JP5902506B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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ショルダー陸部の偏摩耗を抑制する方法としては、例えば、ショルダー陸部のショルダー溝に面する壁面の傾斜をタイヤ周方向に所定の周期で変化させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、ショルダー溝のクラックの発生を低減する方法としては、ショルダー溝の溝底Rを大きくしたり、ショルダー陸部のショルダー溝に面する壁面にショルダー陸部の踏面の垂線よりも溝中心側に傾斜する第1の傾斜部とこの第1の傾斜部の溝底側に設けられ第1の傾斜部よりも更に溝中心側に傾斜する第2の傾斜部とを設けるなどして、ショルダー陸部の剛性を高くする方法が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
また、ショルダー陸部の壁面に第1及び第2の傾斜部を設ける方法では、第1の傾斜部の傾斜角θ1と第2の傾斜部の傾斜角θ2との差である傾斜変化角α=θ2−θ1、及び、ショルダー溝の深さDと第1の傾斜部と第2の傾斜部の境界の位置dとの関係によっては、縁石乗り上げ時の溝底歪みを効果的に低減できないだけでなく、第1の傾斜部と第2の傾斜部との間境界に皺がよってしまい、この皺を起点にショルダー溝にクラックが生じる虞恐れがあった。
前記ショルダー溝の前記ショルダー陸部側の溝壁面が、前記ショルダー陸部の踏面側に位置し、前記ショルダー陸部の踏面に垂直な方向に対してタイヤ赤道面側に傾斜する第1の傾斜部と、前記ショルダー溝の溝底側に位置し、前記第1の傾斜部から更にタイヤ赤道面側に傾斜して前記ショルダー溝の溝底に達する第2の傾斜部とを有し、前記第1の傾斜部の傾斜角度はタイヤ周方向で一定であり、前記第1の傾斜部と前記第2の傾斜部との成す角度αがタイヤ周方向に沿って変化しており、前記ショルダー陸部には、タイヤ周方向に配列されて前記ショルダー溝に開口し、溝壁面との成す角度が垂直な複数の陸部側サイプが形成され、前記第2の傾斜部には、タイヤ周方向に配列されて前記ショルダー溝に開口する複数の溝底側サイプが形成され、タイヤ踏面側から見たときの前記溝底側サイプの延長方向が、前記ショルダー溝の溝底と前記第2の傾斜部との境界点を結んだ直線もしくは曲線に垂直であり、タイヤ踏面から前記ショルダー溝の溝底までの深さをD[mm]、タイヤ踏面から前記第1の傾斜部と前記第2の傾斜部との境界の位置までの深さをd[mm]、前記角度αの最大値をαmax、前記角度αの最小値をαminとしたときに、前記最大値αmaxと最小値αminは、(D−d)(tanαmax−tanαmin)≧2.5[mm]を満たしていることを特徴とする。
これにより、ショルダー陸部の壁面の皺の発生を低減することができるとともに、縁石乗り上げ時の溝底歪みを効果的に低減することができる。
また、ショルダー陸部に複数の陸部側サイプを形成して、横力入力時におけるショルダー陸部に作用する剪断力の増加を抑制するようにしたので、ショルダー陸部の偏摩耗を抑制することができる。
なお、前記複数の陸部側サイプはタイヤ周方向に均等に配置してもよいし、不均等に配置してもよい。
また、第2の傾斜部に複数の溝底側サイプを形成するとともに、タイヤ踏面側から見たときの前記溝底側サイプの延長方向を、前記ショルダー溝の溝底と前記第2の傾斜部との境界点を結んだ直線もしくは曲線に垂直としたので、サイプテアの発生を抑制しつつ、横力入力時においてショルダーリブに作用する剪断力の増加を抑制することができる。更に、ショルダーリブの偏摩耗についても確実に抑制できる。
また、前記dを0.1<(d/D)<0.6を満たす範囲としたので、ショルダー陸部の剛性を確保しつつ偏摩耗を低減することができる。
これにより、ショルダー溝の溝壁における溝底側サイプの密度を適正化できるので、傾斜部の剛性を確保してサイプテアの発生を抑制することができるとともに、横力入力時における剪断変形を抑制してショルダー部の偏摩耗を抑制することができる。
図1(a),(b)は、本実施の形態1に係る空気入りタイヤ(以下、タイヤという)10の構成を示す図で、図1(a)はタイヤ10の断面面、図1(b)は図1(a)のショルダー溝17近傍の要部拡大図である。
図1(a)において、11はビード部、11Cはビードコア、12はカーカス層、13はベルト層、14はトレッド、15はサイドウォール部である。なお、同図の一点鎖線で示すCLは車輪中心線を示す。
カーカス層12は、一対のビード部11に配置された1対のビードコア11Cにトロイド状をなして跨るように設けられた、当該空気入りタイヤ10の骨格を成す部材で、このカーカス層12のクラウン部のタイヤ径方向外側に3枚のベルト13a〜13cから成るベルト層13が配置されている。ベルト層13を構成する各ベルト13a〜13cは、それぞれ、スチールコードもしくは有機繊維を撚ったコードを、タイヤ周方向に対して20°〜70°の角度で交錯するように配置される。
以下、タイヤセンター部に設けられた周方向溝16を主溝、タイヤ幅方向外側に設けられた周方向溝17をショルダー溝という。
陸部18Aは、2本の主溝16により区画されてタイヤセンター部に位置する中央陸部、陸部18Bは、主溝16とショルダー溝17とにより区画されて中央陸部18Aのタイヤ幅方向の両外側に位置する外側陸部である。
陸部19は、ショルダー溝17により区画されてタイヤ幅方向外側においてタイヤ周方向に連続して延びるリブ状の陸部である。以下、この陸部19をショルダー陸部という。
以下、溝壁面17aのショルダー陸部19の踏面19t側を第1の傾斜部171、ショルダー溝17の溝底17b側を第2の傾斜部172という。また、傾斜角が変化する位置pを第1の傾斜部171と第2の傾斜部172との境界といい、ショルダー陸部19の踏面19tから境界pまでの深さdを境界深さという。
なお、第1の傾斜部171の形状が曲面を含んだり、細かなぎざぎざを含んでいる場合には、タイヤ断面における第1の傾斜部171のショルダー陸部19の踏面19t側の端部vと境界pとを通る直線l1とショルダー陸部19の踏面19tに垂直な線kとの成す角を傾斜角θ1とする。
本例では、傾斜角θ1をタイヤ周方向で一定とするとともに、傾斜角θ1の範囲を0°<θ1≦10°としている。図2(a)に示すように、境界pを結んだ線Pはタイヤ周方向に平行な直線となる。
θ1が一定であることにより、初期の偏摩耗核が発生しにくい。また、θ1を10°以下に設定することでゴムの幅方向クラッシング成分が小さくなり、偏摩耗が進展しにくい効果がある。
傾斜変化角αがタイヤ周方向に沿って変化している場合には、第2の傾斜部172は平面ではなくなるが、図1(b)に示すように、タイヤ断面における第1の傾斜部171を示す直線l1と、第1の傾斜部171と第2の傾斜部172との境界pと第2の傾斜部172とショルダー溝17の溝底17bとの境界qとを通る直線l2との成す角を傾斜変化角αと定義すればよい。
また、第2の傾斜部172が曲面を含んだり、細かなぎざぎざを含んでいる場合でも、タイヤ断面における直線l1と、境界pと境界qとを通る直線l2との成す角を傾斜変化角αとすればよい。
第2の傾斜部172の傾斜角θ2はθ2=θ1+αである。
本例では、傾斜変化角αを、0°≦α<20°の範囲とするとともに、傾斜変化角αをタイヤ周方向に沿って変化させている。すなわち、第2の傾斜部172の傾斜角θ2はタイヤ周方向に沿って変化しているので、図2(a)に示すように、ショルダー溝17の溝底17bと第2の傾斜部172との境界点qを結んだ曲線Qは波状になる。
図2(a)の一点鎖線mで示す位置が傾斜変化角αの最小値αminの位置で、一点鎖線Mで示す位置が傾斜変化角αの最大値αmaxの位置である。図2(b)は、傾斜変化角のα最小値αminから傾斜変化角αの最大値αmaxの位置を見たときの断面図である。
傾斜変化角αを20°未満としたのは、傾斜変化角αが20°以上になると、第1の傾斜部171と第2の傾斜部172との境界近傍において皺が発生し、この皺がショルダー溝17にクラックが発生する原因となるからである。
本例では、第1の傾斜部171の傾斜角θ1を一定とし、第2の傾斜部172の傾斜角θ2を変化させることで、摩耗の初期から中期にかけては、ショルダー陸部19の偏摩耗を抑制し、摩耗の中期以降は、傾斜角θ2がタイヤ周方向に変化している第2の傾斜部172の傾斜角θ2をタイヤ踏面側に露出させることで、ショルダー溝17の溝底17bにおける歪み集中を抑制するようにしている。
この制限は、ショルダー溝17の溝深さである、ショルダー陸部19の踏面19tから測ったショルダー溝17の溝深さDと、踏面19tから第1の傾斜部171と第2の傾斜部172との境界までの距離である境界深さdによって異なる。
(D−d)(tanαmax−tanαmin)≧2.5 ……(1)
以下、(D−d)(tanαmax−tanαmin)=Δαとする。
Δαが2.5未満の場合には、縁石乗り上げ時の溝底歪み緩和が十分でないので、ショルダー溝17にクラックが生じ易くなる。
なお、(tanαmax−tanαmin)に(D−d)を乗算しているのは、溝深さDと境界深さdとの差が小さいほど、第2の傾斜部172の体積が小さくなるので、その分傾斜変化角αの変化量を大きくすることで、ショルダー溝17の溝底17bにおける歪み集中を抑制するためである。
0.1<(d/D)<0.6 ……(2)
なお、(d/D)が0.1以下では、摩耗初期で第1の傾斜部171と第2の傾斜部172との境界が露出し、ショルダー陸部19の踏面19tに溝振り形状が表出するため、偏摩耗し易い。また、(d/D)を0.6以上にすると、第2の傾斜部172の体積が小さくなるため、ショルダー溝17の溝底17bにおける歪み集中を十分に抑制できない。
なお、図2(a)においては、陸部側サイプ20はタイヤ周方向に均等に配置されているが、不均等に配置してもよい。
ショルダー陸部19にショルダー溝17の溝壁面17aに垂直な方向に延長してショルダー溝17に開口する陸部側サイプ20を設けることで、横力入力時においてショルダー陸部19に作用する剪断力の増加を抑制することができるので、ショルダー陸部19の偏摩耗を更に抑制することができる。
また、境界深さdを、0.1<(d/D)<0.6の範囲としたので、ショルダー陸部19の偏摩耗の抑制効果とショルダー溝17におけるクラック発生の低減効果が更に向上した。
図1に示した本願発明のタイヤ(本発明1,2)と、ショルダー溝のショルダー陸部側の溝壁面が傾斜部を有しないタイヤ(従来例)と、Δαが2.5以下のタイヤ(比較例1)と、(d/D)が0.1以下のタイヤ(比較例2)と、(d/D)が0.6以上のタイヤ(比較例3)とを準備し、上記各タイヤを試験車両に搭載して、偏摩耗特性とRibTear特性(ショルダー溝のクラックの発生回数)の性能試験を行った結果を図3の表に示す。
本発明1のタイヤ;(d/D)=0.36、Δα=3.1
本発明2のタイヤ;(d/D)=0.40、Δα=2.7
タイヤサイズは、北米でのメインサイズである295/75R22.5、使用リムは8.25x22.5(標準リムサイズ)、タイヤ内圧及び荷重は、TRAの正規内圧、正規荷重とした。
偏摩耗特性は、3ユーザーにて車両を各16台ずつ、試験タイヤ各32本ずつ、3ユーザーで計96本ずつのタイヤを準備し、ショルダー・イン部における偏摩耗初期核の発生の有無、その後の偏摩耗進展について市場評価を行った。なお、市場評価において、スペック間以外での誤差因子を極力避けるため、同一ユーザー内での試験車両下において、車両アライメント、走行ルート、内圧管理状態等を一定に管理した。また、各タイヤの評価時の走行距離の目安として、以下の走行距離を設定、評価を実施した。
第1回調査; 3万マイル
第2回調査; 8万マイル
第3回調査;13万マイル
第4回調査;18万マイル
RibTear試験は、RibTearの発生を容易にするため、タイヤ試験前に事前にタイヤに劣化試験を施す。すなわち、恒温庫と呼ばれる80℃試験室において7日間タイヤを放置してタイヤを十分に劣化させる。その後、試験車両に劣化試験を施したタイヤをセットし、通常走行もしくは円旋回走行によりショルダー部のベルト端温度を65℃まで昇温した後、タイヤを15cm縁石に乗り上げ角15°で乗り上げ、故障までの乗り上げ回数にてタイヤの優劣を判定した。
なお、本試験においては、使用ゴム種はスペック間で不変とした。
RibTearの発生回数は故障までの乗り上げ回数であるので、回数が多い程RibTear特性が優れている。
偏摩耗vol.は、単位体積当たりの偏摩耗比であるので、値が小さい方が優れている。
図3の表から明らかなように、本発明によるタイヤは、いずれも、RibTear特性に優れているだけでなく、偏摩耗特性にも優れていることが確認された。
これに対して、Δαが2.5以下のタイヤ(比較例1)では、RibTear特性も偏摩耗特性も従来例よりは若干向上しているものの、本発明によるタイヤ程の特性向上は見られなかった。
また、(d/D)が0.1以下のタイヤ(比較例2)では、RibTear特性は向上しているものの、偏摩耗特性が従来例よりも低く、(d/D)が0.6以上のタイヤ(比較例3)では、初期においては偏摩耗が少ないが、RibTear特性も偏摩耗特性も従来例とほとんど変わらなかった。
前記実施の形態1では、ショルダー陸部19にショルダー溝17の溝壁面17aに垂直な方向に延長してショルダー溝17に開口する陸部側サイプ20を設けて、ショルダー陸部19の偏摩耗を抑制するようにしたが、図4(a),(b)に示すように、第2の傾斜部172に、タイヤ周方向に配列されてショルダー溝17に開口する複数のサイプ30を形成すれば、中期以降末期にかけての溝底17bでの歪み集中の抑制を実現できるとともに、横力入力時における剪断力の増加を抑制できるので、リブテアの発生とショルダー部の偏摩耗とを更に抑制することができる。
図4(a)は、ショルダー溝17の溝壁面17aの状態を示す図で、図4(b)は、傾斜変化角αが最小値αminの位置から傾斜変化角αの最大値αmaxの位置を見たときの断面図である。以下、前記サイプ30を溝底側サイプという。
溝底側サイプ30の一端はショルダー溝17に開口し他端は第2の傾斜部172内で終端する。溝底側サイプ30は、タイヤ踏面側から見たときの延長方向が、ショルダー溝17の溝底17bと第2の傾斜部172との境界点qを結んだ曲線Qに垂直になるように、タイヤ周方向に沿って複数配列されている。
このように、溝底側サイプ30と曲線Qとが垂直であるように、溝底側サイプ30を形成することが肝要である。すなわち、溝底側サイプ30と曲線Qとが垂直でない場合には、溝底側サイプ30を起点に亀裂が発生する、いわゆるサイプテアが発生する恐れがある。したがって、本例のように、傾斜変化角αの変化に応じて溝底側サイプ30の傾き角も変化させ、溝底側サイプ30と曲線Qとが垂直になるように溝底側サイプ30を形成すれば、必要な剛性を確保して横力入力時における剪断力抑制効果を得ることができるとともに、サイプテアの発生を抑制することができる。
また、溝底側サイプ30の溝壁面17aに沿った長さ(以下、長さという)をw、サイプ間隔をlとすると、lとwとは、1.5<(l/w)<4を満たしていることが好ましい。
なお、溝底側サイプ30が不均等に配置されている場合には、図4(a)に示すように、k番目の溝底側サイプ30(k)の長さをwk、溝底側サイプ30(k)と隣接する溝底側サイプ30(k−1)及び溝底側サイプ30(k+1)とのサイプ間隔をそれぞれlk,k-1,lk,k+1とすると、wk,lk,k-1,lk,k+1は、1.5<(lk,k-1 /wk)<4、かつ、1.5<(lk,k+1 /wk)<4を満たしていることが好ましい。
(l/w)が1.5以下、すなわち、溝底側サイプ30の密度が高すぎるか、もしくは、溝底側サイプ30の長さが長かったりするなどして、溝壁面17aに設けられた溝底側サイプ30の総体積が大きくなると、第2の傾斜部172の剛性が十分ではなくなり、その結果、大きな横力が入力した場合にサイプテアが発生する恐れがある。
一方、(l/w)が4以上、すなわち、溝底側サイプ30の密度が低すぎるか、もしくは、溝底側サイプ30の長さが短かったりするなどして、第2の傾斜部172に設けられた溝底側サイプ30の総体積が小さくなると、第2の傾斜部172の剛性が高すぎて横力入力時における剪断力抑制効果が十分でなく、その結果、ショルダー部の偏摩耗抑制効果が不十分になる恐れがあるので、lとwとを、1.5<(l/w)<4を満たすように設定することが好ましい。
図1に示した溝底側サイプを有しないタイヤ(本発明1,2)と、図4(a),(b)に示した溝底側サイプを備えたタイヤ(本発明3,4)と、ショルダー溝のショルダー陸部側の溝壁面が傾斜部を有しないタイヤ(従来例)と、溝底側サイプを備えているが((D−d)Δが2.5未満のタイヤ(比較例4)とを準備し、上記各タイヤを試験車両に搭載して、偏摩耗特性とリブテア特性(ショルダー溝のクラックの発生回数)及びサイプテア特性の性能試験を行った結果を図5(a),(b)の表に示す。
なお、タイヤ、使用リム、タイヤ内圧、荷重、試験方法、及び、評価方法については、[実施例1]と同じであるので、省略する。なお、サイプテアの発生レベルは、18万マイル走行後におけるサイプテアの発生の有無により評価した。
図5の表から明らかなように、本発明1〜4のタイヤは、いずれも、サイプテアの発生もなく、かつ、リブテア特性に優れているだけでなく、偏摩耗特性にも優れていることが確認された。特に、溝底側サイプを備えたタイヤ(本発明3,4)は、溝底側サイプを有しないタイヤ(本発明1,2)に比較して、中期以降末期にかけてのリブテアの発生の低減効果とショルダー部の偏摩耗の抑制効果が向上することが確認された。
これに対して、(D−d)Δが2.5未満のタイヤ(比較例4)では、溝底側サイプを設けたにも関わらず、本発明1〜4のタイヤ程の特性向上は見られなかった。
13 ベルト層、13a〜13c ベルト、14 トレッド、15 サイドウォール部、
16 主溝、17 ショルダー溝、17a 溝壁面、17b 溝底、
171 第1の傾斜部、172 第2の傾斜部、18A 中央陸部、18B 外側陸部、
19 ショルダー陸部、19t 踏面、20 陸部側サイプ、30 溝底側サイプ。
Claims (4)
- タイヤのトレッドの表面にタイヤの周方向に沿って延長する複数本の周方向溝と、前記周方向溝のうちのタイヤ幅方向最外側に位置するショルダー溝により区画されるショルダー陸部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
前記ショルダー溝の前記ショルダー陸部側の溝壁面は、
前記ショルダー陸部の踏面側に位置し、前記ショルダー陸部の踏面に垂直な方向に対してタイヤ赤道面側に傾斜する第1の傾斜部と、前記ショルダー溝の溝底側に位置し、前記第1の傾斜部から更にタイヤ赤道面側に傾斜して前記ショルダー溝の溝底に達する第2の傾斜部とを有し、
前記第1の傾斜部の傾斜角度はタイヤ周方向で一定であり、
前記第1の傾斜部と前記第2の傾斜部との成す角度αがタイヤ周方向に沿って変化しており、
前記ショルダー陸部には、タイヤ周方向に配列されて前記ショルダー溝に開口し、溝壁面との成す角度が垂直な複数の陸部側サイプが形成され、
前記第2の傾斜部には、タイヤ周方向に配列されて前記ショルダー溝に開口する複数の溝底側サイプが形成され、
タイヤ踏面側から見たときの前記溝底側サイプの延長方向が、前記ショルダー溝の溝底と前記第2の傾斜部との境界点を結んだ直線もしくは曲線に垂直であり、
タイヤ踏面から前記ショルダー溝の溝底までの深さをD[mm]、
タイヤ踏面から前記第1の傾斜部と前記第2の傾斜部との境界の位置までの深さをd[mm]、
前記角度αの最大値をαmax、前記角度αの最小値をαminとしたときに、
前記最大値αmaxと最小値αminは、
(D−d)(tanαmax−tanαmin)≧2.5[mm]を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記第1の傾斜部の傾斜角度をθ1としたときに、
前記θ1が0°<θ1≦10°の範囲にあり、前記角度αが、0°≦α<20°の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記dは、0.1<(d/D)<0.6を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記溝底側サイプの前記溝壁面に沿った長さをwとし、前記溝底側サイプの開口部と当該溝底側サイプと隣接する溝底側サイプの開口部とのタイヤ周方向に沿った間隔をlとしたとき、前記lと前記wとは、1.5<(l/w)<4を満たすことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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