JP5928256B2 - プロピレンの製造方法 - Google Patents
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Description
例えばエチレンを、ゼオライトを主成分とする触媒と接触させ、プロピレンを直接製造する方法が提案され、エチレンとしてはスチームクラッキング法等で製造したものを用いることができることが記載されている(例えば特許文献1)。またこのような触媒との接触反応を、エタンクラッキング法等と組み合わせる方法等も提案されている(特許文献2)。
具体的には、各種クラッキングプロセスで得られた分解ガスは一般的に、まず脱エタン塔で、炭素数2以下の炭化水素や水素等の分子量の小さい成分を含むいわゆる「粗製エチレン」と、炭素数3以上の炭化水素とに分離される。そして「粗製エチレン」は、脱メタン塔に誘導され、炭素数2の炭化水素と、メタン及び水素とに分離される。そして必要に応じ、さらにエチレン精留塔に誘導し、エタンとエチレンとを分離される。
精製エチレンは、純度が高い反面、上述のプロセスを経るため、特に、脱メタン塔での水素及びメタンの分離・精製のための手間とコストがかかり、工業生産上不利である。
一方、脱エタン塔で得られる粗製エチレンは、目的物であるエチレン以外に、通常メタンや水素を多く含む。一般的に用いる脱エタン塔では、エチレンやエタンの炭素数2の炭
化水素は、通常、水素やメタンとともに脱エタン塔の塔頂から抜き出される。このとき、塔頂から抜き出されたもののうち、比較的沸点の高い炭素数2の成分は、脱エタン塔が通常備えている凝縮器で、凝縮、還流され、脱エタン塔内に回収される。
また一方で、エチレン留分を脱エタン塔の塔底に近い部分から抜き出して、プロピレン製造反応に使用すると、原料中に製品であるプロピレンの含有量が増えるため、最終製品として抜き出せるプロピレンの収量が減少するという問題がある。
[1]エチレンを含む原料混合物を、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離し、
流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させてプロピレンを含む反応混合物を得、
該反応混合物を、圧縮工程を含む精製工程にて精製することを特徴とするプロピレンの製造方法、
[2]前記流体(A)〜(C)に分離する前に、前記原料混合物を圧縮することを特徴とする、上記[1]に記載のプロピレンの製造方法、
[3]前記流体(A)〜(C)の分離を、サイドカット段を有する蒸留塔にて行い、前記流体(B)をサイドカット段から抜き出すことを特徴とする、上記[1]または[2]に記載のプロピレンの製造方法、
[4]前記原料混合物が、ナフサの熱分解によって得られたものであることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1に記載のプロピレンの製造方法、
[5]前記流体(B)におけるエチレン含有量が40モル%以上であることを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれか1に記載のプロピレンの製造方法、
[6]前記流体(B)におけるメタン/エチレン比率がモル比で0.9以下であることを特徴とする、上記[1]〜[5]のいずれか1に記載のプロピレンの製造方法、
[7]前記流体(B)におけるメタン含有量が35モル%以下であることを特徴とする、上記[1]〜[6]のいずれか1に記載のプロピレン製造方法、
[8]前記流体(B)における水素含有量が15モル%以下であることを特徴とする、上記[1]〜[7]のいずれか1に記載のプロピレン製造方法、
[9]前記流体(B)における炭素数3以上の成分の含有量が15モル%以下であることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれか1に記載のプロピレンに製造方法、
[10]下記工程(1)〜(4)を含む、プロピレンの製造方法、
工程(1):エチレンを含む原料混合物を、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素
を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離する工程
工程(2):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含む反応混合物を得る工程、
工程(3):前記反応混合物を圧縮した後に、前記工程(1)に供し、前記エチレンを含む原料混合物と共に流体(A)〜(C)に分離する工程
工程(4):前記工程(1)にて分離された前記流体(C)を精製し、プロピレンを分離する工程
[11]更に、アルキン類およびジエン類を選択的に水素化する工程を含む、上記[10]に記載のプロピレン製造方法、
[12]前記水素化を液相反応でおこなうことを特徴とする、上記[11]に記載のプロピレン製造方法、
[13]下記工程(0)(1’)(2’)(3’)及び(4’)を含む、プロピレンの製造方法、
工程(0):エチレンを含む原料混合物を、圧縮する工程
工程(1’):前記工程(0)にて得られた、圧縮された原料混合物を、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)に分離する工程
工程(2’):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含む反応混合物を得る工程、
工程(3’):前記反応混合物を、前記工程(0)に供し、前記エチレンを含む原料混合物と共に圧縮する工程
工程(4’):前記工程(1’)にて分離された前記流体(C)を精製し、プロピレンを分離する工程
[14]下記工程(0)、(1’)、(2’)、(3’’)及び(4’)を含む、プロピレンの製造方法、
工程(0):エチレンを含む原料混合物を、圧縮する工程
工程(1’):前記工程(0)にて得られた、圧縮された原料混合物を、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離する工程
工程(2’):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含む反応混合物を得る工程、
工程(3’’):前記反応混合物を圧縮した後に、前記工程(1’)に供し、前記圧縮された原料混合物と共に流体(A)〜(C)に分離する工程
工程(4’):前記工程(1’)にて分離された前記流体(C)を精製し、プロピレンを分離する工程
[15]更に、アルキン類およびジエン類を選択的に水素化する工程を含む、上記[13]〜[14]のいずれか1に記載のプロピレン製造方法、
[16]前記水素化を液相反応でおこなうことを特徴とする、上記[15]に記載のプロピレン製造方法、に存する。
本発明のプロピレンの製造方法は、エチレンを含む原料混合物を、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率(モル%)が、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率(モル%)よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離し、前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させてプロピレンを含む反応混合物を得、該反応混合物を、圧縮工程を含む精製工程にて精製することを特徴とするものである。
以下、まずエチレンを含む原料混合物について説明した後、製造方法に含まれる工程毎に説明する。
該炭化水素としては、エチレンを製造することができる公知の物質を用いることができ、具体的には例えば、エタン、ナフサ、液化石油ガス(LPG)、常圧軽油(AGO)、減圧軽油(VGO)、天然ガス液(NGL)等を用いることができる。またこれらは単独でも2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
熱分解法としては、その形式は限定されるものではないが、例えば管式加熱法、スチームクラッキング法、移動層法等を用いることができる。通常、炭化水素とスチームを混合して加熱管内を大きな速度で通し、管の外側から加熱して分解する管式加熱法や、炭化水素を分解温度少し手前まで加熱し、加熱した蒸気と混合し、その蒸気の熱で分解するスチームクラッキング法等が用いられる。
熱分解における反応圧力は特に限定はされないが、通常、絶対圧で0.001MPa以上、好ましくは0.2MPa以上であり、2MPa以下が好ましい。反応圧力が前記上限超過では、炭化水素類の分解反応が進行しにくくなる場合がある。反応圧力が前記下限未満では、低圧を維持するための設備が必要となる場合があり、経済性の観点から前記下限以上が好ましい。
接触分解における反応温度は特に制限はされないが、いずれの方式においても、通常400℃〜1000℃が好ましい。反応温度が前記下限未満では炭化水素の転化率が低くなり、エチレンの収率が下がる傾向がある。反応温度が前記上限超過では、触媒が変質してしまい短時間で失活する場合がある。
上記の炭化水素を分解する反応圧力を制御する方法としては、例えば、該工程に供給する炭化水素及び/又は水蒸気の圧力を制御する方法が挙げられる。圧力を上げる方法としては、公知の圧縮機を用いる方法が一般的である。なおここでいう圧縮機とは、流体の圧力を上昇させることができる装置、すなわち圧縮比(吐出圧力/吸引圧力)を1より大きくすることができるものをいう。圧縮機としては、既知の圧縮機を用いることができ、例えば、渦巻きポンプ等の遠心式ポンプ、プランジャーポンプ等の容積式ポンプ等のポンプや、遠心圧縮機等のターボ圧縮機、往復圧縮機やスクリュー圧縮機等の容積圧縮機、などの圧縮機が挙げられる。
本発明において最も好ましくは、原料混合物としてナフサの熱分解にて得られたものを使用する場合である。ナフサの熱分解で得られる原料混合物は、通常水素、メタン、炭素数2の炭化水素、炭素数3以上の炭化水素が含まれることから、本発明の製造方法を用いることにより、効率よくプロピレンを製造できるためである。
本発明における原料混合物中には、アルカリ金属、硫黄化合物、重金属等が含まれていてもよいが、これらの成分の含有量が少ない方が好ましく、含有していないものがより好ましい。
硫黄化合物の含有量は、特に限定はされないが、化学発光法によって測定される全硫黄分として、通常20ppm以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは0.5ppm以下である。硫黄化合物は、原料に含まれる形態または反応によって変化した形態で製品のプロピレンに混入することがあり、ポリプロピレン製造触媒等に悪影響を与える場合があるので、含有量の少ない原料がより好ましい。
重金属等の含有量は、特に限定はされないが、通常1ppm以下である。重金属等は、触媒性能の変化および触媒劣化の原因になることがあるため、含有量の少ない原料が好ま
しい。なお、上記物質の含有量(ppm)は質量基準である。
また本発明において「炭素数2の炭化水素が主成分である」とは、「エタン」及び「エチレン」の合計が主成分であることを示す。
また、別の方法としてサイドカット段を有さない蒸留塔を用いることもできる。エチレンを含む原料混合物、又は圧縮された原料混合物を塔頂部に凝縮器を備えた蒸留塔に導入し、前記流体(C)をその塔底から抜き出し、それ以外をその1段目(塔頂部分)から塔頂蒸気として抜き出す。そして塔頂部分と蒸留塔が有する凝縮器の間から、その塔頂蒸気の一部を、前記流体(B)として抜き出し、残りを凝縮器に誘導する。凝縮器を経て得られた蒸気(留出蒸気という)を前記流体(A)として抜き出す。また凝縮器を経て得られた液を蒸留塔に還流させる(以下、還流液という)。このような方法を取ることにより、サイドカット段を有する蒸留塔で、サイドカットをおこなったことと同様の効果が得られる。
蒸留塔の段数は、特に制限されないが、通常、20段以上、好ましくは30段以上、通常100段以下、好ましくは80段以下である。なお、本発明において、蒸留塔の段数とは、塔頂を1段目として上から数えた段数のことである。
流体(A)中のメタンの含有量(モル百分率)は特に限定はされないが、通常10モル%以上、50モル%以下であり、水素のモル百分率は、通常10モル%以上、50モル%以下である。
なお流体(A)は気相、液相、またはそれらの混相のいずれでもよく、好ましくは気相である。
水素のモル百分率(モル%)は、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率(モル%)よりも通常1モル%以上高く、好ましくは5モル%以上高く、より好ましくは10モル%以上高い。流体(B)中の炭素数2の炭化水素を高濃度とすることにより、後述するプロピレン以外の成分のリサイクル量を少なくすることができる点で望ましい。
また流体(B)には少なくともエチレンが含まれる。炭素数2の炭化水素としては、エタンとエチレンのいずれが多く含まれていてもよいが、通常はエチレンが最も多く、エチレンが最も多く含まれていることが好ましい。流体(B)中のエチレン含有量としては限定はされないが40モル%以上が好ましい。後述する触媒との接触反応において、プロピレンの収率が向上するためである。なおエタンは後述する触媒との接触において不活性であるため、エチレンと混在していてもよく、エチレンとエタンの存在比率は特に限定はされないが、通常はエチレン/エタンのモル比で、0.8以上である。前記下限値未満では、プロピレンが十分に得られない場合がある。
メタンの含有量は、そのモル百分率 がエチレンのモル百分率 よりも少ないことが好ましく、好ましくは、メタン/エチレンのモル比で0.9以下であり、より好ましくは0.8以下であり、また流体(B)中のメタン含有量としては、特に限定されるものではないが、35モル%以下であることが好ましい。
いことが好ましく、その含有量は特に限定はされないが、通常15モル%以下である。
メタン及び水素の含有量がエチレンの含有量よりも多いと、反応器で十分な量のプロピレンを得ることができない場合や、プロセス全体の効率が悪くなる場合や、また、反応混合物の精製工程における圧縮機に、軽沸成分のメタンが大量に入ることで圧縮機の負荷が増し、エネルギー消費量が増えることがある。
多いと、後述する反応混合物中のプロピレンが少なくなり、プロセス全体の効率が悪くなることがある。
主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)は、その成分中に炭素数3以上の炭化水素のモル百分率が最も高い。通常、炭素数3の炭化水素が最も多く、プロピレンのモル百分率が最も多いことが好ましい。
流体(C)の相は特に限定されず、気相、液相あるいはそれらの混相でもよく、好ましくは液相である。
得られた反応混合物は、圧縮工程を含む精製工程にて精製し、目的物であるプロピレンを得る。この圧縮工程を含む精製工程は公知のプロセスを採用すればよく、例えばHYDROCARBON PROCESSING, p.112-114,3,1999などに記載の方法で行うことができる。また後述の第1〜第3の実施態様に示すように、反応混合物を圧縮した後、反応プロセス中にリサイクルして分離精製してもよい。
このように本発明は、原料混合物から流体(A)および流体(C)を予め除去し、流体(B)を用いてプロピレンの製造を行うことにより、反応生成物の精製工程における圧縮工程にて、圧縮機に過剰な負荷を生じない点が好ましい。
次に本発明のプロピレンの製造方法につき、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
〔第1の実施態様〕
本発明の第1の実施態様として、下記工程(1)〜(4)を含む、プロピレンの製造方法が挙げられる。
工程(2):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含む反応混合物を得る工程、
工程(3):前記反応混合物を圧縮した後に、前記工程(1)に供し、前記エチレンを含む原料混合物と共に流体(A)〜(C)に分離する工程
工程(4):前記工程(1)にて分離された前記流体(C)を精製し、プロピレンを分離する工程
なお本実施態様において、工程(2)で得られた反応混合物に着目すると、工程(3)及び(4)の全体が「反応混合物の精製工程」に相当し、工程(3)にて反応混合物を圧縮することから、工程(3)及び(4)の全体が「圧縮工程を含む精製工程」に相当する。
工程(1)では、エチレンを含む原料混合物を、主成分がメタン又は水素である流体(
A)、主成分が炭素数2の炭化水素である流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離する。
該原料混合物、流体(A)〜(C)、及び分離方法については前述の通りである。
前記炭素数2の炭化水素を主成分とする流体(B)を、反応器に導入し、触媒と接触させ、プロピレンを含む反応混合物(以下単に「反応混合物」ということがある)を得る。この工程を工程(2)という。
触媒としては、既知の触媒が用いることができ、本発明の目的を満たす範囲において特に限定されるものではないが、通常ブレンステッド酸点を有する固体状の触媒(以下、「固体酸触媒」ということがある)が用いられる。例えば、カオリン等の粘土鉱物;粘土鉱物等の担体に硫酸、燐酸等の酸を含浸・担持させたもの;酸性型イオン交換樹脂;ゼオライト類;Al−MCM41等のメソポーラスシリカアルミナ;ITQ−2等の層状ゼオライト、等の固体酸触媒が挙げられ、より具体的には、例えば特開2007−291076号公報や、国際公開2010/128644号公報に開示された触媒等が挙げられる。
なお、流動床反応器に前述の触媒を充填する際、触媒層の温度分布を小さく抑えるために、石英砂、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ等の反応に不活性な粒状物を、触媒と混合して充填しても良い。この場合、石英砂等の反応に不活性な粒状物の使用量は特に制限はない。なお、この粒状物は、触媒との均一混合性の面から、触媒と同程度の粒径であることが好ましい。
流動床反応器を選択する場合、反応器に対して触媒の再生器を付設し、反応器から抜き出した触媒を連続的に再生器に送り、再生器において再生された触媒を連続的に反応器に戻しながら反応を行うことが好ましい。
ここで、触媒の再生器とは、反応器から抜き出された触媒を、触媒の再生方法の項で述べる方法により、再生する装置である。
反応器に供給する流体(B)中のエチレンの濃度(即ち、基質濃度)に関して特に制限はないが、エチレンは全供給成分中、90モル%以下が好ましい。さらに好ましくは5モル%以上70モル%以下である。この基質濃度が高すぎると芳香族化合物やパラフィン類の生成が顕著になり、プロピレンの収率が低下する傾向がある。基質濃度が低すぎると、反応速度が遅くなるため、多量の触媒が必要となり、反応器が大きくなりすぎる傾向がある。
希釈剤としてはヘリウム、アルゴン、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、水、パラフィン類、メタン等の炭化水素類、芳香族化合物類、および、それらの混合物など、反応に不活性な気体が挙げられる。この中でも水(水蒸気)が共存しているのが好ましい。
このような希釈剤としては、原料混合物中に由来する不純物をそのまま使用しても良いし、別途調製した希釈剤を流体(B)と混合して用いても良い。
また、希釈剤は反応器に入れる前に流体(B)と混合しても良いし、流体(B)とは別に反応器に供給しても良い。
ここで言う空間速度とは、触媒(触媒活性成分)の重量当たりの反応原料であるエチレンの流量(重量/時間)であり、ここで触媒の重量とは触媒の造粒・成型に使用する不活性成分やバインダーを含まない触媒活性成分の重量である。
空間速度は、0.01Hr−1から500Hr−1の間が好ましく、0.1Hr−1から100Hr−1の間がさらに好ましい。空間速度が高すぎると後述する反応混合物中のエチレンが多くなり、プロピレン収率が低くなる傾向がある。また、空間速度が低すぎると、パラフィン類等の好ましくない副生成物が生成し、プロピレン収率が低下する傾向がある。
反応温度の下限としては、通常約200℃以上、好ましくは300℃以上であり、反応温度の上限としては、通常700℃以下、好ましくは600℃以下である。反応温度が前記下限未満では、反応速度が低く、未反応原料が多く残る傾向となり、さらにプロピレンの収率も低下する場合がある。一方で反応温度が前記上限超過では、プロピレンの収率が低下する場合がある。
反応圧力の上限は通常2MPa(絶対圧、以下同様)以下好ましくは1MPa以下であり、より好ましくは0.7MPa以下である。また、反応圧力の下限は特に制限されないが、通常1kPa以上、好ましくは50kPa以上である。反応圧力が高すぎるとパラフィン類等の好ましくない副生成物の生成量が増え、プロピレンの収率が低下する傾向がある。反応圧力が低すぎると反応速度が遅くなる傾向がある。
反応器出口ガスとしては、プロピレンを含む反応混合物が得られる。該反応混合物中には、プロピレン、エチレン、副生成物および任意に希釈剤等が含まれる。該反応混合物中のプロピレン濃度は通常1〜95重量%、好ましくは2〜80重量%である。
この中には通常エチレンが含まれるが、このエチレンはその少なくとも一部を反応器にリサイクルして反応原料として再利用することが好ましい。
なお、副生成物としては炭素数が4以上のオレフィン類、パラフィン類、芳香族化合物および水が挙げられる。
触媒の再生方法としては、触媒に付着したコークを除去できる方法であれば、その条件に特に制限はないが、水素を含むガスに触媒を接触させて再生することが好ましい。水素を含むガスで再生することにより、高いプロピレン選択率を維持した状態での触媒の再生が可能となる。水素を用いた再生方法については、例えば特開2010−205579号公報に記載の方法、再生条件を適用することができる。
固定床で再生する場合は、触媒を抜き出さずに反応器に入れたまま再生ガスを流すことによって、再生することが好ましい。また、触媒を一度抜きだして、反応器とは別の再生器に充填してから再生ガスに接触させて再生してもよい。移動床、流動床の場合は、反応器に対して触媒の再生器を付設し、反応器から抜き出した触媒を連続的に再生器に送り、再生器において再生された触媒を連続的に反応器に戻しながら反応を行うことが好ましい。また、触媒を系内に補充あるいは系内から一部をパージしながら反応、再生を行ってもよい。
前記工程(2)で得られたプロピレンを含む反応混合物を圧縮した後に、前記工程(1)に供し、前記エチレンを含む原料混合物と共に、前記流体(A)〜(C)に分離する。この工程を工程(3)という。
なお反応混合物は、予め原料混合物と混合して、蒸留塔に導入してもよく、原料混合物とは別に蒸留塔に導入してもよい。
本工程(3)の圧縮操作に使用する圧縮機としては、炭化水素の分解反応における圧力制御の項で挙げたものと同様の装置が使用できる。
工程(1)にて分離された、前記流体(A)〜(C)のうち前記流体(C)を精製し、目的物であるプロピレンを分離する。この工程を工程(4)という。
該流体(C)は、原料混合物由来の成分と工程(2)にて得られた反応混合物由来の成分を含む。
精製方法は特に限定されないが、各種公知の分離精製方法を用いることができる。
通常は、前記流体(C)における、より重質の成分から除去される。以下、一般的な分離精製プロセスを用いて説明する。
次に重質油成分以外のガスは、通常、クエンチ塔を通過し、次いで、水分、ガソリン成分(通常炭素数5〜10の炭化水素成分)、及び軽質の成分(通常炭素数4以下の炭化水素)に分離される。
なお前記流体(C)に含まれる重質油およびガソリン成分が低濃度であれば、前記流体(C)をガソリン塔および/またはクエンチ塔に通さずに、以降の工程に直接供給してもよい。
具体的には、エタン及び/又はエチレンを含有する成分を、
予め原料混合物中に混合し、工程(1)における分離工程に供する、
原料混合物とは別に、工程(1)における分離工程に供する、
予め流体(B)中に混合し、工程(2)における反応器に供給する、
流体(B)とは別に、工程(2)における反応器に供給する、
などが考えられる。
エチレンのリサイクル効率の観点からは、予め流体(B)中に混合して工程(2)における反応器に供給するか、流体(B)とは別に工程(2)における反応器に供給することが好ましい。
本発明の第2の実施態様として、下記工程(0)、(1’)、(2’)、(3’)及び(4’)を含む、プロピレンの製造方法が挙げられる。
工程(0):エチレンを含む原料混合物を、圧縮する工程
工程(1’):前記工程(0)にて得られた、圧縮された原料混合物を、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離する工程
工程(2’):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含む反応混合物を得る工程、
工程(3’):前記反応混合物を、前記工程(0)に供し、前記エチレンを含む原料混合物と共に圧縮する工程
工程(4’):前記工程(1’)にて分離された前記流体(C)を精製し、プロピレンを分離する工程
なお本実施態様において、工程(2’)で得られた反応混合物に着目すると、以降のすべての工程、すなわち工程(3’)、工程(0)、工程(1’)及び工程(4’)の全体が「反応混合物の精製工程」に相当し、工程(0)にて反応混合物を圧縮することから、これら工程の全体が、前述の「圧縮工程を含む精製工程」に相当する。
工程(0)は、前記原料混合物を圧縮する工程である。
工程(1’)における分離工程は、通常は前述の様に蒸留により行われるが、該工程(1’)に導入する原料混合物の圧力を蒸留プロセスに適した圧力まで昇圧するため、工程(0)を設けることが好ましい。
圧力が高すぎると、以降の工程(2’)における反応時の圧力も高くなり、副生物の割合が増加する傾向がある。逆に低すぎると、工程(1’)の分離工程や、工程(3’)以降の精製工程における蒸留の際に、適切な圧力に調整することが困難になる場合がある。
具体的には、例えば工程(4’)にて蒸留操作を行う場合は、精製する流体(流体(C))の圧力を蒸留に適した範囲に調整するため、圧縮操作を行う場合があるが、当該操作を行う圧縮機への負荷が過剰になるおそれがある。
しくは5以下程度である。水分量が多すぎると、以降の工程(2’)における反応速度が低下し、目的生成物(プロピレン)の収量が低下する場合があり、また触媒が水と反応し変質する等の問題が生じる可能性がある。
工程(1’)は、前記工程(0)で得られた圧縮後の原料混合物を使用する点以外は、〔第1の実施態様〕における工程(1)と同様である。
<工程(2’)>
工程(2’)は、前記工程(1’)で得られた流体(B)を使用する以外は、〔第1の実施態様〕における工程(2)と同様である。
工程(3’)は、前記工程(2’)で得られた反応混合物を前記工程(0)に供し、前記エチレンを含む原料混合物と共に圧縮する工程である。なお反応混合物は、予め原料混合物と混合して圧縮機に導入してもよく、原料混合物とは別に圧縮機に導入してもよい。
<工程(4’)>
工程(4’)は、前記工程(1’)にて分離された前記流体(C)を精製し、目的物であるプロピレンを分離する工程である。該流体(C)は、原料混合物由来の成分と、工程(2’)にて得られた反応混合物由来の成分を含む。
工程(4’)で得られたプロピレン以外の成分(オレフィン、パラフィン等)の一部または全て、特にエタン及びエチレンはプロセス中にリサイクルすることが好ましい。
具体的には、エタン及び/又はエチレンを含む成分を、
予め原料混合物中に混合し、工程(0)における圧縮工程に供する、
原料混合物とは別に、工程(0)における圧縮工程に供する、
予め圧縮された原料混合物中に混合し、工程(1’)における分離工程に供する、
圧縮された原料混合物とは別に、工程(1’)における分離工程に供する、
予め流体(B)中に混合した後、工程(2’)における反応器に供給する、
流体(B)とは別に、工程(2’)における反応器に供給する、
などが考えられる。
エチレンのリサイクル効率の観点からは、予め流体(B)中に混合した後で工程(2’)における反応器に供給するか、流体(B)とは別に工程(2’)における反応器に供給することが好ましい。
本発明の第3の実施態様として、下記工程(0)、(1’)、(2’)、(3’’)及び(4’)を含む、プロピレンの製造方法が挙げられる。
工程(0):エチレンを含む原料混合物を、圧縮する工程
工程(1’):前記工程(0)にて得られた、圧縮された原料混合物を、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が流体(A)中の炭素数2の炭化水素のよりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離する工程
工程(2’):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含
む反応混合物を得る工程、
工程(3’’):前記反応混合物を圧縮した後に、前記工程(1’)に供し、前記圧縮された原料混合物と共に流体(A)〜(C)に分離する工程
工程(4’):前記工程(1’)にて分離された前記流体(C)を、精製し、プロピレンを分離する工程
なお本実施態様において、工程(2’)で得られた反応混合物に着目すると、以降のすべての工程、すなわち工程(3’’)、工程(1’)及び工程(4’)の全体が「反応混合物の精製工程」に相当し、工程(3’’)にて反応混合物を圧縮することから、これらの工程の全体が、前述の「圧縮工程を含む精製工程」に相当する。
具体的には、エタン及び/又はエチレンを含む成分を、
予め原料混合物中に混合した後、工程(0)における圧縮工程に供する、
原料混合物とは別に、工程(0)における圧縮工程に供給する、
予め圧縮された原料混合物中に混合した後、工程(1’)における分離工程に供する、
圧縮された原料混合物とは別に、工程(1’)における分離工程に供する、
予め流体(B)中に混合した後、工程(2’)における反応器に供給する、
流体(B)とは別に、工程(2’)における反応器に供給する、
などが考えられる。
エチレンのリサイクル効率の観点からは、予め流体(B)中に混合した後で工程(2’)における反応器に供給するか、流体(B)とは別に工程(2’)における反応器に供給することが好ましい。
流体(B)と触媒とを接触させる反応工程(上述の各実施態様における工程(2)及び工程(2’)に相当)において、反応に供される流体(B)中にアセチレン等のアルキン類や、ブタジエン等のジエン類が含まれる場合、これらが触媒と接触してコークの発生原因となり、触媒の活性が低下する場合がある。これを防ぐ目的で、更にアルキン類及びジエン類を還元する工程、より好ましくはこれらを選択的に水素化する工程を含むことが好ましい。
反応工程)の前、工程(1)または工程(1’)(流体(A)〜(C)への分離工程)の前、工程(0)(原料混合物の圧縮工程)の前、或いは工程(2)または工程(2’)にて得られた反応混合物を、工程(2)や工程(2’)より前のプロセス中に供する前、などが挙げられる。中でも、工程(2)または工程(2’)(反応工程)の前が特に好ましい。
本発明における実施例を、ASPEN PLUSによってシミュレートした。シミュレーションはRSTOICモードを用いた。実施例の検討に用いた工程を図1及び図2に示す。
シミュレーションに際し、原料混合物としてガソリン塔、クエンチ塔を通じて炭素数5以上の成分が除去されたナフサクラッカー分解ガス101の組成を表1に示す通り規定した。
以下、図1に従って説明する。
分解ガス101(163T/H、35℃、0.15MPa)を、後述するプロピレンに富んだ流体106(反応混合物に相当。41.7T/H)と混合し、5段からなる分解ガス圧縮機1で圧縮し、熱交換を経て、14℃、3.5MPaとした。分解ガス圧縮機1で圧縮する過程で生じた凝縮成分(炭素数5以上の炭化水素成分、プロピレン4.7T/Hを含む)は除去し、後述する炭素数3以上の炭化水素を主成分とする流体(C)である103に混合させた(図示はしていない)。得られた圧縮ガス102(圧縮された原料混合物に相当)を、39段を有し、サイドカット段を有する脱エタン塔2の、上から16段目に導入し、メタンを主成分とする流体(A)(104)、炭素数2の炭化水素を主成分とする流体(B)(105)、炭素数3以上の炭化水素を主成分とする流体(C)(103)に分離し、流体(B)を脱エタン塔の7段目から抜き出した。
脱エタン塔2の7段目からは、炭素数2の炭化水素を主成分とする流体(B)である1
05を抜き出し、図示はしないが水添反応器でアセチレンを水素添加によりエタン又はエチレンに変換したのち、反応器5に導入した。反応器5では、国際公開2010/128644の調製例1に開示された触媒を用いることを想定し、反応器5の入口と出口におけるストリームの組成が表3に記載された組成となるよう、RSTOICモードでシミュレーションをおこなった。得られたプロピレンに富んだ流体106(41.7T/H)は、前述したようにナフサクラッカー分解ガス101と混合され、分解ガス圧縮機1に導入した。分解ガス圧縮機1における消費電力は25.4MWであった。
脱エタン塔2の塔底からは、炭素数3以上の炭化水素を主成分とする流体(C)である103を抜き出した。103は、前記分解ガス圧縮機1で圧縮された際に除去した凝縮成分とともに、炭素数3以上の成分をC3以上成分精製系3に導き、製品プロピレンを回収した。回収されたプロピレンは37.3T/Hであった。
以下、図2に従って説明する。
分解ガス101(163T/H、35℃、0.15MPa)を、後述するプロピレンを含む流体106(31.6T/H)と混合し、5段からなる分解ガス圧縮機1で圧縮し、熱交換を経て、14℃、3.5MPaとした。
の組成を表2に示す。得られた圧縮ガス102を39段からなる脱エタン塔2の上から16段目に導入し、実施例1と同様に(A)〜(C)の各流体に分離した。各流体の組成を表4に記載した。
脱エタン塔2の塔底から103を抜き出し、分解ガス圧縮機1で生じた上記凝縮成分とともに、炭素数3以上の成分をC3以上成分精製系3を経て製品プロピレンを回収した。回収されたプロピレンは37.7T/Hであった。
以下図3に従って説明する。
脱エタン塔2の塔頂から得られた塔頂蒸気107の全量を、凝縮器6に導入し、これを部分的に凝縮し、得られた液相成分を脱エタン塔の1段目に還流させた(108)以外は実施例2と同様に実施し、凝縮器内のメタンに富む留出蒸気(流体(A))104(組成を表6に示す)として抜き出し、そのうち77.7T/Hを、C2以下成分精製系4を経て製品エチレンを回収した。回収されたエチレンは37.7T/Hであった。
メタンに富む気相流体(A)104のうち36.9T/Hを、図示はしないが水添反応器で水素添加後アセチレンをエタン/エチレンに変換したのち、反応器5に導入した。分解ガス圧縮機1における消費電力は27.3MWであった。
実施例1では、脱エタン塔2の7段目から主成分が炭素数2の炭化水素である留分105を抜き出し、反応器5に供した。この場合、反応混合物106中のメタンや水素は主成分ではないため、分解ガス圧縮機1の負荷は減少し、その電力消費量は25.4MWとなった。
った。
2 脱エタン塔
3 C3以上成分精製系
4 C2以下成分精製系
5 反応器
6 凝縮器
101 ナフサクラッカー分解ガス
102 圧縮ガス
103 炭素数3以上の炭化水素を主成分とする流体(C)
104 メタン又は水素を主成分とする流体(A)
105 炭素数2の炭化水素を主成分とする流体(B)
106 プロピレンに富んだ流体
107 塔頂蒸気
108 還流液
Claims (7)
- 下記工程(1)〜(4)を含む、プロピレンの製造方法。
工程(1):エチレンを含む原料混合物を、一つの蒸留塔で、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離する工程
工程(2):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含む反応混合物を得る工程、
工程(3):前記反応混合物を圧縮した後に、前記工程(1)に供し、前記エチレンを含む原料混合物と共に流体(A)〜(C)に分離する工程
工程(4):前記工程(1)にて分離された前記流体(C)を精製し、プロピレンを分離する工程 - 更に、アルキン類およびジエン類を選択的に水素化する工程を含む、請求項1に記載のプロピレンの製造方法。
- 前記水素化を液相反応でおこなうことを特徴とする、請求項2に記載のプロピレンの製造方法。
- 下記工程(0)、(1’)、(2’)、(3’)及び(4’)を含む、プロピレンの製造方法。
工程(0):エチレンを含む原料混合物を、圧縮する工程
工程(1’):前記工程(0)にて得られた、圧縮された原料混合物を、一つの蒸留塔で、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離する工程
工程(2’):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含む反応混合物を得る工程、
工程(3’):前記反応混合物を、前記工程(0)に供し、前記エチレンを含む原料混合物と共に圧縮する工程
工程(4’):前記工程(1’)にて分離された前記流体(C)を、精製し、プロピレンを分離する工程 - 下記工程(0)、(1’)、(2’)、(3’’)及び(4’)を含む、プロピレンの製造方法。
工程(0):エチレンを含む原料混合物を、圧縮する工程
工程(1’):前記工程(0)にて得られた、圧縮された原料混合物を、一つの蒸留塔で、メタン、水素、および炭素数2の炭化水素を含む流体(A)、主成分が炭素数2の炭化水素であり、かつ炭素数2の炭化水素のモル百分率が、流体(A)中の炭素数2の炭化水素のモル百分率よりも高い流体(B)、及び主成分が炭素数3以上の炭化水素である流体(C)、に分離する工程
工程(2’):前記流体(B)を反応器に導入し、触媒と接触させて、プロピレンを含む反応混合物を得る工程、
工程(3’’):前記反応混合物を圧縮した後に、前記工程(1’)に供し、前記圧縮された原料混合物と共に流体(A)〜(C)に分離する工程
工程(4’):前記工程(1’)にて分離された前記流体(C)を、精製し、プロピレンを分離する工程 - 更に、アルキン類およびジエン類を選択的に水素化する工程を含む、請求項4又は5に記載のプロピレンの製造方法。
- 前記水素化を液相反応でおこなうことを特徴とする、請求項6に記載のプロピレンの製造方法。
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