実施の形態1.
以下の各実施の形態において、説明を容易にするため、各図中にXYZ直交座標軸を示す。以下の説明において、前照灯ユニット100の前方を+Z軸方向とし、後方を−Z軸方向とする。前方を向いて右側を+X軸方向とし、左側を−X軸方向とする。前照灯ユニット100の上方向(空の方向)を+Y軸方向とし、前照灯ユニット100の下方向(地面の方向)を−Y軸方向とする。前照灯ユニット100を後方(−Z軸方向)から見た際に、Z軸を中心軸として、時計回りを+RZ方向とし、反時計回りを−RZ方向とする。また、前照灯ユニット100を左側(−X軸方向)から見た際に、X軸を中心軸として、時計回りを+RX方向とし、反時計回りを−RX方向とする。
図1は、実施の形態1に係る前照灯ユニット100の分解背面斜視図である。図2は、前照灯ユニット100を組み立てた状態の背面斜視図である。図3は、前照灯ユニット100を組み立てた状態の前面斜視図である。
前照灯ユニット100は、光源101、導光部材102、投射レンズ103および駆動部112を備える。また、前照灯ユニット100は、レンズホルダ106およびベース部104を備えることができる。導光ユニット132は、導光部材102を保持している。
<光源101>
光源101、例えばLED(Light Emitting Diode)、キセノンランプまたはハロゲンランプなどである。また、光源101として、エレクトロルミネッセンス素子又は半導体レーザ等を用いることもできる。以下の説明では、光源101をLEDとして説明する。光源101には、光源101から発せられる熱を外部へ逃がすための放熱器126が取り付けられている。光源101はベース部104に直接固定されるか、または放熱器126を介してベース部104に固定される。
図4は、導光ユニット132の分解斜視図である。導光ユニット132は、導光部材102および導光部材ホルダ105を有している。導光部材ホルダ105は、調整ベース136、導光部材ベース137および板ばね138を有している。導光部材102は、導光部材ベース137の+Y軸方向側の面上に配置されている。導光部材102は、+Y軸方向から板ばね138により−Y軸方向、−X軸方向及び+Z軸方向に押されることで、導光部材ベース137に保持されている。板ばね138は、導光部材ベース137に固定される。
<導光部材102>
導光部材102は、例えばライトガイドまたはライトパイプなどである。「ライトガイド」とは、アクリル樹脂などの透明部材の内面反射を利用して、片側から入射した光を他方へ効率よく導く光学素子である。「ライトパイプ」とは、中空部材の内面で複数回光を反射させ、片側から入射した光を他方へ導く光学素子である。
図4において、前照灯10に用いられる導光部材102は板形状をしている。例えば、自動車用ロービームに関する所定の配光パターンは、上下方向が狭い横長の形状である。導光部材102の光の出射面と光を投射する位置(照射面190)とは、光学的に共役の位置にある。このため、照射面190での配光パターンは、導光部材102の光の出射面での配光パターンと同じになる。「導光部材102の光の出射面での配光パターン」は、導光部材102の光の出射面の形状と同じになる。「光学的に共役」とは、1つの点から発した光が他の1つの点に結像する関係のことをいう。横長の配光パターンを形成するためには、導光部材102の光の出射面の形状を横長にする必要がある。そのために、図4では導光部材102は板形状となっている。光の出射面の形状を横長となることから、少なくとも導光部材102は板形状の部分を有している。導光部材102が板形状となるため、導光ユニット132も板状の形状となる。または、導光ユニット132も板形状の部分を有することができる。
導光部材102は、ほとんどが光学面であるため、極力少ない接触面で保持されることが望まれる。そのため、導光部材ベース137は、導光部材102を位置決めするための2種類の当接部を有する。「当接」とは、当たって接することである。2つの当接部は、突出面が半円柱形状となっている。「半円柱形状」とは、円柱を円柱の軸に平行な面で切断した形状である。半円柱形状の母線の部分が当接部となる。導光部材102は、円柱の側面の母線に沿った当接部と接する。「母線」とは、円柱の側面の縦の部分である。底面に対して垂直に立てた線分を底面の円の周上に沿って一周させると円柱となる。この線分が母線である。
当接部のうちの1つは、上面円弧形状部139である。上面円弧形状部139は、導光部材ベース137のZ−X平面に平行な面上に形成されている。上面円弧形状部139は、+Y軸方向に突出している。上面円弧形状部139の軸は、X軸に平行である。また、上面円弧形状部139は、導光部材ベース137のZ−X平面に平行な面上の+Z軸方向の端部と−Z軸方向の端部とに形成されている。導光部材102の−Y軸方向側の面が上面円弧形状部139に当接する。
当接部のうちの他の1つは、側面円弧形状部140である。側面円弧形状部140は、導光部材ベース137のY−Z平面に平行な面上に形成されている。側面円弧形状部140は、+X軸方向に突出している。側面円弧形状部140の軸は、Y軸に平行である。また、側面円弧形状部140は、導光部材ベース137のY−Z平面に平行な面上の+Z軸方向の端部と−Z軸方向の端部とに形成されている。導光部材102の−X軸方向側の面が側面円弧形状部140に当接する。上面円弧形状部139は、側面円弧形状部140の+X軸方向側に配置されている。
つまり、導光部材102の底面(−Y軸側の面)は、上面円弧形状部139と2ヶ所で線接触する。導光部材102の左側面(−X側の面)は、側面円弧形状部140と2ヶ所で線接触する。
一方、導光部材102は、フランジ142を有している。フランジ142は、導光部材102の−Z軸方向の端部から−X軸方向に突出した直方体形状の部分である。図4では、フランジ142の−Z軸側の面は、導光部材102の光の入射面と同一面となっている。導光部材102は、フランジ142の+Z軸側の面が導光部材ホルダ137の当て面141に接するように配置される。当て面141は、導光部材ホルダ137に形成された面である。当て面141は、X−Y平面に平行な面である。上述のように、側面円弧形状部140の1つは、導光部材ベース137の−Z軸方向の端部に形成されている。当て面141は、その側面円弧形状部140の−Z軸側に形成されている。また、当て面141は、側面円弧形状部140の−X軸側に形成されている。
<板ばね138>
板ばね138は、ばね部138a,138b,138c,138d,138eを有する。ばね部138a,138bは、X軸方向に長く、Z−X平面に平行な面で形成された板ばねである。ばね部138a,138bは、−X軸側に固定部分を持ち、+X軸側が自由端の片持ち梁の形状をしたばねである。つまり、ばね部138a,138bは、X軸方向に伸びる片持ち梁の形状をしたばねである。ただし、ばね部138a,138bのZ−X平面に平行な面は、ばね力を発生させるため、予め−Y軸方向に折り曲げられることができる。ばね部138a,138bは、先端の部分が+Y軸方向に折り曲げられている。つまり、ばね部138a,138bの+X軸側の先端部分は、+Y軸側に折り曲げられている。その折り曲げ部分と導光部材102の上面(+Y軸面)とが線接触している。導光部材102は、ばね部138a,138bと上面円弧形状部139とに挟まれることで、導光部材ベース137に対してY軸方向に動かないように保持されている。つまり、ばね部138a,138bは、導光部材102を+Y軸方向から導光部材ベース137の上面円弧形状部139に押し当てている。
ばね部138c,138dは、X軸方向に長く、Z−X平面に平行な面で形成された板ばねである。ばね部138c,138dは、−X軸側に固定部分を持ち、+X軸側が自由端の片持ち梁の形状をしたばねである。つまり、ばね部138c,138dは、X軸方向に伸びる片持ち梁の形状をしたばねである。ただし、ばね部138c,138dのZ−X平面に平行な面は、ばね力を発生させるため、予め−Y軸方向に折り曲げられることができる。ばね部138c,138dは、先端の部分は−Y軸方向に折り曲げられている。ばね部138c,138dは、導光部材102上の稜線143の垂直方向に長く、Z−X平面に平行な面で形成された板ばねである。
ばね部138c,138dの+X軸側の先端部分には、曲げ部138f,138gが形成されている。曲げ部138f,138gは、−Y軸側に折り曲げられた部分である。曲げ部138f,138gの折り曲げ量は、Z−X平面に対して90度未満である。曲げ部138f,138gの面は、導光部材102上の稜線143と線接触している。「稜線」とは、面と面の境界線のことである。稜線は直線に限らず、曲線でも構わない。稜線143は、導光部材102の+X軸側でY−Z平面に面する面の+Y軸側の稜線である。つまり、稜線143は、導光部材102の+X軸側のY−Z平面に面する面と、導光部材102の+Y軸側のZ−X平面に面する面との境界線である。導光部材102は、曲げ部138f,138gと側面円弧形状部140と挟まれることで、導光部材ベース137に対してX軸方向に動かないように保持されている。曲げ部138f,138gは、導光部材102を+X軸方向から導光部材ベース137の側面円弧形状部140に押し当てている。
ばね部138eは、X軸方向に長く、X−Y平面に平行な面で形成された板ばねである。ばね部138eは、−X軸側に固定部分を持ち、+X軸側が自由端の片持ち梁の形状をしたばねである。つまり、ばね部138eは、X軸方向に伸びる片持ち梁の形状をしたばねである。ただし、ばね部138eのX−Y平面に平行な面は、ばね力を発生させるため、予め+Z軸方向に折り曲げられることができる。ばね部138eは、先端の部分は−Z軸方向に折り曲げられている。つまり、ばね部138eの+X軸側の先端部は、−Z方向に折り曲げられている。その折り曲げ部分は、導光部材102のフランジ142の側面(−Z軸側の面)と線接触している。導光部材102は、フランジ142がばね部138eと当て面141とに挟まれることで、導光部材ベース137に対してZ軸方向に動かないように保持されている。ばね部138eは、フランジ142を−Z軸方向から導光部材ベース137の当て面141に押し当てている。
上記のようにして導光部材102が導光部材ベース137に保持されることで、導光部材102は、極力少ない接触面積で導光部材ベース137に保持されることができる。
<調整ベース136>
調整ベース136は、導光部材102のベース部104に対する取付位置をX−Z平面内において調整することができる部品である。導光部材ベース137は、調整ベース136を介して、X−Z平面上で並進できるようにベース部104に取り付けられる。導光部材ベース137は、−Y軸側の面上にZ軸調整ピン146を有している。Z軸調整ピン146は、−Y軸方向に伸びているピンである。Z軸調整ピン146は、2つあり、1本は導光部材ベース137の−Z軸側に位置し、他の1本は導光部材ベース137の+Z軸側に位置する。図4では、2つのZ軸調整ピン146は、Z軸に平行に一定の間隔で並んでいる。図4では、Z軸調整ピン146の1本は、導光部材ベース137の−Z軸側の端部に位置し、他の1本は導光部材ベース137の+Z軸側の端部に位置する。
調整ベース136は、板状の部材である。図4では、調整ベース136は、Z−X平面に平行に配置されている。調整ベース136は、Z−X平面に平行な面の+Y軸側の面上に2つのZ軸調整溝144を有している。2つのZ軸調整溝144は、Z軸調整ピン146に対応する位置に設けられている。図4では、2つのZ軸調整溝144は、Z軸に平行に一定の間隔で並んでいる。図4では、Z軸調整溝144の1つは、調整ベース136の−Z軸側の端部に位置し、他の1つは調整ベース136の+Z軸側の端部に位置する。Z軸調整溝144は、Z軸に平行な方向に長い長穴である。Z軸調整ピン146は、Z軸調整溝144に挿入される。Z軸調整溝144のX軸方向の寸法は、Z軸調整ピン146の直径より若干大きい値となっている。つまり、Z軸調整溝144のX軸方向の寸法は、Z軸調整ピン146のX軸方向のがたつきを抑えて、Z軸調整ピン146がZ軸方向に移動できるように設定されている。従って、導光部材ベース137は、調整ベース136に対してZ軸方向のみに移動可能である。
調整ベース136は、−Y軸側の面上にX軸調整ピン147を有している。X軸調整ピン147は、−Y軸方向に伸びているピンである。X軸調整ピン147は、調整ベース136の+X軸側と−X軸側の2か所に設けられている。つまり、X軸調整ピン147は、2つあり、1本は調整ベース136の−X軸側に位置し、他の1本は調整ベース136の+X軸側に位置する。図4では、2つのX軸調整ピン147は、X軸に平行に一定の間隔で並んでいる。図4では、X軸調整ピン147の1本は、調整ベース136の−X軸側の端部に位置し、他の1本は調整ベース136の+X軸側の端部に位置する。
ベース部104は、Z−X平面に平行な面の+Y軸側の面上に2つのX軸調整溝145を有している。2つのX軸調整溝145は、X軸調整ピン147に対応する位置に設けられている。図4では、2つのX軸調整溝145は、X軸に平行に一定の間隔で並んでいる。X軸調整溝145は、X軸に平行な方向に長い長穴である。X軸調整ピン147は、X軸調整溝145に挿入される。X軸調整溝145のZ軸方向の寸法は、X軸調整ピン147の直径より若干大きい値となっている。つまり、X軸調整溝145のZ軸方向の寸法は、X軸調整ピン147のZ軸方向のがたつきを抑えて、X軸調整ピン147がX軸方向に移動できるように設定されている。従って、調整ベース136は、ベース部104に対してX軸方向のみに移動可能である。
これらのことから、導光部材102は、Y軸まわりに回転することなくX−Z平面上で、X軸方向およびZ軸方向に位置調整され得る。また、導光部材ベース137は、調整ベース136を挟むようにして、ベース部104にねじ留めされ得る。
<投射レンズ103>
投射レンズ103は、レンズホルダ106に保持されている。投射レンズ103は、光源101から+Z軸方向に出射された光を通過して、+Z軸方向(前方)に投射する。投射レンズ103は、X軸方向の両端にフランジ部を有している。そのフランジ部には、保持穴134a,134bが形成されている。保持穴134a,134bは、Z軸に平行な穴である。保持穴134a,134bは、貫通穴である。保持穴134aは、+X軸側のフランジに形成されている。保持穴134bは、−X軸側のフランジに形成されている。
レンズホルダ106は、板状の部材である。レンズホルダ106は、中心に光の通る開口部を有している。レンズホルダ106は、X−Y平面と平行に配置されている。レンズホルダ106の+Y軸側の端部は、−Z軸側に折り曲げられている。折り曲げられた部分の先端部は、さらに−Y軸側に折り曲げられ、スライド面129が形成されている。スライド面129は、X−Y平面に対して、Y軸まわりに傾きを有する平面である。
レンズホルダ106の+X軸側の端部および−X軸側の端部は、−Z軸側に折り曲げられている。+X軸側の端部の折り曲げられた部分の+X軸側の面には、回転ピン128aが設けられている。回転ピン128aは、+X軸方向に伸びるピンである。−X軸側の端部の折り曲げられた部分の−X軸側の面には、回転ピン128bが設けられている。回転ピン128bは、−X軸方向に伸びるピンである。回転ピン128aと回転ピン128bとは、X軸と平行に配置されている。回転ピン128aと回転ピン128bとは、同軸上に配置されている。
レンズホルダ106の−Y軸側の端部は、−Z軸側に折り曲げられている。この折り曲げ部は、レンズホルダ106の強度を増すために設けられている。なお、実施の形態1では、スライド面129は、レンズホルダ106の+Y軸側の端部に形成されている。しかし、スライド面129をレンズホルダ106の−Y軸側の端部に形成しても構わない。つまり、レンズホルダ106の−Y軸側の端部を−Z軸側に折り曲げて、さらに+Y軸側に折り曲げて、スライド面129を形成する。
レンズホルダ106は、光が通る開口部のX軸方向の両端に固定穴135a,135bを有している。固定穴135a,135bは、X−Y平面に平行な面上に設けられている。固定穴135aは、開口部の+X軸側に形成されている。固定穴135bは、開口部の−X軸側に形成されている。固定穴135aは、保持穴134aに対応する位置に設けられている。固定穴135bは、保持穴134bに対応する位置に設けられている。
<固定ピン133a,133b>
固定ピン133a,133bは、投射レンズ103をレンズホルダ106に取り付けるためのピンである。
投射レンズ103は、レンズホルダ106の+Z軸側から取り付けられる。投射レンズ103は、レンズホルダ106のX−Y平面に平行な面に取り付けられる。つまり、投射レンズ103は、レンズホルダ106の+Z軸側のX−Y平面に平行な面に取り付けられる。固定ピン133aは、+Z軸方向から保持穴134aに通され、固定穴135aに挿入される。その後、コイルばねを、−Z軸方向から固定ピン133aに挿入する。コイルばねが固定ピン133aに挿入された後に、固定ピン133aの−Z軸方向から、留め輪を固定ピン133aに取り付ける。コイルばねは、コイルばねの+Z軸方向側の端部が、レンズホルダ106の−Z軸側のX−Y平面に平行な面に接するように取り付けられる。一方、コイルばねの−Z軸方向側の端部は、固定ピン133aに固定された留め輪に接している。コイルばねが留め輪に接することで、コイルばねは固定ピン133aから抜けない。
同様に、固定ピン133bは、+Z軸方向から保持穴134bに通され、固定穴135bに挿入される。その後、コイルばねを、−Z軸方向から固定ピン133bに挿入する。コイルばねが固定ピン133bに挿入された後に、固定ピン133bの−Z軸方向から、留め輪を固定ピン133bに取り付ける。コイルばねは、コイルばねの+Z軸方向側の端部が、レンズホルダ106の−Z軸側のX−Y平面に平行な面に接するように取り付けられる。一方、コイルばねの−Z軸方向側の端部は、固定ピン133aに固定された留め輪に接している。コイルばねが留め輪に接することで、コイルばねは固定ピン133bから抜けない。
コイルばねは、固定ピン133a,133bに取り付けられた止め輪とレンズホルダ106の−Z側のX−Y平面と平行な面との間で圧縮される。コイルばねは、固定ピン133a,133bを−Z軸方向に引っ張る力を発生させる。これによって、投写レンズ103がレンズホルダ106に押し当てられる。
<ベース部104>
ベース部104は、Z−X平面に平行な面を持つ部品である。ベース部104のX軸方向の両端部には、Y−Z平面に平行な側板部104a,104bを有している。側板部104a,104bは、Z−X平面に平行な面から+Y方向に伸びている。つまり、板状のベース部104のX軸方向の両端部が、+Y軸方向に折り曲げられた形状である。この+Y軸方向に折り曲げられた部分が「側板部」である。ベース部104の2つの側板部104a,104bには、回転穴130a,130bが形成されている。回転穴130aは、+X軸側の側板部104aに設けられている。回転穴130bは、−X軸側の側板部104bに設けられている。回転穴130a,130bの軸は、X軸に平行である。また、回転穴130a,130bは同軸上に設けられている。回転穴130a,130bは、回転ピン128a,128bに対応した位置に設けられている。
レンズホルダ106は、導光部材102の前面側(+Z軸側)に配置されている。上述のように、レンズホルダ106は、回転ピン128a,128b、スライド面129および固定穴135a,135bを有している。回転ピン128a,128bは、X軸に平行なピンである。回転ピン128aは、ベース部104の側板部104aに設けられた回転穴130aに挿入される。回転ピン128bは、ベース部104の側板部104bに設けられた回転穴130bに挿入される。レンズホルダ106は、ベース部104に対してX軸まわりに回転可能に保持される。レンズホルダ106は、ベース部104に対して回転ピン128a,128bの軸まわりに回転可能に保持される。
<駆動部112>
図5は、駆動部112の背面斜視図である。駆動部112は、モータ113、モータ用平歯歯車148、送りねじ用歯車149、送りねじ150、並進部材151およびモータホルダ152を有している。
モータ113は、回転軸がX軸と平行となるように、モータホルダ152に取り付けられている。モータ113の回転軸には、モータ用歯車148が取り付けられている。図5では、モータ用歯車148は回転軸の先端部に取り付けられている。
送りねじ150は、回転軸がX軸と平行となるように、モータホルダ152に取り付けられている。送りねじ150は、モータホルダ152に対して、回転軸を中心に回転できる。しかし、送りねじ150は、回転軸の方向(X軸方向)には移動しないように保持されている。
送りねじ用歯車149は、送りねじ150の+X軸側の端部に固定されている。送りねじ用歯車149は、送りねじ150の回転と一致して回転する。つまり、送りねじ用歯車149の回転量は、送りねじ150の回転量と一致している。送りねじ用歯車149は、モータ用歯車148とかみ合うように配置されている。これにより、モータ113の回転力は、送りねじ用歯車149に伝達される。そして、モータ113が回転すると、送りねじ150が回転する。送りねじ用歯車149は、送りねじ150と別部品で作製されても構わない。しかし、送りねじ用歯車149は、送りねじ150と一体で作製されても構わない。
並進部材151は、Y軸方向に薄い直方体形状の部材である。並進部材151は、駆動部材である。並進部材151は、Z−X平面に平行な対向する2面を有する。並進部材151は、Y−Z平面に平行な対向する2面を有する。並進部材151は、X−Y平面に平行な対向する2面を有する。並進部材151は、雌ねじ穴154を備えている。雌ねじ穴154は、Y−Z平面に平行な2面に各々形成されている。2つの雌ねじ穴154には、送りねじ150のねじ部分が挿入される。並進部材151は、並進部材摺動面153を有している。並進部材摺動面153は、Z−X平面に平行な面のうち、+Y軸側の面に設けられている。並進部材摺動面153は、Z−X平面に平行な面の四隅の部分に形成されている。並進部材摺動面153は、+Y軸方向に突出した凸部である。図5では、凸部の先端は平面で示されている。
図5では、並進部材151のZ−X平面に平行な面のうち、+Y軸側の面の中央部分に穴部が形成されている。つまり、並進部材151は、+Y軸側の面に開口部を持つ箱形状をしている。これにより、雌ねじ穴154は、X−Y平面に平行な対向する2つの板形状の部分に形成される。雌ねじ穴154の長さは短くなるため、加工が容易となる。また、雌ねじ穴154は並進部材151の2か所に設けられるため、並進部材151に対する送りねじ150の傾き量を小さくできる。
モータホルダ152は、板材を折り曲げた形状をしている。モータホルダ152は、Z−X平面に平行な天板部156を有する。Z−X平面に平行な面(天板部156)のX軸方向の両端は、−Y軸方向に折り曲げられた側板部157a,157bが形成されている。これらの側板部157a,157bの−Y軸方向の端部は、各々+X軸方向に折り曲げられた底板部158a,158bが形成されている。モータホルダ152の天板部156の−Y軸方向の面は、ホルダ摺動面155である。並進部材151は、モータホルダ152の天板部156の−Y軸側に配置されている。並進部材151は、並進部材摺動面153とホルダ摺動面155とが接触しながら移動する。
つまり、モータ113の回転軸が回転すると、モータ用歯車148が回転する。モータ用歯車148が回転すると、送りねじ用歯車149が回転する。送りねじ用歯車149が回転すると、送りねじ150が回転する。このとき、並進部材摺動面153とホルダ摺動面155とが接しているために、並進部材151は、X軸回りには回転しない。そして、並進部材151は、ねじの作用により、X軸方向に移動する。
並進部材151は、摺動ピン131を有している。摺動ピン131は、並進部材151のX−Y平面に平行な面のうち、+Z軸側の面に形成されている。摺動ピン131は、+Z軸方向に伸びたピンである。摺動ピン131の先端は、半球形状となっている。摺動ピン131は、スライド面129に対する接触子である。つまり、摺動ピン131がスライド面129に接触した状態で、並進部材151はX軸方向に移動する。
上述のように、レンズホルダ106は、スライド面129を有している。スライド面129は、Z−X平面に垂直な面である。スライド面129は、スライド面129の−X側の面がスライド面129の+X側の面よりも+Z軸側に位置するように傾斜している。並進部材151は、摺動ピン131とスライド面129とが接しながらX軸方向に移動する。
レンズホルダ106の回転ピン128aは、ベース部104の回転穴130aに挿入される。レンズホルダ106の回転ピン128bは、ベース部104の回転穴130bに挿入される。レンズホルダ106は、回転ピン128a,128bを回転軸として、+RX方向または−RX方向に回転する。つまり、レンズホルダ106は、ベース部104に対して、X軸に平行な軸回りに回転する。
モータホルダ152は、ベース部104上に取り付けられている。モータホルダ152は、ベース部104のZ−X平面に平行な面上に取り付けられている。モータホルダ152は、ベース部104に対して+Y軸方向側に取り付けられている。この際、並進部材151に設けられた摺動ピン131は、レンズホルダ106に設けられたスライド面129と接する位置に配置される。また、レンズホルダ106は、ベース部104またはモータホルダ152と、ばね(図示せず)により接続されている。このばねは、例えば、引張コイルばねで、スライド面129が摺動ピン131に接する方向にレンズホルダ106を回転させる。つまり、実施の形態1では、このばねは、レンズホルダ106を+RX方向に回転させる。これにより、スライド面129は、摺動ピン131と常に接した状態を維持できる。
<レンズホルダ106の動作>
図6(A)、図6(B)及び図6(C)は並進部材151をモータ113で駆動させた際の、レンズホルダ106の動作の様子を示した図である。図6(A)は、並進部材151がX軸方向の移動範囲の−X軸方向の端の位置にあり、レンズホルダ106がX軸に平行な回転軸を中心として+RX方向に回転している状態を示している。図6(B)は、並進部材151がX軸方向の移動範囲の中間位置にあり、レンズホルダ106がX軸に平行な回転軸を中心として、回転範囲の中間位置にある状態を示している。図6(C)は、並進部材151がX軸方向の移動範囲の+X軸方向の端の位置にあり、レンズホルダ106がX軸に平行な回転軸を中心として−RX方向に回転している状態を示している。
スライド面129は、−Z軸方向を向いた面である。スライド面129は、+X軸方向に行くほど−Z軸方向に位置するように傾斜している。このため、並進部材151が−X軸方向に移動すると、摺動ピン131は、スライド面129上の−X軸方向の位置へと移動する。「並進部材151が−X軸方向に移動する」ことは、図6(C)から図6(B)の状態となり、さらに図6(B)から図6(A)の状態となることで、図6(A)、図6(B)及び図6(C)に示されている。このため、並進部材151が−X軸方向に移動すると、スライド面129は−Z軸方向に移動する。また、レンズホルダ106は、上述のばねにより+RX方向に引っ張られている。これにより、レンズホルダ206はX軸に平行な軸(回転ピン128a,128b)まわりに+RX方向に回転する。
一方、並進部材151が+X軸方向に移動すると、摺動ピン131は、スライド面129上の+X軸方向の位置へと移動する。「並進部材151が+X軸方向に移動する」ことは、図6(A)から図6(B)の状態となり、さらに図6(B)から図6(C)の状態となることで、図6(A)、図6(B)及び図6(C)に示されている。このため、並進部材151が+X軸方向に移動すると、スライド面129は+Z軸方向に移動する。また、レンズホルダ106は、上述のばねにより+RX方向に引っ張られている。摺動ピン131は、ばねの力に反してスライド面129を+Z方向に押す。これにより、レンズホルダ206はX軸に平行な軸(回転ピン128a,128b)まわりに−RX方向に回転する。
レンズホルダ106は、上述のばねにより+RX軸方向に引っ張られている。このため、図6に示すように、並進部材151がX軸方向に移動すると、摺動ピン131は、スライド面129と接しながらX軸方向に移動する。スライド面129は、+X軸方向に行くほど−Z軸方向に位置するように傾斜している。このため、レンズホルダ106に対して摺動ピン131とスライド面129とのZ軸方向の接触位置が変わる。ベース部104に対して、並進部材151のZ軸方向の位置は変わらないため、並進部材151がX軸方向に移動すると、レンズホルダ106は、X軸に平行な軸を回転軸として回転する。そして、レンズホルダ106および投射レンズ103は、回転ピン128a,128bを回転軸として回転する。以上のように、並進部材151がX軸方向に移動して、摺動ピン131をX軸方向に移動させることで、レンズホルダ106および投射レンズ103はX軸に平行な軸まわりに回転する。
また、レンズホルダ106に設けられたスライド面129は、本発明の構造上、X軸方向に大きく伸ばすことが可能である。そのため、並進部材151のX軸方向の移動量が大きく取れ、スライド面129の傾斜角を小さくすることができる。つまり、スライド面129の+X軸方向に対する−Z軸方向の位置の変化量を小さくできる。これにより、並進部材151の移動量に対するレンズホルダ106の回転量を小さくできるため、投射レンズ103に対する細かな光軸調整が容易となる。
<光線軌跡の変化>
図7、図8及び図9は、光源101から出射される光線の軌跡を示した模式図である。なお、図7、図8及び図9には、説明に関係のない導光部材ホルダ105および放熱器126等は図示せず、光源101、導光部材102及び投写レンズ103を図示している。図7、図8及び図9は、+X軸方向から−X軸方向を見た図である。
車体が前後に傾斜していない場合には、並進部材151は、レンズホルダ106および投射レンズ103が基準位置となるような位置にある。「基準位置」とは、車体が前後に傾斜していない状態で、光が照射領域に照射されるレンズホルダ106および投射レンズ103の位置である。図7では、例えば、投射レンズ103の光軸と光源101の光軸とが一致する位置である。例えば、図6(B)の状態である。光源101から発せられる光は、導光部材102を透過して、投射レンズ103から出射される。つまり、光源101から発せられる光は、導光部材102に入射して、導光部材102の内部を+Z軸方向に進行する。導光部材102から出射された光は、投射レンズ103に入射する。投射レンズ103を透過した光は、前方(+Z軸方向)に向けて投射レンズ103から出射される。
図7は、車体が前後に傾斜していない場合の光線軌跡を示す図である。つまり、図7は、車体が地面に対して水平な状態の光線の軌跡を示している。図7では、光源101の正面の少し下側に照射領域が形成されるような光線軌跡を示している。前照灯から投射された光は、地面を照明するため下向きの配光となる。「正面」とは、車両が進む方向で、図では+Z軸方向である。
照射面190は、車両の前方に位置する仮想の面である。光は投射レンズ103によって車両の前方の照射面190に拡大して投影される。照射面190は、車両の前方の所定の位置に設定される。車両の前方の所定の位置は、前照灯10の光度又は照度を計測する位置で、道路交通規則等で規定されている。例えば、欧州では、UNECE(United Nations Economic Commission for Europe)が定める自動車用前照灯の光度の計測位置は光源から25mの位置である。日本では、日本工業標準調査会(JIS)が定める光度の計測位置は光源から10mの位置である。
車体が前方に傾斜した場合には、モータ113は、並進部材151を−X軸方向に移動させる。そして、レンズホルダ106および投射レンズ103は、回転ピン128a,128bを中心軸として+RX方向に回転する。例えば、図6(A)の状態である。この場合には、投射レンズから出射される光は上向き(+Y軸方向)に変わる。
図8は車体が前方に傾斜した場合の光線の軌跡を示す図である。ただし、説明を簡単にするために、図8では車体を傾斜させずに光線の軌跡を描いている。「車体が前方に傾斜した場合」とは、例えば、走行時にブレーキを掛けて減速をする場合などである。また、助手席側に人または荷物が乗った場合などである。実際には、図7に示すように、前照灯からの光は地面を照らすため下向きの配光となる。図8では、図7に示した配光よりも上向きの配光となっている。つまり、車体が前方に傾斜した状態の図8に示される照射領域は、図7に示される照射領域よりも上側に形成される。つまり、図8で照射面190に達している光のY軸方向の位置は、図7で照射面190に達している光のY軸方向の位置よりもプラス側にある。このことから、実際には、車体は前方に傾斜しているため、図7の状態と同様に、照射領域は光源101の正面の少し下側に形成される。車体が前方に傾斜した場合でも、車体が前後に傾斜していない場合と同様に、最適な配光が提供される。
車体が後方に傾斜した場合には、モータ113は、並進部材151を+X軸方向に移動させる。そして、レンズホルダ106および投射レンズ103は、回転ピン128a,128bを中心軸として−RX方向に回転する。例えば、図6(C)の状態である。この場合には、投射レンズから出射される光は下向き(−Y軸方向)に変わる。
図9は車体が後方に傾斜した場合の光線の軌跡を示す図である。ただし、説明を簡単にするために、図8では車体を傾斜させずに光線の軌跡を描いている。「車体が後方に傾斜した場合」とは、例えば、速度を上げて加速している場合である。また、後部座席に人または荷物が乗った場合などである。実際には、図7に示すように、前照灯からの光は地面を照らすため下向きの配光となる。図9では、図7に示した配光よりも下向きの配光となっている。つまり、車体が後方に傾斜した状態の図9に示される照射領域は、図7に示される照射領域よりも下側に形成される。つまり、図9で照射面190に達している光のY軸方向の位置は、図7で照射面190に達している光のY軸方向の位置よりもマイナス側にある。このことから、実際には、車体は後方に傾斜しているため、図7の状態と同様に、照射領域は光源101の正面の少し下側に形成される。車体が後方に傾斜した場合でも、車体が前後に傾斜していない場合と同様に、最適な配光が提供される。また、前照灯は、対向車に眩惑を与えることなく最適な配光を提供できる。
上述のように、導光ユニット132は板形状をしている。または、導光ユニット132は板形状の部分を有している。一方、投射レンズ103は、導光部材102から広がりながら出射された光を入射させる。「広がりながら出射された光」とは、発散角を持った光のことである。このため、投射レンズ103のY軸方向の寸法は、導光ユニット132のY軸方向の寸法よりも大きくなる。駆動部112の並進部材151は、板形状をしている。このため、並進部材151のY軸方向の寸法は、薄く設計することが容易である。また、送りねじ150は、棒状の部品である。そして、送りねじ150は、X軸に平行に配置されている。そのため、送りねじ150のY軸方向の寸法は、小さく設計することが容易である。
実施の形態1では、投射レンズ103を回転駆動するための送りねじ150及び並進部材151は、導光ユニット132の+Y軸側に配置されている。そして、並進部材151は、導光ユニット132の+Y軸側を、送りねじ150に沿ってX軸方向に移動する。つまり、投射レンズ103と導光ユニット132とのY軸方向の寸法差の部分に、投射レンズ103を駆動するための並進部材151及び送りねじ150を配置する。「投射レンズ103と導光ユニット132とのY軸方向の寸法差の部分」は、後述する図12に示す空間に相当する。これらの構成により、投射レンズ103、レンズホルダ106、導光ユニット132及び駆動部112を、容易にコンパクトに配置することができる。
また、前照灯ユニット100の配光パターンは、上述のような横長の形状でなく、配光領域の一部を高照度化するための配光パターンの場合もある。このような場合には、例えば、配光パターンは正方形形状等になる。つまり、導光部材102の出射面は正方形形状等になる。このような場合でも、導光部材102の出射面から出射した光は、発散角を持って、広がりながら投射レンズ103に入射する。このため、導光部材102の出射面の高さ方向(Y軸方向)の寸法は、投射レンズ103の高さ方向(Y軸方向)の寸法よりも短くなる。つまり、導光部材102の上側(+Y軸方向)または導光部材102の下側(−Y軸方向)には、並進部材151及び送りねじ150を配置する空間を確保することができる。これは、後述する実施の形態でも同様である。
なお、導光部材102と投射レンズ103との寸法差は、X軸方向にも生じる。このため、駆動部112の構成によっては、駆動部112を導光部材102のX軸方向に生じる空間に配置することもできる。これは、後述する実施の形態でも同様である。
また、実施の形態1で示した駆動部112の構成をX軸方向に生じる空間に配置することで、投射レンズ103を容易にY軸回りに回転させることができる。つまり、Z軸に平行な軸を回転軸として、駆動部112を90度回転させた構成である。これにより配光を左右方向に移動させることができる。これは、後述する実施の形態でも同様である。
また、並進部材151を移動させる構成の駆動部112を、板形状の導光部材102のそばに配置する場合には、導光部材102の上下方向側に配置することで、並進部材151の移動長さを容易に確保できる。なぜなら、一般的には、配光パターンから考えて、導光部材102のY軸方向の長さよりもX軸方向の長さの方が長いからである。これは、後述する実施の形態のスライダ等でも同様である。
<変形例>
また、前照灯には、複数の光源からの配光を重ね合わせて照明領域を実現するものがある。図10は、本実施の形態1で説明している前照灯ユニット100を複数並べて、一つの前照灯ユニット160として構成した斜視図である。光源を複数用いる従来の前照灯では、光源、ヒートシンクおよび投射レンズ等を一体として駆動して光軸調整を行っている。この場合には、光軸調整を行う部材が大型となり、この部材を動かすアクチュエータおよび駆動機構なども大きくなる。
図11は、本実施の形態1で説明している前照灯ユニット160の駆動部分を示す斜視図である。前照灯ユニット160は、光源101、導光部材102および投射レンズ103を3組備えている。光源101、導光部材102および投射レンズ103を組み立てたものを前照灯モジュール165とよぶ。ここで、ベース部104は共通部品としている。また、前照灯ユニット160は、レンズホルダを共通部品とした一体レンズホルダ161を用いている。
前照灯ユニット160は、3つの前照灯モジュール165a,165b,165cを有している。前照灯モジュール165a,165b,165cは、X軸に平行に配置されている。−X軸方向の位置には、光源101a、導光部材102aおよび投射レンズ103aを備えた前照灯モジュール165aが配置されている。X軸方向の中心位置には、光源101b、導光部材102bおよび投射レンズ103bを備えた前照灯モジュール165bが配置されている。+X軸方向の位置には、光源101c、導光部材102cおよび投射レンズ103cを備えた前照灯モジュール165cが配置されている。
本実施の形態1によれば、光源101が複数あった場合でも、前照灯ユニット100に備えられていたレンズホルダ106を一体化した一体レンズホルダ161を用いることができる。一体レンズホルダ161は、X軸方向に投射レンズ103a、投射レンズ103bおよび投射レンズ103cを並べて保持している。一体レンズホルダ161の−X軸方向には、投射レンズ103aが保持されている。一体レンズホルダ161のX軸方向の中心位置の部分には、投射レンズ103bが保持されている。一体レンズホルダ161の+X軸方向には、投射レンズ103cが保持されている。つまり、投射レンズ103bは、投射レンズ103aと投射レンズ103cとの間に配置されている。
一体レンズホルダ161は、レンズホルダ106と同様のスライド面129を有している。スライド面129は、一体レンズホルダ161のX軸方向の中心位置の部分の−Z軸方向側に形成されている。駆動部112は、前照灯モジュール165bの位置に取り付けられている。前照灯ユニット160の導光部材102b、送りねじ150及び並進部材151の位置関係は、前照灯ユニット100の導光部材102、送りねじ150及び並進部材151の位置関係と同じである。前照灯ユニット160は、前照灯ユニット100と同じ駆動部112で、投射レンズ103a,103b,103cの光軸を調整できる。なお、図11では、駆動部112の内部が見られるように、モータホルダ152の天板部156を切り欠いて示している。
一体レンズホルダ161の回転動作により、各投射レンズ103a,103b,103cは同時に回転する。車体の姿勢変化に応じて、モータ113により並進部材151をX軸方向に移動させる。これにより、一体レンズホルダ161が回転し、全ての前照灯モジュール165a,165b,165cの光軸を調整することができる。このため、前照灯モジュールごとに光軸調整を行う必要がない。
本実施の形態1では、スライド面129をレンズホルダ106に設け、摺動ピン131を並進部材151に設けている。しかし、本発明はスライド面129を並進部材151に設け、摺動ピン131をレンズホルダ106に設けた場合でも、同等な効果が得られる。しかし、X軸方向にスペースを取らない摺動ピン131を並進部材151に設けた方が、送りねじ150を短くすることができる。これにより、駆動部112を小型化することができる。
本実施の形態1では、投射レンズ103をレンズホルダ106に取り付けて、レンズホルダ106をベース部104に回転可能に取り付けている。しかし、投射レンズ103をベース部104に取り付ける方法はこれに限らない。例えば、投射レンズ103をプラスチックで作製する場合には、投射レンズ103に回転ピン128a,128bおよびスライド面129を直接設けることも可能である。この場合には、レンズホルダ106を用いなくてもよい。しかし、投射レンズ103に回転ピン128a,128bおよびスライド面129を直接設けると、レンズ面などにひずみが発生し易くなり、投射レンズ103の光学性能を確保し難いという問題がある。
また、レンズホルダ106を回転可能に取り付ける方法として、転がり軸受けなどを用いることもできる。また、投射レンズ103をレンズホルダ106に固定ピン133a、133bを用いて取り付けているが、投射レンズ103をレンズホルダ106に接着により固定することもできる。また、投射レンズ103をレンズホルダ106にねじ留めにより固定することもできる。
本実施の形態1では、歯車を用いてモータ113の動力を送りねじに伝達している。しかし、歯車の代わりに、ベルトおよびプーリを用いることもできる。また、リンク機構などを用いてもよい。また、本実施の形態1で用いるモータは、例えば、直流モータ、ステッピングモータまたは超音波モータなどでもよい。
本実施の形態1では、導光ユニット132を用いて導光部材102をベース部104に取り付けている。しかし、導光部材102の保持方法はこれに限らない。ベース部104に導光部材102を保持する構造を直接設けることも可能である。この場合には、少なくとも導光ユニット132の調整ベース136または導光部材ベース137を用いなくてもよい。
以上のように、前照灯ユニット100,160は、送りねじ150を導光部材102の+Y軸方向または−Y軸方向の位置に配置して、並進部材151の摺動ピン131を移動させている。この配置により、並進部材151は、新たに空間を設けることなく移動できる。そして、前照灯ユニット100,160は、小型化できる。
図12は実施の形態1に係る前照灯ユニット100の光学系の構成要素を示した構成図である。本発明における構成では、導光部材102の上側(+Y軸方向)に空間107を有する。また、導光部材102の下側(−Y軸方向)に空間108を有する。空間107,108は、図12中では破線で示している。従って、前照灯ユニット100,160では、送りねじ150を導光部材102の+Y軸方向または−Y軸方向の位置に配置することができる。送りねじ150を空間107,108の位置に配置することで、並進部材151は、新たに空間を必要とせずに、送りねじ150に沿って移動できる。そして、前照灯ユニット100,160は、小型化できる。
つまり、空間107,108を通る並進部材151の高さ(Y軸方向の長さ)分だけ前照灯ユニット100,160を薄くすることができる。並進部材151の高さが空間107,108の高さより大きい場合には、空間107,108の高さ分だけ前照灯ユニット100,160を薄くすることができる。また、並進部材151の高さが空間107,108の高さより小さい場合には、並進部材151の高さ分だけ前照灯ユニット100,160を薄くすることができる。
多灯型前照灯では、一般的に、各光学モジュールを車両の左右方向(X軸方向)に並べて配置している。このため、薄型の前照灯ユニット100,160は、車両のデザインの自由度を増すことができる。
前照灯ユニット100は、光源101、導光部材102、投射レンズ103及び駆動部112を備える。光源101は、進行方向の前方を照射する光線を発する。導光部材102は、光源101から出射された光線を入射して発散角を持った面状の光を出射する。投射レンズ103は、導光部材102から出射された面状の光を入射して前方に投射する。駆動部112は、導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係を変更する。駆動部112は、導光部材102から導光部材102の光軸に垂直な方向で、投射レンズ103の光軸方向から光学的に見て、投射レンズ103と重なる領域に配置される。
「光学的に見て」とは、例えば、導光部材102から出射された光が、ミラー等で反射されて投射レンズ103に入射する場合には、ミラー等によって折り曲げられた光軸を直線状に変更して見るということである。
また、ここで「領域」とは、例えば、図12に示された空間107,108に相当する。
駆動部112は、接触子131を有する駆動部材151を有する。駆動部材151は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動する。導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係の変更には、投射レンズ103が有するスライド面129及びスライド面129の上を接しながら移動する駆動部材151が有する前記接触子131を用いる。
実施の形態1では、駆動部材は、並進部材151として説明している。
「投射レンズ103が有するスライド面129」とは、例えば、投射レンズ103にスライド面129が一体で形成されている場合も含まれる。また、実施の形態1で示したように、スライド面129を有するレンズホルダ106を投射レンズ103に取り付ける場合も含まれる。
実施の形態1では、送りねじ150は、X軸に平行に配置されている。しかし、例えば、送りねじ150をZ−X平面に平行でX軸に対して角度を持って配置しても、同様の効果を得ることができる。
駆動部112は、スライド面129を有する駆動部材151を有することができる。駆動部材151は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動する。導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係の変更には、投射レンズ103が有する接触子131及び接触子131に接しながら移動する前記駆動部材151が有する前記スライド面129を用いることができる。
本実施の形態1では、スライド面129をレンズホルダ106に設け、摺動ピン131を並進部材151に設けている。しかし、本発明はスライド面129を並進部材151に設け、摺動ピン131をレンズホルダ106に設けた場合でも、同等な効果が得られる。
「投射レンズ103が有する接触子131」とは、例えば、投射レンズ103に接触子131が一体で形成されている場合も含まれる。また、接触子131を有するレンズホルダ106を投射レンズ103に取り付ける場合も含まれる。
駆動部材151は、送りねじ150のねじ効果により送りねじ150の軸方向に移動する。ここで、「ねじ効果」とは、ねじの有する回転運動を直線運動に変換する効果である。
実施の形態1では、送りねじ150の軸方向は、X軸方向である。
投射レンズ103は、水平方向に平行な軸を中心として回転する。
実施の形態1では、水平方向は、X軸方向である。また、軸は、回転ピン128a,128bの形成する軸である。
前照灯ユニット160は、複数の前照灯モジュール165a,165b,165cを備える。複数の前照灯モジュール165a,165b,165cは、光源101a,101b,101c、導光部材102a,102b,102c及び投射レンズ103a,103b,103cを個別に有する。駆動部112は、複数の前照灯モジュール165a,165b,165cの有する投射レンズ103a,103b,103cの位置をまとめて変更する。
「個別に有する」とは、例えば、前照灯モジュール165aは、光源101a、導光部材102a及び投射レンズ103aを有することである。また、前照灯モジュール165bは、光源101b、導光部材102b及び投射レンズ103bを有することである。また、前照灯モジュール165cは、光源101c、導光部材102c及び投射レンズ103cを有することである。
「まとめて変更する」とは、例えば、駆動部112が投射レンズ103a,103b,103cを一度に動かすことである。
実施の形態1に係る前照灯ユニット100は、光源101、導光部材102、投射レンズ103及び駆動部112を備える。光源101は、進行方向の前方を照射する光線を発する。導光部材102は、光源101から出射された光線を入射して面状の光を出射する。投射レンズ103は、導光部材102から出射された面状の光を入射して前方に投射することで照射領域を形成する。駆動部112は、導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係を変更する。駆動部112は、摺動ピン(接触子)131又はスライド面129を有する並進部材(駆動部材)151を有する。並進部材(駆動部材)151は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動し、位置関係の変更には、投射レンズ103に取り付けられたスライド面129及びスライド面129の上を接しながら移動する並進部材(駆動部材)151の有する摺動ピン(接触子)131又は投射レンズ103に取り付けられた摺動ピン(接触子)131及び摺動ピン(接触子)131に接しながら移動する並進部材(駆動部材)151の有するスライド面129を用いる。
実施の形態2.
図13は、実施の形態2に係る前照灯ユニット200の分解背面斜視図である。図14は、前照灯ユニット200を組み立てた状態の背面斜視図である。図15は、前照灯ユニット200を組み立てた状態の前面斜視図である。
説明を容易にするため、各図中にXYZ直交座標軸を示す。以下の説明において、前照灯ユニット200の前方を+Z軸方向とし、後方を−Z軸方向とする。前方を向いて右側を+X軸方向とし、左側を−X軸方向とする。前照灯ユニット200の上方向(空の方向)を+Y軸方向として、前照灯ユニット200の下方向(地面の方向)を−Y軸方向とする。前照灯ユニット200を後方(−Z軸方向)から見た際に、Z軸を中心軸として、時計回りを+RZ方向とし、反時計回りを−RZ方向とする。また、前照灯ユニット200左側(−X軸方向)から見た際に、X軸を中心軸として、時計回りを+RX方向とし、反時計回りを−RX方向とする。
前照灯ユニット200は、光源101、導光部材102、投射レンズ103および駆動部212を備える。また、前照灯ユニット200は、レンズホルダ206およびベース部204を備えることができる。
前照灯ユニット100は、送りねじ150および並進部材151を用いて摺動ピン131をX軸方向に移動させている。しかし、前照灯ユニット200は、ラック223を有するスライダ217を用いて摺動ピン231をX軸方向に移動させる点で異なる。「スライダ」とは、摺動部品のことである。「摺動」とは、滑らせて動かすことである。つまり、「摺動部品」とは、滑らせて動かす部品のことである。
また、前照灯ユニット160は、一体レンズホルダ161に投射レンズ103a,103b,103cを保持することで、一度に投射レンズ103a,103b,103cを回転させている。しかし、前照灯ユニット260は、各前照灯モジュール265a,265b,265cのスライダを一体とした連結スライダ227を用いることで、一度に投射レンズ103a,103b,103cを回転させている点で異なる。各前照灯モジュール265a,265b,265cは、個別にレンズホルダ206a,206b,206cを有している。
実施の形態1で説明した前照灯ユニット100の構成要素と同様の構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。前照灯ユニット100の構成要素と同様の構成要素は、光源101、導光部材102、投射レンズ103、導光部材ホルダ105、モータ113および放熱器126である。
なお、投射レンズ103は、実施の形態1で説明したフランジおよび保持穴134a,134bを省いて図を描いている。また、以下の説明も省略する。また、導光部材ホルダ105は、実施の形態1で説明した調整ベース136、導光部材ベース137および板ばね138を省いて図を描いている。また、以下の説明も省略する。
<前照灯ユニット200の構成>
光源101は、例えばLED(Light Emitting Diode)、キセノンランプまたはハロゲンランプなどである。また、光源101として、エレクトロルミネッセンス素子又は半導体レーザ等を用いることもできる。以下の説明では、光源101をLEDとして説明する。光源101には光源101から発せられる熱を外部へ逃がすための放熱器126が取り付けられている。光源101はベース部204に直接固定されるか、または放熱器126を介してベース部204に固定される。
導光部材102は、例えばライトガイド又はライトパイプなどである。導光部材102は、光源101の前面(+Z軸方向)に配置される。導光部材102は、導光部材ホルダ105に保持される。導光部材ホルダ105は、ベース部204に保持される。つまり、導光部材102は、導光部材ホルダ105を介してベース部204に保持される。ライドガイドのように、導光部材102の全ての表面が光学面である場合には、導光部材ホルダ105を用いて導光部材102を保持することで、導光部材102に与える光学的影響を極力小さくすることができる。
投射レンズ103は、レンズホルダ206に保持されている。投射レンズ103は、光源101から放射された光を透過して前方(+Z軸方向)に投射する。レンズホルダ206は導光部材102の前面側(+Z軸方向側)に配置されている。
レンズホルダ206は、回転ピン228a,228bおよびスライド面229を有している。回転ピン228a,228bは、X軸に平行な軸である。回転ピン228a,228bは、同軸上に配置されている。つまり、回転ピン228aおよび回転ピン228bは、同軸で、X軸に平行な軸を有する。回転ピン228aは、レンズホルダ206の+X軸方向の外側の面上に配置されている。回転ピン228aは、レンズホルダ206のY軸方向の中心位置に配置されている。回転ピン228aは、+X軸方向に伸びている。回転ピン228bは、レンズホルダ206の−X軸方向の外側の面上に配置されている。回転ピン228bは、レンズホルダ206のY軸方向の中心位置に配置されている。回転ピン228bは、−X軸方向に伸びている。回転ピン228aは、ベース部204に設けられた回転穴230aに挿入される。回転ピン228bは、ベース部204に設けられた回転穴230bに挿入される。回転穴230a,230bは、X軸方向に平行な穴である。回転穴230a,230bは、回転ピン228a,228bに対応する位置に配置されている。レンズホルダ206は、ベース部204に対してX軸に平行な軸まわりに回転可能に保持されている。
<駆動部212>
駆動部212は、スライダ217を有している。駆動部212は、モータ113、ウォームスクリュー214、ウォームホイール215、平歯歯車216を有することができる。
モータ113は、モータの回転軸がX軸と平行となるように、ベース部204に保持される。モータ113の軸は、ベース部204に設けられた固定穴118に通される。モータ113は、例えば、固定穴118の周囲に設けられた穴からネジ等を用いてベース部204に取り付けられる。モータ113は、例えば、直流モータまたはステッピングモータ等である。モータ113の軸にはウォームスクリュー214が取り付けられている。図13では、ウォームスクリュー214は、モータ113の軸の先端部に取り付けられている。ウォームスクリュー214の先端部は、ベース部204に設けられた支持穴219に挿入されている。つまり、モータ113は、回転軸を固定穴118に通して、ハウジングがベース部204に保持されている。
また、回転軸に取り付けられたウォームスクリュー214の先端部は、回転可能に支持穴219に支持されている。ウォームホイール215と平歯歯車216とは、ベース部204に設けられた回転軸220に挿入される。回転軸220は、Y軸に平行なピンで、ベース部204から+Y軸方向に伸びている。ウォームホイール215と平歯歯車216とは、ベース部204に対してY軸に平行な軸まわりに回転可能な状態で保持されている。ただし、ウォームホイール215と平歯歯車216とは一体となっている。このため、ウォームホイール215と平歯歯車216とは互いに滑ることなく回転する。ウォームホイール215と平歯歯車216との回転方向および回転角度は同じである。
スライダ217は、直動溝221、摺動ピン231およびラック223を備える。スライダ217は、駆動部材である。図13では、スライダ217は、板形状をしている。スライダ217は、長方形の形状をしている。スライダ217は、Z−X平面に平行に配置されている。ベース部204には、2つの直動ピン224が設けられている。直動ピン224は、Y軸に平行なピンで、ベース部204から+Y軸方向に伸びている。2つの直動ピン224は、X軸に平行で互いに離れて配置されている。2つの直動ピン224は、スライダ217の直動溝221に挿入される。スライダ217は、2つの直動ピン224にガイドされて、ベース部204に対してX軸方向に並進できる。そして、スライダ217は、2つの直動ピン224によりベース部204に保持されている。
摺動ピン231は、スライダ217の+Z軸側の面上に配置されている。図13では、摺動ピン231は、スライダ217の+Z軸側の側面上に配置されている。摺動ピン231は、+Z軸方向に伸びたピンである。摺動ピン231の先端部は、半球形状となっている。摺動ピン231は、スライド面229に対する接触子である。
ウォームスクリュー214は、ウォームホイール215とかみ合っている。また、平歯歯車216は、ラック223とかみ合っている。モータ113の回転軸が回転すると、ウォームスクリュー214はX軸に平行な軸まわりに回転する。ウォームスクリュー214が回転すると、ウォームホイール215はY軸に平行な軸まわりに回転する。これと同時に、平歯歯車216もY軸に平行な軸まわりに回転する。平歯歯車216が回転すると、スライダ217は直動ピン224にガイドされて、X軸方向に移動する。
スライダ217の摺動ピン231は、レンズホルダ206に設けられたスライド面229と接するように、ベース部204上に配置されている。また、レンズホルダ206は、ベース部204と、ばね(図示せず)で接続されている。このばねは、例えば、引張コイルばねで、スライド面229が摺動ピン231に接する方向にレンズホルダ206を回転させる。このばねは、レンズホルダ206に対して、回転ピン228a,228bまわりの回転力を与える。図13では、このばねは、レンズホルダ206に対して、−RX方向の回転力を与えている。このばねによって、スライド面229は、摺動ピン231と常に接した状態となっている。
例えば、レンズホルダ206が−RX方向に回転するように、レンズホルダ206とベース部204とを引張コイルばねで接続する。実施の形態1と、引張コイルばねによるレンズホルダ206の回転方向が異なるのは、レンズホルダ106はスライド面129が+Y軸側に形成されているのに対して、レンズホルダ206はスライド面229が−Y軸側に形成されているからである。
<レンズホルダ206の動作>
図16(A)、図16(B)および図16(C)は、スライダ217をモータ113で駆動させた際の、レンズホルダ206の動作の様子を示した図である。図16(A)は、スライダ217がX軸方向の移動範囲の+X軸方向の端の位置にあり、レンズホルダ206がX軸に平行な軸を回転軸として−RX方向に回転している状態を示している。図16(B)は、スライダ217がX軸方向の移動範囲の中間位置にあり、レンズホルダ206がX軸に平行な軸を回転軸として、回転範囲の中間位置にある状態を示している。図16(C)は、スライダ217がX軸方向の移動範囲の−X軸方向の端の位置にあり、レンズホルダ206がX軸に平行な軸を回転軸として+RX方向に回転している状態を示している。
スライド面229は、−Z軸方向を向いた面である。スライド面229は、−X軸方向に行くほど−Z軸方向に位置するように傾斜している。このため、スライダ217が−X軸方向に移動すると、摺動ピン231は、スライド面229上の−X軸方向の位置へと移動する。「スライダ217が−X軸方向に移動する」ことは、図16(A)から図16(B)の状態となり、さらに図16(B)から図16(C)の状態となることで、図16(A)、図16(B)および図16(C)に示されている。このため、スライド面229は、+Z軸方向に移動する。これにより、レンズホルダ206はX軸に平行な軸(回転ピン228a,228b)まわりに+RX方向に回転する。また、レンズホルダ206は、上述のばねにより−RX方向に引っ張られている。このため、スライド面229と摺動ピン231とが接した状態で、レンズホルダ206は回転する。
一方、スライダ217が+X軸方向に移動すると、摺動ピン231は、スライド面229上の+X軸方向の位置へと移動する。「スライダ217が+X軸方向に移動する」ことは、図16(C)から図16(B)の状態となり、さらに図16(B)から図16(A)の状態となることで、図16(A)、図16(B)および図16(C)に示されている。このため、スライド面229は、−Z軸方向に移動する。これにより、レンズホルダ206はX軸に平行な軸(回転ピン228a,228b)まわりに−RX方向に回転する。また、レンズホルダ206は、上述のばねにより−RX方向に引っ張られている。摺動ピン231は、ばねの力に反してスライド面229を+Z方向に押す。このため、スライド面229と摺動ピン231とが接した状態で、レンズホルダ206は回転する。
以上のように、スライダ217がX軸方向に移動して、摺動ピン231をX軸方向に移動させることで、レンズホルダ206および投射レンズ103がX軸に平行な軸(回転ピン228a,228b)まわりに回転する。
<光線軌跡の変化>
図17、図18及び図19は、光源101から出射される光線の軌跡を示した模式図である。なお、図17、図18及び図19には、説明に関係のない導光部材ホルダ105および放熱器126等は図示せず、光源101、導光部材102及び投写レンズ103を図示している。図17、図18及び図19は、+X軸方向から−X軸方向を見た図である。また、図17、図18及び図19の照射面190は、実施の形態1で説明した照射面190と同様である。
車体が前後に傾斜していない場合には、スライダ217は、レンズホルダ206および投射レンズ103が基準位置となるような位置にある。「基準位置」とは、車体が前後に傾斜していない状態で、光が照射領域に照射されるレンズホルダ206および投射レンズ103の位置である。図17では、例えば、投射レンズ106の光軸と光源101の光軸とが一致する位置である。例えば、図16(B)の状態である。光源101から発せられる光は、導光部材102を透過して、投射レンズ103から出射される。つまり、光源101から発せられる光は、導光部材102に入射して、導光部材102の内部を+Z軸方向に進行する。導光部材102から出射された光は、投射レンズ103に入射する。投射レンズ103を透過した光は、前方(+Z軸方向)に向けて投射レンズ103から出射される。
図17は、車体が前後に傾斜していない場合の光線軌跡を示す図である。つまり、図17は、車体が地面に対して水平な状態の光線の軌跡を示している。図17では、投射レンズ103から投射された光の光束は、全体としてZ軸に平行に進行している。しかし、実際には前照灯から投射された光は、地面を照明するため下向きの配光となる。図17では、説明を簡単にするために、光源101の正面に照射領域が形成されるような光線軌跡を示している。「正面」とは、車両が進む方向で、図では+Z軸方向である。図17の車体が前後に傾斜していない状態では、照射領域は光源101の正面に形成される。なお、この光線軌跡の表示方法は、図7、図8及び図9と異なるが、表示方法の違いだけで、実際に車両に適用される形態がことなるものではない。
車体が前方に傾斜した場合には、モータ113は、スライダ217を−X軸方向に移動させる。そして、レンズホルダ206および投射レンズ103は、回転ピン228a,228bを中心軸として+RX方向に回転する。例えば、図16(C)の状態である。この場合には、投射レンズから出射される光は上向き(+Y軸方向)に変わる。
図18は、車体が前方に傾斜した場合の光線の軌跡を示す図である。ただし、説明を簡単にするために、図18では車体を傾斜させずに光線の軌跡を描いている。「車体が前方に傾斜した場合」とは、例えば、走行時にブレーキを掛けて減速をする場合などである。また、助手席に人または荷物が乗った場合などである。
実際には、車体が傾斜していない場合には、前照灯から投射された光は地面を照らすため、下向きの配光となる。しかし、説明を簡単にするために、図17に示すように、照射領域が光源101の正面に形成されるものとして説明している。このため、車体が前方に傾斜した場合を示す図18では、前照灯から出射された光線の光線軌跡は、Z軸に対して前方の上側に傾斜している。つまり、図18の車体が前方に傾斜した状態では、照射領域は光源101の正面より上側に形成される。
このことから、実際には、車体は前方に傾斜しているため、図17の状態と同様に、照射領域は光源101の正面に形成される。車体が前方に傾斜した場合でも、車体が前後に傾斜していない場合と同様に、最適な配光が提供される。
車体が後方に傾斜した場合には、モータ113は、スライダ217を+X軸方向に移動させる。そして、レンズホルダ106および投射レンズ103は、回転ピン228a,228bを中心軸として−RX方向に回転する。例えば、図16(A)の状態である。この場合には、投射レンズから出射される光は下向き(−Y軸方向)に変わる。
図19は、車体が後方に傾斜した場合の光線の軌跡を示す図である。ただし、説明を簡単にするために、図19では車体を傾斜させずに光線の軌跡を描いている。「車体が後方に傾斜した場合」とは、例えば、速度を上げて加速している場合である。また、後部座席に人または荷物が乗った場合などである。
実際には、車体が傾斜していない場合には、前照灯から投射された光は地面を照らすため、下向きの配光となる。しかし、説明を簡単にするために、図17に示すように、照射領域が光源101の正面に形成されるものとして説明している。このため、車体が後方に傾斜した場合を示す図19では、前照灯から出射された光線の光線軌跡は、Z軸に対して前方の下側に傾斜している。つまり、図19の車体が後方に傾斜した状態では、照射領域は光源101の正面より下側に形成される。
このことから、実際には、車体は後方に傾斜しているため、図17の状態と同様に、照射領域は光源101の正面に形成される。車体が後方に傾斜した場合でも、車体が前後に傾斜していない場合と同様に、最適な配光が提供される。また、前照灯は、対向車に眩惑を与えることなく最適な配光を提供できる。
実施の形態2では、投射レンズ103を回転駆動するためのスライダ217は、導光部材ホルダ105の−Y軸側に配置されている。そして、スライダ217は、導光部材ホルダ105の−Y軸側をX軸方向に移動する。つまり、投射レンズ103と導光部材ホルダ105とのY軸方向の寸法差の部分に、投射レンズ103を駆動するためのスライダ217を配置する。これらの構成により、投射レンズ103、レンズホルダ206、導光部材ホルダ105及び駆動部212を、容易にコンパクトに配置することができる。なお、導光部材ホルダ105の中には導光部材102が保持されている。このため、ここでの導光部材ホルダ105は、実施の形態1の導光ユニット132に相当する。
<変形例>
また、前照灯には、複数の光源からの配光を重ね合わせて照明領域を実現するものがある。図20は、本実施の形態2で説明している前照灯ユニット200を複数並べて、一つの前照灯ユニット260として構成した斜視図である。光源を複数用いる従来の前照灯では、光源、ヒートシンクおよび投射レンズ等を一体として駆動して光軸調整を行っている。この場合には、光軸調整を行う部材が大型となり、この部材を動かすアクチュエータおよび駆動機構なども大きくなる。
前照灯ユニット260は、光源101、導光部材102および投射レンズ103を3組備えている。また、放熱器126を各光源101a,101b,101cに対して一つずつ設けている。しかし、実施の形態1に示したように各放熱器126を共通にし、一つの放熱器で構成してもよい。光源101、導光部材102および投射レンズ103を組み立てたものを前照灯モジュール265とよぶ。前照灯モジュール265は、レンズホルダ206を有することができる。
図21は、本実施の形態2で説明している前照灯ユニット260の駆動部分を示す斜視図である。前照灯ユニット260は、3つの前照灯モジュール265a,265b,265cを有している。前照灯モジュール265a,265b,265cは、X軸に平行に配置されている。しかし、前照灯モジュール265a,265b,265cの投写レンズ103a,103b,103cの光軸は、Y軸方向に互いにずれて配置されることができる。また、前照灯モジュール265a,265b,265cの投写レンズ103a,103b,103cは、Z軸方向に互いにずれて配置されることができる。これらの配置は、レンズホルダ206a,206b,206cと投写レンズ103a,103b,103cとの位置関係を変更することで容易に達成できる。これらの配置により、前照灯モジュール265a,265b,265cは自由度を持って配置され、前照灯のデザイン性を高められることができる。
−X軸方向の位置には、光源101a、導光部材102aおよび投射レンズ103aを備えた前照灯モジュール265aが配置されている。前照灯モジュール265aは、レンズホルダ206aを有することができる。X軸方向の中心位置には、光源101b、導光部材102bおよび投射レンズ103bを備えた前照灯モジュール265bが配置されている。前照灯モジュール265bは、レンズホルダ206bを有することができる。+X軸方向の位置には、光源101c、導光部材102cおよび投射レンズ103cを備えた前照灯モジュール265cが配置されている。前照灯モジュール265cは、レンズホルダ206cを有することができる。導光部材102aは、導光部材ホルダ105aの内部に保持されている。導光部材102bは、導光部材ホルダ105bの内部に保持されている。導光部材102cは、導光部材ホルダ105cの内部に保持されている。
本実施の形態2によれば、光源101が複数あった場合でも、前照灯ユニット200に備えられていたスライダ217を一体化して、簡易に前照灯ユニット260を構成することができる。連結スライダ227は、3つのスライダ217を一体化したものである。連結スライダ227は、駆動部材である。連結スライダ227は、板形状の部材である。図21では、連結スライダ227は、X軸方向に長い板形状の部材である。連結スライダ227の−X軸方向には、直動溝121aを有する。連結スライダ227のX軸方向の中心位置には、直動溝121bを有する。連結スライダ227の+X軸方向には、直動溝121cを有する。つまり、直動溝121bは、直動溝121aと直動溝121cとの間に配置されている。
ラック123は、連結スライダ227の−Z軸方向側に形成されている。図21では、ラック123は、連結スライダ227のX軸方向の中心位置の−Z軸方向側に形成されている。つまり、駆動部212は、前照灯モジュール265bの位置に配置されている。しかし、駆動部212は、前照灯モジュール265aの位置に配置されても構わない。また、駆動部212は、前照灯モジュール265cの位置に配置されても構わない。
ベース部204は、直動ピン124a,124b,124cを有している。直動ピン124aは、直動溝121aに挿入される。直動ピン124bは、直動溝121bに挿入される。直動ピン124cは、直動溝121cに挿入される。図21では、直動ピン124a,124b,124cは、各2本ずつ配置されているが、各1本ずつでも構わない。また、直動ピン124は、X軸方向の両端の直動ピン124a及び直動ピン124cの各1本の計2本でも構わない。
モータ113は、ベース部204に保持されている。また、ウォームホイール115および平歯歯車116もベース部204に取り付けられている。ウォームスクリュー114は、ウォームホイール115にかみ合っている。平歯歯車116は、ラック123にかみ合っている。モータ113の軸が回転することで、モータ113の軸に取り付けられたウォームスクリュー114が回転する。ウォームスクリュー114が回転すると、ウォームホイール115および平歯歯車116が回転軸220を中心にして回転する。平歯歯車116が回転すると、ラック123がX軸方向に移動して、連結スライダ227がX軸方向に移動する。
レンズホルダ206a,206b,206cは、スライド面229a,229b,229cを有している。連結スライダ227は、各スライド面229a,229b,229cに対応した摺動ピン231a,231b,231cを有している。
車体の姿勢の変化に応じて光軸を調整する際には、モータ113によって連結スライダ227をX軸方向に移動させる。連結スライダ227のX軸方向への移動に伴い、各摺動ピン231a,231b,231cはX軸方向に移動する。摺動ピン231a,231b,231cのX軸方向への移動に伴い、スライド面229a,229b,229cはX軸に平行な軸まわりに回転する。スライド面229a、229b、229cのX軸に平行な軸まわりの回転に伴い、各レンズホルダ206a,206b,206c及び各投射レンズ103a,103b,103cはX軸に平行な軸まわりに回転する。
本実施の形態2によれば、光源101が複数ある場合でも、連結スライダ227を用いることで、一つのアクチュエータで光軸を調整することができる。また、各スライド面229a、229b、229cの傾斜角を変えることで、各レンズホルダ206a、206b、206cがX軸に平行な軸まわりに回転する回転量および回転速度を調整することができる。光学特性の異なる光学系を複数用いる場合には、各光学系の光軸の調整量が異なる可能性がある。このような場合には、それぞれの光学系に適した光軸の調整量が必要となる。本実施の形態2によれば、このような場合でも、最適な光軸調整を行うことができる。
本実施の形態2では光源101が発する熱を逃がすために放熱器126を備えている。しかし、光源101をベース部204へ直接固定してベース部204自体で放熱が行える場合には、放熱器126を必ずしも備える必要はない。これは、実施の形態1及び後述する実施の形態3でも同様である。
本実施の形態2では、光源101、導光部材102、投射レンズ103、ベース部204および駆動部112を備える構成としている。しかし、本実施の形態2の構成要素はこれらに限られない。例えば、光源101と導光部材102との間に、配光を制御するレンズを備えることもできる。また、投射レンズ103は、1枚のレンズで構成されてもよい。また、投射レンズ103は、複数のレンズを用いて構成されてもよい。これも、実施の形態1及び後述する実施の形態3でも同様である。
本実施の形態2では、導光部材ホルダ105を用いて、導光部材102をベース部204に保持している。しかし、導光部材102の保持方法はこれに限らない。ベース部204に導光部材102を保持する構造を直接設けることも可能である。この場合には、導光部材ホルダ105を用いなくてもよい。これも、実施の形態1及び後述する実施の形態3でも同様である。
本実施の形態2では、駆動部212によりスライダ217をX軸方向に移動させている。しかし、スライダ217を移動させる方法はこれに限らない。例えば、直流モータ113はステッピングモータまたは超音波モータでもよい。また、スライダ217の並進運動を送りねじ機構を用いて実現することもできる。また、ベルトおよびプーリを用いて実現することもできる。また、リンク機構を用いて実現することもできる。
本実施の形態2では、スライド面229をレンズホルダ206に設け、摺動ピン231をスライダ217に設けている。しかし、スライド面229をスライダ217に設け、摺動ピン231をレンズホルダ206に設けた場合でも、同等な効果が得られる。
本実施の形態2では、レンズホルダ206を用いて、投射レンズ103をベース部204に回転可能に取り付けている。しかし、投射レンズ103を取り付ける方法はこれに限らない。例えば、投射レンズ103をプラスチックで作製する場合には、投射レンズ103に回転ピン228a,228bおよびスライド面229を直接設けることも可能である。この場合には、レンズホルダ206を用いなくてもよい。しかし、投射レンズ103に回転ピン228a,228bおよびスライド面229を直接設けると、レンズ面などにひずみが発生し易くなり、投射レンズ103の光学性能を確保し難いという問題がある。
以上のように、前照灯ユニット200は、スライダ217を導光部材102の+Y軸方向または−Y軸方向の位置に配置して、スライダ217の摺動ピン231を移動させている。この配置により、スライダ217は、新たに空間を設けることなく移動できる。そして、前照灯ユニット200は、小型化できる。
また、前照灯ユニット260は、連結スライダ227を導光部材102の+Y軸方向または−Y軸方向の位置に配置して、連結スライダ227の摺動ピン231a,231b,231cを移動させている。この配置により、連結スライダ227は、新たに空間を設けることなく移動できる。そして、前照灯ユニット260は、小型化できる。
つまり、図12に示した空間107,108を通るスライダ217又は連結スライダ227の高さ(Y軸方向の長さ)分だけ前照灯ユニット200,260を薄くすることができる。スライダ217又は連結スライダ227の高さが空間107,108の高さより大きい場合には、空間107,108の高さ分だけ前照灯ユニット200,260を薄くすることができる。また、スライダ217又は連結スライダ227の高さが空間107,108の高さより小さい場合には、スライダ217又は連結スライダ227の高さ分だけ前照灯ユニット200,260を薄くすることができる。
前照灯ユニット200は、光源101、導光部材102、投射レンズ103及び駆動部212を備える。光源101は、進行方向の前方を照射する光線を発する。導光部材102は、光源101から出射された光線を入射して発散角を持った面状の光を出射する。投射レンズ103は、導光部材102から出射された面状の光を入射して前方に投射する。駆動部212は、導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係を変更する。駆動部212は、導光部材102から導光部材102の光軸に垂直な方向で、投射レンズ103の光軸方向から光学的に見て、投射レンズ103と重なる領域に配置される。
「光学的に見て」とは、例えば、導光部材102から出射された光が、ミラー等で反射されて投射レンズ103に入射する場合には、ミラー等によって折り曲げられた光軸を直線状に変更して見るということである。
また、ここで「領域」とは、例えば、実施の形態1の図12に示された空間107,108に相当する。
駆動部212は、接触子231を有する駆動部材217を有する。駆動部材217は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動する。導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係の変更には、投射レンズ103が有するスライド面229及びスライド面229の上を接しながら移動する駆動部材217が有する前記接触子231を用いる。
実施の形態2では、駆動部材は、スライダ217として説明している。
「投射レンズ103が有するスライド面229」とは、例えば、投射レンズ103にスライド面229が一体で形成されている場合も含まれる。また、実施の形態2で示したように、スライド面229を有するレンズホルダ206を投射レンズ103に取り付ける場合も含まれる。
実施の形態2では、スライダ217は、X軸に平行に移動する。しかし、例えば、スライダ217をZ−X平面に平行でX軸に対して角度を持って移動させても、同様の効果を得ることができる。この場合には、摺動ピン231はX軸方向の移動と同時にZ軸方向にも移動する。このため、スライド面229の傾きと同等の効果を得られる。
駆動部212は、スライド面229を有する駆動部材217を有することができる。駆動部材217は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動する。導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係の変更には、投射レンズ103が有する接触子231及び接触子231に接しながら移動する前記駆動部材217が有する前記スライド面229を用いることができる。
本実施の形態2では、スライド面229をレンズホルダ206に設け、摺動ピン231をスライダ217に設けている。しかし、本発明はスライド面229をスライダ217に設け、摺動ピン231をレンズホルダ206に設けた場合でも、同等な効果が得られる。
「投射レンズ103が有する接触子231」とは、例えば、投射レンズ103に接触子231が一体で形成されている場合も含まれる。また、接触子231を有するレンズホルダ206を投射レンズ103に取り付ける場合も含まれる。
駆動部材217は、板状のスライダである。
実施の形態2では、駆動部材は、スライダ217として説明している。
投射レンズ103は、水平方向に平行な軸を中心として回転する。
実施の形態2では、水平方向は、X軸方向である。また、軸は、回転ピン228a,228bの形成する軸である。
前照灯ユニット260は、複数の前照灯モジュール265a,265b,265cを備える。複数の前照灯モジュール265a,265b,265cは、光源101a,101b,101c、導光部材102a,102b,102c及び投射レンズ103a,103b,103cを個別に有する。駆動部212は、複数の前照灯モジュール265a,265b,265cの有する投射レンズ103a,103b,103cの位置をまとめて変更する。
「個別に有する」とは、例えば、前照灯モジュール265aは、光源101a、導光部材102a及び投射レンズ103aを有することである。また、前照灯モジュール265bは、光源101b、導光部材102b及び投射レンズ103bを有することである。また、前照灯モジュール265cは、光源101c、導光部材102c及び投射レンズ103cを有することである。
「まとめて変更する」とは、例えば、駆動部212が投射レンズ103a,103b,103cを一度に動かすことである。
実施の形態2に係る前照灯ユニット200は、光源101、導光部材102、投射レンズ103及び駆動部212を備える。光源101は、進行方向の前方を照射する光線を発する。導光部材102は、光源101から出射された光線を入射して面状の光を出射する。投射レンズ103は、導光部材102から出射された面状の光を入射して前方に投射することで照射領域を形成する。駆動部212は、導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係を変更する。駆動部212は、摺動ピン(接触子)231又はスライド面229を有するスライダ(駆動部材)217を有する。スライダ(駆動部材)217は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動し、位置関係の変更には、投射レンズ103に取り付けられたスライド面229及びスライド面229の上を接しながら移動するスライダ(駆動部材)217の有する摺動ピン(接触子)231又は投射レンズ103に取り付けられた摺動ピン(接触子)231及び摺動ピン(接触子)231に接しながら移動するスライダ(駆動部材)217の有するスライド面229を用いる。
実施の形態2に係る前照灯ユニット260は、光源101a,101b,101c、導光部材102a,102b,102c、投射レンズ103a,103b,103c及び駆動部212を備える。光源101a,101b,101cは、進行方向の前方を照射する光線を発する。導光部材102a,102b,102cは、光源101a,101b,101cから出射された光線を入射して面状の光を出射する。投射レンズ103a,103b,103cは、導光部材102a,102b,102cから出射された面状の光を入射して前方に投射することで照射領域を形成する。駆動部212は、導光部材102a,102b,102cに対する投射レンズ103a,103b,103cの位置関係を変更する。駆動部212は、摺動ピン(接触子)231a,231b,231c又はスライド面229a,229b,229cを有する連結スライダ(駆動部材)227を有する。連結スライダ(駆動部材)227は、導光部材102a,102b,102cの光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動し、位置関係の変更には、投射レンズ103a,103b,103cに取り付けられたスライド面229及びスライド面229a,229b,229cの上を接しながら移動する連結スライダ(駆動部材)227の有する摺動ピン(接触子)231a,231b,231c又は投射レンズ103a,103b,103cに取り付けられた摺動ピン(接触子)231a,231b,231c及び摺動ピン(接触子)231a,231b,231cに接しながら移動する連結スライダ(駆動部材)227の有するスライド面229a,229b,229cを用いる。
実施の形態3.
図22は、実施の形態3に係る前照灯ユニット300の分解背面斜視図である。図23は、前照灯ユニット300を組み立てた状態の背面斜視図である。図24は、前照灯ユニット300を組み立てた状態の前面斜視図である。
説明を容易にするため、各図中にXYZ直交座標軸を示す。以下の説明において、前照灯ユニット300の前方を+Z軸方向とし、後方を−Z軸方向とする。前方を向いて右側を+X軸方向とし、左側を−X軸方向とする。前照灯ユニット300の上方向(空の方向)を+Y軸方向とし、前照灯ユニット300の下方向(地面の方向)を−Y軸方向とする。前照灯ユニット300を後方(−Z軸方向)から見た際に、Z軸を中心軸として、時計回りを+RZ方向とし、反時計回りを−RZ方向とする。また、前照灯ユニット300を左側(−X軸方向)から見た際に、X軸を中心軸として、時計回りを+RX方向とし、反時計回りを−RX方向とする。
前照灯ユニット300は、光源101、導光部材102、投射レンズ103および駆動部312を備える。また、前照灯ユニット300は、レンズホルダ306およびベース部304を備えることができる。
前照灯ユニット100は、送りねじ150および並進部材151を用いて摺動ピン131をX軸方向に移動させている。しかし、前照灯ユニット300は、ラック223を有するスライダ317を用いてスライド面322をX軸方向に移動させる点で異なる。「スライダ」とは、摺動部品のことである。「摺動」とは、滑らせて動かすことである。つまり、「摺動部品」とは、滑らせて動かす部品のことである。
また、前照灯ユニット160は、一体レンズホルダ161に投射レンズ103a,103b,103cを保持することで、一度に投射レンズ103a,103b,103cを回転させている。しかし、前照灯ユニット360は、各前照灯モジュール365a,365b,365cのスライダを一体とした連結スライダ327を用いることで、一度に投射レンズ103a,103b,103cを回転させている点で異なる。各前照灯モジュール365a,365b,365cは、個別にレンズホルダ306a,306b,306cを有している。
前照灯ユニット100,200は、レンズホルダ106,206がX軸回りに回転する。しかし、前照灯ユニット300は、レンズホルダ306がY軸方向に並進移動する点が異なる。
また、前照灯ユニット200は、スライダ217が摺動ピン231を有している。しかし、前照灯ユニット300は、摺動ピン231の代わりに、スライダ317がスライド面322を有している点で異なる。
また、前照灯ユニット100は、レンズホルダ106が回転ピン128a,128bおよびスライド面129を有している。前照灯ユニット200は、レンズホルダ206が回転ピン228a,228bおよびスライド面229を有している。しかし、前照灯ユニット300は、回転ピン128a,128,228a,228bおよびスライド面129,229の代わりに、レンズホルダ306がスライド穴307、スライドピン308およびスライドピン309を有している点で異なる。
また、前照灯ユニット100は、ベース部104が回転穴130a,130bを有している。前照灯ユニット200は、ベース部204が回転穴230a,230bを有している。しかし、前照灯ユニット300は、回転穴130a,130b,230a,230bの代わりに、ベース部304がスライドシャフト310およびスライド溝311を有している点で異なる。
実施の形態1で説明した前照灯ユニット100の構成要素と同様の構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。前照灯ユニット100の構成要素と同様の構成要素は、光源101、導光部材102、投射レンズ103、導光部材ホルダ105、モータ113および放熱器126である。
なお、投射レンズ103は、実施の形態1で説明したフランジおよび保持穴134a,134bを省いて図を描いている。また、以下の説明も省略する。また、導光部材ホルダ105は、実施の形態1で説明した調整ベース136、導光部材ベース137および板ばね138を省いて図を描いている。また、以下の説明も省略する。
また、実施の形態2で説明した前照灯ユニット200の構成要素と同様の構成要素には、同一符号を付し、その説明を省略する。前照灯ユニット200の構成要素と同様の構成要素は、ウォームスクリュー214、ウォームホイール215、平歯歯車216、固定穴118、支持穴219、回転軸220、ラック223および直動ピン224である。
<前照灯ユニット300の構成>
光源101は、例えばLED(Light Emitting Diode)、キセノンランプまたはハロゲンランプなどである。また、光源101として、エレクトロルミネッセンス素子又は半導体レーザ等を用いることもできる。以下の説明では、光源101をLEDとして説明する。光源101には光源101から発せられる熱を外部へ逃がすための放熱器126が取り付けられている。光源101はベース部304に直接固定されるか、または放熱器126を介してベース部304に固定される。
導光部材102は、例えばライトガイド又はライトパイプなどである。導光部材102は、光源101の前面(+Z軸方向)に配置される。導光部材102は、導光部材ホルダ105に保持される。導光部材ホルダ105は、ベース部304に保持される。つまり、導光部材102は、導光部材ホルダ105を介してベース部304に保持される。ライドガイドのように、導光部材102の全ての表面が光学面である場合には、導光部材ホルダ105を用いて導光部材102を保持することで、導光部材102に与える光学的影響を極力小さくすることができる。
投射レンズ103は、レンズホルダ306に保持されている。投射レンズ103は、光源101から放射された光を透過して前方(+Z軸方向)に投射する。レンズホルダ306は、導光部材102の前面側(+Z軸方向側)に配置されている。
レンズホルダ306は、スライド穴307、スライドピン308,309を有している。スライド穴307は、Y軸に平行な穴である。図22では、レンズホルダ306の+X軸方向側の端部に設けられている。スライドピン308およびスライドピン309は、Z軸に平行なピンである。スライドピン308およびスライドピン309は、レンズホルダ306から−Z軸方向に伸びている。スライドピン308は、レンズホルダ306の−X軸方向側の端部に設けられている。スライドピン309は、レンズホルダ306の+X軸方向側の端部に設けられている。スライド穴307には、ベース部304に設けられているスライドシャフト310が挿入される。スライドピン308は、ベース部304に設けられているスライド溝311に挿入される。スライドピン309は、スライド面322に接している。
スライドシャフト310は、Y軸に平行なシャフトである。スライドシャフト310は、ベース部304から+Y軸方向に伸びている。スライドシャフト310は、ベース部304の+Z軸方向の端部であって、+X軸方向の端部に設けられている。スライド溝311は、Y軸に平行な溝である。スライド溝311は、ベース部304から+Y軸方向に伸びている。図22では、X−Y平面に平行な板状の部分に設けられている。スライド溝311は、ベース部304の+Z軸方向の端部であって、−X軸方向の端部に設けられている。スライド溝311の+Y軸方向の端部は、閉じておらず、開口部を有する。つまり、スライド溝311は、U字形状をしている。レンズホルダ306は、スライドシャフト310およびスライド溝311にガイドされてY軸方向に移動できる。
つまり、レンズホルダ306は、ベース部304に対してY軸方向に並進可能に保持される。「並進」とは、剛体などにおいて、それを構成する各点が同一方向に平行移動することである。また、スライドピン308の先端部にはツバ325が設けられている。スライドピン308がスライド溝311に挿入された際に、ツバ125はスライド溝311の−Z軸方向の面に掛かる。このため、レンズホルダ306は、スライドシャフト310(Y軸に平行な軸)を中心軸として回転せずに、Y軸方向に並進可能となる。
<駆動部312>
駆動部312は、スライダ317を有している。駆動部312は、モータ113、ウォームスクリュー214、ウォームホイール215、平歯歯車216を有することができる。
モータ113は、モータの回転軸がX軸と平行となるように、ベース部304に保持される。モータ113の軸は、ベース部304に設けられた固定穴118に通される。モータ113は、例えば、固定穴118の周囲に設けられた穴からネジ等を用いてベース部304に取り付けられる。モータ113は、例えば、直流モータまたはステッピングモータ等である。モータ113の軸にはウォームスクリュー214が取り付けられている。図22では、ウォームスクリュー214は、モータ113の軸の先端部に取り付けられている。ウォームスクリュー214の先端部は、ベース部304に設けられた支持穴219に挿入されている。つまり、モータ113は、回転軸を固定穴118に通して、ハウジングがベース部304に保持されている。
また、回転軸に取り付けられたウォームスクリュー214の先端部は、回転可能に支持穴219に支持されている。ウォームホイール215と平歯歯車216とは、ベース部304に設けられた回転軸220に挿入される。回転軸220は、Y軸に平行なピンで、ベース部304から+Y軸方向に伸びている。ウォームホイール215と平歯歯車216とは、ベース部304に対してY軸に平行な軸まわりに回転可能な状態で保持されている。ただし、ウォームホイール215と平歯歯車216とは一体となっている。このため、ウォームホイール215と平歯歯車216とは互いに滑ることなく回転する。ウォームホイール215と平歯歯車216との回転方向および回転角度は同じである。
スライダ317は、直動溝221、スライド面322およびラック223を備える。スライダ317は、駆動部材である。図22では、スライダ317は、板形状をしている。スライダ317は、長方形の形状をしている。スライダ317は、Z−X平面に平行に配置されている。ベース部304には、2つの直動ピン224が設けられている。直動ピン224は、Y軸に平行なピンで、ベース部304から+Y軸方向に伸びている。2つの直動ピン224は、X軸に平行で互いに離れて配置されている。2つの直動ピン224は、スライダ317の直動溝221に挿入される。スライダ317は、2つの直動ピン224にガイドされて、ベース部304に対してX軸方向に並進できる。そして、スライダ317は、2つの直動ピン224によりベース部304に保持されている。
スライド面322は、スライダ317のZ−X平面に平行な面上に配置されている。図22では、スライド面322は、スライダ317の+X軸側の端部に配置されている。また、スライド面322は、直動溝221の+Z軸側に配置されている。スライド面322は、+X軸方向の端部のY軸方向の高さが高く、−X軸方向につれてY軸方向の高さが低くなるような斜面である。つまり、スライド面322の+X軸方向の端部のY軸方向の高さは、スライド面322の−X軸方向の端部のY軸方向の高さより高い。図22では、平面状の斜面で描かれているが、曲面状の斜面でも構わない。
ウォームスクリュー214は、ウォームホイール215とかみ合っている。また、平歯歯車216は、ラック223とかみ合っている。モータ113の回転軸が回転すると、ウォームスクリュー214はX軸に平行な軸まわりに回転する。ウォームスクリュー214が回転すると、ウォームホイール215はY軸に平行な軸まわりに回転する。これと同時に、平歯歯車216もY軸に平行な軸まわりに回転する。平歯歯車216が回転すると、スライダ317は直動ピン224にガイドされて、X軸方向に移動する。
スライダ317のスライド面322は、レンズホルダ306に設けられたスライドピン309と接するように、ベース部304上に配置されている。スライドピン309は、スライド面322に対する接触子である。
また、レンズホルダ306は、ベース部304と、ばね(図示せず)で接続されている。このばねは、レンズホルダ306をY軸方向に移動させる力を与える。図22では、このばねは、レンズホルダ306を−Y軸方向に移動させる力を与えている。このばねによって、スライドピン309は、スライド面322と常に接した状態となっている。例えば、レンズホルダ306が−Y軸方向に引っ張られるように、レンズホルダ306とベース部304とを引張コイルばねで接続する。
<レンズホルダ306の動作>
図25(A)、図25(B)および図25(C)は、スライダ317をモータ113で駆動させた際の、レンズホルダ306の動作の様子を示した図である。図25(A)は、スライダ317がX軸方向の移動範囲の+X軸方向の端の位置にあり、レンズホルダ306がY軸方向の移動範囲の下端に位置する状態を示している。図25(B)は、スライダ317がX軸方向の移動範囲の中間位置にあり、レンズホルダ306がY軸方向の移動範囲の中間位置にある状態を示している。図25(C)は、スライダ317がX軸方向の移動範囲の−X軸方向の端の位置にあり、レンズホルダ306がY軸方向の移動範囲の上端に位置する状態を示している。
スライド面322は、+Y軸方向を向いた面である。スライド面322は、+X軸方向に行くほど+Y軸方向に位置するように傾斜している。このため、スライダ317が−X軸方向に移動すると、スライドピン309と接するスライド面322の位置が+Y軸方向へ移動する。「スライダ317が−X軸方向に移動する」ことは、図25(A)から図25(B)の状態となり、さらに図25(B)から図25(C)の状態となることで、図25(A)、図25(B)および図25(C)に示されている。このため、レンズホルダ306は、スライドシャフト310にガイドされて+Y軸方向に並進移動する。また、レンズホルダ306は、上述のばねにより−Y軸方向に引っ張られている。これにより、スライドピン309はスライド面322に接しながら+Y軸方向に移動する。
一方、スライダ317が+X軸方向に移動すると、スライドピン309と接するスライド面322の位置が−Y軸方向へ移動する。「スライダ317が+X軸方向に移動する」ことは、図25(C)から図25(B)の状態となり、さらに図25(B)から図25(A)の状態となることで、図25(A)、図25(B)および図25(C)に示されている。このため、レンズホルダ306は、スライドシャフト310にガイドされて−Y軸方向に並進移動する。また、レンズホルダ306は、上述のばねにより−Y軸方向に引っ張られている。これにより、スライドピン309はスライド面322に接しながら−Y軸方向に移動する。
以上のように、スライダ317がX軸方向に移動して、スライドピン309をY軸方向に移動させることで、レンズホルダ306および投射レンズ103がY軸方向に移動する。
<光線軌跡の変化>
図26、図27及び図28は、光源101から出射される光線の軌跡を示した模式図である。なお、図26、図27及び図28には、説明に関係のない導光部材ホルダ105および放熱器126等は図示せず、光源101、導光部材102及び投写レンズ103を図示している。図26、図27及び図28は、+X軸方向から−X軸方向を見た図である。また、図26、図27及び図28の照射面190は、実施の形態1で説明した照射面190と同様である。
車体が前後に傾斜していない場合には、スライダ317は、レンズホルダ306および投射レンズ103が基準位置となるような位置にある。「基準位置」とは、車体が前後に傾斜していない状態で、光が照射領域に照射されるレンズホルダ306および投射レンズ103の位置である。図26では、例えば、投射レンズ106の光軸と光源101の光軸とが一致する位置である。例えば、図25(B)の状態である。光源101から発せられる光は、導光部材102を透過して、投射レンズ103から出射される。つまり、光源101から発せられる光は、導光部材102に入射して、導光部材102の内部を+Z軸方向に進行する。導光部材102から出射された光は、投射レンズ103に入射する。投射レンズ103を透過した光は、前方(+Z軸方向)に向けて投射レンズ103から出射される。
図26は、車体が前後に傾斜していない場合の光線軌跡を示す図である。つまり、図26は、車体が地面に対して水平な状態の光線の軌跡を示している。図26では、投射レンズ103から投射された光の光束は、全体としてZ軸に平行に進行している。しかし、実際には前照灯から投射された光は、地面を照明するため下向きの配光となる。図26では、説明を簡単にするために、光源101の正面に照射領域が形成されるような光線軌跡を示している。「正面」とは、車両が進む方向で、図では+Z軸方向である。図26の車体が前後に傾斜していない状態では、照射領域は光源101の正面に形成される。なお、実施の形態2と同様に、この光線軌跡の表示方法は、図7、図8及び図9と異なるが、表示方法の違いだけで、実際に車両に適用される形態がことなるものではない。
車体が前方に傾斜した場合には、モータ113は、スライダ317を−X軸方向に移動させる。そして、レンズホルダ106および投射レンズ103は、+Y軸方向に移動する。例えば、図4(C)の状態である。この場合には、投射レンズから出射される光は上向き(+Y軸方向)に変わる。
図27は、車体が前方に傾斜した場合の光線の軌跡を示す図である。ただし、説明を簡単にするために、図27では車体を傾斜させずに光線の軌跡を描いている。「車体が前方に傾斜した場合」とは、例えば、走行時にブレーキを掛けて減速をする場合などである。また、助手席に人または荷物が乗った場合などである。
実際には、車体が傾斜していない場合には、前照灯から投射された光は地面を照らすため、下向きの配光となる。しかし、説明を簡単にするために、図26に示すように、照射領域が光源101の正面に形成されるものとして説明している。このため、車体が前方に傾斜した場合を示す図27では、前照灯から出射された光線の光線軌跡は、Z軸に対して前方の上方に傾斜している。つまり、図27の車体が前方に傾斜した状態では、照射領域は光源101の正面より上側に形成される。
このことから、実際には、車体は前方に傾斜しているため、図26の状態と同様に、照射領域は光源101の正面に形成される。車体が前方に傾斜した場合でも、車体が前後に傾斜していない場合と同様に、最適な配光が提供される。
車体が後方に傾斜した場合には、モータ113は、スライダ317を+X軸方向に移動させる。そして、レンズホルダ306および投射レンズ103は、−Y軸方向に移動する。例えば、図25(A)の状態である。この場合には、投射レンズから出射される光は下向き(−Y軸方向)に変わる。
図28は、車体が後方に傾斜した場合の光線の軌跡を示す図である。ただし、説明を簡単にするために、図28では車体を傾斜させずに光線の軌跡を描いている。「車体が後方に傾斜した場合」とは、例えば、速度を上げて加速している場合である。また、後部座席に人または荷物が乗った場合などである。
実際には、車体が傾斜していない場合には、前照灯から投射された光は地面を照らすため、下向きの配光となる。しかし、説明を簡単にするために、図26に示すように、照射領域が光源101の正面に形成されるものとして説明している。このため、車体が後方に傾斜した場合を示す図28では、前照灯から出射された光線の光線軌跡は、Z軸に対して前方の下側に傾斜している。つまり、図28の車体が後方に傾斜した状態では、照射領域は光源101の正面より下側に形成される。
このことから、実際には、車体は後方に傾斜しているため、図26の状態と同様に、照射領域は光源101の正面に形成される。車体が後方に傾斜した場合でも、車体が前後に傾斜していない場合と同様に、最適な配光が提供される。また、前照灯は、対向車に眩惑を与えることなく最適な配光を提供できる。
実施の形態3では、投射レンズ103をY軸方向に並進移動させるためのスライダ317は、導光部材ホルダ105の−Y軸側に配置されている。そして、スライダ317は、導光部材ホルダ105の−Y軸側をX軸方向に移動する。つまり、投射レンズ103と導光部材ホルダ105とのY軸方向の寸法差の部分に、投射レンズ103を駆動するためのスライダ317を配置する。これらの構成により、投射レンズ103、レンズホルダ306、導光部材ホルダ105及び駆動部312を、容易にコンパクトに配置することができる。なお、導光部材ホルダ105の中には導光部材102が保持されている。このため、ここでの導光部材ホルダ105は、実施の形態1の導光ユニット132に相当する。
<変形例>
また、前照灯には、複数の光源からの配光を重ね合わせて照明領域を実現するものがある。図29は、本実施の形態3で説明している前照灯ユニット300を複数並べて、一つの前照灯ユニット360として構成した斜視図である。光源を複数用いる従来の前照灯では、光源、ヒートシンクおよび投射レンズ等を一体として駆動して光軸調整を行っている。この場合には、光軸調整を行う部材が大型となり、この部材を動かすアクチュエータおよび駆動機構なども大きくなる
前照灯ユニット360は、光源101、導光部材102および投射レンズ103を3組備えている。また、放熱器126を各光源101a,101b,101cに対して一つずつ設けている。しかし、実施の形態1に示したように各放熱器126を共通にし、一つの放熱器で構成してもよい。光源101、導光部材102および投射レンズ103を組み立てたものを前照灯モジュール365とよぶ。前照灯モジュール365は、レンズホルダ306を有することができる。
図30は、本実施の形態3で説明している前照灯ユニット360の駆動部分を示す斜視図である。前照灯ユニット360は、3つの前照灯モジュール365a,365b,365cを有している。前照灯モジュール365a,365b,365cは、X軸に平行に配置されている。しかし、前照灯モジュール365a、365b、365cの投写レンズ103a,103b,103cの光軸は、Y軸方向に互いにずれて配置されることができる。また、前照灯モジュール365a,365b,365cの投写レンズ103a,103b,103cは、Z軸方向に互いにずれて配置されることができる。これらの配置は、レンズホルダ306a,306b,306cと投写レンズ103a,103b,103cとの位置関係を変更することで容易に達成できる。これらの配置により、前照灯モジュール365a,365b,365cは自由度を持って配置され、前照灯のデザイン性を高められることができる。
−X軸方向の位置には、光源101a、導光部材102aおよび投射レンズ103aを備えた前照灯モジュール365aが配置されている。前照灯モジュール365aは、レンズホルダ306aを有することができる。X軸方向の中心位置には、光源101b、導光部材102bおよび投射レンズ103bを備えた前照灯モジュール365bが配置されている。前照灯モジュール365bは、レンズホルダ306bを有することができる。+X軸方向の位置には、光源101c、導光部材102cおよび投射レンズ103cを備えた前照灯モジュール365cが配置されている。前照灯モジュール365cは、レンズホルダ306cを有することができる。導光部材102aは、導光部材ホルダ105aの内部に保持されている。導光部材102bは、導光部材ホルダ105bの内部に保持されている。導光部材102cは、導光部材ホルダ105cの内部に保持されている。
本実施の形態3によれば、光源101が複数あった場合でも、前照灯ユニット300に備えられていたスライダ317を一体化して、簡易に前照灯ユニット360を構成することができる。連結スライダ327は、3つのスライダ317を一体化したものである。連結スライダ327は、駆動部材である。連結スライダ327は、板形状の部材である。図30では、連結スライダ327は、X軸方向に長い板形状の部材である。連結スライダ327の−X軸方向には、直動溝221aを有する。連結スライダ327のX軸方向の中心位置には、直動溝221bを有する。連結スライダ327の+X軸方向には、直動溝221cを有する。つまり、直動溝221bは、直動溝221aと直動溝221cとの間に配置されている。
ラック223は、連結スライダ327の−Z軸方向側に形成されている。図30では、ラック223は、連結スライダ327のX軸方向の中心位置の−Z軸方向側に形成されている。つまり、駆動部312は、前照灯モジュール365bの位置に配置されている。しかし、駆動部312は、前照灯モジュール365aの位置に配置されても構わない。また、駆動部312は、前照灯モジュール365cの位置に配置されても構わない。
ベース部304は、直動ピン224a,224b,224cを有している。直動ピン224aは、直動溝221aに挿入される。直動ピン224bは、直動溝221bに挿入される。直動ピン224cは、直動溝221cに挿入される。図30では、直動ピン224a,224b,224cは、各2本ずつ配置されているが、各1本ずつでも構わない。また、直動ピン224は、X軸方向の両端の直動ピン224a及び直動ピン224cの各1本の計2本でも構わない。
モータ113は、ベース部304に保持されている。また、ウォームホイール215および平歯歯車216もベース部304に取り付けられている。ウォームスクリュー214は、ウォームホイール215にかみ合っている。平歯歯車216は、ラック223にかみ合っている。モータ113の軸が回転することで、モータ113の軸に取り付けられたウォームスクリュー214が回転する。ウォームスクリュー214が回転すると、ウォームホイール215および平歯歯車216が回転軸220を中心にして回転する。平歯歯車216が回転すると、ラック223がX軸方向に移動して、連結スライダ327がX軸方向に移動する。
レンズホルダ306a,306b,306cは、スライドピン309a,309b,309cを有している。連結スライダ327は、各スライドピン309a、309b、309cに対応したスライド面322a,322b,322cを有している。
車体の姿勢の変化に応じて光軸を調整する際には、モータ113によって連結スライダ327をX軸方向に移動させる。連結スライダ327のX軸方向への移動に伴い、各スライド面322a,322b,322cはX軸方向に移動する。スライド面322a,322b,322cのX軸方向への移動に伴い、スライドピン309a、309b、309cはY軸方向に移動する。スライドピン309a、309b、309cのY軸方向への移動に伴い、各レンズホルダ306a,306b,306c及び各投射レンズ103a,103b,103cはY軸方向に移動する。
本実施の形態3によれば、光源101が複数ある場合でも、連結スライダ327を用いることで、一つのアクチュエータで光軸を調整することができる。また、各スライド面322a,322b,322cの傾斜角を変えることで、各レンズホルダ306a,306b,306cがY軸方向に移動する量および移動する速度を調整できる。光学特性の異なる光学系を複数用いる場合には、各光学系の光軸の調整量が異なる可能性がある。このような場合には、それぞれの光学系に適した光軸の調整量が必要となる。本実施の形態3によれば、このような場合でも、最適な光軸調整を行うことができる。
本実施の形態3では、光源101が発する熱を逃がすために放熱器126を備えている。しかし、光源101をベース部304へ直接固定してベース部304自体で放熱が行える場合には、放熱器126を必ずしも備える必要はない。
本実施の形態3では、光源101、導光部材102、投射レンズ103、ベース部304および駆動部312を備える構成としている。しかし、本実施の形態3の構成要素はこれらに限られない。例えば、光源101と導光部材102との間に、配光を制御するレンズを備えることもできる。また、投射レンズ103は、1枚のレンズで構成されてもよい。また、投射レンズ103は、複数のレンズを用いて構成されてもよい。
本実施の形態3では、導光部材ホルダ105を用いて、導光部材102をベース部304に保持している。しかし、導光部材102の保持方法はこれに限らない。ベース部304に導光部材102を保持する構造を直接設けることも可能である。この場合には、導光部材ホルダ105を用いなくてもよい。
本実施の形態3では、駆動部312によりスライダ317をX軸方向に移動させている。しかし、スライダ317を移動させる方法はこれに限らない。例えば、直流モータ113はステッピングモータまたは超音波モータでもよい。また、スライダ317の並進運動を送りねじ機構を用いて実現することもできる。また、ベルトおよびプーリを用いて実現することもできる。また、リンク機構を用いて実現することもできる。
本実施の形態3では、スライドピン309をレンズホルダ306に設け、スライド面322をスライダ317に設けている。しかし、スライドピン309をスライダ317に設け、スライド面312をレンズホルダ306に設けた場合においても、同等な効果が得られる。
本実施の形態3では、レンズホルダ306を用いて、投射レンズ103をベース部304に並進可能に取り付けている。しかし、投射レンズ103を取り付ける方法はこれに限らない。例えば、投射レンズ103をプラスチックで作製する場合には、投射レンズ103にスライド穴307、スライドピン308およびスライドピン309を直接設けることも可能である。この場合には、レンズホルダ306を用いなくてもよい。しかし、投射レンズ103にスライド穴307、スライドピン308およびスライドピン309を直接設けると、レンズ面などにひずみが発生し易くなり、投射レンズ103の光学性能を確保し難いという問題がある。また、レンズホルダ306を並進可能に保持するために、リニアガイドなどを用いることもできる。
以上のように、前照灯ユニット300は、スライダ317を導光部材102の+Y軸方向または−Y軸方向の位置に配置して、スライダ317のスライド面322を移動させている。この配置により、スライダ317は、新たに空間を設けることなく移動できる。そして、前照灯ユニット300は、小型化できる。
また、前照灯ユニット360は、連結スライダ327を導光部材102の+Y軸方向または−Y軸方向の位置に配置して、連結スライダ327のスライド面322a,322b,322cを移動させている。この配置により、連結スライダ327は、新たに空間を設けることなく移動できる。そして、前照灯ユニット360は、小型化できる。
つまり、図12に示した空間107,108を通るスライダ317又は連結スライダ327の高さ(Y軸方向の長さ)分だけ前照灯ユニット300,360を薄くすることができる。スライダ317又は連結スライダ327の高さが空間107,108の高さより大きい場合には、空間107,108の高さ分だけ前照灯ユニット300,360を薄くすることができる。また、スライダ317又は連結スライダ327の高さが空間107,108の高さより小さい場合には、スライダ317又は連結スライダ327の高さ分だけ前照灯ユニット300,360を薄くすることができる。
前照灯ユニット300は、光源101、導光部材102、投射レンズ103及び駆動部312を備える。光源101は、進行方向の前方を照射する光線を発する。導光部材102は、光源101から出射された光線を入射して発散角を持った面状の光を出射する。投射レンズ103は、導光部材102から出射された面状の光を入射して前方に投射する。駆動部312は、導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係を変更する。駆動部312は、導光部材102から導光部材102の光軸に垂直な方向で、投射レンズ103の光軸方向から光学的に見て、投射レンズ103と重なる領域に配置される。
「光学的に見て」とは、例えば、導光部材102から出射された光が、ミラー等で反射されて投射レンズ103に入射する場合には、ミラー等によって折り曲げられた光軸を直線状に変更して見るということである。
また、ここで「領域」とは、例えば、図12に示された空間107,108に相当する。
駆動部312は、スライド面322を有する駆動部材317を有する。駆動部材317は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動する。導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係の変更には、前記投射レンズ103が有する接触子309及び接触子309に接しながら移動する駆動部材317が有するスライド面322を用いる。
実施の形態3では、駆動部材は、スライダ317として説明している。また、接触子は、スライドピン309として説明している。
「投射レンズ103が有する接触子309」とは、例えば、投射レンズ103に接触子309が一体で形成されている場合も含まれる。また、実施の形態3で示したように、接触子309を有するレンズホルダ306を投射レンズ103に取り付ける場合も含まれる。
実施の形態3では、スライダ317は、X軸に平行に移動する。しかし、例えば、スライダ317をZ−X平面に平行でX軸に対して角度を持って移動させても、同様の効果を得ることができる。例えば、図22で示した構成の場合には、スライド面322はX軸方向の移動と同時にZ軸方向にも移動する。このため、スライド面322をレンズホルダ306から離して、スライドピン309を長くする必要がある。
駆動部312は、接触子309を有する駆動部材317を有することができる。駆動部材317は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動する。導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係の変更には、投射レンズ103が有するスライド面322及びスライド面322に接しながら移動する前記駆動部材317が有する前記接触子309を用いることができる。
本実施の形態3では、スライド面322を駆動部材317に設け、摺動ピン309をレンズホルダ306に設けている。しかし、本発明はスライド面322をレンズホルダ306に設け、摺動ピン309を駆動部材317に設けた場合でも、同等な効果が得られる。
「投射レンズ103が有するスライド面322」とは、例えば、投射レンズ103にスライド面322が一体で形成されている場合も含まれる。また、スライド面322を有するレンズホルダ306を投射レンズ103に取り付ける場合も含まれる。
駆動部材317は、板状のスライダである。
実施の形態3では、駆動部材は、スライダ317として説明している。
投射レンズ103は、垂直方向にガイドされて移動する。
実施の形態3では、垂直方向は、Y軸方向である。また、投射レンズ103は、スライドシャフト310にガイドされて移動する。
前照灯ユニット360は、複数の前照灯モジュール365a,365b,365cを備える。複数の前照灯モジュール365a,365b,365cは、光源101a,101b,101c、導光部材102a,102b,102c及び投射レンズ103a,103b,103cを個別に有する。駆動部312は、複数の前照灯モジュール365a,365b,365cの有する投射レンズ103a,103b,103cの位置をまとめて変更する。
「個別に有する」とは、例えば、前照灯モジュール365aは、光源101a、導光部材102a及び投射レンズ103aを有することである。また、前照灯モジュール365bは、光源101b、導光部材102b及び投射レンズ103bを有することである。また、前照灯モジュール365cは、光源101c、導光部材102c及び投射レンズ103cを有することである。
「まとめて変更する」とは、例えば、駆動部312が投射レンズ103a,103b,103cを一度に動かすことである。
実施の形態3に係る前照灯ユニット300は、光源101、導光部材102、投射レンズ103及び駆動部312を備える。光源101は、進行方向の前方を照射する光線を発する。導光部材102は、光源101から出射された光線を入射して面状の光を出射する。投射レンズ103は、導光部材102から出射された面状の光を入射して前方に投射することで照射領域を形成する。駆動部312は、導光部材102に対する投射レンズ103の位置関係を変更する。駆動部312は、スライドピン(接触子)309又はスライド面322を有するスライダ(駆動部材)317を有する。スライダ(駆動部材)317は、導光部材102の光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動し、位置関係の変更には、投射レンズ103に取り付けられたスライド面322及びスライド面322の上を接しながら移動するスライダ(駆動部材)317の有するスライドピン(接触子)309又は投射レンズ103に取り付けられたスライドピン(接触子)309及びスライドピン(接触子)309に接しながら移動するスライダ(駆動部材)317の有するスライド面322を用いる。
実施の形態3に係る前照灯ユニット360は、光源101a,101b,101c、導光部材102a,102b,102c、投射レンズ103a,103b,103c及び駆動部312を備える。光源101a,101b,101cは、進行方向の前方を照射する光線を発する。導光部材102a,102b,102cは、光源101a,101b,101cから出射された光線を入射して面状の光を出射する。投射レンズ103a,103b,103cは、導光部材102a,102b,102cから出射された面状の光を入射して前方に投射することで照射領域を形成する。駆動部312は、導光部材102a,102b,102cに対する投射レンズ103a,103b,103cの位置関係を変更する。駆動部312は、スライドピン(接触子)309a,309b,309c又はスライド面322a,322b,322cを有する連結スライダ(駆動部材)327を有する。連結スライダ(駆動部材)327は、導光部材102a,102b,102cの光軸に対してねじれの位置の関係にある軸上を移動し、位置関係の変更には、投射レンズ103a,103b,103cに取り付けられたスライド面322a,322b,322c及びスライド面322a,322b,322cの上を接しながら移動する連結スライダ(駆動部材)327の有するスライドピン(接触子)309a,309b,309c又は投射レンズ103a,103b,103cに取り付けられたスライドピン(接触子)309a,309b,309c及びスライドピン(接触子)309a,309b,309cに接しながら移動する連結スライダ(駆動部材)327の有するスライド面322a,322b,322cを用いる。
<前照灯10>
図31は、前照灯10の構成を示す構成図である。上述の各実施の形態に示された前照灯ユニット100,160,200,260,300,360は、ハウジング12の内部に保持される。透明カバー11は、投写レンズ103から照射される光を透過する。また、透明カバー11は、前照灯ユニット100,160,200,260,300,360を塵、埃または雨等から保護する役割をする。前照灯ユニット100,160,200,260,300,360を駆動するための電源等は、ハウジング12に設けられた穴(図示せず)を通って外部からケーブル等により供給される。この前照灯10は、車両等に装着される。なお、図31では、例として、前照灯ユニットの符号は符号100で示している。また、前照灯ユニット100は、前照灯10の内部に配置されているので、破線の六面体で表している。六面体の各面の形状は四角形で描いている。
前照灯10は、実施の形態1から3に示された前照灯ユニット100,160,200,260,300,360を備えている。
上述の各実施の形態で、光源101が発する熱を逃がすために放熱器126を備えている。しかし、光源101をベース部104,204,304へ直接固定してベース部104,204,304自体で放熱が行える場合には、放熱器126を必ずしも備える必要はない。
また、上述の各実施の形態で、光源101と導光部材102との間に、配光を制御するレンズを備えることもできる。また、投射レンズ103は、1枚のレンズで構成されてもよい。また、投射レンズ103は、複数のレンズを用いて構成されてもよい。
また、上述の各実施の形態で、導光部材ホルダ105を用いて、導光部材102をベース部104,204,304に保持している。しかし、導光部材102の保持方法はこれに限らない。ベース部104,204,304に導光部材102を保持する構造を直接設けることも可能である。この場合には、導光部材ホルダ105を用いなくてもよい。
また、なお、上述の各実施の形態においては、「平行」や「垂直」などの部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す用語を用いている場合がある。これらは、製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを表している。このため、請求の範囲に部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す記載をした場合には、製造上の公差又は組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを示している。
また、以上のように本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限るものではない。