JP5902468B2 - 埋設ジョイント構造の施工方法および埋設ジョイント構造ならびに埋設ジョイント施工金具組立体 - Google Patents
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Description
特に中小規模のコンクリート橋においては、桁遊間が狭小であり補修機材が入らないため、損傷箇所の点検、補修が大変困難となっている。
現状の埋設ジョイントは橋梁桁端部と橋台部の間にシール材を充填したもので、止水が不完全でほとんどの箇所で漏水が発生している。この漏水を止めるには、(イ)桁遊間の上部を覆うミニ延長床版や床版連結の設置など構造を変える、(ロ)鋼製製品ジョイントに変える、の二つの方法が考えられる。
(ロ)の対策は今までなかった鋼製製品ジョイントが設置され、費用も必要になるという技術的課題を有する。
前記設置空間における前記橋台および前記橋梁の各々の側に支持され、上辺の間隙が下辺の間隙よりも狭くなるように前記桁遊間部を挟んで傾斜して対向する一対の枠板を設置する工程と、
前記枠板を型枠として前記設置空間にコンクリートを打設する工程と、
前記コンクリートの表面に、前記桁遊間部を覆うように第1防水構造を配置する工程と、
前記防水シートの上に少なくとも一層の路盤層を形成する工程と、
一対の前記枠板の間の空間に第2防水構造を設置する工程と、
を含む埋設ジョイント構造の施工方法を提供する。
前記枠板を型枠の一部として前記橋台および前記橋梁の各々の上面に打設された後打ちコンクリートと、
前記橋台と前記橋梁の各々の側の前記後打ちコンクリートの間隙に充填された目地材と、
前記後打ちコンクリートの上に、前記桁遊間部を横断するように配置された第1防水構造と、
前記第1防水構造の上に形成された少なくとも一層の路盤層と、
一対の前記枠板の間に配置された第2防水構造と、
を含む埋設ジョイント構造を提供する。
一対の前記枠板の各々の対向面に当該枠板の長辺方向に沿って平行に配置された一対のレール部材と、
前記枠板の各々の対向面と反対側の背面に固定された複数のアンカー接続部材と、
個々の前記アンカー接続部材に固定され、一対の前記枠板の仮想設置面に対する高さを調節する設置高さ調節構造と、
一対の前記枠板の背面に跨がるように固定された少なくとも一つの仮止め金具と、
を含む埋設ジョイント施工金具組立体を提供する。
この構造により、ジョイント接続部からの漏水を止水することが可能である。たとえば、コンクリート橋のなかでも超小遊間部(たとえば、0mm〜30mm程度)を対象とし、優れた止水機能を有する新規な埋設ジョイントを提供できる。
図1は、本発明の一実施の形態である埋設ジョイント構造の施工部の一部を破断して例示した斜視図である。
図3は、本実施の形態の埋設ジョイント構造の二次止水構造の部分を拡大して例示した断面図、図4は、二次止水構造等の接続部の断面図である。
本実施の形態の金具組立体10は、細長い長方形の枠板11および枠板12が、その上側の対応する長辺が近接し、下側の対応する長辺が離間し、頂角(対向角θと記す)が、例えば60度の二等辺三角形の二辺をなすように傾斜して対向するように配置されている。
個々のアンカー取付リブ13の自由端側には、高さ調節構造14(設置高さ調節構造)が設けられている。
高さ調節構造14は、アンカー取付リブ13の一側面に対して前記仮想的な設置面に平行に固定されたナット取付リブ14a、このナット取付リブ14aの下面に固定された固定ナット14b、固定ナット14bに上方から螺合する高さ調節ボルト14cで構成されている。
同様に、図11、図12、図13等に例示されるように、枠板11および枠板12の長さ方向の中央部の背面には、門形のセットジベル15の両足部がそれぞれ溶接等で固定され、枠板11および枠板12の傾斜した対向状態が維持されるように仮止めされている。
なお、傾斜して対向する枠板11および枠板12の上辺部の間隙は、台形緩衝材32が圧入されて閉塞される。この台形緩衝材32は、枠板11および枠板12の対向面に挟まれるシール本体部32aと、目地の役割をするリブ32bが一体に成形された構造であり、リブ32bが鉛直上向きに枠板11と枠板12の間が突出するように設置される。
本実施の形態における金具組立体10の諸元は一例として以下の通りである。枠板11、枠板12、アンカー取付リブ13等は、例えば、厚さが6mmのステンレス鋼で構成される。
図14に例示されるように、本実施の形態のゴムシート付布バッグ31は、筒状のそれぞれ半側面をなすメッシュ部31aおよびゴムシート部31bと、この両者の境界部に長さ方向沿って形成されたリブ31cと、このリブ31cの両端部に長さ方向沿って形成されたガイド突起部31dを備えている。
ゴムシート付布バッグ31の製造方法としては、一例として、同じ幅の長尺の一対のメッシュ構造の布材の一方に全面にゴムシートを一体に貼りつけた後、両者の両側端部をリブ31cの幅で長さ方向に一体に貼り合わせ、リブ31cの端部に、突起状のガイド突起部31dをゴム等で一体に成形することで得られる。
次に、上述のような構成の金具組立体10を用いて施工される本実施の形態の埋設ジョイント構造100の一例について説明する。
さらに、パラペット(胸壁)施工穴111および床版施工穴121の底面の所定の位置に、複数のコンクリートアンカ112およびコンクリートアンカ122を打ち込んで固定する。
図15等に例示されるように、路肩部200に設けられた路肩作業空間210には、一端が、接続金具16を介して金具組立体10(埋設ジョイント構造100)に接続され、多端部が、鉛直上向き方向になるように徐々に上向きに弯曲した布バッグ支持金具220が配置される。
その後、図2等に例示されるように、枠板11および枠板12を型枠の一部として、パラペット(胸壁)施工穴111および床版施工穴121の中に、金具組立体10を覆うように、後打ちコンクリート113、および後打ちコンクリート123を埋設ジョイント施工深さHの深さに打設する。
すなわち、まず、後打ちコンクリート113および後打ちコンクリート123に埋設された金具組立体10の一端に接続された布バッグ支持金具220の側から布バッグガイドレール221を経由して、一対の布バッグ支持レール17のスリット状の開口部17aに、ゴムシート付布バッグ31の一対のリブ31cおよびガイド突起部31dをそれぞれ挿通してガイドさせて徐々に送り込み、ゴムシート付布バッグ31の先端部を、金具組立体10の反対側の路肩部200の開口部に接続された布バッグ支持金具220の開口部に引き出す。
この二次止水構造30の施工後、路肩部200における布バッグ支持金具220および路肩作業空間210は、シール材230によって隠蔽される。
この変形例では、金具組立体10において、上述の板状のアンカー取付リブ13の代わりに、所望の太さのステンレス製棒材等で構成されるアンカー取付棒19(アンカー接続部材)を用いた点が異なっている。その他は、これまでに説明した構造と同等であり、対応する部材には同一符号を付して重複した説明は割愛する。
そして、この図18〜図21に例示される変形例の場合には、板状のアンカー取付リブ13の代わりに、補強鉄筋114、補強鉄筋124と類似形状のアンカー取付棒19を用いたことにより、図19に例示されるように、後打ちコンクリート113、後打ちコンクリート123の打設に際して、コンクリートの流れがアンカー取付棒19によって邪魔されることなく、コンクリート回りが良好となり、打設時間の短縮を実現できる利点がある。
傾斜して対向する枠板11および枠板12で構成される略三角形の底面幅は、例えば、約10cmあるので、後打ちコンクリート113および後打ちコンクリート123の仕上がりの施工誤差を吸収できる。
すなわち、コンクリートパラペット(胸壁)110とコンクリート床版120の間の桁遊間部Gからの漏水を、確実に止めることが可能となる。この結果、桁遊間部Gからの漏水による桁端部、支承および橋脚の劣化抑制を実現できる。
11 枠板
12 枠板
13 アンカー取付リブ
13a 鉄筋貫通孔
14 高さ調節構造
14a ナット取付リブ
14b 固定ナット
14c 高さ調節ボルト
15 セットジベル
15a 上辺部
16 接続金具
16a 接続ボルト/ナット
16b ボルト孔
16c 上辺部
17 布バッグ支持レール
17a 開口部
18 レール固定リブ
19 アンカー取付棒
20 間詰部材
20a コーキング材
30 二次止水構造
31 ゴムシート付布バッグ
31a メッシュ部
31b ゴムシート部
31c リブ
31d ガイド突起部
32 台形緩衝材
32a シール本体部
32b リブ
33 シール材
100 埋設ジョイント構造
110 コンクリートパラペット(胸壁)
111 パラペット(胸壁)施工穴
112 コンクリートアンカ
113 後打ちコンクリート
114 補強鉄筋
115 アスファルト舗装レベリング層
120 コンクリート床版
121 床版施工穴
122 コンクリートアンカ
123 後打ちコンクリート
124 補強鉄筋
125 アスファルト舗装レベリング層
130 目地材
140 歴青シート
150 アスファルト舗装表層
160 既設アスファルト舗装表層
161 既設アスファルト舗装レベリング層
200 路肩部
210 路肩作業空間
220 布バッグ支持金具
221 布バッグガイドレール
230 シール材
G 桁遊間部
L 施工長
LG 桁遊間部間隙
W 埋設ジョイント施工幅
θ 対向角
Claims (13)
- 橋台および橋梁の各々における、桁遊間部を挟む端部上面に設置空間を設ける工程と、
前記設置空間における前記橋台および前記橋梁の各々の側に支持され、上辺の間隙が下辺の間隙よりも狭くなるように前記桁遊間部を挟んで傾斜して対向する一対の枠板を設置する工程と、
前記枠板を型枠として前記設置空間にコンクリートを打設する工程と、
前記コンクリートの表面に、前記桁遊間部を覆うように第1防水構造を配置する工程と、
前記第1防水構造の上に少なくとも一層のアスファルト舗装を形成する工程と、
前記桁遊間部に沿って、一対の前記枠板の各々の対向面に配置された一対のレール部材と、一対の前記レール部材に両側面が支持されて一対の前記枠板の間に挿入され、下側半分が防水構造で上側半分がメッシュ構造の筒状の防水バッグと、前記防水バッグの両端から注入され、前記メッシュ構造を通じて一対の前記枠板の間隙に充填されるシール材と、を含む第2防水構造を設置する工程と、
を含む埋設ジョイント構造の施工方法。 - 請求項1記載の埋設ジョイント構造の施工方法において、
前記第2防水構造は、対向する一対の前記枠板の上辺の間隙を塞ぐとともに、前記桁遊間部の隙間変化を吸収する緩衝材を有することを特徴とする埋設ジョイント構造の施工方法。 - 請求項1記載の埋設ジョイント構造の施工方法において、
一対の前記枠板の各々の前記桁遊間部と反対側の背面には、前記コンクリート内の鉄筋を介して、前記橋梁および前記橋台の各々に設置されたアンカーと交差するように当該コンクリート内に埋設される複数のアンカー接続部材が固定され、
個々の前記アンカー接続部材には、前記コンクリートの打設前に、前記枠板の各々の設置高さを調節する設置高さ調節構造が設けられていることを特徴とする埋設ジョイント構造の施工方法。 - 請求項3記載の埋設ジョイント構造の施工方法において、
前記アンカー接続部材は、前記設置空間の深さ方向に略平行に設けられた板状部材、または前記設置空間の底面に略平行に設けられた棒状部材、からなることを特徴とする埋設ジョイント構造の施工方法。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の埋設ジョイント構造の施工方法において、
前記桁遊間部の間隙は、0mmから100mmであることを特徴とする埋設ジョイント構造の施工方法。 - 橋台と橋梁の桁遊間部を挟んで上側が下側よりも狭くなるように傾斜して対向する一対の枠板と、
前記枠板を型枠の一部として前記橋台および前記橋梁の各々の上面に打設された後打ちコンクリートと、
前記後打ちコンクリートの上に、前記桁遊間部を横断するように配置された第1防水構造と、
前記第1防水構造の上に形成された少なくとも一層のアスファルト舗装と、
前記桁遊間部に沿って、一対の前記枠板の各々の対向面に配置された一対のレール部材と、一対の前記レール部材に両側面が支持されて一対の前記枠板の間に挿入され、下側半分が防水構造で上側半分がメッシュ構造の筒状の防水バッグと、前記防水バッグの両端から注入され、前記メッシュ構造を通じて一対の前記枠板の間隙に充填されるシール材と、を含む第2防水構造と、
を含むことを特徴とする埋設ジョイント構造。 - 請求項6記載の埋設ジョイント構造において、
前記第2防水構造は、対向する一対の前記枠板の上辺の間隙を塞ぐとともに、前記桁遊間部の隙間変化を吸収する緩衝材を有することを特徴とする埋設ジョイント構造。 - 請求項7記載の埋設ジョイント構造において、
一対の前記枠板の前記後打ちコンクリートに接する背面には、前記後打ちコンクリート内に埋設される複数のアンカー接続部材が固定されていることを特徴とする埋設ジョイント構造。 - 請求項8記載の埋設ジョイント構造において、
前記アンカー接続部材は、
前記設置空間の深さ方向に略平行に設けられた板状部材、または前記設置空間の底面に略平行に設けられた棒状部材、からなることを特徴とする埋設ジョイント構造。 - 略平行に対向する長辺間の距離が異なるように傾斜して対向する一対の矩形の枠板と、
一対の前記枠板の各々の対向面に当該枠板の長辺方向に沿って平行に配置された一対のレール部材と、
前記枠板の各々の対向面と反対側の背面に固定された複数のアンカー接続部材と、
個々の前記アンカー接続部材に固定され、一対の前記枠板の仮想設置面に対する高さを調節する設置高さ調節構造と、
一対の前記枠板の背面に跨がるように固定された少なくとも一つの仮止め金具と、
を含むことを特徴とする埋設ジョイント施工金具組立体。 - 請求項10記載の埋設ジョイント施工金具組立体において、
前記仮止め金具は、
一対の前記枠板の長さ方向の中央部に設けられた第1仮止め金具と、
前記枠板の両端にそれぞれ設けられ、当該枠板を長さ方向に継ぎ足すためのねじ挿通孔を備えた第2仮止め金具と、
を含むことを特徴とする埋設ジョイント施工金具組立体。 - 請求項10記載の埋設ジョイント施工金具組立体において、
個々の前記アンカー接続部材は、鉄筋挿通孔が形成された板状アンカー接続部材からなる、
ことを特徴とする埋設ジョイント施工金具組立体。 - 請求項10記載の埋設ジョイント施工金具組立体において、
個々の前記アンカー接続部材は、棒状アンカー接続部材からなる、
ことを特徴とする埋設ジョイント施工金具組立体。
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