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JP5911163B1 - 排気管用メタルガスケット - Google Patents

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JP5911163B1 JP2015096126A JP2015096126A JP5911163B1 JP 5911163 B1 JP5911163 B1 JP 5911163B1 JP 2015096126 A JP2015096126 A JP 2015096126A JP 2015096126 A JP2015096126 A JP 2015096126A JP 5911163 B1 JP5911163 B1 JP 5911163B1
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Abstract

【課題】本発明は、自動車の排気経路の連結部に用いられるガスケットにおいて、繰り返し利用可能であって、熱に強く耐久性に富み、特に、排気管等の揺れや撓みといった動的な動きにも柔軟に対応可能なフレキシブル特性を備えた排気管用メタルガスケットを提供する。【解決手段】通気用開口穴3の縁部に厚み方向を異にしてオフセットされるリング状のハーフビート型片側段差形状の当接段差部5が広がるように組み合わされる2枚の弾性金属板2を少なくとも2組以上重ね合わせて積層し、前記通気用開口穴3の中心から同距離となるピッチ円上であって取付用穴7の近傍に少なくとも2箇所以上をスポット溶接によって点溶接し、係るスポット溶接時の押圧によって前記積層された弾性金属板2の全体を撓ませる構成を採用した。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の排気管に用いられるガスケット技術に関し、詳しくは、排気管並びに各排気系構成部品間等の連結部に繰り返して利用することができ、排気管等の揺れや振動又は撓みといった動的な動きにも柔軟に追従するフレキシブル特性を備えた排気管用メタルガスケットの技術に関する。
内燃機関において、シリンダヘッドの排気側から排出される排気ガスは、エキゾーストマニホールド、触媒、そして、サイレンサーを介して外部(大気中に)へと排出される。係る排気系はこれらの排気系部品を排気管によって繋がれ、その繋ぎ目には、排気ガスが漏れないようにするためのガスケットが用いられている。
排気ガスの漏れは、激しい騒音が発生するのみならず、排気漏れの位置よっては未燃焼ガスが大気に放出される場合があり、環境に悪影響を与えてしまうという問題がある。そこで、ガスケットには、熱や腐蝕に強く、衝撃や振動による接続部の開口に追従して密閉する性能が求められている。
従来、これらの要件に適した素材として、アスベストが長きに渡り利用されていた。アスベストによれば、十分な耐熱性を有すると供に、変形対する追従性も高いという性質を有していたからである。しかしながら、アスベストは健康被害を引き起こすことがわかり、平成24年以降は全面的に使用が禁止され、アスベストと同等もしくはそれ以上の優れた特徴をもつ代替品が必要となった。
なお、係るアスベストの使用禁止を契機として種々の技術が提案されている。例えば、ノンアスベストの高機能グラファイトパッキン(膨張黒鉛パッキン)や、耐熱性に優れたステンレス製薄厚鋼板にビードを付与することで相手フランジの変形や挙動に追従させるもの、或いは積層構造にすることで優れたシール性を有するもの、更には、弾性部材を薄い金属で覆うメタルジャケットタイプ等のガスケット技術等である。
しかし、これらの大半は、その厚みによる弾性力に頼るものであったり、変形部を押し潰すことで密閉性を確保するものであり、一度締め付けて使用すると、つぶれてしまうものが多く、再利用できない消耗部品であり、これをそのまま再使用すると却って排気漏れが発生ししまうという問題点があった。また、当接段差部同士の位置がずれた状態で締め付けられると、当接段差部の弾力を阻害してしまう変形を生じさせてしまう可能性もあった。そのため、当接段差部の効果を低減させないように、位置ずれの生じない構造であることも求められているといえる。
特にジムカーナやラリー、或いはサーキットを走行する競技用の車輌等では、エンジン・トランスミッション等の整備が頻繁に行われるため、これに対応して排気管の繋ぎ部を取り外す必要が生じることも多く、その度に素材的には消耗していないガスケットの交換を余儀なくされることは経済的に効率が悪い。そこで、繰り返し利用できるガスケットが求められている。
上記の問題に鑑みて、従来からも種々の技術が提案されている。例えば、「簡単な仮止め作業によってガスケットの仮止めができ、さらに仮止めのためのガスケット構造の変更が少なくコスト増にならず簡単に仮止め機構を形成できる金属積層形ガスケット構造」(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、複数の弾性金属板を積層してなり外周部に取付用穴を有した金属積層形ガスケットの構造であって、積層した弾性金属板外周部の一部だけをスポット溶接にて圧接固着して、該固着部と反対側部分の外周部の各弾性金属板を積層当接段差部面と略直角方向に剥離するように構成することによりフランジの隙間からの脱落防止を図るものである。係る文献には、ガスケットとしての弾性の保持を目的とすることについては記載が無く、2箇所以上のスポットにより全体を撓ませることについての記載や示唆もなく、また、繰り返して着脱を行う際の前記問題の解決には至っていない。
また、合成樹脂製フランジに用いて好適なメタルガスケットの構造(特許文献2参照)が提案され、公知技術となっている。より詳しくは、樹脂フランジとアルミフランジとの間に配設するメタルガスケットを、当接段差部をそれぞれ設けた2枚の弾性金属板が、前記ハーフ当接段差部を相反する方向に向くように積層結合して構成するものである。係る技術は、 当接段差部を持つ複数の弾性金属板によるガスケットについての技術であるが、密着性を高めるために弾性金属板の表面にゴム等を添付するものであり、排気管を接続するような高温且つ振動が印加される部分についての技術では無く、前記問題の解決には至っていない。
そこで、本願発明者は、これらの問題を解決すべく、当接段差部を有する複数の板同士を積層する構成のガスケットにおいて、その固定方法及び固定位置に着目し、積層状態に意図的な撓みをもたせることを着想し、本願発明に係る「排気管用メタルガスケット」の提案に至ったものである。
特開2009−144773号 特開2000−240797号 特開2004−232471号
本発明は、自動車の排気経路の連結部に用いられるガスケットにおいて、繰り返し利用可能であって、熱に強く耐久性に富み、特に、排気管等の揺れや撓みといった動的な動きにも柔軟に対応可能なフレキシブル特性を備えた排気管用メタルガスケットの提供を課題とする。
本発明に係る排気管の内径に対応するメタルガスケットを製造する製造方法は、弾性金属板に、通気用開口穴と、該通気用開口穴の近傍に少なくとも2か所以上の取付穴を設け、前記通気用開口穴の縁部に、当接段差部を設けて、リング状当接面を厚み方向へオフセットするハーフビート型片側段差形状とし、
記オフセット方向を相違させて開口縁部るように2枚の前記弾性金属板を組み合わせ、これを少なくとも2組以上重ね合わせて積層し、前記積層された複数の弾性金属板、前記通気用開口穴の中心から同距離となるピッチ円上であって前記取付用穴の近傍に少なくとも2箇所以上スポット溶接によって点溶接を施し、係る溶接時の押圧によって前記積層された弾性金属板の全体を撓ませて固定する手段を採用した。

また、本発明は、前記取付用穴を3個以上設ける前記排気管用メタルガスケットの製造方法であって、前記スポット溶接による点溶接箇所が、前記開口穴の中心から同距離となるピッチ円上に、前記取付用穴の数と同数であって、
該取付用穴の近傍に施す手段を採用することもできる。
前記積層される複数の弾性金属板が、ステンレス素材を用いる手段を採用することもできる。
前記ステンレス素材がSUS304又はSUS316を用いる手段を採用することもできる。
本発明に係る排気管用メタルガスケットによれば、全体が撓んだ状態でスポット溶接されるため、排気系の各構成部品と排気管との結合状態に撓みや揺れといった動的な動き等が生じても、接触するフランジ面の隙間に追従して押しつけるため排気漏れを少なくすることができるという先行技術に対して有利な効果を発揮する。
また、本発明に係る排気管用メタルガスケットによれば、当接段差部が弾性限度内で元の形状に戻るため、前記の効果に加えて繰り返し利用可能であるという有利な効果も発揮するものである。
また、本発明に係る排気管用メタルガスケットによれば、積層される弾性金属板がスポット溶接により固定されるため、各弾性金属板同士のずれを生じることがないという優れた効果を発揮する。
また、本発明係る排気管用メタルガスケットによれば、メタルジャケット型のガスケットと比較すると、部品構成や製造過程においてコストを低減できるという優れた効果を発揮する。
本発明に係る排気管用メタルガスケットの全体構成説明図である。 本発明に係る当接段差部の取り付け説明図である。 本発明に係る排気管用メタルガスケットを取り付ける際、均等に取り付けられることを説明する断面図である。 本発明に係る排気管用メタルガスケットにおける、取付用穴が3つある場合の実施例を示す図である。 本発明に係る実施例説明写真と当接面の撓みを説明する説明図である。
本発明である排気管用メタルガスケットは、弾性限度の排気漏れを防ぐと供に、大きな歪みを取り付ける際の位置ズレを解消できることを最大の特徴とする。以下、実施例を図面に基づいて説明する。
なお、本実施例で示される排気管用メタルガスケットの全体形状及び各部の形状は、下記に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、即ち、同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で変更することができるものである。
(実施例1)
図1から図5に従って、本発明を説明する。図1は、本発明に係る排気管用メタルガスケットの全体構成を示す斜視図及び断面図であり、図2は、本発明に係る排気管用メタルガスケットを取り付ける際の取り付けズレを説明する断面図である。図3は、本発明に係る排気管用メタルガスケット1を取り付ける際、均等に取り付けられることを説明する断面図である。
図1(a)は、本発明の全体斜視図を示し、図1(b)は同上面図を示すものである。図1(c)は、A−A線断面図を示す図であり、図1(d)は、B−B線断面図を示す図である。図1(e)は当接段差部5を拡大した拡大図である。図2(a)は、本発明の上面図である。図2(b)は、断面C−Cでの模式的断面図であり、上下のフランジも含む、図2(c)は、同じくC−C線断面図の図であり、フランジで締結された状態を示す。図2(d)は、従来例を示す図であり、一箇所のみ弾性金属板が固定された例である。図2(e)は、従来例を示す図であり、上下のフランジで締結された状態を示す図である。図3(a)は、本発明の上面図である。図3(b)は、D−D線断面図を示す図であり、上下のフランジ及び固定用ビス11を含む。図3(c)は、図3(a)は、本発明の上面図であり、ガスケットがフランジに密着していく方向を示す。図4は、本発明に係る排気管用メタルガスケットにおける、取付用穴が3つある場合の実施例を示す説明図である。
排気管用メタルガスケット1は、複数の弾性金属板2から構成されている。又、排気管用メタルガスケット1は、主に、エンジン等から排出される排気ガスの排出路と排気管を結合する際の結合部の密閉度の向上のために用いられる。結合部分のフランジ9に挟みこまれ、排気管用メタルガスケット1の弾力、柔軟性によって、結合部の隙間をなくすものである。
本願に係る排気管用メタルガスケット1は、通気用開口穴3と取付用穴7を持ち、全体が、2箇所のスポット溶接部6によって固定されている。位置合わせ部8は、全体を固定する際の位置決め用の切り欠きである。フランジに固定する前の部品単品では、スポット溶接部6から遠い位置に、弾性金属板2同士の隙間CLがある。弾性金属板2は金属であり、2枚の弾性金属板2を積層した構造である。素材には主としてSUS300系若しくはSUS400系のステンレス鋼板を使用することが望ましいが、ばね鋼のような弾性特性を有し、フランジ9によって挟持されても取り外すと当接段差部5の形状に戻る特性であれば特に限定されるものではない。弾性金属板2の厚さは、0.5mm程度である。全体の形状は、中央部に、排気用の通気用開口穴3があり、その周囲を円環状に囲み、両端にフランジ9へ固定するための取付用穴7が開いている略菱形状である。
弾性金属板2は、通気用開口穴3の内周縁部にハーフビード型の片側段差形状である当接段差部5を形成したものである。該当接段差部5は、厚み方向にオフセットするようにクランク状に折り曲げられた構造(図1(e))であり、オフセット方向が相反する方向に向くように積層して結合される(図1(c)・(d))。即ち、フランジ部9の間の隙間を常に埋める方向に付勢することになる。係る構成を採用しているのは、フラットな製品と比較した場合に、片側段差のクランク形状を成す当接面4へと繋ぐ2箇所の曲げ部がそれぞれ相対する弾性金属板2若しくはフランジ9と円周状に高い線圧による線接触、若しくは高い面圧による面接触を受けることで、排気漏れ防止効果を発揮するからである。また、弾性金属板2は、弾性限度内による形状復帰可能な範囲内であることにより、再利用が可能である。なお、フルビードとせずにハーフビードとしたのは、ハーフビードよりも高い線圧が得られる反面、線圧が強く成りすぎることによる装着性の問題や、フルビードを開口穴の縁部に形成するにはスペース的にも難しいことと、全体的な波形状の撓みが形成し難くなるからである。
なお、前記当接段差部5の形状においては前記の通り、オフセット形状が相反する方向に向くように配置される形状であり、該オフセットを鈍角とすることで、断面形状は、Y字を寝かせた形に近く、フランジ部9を締結する際、排気管用メタルガスケット1の中でハーフビート型の当接段差部5の部分のオフセット量tの分だけ他の部分よりも厚いことから、積層される枚数が増える毎に、装着前の排気管用メタルガスケット1はその全体の厚さを増すことになる。
係る積層状態の排気管用メタルガスケット1をA−A線断面図で見ると、弾性金属板2同士は、当接段差部5部分で接触し、他の位置では隙間CLが開いている。また、B−B線断面図で見ると、スポット溶接部6の部分で全体が密着、固定されているが、他の部分は、概ね弓なりに隙間CLを作っている構造である。フランジ部9を締結する際は、全ての面が密着することになるが、当接段差部5部分は、より強く、フランジ部9を付勢するので密着性がより高まる。
前記積層は、スポット溶接部6をスポット溶接機により点溶接して固定され、固定位置は通気用開口穴3の中心点から対称の位置にある。また、スポット溶接部6は、取付用穴7の近傍に配置されている(図1(a))。固定は、スポット溶接が作業性、耐久性の点で好適である。作業性、耐久性を満たせば、他の方法でもかまわないが、厚みに影響が出ると排気漏れの原因となるのでリベット等の厚さに変更を伴うものでは使用できない。
次に、図2に沿って、フランジ部9の締結時の動作の詳細について、従来の動作も含めて説明する。図2(b)は、C−C線断面の模式図であり、フランジ9も含む図である。また、図2(d)は、従来例として、スポット溶接部が、紙面上右側、一箇所のみの場合の図である。C−C線は、スポット溶接部6を含む全体の断面を表すもので、実際の寸法で断面を描画すると要部が小さくなるため、模式的な断面図で説明する。図2(b)で、上下のフランジ部9は、触媒やサイレンサー等の排気系部品と排気管との連結部となる被当接面である。
当接段差部5の先端部は、締結された状態で、フランジ部9の排気穴よりも若干外周側にあることが望ましい。当接段差部5の先端部がフランジ部9の排気穴より内側に突出してしまうと、排気流の妨げとなってしまうからである。また、ハーフビード型の当接段差部5の先端部がフランジ部9の排気穴より大きく外周側にずれると、当接段差部5の先端部がフランジ部9の排気穴よりも大きく凹み、排気流を乱す原因となるからである。
次に、対比のため、図2(d)に沿って、従来例を説明する。排気管用メタルガスケット、フランジ部9の配置は、図2(b)と同じである。異なる点は、紙面左側端部にスポット溶接部6がない点である。スポット溶接部6がないため、左側の端部は完全にフリーであり、上下、左右とも規制がない。全体としての規制は、右端部のスポット溶接部6のみであるので、左端付近では、弾性金属板2同士は概ね平行な配置である。
次に、締結時の断面について、図2(c)、図2(d)に沿って説明する。フランジ部9を締結する際、取付用穴7にビス11を挿入し、2箇所で固定していく。これにより1箇所のスポット溶接に対して反復使用時に耐久性を増す構成となっている。また、排気管用メタルガスケット1の厚さは徐々に狭くなり、締結時には、当接段差部5も他の部分も概ね同じ厚さとなる。厚さについては、本発明、従来とも同じである。
締結の際、当接段差部5は、オフセット状であるので、若干摺動しながら、変形していく。締結は、取付用穴7付近を締め付けることによって行うので、当接段差部5付近の締め付けは、相対的に遅れることになる。
ここで、従来の例を説明すると、図2(d)に示すように、スポット溶接部6は右側のみであるので、両端の取付用穴7付近を締め付けた際に、右側は弾性金属板2同士がずれることはない。それに対して、左側は、弾性金属板2同士が固定されていないことから締め付けによる動きに差が出てしまう。そのため、締結時のフランジ部9の排気穴に対する当接段差部5の端部の位置が、右側と左側で異なる位置になる可能性がある。
また、左側については、当接段差部5の摺動によって、弾性金属板2同士が左右にズレてしまう可能性がある。そうすると、当接段差部5の端部がそろわず、本来のガスケットの効果を発揮できない可能性がある(図2(e)矢印)。
それに対して、本発明では、左右端とも固定されていることから、締結時の締め付けに対して、左右とも同様の摺動、動きを行うので、締結時のフランジ部9の排気穴に対する当接段差部5の端部の位置が左右均等とすることが出来る。また、弾性金属板2同士が左右とも固定されていることから、当接段差部5同士の位置がズレることもない(図2(c)矢印)。
このように、弾性金属板2同士を固定するスポット溶接部6を複数持つことによって、メタルガスケット1の密閉効果の安定性を高めることが出来る。
また、スポット溶接部6を取付用穴7近傍にすることによって、当接段差部5から遠い位置で固定することになり、当接段差部5の弾性力を阻害することを少なくすることができる。
次に、2つのスポット溶接部6が、取付用穴7の近傍で、通気用開口穴3の中心点から見て、所定の角度ずれていることによる効果について、図3を用いて説明する。図3(a)は、排気管用メタルガスケット1の上面図である。図3(b)は、D−D線断面の模式図である。図3(c)は、本発明の効果を示す図である。図3(b)で、上下がフランジ部9、フランジ部9の穴がガスケット取付用ビス穴13であり、それを固定するのがビス11、ナット12である。排気管用メタルガスケット1は、スポット溶接部6で固定され、他の部分は、当接段差部5のオフセット構造によって押し広げられるので、上下方向に隙間CLが出来ている。スポット溶接部6は、取付用穴7の位置よりも、通気用開口穴3の中心点から見て、所定の角度ずれている位置にある。断面図上、取付用穴7よりも若干左側にスポット溶接部6がある。スポット溶接部6の位置は、通気用開口穴3の中心軸に対して、点対称の位置とすると、左右のスポット溶接部6について、スポット溶接部6と取付用穴7の位置は同じである。
フランジ部9の締結作業を考えるとフランジ部9のガスケット取付用ビス穴13にビス11、ナット12を挿入し、徐々に締め付けていく。その際、取付用穴7付近が最初に締め付けられることになる。排気管用メタルガスケット1が取付用穴7付近で締め付けられる際、断面図上、左側にスポット溶接部6があることから、締め付けは、自然に右方向に行われることになる。これは、断面図上、どちらの取付用穴7付近についても同じである。締め付け時に、当接段差部5のオフセット形状もつぶれていき、摺動しながら密着していく。スポット溶接部6がない場合は、当接段差部5のつぶれ方向は、不定であるが、本発明では、取付用穴7に対して、常に、図3(c)上、反時計回りにつぶれていくので、当接段差部5とフランジ9の穴との関係が左右均等な状態で、フランジ部9の締結を完了することができる。所定の角度は、取付用穴7の近傍である必要があるので、10度程度が適当である。
このように、スポット溶接部6を取付用穴7近傍で、通気用開口穴3の中心軸から線対称の位置にすることによって、締め付け時に、当接段差部5が均等に摺動することになり、当接段差部5とフランジ部9の位置精度を高めることができる。
また、他の実施例として、取付用穴7が3つの場合には、図4のように、スポット溶接部6を配置してもよい。より、具体的には、通気用開口穴3の中心から見て、取付用穴7とスポット溶接部6の関係が同じになるようにする。このような配置とすることで、フランジ部9の締結時の当接段差部5のズレを防ぐことができる。
なお、図5は、積層された弾性金属板2がスポット溶接時の押圧によって、前記積層状態に意図的な撓みを生じさせ、係る撓みは、前記弾性金属板2同士の隙間CLが開くように作用し、係る変形をすることによって、前記当接段差部5の当接面4をうねらせた波形状の撓みWAとなっている状態を示し、図5(a)及び図5(b)は、図面では表現しに整理番号:PKJ15-0009 特願2015-096126 (Proof) 提出日:平成27年 5月10日 7
くい撓み具合を明確にするために写真を使用したものであり、図5(a)は斜め方向から撮影したもので、図5(b)は横方向の厚みを撮影したものである。そして、5図(c)は、図5(b)を模式的に図面化したものである。本願発は前記構成を採用することで、図5(a)及び図5(b)に示すような全体的な撓みWAと、弾性金属板2間の隙間CLを発生させることを表しており、振動や衝撃などに追従して排気漏れを起こさない効果を発揮する根拠である。
従来、自動車の排気管には、アスベストの他、古くよりスチール製のものも用いられてきたが、サイレンサーや触媒といった排気系統を構成する各部品等の連結部は腐蝕し易く、排気管等との繋ぎ目となるフランジ部分などからすっぽりと抜け落ちてしまう場合が少なくない。これは、常に水分と加熱による影響を受ける環境下にあるためであり、この様な悪条件の環境下ではスチール製からステンレス素材へと変更することで解決することも多い。そこで、請求項3以下では素材にステンレス部材を用いることについて特定している。
但し、単にステンレスといっても、多種多数な特性を備えるステンレス素材が存在し、耐食性や耐熱性及び溶接による強度低下などを防ぐ必要がある。その他、素材選定には種々の目的が複数あり、どのような種類のステンレス材料を用いたら良いかという点については、板厚、オフセット量、曲げ角度、弾性限度、降伏点、引っ張り強度、種々の要素から実験によって決定する。本願発明において、実験の結果が良かったものとして、下記に一つの実施例を示す。
図5に用いた写真に写っている具体的な実施例を参考に示すと、素材にはSUS304、素材の厚みが0.2mm、通気用開口穴3が直径75mm、取付用穴7が対象位置に2箇所という二枚の弾性金属板2枚を組合わせ、これを2組合わせて計4枚の積層状態とし、スポット溶接部6を取付用穴7の近傍付近に2箇所としたものである。なお、ステンレスの溶接では通常アルゴンなどの不活性ガスによる雰囲気中で行うTig溶接で行うのが一般的であり、熟練した技術者が必要となるのが本来的であるが、本願では被溶接対象物が0.2mm程度であるので、却って溶接の困難度が高いため、スポット溶接を利用することが有効である。図5(b)及び図5(c)にも示されている通り、4枚構成では内側の二枚の当接面4がほぼフラットとなって、外側の2枚との間で相互に隙間CLを形成しているのがわかる。
またバネ鋼としての特性ではSUS301かSUS304となり、耐久性の点でSUS304の方が耐食性の高い点で有効である。また曲げや絞り加工等の変形を伴った部分における劣化に対して耐久性や耐熱性等が優れるSUS316は、同じオーステナイト系に属しコストパフォーマンスに優れる。
従って、振動や衝撃により排気系統が揺れる等、各部の接続部分に大きな撓みが生じた場合でも、排気ガスの漏れを抑制することができる追従性を有するガスケットにはどのようなステンレス素材を選択すれば良いか、即ち、弾性変形における応力とひずみの間の比例定数(応力/ひずみ)やヤング率を考慮して、応力を除くと歪みが除かれる弾性限度の限界値として定義される弾性限度以内のものを選べば良い。
当接段差部5の曲がり部に係る曲げ応力が作用しても、永久歪みが残る塑性変形領域までの変形を伴わず、材料特性が大きく低下しないものを選択することが必要となる。
なお、SUS400系にすれば、熱処理等により強度や防食性、防侵性といった機械材料としての特性を優れたものとすることが可能であり、前述の通りコスト面及び加工性から総合的に考慮すると少なくともSUS304からSUS316等の加工容易な材料を選択することが望ましいと思量する。
なお、ステンレス素材の中には、600系のように極めて大きな強度を有し、かつ熱影響を受けないものもあるが、これは極めて高価で、加工性の問題や、取付時の作業困難性も大きいことから、コストダウンに資する新たな素材の選択が必要である。また、本発明に係る弾性金属板では、当接段差部5が、外圧により変形をともなっても、係る外圧を除けば、元の状態に戻る特性を有する弾性限度、すなわち塑性変形を伴わない領域内においては、突き出した当接段差部5が元の状態に戻り、反復使用が可能であるという特徴を具えるステンレス素材が必要となる。
本発明に係る排気管用メタルガスケット1、自動車の完全EV化が図られるまでは内燃機関から排出される排気ガスを大気中に放出する装置は必須であり、係る排気系装置にはガスケットが必要であることから、本願発明の産業状利用可能性は高いものと思量される
当接段差部を持つガスケットの取り付け品位向上についての産業上の利用可能性は大きいと解する。
1 排気管用メタルガスケット
2 弾性金属板
3 通気用開口穴
4 リング状当接面
5 当接段差部
6 スポット溶接部
7 取付用穴
8 位置合わせ部
9 フランジ部
11 ビス
13 取付用ビス穴
12 ナット
CL 隙間
WA うねり

Claims (4)

  1. 排気管の内径に対応するメタルガスケットを製造する製造方法であって
    弾性金属板に、通気用開口穴と、該通気用開口穴の近傍に少なくとも2か所以上の取付穴を設け、
    前記通気用開口穴の縁部に、当接段差部を設けて、リング状当接面を厚み方向へオフセットするハーフビート型片側段差形状とし、
    記オフセット方向を相違させて開口縁部るように2枚の前記弾性金属板を組み合わせ、これを少なくとも2組以上重ね合わせて積層し、
    前記積層された複数の弾性金属板、前記通気用開口穴の中心から同距離となるピッチ円上であって前記取付用穴の近傍に少なくとも2箇所以上スポット溶接によって点溶接を施し
    係る溶接時の押圧によって前記積層された弾性金属板の全体を撓ませて固定することを特徴とする排気管用メタルガスケットの製造方法
  2. 前記取付用穴を3個以上設ける前記排気管用メタルガスケットの製造方法であって、
    前記スポット溶接による点溶接箇所が、前記開口穴の中心から同距離となるピッチ円上に、前記取付用穴の数と同数であって、
    該取付用穴の近傍に施されることを特徴とする請求項1に記載の排気管用メタルガスケットの製造方法
  3. 前記積層される複数の弾性金属板が、ステンレス素材を用いて作られることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の排気管用メタルガスケットの製造方法
  4. 前記ステンレス素材がSUS304又はSUS316を用いて作られることを特徴とする請求項3に記載の排気管用メタルガスケットの製造方法
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