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JP5934055B2 - グリル扉 - Google Patents

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JP5934055B2
JP5934055B2 JP2012181857A JP2012181857A JP5934055B2 JP 5934055 B2 JP5934055 B2 JP 5934055B2 JP 2012181857 A JP2012181857 A JP 2012181857A JP 2012181857 A JP2012181857 A JP 2012181857A JP 5934055 B2 JP5934055 B2 JP 5934055B2
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秀明 林
寛和 作田
寛和 作田
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Description

本発明は、グリル部の前方開口を開閉するグリル扉に関する。
特許文献1には、従来のグリル扉が開示されている。特許文献1記載の調理器は、被加熱物を内部に収容して加熱するためのグリル庫と、このグリル庫の前方開口を開閉するグリル扉とを備えている。このグリル扉の上端部には、後方に向かって突出するシール部が設けられている。また、グリル扉の上端部において、シール部よりも上方の箇所には、断熱材が取り付けられている。
この断熱材は、シリコンゴムにより構成されている。断熱材は、グリル扉の上端面を上方から覆うよう、グリル扉の上端に嵌め込むようにして固定されている。
特開2003−93242号公報
この特許文献1記載の調理器は、グリル扉の上端に断熱材が取り付けられているため、ユーザーがグリル扉の上端部に触れたときの熱さを緩和することができる。しかしながら、この調理器に用いられる断熱材は、シリコンゴム製の断熱材であり、すなわち、軟質材料により構成されている。しかも、この断熱材は、グリル扉の上端部に嵌め込むだけで固定されたものである。このため、グリル庫への調理物の出し入れの際に、ユーザーの手が断熱材に触れると、この断熱材が外れる場合があり、使い勝手が悪い。
また、特許文献1記載のグリル扉の上端部には、シール部が設けられている。このシール部は、グリル庫からの排気の漏れを防ぐものであるため、使用中には高熱になってしまう。しかしながら、このシール部は、後方に突出している上に、断熱材にも覆われていないため、ユーザーはこの調理器を使用する際、シール部に誤って触れてしまうことも考えられる。
この点について、特許文献1記載の断熱材を、グリル扉の上端だけでなく、シール部までも共に覆うようにすることが考えられる。この場合、シール部の温度は高温になるため、耐熱温度が高い断熱材を使用する必要があるが、耐熱温度の高い樹脂は、黒色や灰色といった限定的な色にしかできないという問題がある。すなわち、断熱材は、グリル扉の上端を覆うように取り付ける必要があって、断熱材の一部が外部に露出してしまうため、断熱材が黒色や灰色といった限定的な色にしかできないと、意匠性が低下してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーが扉本体の上端部に触れた場合であっても、ユーザーが感じる熱さを十分に低減できる上に、その断熱部が外れにくく、しかも、意匠性の低下を防ぐことができるグリル扉を提供することにある。
本発明のグリル扉は、ケーシングの内部にグリル部が設けられ、このグリル部は、前方に開口するグリル庫と、このグリル庫の上面と前記ケーシングとの間に設けられ前方に開口する断熱用間隙とを備えており、このグリル部に開閉自在に設けられるグリル扉であって、前記グリル庫の前方開口を開閉自在に閉塞する扉本体と、前記グリル庫の前方開口を閉じた状態において前記扉本体の上端から後方に向かって突出し前記断熱用間隙内に挿通される金属製の庇部と、この庇部および扉本体の上端部を覆う樹脂製の断熱部とを具備し、前記断熱部は、前記庇部の上面に隙間を介した状態で固着具により固定された第一樹脂部と、この第一樹脂部の前端部に沿って設けられ前記第一樹脂部よりも耐熱温度が低い第二樹脂部とを備え、前記第二樹脂部は、前記扉本体の前面上端部に位置する化粧部と、この化粧部から後方に向かって突出し前記扉本体と前記第一樹脂部との間で挟持され、これにより前記化粧部を前記扉本体の前面上端部に保持する支持部とを有していることを特徴とする。
またこのグリル扉において、前記第二樹脂部は、前記化粧部の左右方向のそれぞれの端部から後方に向かって突出した側方化粧部と、各側方化粧部に設けられ、正面視において前記扉本体の左右方向の中央側に向かって突出した側方支持部とをさらに備え、この側方支持部が、前記庇部と前記第一樹脂部との間に挟持されていることが好ましい。
本発明のグリル扉によれば、ユーザーが扉本体の上端部に触れた場合であっても、ユーザーが感じる熱さを十分に低減できる上に、その断熱部が外れにくく、しかも、意匠性の低下を防ぐことができる。
本実施形態の加熱調理器を示す斜視図である。 本実施形態の加熱調理器を示す斜視図である。 本実施形態の加熱調理器のグリル扉の上端部周辺の要部断面図である。 本実施形態のグリル扉の断面図である。 本実施形態のグリル扉の斜視図である。 本実施形態のグリル扉の分解斜視図である。 本実施形態の第二樹脂部の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面に基づいて説明する。
本実施形態のグリル扉1は、図1に示されるように、グリル付きの加熱調理器に用いられる。グリル扉1は、加熱調理器のグリル部7に開閉自在に取り付けられる。
加熱調理器としては、例えば、こんろバーナ56を備えたガスこんろや、電熱線等を用いた加熱部を有する電気こんろや、電磁調理器(IH(Induction Heating)調理器)であってもよく、また、ビルトイン型のこんろや、テーブルこんろや、こんろ部を備えない単独のグリル調理器であってもよく、特に限定されない。なお、本実施形態の加熱調理器は、複数のこんろバーナ56を備えたビルトイン型のガスこんろである。
加熱調理器は、機器本体5と、天板6とを備えている。機器本体5は、当該機器本体5の外郭を形成するケーシング50と、ケーシング50内に配置された複数のこんろバーナ56と、ケーシング50内に配置されたグリル部7とを有している。
ケーシング50は、前面・後面・両側面・底面を有する有底箱形状に形成されている。また、ケーシング50は、前面の上端から後方に向かって延出した天面前部51と、天面前部51の後方側の先端から上方に向かって延出した縦面部52と、上方開口部53とを備えている。上方開口部53は、縦面部52の上端と、両側面部の上端と、後面の上端とにより構成されており、平面視矩形枠状に形成されている。ケーシング50の前面には、図2に示されるように、グリル扉1が取り付けられるグリル部用開口54と、グリル部用開口54の左右両側に設けられた操作部55とが設けられている。操作部55は、ユーザーがこんろバーナ56やグリル部7を操作するために用いられる。
天板6は、ケーシング50の上方開口部53を塞ぐようにして取り付けられる。天板6は、排気口部61と、バーナ設置部62とを備えている。排気口部61は、天板6の後部に配置されている。排気口部61は、平面視矩形状の開口により構成されており、天板6を上下方向に貫通している。排気口部61には、網状の排気カバー63が取り付けられている。排気口部61は、グリル部7に連通しており、グリル部7からの排気を加熱調理器の外部に排出する。バーナ設置部62は、複数の貫通孔(本実施形態では3つ)を有している。バーナ設置部62には、ケーシング50の内部に収容配置されたこんろバーナ56が取り付けられる。天板6は、例えば、ガラスや、ステンレス板により構成されるが、特に限定されない。
加熱調理器がキャビネットに設置されると、機器本体5は前面が露出した状態でキャビネット内に埋設され、天板6はキャビネットの上面に載設される。
機器本体5の内部には、グリル部7が設けられている。グリル部7は、被加熱物を内部に収容して、被加熱物を上下両側から加熱する。グリル部7は、図3に示されるように、グリル庫71と、グリル庫71の上方に設けられた断熱用間隙74とを備えている。
グリル庫71は、筐体72と、熱源となるグリルバーナ(図示せず)とを備えている。筐体72は、前方に向かって開口した前方開口を有している。この前方開口は、ケーシング50の前面のグリル部用開口54に接続されている。この筐体72の前方開口の周縁部には、扉当接部73が設けられている。扉当接部73には、閉じた状態のグリル扉1の背面が当接または近接対向するようになっている。
グリル庫71の下部後方には、グリル受皿(図示せず)が設けられている。グリル受皿には、被加熱物を載置するための焼き網(図示せず)が設置される。これにより、被加熱物をグリルバーナにて加熱できるようになっている。また、グリル庫71の後部には、排気通路(図示せず)が接続されている。排気通路は、グリル庫71の後部から上方に向かって延出し、天板6の排気口部61に接続されている。言い換えると、排気通路は、一端がグリル庫71に連通接続され、他端が排気口部61に連通接続されている。排気通路は、グリルバーナの燃焼排ガスを排気口部61に導き、これにより、グリル庫71内の燃焼排ガスをグリル庫71外に排気させる。
グリルバーナは、上バーナ(図示せず)と、下バーナ(図示せず)とを備えている。上バーナは、グリル庫71の上部に配置されており、グリル庫71内に収容された被加熱物の上面を加熱する。下バーナは、グリル庫71の下部に、左右一対設けられている。下バーナは、グリル庫71内に収容された被加熱物の下面を加熱する。
なお、グリルバーナは、上下方向のうちのいずれか一方のバーナにより構成されたものであってもよく、特に限定されない。また、グリル庫71の熱源として、グリルバーナに替えて、通電により発熱し輻射熱を放射するヒータが用いられてもよい。
断熱用間隙74は、グリル庫71の熱がケーシング50に向かって熱伝導するのを抑制する。断熱用間隙74は、図3に示されるように、グリル庫71の筐体72の上面と、ケーシング50の天面前部51との間の空隙により構成されている。言い換えると、断熱用間隙74は、グリル庫71の上面とケーシング50との間に設けられている。また、断熱用間隙74は、正面視において、グリル部用開口54の左右方向の略全長に亙って形成されている。断熱用間隙74は、前方に開口している。また、断熱用間隙74は、ケーシング50の内部に連通しており、また、天板6の下方を介して排気口部61に連通している。
グリル扉1は、グリル部用開口54にレールを介して引き出し自在に取り付けられる。つまり、グリル扉1は、グリル部7に開閉自在に設けられている。
グリル扉1は、図4に示されるように、扉本体2と、扉本体2の上端に取り付けられた庇金具3と、扉本体2の上端部を覆う断熱部4とを備えている。グリル扉1は、グリル庫71の前方開口を閉じた状態では、庇金具3の一部が断熱用間隙74に挿通されるようになっている。
扉本体2は、グリル庫71の前方開口を開閉自在に閉塞する。扉本体2は、図5に示されるように、上下方向に幅を有し、左右方向に長さを有し、これにより正面視矩形状をしている。扉本体2は、窓部21と、把持部22とを備えている。窓部21は、扉本体2の上下方向の中央部よりも上方に形成されている。窓部21には、ガラス等の透光性を有する透明部材が嵌め込まれている。把持部22は、扉本体2の前面に、左右方向の略全長に亙って設けられている。扉本体2の上端面には、庇金具3が載設される。
庇金具3は、図3,4,6に示されるように、扉本体2の上端面に固着具8を介して固定されている。庇金具3は、扉本体2の後面よりも後方に向かって突出している。庇金具3は、金属により構成されている。庇金具3は、扉本体2の上端に固定される固定部31と、固定部31の後方側の先端から後方に向かって延出した庇部32とを備えている。固定部31は、前方側の先端が下方に屈曲しており、断面略横倒しL字状をしている。固定部31は、前方側の先端が扉本体2の前面に当接した状態で、扉本体2の上端面に固定される。庇部32は、後方側の先端が上方に向かって屈曲しており、断面略横倒しL字状をしている。固定部31と庇部32とは、プレス加工等により一体成形されている。
断熱部4は、庇金具3の上面および扉本体2の上端部を覆う。言い換えると、断熱部4は、庇部32および扉本体2の上端部を覆う。断熱部4は、第一樹脂部41と、第二樹脂部43との2部材で構成されており、これらは共に、硬質樹脂により構成されている。
第一樹脂部41は、庇金具3の上面に、固着具8(例えば、ねじ具)を介して固定されている。第一樹脂部41は、高耐熱性樹脂により構成されている。また、第一樹脂部41は、硬質樹脂により構成されており、例えば、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド)により構成されている。
第一樹脂部41は、図6に示されるように、前後方向に幅を有すると共に左右方向に長さを有しており、平面視矩形状をしている。第一樹脂部41は、図4に示されるように、庇部32の上面に対向配置される後カバー部411と、固定部31の上面に当接する固着部412と、固着部412の前端に形成された係止部413とを備えている。後カバー部411と固着部412と係止部413とは、例えば、射出成形や注型成形等により一体成形される。
後カバー部411の下面には、下方に向かって突出する突起部(図示せず)が設けられている。これにより、後カバー部411は、庇金具3に固定された状態では、庇部32の上面との間に、一定の隙間42を形成するようになっている。
固着部412には、複数の固着具挿通孔414が設けられている。固着具挿通孔414は、長さ方向に並ぶよう等ピッチで配置されている。固着具挿通孔414には固着具8が挿通される。第一樹脂部41は、固着具挿通孔414に固着具8が挿通され、庇金具3と共に扉本体2の上端面に固定される。
係止部413は、第二樹脂部43を固定するために設けられている。係止部413は、第一樹脂部41の前端縁および左右方向の両端縁に設けられている。第一樹脂部41の前端縁に設けられた係止部413は、左右方向の略全長に亙って形成されている。第一樹脂部41の左右方向の両端縁に設けられた係止部413は、前後方向の略全長に亙って形成されている。係止部413は、断面下向き略コ字状をしている。側面視において、係止部413の前端は、庇金具3の前面と略同位置に位置している。
第二樹脂部43は、低耐熱性樹脂により構成されている。言い換えると、第二樹脂部43は、第一樹脂部41よりも耐熱温度が低い。第二樹脂部43は、硬質樹脂により構成されており、例えば、PET/PBT樹脂(ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートとの複合樹脂)により構成されている。
第二樹脂部43は、図7に示されるように、扉本体2の前面上端部に配置される化粧部44と、化粧部44から後方に向かって突出した支持部45(図4参照)と、化粧部44の左右方向のぞれぞれの端部から後方に向かって突出した側方化粧部46と、側方化粧部46に設けられた側方支持部47とを備えている。化粧部44と支持部45と側方化粧部46と側方支持部47とは、例えば、射出成形や注型成形等により一体成形される。第二樹脂部43は、第一樹脂部41の前端部および側端部に沿って配置されている。
化粧部44は、扉本体2の上端部において左右方向の略全長に亙って設けられている。化粧部44は、上下方向に幅を有し、左右方向に長さを有している。化粧部44の上端面は、グリル扉1が閉じた状態では、図3に示すように、ケーシング50の天面前部51の下面に近接対向するようになっている。化粧部44は、扉本体2の前面から前方に向かって突出している。
化粧部44は、上述のように、低耐熱性樹脂により構成されている。このため、着色が自由に行いやすいものとなっている。なお、高耐熱性樹脂により形成された第一樹脂部41は、黒色や灰色等の限定的な色にしかすることができず、着色の自由度は小さい。
支持部45は、化粧部44の後面から後方に向かって延出している。支持部45は、先端が上方に突出した断面L字状をしている。支持部45は、扉本体2の上端面に固定された庇金具3の固定部31と、第一樹脂部41の係止部413の先端との間に挟持された状態で、係止部413に係合する。言い換えると、支持部45は、扉本体2と第一樹脂部41との間で挟持されている。支持部45は、第一樹脂部41と扉本体2との間に固定されることにより、化粧部44を扉本体2の前面上端部に保持する。
側方化粧部46は、化粧部44の左右方向の両端部から後方に向かって延出している。側方化粧部46の後端は、庇金具3の後端と略同位置に位置している。各側方化粧部46には、正面視において、扉本体2の左右方向の中央側に向かって突出した側方支持部47が設けられている。
側方支持部47は、側方化粧部46の前後方向の略全長に亙って設けられている。側方支持部47は、化粧部44に設けられた支持部45と同じ断面形状となっており、すなわち、断面L字状に形成されている。側方支持部47は、庇金具3と第一樹脂部41との間に挟持されている。言い換えると、側方支持部47は、庇部32と第一樹脂部41との間に挟持される。これにより、側方化粧部46は安定的に固定される。
グリル扉1を閉じると、図3に示されるように、グリル扉1の後面から後方に向かって突出した庇部32が断熱用間隙74内に挿通される。また、グリル扉1の後面が、グリル庫71の前方開口の周縁部の扉当接部73に当接する。このとき、扉当接部73とグリル扉1とが隙間なく当接すれば、扉当接部73とグリル扉1との間から熱気が溢れ出るのを防ぐことができるが、扉当接部73とグリル扉1との間には、構造上、僅かな隙間ができる。
この熱気は、扉当接部73とグリル扉1との間の隙間90を通過し、グリル庫71の上面と庇部32との間の隙間91を通り、断熱用間隙74内に流通する。断熱用間隙74は、グリル庫71よりも温度が低くなっているため、流入した熱気の温度を低下させる。
断熱用間隙74に流入した熱気は、大部分が、天板6に設けられた排気口部61を介して外部に放出される。また、排気口部61に向かわなかったその他の熱気は、庇部32の下方を通過した後、第一樹脂部41の上方側に回りこんで、ケーシング50の天面前部51の下面と化粧部44との間の隙間92に向かって移動する。このとき、化粧部44に至る熱気の温度は、断熱用間隙74を移動する際に、熱交換して低下しているため、化粧部44は、高熱の熱気に晒され難くなっている。そして、この熱気は、化粧部44の上端と天面前部51の下面との間の隙間92を介して、外部に放出される。
また、庇部32と第一樹脂部41との間には、一定の隙間42が介在しているため、庇部32が高温になったとしても、第一樹脂部41への熱伝導を低減させることができる。しかも、第一樹脂部41に触れる熱気は、庇部32に沿って迂回して、一旦、断熱用間隙74内を流通した熱気であるため、ある程度、温度低下している。このため、第一樹脂部41として、高耐熱性樹脂でなく、低耐熱性樹脂を用いた場合であっても、耐熱性に関する問題は生じにくい。
なお、グリル扉1に庇部32が設けられていない場合、グリル部7を使用すると、扉当接部73とグリル扉1との間の隙間90を通過した熱気の大部分は、化粧部44の上端と端面前部の下面との間の隙間92に流れ込み、外部に放出される。つまり、庇部32が設けられていないグリル扉1を使用した場合に、化粧部44の上端と端面前部の下面との間の隙間92から放出される熱気は、本実施形態のように、グリル庫71から溢れ出した熱気のうち、庇部32に衝突した後に回り込んだ僅かな量の熱気ではないため、化粧部44の上端と端面前部の下面との間の隙間92から放出される熱気の量が多くなり、したがって、庇部32が設けられていないグリル扉1では、上端部における温度が高くなってしまうことになる。
つまり、断熱用間隙74に没入する庇部32および第一樹脂部41を備えたグリル扉1を用いた場合には、庇部32および第一樹脂部41を備えないグリル扉1を用いた場合に比べて、グリル扉1の上端部における温度が低減される。
以上説明したように、本実施形態のグリル扉1は、グリル部7に開閉自在に設けられるものである。グリル部7は、ケーシング50の内部に設けられている。グリル部7は、グリル庫71と、断熱用間隙74とを備えている。グリル庫71は、前方に開口している。断熱用間隙74は、グリル庫71の上面とケーシング50との間に設けられており、前方に開口している。グリル扉1は、扉本体2と、庇部32と、断熱部4とを具備している。扉本体2は、グリル庫71の前方開口を開閉自在に閉塞する。また、庇部32は、グリル庫71の前方開口を閉じた状態において、扉本体2の上端から後方に向かって突出しており、断熱用間隙74内に挿通されるものである。断熱部4は、庇部32および扉本体2の上端部を覆っており、硬質樹脂により構成されている。断熱部4は、第一樹脂部41と、第二樹脂部43とを備えている。第一樹脂部41は、庇部32の上面に隙間42を介した状態で、固着具8により固定されている。第二樹脂部43は、第一樹脂部41の前端部に沿って設けられており、第一樹脂部41よりも耐熱温度が低い。また、第二樹脂部43は、化粧部44と、支持部45とを備えている。化粧部44は、扉本体2の前面上端部に位置する。支持部45は、化粧部44から後方に向かって突出して扉本体2と第一樹脂部41との間で挟持され、これにより、化粧部44を扉本体2の前面上端部に保持するものである。
このため、本実施形態のグリル扉1によれば、ユーザーが、グリル庫71内に収容された被加熱物を取り出そうとした際に、誤って、グリル扉1の上端部や庇部32の上面部分に触れてしまったとしても、ユーザーが感じる熱さを低減させることができる。特に、本実施形態のグリル扉1は、庇部32の上面が、第一樹脂部41に隙間42を介して覆われているため、第一樹脂部41に伝導する熱を低減させることができる。
しかも、本実施形態のグリル扉1は、グリル部7を閉じた状態で、庇部32が断熱用間隙74に挿通されるため、グリル扉1の上端と、ケーシング50の前端との間の隙間92から漏れ出す熱気の量を減らすことができ、これにより、グリル扉1の上端の温度が熱くなるのを防ぐことができる。
また、本実施形態のグリル扉1は、庇部32により、グリル扉1の上端の温度が熱くなるのを防ぐことができる上に、断熱部4が、第一樹脂部41と第二樹脂部43との2部材で構成されているため、第一樹脂部41として、低耐熱性樹脂を用いることができる。この低耐熱性樹脂は、自由な着色がしやすいものであるため、種々の色に着色でき、設計上の自由度を向上させることができる。この結果、グリル扉1や加熱調理器の意匠性を向上させることができる。
また、本実施形態の第二樹脂部43は、側方化粧部46と、側方支持部47とをさらに備えている。側方化粧部46は、化粧部44の左右方向のそれぞれの端部から後方に向かって突出している。側方支持部47は、各側方化粧部46に設けられており、正面視において扉本体2の左右方向の中央側に向かって突出している。また、側方支持部47は、庇部32と第一樹脂部41との間に挟持されている。
このため、本実施形態のグリル扉1によれば、第一樹脂部41の前方だけでなく、側方をも第二樹脂部43で囲むことができる。これにより、グリル扉1を開いたときにも、第一樹脂部41を見えにくくすることができて、グリル扉1の意匠性を向上させることができる。
なお、本実施形態のグリル扉1は、庇金具3の固定部31を介して、扉本体2と第一樹脂部41との間に第二樹脂部43を挟持する構造となっていたが、本発明においては、庇金具3の固定部31の前端部分が設けられずに、扉本体2と第一樹脂部41との間に第二樹脂部43を挟持するものであってもよい。
また、本実施形態のグリル扉1は、第一樹脂部41が高耐熱性樹脂により構成され、第二樹脂部43が低耐熱性樹脂により構成されていたが、本発明においては、このものに限定されない。
1 グリル扉
2 扉本体
3 庇金具
31 固定部
32 庇部
4 断熱部
41 第一樹脂部
413 係止部
42 隙間
43 第二樹脂部
44 化粧部
45 支持部
46 側方化粧部
47 側方支持部
5 機器本体
50 ケーシング
51 天面前部
52 縦面部
53 上方開口部
54 グリル部用開口
55 操作部
56 こんろバーナ
6 天板
61 排気口部
62 バーナ設置部
63 排気カバー
7 グリル部
71 グリル庫
72 筐体
73 扉当接部
74 断熱用間隙

Claims (2)

  1. ケーシングの内部にグリル部が設けられ、
    このグリル部は、前方に開口するグリル庫と、このグリル庫の上面と前記ケーシングとの間に設けられ前方に開口する断熱用間隙とを備えており、
    このグリル部に開閉自在に設けられるグリル扉であって、
    前記グリル庫の前方開口を開閉自在に閉塞する扉本体と、
    前記グリル庫の前方開口を閉じた状態において前記扉本体の上端から後方に向かって突出し前記断熱用間隙内に挿通される金属製の庇部と、
    この庇部および扉本体の上端部を覆う樹脂製の断熱部と
    を具備し、
    前記断熱部は、
    前記庇部の上面に隙間を介した状態で固着具により固定された第一樹脂部と、
    この第一樹脂部の前端部に沿って設けられ前記第一樹脂部よりも耐熱温度が低い第二樹脂部と
    を備え、
    前記第二樹脂部は、
    前記扉本体の前面上端部に位置する化粧部と、
    この化粧部から後方に向かって突出し前記扉本体と前記第一樹脂部との間で挟持され、これにより前記化粧部を前記扉本体の前面上端部に保持する支持部と
    を有している
    ことを特徴とするグリル扉。
  2. 前記第二樹脂部は、
    前記化粧部の左右方向のそれぞれの端部から後方に向かって突出した側方化粧部と、
    各側方化粧部に設けられ、正面視において前記扉本体の左右方向の中央側に向かって突出した側方支持部と
    をさらに備え、
    この側方支持部が、前記庇部と前記第一樹脂部との間に挟持されている
    ことを特徴とする請求項1記載のグリル扉。
JP2012181857A 2012-08-20 2012-08-20 グリル扉 Expired - Fee Related JP5934055B2 (ja)

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