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JP5999770B2 - 分割型メカニカルシール - Google Patents

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JP5999770B2 JP2013047409A JP2013047409A JP5999770B2 JP 5999770 B2 JP5999770 B2 JP 5999770B2 JP 2013047409 A JP2013047409 A JP 2013047409A JP 2013047409 A JP2013047409 A JP 2013047409A JP 5999770 B2 JP5999770 B2 JP 5999770B2
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Description

本発明はポンプや攪拌機、コンプレッサーなどの各種回転機械器具に使用されるものであって、静止密封環と回転密封環との対向端面である密封端面によりシールするように構成されたメカニカルシールに関し、特に、静止密封環または回転密封環が円周方向において分割された分割型のメカニカルシールに関する。
従来、摺動面の内周から外周方向へ向かって漏れようとする流体をシールする形式であるアウトサイド形のメカニカルシールにおいて、静止密封環および回転密封環が円周方向において分割された分割型のメカニカルシールとして、分割面がフラット面なものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。以下、「従来技術1」という。)。
また、「自然割」と呼ばれる割面を有するものも知られている(例えば、特許文献3及び4参照。以下、「従来技術2」という。)。
さらに、図7に示すように、分割型のメカニカルシールにおいて、 回転シールリング50の分割面51及び52の一方の面51に溝53が設けられ、他方の面52には溝53に対向して突条54が設けられたものが知られている(例えば、特許文献5参照。以下、「従来技術3」という。)。
しかしながら、アウトサイド形のメカニカルシールにおいては内径側から圧力が作用したときに分割面には「面を開く力」しか作用しないことから、従来技術1の分割面がフラットなものでは、密封環の内外に作用する圧力の差や温度分布により発生する微小な歪みにより分割面に隙間が発生し、リークが生じていた。また、従来技術2の「自然割」と呼ばれる割面を有するものでも、リークはある程度低減されるものの完全に防止するには至っていない。
さらに、従来技術3の分割面に凹凸を設けたものは、分割面の嵌合を容易にすることを主とするものであり、半径方向のシール性が向上されるといっても、従来技術2の「自然割」と呼ばれる割面を有するものとほぼ同程度のものと考えられる。
特開平8−54067号公報 特開2010−19373号公報 特開2008−8493号公報 特開2009−133496号公報 特開2005−127436号公報
本発明は、第1に、静止密封環または回転密封環が円周方向において分割された分割型のメカニカルシールにおいて、分割面のシール性を向上することのできる分割型メカニカルシールを提供することを目的としている。
また、本発明は、第2に、分割型のメカニカルシールのクランプ機構を小型化すると共に、組付け時における分割部材の位置を安定して固定することができる分割型メカニカルシールを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため本発明の分割型メカニカルシールは、第1に、ハウジングと回転軸との間に形成された軸封部に装着されて、ハウジングと回転軸との間をシールするメカニカルシールにおいて、静止密封環および回転密封環を備え、前記静止密封環または前記回転密封環は周方向において分割された分割型の密封環であり、前記静止密封環または前記回転密封環の分割面は、前記回転軸の軸線方向と直交する方向からみて、外周部から内周側に向かって一定方向に傾斜する外周側傾斜面と、内周部から外周側に向かって前記外周側傾斜面の傾斜する側と同側に傾斜する内周側傾斜面とから構成され、前記外周側傾斜面と前記内周側傾斜面とは外周部と内周部との間において交叉するように設定されていることを特徴としている。
また、本発明の分割型メカニカルシールは、第2に、第1の特徴において、前記静止密封環または前記回転密封環の外周部に沿って配設され、前記静止密封環または前記回転密封環を径方向に締め付け可能なクランプ部材を備え、前記クランプ部材は前記静止密封環または前記回転密封環と同じく周方向において分割され、前記静止密封環または前記回転密封環の外周面及び前記クランプ部材の内周面は、前記回転軸の軸線方向の断面において傾斜する2つのテーパ面からなる略V字状に形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、従来技術のようなリーマボルトを用いて密封環をクランプする装置に比べて大幅に小型化が可能である。また、クランプ部材の内周面は、静止密封環または回転密封環の外周面と同様に、両端から内方に向かうにつれ軸心方向に傾斜する2つのテーパ面からなる略V字状に形成されため、静止密封環または回転密封環の位置固定が安定され、例えば、静止密封環または回転密封環をラッピング後に再度組立てる場合でも、安定したシール面状態を保持することができる。
また、本発明の分割型メカニカルシールは、第3に、第2の特徴において、前記クランプ部材は基端を支点として回動自在な2つの分割片を備え、前記分割片の締結部に弾性部材を配設し、前記弾性部材を介して前記締結部の締結が行われることを特徴としている。
この特徴によれば、クランプ力を安定させることができる。
本発明は、以下のような優れた効果を奏する。
(1)静止密封環または回転密封環の分割面が、回転軸の軸線方向と直交する方向からみて、外周部から内周側に向かって一定方向に傾斜する外周側傾斜面と、内周部から外周側に向かって外周側傾斜面の傾斜する側と同側に傾斜する内周側傾斜面とから構成され、外周側傾斜面と内周側傾斜面とは外周部と内周部との間において交叉するように設定されていることにより、静止密封環または前記回転密封環が内周側から圧力を受けて径が大きくなるように歪み、分割面において径方向のズレが発生しても、外周側傾斜面において追随できるので、隙間が生じることはなく、シール性を向上することができる。
(2)静止密封環または回転密封環の外周面及び前記クランプ部材の内周面が、回転軸の軸線方向の断面において傾斜する2つのテーパ面からなる略V字状に形成されることにより、従来技術のようなリーマボルトを用いて密封環をクランプする装置に比べて大幅に小型化が可能である。また、クランプ部材の内周面は、静止密封環または回転密封環の外周面と同様に、両端から内方に向かうにつれ軸心方向に傾斜する2つのテーパ面からなる略V字状に形成されため、静止密封環または回転密封環の位置固定が安定され、例えば、静止密封環または回転密封環をラッピング後に再度組立てる場合でも、安定したシール面状態を保持することができる。
(3)クランプ部材が基端を支点として回動自在な2つの分割片を備え、分割片の締結部に弾性部材を配設し、弾性部材を介して締結部の締結が行われることにより、クランプ力を安定させることができる。
本発明の実施例に係るアウトサイド形の分割型メカニカルシールの一例を示す縦断面図である。 本発明の実施例に係るアウトサイド形の分割型メカニカルシールに用いられる密封環を示す図であって、(a)は回転軸と直交する面から見た側面図、(b)はA−A断面図である。 本発明の実施例に係る密封環が内周側から圧力を受けた場合の状態を説明する図であって、(a)は圧力が作用している状態を、(b)及び(c)は圧力により歪んだ状態を示している。 本発明の実施例に係る密封環における分割面の例を説明する図である。 本発明の実施例に係る密封環にクランプ部材を装着した状態を示す図であって、(a)は回転軸と直交する面から見た側面図、(b)はB−B断面図、(c)及び(d)は締結部の他の例を示したものである。 本発明の実施例に係る密封環の加工方法を示す図である。 従来技術3を説明するための図である。
以下に図面を参照して、本発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的な位置などは、特に明示的な記載がない限り、それらのみに限定する趣旨のものではない。
図1ないし図6を参照しながら、本発明の実施例に係るメカニカルシールを説明する。
本発明は、摺動面の内周から外周方向へ向かって漏れようとする流体をシールする形式であるアウトサイド形のメカニカルシールに適したものであるが、摺動面の外周から内周方向へ向かって漏れようとする流体をシールする形式であるインサイド形のメカニカルシールにも適用可能である。
以下においては、アウトサイド形のメカニカルシールの場合について説明する。
図1は、本発明の実施例に係るアウトサイド形の分割型メカニカルシールの一例を示す縦断面図である。
分割型メカニカルシール装置1は、ハウジング2の内周面3と回転軸4との間の被密封流体用流通路5をシールするために装着される。ハウジング2内のこの流通路5は、内部の高圧流体側(被密封流体側)と連通するように形成されている。
ハウジング2の内周面3には、周方向において2分割された静止密封環10の第1外周面11が軸方向に移動自在に嵌合している。そして、この両者の嵌合する部分の内周面3に環状溝12が形成されている。環状溝12内にはゴムまたは樹脂材製の第1Oリング13が配置されている。この静止密封環10は、例えば、炭化珪素又はカーボン材により形成されている。また、静止密封環10の内周面14は、回転軸4より大径に形成されている。そして、内周面14と回転軸4との間が流通路5と連通している。更に、静止密封環10の端面にはシール面S1が設けられていると共に、シール面S1の外周側には第1外周面11より大径の第2外周面15が形成されている。
なお、静止密封環の分割数は、2分割に限定されることなく、3分割以上でもよい。
静止密封環10の第2外周面15には、静止密封環10の分割面を密接させるためのクランプ部材16が嵌合している。このクランプ部材16も周方向において2分割されている。クランプ部材16は、分割面の一方に設けられたピン17を支点として開閉自在な構造に形成され、分割面の他方に設けられたボルト18により密接に結合されるようになっている。
なお、静止密封環10及びクランプ部材16については、後に詳しく説明する。
クランプ部材16には、二点鎖線で示すように、底面にばね座を設けた取付穴19が形成されており、この取付穴19にコイルスプリング20の一端が挿入されてばね座に着座している。そして、コイルスプリング20の他端はハウジング2の端面6に連結されて支持されている。コイルスプリング20の働きにより、静止密封環10は、クランプ部材16を介して後述する回転密封環20側に押しつけられている。
回転密封環30は、断面略L字状に形成されて周方向において2分割されている。そして、回転密封環30の内周面は接合面31と段部面32に形成されている。この接合面31は回転軸4に嵌合していると共に、段部面32内には、ゴム又は樹脂材の第2Oリング33が装着されている。また、回転密封環30の端面はシール面S2に形成されて静止密封環10のシール面S1と接面して被密封流体をシールする。この回転密封環30は炭化珪素またはカーボン或いはセラミックなどの材料で製作される。
なお、回転密封環の分割数は、2分割に限定されることなく、3分割以上でもよい。
回転密封環30の外周面34には、回転密封環30の分割面を密接させるためのクランプ部材35が嵌合している。このクランプ部材35は、上記したクランプ部材16と同じ構造をしており、周方向において2分割されている。クランプ部材35は、分割面の一方に設けられたピン36を支点として開閉自在な構造に形成され、分割面の他方に設けられたボルト37により密接に結合されるようになっている。
また、クランプ部材35の側面には、二点鎖線で示すように、ドライブピン用係止穴38が形成されている。
なお、回転密封環20及びクランプ部材25については、後に詳しく説明する。
クランプ部材35の側面には、締付リング40が回転軸4に嵌着している。この締付リング40は軸方向に2分割されてボルト41により分割面が結合されていると共に、回転軸4を締め付けて両者を連結している。この締付リング40には、側面に環状凸部42が形成されており、この環状凸部42により第2Oリング33を押さえている。また、締付リング40の側面とクランプ部材35の側面が接合されてクランプ部材35及び回転密封環30の軸方向が支持されている。また、締付リング40の側面にはドライブピン43が打ち込まれて固着されており、このドライブピン43がクランプ部材35の係止穴38に係止して回転軸4と共にクランプ部材35及び回転密封環30を回動する。
次に、図2ないし図6を参照しながら、静止密封環10及び回転密封環30(以下、静止密封環及び回転密封環をまとめて総称する場合には単に「密封環」ということがある。)並びにクランプ部材16及び35について説明する。
なお、本発明は、静止密封環10及び回転密封環30のいずれにも同様に適用できるものであり、並びに、静止密封環10用のクランプ部材16及び回転密封環30用のクランプ部材35のいずれにも同様に適用できるものであるが、以下においては、静止密封環10及びそのクランプ部材16を例にして説明する。また、図1と同じ符号は同じ部材を示しており、重複する説明は省略する。
図2(a)において、静止密封環10の内周側が高圧流体側(被密封流体側)であり、外周側が低圧流体側(例えば、大気側)であり、静止密封環10は、周方向において2分割された分割型の密封環である。
静止密封環10の分割面25は、約180°間隔で点対称に2カ所設けられ、それぞれの分割面25は、回転軸4の軸線方向と直交する方向からみて、外周部から内周側に向かって一定方向(図2(a)では反時計方向)に傾斜する外周側傾斜面25aと、内周部から外周側に向かって外周側傾斜面25aの傾斜する側と同じ側に傾斜する内周側傾斜面25bとから構成され、そして、外周側傾斜面25aと内周側傾斜面25bとは外周部と内周部との間において交叉するように設定されている。分割面25は静止密封環10の幅全体にわたって設けられることはもちろんである。
なお、図2においては、静止密封環10が周方向において2分割された例を示しているが、これに限らず、3分割、4分割など、分割の数は適宜設定されればよい。
また、外周側傾斜面25a及び内周側傾斜面25bの傾斜角度θは設計的に最適な値に決められるが、図2に示すものでは、いずれも約45°である。
なお、傾斜角度θは、約45°に限らず、種々の値を取ることができ、また、外周側傾斜面25aの傾斜角度θ1とび内周側傾斜面25bの傾斜角度θ2とが異なってもよい。
図2(b)は、図2(a)のA−A断面を示すもので、クランプ部材16が嵌合する静止密封環10の第2外周面15は、回転軸に添う方向の断面において、両端から内方にいくにつれ回転軸の中心に向かって傾斜する2つのテーパ面15a、15bからなる略V字状に形成されている。2つのテーパ面15a及び15bは左右対称に形成されるのが望ましい。
なお、図2(b)に示すものでは、テーパ面15a、15bは、両端から回転軸の中心に向かって傾斜、すなわち、径が小さくなる方向に傾斜しているが、これに限らず、径が大きくなる方向に傾斜してもよい。また、第2外周面15が略V字状に形成されている理由については、後に、クランプ部材16のところで詳しく説明する。
図3は、静止密封環10が内周側から圧力を受けた場合の状態を説明する図であって、(a)は圧力が作用している状態を、(b)及び(c)は圧力により歪んだ状態を示している。
図3(a)に示すように、静止密封環10が内周側から被密封流体により圧力p1を受けると、外周側が低圧であるため、外周部がクランプ部材16により締め付けられているとはいっても、静止密封環10は径が大きくなるように歪む。その際、左側の分割環10aと右側の分割環10bとの間の歪み量に差が出る場合がある。
図3(b)は、右側の分割環10bがより多く歪む場合を示すもので、分割面25においては、外周側傾斜面25aの面圧p2が高くなり、内周側傾斜面25bに面圧は作用しない。
逆に、図3(c)は、左側の分割環10aがより多く歪む場合を示すもので、分割面25においては、内周側傾斜面25bの面圧p3が高くなり、外周側傾斜面25aに面圧は作用しない。
そして、図3(b)の場合、面圧p2に基づく外周側傾斜面25aに沿う分力が外周側傾斜面25aの摩擦力より大きくなると、左側の分割環10aに対して右側の分割環10bが径方向にズレる。両者に径方向のズレが発生しても、外周側傾斜面25aにおいて追随できるので、隙間が生じることはない。
また、図3(c)の場合、面圧p3に基づく内周側傾斜面25bに沿う分力が内周側傾斜面25bの摩擦力より大きくなると、右側の分割環10bに対して左側の分割環10aが径方向にズレる。両者に径方向のズレが発生しても、内周側傾斜面25bにおいて追随できるので、隙間が生じることはない。
このように、本発明においては、外周部から内周側に向かって一定方向に傾斜する外周側傾斜面25aと、内周部から外周側に向かって外周側傾斜面25aの傾斜する側と同じ側に傾斜する内周側傾斜面25bとからなる分割面25を備えることにより、いずれの分割環が歪んだ場合でも、分割面25に隙間が発生することはなく、シール性を向上することができる。
次に、図4を参照しながら、分割面25の種々の例を説明する。
(a)に示す分割面25は、外周側傾斜面25aの傾斜角度θ1及び内周側傾斜面25bの傾斜角度θ2は、それぞれ、約45°である。
また、(b)に示す分割面25は、外周側傾斜面25aの傾斜角度θ1が約75°と大きく、内周側傾斜面25bの傾斜角度θ2は約45°である。この場合、外周側傾斜面25aに沿う分力を小さくすることができるのでズレが生じにくい。
さらに、(c)に示す分割面25は、外周側傾斜面25aの傾斜角度θ1及び内周側傾斜面25bの傾斜角度θ2は、それぞれ、約75°と大きい。この場合、外周側傾斜面25aの面積を大きくすることができるので隙間が生じにくい。
以上説明したように、本実施例の静止密封環10(または回転密封環30)は、周方向において分割されており、それぞれの分割面25は、回転軸4の軸線方向と直交する方向からみて、外周部から内周側に向かって一定方向に傾斜する外周側傾斜面25aと、内周部から外周側に向かって外周側傾斜面25aの傾斜する側と同じ側に傾斜する内周側傾斜面25bとから構成され、外周側傾斜面25aと内周側傾斜面25bとは外周部と内周部との間において交叉するように設定されているため、内周側から圧力を受けて径が大きくなるように歪み、分割面において径方向のズレが発生しても、外周側傾斜面25aにおいて追随できるので、隙間が生じることはなく、シール性を向上することができる。
次に、図5を参照しながら、クランプ部材について説明する。
クランプ部材16は、静止密封環10の外周部に沿って配設され、静止密封環10を径方向に締め付けるもである。
図5(a)に示すように、クランプ部材16は静止密封環10と同じく周方向において2分割され、基端26を支点として回動自在な2つの分割片16a及び16bを備え、基端26にはピン17が設けられ、ピン17を支点として開閉自在なヒンジ構造に形成されている。基端26におけるヒンジ構造は、例えば、右側の分割片16bの端部に凹部を形成し、この凹部に、左側の分割片16aに形成された凸部が嵌合すると共に、これらの凹凸嵌合部にピン17が嵌入されるように構成される。
一方、基端26と約180°反対側には、分割片16a及び16bを密に結合する締結部28が設けられている。締結部28において分割片16a及び16bはボルト18により密に結合される。締結部28にはクランプ力を安定させるため、スプリングあるいはスプリングワッシャーのような弾性部材29が配設されるのが望ましい。
図5(a)では、弾性部材29としてスプリングワッシャーが用いられている。
また、図5(c)及び(d)では、弾性部材29としてスプリングが用いられ、図5(c)の場合、スプリングは分割片16bとボルト18の頭部との間に装着され、図5(d)の場合、スプリングは分割片16aと16bとの間に装着されている。弾性部材29としてスプリングを用いた場合、クランプ力が安定すると共に、スプリング強さを調整して分割片16a、16bの耐圧を調整することもできる。
クランプ部材16の2つの分割片16a及び16bは軸方向にズレが生じないように正確に結合される必要があるため、基端26を支点とするヒンジ構造及び締結部28は、精度よく形成される。
図5(b)に示すように、クランプ部材16の内周面27は、静止密封環10の第2外周面15と同様に、回転軸に添う方向の断面において両端から内方にいくにつれ回転軸の中心に向かって傾斜する2つのテーパ面27a及び27bからなる略V字状に形成される。2つのテーパ面27a及び27bは、左右対称に形成されるのが望ましい。
なお、図5(b)においては、テーパ面27a、27bは、静止密封環10の第2外周面15に合わせるように、両端から内方にいくにつれ回転軸の中心に向かって傾斜、すなわち、径の小さくなる方向に傾斜しているが、これに限らず、静止密封環10の第2外周面15が径の大きくなる方向に傾斜される場合は、径の大きくなる方向に傾斜されてもよい。
静止密封環10の第2外周面15及びクランプ部材16の内周面27が、共に略V字状をなしていることにより、クランプ部材16が締結された場合、静止密封環10の2つの分割環10a及び分割環10bは略V字状の溝により軸方向位置が整合され、軸方向の位置決めが正確になされることになる。また、2つのテーパ面27a及び27bが、左右対称に形成されているので、静止密封環10に対して左右で均一なクランプ力が作用し、静止密封環10を偏ることなく保持することができる。
以上説明したように、本実施例のクランプ部材16(またはクランプ部材35)は、静止密封環10と同じく周方向において分割され、基端26を支点として回動自在な2つの分割片16a及び16bを備え、締結部28において分割片16a及び16bはボルト18により密に結合される構造であるため、従来技術3のようなリーマボルトを用いて密封環をクランプする装置に比べて大幅に小型化が可能である。また、クランプ部材16の内周面27は、静止密封環10の第2外周面15と同様に、両端から内方に向かうにつれ軸心方向に傾斜する2つのテーパ面27a及び27bからなる略V字状に形成されため、静止密封環10の位置固定が安定され、例えば、静止密封環10をラッピング後に再度組立てる場合でも、安定したシール面状態を保持することができる。さらに、締結部28にスプリングあるいはスプリングワッシャーのような弾性部材29を配設することにより、クランプ力を安定させることができる。
次に、図6を参照しながら、分割型の静止密封環あるいは回転密封環の加工方法についてその一例を説明する。図6では、静止密封環10を2分割で製作する場合について説明する。
(1) 図6(a)に示すように、円周状に組立てられた静止密封環10と同一形状の円周リング45を用意する。
(2)円周リング45の側面に、略V字状の2つの分割面25、25をマーキングする。
(3)例えば、2つの分割面25、25の左側の部分を残す場合、2つの分割面25、25の右側に接する直線m1、m2を引き、その直線に沿って切断する。左側の部分を部品1とする。
(4)右側の余剰部分は廃却する。
(5)部品1ついて、図6(b)で示す、分割面25、25の右側のハッチング部45b、45c及び45dを除去する。
(6)上記(1)〜(5)を繰り返すことにより、所要数の部品1を製作する。
(7)部品1の分割面25、25のそれぞれの外周側傾斜面25a及び内周側傾斜面25bをV字特殊治具などを用いてラッピングする。
または、2つの部品1を図6(c)で示すように組合わせ、分割面25、25を摺り合わせにより仕上げる。
なお、2分割の場合は、右側の余剰部分は廃却されるが、3分割または4分割でもシール性が確保される場合は、2分割で出た余剰部分を3分割又は4分割の部品として活用することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、図1に示す形状の静止密封環または回転密封環を例にして説明したが、本発明はこれに限定されることなく、他の形状の静止密封環または回転密封環についても適用できることはもちろんである。
また、例えば、前記実施例では、密封環のうち、静止密封環及びそれに装着されるクランプ部材を例にして説明したが、本発明は、これに限らず、回転密封環及びそれに装着されるクランプ部材についても同様に適用されるものである。
また、例えば、前記実施例では、内周側に高圧の被密封流体が存在するアウトサイド形のメカニカルシールについて説明したが、本発明は、外周側が高圧流体が存在するインサイド形にも適用可能である。
1 分割型メカニカルシール装置
2 ハウジング
3 ハウジングの内周面
4 回転軸
5 被密封流体用流通路
6 ハウジングの端面
10 静止密封環
11 静止密封環の第1外周面
12 環状溝
13 第1Oリング
14 静止密封環の内周面
15 静止密封環の第2外周面
16 クランプ部材
17 ピン
18 ボルト
19 取付穴
20 コイルスプリング
25 分割面
25a 外周側傾斜面
25b 内周側傾斜面
26 クランプ部材の基端
27 クランプ部材の内周面
28 締結部
29 弾性部材
30 回転密封環
31 接合面
32 段部面
33 第2Oリング
34 回転密封環の外周面
35 クランプ部材
36 ピン
37 ボルト
38 ドライブピン用係止穴
40 締付リング
41 ボルト
42 環状凸部
43 ドライブピン
S1 静止密封環のシール面
S2 回転密封環のシール面


Claims (3)

  1. ハウジングと回転軸との間に形成された軸封部に装着されて、ハウジングと回転軸との間をシールするメカニカルシールにおいて、
    静止密封環および回転密封環を備え、
    前記静止密封環または前記回転密封環は周方向において分割された分割型の密封環であり、
    前記静止密封環または前記回転密封環の分割面は、前記回転軸の軸線方向と直交する方向からみて、外周部から内周側に向かって一定方向に傾斜する外周側傾斜面と、内周部から外周側に向かって前記外周側傾斜面の傾斜する側と同側に傾斜する内周側傾斜面とから構成され、
    前記外周側傾斜面と前記内周側傾斜面とは外周部と内周部との間において交叉するように設定されていることを特徴とする分割型メカニカルシール。
  2. 前記静止密封環または前記回転密封環の外周部に沿って配設され、前記静止密封環または前記回転密封環を径方向に締め付け可能なクランプ部材を備え、前記クランプ部材は前記静止密封環または前記回転密封環と同じく周方向において分割され、前記静止密封環または前記回転密封環の外周面及び前記クランプ部材の内周面は、前記回転軸の軸線方向の断面において傾斜する2つのテーパ面からなる略V字状に形成されることを特徴とする請求項1記載の分割型メカニカルシール。
  3. 前記クランプ部材は基端を支点として回動自在な2つの分割片を備え、前記分割片の締結部に弾性部材を配設し、前記弾性部材を介して前記締結部の締結が行われることを特徴とする請求項2記載の分割型メカニカルシール。
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