以下、図面を参照して、本発明による遊技機の実施形態について説明する。なお、実施形態の説明における前後左右とは、遊技盤に向かって見た方向(遊技者から見た方向)を指すものとする。
図1を参照して、本発明の実施形態における遊技機1について説明する。図1は、遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠2にヒンジ3を介して右側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠4を備える。開閉枠4は、前面枠5及びガラス枠6によって構成される。
前面枠5には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス6aを備えたガラス枠6が取り付けられる。前面枠5及びガラス枠6は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。
ガラス枠6のカバーガラス6aの周囲には、装飾部材7が配設されている。装飾部材7の内部にはLED等によって構成された枠装飾装置21(図5参照)が収容されており、枠装飾装置21を制御することによって装飾部材7における発光状態を調整することができる。
ガラス枠6の上部には照明ユニット8が配設され、照明ユニット8の左右両側には可動式照明9が配設される。照明ユニット8は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出を行う。可動式照明9は、LED等の照明部材と、照明部材を駆動する照明駆動モータ等から構成される枠演出装置22(図5参照)とを備える。可動式照明9の枠演出装置22は、遊技状態に応じて照明部材を駆動(例えば回転駆動)するように制御される。なお、照明ユニット8及び可動式照明9の内部に配設される照明部材も、枠装飾装置21(図5参照)の一部を構成している。
遊技機1は、効果音や警報音、報知音等を発する上スピーカ10a及び下スピーカ10bを備える。上スピーカ10aはガラス枠6の上両側部に配置され、下スピーカ10bは上皿ユニット11を構成する上皿11aの下方に配置される。
左側部に配設される可動式照明9の近傍には、遊技機1における異常を報知するための遊技状態報知LED12が設けられている。遊技機1において異常が発生した場合には、遊技状態報知LED12が点灯又は点滅するとともに、上スピーカ10a及び下スピーカ10bから異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施等が含まれる。不正行為には、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や遊技機1を振動させる行為等が含まれる。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ23(図4参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ24(図4参照)によって振動を検出したりすることで検知される。
また、不正に開閉枠4を開放する行為も不正行為に含まれる。前面枠5の開閉状態は前面枠開放検出スイッチ(SW)25(図4参照)によって検出され、ガラス枠6の開閉状態はガラス枠開放検出スイッチ(SW)26(図4参照)によって検出される。
ガラス枠6のカバーガラス6aの下方には、上皿11aを含む上皿ユニット11が備えられる。上皿11aは、前面枠5に設けられた球発射装置(図示省略)に遊技球を供給する。
ガラス枠6の下方位置であって前面枠5に固定される固定パネル13には、下皿14と、球発射装置を駆動するための操作部15とが備えられる。遊技者が操作部15を回動操作することによって、球発射装置は上皿11aから供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域31(図2参照)に発射する。下皿14には、当該下皿14に貯留された遊技球を外部へ排出するための球抜き機構16が設けられる。
上皿ユニット11には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン17が上皿11aの手前側に配設されている。遊技者が演出ボタン17を操作することによって、変動表示装置35(図2参照)での変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことができ、また通常遊技状態においては演出パターン(演出態様)を変更することができる。
なお、通常遊技状態とは、特定の遊技状態が発生していない遊技状態である。特定の遊技状態とは、例えば変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の確変状態、変動表示ゲームの単位時間当たりの実行数を向上させることが可能な時短状態、大当り遊技状態(特別遊技状態)、又は小当り遊技状態等である。
ガラス枠6の装飾部材7の下部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン18と、カードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させるために操作される排出ボタン19とが配設される。球貸ボタン18及び排出ボタン19の間には、プリペイドカード等の残高を表示する残高表示部20が設けられている。
図2及び図3を参照して、遊技機1に配設される遊技盤30について説明する。図2は、演出装置60が演出動作を実施していない場合における遊技機1の遊技盤30の正面図である。図3は、演出装置60の一部が演出動作を実施している場合における遊技機1の遊技盤30の正面図である。
図2及び図3に示すように、遊技盤30は、合板やプラスチック等からなる矩形状の遊技盤本体32の表面に、区画部材としてのガイドレール33を設けることで、略円形状の遊技領域31を区画形成している。
遊技領域31には、開口部34aを有するセンターケース(包囲枠体)34が配設される。遊技盤30にはセンターケース34の外周に沿った形状の開口が形成され、センターケース34はその開口に遊技盤30の前方から嵌装される。
遊技盤30の裏面には、変動表示装置35が制御ベースユニット50(図6参照)を介して配設される。変動表示装置35は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な表示部35aを有する。制御ベースユニット50には、動作演出や発光演出を実行可能な演出装置60が配設される。
センターケース34の開口部34aは変動表示装置35の表示部35aに対応して設けられており、変動表示装置35の表示部35aはセンターケース34の開口部34aに臨むように配設される。変動表示装置35の表示部35aは任意の画像を表示可能な液晶表示器であり、表示画面上には複数の識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタ等、遊技の進行に基づく画像が表示される。例えば、変動表示装置35は、表示部35aに複数の変動表示領域(例えば、左側、中央、右側の3つの可変表示領域等)を設定して、各表示領域の各々で独立した画像を表示する。
遊技領域31の下部中央には、遊技球の入賞に基づき特別図柄(特図)変動表示ゲームの始動条件を付与可能な始動入賞口37が配設される。始動入賞口37は、遊技球が入賞した場合に第1特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第1始動入賞口37aと、遊技球が入賞した場合に第2特図変動表示ゲームの始動条件を成立させる第2始動入賞口37bとを備える。
第2始動入賞口37bは、第1始動入賞口37aの直下方に配設されており、左右一対の開閉部材(普通電動役物)37cを備えている。開閉部材37cは、通常状態においては、遊技球の直径程度の間隔を空けた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合(普図変動表示ゲームが当りとなった場合)には、駆動装置としての普電ソレノイド27(図4参照)によって、先端が開くように開閉部材37cが回動され、第2始動入賞口37bに遊技球が流入しやすい状態(遊技者にとって有利な状態)となる。
遊技領域31における第2始動入賞口37bの下方には、遊技状態に応じて遊技球を受け入れない状態と受け入れやすい状態とに変換可能な開閉扉を有する大入賞口38が配設される。また、遊技領域31におけるセンターケース34の左側方には、遊技球が通過した場合に普通図柄(普図)変動表示ゲームの始動条件を成立させる普図始動ゲート39が配設される。さらに、遊技領域31における始動入賞口37の両側方には、遊技球が入賞した場合に賞球を払い出す条件だけが成立する一般入賞口40が複数配設される。
これらの他に遊技領域31には、遊技球の落下方向を変える風車(図示省略)や釘(図示省略)等の方向変換部材や、入賞せずに流下した遊技球を回収するアウト口41が配設される。
遊技盤30の右下部には、特図変動表示ゲームの特図の変動表示、特図入賞記憶数(特図変動表示ゲームの始動記憶数)、普図変動表示ゲームの普図の変動表示、普図入賞記憶数(普図変動表示ゲームの始動記憶数)、及び大当たりの決定ラウンド数を表示する状態表示器42が配設される。
上記のように構成される遊技機1では、球発射装置(図示省略)によって打ち出された遊技球は、ガイドレール33の内周壁に沿って区画された発射球案内通路43を通って遊技領域31に発射され、方向変換部材(図示省略)によって落下方向を変えながら遊技領域31内を流下する。遊技領域31内を流下した遊技球は、始動入賞口37、一般入賞口40、大入賞口38に入賞するか、アウト口41から排出される。
なお、始動入賞口37、一般入賞口40、大入賞口38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として払出装置(図示省略)から排出される。
始動入賞口37(第1始動入賞口37a又は第2始動入賞口37b)に遊技球が入賞すると、変動表示装置35では三つの数字等で構成される識別情報が順に変動表示する特図変動表示ゲームが開始され、特図変動表示ゲームに関する画像が表示部35aに表示される。始動入賞口37への遊技球の入賞が所定タイミングでなされた場合には、特図変動表示ゲームの結果が特別結果(大当たり状態)となり、三つの表示図柄が揃った状態で停止する。この場合には大入賞口38の開閉扉が制御され、大入賞口38は、所定時間経過するまで又は所定数の遊技球が入賞するまで、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)となる。大入賞口38が開状態となることによって、遊技者には多くの遊技球を獲得可能な遊技価値が付与される。大入賞口38の開閉扉の開閉は、大入賞口ソレノイド28(図4参照)を介して行われる。
また、遊技球が普図始動ゲート39を通過すると、状態表示器42で普図変動表示ゲームが開始される。普図始動ゲート39への遊技球の通過が所定のタイミングでなされた場合には普通変動表示ゲームが当たり状態となり、状態表示器42に表示される普通図柄が当たり状態で停止する。この場合には、第2始動入賞口37bに設けられた開閉部材37cが普電ソレノイド27(図4参照)に駆動され所定時間だけ拡開し、第2始動入賞口37bへの遊技球の入賞可能性が高められる。
なお、始動入賞口37、一般入賞口40、大入賞口38に入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に設けられたアウト口41から遊技機1の外部に排出される。
一方、制御ベースユニット50の制御ベース51(図6参照)を介して遊技盤30に配設される演出装置60は、遊技の進行に伴い所定の演出動作を行う装置である。演出装置60の前方にはセンターケース34が配設されており、演出装置60の後方には変動表示装置35が配設されている。演出装置60は、下部演出装置61と、上部演出装置62とから構成されている。
下部演出装置61は、センターケース34の下部に対応する位置に、第1可動演出ユニット100、第2可動演出ユニット200、及び第3可動演出ユニット300を備える。上部演出装置62は、センターケース34の上部に対応する位置に配設される第4可動演出ユニット400と、第4可動演出ユニット400の前方に配設されるロゴユニット500とを備える。これら演出用のユニット100〜500は、変動表示装置35の表示部35aの外縁に沿うように配置されている。
第1可動演出ユニット100、第2可動演出ユニット200、及び第4可動演出ユニット400は、遊技の進行状態に応じて、初期位置(図2参照)から変動表示装置35の表示部35aの中央寄りの最大回動位置(図3参照)まで回動可能に構成されている。図3に示すように、第1可動演出ユニット100の第1可動演出部110及び第4可動演出ユニット400の第4可動演出部410が最大回動位置にある状態では、初期位置において第1可動演出部110及び第4可動演出部410によって遮蔽されていた表示部35aの遮蔽部分(左上部分及び右下部分)36が露出して、視認可能となる。このように、変動表示装置35の表示部35aは、最大回動位置にある第1可動演出部110及び第4可動演出部410によって、左上部分、中央部分、右下部分の3つの領域に区画される。
なお、第1〜第3可動演出ユニット100〜300を有する下部演出装置61の詳細については図12〜図27を参照して後述し、第4可動演出ユニット400及びロゴユニット500を有する上部演出装置62の詳細については図28〜図36を参照して後述する。
次に、図4及び図5を参照して、遊技機1に備えられる遊技制御装置600及び演出制御装置700について説明する。図4は、遊技機1の遊技制御装置600を中心とする制御系を示すブロック構成図である。図5は、遊技機1の演出制御装置700を中心とする制御系を示すブロック構成図である。
図4に示す遊技制御装置600は、遊技機1における遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)である。遊技制御装置600には、電源装置800、払出制御装置640、及び演出制御装置700が接続される。遊技制御装置600は、払出制御装置640や演出制御装置700に制御信号(コマンド)を送信し、各種処理の実行を指示する。さらに、遊技制御装置600には、各種スイッチや制御対象のソレノイド等が接続される。
遊技制御装置600は、各種演算処理を行うCPU部610と、各種信号の入力を受け付ける入力部620と、各種信号や制御信号を出力する出力部630とを備える。CPU部610、入力部620及び出力部630は、互いにデータバス680によって接続される。
入力部620は、遊技盤30等に設けられた各種スイッチから出力される信号や払出制御装置640から出力される信号を受け付ける。この入力部620は、近接インターフェース(I/F)621及び入力ポート622、623を備える。
入力ポート622、623は、近接I/F621を介して入力される信号を受け付けたり、外部から入力される信号を直接受け付けたりする。入力ポート622、623に入力した情報は、データバス680を介してCPU部610等に提供される。
近接I/F621は、各種スイッチから出力された信号を受け付け、それら入力信号を変換して入力ポート622に出力するインターフェースである。近接I/F621には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートスイッチ(SW)603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605が接続される。
第1始動口スイッチ601は、遊技球が第1始動入賞口37aに入賞したことを検出するスイッチである。第2始動口スイッチ602は、遊技球が第2始動入賞口37bに入賞したことを検出するスイッチである。ゲートSW603は、遊技球が普図始動ゲート39を通過したことを検出するスイッチである。入賞口スイッチ604a〜604nは、遊技球が一般入賞口40に入賞したことを検出するスイッチである。
第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602の検出信号は、入力ポート622に出力されるとともに、CPU部610の反転回路612を介して遊技用マイコン611に出力される。これは、遊技用マイコン611の信号入力端子がロウレベルを有効レベルとして検知するように設計されているためである。
カウントスイッチ605は、遊技球が大入賞口38に入賞したことを検出するスイッチである。カウントスイッチ605によって遊技球の入賞が検出されると、入賞した遊技球の数がカウントされ、カウントされた遊技球の数が遊技制御装置600に備えられたメモリに記憶される。
近接I/F621への入力信号の電圧は、通常時には所定範囲内となっているため、近接I/F621によれば、各種スイッチからの信号の電圧値に基づいて各種スイッチにおけるリード線の断線、ショート、電圧値異常等を検出できる。このような異常を検出すると、近接I/F621は、異常検知出力端子から異常を示す信号を出力する。
なお、近接I/F621に接続されるスイッチのコネクタの着脱によって、近接I/F621に入力される信号の出力値(ON/OFF)が切り替わるため、近接I/F621はスイッチが接続されていない場合であっても出力を一定に維持するように構成されている。
また、入力ポート622には磁気センサスイッチ23及び振動センサスイッチ24からの信号が直接入力され、入力ポート623には前面枠開放検出スイッチ(SW)25及びガラス枠開放検出スイッチ(SW)26からの信号が直接入力される。入力ポート623には、払出制御装置640からの各種信号も入力される。
磁気センサスイッチ23は、発射された遊技球の軌道を磁石によって操作する不正行為を検出するために磁力を検出する。振動センサスイッチ24は、遊技機1を振動させる不正行為を検出するために遊技機1の振動を検出する。
前面枠開放検出SW25は、前面枠5が開放されたことを検出する。前面枠開放検出SW25は、前面枠5が本体枠2から開放されるとオンに設定され、前面枠5が本体枠2に閉止されるとオフに設定される。
ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が開放されたことを検出する。ガラス枠開放検出SW26は、ガラス枠6が前面枠5から開放されるとオンに設定され、ガラス枠6が前面枠5に閉止されるとオフに設定される。
遊技制御装置600のCPU部610は、遊技用マイコン611と、反転回路612と、水晶発振器613とを備える。
遊技用マイコン611は、CPU611a、ROM611b、及びRAM611cを有しており、入力部620を介して入力された信号に基づいてROM611bに記憶されたプログラムを実行して大当り抽選等の各種処理を実行する。遊技用マイコン611は、出力部630を介して、遊技状態報知LED12や状態表示器42等から構成される一括表示装置、普電ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、演出制御装置700、及び払出制御装置640に制御信号を送信し、遊技機1を統括的に制御する。遊技用マイコン611は、チップセレクトで、信号を入力又は出力するポートを選択している。
ROM611bは、不揮発性の記憶媒体であり、遊技制御のためのプログラムやデータ等を記憶する。
RAM611cは、揮発性の記憶媒体であり、遊技制御に必要な情報(例えば、乱数値など)を一時的に記憶するワークエリアとして利用される。
反転回路612は、近接I/F621を介して入力された信号(第1始動口スイッチ601及び第2始動口スイッチ602からの信号)の論理値を反転させて遊技用マイコン611に出力する。
水晶発振器613は、タイマ割込み、システムクロック信号、大当り抽選等を行うためのハード乱数の動作クロック源として構成されている。
遊技制御装置600の出力部630は、ポート631a〜631eと、バッファ632a、632bと、ドライバ633a〜633dと、フォトカプラ634とを備える。
ポート631a〜631eは、データバス680を介して入力された信号を受け付ける。
バッファ632a、632bは、データバス680やポート631a、631bを介して入力された信号を一時的に保持する。
ドライバ633a〜633dは、ポート631c〜631eを介して入力される信号から各種駆動信号を生成して各装置に出力する。
フォトカプラ634は、外部の検査装置670に接続可能に構成されており、入出力される各種信号からノイズを除去して各種信号の波形を整形する。フォトカプラ634と検査装置670との間は、シリアル通信によって情報が送受信される。
払出制御装置640には、ポート631aを介してパラレル通信によってCPU部610から出力された情報が送信される。払出制御装置640に対しては片方向通信を担保する必要がないため、ポート631aから払出制御装置640の払出制御基板に制御信号が直接送信される。
払出制御装置640は、遊技制御装置600からの賞球指令信号に基づいて払出ユニット(図示省略)から賞球を排出させたり、カードユニット(図示省略)からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットから貸球を排出させたりする。払出制御装置640は、球切れや故障等の障害が発生した場合に、払出異常ステータス信号やシュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号を遊技制御装置600に出力する。
払出異常ステータス信号は、遊技球の払い出しが正常に行われていない場合に出力される信号である。払出シュート球切れスイッチ信号は、払い出し前の遊技球が不足している場合に出力される信号である。オーバーフロースイッチ信号は、下皿14(図1参照)に所定量以上の遊技球が貯留されている場合に出力される信号である。
演出制御装置700には、出力部630のポート631aからのデータストローブ信号(SSTB)及びポート631bからの8bitのデータ信号がバッファ632aを介して入力する。データストローブ信号(SSTB)は、データの有効又は無効を示す1bitの信号である。バッファ632aからの8+1bitの信号(サブコマンド)は、パラレル通信で出力される。バッファ632aは、演出制御装置700から遊技制御装置600に信号を送信できないようにして片方向通信を担保するために設けられている。演出制御装置700に送信されるサブコマンドには、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等の演出制御指令信号が含まれる。
大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27には、ポート631c及びドライバ633aを介して、CPU部610から出力された信号が入力する。大入賞口ソレノイド28は大入賞口38の開閉扉を開閉する。普電ソレノイド27は、第2始動入賞口37bの開閉部材37cを開閉する。
一括表示装置は、遊技状態報知LED12及び状態表示器42等から構成されている。一括表示装置のLEDのアノード端子はセグメント線を介してドライバ633cに接続し、このドライバ633cとポート631dとが接続している。一括表示装置のLEDのカソード端子はデジット線を介してドライバ633bと接続し、このドライバ633bとポート631cとが接続している。一括表示装置のLEDのアノード端子にはドライバ633cからのオン/オフ駆動信号が入力され、一括表示装置のLEDのカソード端子からはドライバ633bにオン/オフ駆動信号が出力される。
外部情報端子660は、変動表示ゲームの開始を示すスタート信号や大当たり状態の発生を示す特賞信号等の遊技データを情報収集端末装置に出力するための端子である。遊技データは、ポート631e及びドライバ633dを介して外部情報端子660に出力される。
遊技制御装置600は、中継基板650を介して、外部の試射試験装置に接続可能に構成されている。試射試験装置は、所定機関において遊技機1の型式試験を行うための装置である。試射試験装置には、第1始動口スイッチ601、第2始動口スイッチ602、ゲートSW603、入賞口スイッチ604a〜604n、及びカウントスイッチ605からの信号や、大入賞口ソレノイド28及び普電ソレノイド27に出力される信号等、試射試験に必要な信号が入力される。
遊技制御装置600は、入力部620に設けられるシュミット回路624を介して、電源装置800に接続している。シュミット回路624は、電源の立ち上がり時や電源遮断時において遊技機1の動作が不安定になることを防ぐために、入力信号の揺らぎ(ノイズ)を除去する回路である。シュミット回路624には、電源装置800からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号が入力される。
電源装置800は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータや、DC32Vの電圧からDC12V、DC5V等のより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータを有する通常電源部810と、遊技用マイコン611の内部のRAM611cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部820と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置600に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号等の制御信号を生成して出力する制御信号生成部830とを備える。
バックアップ電源部820は、遊技用マイコン611のRAM611cに記憶された遊技データをバックアップするための電源である。遊技制御装置600は、停電復旧後、RAM611cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。
制御信号生成部830は、DC12V及びDC5Vを生成するスイッチングレギュレータの入力電圧(保証DC32V)を監視する。検出電圧がDC17.2V〜DC20.0Vのときに停電と判定し、制御信号生成部830から停電監視信号が出力される。停電監視信号は、シュミット回路624を経由して、入力部620の入力ポート623に入力する。停電監視信号の出力後には、停電監視回路はリセット信号を出力する。リセット信号は、シュミット回路624を経由して、遊技用マイコン611及び出力部630の各ポート631a〜631eに入力する。遊技制御装置600は、停電監視信号を受け付けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受け付けた後にCPU部610の動作を停止させる。
制御信号生成部830は初期化スイッチ(図示省略)を備えており、電源投入時に初期化スイッチがON状態となっている場合に、制御信号生成部830から初期化スイッチ信号が出力される。初期化スイッチ信号は、シュミット回路624を介して、入力部620の入力ポート623に入力する。初期化スイッチ信号は、遊技用マイコン611のRAM611c及び払出制御装置640のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する信号である。
図5に示すように、演出制御装置700は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)710と、主制御用マイコン710の制御下で映像制御等を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)720と、映像制御用マイコン720からのコマンドやデータに従って変動表示装置35(図2参照)への映像表示のための画像処理を行うVDP(Video Display Processor)730と、各種メロディや効果音等を上スピーカ10a及び下スピーカ10bから再生させる音源LSI705とを備える。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)702、703がそれぞれ接続され、VDP730にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM704が接続され、音源LSI705には音声データが記憶された音声ROM706が接続されている。主制御用マイコン710は、遊技制御装置600の遊技用マイコン611からのコマンドを解析し、映像制御用マイコン720へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI705への再生音の指示、LED等の点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理等の処理を実行したりする。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720の作業領域を提供するRAM711、721は、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAM711、721はチップの外部に設けるようにしてもよい。
主制御用マイコン710と映像制御用マイコン720との間、主制御用マイコン710と音源LSI705との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。これに対して、主制御用マイコン710とVDP730との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP730には、画像ROM704から読み出されたキャラクタ等の画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)731、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ732、及びLVDS(小振幅信号伝送)方式で変動表示装置35へ送信する映像信号を生成する信号変換回路733が設けられる。
VDP730から主制御用マイコン710へは、変動表示装置35の映像と、前面枠5や遊技盤30に設けられるLED等の点灯とを同期させるために垂直同期信号VSYNCが出力される。また、VDP730から映像制御用マイコン720へは、VRAM731への描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン720からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが出力される。
映像制御用マイコン720から主制御用マイコン710へは、映像制御用マイコン720が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが出力される。
主制御用マイコン710と音源LSI705との間においては、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン720には、主制御用マイコン710よりも高速なCPUが使用されている。主制御用マイコン710とは別に映像制御用マイコン720を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン710のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を変動表示装置35に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン720と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。
演出制御装置700は、遊技制御装置600から送信されるコマンドを受信するためのインタフェースチップ(コマンドI/F)701を備えている。演出制御装置700は、コマンドI/F701を介して、遊技制御装置600から送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置600の遊技用マイコン611はDC5Vで動作し、演出制御装置700の主制御用マイコン710はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F701には信号のレベル変換の機能が設けられている。
演出制御装置700には、センターケース34や遊技盤30に設けられるLED等を含む盤装飾装置760を制御する盤装飾LED制御回路741、前面枠5等に設けられるLED等を含む枠装飾装置21を制御する枠装飾LED制御回路742、変動表示装置35における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物や演出装置60等を含む盤演出装置770を駆動制御する盤演出モータ/SOL(ソレノイド)制御回路743、可動式照明9の照明駆動モータ等を含む枠演出装置22を駆動制御する枠演出モータ制御回路744が設けられている。これら制御回路741〜744は、アドレス/データバス740を介して主制御用マイコン710に接続されている。
また、演出制御装置700には、演出ボタン17(図1参照)が操作されたことを検知する演出ボタンスイッチ(SW)751や各種駆動モータが駆動されたことを検知する演出モータスイッチ(SW)752a〜752nのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン710へ検出信号を送信するスイッチ(SW)入力回路750、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するオーディオパワーアンプ等からなるアンプ回路707、708が設けられている。
電源装置800の通常電源部810は、演出制御装置700及び当該演出制御装置700によって制御される電子部品に対して所定レベルの直流電圧を供給するために、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、駆動モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる変動表示装置35を駆動するためのDC12V、コマンドI/F701の電源電圧となるDC5Vの他に、上スピーカ10a及び下スピーカ10bを駆動するためのDC18Vや、これらの直流電圧の基準としたり、電源モニタランプを点灯させたりするのに使用するNDC24Vの電圧を生成することが可能となっている。
電源装置800の制御信号生成部830により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン710、映像制御用マイコン720、VDP730、音源LSI705、各種制御回路741〜744、707、708に供給され、これらをリセット状態にする。電源装置800は、映像制御用マイコン720の有する汎用のポートを利用して、VDP730に対するリセット信号を生成して供給する機能を有している。これにより、映像制御用マイコン720とVDP730の動作の連携性を向上させることができる。
次に、図6〜図10を参照して、遊技機1のセンターケース34及び制御ベースユニット50の詳細について説明する。
図6は、センターケース34及び制御ベースユニット50の斜視図である。図7は、センターケース34及びカバー部材90の斜視図である。図8はカバー部材90の斜視図であり、図9はカバー部材90を配設した状態のセンターケース34の上方斜視図である。図10は、制御ベースユニット50の分解斜視図である。
図2及び図6に示すように、センターケース34は遊技盤30の前面に取り付けられ、制御ベースユニット50は遊技盤30の裏面に取り付けられる。
図6及び図7に示すように、センターケース34は、開口部34aを有する異形リング状部材であり、合成樹脂にて形成されている。センターケース34は、遊技盤30に形成された開口に嵌装される嵌装部45aと、嵌装部45aに対して鍔状に形成される鍔部45bとからなるケース本体45を備え、鍔部45bを介して遊技盤30に固定される。したがって、センターケース34は、鍔部45bよりも前方側が遊技領域31(図2参照)内に配設されることになる。
ケース本体45の前面には、前方に立設して形成され、遊技領域31を流下する遊技球を案内するガイド部46が配設される。ガイド部46は、センターケース34の開口部34aに沿うように形成される。
図6及び図10に示すように、制御ベースユニット50は、遊技盤30の裏面に設置される枠状の制御ベース51と、制御ベース51の前面に配設される演出装置60と、制御ベース51の裏面に配設される変動表示装置35(図2参照)とを備える。
制御ベース51には、演出装置60を収容可能な収容部51aと、変動表示装置35の表示部35aが臨む開口部51bとが形成されている。変動表示装置35は制御ベース51の裏面に取り付けられており、変動表示装置35の表示部35aは開口部51bを介して視認可能となっている。
演出装置60を構成する第1〜第4可動演出ユニット100〜400及びロゴユニット500は、開口部51bの外縁に沿うように、収容部51aに収容される。
図6、図7、及び図9に示すように、センターケース34は、遊技領域31(図2参照)を流下する遊技球をセンターケース34の内側に導くためのワープ通路70と、ワープ通路70を通過した遊技球が転動可能であって、転動した遊技球を第1始動入賞口37a(図2参照)の上方の遊技領域31へと流下させるステージ部80とを備える。
ワープ通路70は、流入口71と、流路72と、排出口73とを備える。
流入口71は、遊技領域31を流下する遊技球を受け入れるために、左斜め上方に向けて遊技領域31に開口する。
流路72は、流入口71から流入した遊技球を通過させる通路である。流路72は、遊技球の通過速度を弱めるため蛇行して形成される。
排出口73は、流路72の下流に形成され、ステージ部80の左端部に開口する。排出口73は、流路72を通過した遊技球を、ステージ部80の前方から後方に向かって排出するように形成されている。
ステージ部80は、センターケース34の下部に形成されている。ステージ部80は、センターケース34の内側底部において左右方向に延設され、かつ中央部が第1始動入賞口37aの直上方となるように配設される転動部81を備える。
転動部81は、遊技球が転動可能に構成されており、左右両端部と中央部とが高い波状に形成されている。
転動部81の中央部には、前方に向かって下り傾斜した第1球案内部82と、第1球案内部82によって案内された遊技球を第1始動入賞口37aの直上方の遊技領域31に誘導する誘導通路83とが形成される。第1球案内部82から誘導通路83に流入した遊技球は、転動部81の下方を通過して、センターケース34の下部前面に形成された球流出口83aから遊技領域31に排出される。
また、第1球案内部82の両側方の谷部には、遊技領域31(前方)に向かって下り傾斜した第2球案内部84が形成される。
ワープ通路70からステージ部80に導かれた遊技球は、転動部81を転動した後、第1球案内部82から誘導通路83を通過して遊技領域31に排出されるか、又は第2球案内部84から遊技領域31に排出される。誘導通路83の球流出口83aは第1始動入賞口37aの直上方に形成されるのに対して、第2球案内部84は第1始動入賞口37aから左右側にずれた位置に形成されているので、誘導通路83を通過して排出される遊技球の方が、第2球案内部84から排出される遊技球と比較して、第1始動入賞口37aに入賞する確率が高くなる。
図7〜図9に示すように、センターケース34の裏面には、開口部34aを塞ぐようにして透明な板状のカバー部材90が配設される。このカバー部材90によってステージ部80と演出装置60(図6参照)とは隔てられるため、ワープ通路70を通過してステージ部80に導かれた遊技球が演出装置60と干渉することがなく、演出装置60の破損を防止することができる。
カバー部材90は、初期位置にある第2可動演出ユニット200の第2可動演出部210(図6参照)の外周に対応して設けられる装飾部91と、左右上部において前方に突出形成される膨出部92と、第3可動演出ユニット300の第3可動演出部310(図6参照)の前方を覆うように突出形成される突出部93と、を備える。
装飾部91は、第2可動演出ユニット200の第2可動演出部210(図6参照)の前面に施された花模様の装飾と関連する花弁模様が複数配列された装飾として形成されている。このようにカバー部材90は、装飾部91を備えるので、遊技球と演出装置60との干渉を防止できるだけでなく、カバー部材90自体の装飾性を向上させることもできる。なお、装飾部91は、第2可動演出ユニット100以外の演出ユニットに施された装飾と関連する装飾として形成してもよい。
膨出部92においては、前面側が前方に突出形成され、裏面側が凹状に形成されている。膨出部92の裏面には、LEDからなる発光部(図示省略)が取り付けられる。膨出部92の前面は、発光部から照射されたLED光を透過させるとともに、LED光を散乱させるレンズ部92aとして形成される。カバー部材90の前方に配設されるセンターケース34は膨出部92と対応する位置に花の形状を模した透光性の装飾部材34bを複数備えており、これら装飾部材34bでは膨出部92の発光部からのLED光を利用して発光演出が可能となっている。このように発光部をセンターケース34ではなくカバー部材90の膨出部92に設けることで、センターケース34を遊技盤30に組み付ける際に配線の取り回し等を考慮しなくてよくなり、センターケース34の組み付け作業性が向上する。また、膨出部92の前面にはレンズ部92aが設けられるので、発光演出効果を向上させることができる。
突出部93は、第3可動演出ユニット300の第3可動演出部310(図6参照)の前方に形成される。センターケース34の裏面にカバー部材90が配設されて状態では、カバー部材90の突出部93は、センターケース34のワープ通路70の後方に位置する。このとき突出部93はステージ部80の転動部81の左端部を閉塞する壁部として機能するので、ワープ通路70の排出口73からの遊技球が突出部93側に排出されても、図9の破線矢印に示すように、遊技球は突出部93に衝突した後に転動部81の中央に向かって転動することが可能となる。
次に、図10及び図11を参照して、演出装置60について説明する。図10は、制御ベースユニット50の分解斜視図である。図11は、演出装置60の分解斜視図である。
演出装置60は、制御ベース51の収容部51a内に配設される。演出装置60は、下部演出装置61と上部演出装置62とから構成される。
下部演出装置61は、第1可動演出ユニット100と、第2可動演出ユニット200と、第3可動演出ユニット300とを備える。これら第1〜第3可動演出ユニット100〜300は、下部取付ベース63を介して、制御ベース51の収容部51aの下部に取り付けられる。
上部演出装置62は、第4可動演出ユニット400と、第4可動演出ユニット400の前方に配設されるロゴユニット500とを備える。第4可動演出ユニット400及びロゴユニット500は、上部取付ベース64を介して、制御ベース51の収容部51aの上部に取り付けられる。
以下では、図12〜図27を参照して、下部演出装置61を構成する第1〜第3可動演出ユニット100〜300の詳細について説明し、図28〜図36を参照して、上部演出装置62を構成する第4可動演出ユニット及びロゴユニット500の詳細を説明する。
<第1可動演出ユニット及び第2可動演出ユニット>
図12〜図17を参照して、第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の構成について説明する。
図12(A)及び図12(B)は、下部演出装置61の正面図及び斜視図である。図13は、下部演出装置61の分解斜視図である。図14は、第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の分解斜視図である。図15は、初期位置にある場合の第1可動演出ユニット100の正面図である。図16は、第2可動演出ユニット200の分解斜視図である。図17(A)は初期位置にある場合の第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の正面図であり、図17(B)は最大回動位置にある場合の第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の正面図である。なお、図15、図17(A)、及び図17(B)においては、第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の構成の理解を容易にするため、一部の部材を省略している。
図12(A)に示すように、第1可動演出ユニット100は下部取付ベース63の下部において左右方向に亘って配設され、第2可動演出ユニット200は下部取付ベース63の右側部に配設される。第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200は、遊技状態に応じて第1可動演出部110及び第2可動演出部210を動作させて、動作演出を実行する演出装置である。
第1可動演出ユニット100の第1可動演出部110は、初期位置(図2参照)と最大回動(上限)位置(図3参照)との間で回動するように構成されている。第2可動演出ユニット200の第2可動演出部210は、初期位置(図2参照)と最大回動(上限)位置(図3参照)との間で第1可動演出部110と同期(連動)して回動するように構成されており、かつ回動動作とは独立して回転可能に構成されている。
図12(A)、図12(B)、及び図13に示すように、第1可動演出ユニット100は、下部取付ベース63に回動自在に配設される第1可動演出部110と、第1可動演出部110と後述する第2可動演出部210とを同期動作させるための駆動力を発生させる第1駆動モータ120と、第1駆動モータ120の駆動力を第1可動演出部110及び第2可動演出部210に伝達する第1動力伝達機構130と、を備える。
図13〜図15に示すように、第1可動演出ユニット100の第1可動演出部110は、下部取付ベース63と当該下部取付ベース63に固定される固定部材101によって両端支持された回動軸102を介して、回動可能に配設されている。第1可動演出部110は、下部取付ベース63の前面に配設される装飾ベース111と、装飾ベース111の前面に設置される前面装飾部112と、装飾ベース111及び前面装飾部112の上面の一部を構成する上面装飾部113と、を備える。
装飾ベース111は、上面の一部が切り欠かれた略矩形状の枠体である。装飾ベース111の左端部には回動軸102を挿通可能な挿通部111aが形成されており、装飾ベース111の右端部の裏面には後述する回動リンク140に係合する係合軸111bが後方に突出形成されている(図18(B)参照)。装飾ベース111の前面には、前面装飾部112が取り付けられる。
前面装飾部112は、上面の一部が切り欠かれた略矩形状の枠体である。前面装飾部112は、左端部に形成され回動軸102を挿通可能な挿通部112aと、装飾性を向上させるために設けられたメッキ部112bと、透光性を有する花弁形状のレンズ部112cとを備える。レンズ部112cは、前面装飾部112の前面に複数設けられる。
前面装飾部112が装飾ベース111に設置された状態では、前面装飾部112及び装飾ベース111の両上面の切欠部分が一体となって上面開口を形成する。上面装飾部113は、上面開口を覆うように、前面装飾部112及び装飾ベース111に取り付けられる。上面装飾部113は、透光性を有するレンズ部材として形成されており、前述の通り、装飾ベース111及び前面装飾部112の上面の一部を構成している。
装飾ベース111と前面装飾部112との間にはLED等からなる発光部(図示省略)が配設されており、第1可動演出部110では、発光部から照射されたLED光を前面装飾部112のレンズ部112c及び上面装飾部113を介して遊技者に視認させることで、発光演出が実行可能となっている。
図14及び図15に示すように、第1駆動モータ120は、下部取付ベース63の前面右下部に取付られる。第1駆動モータ120の駆動力は、第1動力伝達機構130を介して、第1可動演出部110及び第2可動演出部210に伝達される。
第1動力伝達機構130は、第1駆動モータ120の出力軸に固定される主動ギア131と、主動ギア131と噛合するように下部取付ベース63に回転自在に配設される従動ギア132と、下部取付ベース63に回動可能に配設される回動リンク140とを備える。
従動ギア132及び回動リンク140は、下部取付ベース63と当該下部取付ベース63に設置されるカバー部103との間に配設される。カバー部103は上カバー部103aと下カバー部103bとに分割可能に構成されており、従動ギア132は下部取付ベース63及び下カバー部103bによって両端支持される軸104に軸支されており、回動リンク140は下部取付ベース63及び上カバー部103aによって両端支持される軸105に軸支されている。
なお、下カバー部103bの前面には、従動ギア132及び回動リンク140が視認されるのを防止するために、従動ギア132及び回動リンク140の一部を隠蔽する化粧板106(図13参照)が設置される。
回動リンク140は、略扇形状に形成されたリンク部材である。回動リンク140の基端部141は、前述した軸105によって回動自在に支持されている。回動リンク140は、従動ギア132と噛合するように円弧状の外周部に形成されるギア部142と、外周部から径方向に突出形成される突出部143と、突出部143に形成される第1ガイド溝144と、第1ガイド溝144と基端部141との間の位置に形成される第2ガイド溝145と、を備える。
第1ガイド溝144は長穴状に形成された溝であり、第1ガイド溝144には第1可動演出部110の装飾ベース111の裏面に設けられた係合軸111bが摺動可能に係合する(図18(B)参照)。また、第2ガイド溝145も長穴状に形成された溝であり、第2ガイド溝145には後述する第2可動演出ユニット200の回動アーム220に設けられた駆動軸221が摺動可能に係合する(図18(B)参照)。
上記した第1可動演出ユニット100では、第1駆動モータ120の駆動力に基づいて第1可動演出部110が初期位置と最大回動位置との間で回動することによって、動作演出が実行される。第1可動演出ユニット100は、第1駆動モータ120によって駆動される第1可動演出部110の回動動作を補助するねじりコイルばね(補助機構)150をさらに備える。
図13及び図15に示すように、ねじりコイルばね150は、回動軸102よりも第1可動演出部110の自由端側の位置における下部取付ベース63に配設される。ねじりコイルばね150は、1本の鋼線から形成されたトーションばねであり、鋼線がコイル状に巻き回されたコイル部151と、コイル部151から延設される第1アーム152及び第2アーム153と、を備える。第1アーム152は鋼線の一端(始端)を含み、第2アーム153は鋼線の他端(終端)を含む。
コイル部151は下部取付ベース63に突出形成された軸部に支持され、第1アーム152は下部取付ベース63に形成された係合受部に係合する。
第2アーム153は、第1可動演出部110の重量に抗して第1可動演出部110を上方に付勢するように、第1可動演出部110の下面に下方から当接する。第2アーム153は先端部分が前後方向に延設されるように屈曲されており(図20(B)参照)、この先端部分には第1可動演出部110の下面に当接した状態で摺動可能な円筒状のローラ154が回転自在に配設されている。
ローラ154は、前後方向の後端部寄りの位置に、外周沿って突出するフランジ部154aを備えている。下部取付ベース63には第1可動演出部110の回動に対応するように湾曲したスライド溝155が形成されており、このスライド溝155にローラ154のフランジ部154aがスライド可能に配設される。また、下部取付ベース63には、スライド溝155の形状と対応するように湾曲した長穴状のガイド溝157が形成されており(図20(B)参照)、このガイド溝157には第2アーム153の後端部が摺動可能に係合している。
第1可動演出部110が回動した場合には、ローラ154はスライド溝155に沿って移動するとともに第1可動演出部110の下面を滑らかに摺動し、第1可動演出部110の長手方向の略中央部分を付勢するので、ねじりコイルばね150の付勢力をローラ154を介して安定的(確実)に第1可動演出部110に伝達することができる。
なお、スライド溝155の前面には、スライド溝155の縁部を覆うようにスライド溝155に沿ってスライドカバー156が配設される。ローラ154のフランジ部154aの外縁部は、下部取付ベース63とスライドカバー156との隙間にスライド可能に係合する。このように係合させることで、ローラ154の前後方向の移動を規制することができ、ローラ154が第2アーム153から脱落するのを防止することができる。
また、ねじりコイルばね150や下部取付ベース63に形成されるスライド溝155及びガイド溝157は、下部取付ベース63の前方に配設されるセンターケース34のステージ部80によって、遊技者から視認されないように遮蔽されている(図6参照)。これにより、補助機構としてのねじりコイルばね150が視認されることによる装飾性の悪化を防止することができる。
次に、図13、図14、図16、及び図17を参照して、第2可動演出ユニット200の構成について説明する。
図13及び図14に示すように、第2可動演出ユニット200は、下部取付ベース63及び上カバー部103aによって両端支持される軸107を介して回動可能に配設される回動アーム220と、回動アーム220の自由端側(先端側)に回転自在に配設される第2可動演出部210と、を備える。
回動アーム220の裏面には、自由端寄りの位置において後方に突出する駆動軸221(図18(B)参照)が設けられる。この駆動軸221は、第1可動演出ユニット100の回動リンク140の第2ガイド溝145に摺動自在に係合する。このように第2可動演出ユニット200の回動アーム220は、第1可動演出ユニット100の第1動力伝達機構130の一部を構成している。
したがって、第1可動演出ユニット100の第1駆動モータ120の駆動力によって回動リンク140が回動すると、回動リンク140を介して第1可動演出部110が初期位置(図2参照)と最大回動位置(図3参照)との間で回動するとともに、回動リンク140及び回動アーム220を介して第2可動演出部210も初期位置(図2参照)と最大回動位置(図3参照)との間で回動する。このように第1可動演出部110及び第2可動演出部210は同期(連動)して回動する。
なお、下部取付ベース63には、図17(A)及び図17(B)に示すように、回動リンク140の初期位置を検出するためのコの字形状の光電センサ108が配設される。回動リンク140には、回動リンク140が初期位置にある場合に、光電センサ108の凹部に挿入され光電センサ108の発射光を遮光する遮光部146が形成される。このように光電センサ108と回動リンク140の遮光部146とによって、回動リンク140の初期位置、つまり第1可動演出部110及び第2可動演出部210の初期位置が検出される。
上記した第2可動演出ユニット200は、図16に示すように、回動アーム220の自由端(先端)寄りの位置に固定され、前面に第2可動演出部210を配設可能な固定部230と、第2可動演出部210を回転(独立動作)させるための駆動力を発生させる第2駆動モータ240と、第2駆動モータ240の駆動力を第2可動演出部210に伝達する第2動力伝達機構250と、をさらに備えている。
図16、図17(A)、及び図17(B)に示すように、回動アーム220は、第2動力伝達機構250を収容可能な収容室222を有する収容ケース223と、収容ケース223の前面開口を閉塞するケース蓋224とから構成されている。回動アーム220の自由端寄りの位置におけるケース蓋224の前面には固定部230が固定される。
固定部230は、ケース蓋224に固定される円形ベース部材231と、円形ベース部材231の前面に設置されるLED基板232と、LED基板232を覆うように円形ベース部材231に取り付けられる装飾カバー部材233と、を備える。装飾カバー部材233は、透光性を有する円形部材であって、LED基板232に設けられた複数のLED232aから照射されたLED光を透過可能に構成されている。この装飾カバー部材233の外縁部には装飾が施されている。
図16に示すように、第2可動演出部210は、装飾カバー部材233の前面に回転可能に配設される。第2可動演出部210は、花の形状を模した花装飾部211と、花装飾部211の裏面に配設されるレンズ部212と、を備える。花装飾部211は、一部が透明に形成されている。したがって、第2可動演出部210では、LED232aから照射されたLED光をレンズ部212及び花装飾部211を介して遊技者に視認させることで、発光演出が実行可能となっている。
第2可動演出部210のレンズ部212の裏面には、当該レンズ部212の中心から後方に突出する軸212aが形成されている。レンズ部212の軸212aは装飾カバー部材233、LED基板232、円形ベース部材231、及びケース蓋224のそれぞれに形成された挿通孔233a、232a、231a、224aを挿通し、軸212aの先端は収容ケース223の収容室222内に臨んでいる。収容室222内に位置する軸212aの先端には、第2動力伝達機構250の一部を構成する第2従動ギア255が固定される。
図17(A)及び図17(B)に示すように、第2駆動モータ240は下部取付ベース63の前面右上部に取付られる。第2駆動モータ240の駆動力は、第2動力伝達機構250を介して第2可動演出部210に伝達される。
第2動力伝達機構250は、第2駆動モータ240の出力軸に固定される主動ギア251と、主動ギア251と噛合する第1従動ギア252と、第1従動ギア252の回転力を、第2可動演出部210の軸212aに固定された第2従動ギア255に伝達する中間ギア253、254と、を備える。
第2動力伝達機構250の第1従動ギア252、中間ギア253、254、及び第2従動ギア255は、回動アーム220の収容室222内に一列に並んで配設されている。第1従動ギア252は回動アーム220の固定端(基端)寄りの位置に配設され、第2従動ギア255は回動アーム220の自由端(先端)寄りの位置に配設される。中間ギア253、254は、第1従動ギア252と第2従動ギア255との間に配設される。
第1従動ギア252は、回動アーム220の収容ケース223の側部に形成された切欠きを介して、第2駆動モータ240の主動ギア251と噛合する。第1従動ギア252は、回動アーム220を回動自在に支持する軸107によって軸支されている。このように第1従動ギア252は、回動アーム220の回動中心と同軸に配設されている。
上記した第2可動演出ユニット200では、第2駆動モータ240が駆動されて主動ギア251が回転すると、その回転力が第1従動ギア252及び中間ギア253、254を介して第2従動ギア255に伝達され、第2可動演出部210(図16参照)が固定部230(図16参照)の前面において回転する。
次に、図18〜図21を参照して、第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の動作について説明する。
図18(A)及び図18(B)は、初期位置にある場合の第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の正面図及び裏面図である。図19(A)及び図19(B)は、最大回動位置にある場合の第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の正面図及び裏面図である。図20(A)及び図20(B)は、初期位置から最大回動位置への移動途中における第1可動演出ユニット100の正面図及び斜視図である。図21(A)及び図21(B)は、最大回動位置にある場合における第1可動演出ユニット100の正面図及び斜視図である。なお、図18〜図21では、第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200の動作の理解を容易にするため、一部の部材を省略している。
遊技機1における遊技状態が通常遊技状態である場合には、第1可動演出ユニット100の第1可動演出部110及び第2可動演出ユニット200の第2可動演出部210は、図18(A)及び図18(B)に示す初期位置にある。
遊技が進行して、所定の遊技状態、例えば特図変動表示ゲームの結果を大当りとなった場合には、第1可動演出ユニット100の第1駆動モータ120が駆動され、主動ギア131が図18(A)において時計周りに回転する。このように主動ギア131が回転すると、回動リンク140は、主動ギア131と噛合する従動ギア132を介して、軸105を中心に時計周りに回動する。
回動リンク140の回動に伴って、回動リンク140に係合する第1可動演出部110の係合軸111bが第1ガイド溝144を摺動しながら上方に引き上げられ、図19(A)及び図19(B)に示すように、第1可動演出部110は回動軸102を中心に最大回動位置(上限位置)まで回動する。
このとき、回動リンク140に係合する第2可動演出ユニット200の回動アーム220の駆動軸221も第2ガイド溝145を摺動しながら上方に引き上げられるので、回動アーム220が軸107を中心に時計周りに回動する。この回動アーム220の回動に伴って、回動アーム220に配設されている第2可動演出部210は、第1可動演出部110の回動動作と同期して、初期位置から最大回動位置(上限位置)まで回動する。
なお、第1可動演出部110及び第2可動演出部210が最大回動位置に到達した時に、第1駆動モータ120は停止する。動作演出終了後には、主動ギア131が図18(A)において反時計回りに回転するように第1駆動モータ120が駆動され、第1可動演出部110及び第2可動演出部210は最大回動位置から初期位置まで戻る。
ここで、第1可動演出部110が初期位置から最大回動位置まで回動する際には、図20(A)及び図20(B)に示すように、ねじりコイルばね150の第2アーム153が、ローラ154を介して、第1可動演出部110を上方に付勢する。ねじりコイルばね150のばね力(付勢力)が第1駆動モータ120の駆動力を補助するように作用するので、第1駆動モータ120の負荷を軽減することができる。
上記のようなねじりコイルばねは一般的に回転部材等の回転軸に係合させた状態で配設されるが、本実施形態におけるねじりコイルばね150は、第1可動演出部110の回動軸102よりも第1可動演出部110の自由端側の位置に配設される。このようにねじりコイルばね150を回動軸102から離れた位置に配設することで、ばね力(付勢力)を第1可動演出部110の回動軸102における回転トルクに効率的に変換させることができ、かつ横長状に形成された第1可動演出部110の回動動作を安定化させることができる。
なお、第1可動演出部110が回動して最大回動位置に到達した場合には、図21(A)及び図21(B)に示すように、ねじりコイルばね150のローラ154の後端及びフランジ部154aはガイド溝157及びスライド溝155の上端に当接し、ローラ154は第1可動演出部110の下面から離間した状態で停止する。
次に、図18(A)を参照して、第2可動演出部210の回転動作について説明する。
遊技が進行して、所定の遊技状態、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には、第2可動演出ユニット200の第2駆動モータ240が駆動され、主動ギア251が図18(A)において時計周りに回転する。このように主動ギア251が回転すると、主動ギア251の回転力が第1従動ギア252及び中間ギア253、254を介して第2従動ギア255に伝達され、第2従動ギア255が時計周りに回転する。この第2従動ギア255の回転にともなって、第2可動演出部210が固定部230の前面において回転する(図16参照)。
第2動力伝達機構250を構成する第1従動ギア252、中間ギア253、254、及び第2従動ギア255は回動アーム220の収容室222内に配設され、第1従動ギア252は回動アーム220の回動中心である軸107によって軸支されているので、回動アーム220の回動動作(第1可動演出部110及び第2可動演出部210の回動動作)に追従して第2動力伝達機構250も回動する。したがって、第2可動演出部210が回動中であっても、第2可動演出部210を固定部230の前面において回転させることが可能となる。このように第2可動演出部210は、第1駆動モータ120による回動動作とは独立して、第2駆動モータ240による回転動作を実行可能に構成されている。
次に、図22〜図24を参照して、第1可動演出ユニット100と、演出制御装置700(図5参照)に配設される基板(図示省略)とを電気的に接続する電気配線160を下部取付ベース63に固定可能な固定機構170について説明する。
図22は、第1可動演出ユニット100の正面図である。図23(A)は固定機構170の固定部171の拡大図であり、図23(B)は図23(A)における固定部171のB−B断面図である。図24は、固定部171の斜視図である。
図22に示す電気配線160は、第1可動演出部110の内部に配設されるLED基板と、演出制御装置700(図5参照)に配設される基板とを接続する。電気配線160は、下部取付ベース63の底壁63aに形成された切欠部63bを介して下部取付ベース63外に導かれる。電気配線160は、固定機構170を介して下部取付ベース63に固定される。
図23(A)及び図23(B)に示すように、固定機構170は、配線まとめ用の結束バンド(図示省略)と、結束バンドを介して電気配線160を下部取付ベース63に固定可能な固定部171とから構成されている。
固定部171は、下部取付ベース63の下部に形成される。固定部171は、結束バンドが挿通される挿通部172と、挿通部172に挿通された結束バンドによって電気配線160とともに結束される結束部173とを備える。挿通部172は、結束部173の後方から当該結束部173の右側方を経由し、下部取付ベース63の前面に向かって延設される通路として形成されている。電気配線160は、挿通部172に挿通された結束バンドが当該電気配線160とともに結束部173に巻き回されることによって、結束部173に結束される。
図23(B)及び図24に示すように、挿通部172は、結束バンドを結束部173の後方から下部取付ベース63の前面に誘導可能な湾曲面174を有している。これにより挿通部172に挿通される結束バンドを破線矢印に示すようにスムーズに前面側に引き出すことができ、電気配線160の結束作業時における作業性を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、第1可動演出ユニット100に接続する電気配線160を固定部171の結束部173に結束する場合を例示したが、第3可動演出ユニット300等の演出装置に接続する電気配線を結束部173に結束するようにしてもよい。また、結束バンド(結束部材)は、配線をまとめることが可能なひも状の部材、針金等でもよく、上記の湾曲面174を利用して挿通部172にスムーズに挿通可能であればなんでもよい。
上記した第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200によれば以下の効果を得ることができる。
下部取付ベース63に固定された第1駆動モータ120の駆動力は第1動力伝達機構130を介して第1可動演出部110及び第2可動演出部210に伝達され、第1可動演出部110及び第2可動演出部210は初期位置と最大回動位置との間で同期して回動する。また、下部取付ベース63に固定された第2駆動モータ240の駆動力は第2動力伝達機構250を介して第2可動演出部210のみに伝達され、第2可動演出部210は回動動作とは独立して回転する。第2動力伝達機構250は、第1可動演出部110及び第2可動演出部210の回動に追従して可動するように構成されている。このように第1駆動モータ120と第2駆動モータ240とをそれぞれ下部取付ベース63に設置し、第2動力伝達機構250を第1可動演出部110及び第2可動演出部210の動作に追従するように構成したので、第1可動演出部110及び第2可動演出部210によって複数の演出動作を実行する場合においても、各駆動モータ120、240の大型化及び第2動力伝達機構250の複雑化を抑制することができる。これにより、第1可動演出ユニット100及び第2可動演出ユニット200を制御ベース51に効率的に配置することが可能となる。
第1動力伝達機構130は、第1駆動モータ120の駆動力によって回動可能な回動リンク140と、回動リンク140の回動に伴って回動するように、回動リンク140の第2ガイド溝145に摺動自在に係合する回動アーム220と、を備える。第1可動演出部110は、一端が下部取付ベース63に回動可能に配設されており、他端側に回動リンク140の第1ガイド溝144に摺動自在に係合する係合軸111bを有している。第2可動演出部210は、回動アーム220の自由端側に配設されている。これにより、第1可動演出部110及び第2可動演出部210を第1駆動モータ120のみによって回動させることが可能となり、制御ベース51における設置スペースを有効活用することができる。
第2可動演出部210は、回動アーム220に回転可能に配設されており、第2動力伝達機構250は、第2駆動モータ240の駆動力に基づいて回転するとともに、回動アーム220の回動中心と同軸に設けられる第1従動ギア252と、第2可動演出部210の軸212aに設けられ、第1従動ギア252の回転に伴って回転する第2従動ギア255と、を備える。これにより、第2可動演出部210は、回動位置にかかわらず、第2駆動モータ240の駆動力に基づいて回転可能となる。
回動アーム220は内部に収容室222を有し、第1従動ギア252及び第2従動ギア255は収容室222内に収容される。このように第2動力伝達機構250を構成する第1従動ギア252及び第2従動ギア255を、回動アーム220の収容室222に収容することで、第1動力伝達機構130及び第2動力伝達機構250の大型化及び複雑化を抑制することが可能となる。
遊技の進行に応じて、第1可動演出部110及び第2可動演出部210は、初期位置と、変動表示装置35の表示部35aの中央寄りの最大回動位置(上限位置)との間で同期して回動し、さらに第2可動演出部は同期動作とは独立して回転する。このように第1可動演出部110及び第2可動演出部210によって遊技状態に応じた複雑な演出動作を実行することができ、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
下部取付ベース63には、第1可動演出ユニット100からの電気配線160を結束バンドを用いて固定するための固定部171が形成されている。固定部171は、結束バンドが挿通される挿通部172と、挿通部172に挿通された結束バンドによって電気配線160とともに結束される結束部173とを備え、挿通部172には結束バンドを誘導可能な湾曲面174が形成されている。挿通部172の湾曲面174によって、結束バンドをスムーズに誘導することができるので、電気配線160の結束作業時における作業性を向上させることが可能となる。
第1可動演出ユニット100は、第1可動演出部110の重量に抗して第1可動演出部110を付勢することで、第1可動演出部110の回動動作を補助するねじりコイルばね150を備える。ねじりコイルばね150のコイル部151及び第1アーム152は下部取付ベース63に配設され、ねじりコイルばね150の第2アーム153は、第1可動演出部110を上方に付勢するように第1可動演出部110の下面に下方から当接する。ねじりコイルばね150は第1可動演出部110の回動中心よりも自由端側に位置するように設けられるので、ねじりコイルばね150のばね力(付勢力)を第1可動演出部110の回動軸102における回転トルクに効率的に変換させることができ、かつ横長に形成された第1可動演出部110の回動動作を安定化させることができる。
ねじりコイルばね150の第2アーム153は、第1可動演出部110に当接するとともに、第1可動演出部110の下面に対して摺動可能なローラ154を備える。下部取付ベース63には第1可動演出部110の回動に対応するように湾曲形成されたスライド溝155が形成され、このスライド溝155にローラ154のフランジ部154aがスライド可能に配設される。第1可動演出部110が回動した場合には、フランジ部154aがスライド溝155に沿ってスライドし、ローラ154が第1可動演出部110の下面を滑らかに摺動しつつ第1可動演出部110を付勢するので、ねじりコイルばね150の付勢力をローラ154を介して安定的(確実)に第1可動演出部110に伝達することが可能となる。
ねじりコイルばね150や下部取付ベース63に形成されるスライド溝155及びガイド溝157は、下部取付ベース63の前方に配設されるセンターケース34のステージ部80によって、遊技者から視認されないように遮蔽されているので、ねじりコイルばね150等が視認されることによる装飾性の悪化を抑制することができる。
<第3可動演出ユニット>
図12(A)、図12(B)、及び図13を参照して、第3可動演出ユニット300の詳細について説明する。
第3可動演出ユニット300は、下部取付ベース63の左下端部に固定される円形の装飾カバー部材320と、装飾カバー部材320の前面に回転可能に配設される第3可動演出部310と、第3可動演出部310を回転駆動させるための駆動力を発生させる第3駆動モータ330と、第3駆動モータ330の駆動力を第3可動演出部310に伝達する第3動力伝達機構340と、を備える。
装飾カバー部材320は、透光性を有する円形部材である。装飾カバー部材320と下部取付ベース63との間には複数のLEDを有するLED基板が配設されており、装飾カバー部材320はLEDから照射されたLED光を透過可能に構成されている。装飾カバー部材320の外縁部には装飾が施されている。
第3可動演出部310は、装飾カバー部材320の前面に回転可能に配設される。第3可動演出部310は、花の形状を模した装飾部材であって、前面の一部が透明に形成されている。したがって、第3可動演出ユニット300では、LEDから照射されたLED光を第3可動演出部310を介して遊技者に視認させることで、発光演出が実行可能となっている。
第3可動演出部310の裏面には、後方に突出する軸(図示省略)が形成されている。第3可動演出部310の軸は装飾カバー部材320に形成された挿通孔を挿通し、軸の先端は装飾カバー部材320と下部取付ベース63との間に臨んでいる。第3可動演出部310の軸の先端には、第3動力伝達機構340の一部を構成する従動ギアが固定されている。
第3駆動モータ330は下部取付ベース63に取り付けられ、第3駆動モータ330の出力軸には主動ギア331(図12参照)が固定される。主動ギア331の回転は、中間ギア332を介して、第3可動演出部310の軸に設置された従動ギアに伝達される。このように第3動力伝達機構340は、主動ギア331、中間ギア332、及び第3可動演出部310の軸に設置された従動ギアから構成されている。
遊技が進行して、所定の遊技状態、例えば特図変動表示ゲームの結果が大当りとなった場合には、第3駆動モータ330が駆動され、主動ギア331が図12(A)において時計周りに回転する。このように主動ギア331が回転すると、主動ギア331の回転力が中間ギア332を介して第3可動演出部310の従動ギアに伝達され、従動ギアが時計周りに回転する。これにより、第3可動演出部310が装飾カバー部材320の前面において時計周りに回転する。
上記した第3可動演出ユニット300においては、遊技球がセンターケース34のワープ通路70を通過する際にも、第3可動演出部310が回転する。
図25(A)及び図25(B)は、センターケース34の後方に配設された第3可動演出ユニット300の正面図及び斜視図である。
図25(A)及び図25(B)に示すように、第3可動演出ユニット300の第3可動演出部310は、センターケース34のワープ通路70の後方に配設される。
ワープ通路70の流路72には、遊技球の通過を検出する第1検出センサ74及び第2検出センサ75が配設される。第1検出センサ74は流路72の上流に設置され、第2検出センサ75は流路72の下流に設置される。第1検出センサ74及び第2検出センサ75の検出信号は、演出制御装置700(図5参照)に送信される。
演出制御装置700は、第1検出センサ74及び第2検出センサ75の検出信号に基づいて、ワープ通路70の流路72を通過する遊技球の流下速度を算出する。演出制御装置700は、算出された遊技球の流下速度と、第3可動演出部310の回転速度が同じになるように、第3駆動モータ330(図13参照)を制御する。
上記の通り、第3可動演出部310は、ワープ通路70を通過する遊技球の流下速度と等しい回転速度で時計周りに回転する。第3可動演出部310の回転速度はワープ通路70を通過する遊技球の流下速度に対応して変化するので、第3可動演出ユニット300における動作演出が単調になるのを抑制でき、遊技の興趣を高めることが可能となる。
次に、図26及び図27を参照して、ワープ通路70を通過した遊技球がステージ部80から第2可動演出部210側に乗り上げた場合における、第2可動演出部210の動作等について説明する。図26(A)は初期位置における第2可動演出部210の正面図であり、図26(B)は最大回動位置における第2可動演出部210の正面図である。図27は、第2可動演出部210を収容する位置におけるセンターケース34の拡大斜視図である。
図26(A)に示すように、センターケース34は、ステージ部80の転動部81の右端部から上方に立設される突出部47と、当該突出部47と連接するように設けられ、回動する第2可動演出部210を収容可能な収容部48と、突出部47の右側方及び収容部48の下方を装飾する装飾部49とを備える。
収容部48は、センターケース34の開口部34aの一部として形成されている。
突出部47は、転動部81を転動してきた遊技球の勢いを減衰させるように円弧状に形成されている。したがって、転動部81を右方向に転動してきた遊技球は、突出部47を途中まで登った後、突出部47に沿って下降し、転動部81を左方向に転動する。
このように転動部81の右端部に突出部47を設けた場合であっても、ワープ通路70を通過する遊技球の流下速度が所定速度以上となった時には、転動部81を転動してきた遊技球が突出部47を乗り越え、収容部48内に進入するおそれがある。収容部48内への遊技球の進入は、第2可動演出ユニット200等の故障の原因となる。
そこで、本実施形態では、収容部48内に遊技球が進入するのを抑制するため、第2可動演出ユニット200の第2可動演出部210を図26(B)に示すように動作させる。つまり、第1検出センサ74及び第2検出センサ75(図25(A)参照)の検出信号に基づいて算出された遊技球の流下速度が所定速度以上である場合に、第1駆動モータ120を駆動して第2可動演出部210を初期位置から最大回動位置まで回動させるとともに、第2駆動モータ240を駆動して第2可動演出部210を時計周りに回転させる。
このように、第2可動演出部210を最大回動位置まで回動させて突出部47の先端に近づけることで、突出部47を乗り越えてきた遊技球が収容部48内に進入するのを抑制することができる。また、第2可動演出部210を時計周りに回転させることで、収容部48内に進入した遊技球を第2可動演出部210の回転によってはじき返すことができ、一旦収容部48内に流入した遊技球をステージ部80の転動部81側に戻すことが可能となる。
なお、突出部47の右側方及び収容部48の下方を装飾する装飾部49は、図27に示す通り、収容部48内に流入した遊技球を前方に誘導可能なように、上部から下部に亘って前方に下り傾斜する傾斜部49aを有している。したがって、収容部48内に遊技球が進入した場合であっても、遊技球は装飾部49の傾斜部49aを介して装飾部49よりも下方の遊技領域31に流下する。このように傾斜部49aを介して遊技球を流下させるので、収容部48内において遊技球が滞留することがなく、第2可動演出ユニット200等の故障を防止することができる。
<第4可動演出ユニット>
図28〜図34を参照して、上部演出装置62の第4可動演出ユニット400の構成について説明する。
図28(A)及び図28(B)は、上部演出装置62の正面図及び斜視図である。図29は、上部演出装置62の分解斜視図である。図30は、第4可動演出ユニット400とロゴユニット500の分解斜視図である。図31は、第4可動演出ユニット400の分解斜視図である。図32は、第4可動演出ユニット400の裏面図である。図33は、装飾カバー部材401に配設される第4可動演出ユニット400及びロゴユニット500の駆動機構の斜視図である。図34は、装飾カバー部材401の裏面図である。
図28(A)、図28(B)、及び図29に示すように、上部演出装置62は、第4可動演出ユニット400及びロゴユニット500とから構成されている。第4可動演出ユニット400の第4可動演出部410は上部取付ベース64と当該上部取付ベース64に固定される装飾カバー部材401との間に回動可能に配設され、ロゴユニット500のロゴ装飾部510は装飾カバー部材401の前面に回動可能に配設される。
図29〜図31に示すように、第4可動演出ユニット400は、第4可動演出部410と、第4可動演出部410を回動させるための駆動力を発生させる第4駆動モータ420と、第4駆動モータ420の駆動力を第4可動演出部410に伝達する第4動力伝達機構430と、を備える。
第4可動演出部410は、横長状に形成された扇形部材である。第4可動演出部410の前面には、装飾性を向上させる凹凸状のメッキ部411と、透光性を有する花弁形状のレンズ部412とが形成される。レンズ部412は、第4可動演出部410の前面に複数設けられる。
第4可動演出部410の内部には、複数のLEDを有するLED基板(図示省略)が配設されている。第4可動演出部410では、LEDから照射されたLED光をレンズ部412を介して遊技者に視認させることで、発光演出が実行可能となっている。
第4可動演出部410の基端には、第4動力伝達機構430を構成するリンクギア433の回転軸433aを挿通させる挿通孔413が形成されている。第4可動演出部410の前面には挿通孔413を取り囲むように4つの係合穴416が形成されており、これら係合穴416にリンクギア433の係合突起433bが係合することで、第4可動演出部410にリンクギア433が回転不能に配設される。第4可動演出部410は、第4可動演出部410に固定されたリンクギア433の回転軸433aを介して、上部取付ベース64の前面に回動可能に配設される。
第4可動演出部410の先端(自由端)には、ガイド突起414が設置される。ガイド突起414は、第4可動演出部410の裏面上部に取り付けられている。上部取付ベース64の左側部には上下方向に亘ってスライドカバー部材402が取り付けられており(図29参照)、上部取付ベース64とスライドカバー部材402とによってガイド溝403(図28(B)参照)が形成される。第4可動演出部410のガイド突起414の先端は、上部取付ベース64とスライドカバー部材402との隙間に形成されるガイド溝403に、摺動可能に係合する。
なお、ガイド溝403は、第4可動演出部410の先端の回動に対応した形状となるように構成されている。
図28(B)及び図31に示すように、装飾カバー部材401は、略矩形状の枠体である。装飾カバー部材401は、第4可動演出部410の基端側を覆うように上部取付ベース64に固定される。装飾カバー部材401の裏面には、第4駆動モータ420及び第4動力伝達機構430が配設される。第4可動演出部410は、第4動力伝達機構430によって伝達された第4駆動モータ420の駆動力に基づいて、初期位置(図2参照)と変動表示装置35の表示部35aの中央寄りの最大回動(下限)位置(図3参照)との間で回動する。
図33及び図34に示すように、第4駆動モータ420は、装飾カバー部材401の裏面に固定される。第4駆動モータ420は装飾カバー部材401との間に所定隙間をあけて取り付けられており、その所定隙間には第4駆動モータ420の出力軸421に固定される主動ギア431が配設される。
第4動力伝達機構430は、第4駆動モータ420の出力軸421に設けられる主動ギア431と、主動ギア431と噛合する従動ギア432と、従動ギア432と噛合するリンクギア433とから構成されている。
従動ギア432は、装飾カバー部材401の裏面に回転自在に設置される。従動ギア432は、径方向に突出する遮光板432aを備える。装飾カバー部材401の裏面には、従動ギア432の初期位置を検出するためのコの字形状の光電センサ404が配設されている。従動ギア432の遮光板432aは、従動ギア432が初期位置にある場合に光電センサ404の凹部に挿入され、光電センサ404の発射光を遮光する。このように光電センサ404と従動ギア432の遮光板432aとによって、従動ギア432の初期位置、つまり第4可動演出部410の初期位置が検出される。
リンクギア433は、略扇形状に形成されたリンク部材である。リンクギア433は、前面及び裏面から前後方向に延設される回転軸433aと、第4可動演出部410の係合穴416と係合する係合突起433bと、従動ギア432と噛合するギア部433cと、を備える。
ギア部433cはリンクギア433の側部に形成され、係合突起433bはリンクギア433の裏面に突出形成される。係合突起433bは、第4可動演出部410の係合穴416に対応して4つ設けられる。
回転軸433aは装飾カバー部材401と上部取付ベース64とによって両端支持され、この回転軸433aを介してリンクギア433は装飾カバー部材401と上部取付ベース64との間に回動可能に配設される。
図31〜図33に示すように、リンクギア433の回転軸433aは、第4可動演出部410の挿通孔413を挿通し、第4可動演出部410の裏面から突出する。回転軸433aの突出部分には、スリーブを介して、ねじりコイルばね440が配設される。
ねじりコイルばね440は、1本の鋼線から形成されたトーションばねである。ねじりコイルばね440は、鋼線がコイル状に巻き回されたコイル部441と、コイル部441から延設される第1アーム442及び第2アーム443と、を備える。第1アーム442は鋼線の一端(始端)を含み、第2アーム443は鋼線の他端(終端)を含む。
コイル部441はリンクギア433の回転軸433aに支持され、第1アーム442は第4可動演出部410の裏面に形成された係合受部415(図32参照)に係合する。第2アーム443は、図29の破線領域に示すように、上部取付ベース64の前面に形成された係合受部64aに係合する。
上記のように構成されるねじりコイルばね440は、第4可動演出部410の重量に抗して第4可動演出部410を上方に付勢する。このように、ねじりコイルばね440の付勢力を第4可動演出部410に作用させることによって、第4可動演出部410を初期位置に保持することが容易となる。
次に、図34、図35(A)〜図35(F)を参照して、第4可動演出部410の動作について説明する。図35(A)及び図35(B)は、初期位置にある第4可動演出部410の一部正面図及び一部裏面図である。図35(C)及び図35(D)は、回動中の第4可動演出部410の一部正面図及び一部裏面図である。図35(E)及び図35(F)は、最大回動位置にある第4可動演出部410の一部正面図及び一部裏面図である。
遊技機1における遊技状態が通常遊技状態である場合には、第4可動演出ユニット400の第4可動演出部410は、図35(A)及び図35(B)に示すように初期位置にある。初期位置においては、第4可動演出部410のほぼ全体がセンターケース34及びロゴユニット500によって遮蔽されている(図2参照)。
遊技が進行して、所定の遊技状態、例えば特図変動表示ゲームの結果を大当りとなった場合には、第4可動演出ユニット400の第4駆動モータ420が駆動される。
図34に示すように、第4駆動モータ420の駆動力は、主動ギア431及び従動ギア432を介して、リンクギア433に伝達される。これによりリンクギア433は回転軸433aを中心に下方に回動する。リンクギア433の回動に伴って、第4可動演出部410は、図35(C)及び図35(D)に示すように初期位置から下方に回動し、図35(E)及び図35(F)に示すように最大回動位置(下限位置)まで回動する。第4可動演出部410が最大回動位置に到達した時に、第4駆動モータ420は停止する。
なお、動作演出終了後には第4駆動モータ420が駆動され、第4可動演出部410は最大回動位置(下限位置)から初期位置に戻る。
第4可動演出部410の先端に設けられたガイド突起414は、第4可動演出部410が初期位置と最大回動位置との間で回動する際に、上部取付ベース64とスライドカバー部材402によって形成されたガイド溝403に沿って摺動する。このようにガイド突起414はガイド溝403に沿って移動するので、第4可動演出部410の回動時に第4可動演出部410の先端が前後方向にばたつくことがなく、スムーズな回動動作を実現することができる。
また、第4可動演出部410は第1可動演出部110と同期して動作演出を行うように構成されおり、第1可動演出部110が変動表示装置35の下部から最大回動位置(上限位置)まで回動する場合には、第4可動演出部410は変動表示装置35の上部から最大回動位置(下限位置)まで回動する。このように第4可動演出部410及び第1可動演出部110を上下から出現させることで、遊技の興趣を向上させることができる。
最大回動位置(下限位置)においては、第4可動演出部410は変動表示装置35の表示部35aの前方に出現するので、第4可動演出部410のほぼ全体が視認可能となる(図3参照)。最大回動位置にある第4可動演出410は、第3可動演出部310と一体となって一つの装飾部材を構成する。つまり、花模様の第3可動演出部310と、花弁模様のレンズ部412を有する第4可動演出部410とが一体となることで、花吹雪を連想させる装飾部材が構成される。このように意外性のある装飾部材を形成することによって、遊技の興趣を高めることが可能となる。
<ロゴユニット>
図30、図33、図34、及び図36を参照して、上部演出装置62のロゴユニット500の構成について説明する。
図30は、第4可動演出ユニット400とロゴユニット500の分解斜視図である。図33は、装飾カバー部材401に配設される第4可動演出ユニット400及びロゴユニット500の駆動機構の斜視図である。図34は、装飾カバー部材401の裏面図である。図36は、ロゴユニット500の分解斜視図である。
図30及び図36に示すように、ロゴユニット500は、装飾カバー部材401の前面に揺動可能に配設されるロゴ装飾部510と、ロゴ装飾部510を揺動させるための駆動力を発生させる第5駆動モータ520と、第5駆動モータ520の駆動力をロゴ装飾部510に伝達する第5動力伝達機構530と、を備える。
ロゴ装飾部510は、装飾カバー部材401の前面に配設されるロゴベース512と、ロゴベース512の前面に固定される前面装飾部511とから構成されている。
前面装飾部511は透光性を有する部材によって形成されており、前面装飾部511の前面には花の形状を模した花装飾が複数取り付けられている。前面装飾部511とロゴベース512との間には、複数のLEDを有するLED基板(図示省略)が配設されている。ロゴ装飾部510では、LEDから照射されたLED光を遊技者に視認させることで、発光演出が実行可能となっている。
ロゴ装飾部510のロゴベース512の基端(右端)には、後方に突出する軸513が設けられている。ロゴベース512の軸513は、装飾カバー部材401の軸受孔401aに回転自在に支持される。
また、ロゴベース512の裏面には、3本の駆動軸514〜516が固定される。第1駆動軸514は、装飾カバー部材401に形成された第1ガイド溝401bを挿通した状態で、第5動力伝達機構530を構成する揺動リンク540の一端に係合する。第2駆動軸515及び第3駆動軸516は、装飾カバー部材401に形成された第2ガイド溝401cを挿通した状態で、揺動リンク540の他端に固定される。
なお、装飾カバー部材401の第1ガイド溝401b及び第2ガイド溝401cは、上下方向に亘って形成され、ロゴ装飾部510の揺動に対応して円弧状に形成されている。
図33及び図34に示すように、第5駆動モータ520は、装飾カバー部材401の裏面に固定される。第5駆動モータ520は装飾カバー部材401との間に所定隙間をあけて取り付けられており、その所定隙間には第5駆動モータ520の出力軸に固定される主動ギア531が配設される。
第5動力伝達機構530は、第5駆動モータ520の出力軸に設けられる主動ギア531と、主動ギア531と噛合する従動ギア532と、従動ギア532の回転に伴って揺動する揺動リンク540とから構成されている。
従動ギア532は、装飾カバー部材401の裏面に回転自在に設置される。従動ギア532の裏面には、回転中心から径方向にずれた位置に軸532aが突出形成される。従動ギア432の軸532aは、揺動リンク540の中央に形成されたスライド溝541に摺動可能に係合する。
揺動リンク540の一端には、略U字形状の係合部542が形成されている。この係合部542は、ロゴ装飾部510のロゴベース512の第1駆動軸514と係合する。
また、揺動リンク540の一端の上部には、上方に突出する遮光板543が形成されている。装飾カバー部材401の裏面には、揺動リンク540の初期位置を検出するためのコの字形状の光電センサ405が配設されている。揺動リンク540の遮光板543は、揺動リンク540が初期位置にある場合に光電センサ405の凹部に挿入され、光電センサ405の発射光を遮光する。このように光電センサ405と揺動リンク540の遮光板543とによって、揺動リンク540の初期位置、つまりロゴ装飾部510の初期位置が検出される。
揺動リンク540の他端には、ロゴベース512の第2駆動軸515及び第3駆動軸516が固定される。第3駆動軸516には装飾カバー部材401の裏面に配設されたねじりコイルばね550のアーム551が当接している。ねじりコイルばね550は、アーム551を介して、ロゴ装飾部510の重量に抗してロゴ装飾部510を上方に付勢する。
図30及び図34を参照して、上記したロゴユニット500の動作について説明する。
遊技が進行して所定の遊技状態となった場合には、ロゴユニット500の第5駆動モータ520が駆動される。
第5駆動モータ520が駆動されると、主動ギア531及び従動ギア532が回転する。従動ギア532が回転すると、軸532aが従動ギア532の回転中心に対して旋回し、これにより揺動リンク540が上下に揺動する。つまり、従動ギア532の軸532aが上方から下方に旋回しているときは、揺動リンク540は軸532aを介して下方に押し下げられ、従動ギア532の軸532aが下方から上方に旋回しているときは、揺動リンク540は軸532aを介して上方に引き上げられる。
揺動リンク540の揺動に伴って、第1駆動軸514は第1ガイド溝401bに沿って上下動し、第2駆動軸515及び第3駆動軸516は第2ガイド溝401cに沿って上下動する。ロゴ装飾部510は、軸513(図30参照)を回動中心として、装飾カバー部材401の前面において上下に揺動する。
なお、第5駆動モータ520は、ロゴ装飾部510における動作演出を所定時間実行した後に停止する。
本発明は、上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなし得ることは明白である。