JP5911345B2 - 凝固時間測定用試薬、凝固時間測定用試薬キットおよび凝固時間の測定方法 - Google Patents
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Description
血液試料と、活性化剤としてのエラグ酸、および、芳香環を有するアミノ酸を含む第1試薬とを混合する第1混合工程と、
第1混合工程で得られた試料と、カルシウム塩を含む第2試薬とを混合する第2混合工程と、
第2混合工程で得られた試料の凝固時間を測定する工程と
を含む凝固時間測定方法が提供される。
さらに、本発明の凝固時間測定用試薬および試薬キットは、フェノールを含む従来の凝固時間測定用試薬と同程度の測定能を有している。よって、本発明の凝固時間測定用試薬および試薬キットを用いる本発明の凝固時間測定方法は、従来の試薬を用いた測定方法と同様に、血液試料の凝固時間を測定することが可能である。
本発明の凝固時間測定用試薬(以下、単に「試薬」ともいう)は、活性化剤としてのエラグ酸、および、エラグ酸の沈殿防止剤としての、芳香環を有するアミノ酸を含む。
エラグ酸は、金属イオンとキレートを形成することで強力な活性化作用を示す。したがって、本発明の試薬中において、エラグ酸は、Zn2+、Mn2+、Al3+などの金属イオンとキレートを形成した状態にあることが好ましい。
本発明の凝固時間測定用試薬キット(以下、単に「試薬キット」ともいう)は、活性化剤としてのエラグ酸、および、エラグ酸の沈殿防止剤としての、芳香環を有するアミノ酸を含む第1試薬と、カルシウム塩を含む第2試薬とを含む。
本発明の凝固時間測定方法(以下、単に「測定方法」ともいう)は、血液試料と、活性化剤としてのエラグ酸、および、エラグ酸の沈殿防止剤としての、芳香環を有するアミノ酸を含む第1試薬とを混合する第1混合工程と、
第1混合工程で得られた試料と、カルシウム塩を含む第2試薬とを混合する第2混合工程と、
第2混合工程で得られた試料の凝固時間を測定する工程と
を含むことを特徴とする。
ここで、LR値とは、以下の式(I)により算出される値である。
式(I):LR値 =(b/a)/(d/c)=bc/ad
(式(I)中、a、b、cおよびdは、それぞれ次の測定値を表す。a:被験血漿と第1試薬とを用いて得たAPTT、b:被験血漿と希釈した第1試薬とを用いて得たAPTT、c:正常血漿と第1試薬とを用いて得たAPTT、d:正常血漿と希釈した第1試薬とを用いて得たAPTT)
(1-1)凝固時間測定用試薬の調製
APTTの測定原理に基づく各種の凝固時間測定試薬を、以下のとおり調製した。以下、「%」は「w/v%」を示す。
<試薬A>
試薬Aとして、活性化剤としてのエラグ酸を含むが、フェノールおよび芳香環を有するアミノ酸を含まない試薬を調製した。試薬Aは、50 mM HEPES(分子量:238.30、株式会社同仁化学研究所)、25 mM Tris(分子量:121.14、ナカライテスク株式会社)、1%グリシン(分子量:75.07、ナカライテスク株式会社)、0.05% ポリビニルピロリドンK-30(分子量: 約40,000、キシダ化学株式会社)および1% ポリエチレングリコール6000(分子量:約9,000、ナカライテスク株式会社)の組成の溶液に、活性化剤として0.1 mMエラグ酸(分子量:338.22、東京化成工業株式会社)と、リン脂質として140μg/mLホスファチジルエタノールアミン(分子量:744.04、Avanti Polar Lipids, Inc.)、160μg/mLホスファチジルコリン(分子量:786.15、Avanti Polar Lipids, Inc.)および20μg/mLホスファチジルセリン(分子量:810.03、Avanti Polar Lipids, Inc.)と、抗酸化剤として3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(分子量:180.25、ナカライテスク株式会社)とを含有させた試薬である。
試薬Bとして、エラグ酸およびその沈殿防止剤としてのフェノールを含む従来の試薬を調製した。試薬Bは、上記の試薬Aに0.35% フェノール(分子量:94.11、キシダ化学株式会社)を含有させた試薬である。
試薬Cとして、エラグ酸および芳香環を有するアミノ酸(フェニルアラニン)を含むが、フェノールを含まない試薬を調製した。試薬Cは、上記の試薬Aに0.1 % フェニルアラニン(分子量:165.19、SIGMA-ALDRICH)を含有させた試薬である。
<試薬D>
試薬Dとして、エラグ酸および芳香環を有するアミノ酸(チロシン)を含むが、フェノールを含まない試薬を調製した。試薬Dは、上記の試薬Aに0.01 % チロシン(分子量:181.19、キシダ化学株式会社)を含有させた試薬である。
上記(1)で調製した試薬A〜Dを4℃または室温にて1ヶ月間静置した後、各試薬におけるエラグ酸の沈殿の有無を目視により確認した。結果を以下の表1に示す。
(2-1)被験血漿
正常血漿としてコアグトロールIX(シスメックス株式会社)、異常血漿としてコアグトロールIIX (シスメックス株式会社)を用いた。
第1試薬として、実施例1で調製した試薬A〜Dを用いた。また、第2試薬として、25 mM塩化カルシウム溶液を用いた。
上記の2種の血漿(各50μL)を37℃で1分間加温した後、それぞれ第1試薬(50μL)と混合して3分間さらに加温した。その後、血漿と第1試薬の混合物と、第2試薬(50μL)とを混合して、凝固時間を測定した。凝固時間の測定には、全自動血液凝固分析装置コアグレックス800(シスメックス株式会社製)を用いて行った。なお、測定は、正常血漿および異常血漿ともに2回ずつ行った。測定結果(平均値)を以下の表2に示す。
Claims (7)
- 活性化剤としてのエラグ酸、および、フェニルアラニンおよびチロシンから選択される少なくとも1種のアミノ酸を含む凝固時間測定用試薬。
- リン脂質をさらに含む請求項1に記載の凝固時間測定用試薬。
- リン脂質が、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、およびホスファチジルコリンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項2に記載の凝固時間測定用試薬。
- 活性化部分トロンボプラスチン時間の測定またはループスアンチコアグラントの検出のための試薬である請求項1〜3のいずれか1つに記載の凝固時間測定用試薬。
- 活性化剤としてのエラグ酸、および、フェニルアラニンおよびチロシンから選択される少なくとも1種のアミノ酸を含む第1試薬と、カルシウム塩を含む第2試薬とを含む凝固時間測定用試薬キット。
- 前記アミノ酸が、前記第1試薬中に0.01〜1.0 w/v%含有されている請求項5に記載の凝固時間測定用試薬キット。
- 血液試料と、活性化剤としてのエラグ酸、および、フェニルアラニンおよびチロシンから選択される少なくとも1種のアミノ酸を含む第1試薬とを混合する第1混合工程と、
第1混合工程で得られた試料と、カルシウム塩を含む第2試薬とを混合する第2混合工程と、
第2混合工程で得られた試料の凝固時間を測定する工程と
を含む凝固時間測定方法。
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