が、生成物であるポリエステル樹脂の溶解性、安定性の点で液体現像剤のトナー粒子用樹脂として適し、かつ低コストであることからも好ましい。特に3官能以上の官能基を有するトリメリット酸を用いれば、高い酸価のポリエステル樹脂を得るために優位である。
ポリエステル樹脂は、数平均分子量が500以上10000以下が好ましく、より好ましくは1000以上5000以下である。上記分子量の場合、適度な溶融性と耐オフセット性が得られる。
<着色剤>
本発明のトナー粒子に含まれる着色剤は、上記の樹脂中に分散されている。このような着色剤の粒径は、0.3μm以下であることが好ましい。着色剤の粒径が0.3μmを超えると着色剤の分散が悪くなり、光沢度が低下し所望の色目を実現できなくなる場合がある。
また、トナー粒子中における着色剤の添加量は、トナー粒子固形分に対して、5〜50質量部程度とすることが好ましい。その添加量が5質量部未満では、十分な着色効果を得ることができない場合があり、50質量部を超えると、着色剤の均一分散が難しくなり、着色剤の凝集による光沢度の低下を引き起こす場合がある。
このような着色剤としては、従来公知の顔料、染料等を特に限定することなく使用することができるが、コスト、耐光性、着色性等の観点から、たとえば以下の着色剤を使用することが好ましい。なお、色彩構成上、これらの着色剤は、通常ブラック着色剤、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤に分類され、基本的にブラック以外の色彩(カラー画像)はイエロー着色剤、マゼンタ着色剤、シアン着色剤の減法混色により調色される。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、バイオマス由来のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。
<トナー分散剤>
本発明の液体現像剤に含まれるトナー分散剤は、トナー粒子を絶縁性液体中に安定的に分散させる作用を有するものであり、このため、通常はトナー粒子の表面部に存在(吸着)している。このような分散剤は、絶縁性液体に対して可溶性であることが好ましい。
このようなトナー分散剤としては、トナー粒子を安定に分散させるものである限り特に限定されるものではなく、たとえば界面活性剤、高分子分散剤等を用いることができる。そして、トナー粒子を構成する樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合には、このようなトナー分散剤として塩基性の高分子分散剤を用いることが好ましい。
このような塩基性の高分子分散剤としては、分子内にアミン、アミド、イミン、ピロリドンを含む含窒素樹脂が挙げられる。具体的には、たとえば、ポリエステルアミン、変性ポリウレタン、ポリアルキレンポリアミン、変性ポリウレタン、ポリエステルポリアミンが挙げられる。塩基性の高分子分散剤の他の具体例としては、BYK Chemie社製の「Disperbyk−109」(アルキロールアミノアマイド)、「Disperbyk−130」(不飽和ポリカルボン酸ポリアミノアマイド)が挙げられる。また、アビシア社製の「S13940」(ポリエステルアミン系)や、「S17000」、「S18000」および「S19000」(脂肪酸アミン系)、「S11200」等も挙げられる。その塩基性基としてピロリドン基を有する高分子分散剤を用いることが特に好ましい。これは、恐らくトナー粒子を構成する上述のポリエステル樹脂の酸価が高い場合に塩基性の高分子分散剤を用いることにより、これら両者の相互作用によりトナー粒子の良好な分散性が長期間に亘り安定化されるためではないかと考えられる。
このような塩基性の高分子分散剤としては、上記ピロリドン基をはじめ、たとえば芳香族アミノ基、脂肪族アミノ基、ヘテロ環窒素含有基、ヘテロ環酸素含有基、ヘテロ環硫黄含有基等を有する高分子分散剤を挙げることができる。また、ピロリドン基としては、たとえばN−ビニルピロリドン基を挙げることができ、N−ビニルピロリドン基を有する塩基性の高分子分散剤としては、たとえばN−ビニル−2−ピロリドンとメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、またはアルキレン化合物とのランダム共重合体またはグラフト共重合体等を挙げることができる。ここで、メタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルがアルキルエステルである場合、そのアルキル基の炭素数は10〜20程度であることが好ましい。これらの市販品を例示すると、たとえば「Antaron V−216」、「Antaron V−220」(いずれも商品名、GAF/ISP Chemicals社製)等を挙げることができる。また、上記アルキレン化合物のアルキル基の炭素数は10〜30程度が好ましい。
<樹脂製造方法>
トナー粒子を構成する樹脂に用いられるポリエステル樹脂は、従来公知の重縮合方法により製造することができる。すなわち、用いる原料モノマーの種類に応じて異なるものの、一般的には150〜300℃の温度範囲で行なうことができる。また、雰囲気ガスとして不活性ガスを用いたり、各種の溶媒を任意に選択したり、反応容器内圧力を常圧または減圧にする等、任意の条件を採用することができる。
また、反応を促進させるために、エステル化触媒を用いてもよい。エステル化触媒としては、たとえばテトラブチルジルコネート、ジルコニウムナフテネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、3/1しゅう酸第1スズ/酢酸ナトリウム等の金属有機化合物等を挙げることができるが、生成物であるポリエステルを着色しないものが好ましい。
なお、反応生成物であるポリエステル樹脂の分子量は、反応時間を調整することにより調整することができる。ポリエステル樹脂を得る重縮合反応は、低分子量物質が時間の経過に伴って分子量を増大させていく逐次反応であるからである。このような反応時間と分子量との関係は、原料モノマーの種類、各種の重合条件、ロットスケール等により異なるため、これらの諸条件を考慮し、所望の分子量が得られる反応時間を調節することが好ましい。
<液体現像剤の製造方法>
液体現像剤の調製は、造粒法、粉砕法等の従来公知の方法に基づいて行なうことができる。粉砕法では、予め樹脂と着色剤を溶融混練し、粉砕する。粉砕は乾式状態やオイル中での湿式状態で行う方法がある。造粒法では、懸濁重合法、乳化重合法、微粒子凝集法、樹脂溶液に貧溶媒を添化し析出する方法、スプレードライ法等がある。
次に、粉砕法について、説明する。液体現像剤の調製は、従来公知の技法に基づいて行なうことができる。たとえば、加圧ニーダ、ロールミル、3本ロール等の混練機を用いて、樹脂と着色剤とを所定の配合比で溶融混練し、樹脂中に着色剤を均一に分散させることにより着色剤−樹脂分散体を得る。
続いて、上記で得られた着色剤−樹脂分散体を冷却し、冷却後これを粗粉砕する。引き続き、粗粉砕された着色剤−樹脂分散体(これを「粗粉砕トナー」ということもある)をさらに所望の粒径となるまで粉砕することにより、トナー粒子を得る。上記で用いることができる粉砕方法としては、乾式粉砕法と湿式粉砕法を挙げることができるが、省エネルギで所望の粒径まで粉砕できる方法であれば特に限定されるものではない。
たとえば、カッターミルにより粗粉砕トナーを得、引き続き乾式粉砕法としてジェットミルを用いて、粗粉砕トナーを所望の粒径となるまでさらに粉砕することによりトナー粒子を得る。そして、このトナー粒子を絶縁性液体および分散剤と混合することにより液体現像剤を調製することができる。
一方、湿式粉砕法を採用する場合は、たとえば上記方法で得られた粗粉砕トナー、絶縁性液体、および分散剤を混合し、サンドミルを用いてこの混合物を粉砕することによりトナー粒子を所望の粒径とし、液体現像剤を調製することができる。
<画像形成装置>
図3は、現像剤として本発明に係る液体現像剤を使用可能な画像形成装置の一例を示す概略図である。図3に示す画像形成装置20は、感光体から中間転写体に1次転写した後、メディアに2次転写する単色の画像形成装置であるが、感光体から直接用紙に転写する方式や、複数の現像剤を重ね合わせてカラー画像を形成する多色画像形成装置においても本発明に係る液体現像剤を使用することができる。
図3に示す画像形成装置20において、現像槽22には、現像剤21が入れられている。現像剤21はf方向に回転するアニロックスローラ23でくみ上げられ、e方向に回転するならしローラ25に送られる。アニロックスローラ23表面の余分な液体現像剤は、ならしローラ25に達する前にアニロックス規制ブレード24でかきとられ、ならしローラ25では、現像剤が均等の層厚となるように調整される。現像剤は、ならしローラ25からb方向に回転する現像剤担持体26に転移する。
感光体29は、a方向に回転し、帯電部30で帯電され、露光部31で潜像形成される。潜像形成された像に対応して、現像剤は、現像チャージャー28でトナーに荷電を与えられた後、感光体29に現像される。感光体29に転移しなかった現像剤担持体26上の液体現像剤は、下流にあるクリーニングブレード27でかきとられ、回収される。感光体29に現像された現像剤は、1次転写部37で中間転写体33に静電1次転写される。転写しきれず感光体29に残留する現像剤は、クリーニングブレード32でかきとられる。中間転写体33に担持された現像剤は、中間転写体33と2次転写ローラ35とが対向する2次転写部38にてメディア40に静電2次転写される。メディア40に転写された現像剤は一対の定着ローラ36a,36bの対向部において加熱されて定着することで、プリントアウトされた画像が完成する。転写しきれず中間転写体33に残留する現像剤は、クリーニングブレード34にてかきとられる。感光体29は再び帯電、露光、現像の工程を繰り返し、プリント動作を行なう。
画像形成時に使用されるメディア40は、電子写真方式の画像形成方法によりトナー画像の形成が可能なものであれば特に限定されるものではない。具体的なメディア40としては、公知のものが挙げられ、たとえば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、あるいは、コート紙等の塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等が挙げられる。
図3に示す画像形成装置においては、感光体29から中間転写体33へのトナー像の転写工程、中間転写体33からメディア40へのトナー像の転写工程おいて粒状ムラが発生しうる。本発明の液体現像剤を用いた場合は、このような粒状ムラの発生を抑制することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<製造例1>ポリエステル樹脂Aの合成
還流冷却器、水・アルコール分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた丸底フラスコに、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を1600質量部(多価アルコール)、テレフタル酸を890質量部(多価塩基酸)、攪拌しながら窒素ガスを導入し、200〜240℃の温度で脱水重縮合または脱アルコール重縮合を行った。生成したポリエステル樹脂の酸価または反応溶液の粘度が所定の値になったところで反応系の温度を100℃以下に下げ、重縮合を停止させた。このようにして熱可塑性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂A)を得た。得られたポリエステル樹脂Aについて下記の方法により重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、ガラス転移温度Tg、酸価を測定したところ、Mw=6000、Mn=2200、Tg=55.3℃ 、酸価=14.0mgKOH/gであった。
<製造例2>ポリエステル樹脂Bの合成
還流冷却器、水・アルコール分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた丸底フラスコに、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物を1600質量部(多価アルコール)、テレフタル酸を550質量部(多価塩基酸)、そしてトリメリット酸を340質量部入れ、攪拌しながら窒素ガスを導入し、200〜240℃の温度で脱水重縮合または脱アルコール重縮合を行った。生成したポリエステル樹脂の酸価または反応溶液の粘度が所定の値になったところで反応系の温度を100℃以下に下げ、重縮合を停止させた。このようにして熱可塑性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂B)を得た。得られたポリエステル樹脂Bについて下記の方法により重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、ガラス転移温度Tg、酸価を測定したところ、得られたポリエステル樹脂Bは、Mw=5400、Mn=2000、Tg=58.3℃ 、酸価=44.0mgKOH/gであった。
[分子量の測定]
ポリエステル樹脂A,Bの重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、それぞれゲルパーミエイションクロマトグラフィーの結果から算出した。ゲルパーミエイションクロマトグラフィーは、高速液体クロマトグラフポンプ TRI ROTAR−V型(日本分光社製)、紫外分光検出器 UVDEC427−100−V型(日本分光社製)、50cm長さのカラムShodex GPC A−803(昭和電工社製)を用いて行い、そのクロマトグラフィーの結果から、被検試料の分子量をポリスチレンを標準物質として算出することにより、ポリスチレン換算Mw及びMnとして求めた。なお、被検試料は樹脂0.05gを20mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解させたものを用いた。
[Tgの測定]
ポリエステル樹脂A,Bのガラス転移温度Tgは、示差走査熱量計DSC−6200(セイコーインスツルメンツ(株)製)を用い、試料量20mg、昇温速度10℃/minの条件で測定した。
[酸価の測定]
ポリエステル樹脂A,Bの酸価は、JIS K5400に規定された条件で測定した。
<実施例1>
ポリエステル樹脂Bを100質量部、銅フタロシアニンブルー15質量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、二軸押出混練機で溶融混合後、冷却し、その後粗粉砕し、ジェット粉砕機にて平均粒径6μmに微粉砕した。二軸ロール内加熱温度100℃の同方向回転二軸押出し機を用い溶融混練を行い、得られた混合物を冷却、粗粉砕して粗粉砕トナー粒子を得た。このトナー粒子34質量部、塩基性高分子分散剤(「Antaron V−216」(GAF/ISP Chemicals社製))1質量部、絶縁性液体(「アイソパーL」(エクソンモービル社製、25℃の粘度:1.1mPa・s、引火点:64℃)10質量%、「モレスコホワイトP−40」(モレスコ社製、25℃の粘度:5.4mPa・s、引火点:144℃)90質量%の混合液)100質量部、ジルコニアビーズ100質量部を混合し、サンドミルにて120時間撹拌し、実施例1の液体現像剤を得た。このようにして作製した液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は2.27μmであった。体積平均粒径は、後述の方法で測定した。以下の実施例・比較例においても同様である。
<実施例2>
使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして実施例2の液体現像剤を得た。実施例2では、絶縁性液体(「IPソルベント2028」(出光興産社製、25℃の粘度:2.5mPa・s、引火点:86℃)20質量%、「モレスコホワイトP−40」80質量%の混合液)を用いた。得られた実施例2の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は2.14μmであった。
<実施例3>
ポリエステル樹脂Bに代えてポリエステル樹脂Aを用いた点、および使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして実施例3の液体現像剤を得た。実施例3では、絶縁性液体(「IPソルベント2028」20質量%、「モレスコホワイトP−40」80質量%の混合液)を用いた。得られた実施例3の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は1.99μmであった。
<実施例4>
使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして実施例4の液体現像剤を得た。実施例4では、絶縁性液体(「IPソルベント2028」50質量%、「モレスコホワイトP−40」50質量%の混合液)を用いた。得られた実施例4の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は2.02μmであった。
<実施例5>
ポリエステル樹脂Bに代えてポリエステル樹脂Aを用いた点、および使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして実施例5の液体現像剤を得た。実施例5では、絶縁性液体(「アイソパーL」30質量%、「モレスコホワイトP−40」61質量%、「モレスコホワイトP−120」(モレスコ社製、25℃の粘度:23mPa・s、引火点:200℃)9質量%の混合液)を用いた。得られた実施例5の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は1.83μmであった。
<比較例1>
ポリエステル樹脂Bに代えてポリエステル樹脂Aを用いた点、および使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして比較例1の液体現像剤を得た。比較例1では、絶縁性液体(「アイソパーL」5質量%、「モレスコホワイトP−40」95質量%の混合液)を用いた。得られた比較例1の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は1.9μmであった。
<比較例2>
ポリエステル樹脂Bに代えてポリエステル樹脂Aを用いた点、および使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして比較例2の液体現像剤を得た。比較例2では、絶縁性液体(「アイソパーL」63質量%、「モレスコホワイトP−40」37質量%の混合液)を用いた。得られた比較例2の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は1.92μmであった。
<比較例3>
使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして比較例3の液体現像剤を得た。比較例3では、絶縁性液体(「IPソルベント2028」10質量%、「モレスコホワイトP−40」78質量%、「モレスコホワイトP−120」12質量%の混合液)を用いた。得られた比較例3の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は2.11μmであった。
<比較例4>
ポリエステル樹脂Bに代えてポリエステル樹脂Aを用いた点、および使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして比較例4の液体現像剤を得た。比較例4では、絶縁性液体(「IPソルベント2028」20質量%、「モレスコホワイトP−120」(モレスコ社製、25℃の粘度:23.3mPa・s、引火点:200℃)80質量%の混合液)を用いた。得られた比較例4の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は2.17μmであった。
<比較例5>
ポリエステル樹脂Bに代えてポリエステル樹脂Aを用いた点、および使用した絶縁性液体が異なる点以外は、実施例1と同様にして比較例5の液体現像剤を得た。比較例5では、絶縁性液体(「IPソルベント2028」97質量%、「モレスコホワイトP−120」3質量%の混合液)を用いた。得られた比較例5の液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径は1.88μmであった。
[体積平均粒径の測定]
各液体現像剤に含まれるトナー粒子の体積平均粒径を粒子径分析装置(「FPIA−3000S」、Sysmex社製)を用いて測定した。フロー溶媒に「アイソパーL」を用いた。各サンプル50mgを、分散剤(「S13940」、日本ルーブリゾール社製)30mgを加えた20gの「アイソパーL」中に投入し、その懸濁液を超音波分散器(「ウルトラソニッククリーナ モデル VS−150」、ウエルボクリア社製)で約5分間分散処理を行なったサンプルを用いて、各サンプルの体積平均粒径(体積基準の粒度分布のメジアン径D50)を測定した。
[分子量の測定]
各液体現像剤の絶縁性液体に含まれる第1炭化水素、第2炭化水素および第3炭化水素の割合については、以下の方法により炭素数分布評価を行ない確認した。まず、液体現像剤を遠心分離法により固液分離し、上澄み液の炭素数分布評価を以下に示す条件のGC−MS(ガスクロマトグラフ質量分析)法により行い、絶縁性液体に含まれる第1炭化水素、第2炭化水素および第3炭化水素の含有割合を算出した。含有割合の測定結果を表1に示す。
(1)GC(ガスクロマトグラフ)の条件
装置:キャピラリガスクロマトグラフ「HP‐6890」(Hewlett Packard製)
注入部温度:300℃
注入法:スプリットレスモード
試料:原液(100%)
試料注入量:0.1μL
キャリアガス:ヘリウム(1ml/min)
インターフェース温度:300℃
(2)MS(質量分析)の条件
装置:飛行時間型質量分析装置(Micromass Ltd.製)
イオン化:電場イオン化法(引き出し電圧:12kV)
質量範囲:m/z10〜300
イオン検出:Multi Channel Plate
[粒状ムラの評価]
図1の画像形成装置20にて各液体現像剤を用いて、ソリッドパターン(紙上付着量は2g/m)をコート紙(「OKトップコートプラス128g紙」、王子製紙社製)上に定着させた。なお、図1の画像形成装置20において、トナー粒子は現像チャージャー28でプラス極性に帯電させ、中間転写体33の電位は−400Vとし、2転写ローラ35の電位は−1200Vとし、メディア40の搬送速度は400mm/sとした。また、定着ローラ36a,36bの温度を160℃、定着ローラ36a,36bによるニップ時間を40msecとした。そして、定着後の画像の粒状ムラを目視で下記のように評価した。評価結果を表1に示す。
A:粒状ムラが観察されなかった。
B:粒状ムラがわずかに観察された。
C:粒状ムラが観察された。
[像流れの評価]
図1の画像形成装置20にて各液体現像剤を用いてソリッドパターン(紙上付着量は2g/m)および幅100μmのラインパターンをコート紙(「OKトップコートプラス128g紙」、王子製紙社製)上に定着させた。なお、図1の画像形成装置20において、トナー粒子は現像チャージャー28でプラス極性に帯電させ、中間転写体33の電位は−400Vとし、2転写ローラ35の電位は−1200Vとし、メディア40の搬送速度は400mm/sとした。また、定着ローラ36a,36bの温度を160℃、定着ローラ36a,36bによるニップ時間を40msecとした。そして、定着ローラ36a,36b通過後の画像について像流れを目視で観察し、下記のように評価した。なお、ソリッドパターンよりもラインパターンの方が精緻な画像であるため像流れが生じやすい。評価結果を表1に示す。
A:ソリッドパターン、ラインパターンともに像流れが観察されなかった。
B:ソリッドパターンには像流れが観察されなかったものの、ラインパターンにはわずかな移動が観察された。
C:ソリッドパターンに濃度の低下が観察され、ラインパターンの移動が観察された。
D:ソリッドパターンの濃度の大幅な低下が観察され、ラインパターンの移動が観察された。
Figure 0006048214
表1より明らかなように、実施例の液体現像剤を用いると、比較例の液体現像剤を用いた場合に比し、粒状ムラを抑制しつつ、問題となるような像流れも抑制されていることが確認できた。
1 転写ローラ、2 中間転写体、3 用紙、4 トナー像(転写前)、5 トナー像(転写後)、7 液体現像剤の表面、8 転写電界の影響範囲、9 ニップ部分、10 トナー粒子の凝集が生じやすい範囲、20 画像形成装置、21 現像剤、22 現像槽、23 アニロックスローラ、24 アニロックス規制ブレード、25 ならしローラ、26 現像剤担持体、27,32,34 クリーニングブレード、28 現像チャージャー、29 感光体、30 帯電部、31 露光部、33 中間転写体、35 2次転写ローラ、36a,36b 定着ローラ、37 1次転写部、38 2次転写部、40 メディア。

Claims (3)

  1. トナー粒子と絶縁性液体とを含み、
    前記絶縁性液体は、炭素数が11〜16の第1炭化水素を10〜30質量%、および炭素数が17〜20の第2炭化水素を70〜90質量%含み、炭素数が21以上の第3炭化水素を含まないまたは10質量%以下含み、
    前記絶縁性液体に含まれる、前記第1炭化水素、前記第2炭化水素および前記第3炭化水素の総量は、95質量%以上である、液体現像剤。
  2. 前記絶縁性液体は、前記第3炭化水素を含まないまたは1質量%以下含む、請求項1に記載の液体現像剤。
  3. 前記トナー粒子は、樹脂と着色剤とを含み、前記樹脂は酸価20mgKOH/g以上のポリエステル樹脂である、請求項1または2に記載の液体現像剤。
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