JP5923619B2 - 蓄熱システム、発電システム - Google Patents
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Description
本発明は、蓄熱システム、発電システムに関する。
従来の代表的な蓄熱技術は図1のように要約される。中でも工業的には、溶融塩を利用した蓄熱技術が多く利用されている。これは溶融塩の顕熱あるいは潜熱を利用して蓄熱する技術であり、図1の(a)および(b)の方法にあたる。
溶融塩の潜熱を利用した形態として例えば特許文献1がある。これは、融点が150〜350℃の硝酸塩や共晶塩の溶融潜熱を利用して熱を蓄える。蓄熱量は溶融潜熱であり100〜350J/gである。顕熱を利用する技術としては、例えば蓄熱媒体としてNaNO3+KNO3を用い、溶融塩が溶融状態である290〜600℃程度の温度範囲で熱を蓄える。蓄熱量は溶融塩の比熱×温度差である。このような溶融塩蓄熱技術は太陽熱発電システムにも適用されている。
また特許文献2では、固相間の電子相転移のエンタルピ変化を蓄熱に利用する方法が提案されている。例えばV(1-x)WxO2が約40℃にて磁気相転移する際の転移エンタルピを蓄熱として利用する。V(1-x)WxO2におけるxの値を調整し、あるいは別の化合物を用いることにより相転移温度や転移エンタルピを調整する。NaNiO2は磁気熱量効果の優れた材料として知られており、等温磁化と断熱消磁を組み合わせたスピンエントロピの変化を利用した冷凍方法が提案されている。このような電子相転移温度は-120℃〜213℃、転移エンタルピは20〜326J/ccである。固相間の相転移を利用するため蓄熱材料は溶融せず、容器からの漏れ等がないメリットがあるとされている。この方法による蓄熱量は溶融塩の潜熱に匹敵する。
蓄熱量を大きくする方法の一つとしては、集熱温度の高温化が挙げられる。これは熱エネルギーを他のエネルギー形態に転換するための熱源の温度は高い方が蓄熱量を大きくできるためである。しかし、特許文献1のものでは、例えばNaNO3-KNO3は約600℃でNaNO2,KNO2,O2に熱分解するので高温化には限界がある。そのため、溶融塩を蓄熱材として利用する際の使用温度範囲が比較的狭くなり、蓄熱量の向上に課題がある。
また、特許文献2のものでは、蓄熱システムとしての使用温度が物質固有の電子相転移温度に依存し-120℃〜213℃であり、相転移温度よりも高温での蓄熱に不向きである。そのため、上記同様に蓄熱量の向上に課題がある。
本発明の目的は、蓄熱量を向上させることである。
上記目的を達成するため本発明は、熱源から供給される熱エネルギーを蓄積する蓄熱部を備えた蓄熱システムにおいて、前記蓄熱部に熱エネルギーを蓄え、あるいは輸送する蓄熱材がV2O5を含むガラスであることを特徴とする。
本発明によれば、蓄熱量を向上させることができる。
V2O5を成分として含有するガラスの融点は、ガラスを構成する成分の比率によって、200〜600℃程度の範囲で調整が可能である。また溶融状態のV系ガラスの粘性は非常に低く、900℃付近まで分解や蒸発せず安定である。本発明ではこのようなV系ガラスの性質を利用し、溶融潜熱を利用した蓄熱システムおよび、溶融状態のV系ガラスの顕熱を利用した蓄熱システムを提供する。
以下にV系ガラスを利用した蓄熱技術の原理について述べる。まずはV系ガラスの溶融潜熱を利用した蓄熱技術の原理について述べる。
図2はV系ガラスのモルエントロピーと温度の相関を示す図である。融点Tmより高温域でV系ガラスは溶融状態であり、融点Tmの時のモルエントロピーをSliqとする。溶融状態のV系ガラスを冷却していくと、Tmにて凝固が始まり、潜熱を放出する。急冷するとTgで原子は再配列する自由度を失った状態、すなわちガラス状態になる。Tgの時のモルエントロピーはSglassであり、放出する潜熱ΔHは
ΔH =ΔS1×Tm=(Sliq-Sglass)×Tm
である。溶融状態のV系ガラスを除冷すると、結晶化が起こり、ガラス状態よりも低いモルエントロピーとなる。ガラスが完全に結晶化した場合のモルエントロピーをScrysとすると、結晶化時に放出する潜熱ΔHは
ΔH =ΔS2×Tm=(Sliq-Scrys)×Tm
であり、ガラス状態の潜熱よりも原理的に大きな値になる。即ち溶融状態のV系ガラスの多くが結晶化する事で、更に蓄熱量を大きくすることができる。結晶化ガラスの結晶化率に応じて、モルエントロピーはScrys〜Sglassの間の値を取る。本発明ではこれらの潜熱も蓄熱に用いることができる。
ΔH =ΔS1×Tm=(Sliq-Sglass)×Tm
である。溶融状態のV系ガラスを除冷すると、結晶化が起こり、ガラス状態よりも低いモルエントロピーとなる。ガラスが完全に結晶化した場合のモルエントロピーをScrysとすると、結晶化時に放出する潜熱ΔHは
ΔH =ΔS2×Tm=(Sliq-Scrys)×Tm
であり、ガラス状態の潜熱よりも原理的に大きな値になる。即ち溶融状態のV系ガラスの多くが結晶化する事で、更に蓄熱量を大きくすることができる。結晶化ガラスの結晶化率に応じて、モルエントロピーはScrys〜Sglassの間の値を取る。本発明ではこれらの潜熱も蓄熱に用いることができる。
V系ガラスの結晶化度を高くするために、V系ガラス中に結晶生成核となり得るセラミックス粒子を混合するとよい。この場合の熱媒体は、V2O5を成分として含有するガラスとセラミックス粒子の混合物であり、室温にてガラスの少なくとも一部が結晶化している。
V系ガラスの顕熱を利用した蓄熱技術の原理については以下の通りである。この場合は溶融状態のV系ガラスの比熱Cpと温度差ΔTの積が蓄熱量になる。
ΔH=Cp×ΔT
V系ガラスはその組成を調整することにより融点を300℃以下に下げることができ、また約900℃の高温域まで液体状態で安定に存在できるため、ΔTを約600℃以上に設定することが可能である。V系ガラスを蓄熱材として利用する場合、使用温度範囲を大きくできるため、蓄熱量を大きくすることが可能となる。
ΔH=Cp×ΔT
V系ガラスはその組成を調整することにより融点を300℃以下に下げることができ、また約900℃の高温域まで液体状態で安定に存在できるため、ΔTを約600℃以上に設定することが可能である。V系ガラスを蓄熱材として利用する場合、使用温度範囲を大きくできるため、蓄熱量を大きくすることが可能となる。
V系ガラスにセラミックス粒子を混合することは、溶融状態のV系ガラスの顕熱を増やすためにも効果がある。V系ガラスよりも比熱が大きいセラミックス粒子を、V系ガラスの流動性を損なわない程度に混合することにより見かけの比熱を高くし、顕熱を大きくすることができる。
前記セラミックス粒子は酸化マグネシウム、シリカ系ガラス、ムライト、磁器、粘土質耐火物、ステアタイト、アルミナ、スピネルのいずれかとすると、溶融状態のV系ガラスに溶け込みにくいため好ましい。
一般に熱を発生する、あるいは収集する熱源設備の最高到達温度はシステムや規模に応じて定まるが、本発明の蓄熱システムは、熱源設備の最高到達温度(最高使用温度)に応じてV系ガラスの融点を最適に設計する。
従来のように溶融塩を適用する場合は、高温における腐食性の高さが問題となるため、コストの高い耐食性合金材料を使用しなければならないが、本発明の伝熱媒体であるV系ガラスは酸化物であるため、溶融塩ほどの腐食性はない。
本実施例においては、種々の組成を有する酸化バナジウムガラスを作製し、該ガラスの潜熱及び顕熱を評価した。
(ガラスの作製)
表1に示す組成を有するガラス(No.1〜12)を作製した。表中の組成は、各成分の酸化物換算における質量比率で表示してある。出発原料としては、(株)高純度化学研究所製の酸化物粉末(純度99.9%)を用いた。一部の試料においては、Ba源およびP源としてBa(PO3)2(リン酸バリウム、ラサ工業(株)製)を用いた。
表1に示す組成を有するガラス(No.1〜12)を作製した。表中の組成は、各成分の酸化物換算における質量比率で表示してある。出発原料としては、(株)高純度化学研究所製の酸化物粉末(純度99.9%)を用いた。一部の試料においては、Ba源およびP源としてBa(PO3)2(リン酸バリウム、ラサ工業(株)製)を用いた。
表1に示した質量比で各出発原料粉末を混合し、合計200gの混合粉末をるつぼに入れた。ここで原料中のAg2Oの比率が40質量%以下の場合には白金るつぼを、40質量%以上の場合にはアルミナるつぼを用いた。混合にあたっては、原料粉末への余分な吸湿を避けることを考慮して、金属製スプーンを用いて、るつぼ内で混合した。
原料混合粉末が入ったるつぼをガラス溶融炉内に設置し、加熱・融解した。10℃/minの昇温速度で昇温し、設定温度(700〜900℃)で、融解しているガラスを撹拌しながら1時間保持した。その後、るつぼをガラス溶融炉から取り出し、あらかじめ150℃に加熱しておいた黒鉛鋳型にガラスを鋳込んだ。次に、鋳込まれたガラスを、予め歪取り温度に加熱しておいた歪取り炉に移動し、1時間保持により歪を除去した後、1℃/minの速度で室温まで冷却した。室温まで冷却したガラスを粉砕し、表に示した組成を有するガラスの粉末を作製した。
(ガラス特性温度の評価)
上記で得られた各ガラス粉末に対して、示差熱分析(DTA)により特性温度を測定した。DTA測定は、参照試料(α−アルミナ)および測定試料の質量をそれぞれ650mgとし、大気中5℃/minの昇温速度で行った。本実施例では、ガラスのDTA曲線の第2吸熱ピーク温度を軟化点Tsとした(図3参照)。その他のガラス特性温度は図3に示す。
上記で得られた各ガラス粉末に対して、示差熱分析(DTA)により特性温度を測定した。DTA測定は、参照試料(α−アルミナ)および測定試料の質量をそれぞれ650mgとし、大気中5℃/minの昇温速度で行った。本実施例では、ガラスのDTA曲線の第2吸熱ピーク温度を軟化点Tsとした(図3参照)。その他のガラス特性温度は図3に示す。
(比熱および潜熱の評価)
比熱および潜熱は示差走査熱量計(DSC)により測定した。DSC曲線のピーク面積は電力と時間の積で、直接熱量を与える。またDSCのベースラインは基準物質と試料の比熱の差に関係するから、比熱既知の物質を用いて材料の比熱を測定することができる。本実施例では基準物質にサファイヤを用いた。
比熱および潜熱は示差走査熱量計(DSC)により測定した。DSC曲線のピーク面積は電力と時間の積で、直接熱量を与える。またDSCのベースラインは基準物質と試料の比熱の差に関係するから、比熱既知の物質を用いて材料の比熱を測定することができる。本実施例では基準物質にサファイヤを用いた。
ガラス転移点、軟化点、比熱および潜熱の測定結果を表1に示す。潜熱とは溶融潜熱を意味し、図3における融点部分の吸熱ピークにあたる。表1に示すように、ガラス組成を調整することにより蓄熱システムの集熱温度に応じて適切な融点に調節できる。
ガラスの潜熱を利用する場合は、少なくともガラスが融ける程度まで温度が上昇すればよいので、ガラスの融点を蓄熱システムの最高使用温度付近となるようにすれば、蓄熱量を大きくするとともに、集めた熱を無駄なく利用することができる。
ガラスの顕熱を利用する場合の使用温度範囲は、ガラスの融点以上、ガラスの容器や配管に用いる耐熱合金の耐熱温度以下の範囲であるので、その耐熱温度付近が最高使用温度となる。一般に使用される耐熱合金の耐熱温度は900℃程度であり、ガラスの融点が低いほど使用温度範囲が広くなり、蓄熱量を更に大きくできる。
蓄熱システムに使用するV系ガラスは密閉系にて熱を出し入れするために使用されるため、特に優れた耐水性や機械的特性、電気的特性は要求されず、また結晶化してもかまわない事から、比較的広い組成範囲のガラスが適用でき、酸化物換算でV2O5:5〜65wt%、Ag2O:0〜60wt%、WO3:0〜45wt%、TeO2:0〜50wt%、P2O5:0〜45wt%、を含有するガラスを用いることができる。後は蓄熱システムの集熱温度に応じて適宜、ガラスの融点を調整する。例えば5〜65wt%と記載する場合は5wt%以上65wt%以下を意味し、以下同様とする。
酸化物換算でV2O5:10〜25wt%、WO3:20〜45wt%、P2O5:25〜40wt%、を含有するガラスの融点は650〜800℃の範囲であり、このような組成範囲のガラスは集熱温度が700℃以上の高温になる蓄熱システムに適する。
酸化物換算でV2O5:35〜65wt%、TeO2:0〜40wt%、P2O5:0〜45wt%、を含有するガラスは最も一般的なV系ガラス組成であり、その融点はおおむね400〜650℃の範囲である。すなわちこのような組成範囲のガラスは集熱温度が500〜700℃の蓄熱システムに適する。
酸化物換算でAg2OとV2O5とTeO2とを少なくとも含有し、Ag2OとV2O5とTeO2との合計含有量が75wt%以上となるガラスを用いる。あるいは酸化物換算でV2O5:5〜65wt%、Ag2O:10〜60wt%、TeO2:15〜50wt%、を含有するガラスとする。これらのガラスの融点は300℃以下であるため、蓄熱システムの最高使用温度を900℃とすれば、600℃以上の広い温度範囲で蓄熱材として使用できる。また、集熱温度が500℃以下の場合や、溶融状態のV系ガラスを伝熱流体としてパイプ内を循環させて使用する場合も、融点は低いほどよいので、これらの組成範囲が好ましい。
比較例として、ソーダ石灰ガラスの特性を併せて記載している。ソーダ石灰ガラスの融点が高く潜熱の測定できなかったため、推定値を記載している。ソーダ石灰ガラスが流動する温度は少なくとも1200℃以上が必要であり、これは耐熱合金の耐熱温度を超える。従って比較例のガラスは蓄熱材として使用することは不可能であり、蓄熱材として適さない。
(結晶化度の評価)
上記実施例において、No.1、6、11は結晶化しにくいガラスであり、No.2、10は結晶化しやすいガラスである。表2ではそれぞれのガラスに結晶化を促進するための微量のAl2O3粉末を混合し(0、1、5、10vol%)、それぞれのDSCカーブより結晶化時の発熱量を求めた。また、DSC試験後のサンプルのX線分析を行い、結晶化度を見積もった。ガラス単体では結晶化しにくいが、ガラスに結晶化の核となるAl2O3粉末を混合したものは一部が結晶化し、発熱ピークが現れた。何れのガラスにおいても、結晶化度および結晶化時の発熱量は、混合するAl2O3粉末量が多いほど大きくなった。
上記実施例において、No.1、6、11は結晶化しにくいガラスであり、No.2、10は結晶化しやすいガラスである。表2ではそれぞれのガラスに結晶化を促進するための微量のAl2O3粉末を混合し(0、1、5、10vol%)、それぞれのDSCカーブより結晶化時の発熱量を求めた。また、DSC試験後のサンプルのX線分析を行い、結晶化度を見積もった。ガラス単体では結晶化しにくいが、ガラスに結晶化の核となるAl2O3粉末を混合したものは一部が結晶化し、発熱ピークが現れた。何れのガラスにおいても、結晶化度および結晶化時の発熱量は、混合するAl2O3粉末量が多いほど大きくなった。
No.1に1vol%Al2O3を添加したガラスは冷却時に約11%が結晶化し、その際の発熱量は8.5J/gであった。これは溶融潜熱52J/gに比べて小さな値である。添加するAl2O3量を5vol%から10vol%まで増加させると、それぞれ結晶化度は28%および35%となり、発熱量は48J/gおよび55J/gとなる。ガラスが結晶化するということは、図2に示すように、より低いモルエントロピー状態になるということであり、結晶化度を約30%以上にすることで、結晶化時に発熱する発熱量が溶融潜熱と同等以上の値になることが示された。結晶化の際に出入りする熱量をも蓄熱に利用することにより、より蓄熱量の大きな蓄熱システムを構成することができる。
(ガラスの蓄熱量)
室温の蓄熱用ガラスに一定出力で加熱した場合、ガラスの温度は上昇し、比熱×温度に相当する熱量を蓄積する。ガラスが融点に到達すれば溶解が始まり、溶解が完全に終わるまでは温度は一定であり、潜熱を蓄積する。完全に溶解したガラスを更に加熱すれば、ガラスの温度は再び上昇し、比熱×温度に相当する熱量を蓄積する。
室温の蓄熱用ガラスに一定出力で加熱した場合、ガラスの温度は上昇し、比熱×温度に相当する熱量を蓄積する。ガラスが融点に到達すれば溶解が始まり、溶解が完全に終わるまでは温度は一定であり、潜熱を蓄積する。完全に溶解したガラスを更に加熱すれば、ガラスの温度は再び上昇し、比熱×温度に相当する熱量を蓄積する。
例えば1m3のガラスを0.01GJ/minで加熱した場合のガラスの温度変化を図4に示す。各マーカーは、融点が200℃の溶融塩(比較例)、融点250℃のガラス、融点500℃のガラス(結晶化あり、結晶化なし)を示す。それぞれの温度曲線には融点におけるプラトー域が存在する。記号「△」は融点500℃で結晶化しないガラスに関する温度曲線を示しているが、結晶化する際の潜熱が小さいため、プラトー域は狭い。このように、蓄熱ガラスを一定速度で加熱すると、それに応じて温度が上昇する。
ガラスの蓄熱量を比較するため、加熱の際にガラス蓄熱材が得たエントロピ(S)を横軸に、温度(T)を縦軸にした図が図5である。各マーカーは、融点が200℃の溶融塩(比較例)、融点250℃のガラス、融点500℃のガラスを示す。この図はTS線図であり、蓄熱材の状態を表す。溶融塩が室温の状態(状態1)から加熱されると、TS線図上では曲線1-2に沿って状態が変化しつつ最高温度の状態(状態2)に至る。この時、曲線1-2の下側の面積が蓄熱量を表す。
同様に室温の状態(状態1)の融点250℃のガラスが加熱され、最高温度の状態(状態3)に至る経路は1→B→C→D→3である。この曲線の下側の面積が融点250℃のガラスの蓄熱量である。融点500℃のガラスの場合、状態1から3に至る経路は1→B→A→D→3であり、この曲線の下側の面積が融点500℃のガラスの蓄熱量である。状態3が状態2よりも高温であるためいずれのガラスの蓄熱量も溶融塩より大きく、また融点500℃のガラスの蓄熱量は、多角形ABCDの面積で与えられる熱量だけ、250℃のガラスの蓄熱量よりも大きい。
以上のようにして作製したV系ガラスを蓄熱材として使用する場合の蓄熱量を概算した結果を、溶融塩の例と比較して表3に示す。表には代表的な値を記載する。V系ガラスを蓄熱材として使用する場合、その比熱は溶融塩には及ばないが、V系ガラスは900℃近くまで安定であるため蓄熱材として使用する温度範囲が広くでき、また融点を調整できることから溶融潜熱を高く調整でき、結晶化の際の潜熱も利用することで、溶融塩よりも大きな蓄熱量を実現できる。
本実施例では、潜熱を利用する形態を述べる。蓄熱材であるガラスは固体と液体が共存した状態で利用される。V2O5を含有するガラスの一例として、固体状態から溶解する相変化に伴い数10J/gの溶融潜熱が出入りする。このような溶融潜熱はガラスの成分、融点、結晶化度によって変化する。このようなガラスの溶融潜熱を利用すると、同一体積中に蓄積できる熱エネルギー量が大幅に向上すると共に、融点という一定の温度レベルが自動的に守られる利点がある。つまり例えば集熱システムの集熱温度の突発的な上昇による周辺設備の熱的破損を未然に防ぐことができる。
V系ガラスの溶融潜熱を利用する蓄熱システムの1つの形態としては、カプセルに封入されたV系ガラスを蓄熱媒体とする。V系ガラスの熱伝導率は低いため、多数個のカプセルに封入することで伝熱面積を増やす。V系ガラスの腐食性は低いので、カプセル材はステンレスやアルミニウムが適用できる。
ガラスの溶融潜熱の利用によって単位体積中に蓄積できるエネルギー量は融点TmにおいてQ=ΔH×ρ
ここでΔHは溶融潜熱(J/g)、ρは密度(g/cm3)である。溶融潜熱は溶解前後のガラスのエントロピー差と融点の積で表すことができ、従って一般にΔHはおおむねTmに比例して大きくなる。当然のことながら、蓄熱材に用いるガラスの融点は集熱温度よりも低い。実施例1で示したとおりV2O5を含むガラスの融点はV2O5含有率やその他成分の比率により調整することが可能であり、本実施例ではガラスの融点を集熱システムの集熱温度に応じて設計する。つまり、集熱温度に近い融点のガラスを設計することにより、集熱温度に応じて溶融潜熱を最大に設計することができる。熱力学によれば、他のエネルギー形態に転換するための熱源の温度は高い方が好ましいため、蓄熱材の融点を制御できる事は重要な利点となる。
ガラスの溶融潜熱の利用によって単位体積中に蓄積できるエネルギー量は融点TmにおいてQ=ΔH×ρ
ここでΔHは溶融潜熱(J/g)、ρは密度(g/cm3)である。溶融潜熱は溶解前後のガラスのエントロピー差と融点の積で表すことができ、従って一般にΔHはおおむねTmに比例して大きくなる。当然のことながら、蓄熱材に用いるガラスの融点は集熱温度よりも低い。実施例1で示したとおりV2O5を含むガラスの融点はV2O5含有率やその他成分の比率により調整することが可能であり、本実施例ではガラスの融点を集熱システムの集熱温度に応じて設計する。つまり、集熱温度に近い融点のガラスを設計することにより、集熱温度に応じて溶融潜熱を最大に設計することができる。熱力学によれば、他のエネルギー形態に転換するための熱源の温度は高い方が好ましいため、蓄熱材の融点を制御できる事は重要な利点となる。
溶融潜熱の利用は固液共存の蓄熱材によって行われるため、ポンプによる輸送には不向きである。潜熱型の蓄熱材は、例えば図6(a)に蓄熱システムの蓄熱部を示す。蓄熱材は一定の容器に充填されており、容器の壁を介して蓄熱材から他の熱媒体に熱エネルギーを移し替える。耐熱容器1中に蓄熱ガラス2を封入したカプセル3が複数個設置され、蒸気入口4から水蒸気等の熱媒体が流入し、蓄熱ガラスと熱交換し、高温になって出口5から流出する。図6(b)も同様の原理で熱媒体を加熱するが、(b)の場合はカプセルに封入しない。耐熱容器1中に伝熱管6が設置され、伝熱管6の周りに蓄熱ガラス2が充填される。蒸気入口4から入った熱媒体は伝熱管6内を通って蓄熱ガラス2と熱交換し、高温になって出口5から排出される。
図7は蓄熱システムを適用した太陽熱発電システムの一例である。このような構成の太陽熱発電システムは従来のものであるが、蓄熱システムは本実施例のものである。太陽集光器7から得られる蒸気温度は天候などにより前もって確定できないので、蒸気アキュムレータ8を併用している。加熱された蓄熱材であるV系ガラスはV系ガラス蓄熱器9に蓄えられる。加熱された水蒸気等の熱媒体は減温器10を通ってタービン11に吹き付けられ、発電機12を作動させる。その後熱媒体は復水器13にて凝集されグランドコンデンサ14を通って循環される。15は脱気器である。
例えばNo.1のガラスを50mm×10mのパイプに充填し、これを多数束ねて構成した蓄熱システムの蓄熱容量は1.8Gcal(0.43GJ)となる。
集熱部7が複数個あり、それぞれの集熱温度が異なるようなシステムの場合は、それぞれの集熱温度に由来した融点の異なる複数種類のV系ガラスを用いてもよい。
本実施例では、顕熱を利用する形態を述べる。本実施例の特徴の1つは、粘性の低い溶融状態のV系ガラスを伝熱媒体として利用することであり、例えば表1に記載したガラスを適用することができる。
少なくともV2O5を成分として含有するガラスの特徴は、低融点にできるという事と他に、溶融状態のガラスの粘性がきわめて低いことである。よって溶融状態のV2O5系ガラスはポンプを用いて配管を循環させることが可能である。ガラスの顕熱を利用した蓄熱システムの概念を図8に示す。蓄熱材タンク16の中には蓄熱ガラス17が充填されている。蓄熱器に熱エネルギーを取り込む場合は、ポンプ18によって溶融ガラスを循環させ、熱交換器20を介して熱源19の熱を奪い、蓄熱材タンク16に戻る。
逆に熱を取り出す場合は、ポンプ22により溶融ガラスをくみ出して熱交換器に送り、ここで放熱させることで負荷21を作動させ、冷却された溶融ガラスを再びタンクに戻す。顕熱利用の場合は熱エネルギーを取り込むことによって蓄熱ガラスの温度が上昇し、逆に取り出すことによって温度が低下する。このため一定の温度レベルは保たれないが、蓄熱ガラスが液体であるから、必要な場所までポンプによって輸送することができる。
顕熱によって一定容積の溶融ガラスに蓄積できる熱エネルギー量Qは近似的に
Q=Cp×ρ×ΔT
で表せる。ここにCpは比熱、ρは密度、そしてΔTは蓄熱ガラスの温度変化幅である。溶融ガラスの顕熱を利用することのメリットは、ガラスが安定な溶融状態において、ΔTを大きく取れること、そしてその温度域の絶対値をガラスの融点により調整できることである。
Q=Cp×ρ×ΔT
で表せる。ここにCpは比熱、ρは密度、そしてΔTは蓄熱ガラスの温度変化幅である。溶融ガラスの顕熱を利用することのメリットは、ガラスが安定な溶融状態において、ΔTを大きく取れること、そしてその温度域の絶対値をガラスの融点により調整できることである。
図8のように1個のタンクを使用すると、必然的にタンクの上部に高温の溶融ガラスが、下部には低温の溶融ガラスが蓄えられることになり、タンク内部に温度勾配が生じる。このような場合は内部を撹拌する羽によりタンクの中の溶融ガラスを撹拌することもできる。あるいは高温と低温で別のタンクを用いる2タンク型も可能である。
V系ガラスおよび溶融塩の腐食性を比較する。硝酸カリウムや硝酸ナトリウムのような溶融塩は高温領域において次のように分解する。
KNO3→KNO2+0.5O2
NaNO3→NaNO2+0.5O2
この時周辺にFe基合金やNi基合金が存在すると、金属が酸化され、あるいはアルカリと化合して腐食される。
NaNO3+Fe=0.5O2+0.5N2+NaFeO2
KNO3+Fe=0.5O2+0.5N2+KFeO2
NaNO3+Ni=NiO+NaNO2
KNO3+Ni=NiO+KNO2
これに対し、本発明のV系ガラスとFe基合金やNi基合金が接触すると、金属は酸化される。その反応機構の詳細はまだ解明しきれていないが、V系ガラスの構成成分であるV2O5の還元を伴う次のような反応であると考えている。
1.5V2O5+Fe=0.5Fe2O3+1.5V2O4
V2O5+Ni=NiO+V2O4
これらの反応は大きく進行しない事が確認されている。溶融塩による金属の腐食および、V系ガラスによる金属の酸化の進行について、各反応のギブズエネルギー変化を計算してグラフ化したものを図9に示す。縦軸は反応のギブズエネルギー変化を、横軸は温度を表し、各反応をマーク別に示している。反応のギブズエネルギー変化が小さいほど、その反応は進行しやすい傾向にある。
KNO3→KNO2+0.5O2
NaNO3→NaNO2+0.5O2
この時周辺にFe基合金やNi基合金が存在すると、金属が酸化され、あるいはアルカリと化合して腐食される。
NaNO3+Fe=0.5O2+0.5N2+NaFeO2
KNO3+Fe=0.5O2+0.5N2+KFeO2
NaNO3+Ni=NiO+NaNO2
KNO3+Ni=NiO+KNO2
これに対し、本発明のV系ガラスとFe基合金やNi基合金が接触すると、金属は酸化される。その反応機構の詳細はまだ解明しきれていないが、V系ガラスの構成成分であるV2O5の還元を伴う次のような反応であると考えている。
1.5V2O5+Fe=0.5Fe2O3+1.5V2O4
V2O5+Ni=NiO+V2O4
これらの反応は大きく進行しない事が確認されている。溶融塩による金属の腐食および、V系ガラスによる金属の酸化の進行について、各反応のギブズエネルギー変化を計算してグラフ化したものを図9に示す。縦軸は反応のギブズエネルギー変化を、横軸は温度を表し、各反応をマーク別に示している。反応のギブズエネルギー変化が小さいほど、その反応は進行しやすい傾向にある。
図9を見ると明らかなとおり、Ni基合金に対してFe基合金の方が腐食や酸化されやすく、蓄熱システムに用いるタンクや配管材料はNi基合金の方が適することが示される。また、V系ガラスとNi基合金およびFe基合金との反応に関するギブズエネルギー変化は、溶融塩とのそれに比べて大きな値を示しており、V系ガラスは溶融塩ほど耐熱合金を腐食しない事が示される。
1:耐熱容器
2:蓄熱ガラス
3:カプセル
4:蒸気入口
5:蒸気出口
6:伝熱管
7:太陽集光器
8:蒸気アキュムレータ
9:V系ガラス蓄熱器
10:減温器
11:タービン
12:発電機
13:復水器
14:グランドコンデンサ
15:脱気器
16:蓄熱材タンク
17:蓄熱ガラス
18:ポンプ
19:熱源
20:熱交換器
21:負荷
22:ポンプ
2:蓄熱ガラス
3:カプセル
4:蒸気入口
5:蒸気出口
6:伝熱管
7:太陽集光器
8:蒸気アキュムレータ
9:V系ガラス蓄熱器
10:減温器
11:タービン
12:発電機
13:復水器
14:グランドコンデンサ
15:脱気器
16:蓄熱材タンク
17:蓄熱ガラス
18:ポンプ
19:熱源
20:熱交換器
21:負荷
22:ポンプ
Claims (9)
- 熱源から供給される熱エネルギーを蓄積する蓄熱部を備えた蓄熱システムにおいて、前記蓄熱部に熱エネルギーを蓄え、あるいは輸送する蓄熱材がV2O5を含むガラスであることを特徴とする蓄熱システム。
- 請求項1において、前記ガラスは成分を酸化物で表したときにV2O5:5〜65wt%、Ag2O:0〜60wt%、WO3:0〜45wt%、TeO2:0〜50wt%、P2O5:0〜45wt%、を含むことを特徴とする蓄熱システム。
- 請求項1において、前記ガラスは成分を酸化物で表したときにV2O5:10〜25wt%、WO3:20〜45wt%、P2O5:25〜40wt%、を含むことを特徴とする蓄熱システム。
- 請求項1において、前記ガラスは成分を酸化物で表したときにV2O5:35〜65wt%、TeO2:0〜40wt%、P2O5:0〜45wt%、を含むことを特徴とする蓄熱システム。
- 請求項1において、前記ガラスは成分を酸化物で表したときにV2O5とAg2OとTeO2を含み、合計含有量が75質量%以上であることを特徴とする蓄熱システム。
- 請求項1において、前記ガラスは成分を酸化物で表したときにV2O5:5〜65wt%、Ag2O:10〜60wt%、TeO2:15〜50wt%、を含むことを特徴とする蓄熱システム。
- 請求項1において、前記蓄熱材は前記ガラスよりも比熱が大きいセラミックス粒子を含むことを特徴とする蓄熱システム。
- 請求項1において、前記熱エネルギーは太陽熱から供給されることを特徴とする蓄熱システム。
- 請求項1乃至8の何れかの蓄熱システムと、前記蓄熱システムで前記蓄熱材と熱交換する熱媒体によって駆動されるタービンと、前記タービンによって駆動される発電機とを備えることを特徴とする発電システム。
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---|---|---|---|---|
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JP2012082291A (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-26 | Toyota Central R&D Labs Inc | 化学蓄熱体およびその製造方法 |
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