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JP5915776B2 - 障害原因判定装置、方法及びプログラム - Google Patents

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Description

開示の技術は障害原因判定装置、障害原因判定方法及び障害原因判定プログラムに関する。
無線ネットワークの運用保守において、無線リンクに障害が発生した場合の原因は、遮蔽物等の影響による受信電力の低下(電波伝搬環境の悪化)と電波干渉の増大とに大別される。但し、無線リンクに障害が発生した場合の障害原因の判定には知識や経験が必要とされる。そこで、無線リンクの性能を評価する一般的なパラメータである、受信電波強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)とパケット誤り率(PER:Packet Error Rate)を用いて障害原因の自動判定を行いたいというニーズが存在する。このニーズを満足できれば、無線ネットワークの運用保守の負担を軽減できる。
上記に関連して、パケットロス率(パケット誤り率)がしきい値以上の場合に、受信電波強度の評価値が閾値以下であれば障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定し、受信電波強度の評価値が閾値よりも高ければ障害の原因を電波干渉と判定する技術が提案されている。この技術では、図10に示すように、受信電波強度−パケット誤り率の座標空間を受信電波強度とパケット誤り率の閾値で4象限に区切り、第1象限を電波伝搬環境の悪化と判定する領域、第2象限を電波干渉と判定する領域に設定している。
千田修一郎,西山博仁,「アドホックネットワークにおける障害管理の方式提案」,情報処理学会研究報告,2011年8月29日,Vol2011−MBL−59(1)
しかしながら、上記のように受信電波強度及びパケット誤り率を閾値と比較して障害原因を判定する技術では、障害原因の誤判定が生ずる場合がある。すなわち、上記技術では、電波干渉が生じている場合にも、受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が図10に示す電波伝搬環境の悪化と判定する領域に入ることがある。また、上記技術では、電波伝搬環境が悪化している場合にも、受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が図10に示す電波干渉と判定する領域に入ることもある。
干渉電力を一定と仮定した場合、受信電波強度−パケット誤り率の特性は図11に示すような曲線を描く。そこで、上記技術において、障害原因の判定誤りを抑制するための方策としては、受信電波強度の閾値を、システム要求から定まるパケット誤り率の閾値と受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線との交点に相当する値に設定することが考えられる(図11参照)。しかし、受信電波強度−パケット誤り率の座標空間上における受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の位置や形状は干渉電力の大きさに応じて変化し、干渉電力は測定できないので、受信電波強度の閾値を上記のように決定することは原理的に困難である。
また、或る程度の電波干渉がある状態で信号電力が低下することで、受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせが、図11に示すA点からB点へ変化した場合を考える。この場合、直近の障害原因が信号電力の低下であるにも拘わらず、上記技術では障害原因を電波干渉と誤判定することになる。
開示の技術は、一つの側面として、無線リンクの障害原因の判定精度を向上させることが目的である。
開示の技術は、無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得部が取得する。また特性推定部は、受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定する。この特性曲線は、取得部によって取得された前記無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通る。また、この特定曲線は、第1時点での干渉電力が維持されたと仮定して推定される。そして原因判定部は、推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定する。また、特性推定部は、第1時点から第2時点へ至る期間中のパケット誤り率又は受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線を算出する。また、特性推定部は、第1時点付近でかつ算出した直線又は曲線上の点に対応する受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせを、第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせとして用いる。原因判定部は、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離未満の位置に位置している場合は、障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定する。また原因判定部は、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合は、障害の原因を電波干渉と判定する。更に原因判定部は、第1時点から第2時点へ至る期間中のパケット誤り率の平均的な変化を表す直線又は曲線に対するパケット誤り率のばらつきに基づいて、パケット誤り率の座標軸に平行な方向に沿った所定距離を設定する。また原因判定部は、第1時点から第2時点へ至る期間中の受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線に対する受信電波強度のばらつきに基づいて、受信電波強度の座標軸に平行な方向に沿った所定距離を設定する。
また、開示の技術は、無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得部が取得する。また特性推定部は、受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定する。この特性曲線は、取得部によって取得された前記無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通る。また、この特定曲線は、第1時点での干渉電力が維持されたと仮定して推定される。そして原因判定部は、推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定する。また、特性推定部は、第1時点から第2時点へ至る期間中のパケット誤り率又は受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線を算出する。また、特性推定部は、第1時点付近でかつ算出した直線又は曲線上の点に対応する受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせを、第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせとして用いる。原因判定部は、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離未満の位置に位置している場合は、障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定する。また原因判定部は、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合は、障害の原因を電波干渉と判定する。更に原因判定部は、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合に、以下の判定を行う。すなわち、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が特性曲線上に位置していると仮定したときの、第1時点から第2時点へ至る期間中のパケット誤り率の変化量を基準として、第1時点から第2時点へ至る期間中の実際のパケット誤り率の変化量の比率を演算する。そして、演算した比率を閾値と比較した結果に基づいて、障害の原因が電波伝搬環境の悪化か電波干渉かを判定する。
開示の技術は、一つの側面として、無線リンクの障害原因の判定精度を向上させることができる、という効果を有する。
実施形態で説明した障害原因判定装置の機能ブロック図である。 障害原因判定装置として機能することが可能な無線通信監視サーバを含むコンピュータシステムの概略構成を示すブロック図である。 無線通信障害原因判定処理の内容の一例を示すフローチャートである。 所定期間内のパケット誤り率、受信電波強度の平均的な変化を表す直線の算出を説明するための説明図である。 受信機の信号雑音比SNR−パケット誤り率PERの特性曲線の一例を示す線図である。 信号雑音比SNRと受信電波強度RSSIとの関係を示す線図である。 複数の受信電波強度RSSI−パケット誤り率PERの特性曲線の一例を示す線図である。 受信電波強度RSSI−パケット誤り率PERの特性曲線からの障害原因の判定を説明するための線図である。 寄与率の演算を説明するための線図である。 先行技術の概要を説明するための線図である。 先行技術の問題点を説明するための線図である。
以下、図面を参照して開示の技術の実施形態の一例を詳細に説明する。図1には本実施形態に係る障害原因判定装置10が示されている。障害原因判定装置10は、取得部12、特性曲線記憶部14、特性推定部16、原因判定部18及び出力部20を備えている。
本実施形態では、図2に示す無線通信基地局68と無線通信端末70との間に無線リンクが各々形成され、無線通信基地局68と無線通信端末70との間で無線通信が各々行われる。なお、無線通信基地局68と無線通信端末70との間の無線通信は、例えば、無線LANの規格であるIEEE 802.11や、Bluetooth(登録商標)、ZigBeeの各種の規格の何れに準拠した無線通信であってもよい。取得部12は、無線リンクの性能を評価するパラメータである、受信電波強度(RSSI)とパケット誤り率(PER)を個々の無線リンクについて各々取得する。なお、個々の無線リンクは各々リンクIDが付与されて区別される。
特性曲線記憶部14には、無線リンクの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線として、干渉電力が互いに異なる値で維持されたと仮定したときの複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線が予め算出されて記憶されている。なお、受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の算出については後述する。
特性推定部16は、何れかの無線リンクにおいて、パケット誤り率が閾値以上になった場合に、パケット誤り率が閾値以上になった時点(第2時点)より所定時間前(第1時点)からの期間内のパケット誤り率の平均的な変化を表す直線を算出する。また特性推定部16は、第2時点より所定時間前(第1時点)からの期間内の受信電波強度の平均的な変化を表す直線も算出する。そして特性推定部16は、特性曲線記憶部14に記憶されている複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の中から、算出した直線上に相当する受信電波強度とパケット誤り率の組み合わせに相当する点を通る特性曲線を選択する。
原因判定部18は、特性推定部16によって選択された特性曲線に対し、パケット誤り率が閾値以上になった無線リンクにおける、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の組み合わせに相当する点の位置関係に基づき、障害の原因を判定する。そして出力部20は、原因判定部18によって判定された障害の原因を出力する。
障害原因判定装置10は、例えば図2に示す無線通信監視サーバ30で実現することができる。無線通信監視サーバ30はCPU32、メモリ34、不揮発性の記憶部36、表示部38、入力部40及び通信I/F(Interface)部42を備えている。CPU32、メモリ34、記憶部36、表示部38、入力部40及び通信I/F部42はバス44を介して互いに接続されている。
無線通信監視サーバ30は、コンピュータシステム64に含まれており、通信I/F部42を介して有線ネットワーク66に接続されている。コンピュータシステム64は、有線ネットワーク66に接続された複数の無線通信基地局68と、何れかの無線通信基地局68と無線通信を行う複数の無線通信端末70を備えている。無線通信監視サーバ30は、個々の無線リンクの性能を評価するパラメータ(受信電波強度(RSSI)及びパケット誤り率(PER))を、有線ネットワーク66経由で個々の無線通信基地局68から受信する。
一方、無線通信監視サーバ30の記憶部36はHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等によって実現できる。記録媒体としての記憶部36には、無線通信監視サーバ30を障害原因判定装置10として機能させるための障害原因判定プログラム50が記憶されている。CPU32は、障害原因判定プログラム50を記憶部36から読み出してメモリ34に展開し、障害原因判定プログラム50が有するプロセスを順次実行する。
障害原因判定プログラム50は、取得プロセス52、特性推定プロセス54、原因判定プロセス56及び出力プロセス58を有する。CPU32は、取得プロセス52を実行することで、図1に示す取得部12として動作する。またCPU32は、特性推定プロセス54を実行することで、図1に示す特性推定部16として動作する。またCPU32は、原因判定プロセス56を実行することで、図1に示す原因判定部18として動作する。またCPU32は、出力プロセス58を実行することで、図1に示す出力部20として動作する。また記憶部36には、特性曲線情報60が記憶されている。このように、記憶部36は特性曲線記憶部14の一例として機能する。
これにより、障害原因判定プログラム50を実行した無線通信監視サーバ30が、障害原因判定装置10として機能することになる。なお、障害原因判定プログラム50は開示の技術に係る障害原因判定プログラムの一例である。
なお、障害原因判定装置10は、例えば半導体集積回路、より詳しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で実現することも可能である。
次に本実施形態の作用として、CPU32によって障害原因判定プログラム50が実行されることで実現される無線通信障害原因判定処理について、図3を参照して説明する。無線通信障害原因判定処理のステップ100において、取得部12は、任意の無線通信基地局68と任意の無線通信端末70との間に形成された無線リンクの受信電波強度(RSSI)及びパケット誤り率(PER)を取得する。次のステップ102において、取得部12は、ステップ100で取得した取得した受信電波強度及びパケット誤り率を、対応する無線リンクに付与されたリンクID及び現時刻と対応付けて記憶部36に記憶させる。
次のステップ104において、特性推定部16は、ステップ100で取得部12によって取得されたパケット誤り率が閾値以上か否か判定する。ステップ104の判定が否定された場合、対応する無線リンクには障害が発生していないと判断できるので、ステップ100に戻り、取得部12は形成されている他の無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得する。このように、各無線リンクの何れにも障害が発生していない場合、取得部12は、各無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率の取得を一定の時間間隔で繰り返す。
また、何れかの無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった場合、ステップ104の判定が肯定されてステップ106へ移行する。ステップ106において、特性推定部16は、パケット誤り率が閾値以上になった時点(第2時点)の所定時間前の時点(第1時点)から第2時点までの期間内における、対応する無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を記憶部36から読み出す。なお、上記の所定時間としては、例えば個々の無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得する時間間隔をT(例えば10分)、パケット誤り率が閾値以上になることを2回に1回は許容するとすると、2T(例えば20分)程度の値とすることができる。
ステップ106で記憶部36から読み出したパケット誤り率及び受信電波強度は、フェージング等の影響により、図4(A)に示すように、データを時系列に並べると瞬時値が細かく変動している。なお、図4(A)はパケット誤り率を示しているが、受信電波強度についてもフェージング等の影響により細かな変動が生じる。このため、次のステップ108では、パケット誤り率及び受信電波強度の瞬時値を用いることによる誤差を排除するため、特性推定部16は、第1時点から第2時点に至る期間内のパケット誤り率、受信電波強度の平均的な変化(トレンド)を表す直線を算出する。ステップ108で算出した直線の一例を図4(B)に示す。
次のステップ110において、特性推定部16は、ステップ108で算出した直線の傾きが一定値以上か否か判定する。ステップ110の判定が肯定された場合はステップ114へ移行するが、ステップ110の判定が否定された場合はステップ112へ移行し、ステップ112において、特性推定部16は、第2時点に対する第1時点の時間間隔を長く設定し、ステップ108に戻る。これにより、ステップ108において、パケット誤り率、受信電波強度の平均的な変化(トレンド)を表す直線の算出期間が延長されて、前記直線が再度算出されることになる。
次のステップ114において、特性推定部16は、ステップ108で算出した直線上に位置しており、第1時点(第2時点の所定時間前)付近のタイミング(図4(B)の"A"のタイミング)で取得されたパケット誤り率、受信電波強度を基準点データとして抽出する。これにより、基準点データとして、フェージング等の影響による誤差が排除されたデータが得られる。
ここで、特性曲線記憶部14に記憶されている複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線について説明する。受信機の信号雑音比(SNR:Signal-to-Noise power Ratio)−パケット誤り率(PER)の特性曲線の一例を図5に示す。図5に示す受信機の信号雑音比−パケット誤り率の特性曲線は、演算又はシミュレーションによって事前に求めておくことが可能である。一方、受信電波強度RSSIは、受信電力をS、干渉電力をI、雑音電力をNとすると次の(1)式で求まる。
RSSI=S+I+N …(1)
干渉電力Iは不定であるので、パケット誤り率が閾値以上になった際に、受信電波強度−パケット誤り率の特性がどのような曲線を描くかは未知である。
一方、電波干渉が無い場合(干渉電力I=0)、受信電波強度RSSI=S+Nfである(Nfはノイズフロア)ので、信号雑音比SNRと受信電波強度RSSIとの関係は次の(2)式となる。
また電波干渉が有る場合(干渉電力I>0)、受信電波強度RSSI=S+Nf+Iであり、受信電力S=RSSI−Nf−Iである(干渉電力Iは受信電力Sにとって雑音にみえる)ので、信号雑音比SNRと受信電波強度RSSIとの関係は次の(3)式となる。
上記の(2),(3)式で表される信号雑音比SNRと受信電波強度RSSIとの関係を図6に示す。このように、干渉電力Iとして或る値を仮定すれば、受信電波強度RSSIは信号雑音比SNRから(2)式又は(3)式により換算できる。このため、本実施形態では、干渉電力I=0の場合は(2)式を、干渉電力I>0の場合は(3)式を用い、互いに異なる複数の干渉電力について、信号雑音比SNR−パケット誤り率PER特性曲線の信号雑音比SNRを受信電波強度RSSIに換算している。これにより、例として図7に示すように、干渉電力が互いに異なる複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を予め算出し、算出した複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を特性曲線記憶部14に記憶させている。
次のステップ116において、特性推定部16は、特性曲線記憶部14に記憶されている複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の中から、ステップ114で抽出した基準点データの点を通る受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を選択する。特性曲線記憶部14に記憶されている個々の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線は、干渉電力を互いに異なる一定値と仮定して算出されている。従って、ステップ116により、第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通り、第1時点での干渉電力が維持されたと仮定したときの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線が推定されることになる。
次のステップ118において、原因判定部18は、第1時点から第2時点に至る期間内のパケット誤り率、受信電波強度の平均的な変化を表す直線を基準として、前記期間内のパケット誤り率、受信電波強度の誤差の分散(ばらつきの幅)を演算する。
次のステップ120において、原因判定部18は、特性推定部16によって選択された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対し、パケット誤り率の方向に、演算したパケット誤り率の誤差の分散に相当する幅の範囲を許容範囲として設定する(図8参照)。また原因判定部18は、特性推定部16によって選択された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対し、受信電波強度の方向に、演算した受信電波強度の誤差の分散に相当する幅の範囲を許容範囲として設定する(図8参照)。そして原因判定部18は、現時点(第2時点)での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置が、受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対して設定した許容範囲内(図8に破線で示す範囲内)に入っているか否か判定する。
次のステップ122において、原因判定部18は、ステップ120の判定結果に応じて分岐する。現時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置が、受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対して設定した許容範囲内に入っている場合、干渉電力Iは現時点の所定時間前の第1時点からさほど変化していないと判断できる。このため、上記場合はステップ122からステップ130へ移行し、原因判定部18は、無線リンクに障害が発生した(パケット誤り率が閾値以上になった)原因は、電波伝搬環境の悪化と判定する。
一方、現時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置が、受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に設定した許容範囲内に対してパケット誤り率の増大方向にずれている場合は、ステップ122からステップ124へ移行する。この場合、干渉電力Iが第1時点から増大している可能性があるが、同時に電波伝搬環境の悪化も生じている可能性も否定できない。このため、次のステップ124では、無線リンクに障害が発生した(パケット誤り率が閾値以上になった)原因を切り分けるための処理を行う。
すなわち、ステップ124において、原因判定部18は、現時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置が許容範囲内からずれていることについて、パケット誤り率の方向(電波干渉)についての寄与率を演算する。図9に示すように、第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点Aと第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点Bのパケット誤り率の差をyとする。また、点Aと、第2時点で受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線上に位置していた場合(点B')のパケット誤り率の差をy0とする。この場合、パケット誤り率の方向(電波干渉)の寄与率は次の(4)式で求まる。
電波干渉の寄与率=(y/y0)−1 …(4)
次のステップ126において、原因判定部18は、ステップ124で演算したパケット誤り率の方向(電波干渉)の寄与率が所定値(例えば(4)式なら0.5)以上か否か判定する。ステップ126の判定が否定された場合、現時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置が許容範囲内からずれている原因は、主に電波伝搬環境の悪化であると判断できる。このため、ステップ130へ移行し、原因判定部18は、無線リンクに障害が発生した(パケット誤り率が閾値以上になった)原因は、電波伝搬環境の悪化と判定する。
また、ステップ126の判定が肯定された場合、現時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置が許容範囲内からずれている原因は、主に電波干渉であると判断できる。このため、ステップ128へ移行し、原因判定部18は、無線リンクに障害が発生した(パケット誤り率が閾値以上になった)原因は、電波干渉と判定する。そして、次のステップ132において、出力部20は、原因判定部18による障害原因の判定結果を、例えば表示部38にメッセージを表示させる等によって出力し、無線通信障害原因判定処理を終了する。
このように、上記では、パケット誤り率が閾値以上の第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の点を通り、第1時点での干渉電力が維持されたと仮定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定している。そして、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定している。これにより、受信電波強度とパケット誤り率を各々閾値と比較して障害原因を判定する場合と比較して、障害原因の判定精度を向上させることができる。
すなわち、パケット誤り率が閾値未満の第1時点での干渉電力Iが不明でも、第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の点を通る受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を用いることで、第1時点から第2時点へ至る間に電波干渉が悪化したかを判別できる。例えば干渉電力>0の状態で、主に電波伝搬環境の悪化によりパケット誤り率が閾値以上へ変化した場合にも、直近の障害原因を電波干渉と誤判定することを防止することができる。
なお、上記では無線通信監視サーバ30を開示の技術に係る障害判定装置として機能させる態様を説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではなく、無線通信基地局68や無線通信端末70を開示の技術に係る障害判定装置として機能させることも可能である。
また、上記では干渉電力が互いに異なる複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を予め算出して特性曲線記憶部14に記憶しておく態様を説明したが、開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、受信機の信号雑音比−パケット誤り率の特性曲線を記憶しておき、干渉電力を仮定して(2)式又は(3)式により信号雑音比SNRを受信電波強度RSSIに換算することを、干渉電力を変化させながら繰り返す。これにより、第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通り、第1時点での干渉電力が維持されたと仮定したときの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を演算によって求めるようにしてもよい。
また、上記では障害原因判定プログラム50が記憶部36に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、開示の技術に係る障害原因判定プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (9)

  1. 無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通り、前記第1時点での干渉電力が維持されたと仮定したときの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定する特性推定部と、
    前記特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定する原因判定部と、
    を含み、
    前記特性推定部は、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率又は受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線を算出し、前記第1時点付近でかつ算出した前記直線又は前記曲線上の点に対応する受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせを、前記第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせとして用い、
    前記原因判定部は、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、前記特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離未満の位置に位置している場合は、障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定し、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、前記特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合は、障害の原因を電波干渉と判定し、かつ、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率の平均的な変化を表す直線又は曲線に対するパケット誤り率のばらつきに基づいて、パケット誤り率の座標軸に平行な方向に沿った前記所定距離を設定すると共に、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中の受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線に対する受信電波強度のばらつきに基づいて、受信電波強度の座標軸に平行な方向に沿った前記所定距離を設定する障害原因判定装置。
  2. 無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得する取得部と、
    前記取得部によって取得された前記無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通り、前記第1時点での干渉電力が維持されたと仮定したときの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定する特性推定部と、
    前記特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定する原因判定部と、
    を含み、
    前記特性推定部は、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率又は受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線を算出し、前記第1時点付近でかつ算出した前記直線又は前記曲線上の点に対応する受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせを、前記第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせとして用い、
    前記原因判定部は、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、前記特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離未満の位置に位置している場合は、障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定し、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、前記特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合は、障害の原因を電波干渉と判定し、かつ、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、前記特性推定部によって推定された受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合に、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が前記特性曲線上に位置していると仮定したときの、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率の変化量を基準として、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中の実際のパケット誤り率の変化量の比率を演算し、演算した比率を閾値と比較した結果に基づいて、障害の原因が電波伝搬環境の悪化か電波干渉かを判定する障害原因判定装置。
  3. 前記特性推定部は、無線リンクの信号雑音比−パケット誤り率の特性曲線から、互いに異なる干渉電力を仮定して信号雑音比を受信電波強度に換算することで求めた、干渉電力が互いに異なる複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から、前記第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通る受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を選択することで、受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の推定を行う請求項1又は請求項2記載の障害原因判定装置。
  4. 前記干渉電力が互いに異なる複数の受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を予め記憶する記憶手段を更に備えた請求項3記載の障害原因判定装置。
  5. 前記特性推定部は、算出した前記直線又は曲線の傾きが所定値未満の場合に、前記所定時間に一定時間を加算した時間だけ前記第2時点より前の時点を前記第1時点に設定する請求項1又は請求項2記載の障害原因判定装置。
  6. 無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得し、
    取得した前記無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通り、前記第1時点での干渉電力が維持されたと仮定したときの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定し、
    推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定する
    ことを含み、
    前記受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の推定では、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率又は受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線を算出し、前記第1時点付近でかつ算出した前記直線又は前記曲線上の点に対応する受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせを、前記第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせとして用い、
    前記障害の原因の判定では、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離未満の位置に位置している場合は、障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定し、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合は、障害の原因を電波干渉と判定し、かつ、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率の平均的な変化を表す直線又は曲線に対するパケット誤り率のばらつきに基づいて、パケット誤り率の座標軸に平行な方向に沿った前記所定距離を設定すると共に、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中の受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線に対する受信電波強度のばらつきに基づいて、受信電波強度の座標軸に平行な方向に沿った前記所定距離を設定する障害原因判定方法。
  7. 無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得し、
    取得した前記無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通り、前記第1時点での干渉電力が維持されたと仮定したときの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定し、
    推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定する
    ことを含み、
    前記受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の推定では、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率又は受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線を算出し、前記第1時点付近でかつ算出した前記直線又は前記曲線上の点に対応する受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせを、前記第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせとして用い、
    前記障害の原因の判定では、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離未満の位置に位置している場合は、障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定し、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合は、障害の原因を電波干渉と判定し、かつ、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合に、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が前記特性曲線上に位置していると仮定したときの、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率の変化量を基準として、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中の実際のパケット誤り率の変化量の比率を演算し、演算した比率を閾値と比較した結果に基づいて、障害の原因が電波伝搬環境の悪化か電波干渉かを判定する障害原因判定方法。
  8. コンピュータに、
    無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得し、
    取得した前記無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通り、前記第1時点での干渉電力が維持されたと仮定したときの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定し、
    推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定する
    ことを含み、
    前記受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の推定では、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率又は受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線を算出し、前記第1時点付近でかつ算出した前記直線又は前記曲線上の点に対応する受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせを、前記第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせとして用い、
    前記障害の原因の判定では、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離未満の位置に位置している場合は、障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定し、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合は、障害の原因を電波干渉と判定し、かつ、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率の平均的な変化を表す直線又は曲線に対するパケット誤り率のばらつきに基づいて、パケット誤り率の座標軸に平行な方向に沿った前記所定距離を設定すると共に、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中の受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線に対する受信電波強度のばらつきに基づいて、受信電波強度の座標軸に平行な方向に沿った前記所定距離を設定する処理を行わせるための障害原因判定プログラム。
  9. コンピュータに、
    無線リンクの受信電波強度及びパケット誤り率を取得し、
    取得した前記無線リンクのパケット誤り率が閾値以上になった第2時点より所定時間前の第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点を通り、前記第1時点での干渉電力が維持されたと仮定したときの受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線を推定し、
    推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線に対する、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点の位置関係に基づいて障害の原因を判定する
    ことを含み、
    前記受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線の推定では、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率又は受信電波強度の平均的な変化を表す直線又は曲線を算出し、前記第1時点付近でかつ算出した前記直線又は前記曲線上の点に対応する受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせを、前記第1時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせとして用い、
    前記障害の原因の判定では、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離未満の位置に位置している場合は、障害の原因を電波伝搬環境の悪化と判定し、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合は、障害の原因を電波干渉と判定し、かつ、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が、推定した受信電波強度−パケット誤り率の特性曲線から所定距離以上離れた位置に位置している場合に、前記第2時点での受信電波強度とパケット誤り率の値の組み合わせに対応する点が前記特性曲線上に位置していると仮定したときの、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中のパケット誤り率の変化量を基準として、前記第1時点から前記第2時点へ至る期間中の実際のパケット誤り率の変化量の比率を演算し、演算した比率を閾値と比較した結果に基づいて、障害の原因が電波伝搬環境の悪化か電波干渉かを判定する処理を行わせるための障害原因判定プログラム。
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