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JP5996279B2 - 内視鏡を用いた物体計測装置及び物体計測方法並びに内視鏡先端フード - Google Patents

内視鏡を用いた物体計測装置及び物体計測方法並びに内視鏡先端フード Download PDF

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Description

本発明は、内視鏡を用いて物体のサイズを計測する物体計測装置及び物体計測方法と、その装置及び方法に使用する内視鏡先端フードに関する。
内視鏡は、医学や工学の様々な分野で使用されており、狭隘な場所にある物体の有無、位置、サイズ等を検査・測定する用途などで広く用いられている。特に、医療分野では、咽頭、食道、腸などの消化管内に発生した腫瘍、腫瘤等の病変組織の検査において、内視鏡を用いて病変組織の位置を特定し、そのサイズを計測することによって、その切除が必要か否かを判断する。従って、内視鏡の遠位端にある物体のサイズを計測する物体計測技術が必要とされている。斯かる物体計測技術としては、特許文献1〜5に記載のものが公知である。
(1)特許文献1,2には、内視鏡の鉗子孔を通して内視鏡遠位端から小型の目盛付棒状スケールを突出させて物体に宛がい目視により測長を行う技術が開示されている。
特許文献1では、先端側に目盛部を有し、観察視野内に於いて目盛部が移動可能となる折れ曲り習性を与えたワイヤ、及びそのワイヤを案内するチャネル、並びにワイヤの後端側を前後動させるワイヤ駆動装置とを備えたメジャー付シースが開示されている。
特許文献2では、光ファイバにより構成した測長具を内視鏡の遠位端から突出させ、突出部の光ファイバ側面に、一定の間隔で環状に溝部を形成してこれを目盛りとしたものが開示されている。光ファイバを通して投光される光はその溝部で乱反射されて溝部から光ファイバ外部へ漏れ出し、目盛りが発光しているように見える。
(2)特許文献3には、目盛投影用のライトガイドファイバを用いて対象物に目盛を投影し対象物の寸法を測定する物体計測技術が開示されている。
(3)特許文献4には、発信器から対象物に向けて信号を発信し、対象物で反射された信号を受信器で受信して、発信器から発信された信号が受信器に到達するまでの時間に基づいて受信器と対象物との間の距離を算出し、この距離と内視鏡固有の視野角とから対象物が存在する位置のスケール目盛を決定し、このスケール目盛を対象物の観察画像上に表示するようにしたものが開示されている。
(4)特許文献5には、下咽頭の腫瘍(病変組織)のサイズを計測するための内視鏡フードとして、透明な可撓材料からなる両端開口筒状で、一開口端近傍の周壁に施術用孔が穿設されており、周壁の少なくとも一部に、軸方向の目盛りが付された内視鏡フードが開示されている。この内視鏡フードによる病変組織のサイズ計測は、次のようにして行われる。まず、内視鏡の挿入部を内視鏡フードに遊貫させた状態で、内視鏡の挿入部を、先端が食道に到達するように患者の口から挿入する。次いで、内視鏡の挿入部に沿って内視鏡フードをずらし、内視鏡フードを口腔から食道に挿入する。このとき、内視鏡フードの周壁が下咽頭を押し広げた状態となる。次いで、内視鏡の挿入部先端を内視鏡フードの管内で移動させながら、内視鏡フードの周壁を通して下咽頭乃至食道の内壁面を観察し、病変組織の有無を検査する。病変が発見された場合、内視鏡フードを回転させて目盛りと病変組織の位置合わせをし、内視鏡により目盛りを読むことによって病変組織のサイズを計測する。
一方、内視鏡による組織の拡大観察の際に内視鏡視野を確保するために用いる内視鏡フードとしては、上記特許文献5記載のもの以外に、例えば非特許文献1〜3に記載のような内視鏡先端に装着するものが公知である。図12は、非特許文献1に記載の内視鏡フード(商品コード(JAN):4547410074611)である。非特許文献1に記載の内視鏡フードは、消化管の拡大観察の際に内視鏡視野を確保するもので、短円筒状に形成された本体を有し、本体の筒内壁が、内視鏡挿入側が大径、先端側が小径となるように二段の段差状に形成されており、中段の内壁面の一部が、内視鏡先端のDカット部と適合するように平面部を有するように形成されたものである。使用の際には、内視鏡先端のDカット部にフードの平面部を合わせ、内視鏡の先端部にフードを装着し、滅菌された伸縮性のあるプラスチックテープでフードと内視鏡先端とを確実に固定して使用する(図12(b)参照)。
非特許文献1〜3記載のような内視鏡フードは、内視鏡先端に装着して使用するものであり、上記特許文献5記載のガイド管タイプの内視鏡フードと区別するために、以下では内視鏡先端に装着するタイプの内視鏡フードを「内視鏡先端フード」と呼ぶ。
通常、汎用の内視鏡には内視鏡先端フードは取り付けられていないが、特に、大腸内視鏡では、内視鏡先端フードを取り付けることにより、(1)困難な挿入もしやすくなり、(2)ポリープの発見率も高くなることが報告されている(非特許文献5,6)。
実開昭58−70203号公報 特開平2−45030号公報 特開昭59−71736号公報 特開昭62−161337号公報 特開昭2010−29491号公報
富士フイルム株式会社,"フード DH-10GZ",[online],2009年2月18日,独立行政法人医薬品医療機器総合機構・医薬品医療機器情報提供ホームページ,[平成24年5月28日検索],インターネット<URL : http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/671001_14B2X10002A0K509_A_02_01.pdf> 久米恵一郎,「消化器内視鏡の新しいデバイスの開発とその考え方〜低侵襲治療時代におけるストラテジー〜」,産業医科大学雑誌,産業医科大学学会,2010年12月1日,第32巻,第4号,pp. 349-365. オリンパスメディカルシステムズ株式会社,"ディスポーザブル先端アタッチメント",[online],2008年8月29日,独立行政法人医薬品医療機器総合機構・医薬品医療機器情報提供ホームページ,[平成24年5月28日検索],インターネット<URL : http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/180590_13B1X00277000020_A_01_15.pdf> 日本消化器内視鏡技師会安全管理委員会編,"内視鏡の洗浄・消毒に関するガイドライン(第2版)",[online],2004年,日本消化器内視鏡技師会ホームページ,[平成24年5月28日検索],インターネット<URL : http://www.jgets.jp/CD_GL2.html> Kim HH, et.al. "Transparent-cap-fitted colonoscopy shows higher performance with cecal intubation time in difficult cases", World J Gastroenterol, 2012 Apr 28, 18(16). pp.1953-1958. Rastogi A, et.al. "Higher adenoma detection rates with cap-assisted colonoscopy: a randomised controlled trial", Gut. 2012 Mar, 61(3), pp.402-8, Epub 2011 Oct 13.
ところで、実際に消化管内の病変組織の検査に於いて、上記特許文献1〜5の内視鏡による物体計測技術では次のような問題がある。
(1)特許文献1,2に記載の計測技術では、消化管内の病変部位に目盛り棒を宛がうには、内視鏡近位端側の操作部に設けられた鉗子孔(非特許文献4の図1,図2を参照)から、目盛り棒付のガイドワイヤを鉗子チャネルに挿入し、ガイドワイヤを操作することによってワイヤ先端にある棒状スケールの位置、向き、折れ角の微調整を行う必要があるため、操作が煩雑で難しく、サイズ計測に時間がかかり、検査を受ける患者への負担が大きいという問題がある。
図13は、特許文献1に記載のものと同様の棒状スケール付ガイドワイヤの先端部の実物写真である。図13では、内視鏡の挿入部12にガイドワイヤ100を通した状態を示している。ガイドワイヤ100の先端には、棒状スケール101が取り付けられている。棒状スケール101のガイドワイヤ100に対する角度は、ガイドワイヤ100を通して自由に操作・調節することができる。棒状スケール101には、5mm間隔で縞状の目盛り101aが付されている。図14(a)は、図13の棒状スケール101付のガイドワイヤ100を内視鏡の操作部11の鉗子孔16に挿脱している様子を表す写真、図14(b)は、ガイドワイヤ100の近位端部に取り付けられた操作レバー102によって棒状スケール101を操作している様子を表す写真である。この操作レバー102によって、棒状スケール101の向きや折れ角を調節する。図15は、図13の棒状スケール101付のガイドワイヤ100を用いた内視鏡10により観察される観察像の一例である。図15に示したように、病変部位50に対して棒状スケール101を水平に宛がうように、操作レバー102を操作して棒状スケール101の向きと折れ角を調節し、棒状スケール101に付された目盛り101aを読み取ることで、病変部位50のサイズを測定することができる。しかしながら、棒状スケール101の向きと折れ角を操作レバー102から調節するのは、遠隔操作であるため難しく煩雑であり、サイズ計測に時間がかかる。
また、通常広く使用されている内視鏡は、1つの鉗子チャネルのものが多いが、その場合、病変部位の計測の際に鉗子チャネルに棒状スケール付ガイドワイヤを挿入して病変部位サイズを計測した後に、該病変部位を切除又は洗浄する必要が生じた場合、図14(a)のように棒状スケール付ガイドワイヤを鉗子チャネルから抜出し、代わって鉗子チャネルに把持鉗子や切除用のワイヤを挿入して施術を行う必要がある。しかし、図14(a)の写真から分かるとおり、ガイドワイヤのワイヤ長が長く、ワイヤの抜き差しは非常に煩雑な作業である。また、このワイヤの抜き差しの作業中に内視鏡挿入部が抜出してしまったり、内視鏡の先端が病変部位の位置からずれ動いてしまったりする場合があり、操作効率が非常に悪いという問題がある。図15から分かるように、内視鏡10の挿入部12先端と病変部位50は離れており、ガイドワイヤの挿脱中に内視鏡10の挿入部12先端を一定の位置に維持しておくことはかなり困難である。
(2)特許文献3に記載の計測技術は、ライトガイドファイバにより目盛りの影像を病変部位に投影して、投影された影像から病変部位のサイズを計測するものであるが、ライトガイドファイバの先端から病変部位までの距離により目盛りの影像の縮尺が変化するため、操作者は一見して病変部位のサイズを知ることができず、ライトガイドファイバから病変部位までの距離を何らかの方法で計測して縮尺を計算し、測定された目盛り値から病変部位のサイズを換算する必要がある。従って、計測作業が繁雑で時間がかかるという問題がある。また、病変部位の粘液の反射の影響により目盛りの影像が読み取りにくくなる場合や、病変部位の凹凸により目盛りの影像が歪んで読み取りにくくなる場合も想定される。故に、使い勝手が悪いことが予想される。更に、上述したように、鉗子チャネルが1つの内視鏡を使用している場合には、(1)の場合と同様、ワイヤの抜き差しの煩雑さの問題やワイヤの抜き差し作業中の内視鏡挿入部が抜出,位置ずれの問題が同様に生じることが想定される。
(3)特許文献4に記載の計測技術は、信号反射による距離計測と内視鏡固有の視野角から観察される病変部位のサイズ値を換算してサイズ計測を行うものであるが、上記(2)の場合と同様に、一見して病変部位のサイズを知ることができないため、内視鏡観察を継続的に行いながら即時に切除の必要性の有無を判断することが難しい。また、信号反射による距離計測は、消化管内部の状況によって誤差が生じる場合が想定される。例えば、消化管内の病変部位が粘液や便などのゲル状又は個体状物質で汚れているような場合、正確な距離計測が困難となり、病変部位のサイズ値の換算ができなくなる場合が想定される。
(4)特許文献4に記載の計測技術は、ガイド管タイプの内視鏡フードに軸方向に付された目盛りを病変部位に直接宛てがって、その目盛りを内視鏡により観察しサイズを読み取るものであり、簡便で、一見して病変部位のサイズを知ることも可能である。しかし、内視鏡フードの外側面を病変部位に密着させる必要があり、その操作が難しい場合がある。特許文献4では、通常狭窄している下咽頭における腫瘍のサイズ計測に特化した技術であり、咽頭反射により下咽頭内壁に内視鏡フードの外側面を密着させることは容易であると考えられる。しかし、例えば、大腸内部の腫瘍や腫瘤のサイズを測定する場合には、一般に内視鏡フードの外側面を腫瘍や腫瘤にうまく密着させるのは容易ではないことが想定される。また、外壁面を腫瘍や腫瘤に密着させることで腫瘍や腫瘤が押しつぶされた状態となり、正確にサイズを測定することが困難となる場合があるとも考えられる。
そこで、本発明の目的は、上述したような従来の計測技術で想定される各問題点を解決し、内視鏡先端の物体サイズを容易に計測することが可能な物体計測技術を提供することにある。
尚、本発明は、主に医療分野における内視鏡検査を念頭になされたものであるが、本発明の適用範囲は医療分野に限定されず、一般に、内視鏡を用いた種々の物体のサイズの計測にも適用することが可能である。
本発明に係る物体計測装置の第1の構成は、内視鏡を用いて内視鏡遠位端前方の対象物の大きさを計測する物体計測装置であって、
先端縁が前記内視鏡遠位端よりも突出するように前記内視鏡遠位端に脱着自在に装着され、短筒状に形成された内視鏡先端フードと、
前記内視鏡先端フードの先端縁に該先端縁の周方向に沿って付された目盛りと、
前記内視鏡の近位端側に接続され、前記内視鏡を通して観察される対象物像及び前記内視鏡先端フードの前記目盛りの像を撮像し画像データを生成する撮像手段と、
前記撮像手段で生成された画像データから前記対象物像及び前記目盛りの像を抽出するパターン抽出手段と、
前記対象物像と前記目盛りの像とを比較し、前記対象物のサイズを算出するサイズ算出手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、内視鏡先端フードを対象物に当接させた状態において、撮像手段が対象物の物体像を撮像し、画像データを生成する。ここで、内視鏡により観察される観察像において、視野の中心を取り囲む閉曲線状の内視鏡先端フードの先端縁の像と、先端縁の像を中心として外側に向かって放射状に広がる目盛りの像とが観測される。次いで、パターン抽出手段が、画像データから物体像及び目盛りの像を抽出する。そして、サイズ算出手段が、物体像と目盛りの像とを比較し、物体像のサイズを算出する。これにより、対象物のサイズを計測することが可能となる。
内視鏡先端フードは内視鏡遠位端に固定されているため、観察像における先端縁の像及び目盛りの像は常に同じ形状を保つ。従って、予め先端縁の像及び目盛りの像をパターン登録しておけば、観察像から先端縁の像及び目盛りの像を抽出することは極めて容易である。また、実際の先端縁の形状及び目盛り間隔と、観察像における先端縁の像及び目盛りの像とを比較することにより、内視鏡の収差や反射による観察像のぼやけを較正(キャリブレーション)することも可能となる。従って、正確なサイズ計測も可能となる。
ここで、「内視鏡」は、医療用に限定されない。従って、医療用の内視鏡はもとより、工業用等に使用される内視鏡も含む。例えば、バイオリンの内部検査用、配管内部や原子炉内部の検査用に用いる内視鏡も含む。「内視鏡遠位端」とは、内視鏡の挿入部の先端のことをいう。「対象物」は、腫瘍や腫瘤に限定されない。「筒状」とは、中空の形状をいい、必ずしも円筒に限定されない。また、1/3周のカットフード等、用途に合わせた形態のバリエーションも含まれる。また、筒状の一部に液体の溜まりを形成しないようにする「側孔」を設けたフードも含まれる。しかし、特に、内視鏡の先端が円形であること、サイズ計測を容易にすることの観点から、円筒とするのが好ましい。「内視鏡先端フード」は、透明素材で構成することが好ましいが、必ずしも透明でなくてもよい。「物体像のサイズ」とは、直径、最大径、面積等の物理的外形のサイズをいう。
「目盛り」の間隔は特に限定されないが、観察中に操作者が容易に物体サイズを認識できるようにする観点から、等間隔であることが望ましい。また、「目盛り」の形状については、観察像における目盛り像のパターン認識をしやすくする観点から、内視鏡先端フードの筒軸と平行な直線形状であることが望ましい。
尚、「目盛り」の間隔の決め方に関しては、次のようにすることができる。内視鏡先端フード先端縁の形状が円形の場合には、該先端縁に沿って目盛りが付されているため、観察像に於いて観測されるスケールは円弧となる。従って、円弧状のスケールで測定される対象物の長さをx、観察される対象物の実際の長さ(円弧状のスケールを当てたときの弦の長さ)をy、内視鏡先端フード先端縁の直径をφとすると、3者は以下の関係になる。
目盛りを付する際には、最も精度を要する計測物に合わせ、上記式より逆算する。
例えば、医療用の内視鏡で大腸のポリープの直径を計測する場合、精度を要する大きさの中心は5mmである。大腸ポリープを発見した場合、5mm未満であれば、無治療となり5mm以上であれば切除することとなるからである。この場合、汎用されている大腸内視鏡の外径(内視鏡先端フード内径)は11.3mmで、上式に当てはめた場合、x=5ならy=4.84、x=6ならy=5.72となる。従って、1mm間隔の目盛りでの計測を1mmとすれば仕様に合致することとなる。
内視鏡の医療用・工業用の市販品の外径は、ほとんど5〜20mmにあり、1mm間隔の目盛りでの計測を1mmとすれば近似されるが、精度を要する場合は上式を用いて、特有の目盛りを付するようにすればよい。
精度を要する計測範囲が複数ある場合、上式を利用した尺度の異なる複数の目盛り群を設けることも考えられる。例えば、半周は1mm間隔の目盛りでの計測を1mmとし、残り半周は0.9mm間隔の目盛りでの計測を1mmとするような具合にである。
本発明に係る物体計測装置の第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記内視鏡先端フードの先端縁の周方向に沿って、先端が該先端縁表面に露出するように等間隔に配設された複数の電極と、
前記各電極に電圧を印加する電源と、
前記各電極に流れる電流又は隣り合う電極間の抵抗を検出する通電検出手段と、
前記通電検出手段により検出される前記各電極の電流又は前記各電極間の抵抗の大きさに基づき、前記内視鏡先端フードの先端縁が前記物体に当接している幅を判定する当接幅判定手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成に依れば、内視鏡先端フードを対象物に当接させた状態において、各電極に電圧を印加し、各電極に流れる電流を又は各電極間の抵抗の大きさを測定する。このとき、相対的に大きい電流が流れる電極の連続する列幅から、対象物のサイズを自動的に検出することができる。または、電極間抵抗の小さい電極の連続する幅から、対象物のサイズが自動的に検出することができる。
本発明に係る物体計測方法の第1の構成は、内視鏡を用いて内視鏡遠位端前方の対象物の大きさを計測する物体計測方法であって、
前記内視鏡遠位端に、短筒状に形成され先端縁にその周方向に沿って目盛りが付された内視鏡先端フードを、先端縁が前記内視鏡遠位端よりも突出するように装着し、前記内視鏡先端フードの先端縁が、観察する対象物に当接するように、前記内視鏡遠位端の位置調節が行われた状態において、前記内視鏡の基端側に接続された撮像手段により、前記内視鏡を通して観察される前記対象物像及び前記内視鏡先端フードの前記目盛りの像を撮像し画像データを生成する第1のステップ、
パターン抽出手段が、前記撮像手段により生成された画像データから前記対象物像及び前記目盛りの像を抽出する第2のステップ、
及びサイズ算出手段が、前記対象物像と前記目盛りの像とを比較し、前記対象物のサイズを算出する第3のステップを備えたことを特徴とする。
本発明に係る内視鏡先端フードの第1の構成は、内視鏡の遠位端に装着する短筒状の内視鏡先端フードであって、
前記内視鏡の遠位端に密嵌する筒状の内視鏡装着部と、
前記内視鏡装着部の先端から延出する筒状のキャップ部と、
前記キャップ部の先端縁に、該先端縁の周方向に沿って付された目盛りと、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る内視鏡先端フードの第2の構成は、前記第1の構成に於いて、前記キャップ部の先端縁の周方向に沿って、先端が該先端縁表面に露出するように等間隔に配設された複数の電極を備えたことを特徴とする。
以上の本発明によれば、内視鏡先端フードの先端縁に該先端縁の周方向に沿って付されているため、目盛りと内視鏡先端との相対位置が常に固定されている。従って、対象物に目盛りを宛がい固定するのが容易となる。
また、目盛りが内視鏡先端フードと一体となっているため、従来のように、目盛り専用のワイヤを内視鏡挿入部に出し入れする必要がない。従って、便とポリープが絡まっている場合、洗浄水により便を洗い流す必要があるが、内視鏡ルーメンが目盛り専用ワイヤで占拠されていないため、そのまま洗浄水の注入が可能である。
また、目盛りと内視鏡先端との距離が常に一定なことから、観察される目盛りの像の縮尺が常に一定である。そして、目盛りが内視鏡先端フードの先端に設けられているため、内視鏡先端フードを対象物に当接させることで、目盛り−内視鏡先端間距離と対象物−内視鏡先端間距離との距離を等距離とし、双方の観察像の縮尺を等しくできると同時に、目盛りを対象物に固定できる。これにより、画像データから物体像のサイズを正確に算出することが可能となる。
また、目盛りが内視鏡先端フードの先端縁に沿って円形に配置されているため、観察対象物を中心にして周囲に内視鏡先端フードの先端縁が囲むように位置合わせするのが容易である。また、ポリープが小さくても、内視鏡先端フード周縁のどこかの位置にポリープを当てれば、サイズの測定が可能であるため、サイズ測定が容易である。
また、内視鏡により観察される観察像に於いて、各目盛りの像は、内視鏡先端フードの先端縁の像から外側に向かって放射状の直線の像として観察される(図5,図7参照)。従って、この観察像の画像データからパターン認識によって目盛りの像を抽出することが極めて容易となり、サイズ計測の自動化における画像処理が容易且つ正確となる。特に、内視鏡先端フードが円筒の場合、先端縁の像は円形となり、目盛りの像はこの円から外に向かって放射状に等間隔で並んだ直線像となるため、パターン認識が極めて簡単となり、内視鏡の収差による画像の歪みや、反射による画像のぼやけがある場合であっても、パターンから目盛りの像を容易に修正でき、また、目盛り間隔の平均値をとることで歪みの補正が容易にできるようになる。従って、サイズ計測の自動化が容易となる。
更に、内視鏡先端フードは内視鏡に脱着自在であるため、内視鏡先端フードを内視鏡の遠位端に嵌着することで、どの内視鏡にも目盛りの取り付けが可能である。即ち、専用の内視鏡を用意する必要がない。また、内視鏡先端フードは安価であり、高価なワイヤ式目盛りが不要となる。
本発明の実施例1に係る内視鏡先端フードの斜視図である。 本発明の実施例1に係る内視鏡先端フードが装着された内視鏡の斜視図である。(a)全体図,(b)挿入部12の要部断面模式図。 本発明の実施例1に係る物体計測装置の全体構成を表す図である。 図3の物体計測装置の機能構成を表すブロック図である。 内視鏡10により観察される観察像の一例である。 実施例1の内視鏡先端フード1を装着した内視鏡10による病変部位50の観察像の例を模式的に示した図である。(a)は、病変部位50がキャップ部先端像51の円内にある場合、(b)は、病変部位50がキャップ部先端像51の円を横切っている場合を表している。 図5の画像データに対して作成されたエッジ画像の例である。 (a)図5の画像データと図7(a)のエッジ画像を重ねて表示した状態を表す図、(b)図5の画像データにサイズ情報を追加した画像の図である。 本発明の実施例2に係る内視鏡先端フードの斜視図である。 本発明の実施例2に係る物体計測装置の全体構成を表す図である。 図10の物体計測装置の機能構成を表すブロック図である。 非特許文献1に記載の内視鏡フード(商品コード(JAN):4547410074611)である。 特許文献1に記載のものと同様の棒状スケール付ガイドワイヤの先端部の実物写真である。 (a)は、図13の棒状スケール101付のガイドワイヤ100を内視鏡の操作部11の鉗子孔16に挿脱している様子を表す写真、(b)は、ガイドワイヤ100の近位端部に取り付けられた操作レバー102によって棒状スケール101を操作している様子を表す写真である。 図13の棒状スケール101付のガイドワイヤ100を用いた内視鏡10により観察される観察像の一例である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る内視鏡先端フードの斜視図である。内視鏡先端フード1の本体2は、外側面及び内側面が平坦な、全長に亘って径が一定な円筒形に形成されている。本体2は、内視鏡挿入部の遠位端に密嵌する筒状の内視鏡装着部3と、内視鏡装着部3の先端から延出する筒状のキャップ部4とを有する。内視鏡装着部3とキャップ部4とは同径である。内視鏡装着部3及びキャップ部4の内径及び外形は、装着する内視鏡の先端部に合わせて任意に設定することが可能であるが、通常は、10〜15mmφとされる。キャップ部4の長さ(内視鏡先端からの突出長)は、内視鏡視野確保の要請に応じて任意に決めることができるが、通常は、2〜10mm程度とされる。
内視鏡装着部3とキャップ部4の境界は外部から視認可能とされており、少なくともキャップ部4は透明な素材で構成されている。具体的には、(1)内視鏡装着部3とキャップ部4との境界を識別するための目印又は境界線を附した構成、(2)内視鏡装着部3を曇色とし、キャップ部4を透明とした構成、(3)内視鏡装着部3をビニル、アクリルエラストマー等の伸縮する素材とし、キャップ部4を伸縮性のないプラスティックとした構成などを採ることができる。
キャップ部4の先端縁4aには、該先端縁4aの周方向に沿って、全周に亘って等間隔の目盛り5が付されている。目盛り5の間隔は、1mm〜5mm程度とすることができる。図1の例では、目盛り5の間隔は、短目盛線が1mm、長目盛線が5mmとされている。
図2は、本発明の実施例1に係る内視鏡先端フードが装着された内視鏡の斜視図である。図2(a)は全体図、図2(b)は挿入部12の要部断面模式図である。尚、図2(b)においては、本発明に関係のない部分の構成は省略している。
内視鏡10は、一般に広く用いられているものであり、操作部11、挿入部12、ユニバーサルコード部13、及びコネクタ部14から構成されている。挿入部12が、消化管などの検査部位に挿入される部分であり、細長い可撓性チューブにより構成されている。挿入部12の遠位端である先端部15には、図1で説明した内視鏡先端フード1が装着されている。内視鏡先端フード1は、内視鏡装着部3が先端部15に密嵌しており、使用時には、滅菌された伸縮性のあるプラスチックテープ(図示せず)で内視鏡装着部3と先端部15とが確実に固定される。このように、内視鏡10に内視鏡先端フードを取り付けることにより、特に、大腸内検査に使用する場合には、困難な挿入もしやすくなり、ポリープの発見率も高くなる(非特許文献5,6参照)。
操作部11には、鉗子付ガイドワイヤ等の処置具を挿入するための鉗子孔16が設けられている。また、挿入部12の内部には、管腔状の鉗子チャネル17、吸引チャネル18、送水チャネル19、送気チャネル20が形成され、光ファイバ21が設けられている。
鉗子チャネル17は、処置具を通すための管腔であり、近位端側が鉗子孔16に連通し、遠位端側が先端部15の先端面15aに開口している。
吸引チャネル18は、近位端側がコネクタ部14の吸引口金22に連通し、遠位端側が鉗子チャネル17の鉗子孔16近傍に連通し、鉗子チャネル17を介して先端部15の先端面15aに連通している。この吸引チャネル18は、消化管内の洗浄時に汚物を吸引し排出するために用いられる管腔である。
送水チャネル19は、近位端側がコネクタ部14の送水口24に連通し、遠位端側が先端部15の先端面15aに連通している。また、送気チャネル20は、近位端側がコネクタ部14の送気口23に連通し、遠位端側が先端部15の先端面15aに連通している。
送水チャネル19及び送気チャネル20は、先端部15付近で接続され、1本の管腔として先端面15aに開口している。これら送水チャネル19,送気チャネル20は、消化管内の洗浄時などに、消化管内に洗浄水や空気を挿入するための管腔である。
図3は、本発明の実施例1に係る物体計測装置の全体構成を表す図である。図3において、内視鏡先端フード1、内視鏡10、操作部11、挿入部12、ユニバーサルコード部13、及びコネクタ部14は、図1.図2で説明したものと同様である。
内視鏡10の操作部11の接眼部29(図2参照)には、光ファイバ21を通して結像される観察像を撮影するためのカメラ30が取り付けられている。カメラ30は、通常のCCDカメラが用いられている。
また、内視鏡10のコネクタ部14は、送気送水機能付光源装置31に接続されている。この送気送水機能付光源装置31は、ライトガイド25(図2参照)から光ファイバ21に入射する照明用の高輝度光源、送気口23から送気チャネル20に空気や炭酸ガス等の気体を送入する送気装置、及び送水口24から洗浄水や薬液を送入する送液装置を備えている。
また、カメラ30にはコンピュータ32が接続されている。コンピュータ32は、カメラ30で撮像された画像の処理を行い、内視鏡10により観察される対象物のサイズの自動計測や撮影画像の保存を行う。
図4は、図3の物体計測装置の機能構成を表すブロック図である。図4において、カメラ30及びコンピュータ32は、図3の同符号のものに対応している。
コンピュータ32は、入力装置40、表示装置41、インタフェース部42、画像入力部43、フレームメモリ44、パターン抽出部45、サイズ算出部46、画像合成部47、及び記憶装置48を備えている。
入力装置40は、キーボードやマウスなどの通常のコンピュータの入力装置である。表示装置41は、ディスプレイ等の通常のコンピュータの表示装置である。インタフェース部42は、カメラ30から出力される画像信号をコンピュータ32に取り込むためのインタフェースである。画像入力部43は、インタフェース部42を介してカメラ30から入力される画像信号を、フレームメモリ44に保存する。パターン抽出部45は、フレームメモリ44に保存された画像を読み出して、読み出された画像から、対象物像及び目盛りの像を抽出する画像処理を行う。この画像処理は、公知のエッジ抽出などの輪郭抽出処理によって行われる。サイズ算出部46は、パターン抽出部45が抽出した対象物像と目盛りの像とを比較し、対象物のサイズを算出する。画像合成部47は、処理対象の画像に、パターン抽出部45が抽出した対象物像の輪郭画像又はサイズ算出部46が算出した対象物のサイズ情報のテキスト画像を合成して、表示装置41又は記憶装置48に出力する。
以上のように構成された本発明の実施例1に係る物体計測装置について、以下その動作を説明する。
(1)病変部位の探索と観察
まず、操作者は、内視鏡10の操作部11を、患者の消化管に挿入し、カメラ30で撮影されコンピュータ32の表示装置41に表示される映像を見ながら、操作部11を前進/後退させ、病変部位50の探索を行う。
病変部位50が発見された場合、操作者は、内視鏡先端フード1のキャップ部先端4aを病変部位50の周辺に当接させる。これにより、内視鏡先端フード1のキャップ部先端4aの位置は、病変部位50の周辺に固定される。
このとき、内視鏡10により観察される観察像は、図5のようになる。図5において、中央付近にある腫瘍状の像が病変部位50、病変部位50を取り囲み円形に写っている像がキャップ部先端4aの像(キャップ部先端像51)、キャップ部先端像51を中心に外方向に放射状に広がる直線の像が目盛り5の像(目盛り像52)である。
キャップ部先端4aから内視鏡10先端までの距離と、病変部位50から内視鏡10先端までの距離は等しいため、目盛り像52の内周端の間隔と病変部位50とを比較することにより、病変部位50のサイズを即座に読み取ることが可能である。従って、図13の棒状スケール付ガイドワイヤの場合のような位置合わせ等の煩雑な操作が全く必要なく、迅速に病変部位50のサイズを計測し、切除の必要があるか否かの判定を行うことができるため、検査を受ける患者への負担が極めて軽減される。また、棒状スケール付ガイドワイヤを内視鏡挿入部に出し入れする必要がないため、検査の作業効率も極めて改善される。
また、目盛り5の先端から内視鏡10先端までの距離と、病変部位50から内視鏡10先端までの距離は常に等しいため、目盛り5の間隔の縮尺を補正する必要がなく、従って、内視鏡10先端から病変部位50までの距離の測定などが一切必要なくなる。故に、従来の距離計測に関連する種々の問題点がすべて解決されることになる。
実際の病変部位50のサイズ測定の例について、図に基づいて具体的に説明する。図6は、実施例1の内視鏡先端フード1を装着した内視鏡10による病変部位50(腫瘤(ポリープ))の観察像の例を模式的に示した図である。図6(a)は、病変部位50がキャップ部先端像51の円内にある場合、図6(b)は、病変部位50がキャップ部先端像51の円を横切っている場合を表している。何れの場合にも、キャップ部先端像51の円に沿った円弧部分Aの長さが目盛り像52によって読み取ることができる。一方、病変部位50の直径Bは、図6(a),(b)に示した通りである。一般に、ポリープの切除適応は、殆どのルールでは5mmとされており、一部では6mmとされている。従って、図6において直径Bの長さを測定する必要がある。キャップ部先端4aの内径(直径)を2Rとすると、直径Bの長さは正確には、B=2R・sin(A/2R)により換算される。一方、現在広く使用されている消化管検査用の内視鏡の内視鏡先端フードにおいては、キャップ部先端の内径は9.2〜13.6mm程度である。従って、例えば、2R=11.3mmとすれば、A=5mmならばB=4.84mm,A=6mmならばB=5.72mmと換算される。従って、AとBの違いは読み取り誤差の範囲内であるとみなされ、ほぼA≒Bとみなしてもよい。従って、目盛り像52によってポリープの直径が5mm又は6mmであるか否かを目測で読み取ることによって、そのポリープが切除適応であるか否かを即時に判断することができる。
また、病変部位50が便や粘液などの汚物と絡まっている場合においては、洗浄水により汚物を洗い流してからサイズ測定を行う必要があるが、本実施例の内視鏡先端フード1を使用した場合、吸引チャネル18が棒状スケール付ガイドワイヤで占拠されていないため、そのまま洗浄水の注入が可能であり、洗浄しながら病変部位50のサイズ計測を同時に行うことも可能となる。
さらに、内視鏡先端フード1は、従来から使用されてきている内視鏡10の挿入部12の先端部15に脱着自在である。従って、今まで使用してきた内視鏡10に内視鏡先端フード1を装着するだけで、目盛り5の取り付けが可能であり、別途に専用の内視鏡を用意する必要がなく経済的である。また、内視鏡先端フード1は簡単な構造であるため安価に製造することができ、従来の棒状スケール付ガイドワイヤに比べると遙かに経済的である。
(2)病変部位の撮影と記録
次に、病変部位50が発見された場合、検査結果としてその病変部位50の写真を検査カルテに記録する必要がある。このとき、操作者は、入力装置40によりコンピュータ32に対し画像記録指示を入力する。画像記録指示が入力されると、まず、パターン抽出部45はフレームメモリ44からその時点における観察像の画像データを読み出し、読み出した画像データから対象物像(病変部位50)及び目盛り像52並びにキャップ部先端像51を抽出する。
例えば、観察像の画像データとして、図5の画像データが読み出されたとする。パターン抽出部45は、この画像データに対して、ノイズ除去、領域分割、エッジ抽出、エッジスムージング処理のような公知の画像処理を行うことにより、図7(a)のようなエッジ画像を生成する。キャップ部先端像51は円形であり、目盛り像52はキャップ部先端像51から外側に向かって略等間隔で放射状に広がる直線であることが分かっているため、公知のパターン認識処理によって、キャップ部先端像51と目盛り像52は容易に推定・抽出することができる(図7(b)参照)。
一方、対象物像(病変部位50)については、様々な形状があり一意的に特定することは難しいため、操作者が入力装置40を用いて、対象物像(病変部位50)の領域を選択する。パターン抽出部45は、表示装置41に、図5の画像データと図7(a)のエッジ画像を図8(a)のように重ねて表示し、操作者に対して対象物像(病変部位50)の領域の選択を促す。操作者は、マウスなどの入力装置40により、対象物像(病変部位50)の領域として、例えば、図8(a)の領域Aを選択したとする。これにより、図7(b)のように対象物像(病変部位50)及び目盛り像52並びにキャップ部先端像51が抽出される。
次に、サイズ算出部46は、対象物像(病変部位50)と目盛り像52の内周端の間隔とを比較し、病変部位50の実際のサイズを算出する。ここで、「サイズ」としては、病変部位50の最大径、最小径、面積など、目的に応じて種々の値を設定することができる。最後に、画像合成部47は、読み出した画像データに、サイズ算出部46が算出した対象物のサイズ情報のテキスト画像を合成して、表示装置41に出力するとともに、記憶装置48に保存する。これにより、発見された病変部位を記録するとともに、そのサイズを自動計測して目盛り像52とともに記録することができ、検査の証拠力性、検査カルテの作成効率が改善される。
例えば、図7(b)の像が抽出された場合、サイズ算出部46は、キャップ部先端像51の円周に沿って、各目盛り像52との交点を検出し、この交点間隔の平均値から、1目盛りの単位長さのスケールを算出する。一般に、交点間隔は、内視鏡10のレンズ収差等による画像の歪み、内視鏡先端フード1の取り付けの際のずれ、撮影の際の反射による写真のぼやけなどの種々の要因によって一定間隔とはならないため、交点間隔の平均値によって単位長さのスケールを決定するのがよい。そして、例えば、対象物像(病変部位50)の最大径x,最小径y,面積S(図7(b)参照)等を図7(b)の画像から算出し、これらの値を単位長さのスケールによって換算することで、対象物像(病変部位50)の実際の最大径x,最小径y,面積S等を算出する。そして、画像合成部47は、これらの情報を、図8(b)のようにテキスト画像として図5の画像データに追加して、表示装置41又は記憶装置48に出力する。
以上のように、本実施例の物体計測装置によれば、内視鏡で観察しながら病変部位50などの対象物を発見すると即座に目視でそのサイズの確認ができるとともに、ワンタッチで対象物を撮影しその写真を対象物のサイズと共に記録・保存ができるため、従来に比べて検査効率やその記録の作成効率を格段に改善することが可能となる。そして、操作者は検査中に病変部位50のサイズを即座に認知でき、切除適用の要否の判定を瞬時に行うことが可能となるため、検査を受ける患者の負担を飛躍的に軽減することが可能となる。
また、目盛り5をキャップ部先端縁4aに沿って等間隔に付したことによって、内視鏡10により観察される観察像において、目盛り5は図5のように円形のキャップ部先端像51から外に向かって等間隔で放射状に広がる目盛り像52として観察される。従って、観察像を撮影した際の写真が光の反射等によりぼやけたり、内視鏡のレンズ収差などにより歪んでいたりした場合でも、簡単なパターン認識(円形パターン、直線パターンの抽出)によって、図7(b)のようにキャップ部先端像51及び目盛り像52を自動抽出しパターンの近似補正をすることができる。また、キャップ部先端像51と目盛り像52の交点間隔の平均値を採ることによって、画像データの歪みによるスケールの誤差補正を容易に行うことができ、内視鏡による対象物のサイズ計算の自動化が極めて容易となる。
図9は、本発明の実施例2に係る内視鏡先端フードの斜視図である。図9において、本体2、内視鏡装着部3、キャップ部4、キャップ部先端縁4a、及び目盛り5は実施例1の図1の同符号のものに対応している。
本実施例の内視鏡先端フード1は、各目盛り5のキャップ部先端縁4aの端面に電極5aを備え、それぞれの電極5aは、本体2の外側面に沿って設けられたリード線5bを介してコネクタ6に集められ、信号ケーブル7を介して外部電源に個別に接続可能とされている。リード線5bは透光性導体で構成され、フレキシブルプリント基板と同様に透明な絶縁フィルムで被覆され外部と絶縁されている。
図10は、本発明の実施例2に係る物体計測装置の全体構成を表す図である。内視鏡先端フード1及び信号ケーブル7は、図9に示したものと同様のものである。また、内視鏡10、操作部11、挿入部12、ユニバーサルコード部13、コネクタ部14、カメラ30、送気送水機能付光源装置31、及びコンピュータ32は、図3のものと同様である。本実施例の物体計測装置は、さらに、電流検出器33及び定電圧電源34を備えている。
電流検出器33は、信号ケーブル7を介して図9の各目盛り5に付属した電極5aと接続されており、各電極5aに流れる電流値を検出する回路である。検出した電流値は、インタフェース・ボードを介してコンピュータ32に入力される。また、定電圧電源34は、電流検出器33及び信号ケーブル7を介して、各目盛り5に付属した電極5aにそれぞれ一定の電圧を印加するための電源である。
図11は、図10の物体計測装置の機能構成を表すブロック図である。図11において、図10又は図4と同様の部分については同符号を付している。本実施例の物体計測装置では、新たに接触幅検出部49を備えている。接触幅検出部49は、電流検出器33が検出する各電極5aに流れる電流値によって、内視鏡先端フード1のキャップ部先端縁4aが病変部位50に接触している幅を検出する。
以上のような構成の本実施例の物体計測装置による、病変部位50のサイズ測定方法について説明する。尚、内視鏡10で観察される画像に基づきサイズを計測する方法に関しては実施例1と同様であるため説明は省略し、ここでは、電極5aを用いた方法のみについて説明する。
この場合、操作者は、内視鏡10の挿入部12の位置を調節して、図6(b)に示したように、内視鏡先端フード1のキャップ部先端縁4aが病変部位50の中心付近に当たるように位置調節をし、キャップ部先端縁4aを病変部位50に軽く押しつけて、病変部位50の全幅にわたってキャップ部先端縁4aが接触するようにする。このとき、各電極5aには、定電圧電源34により一定の電圧を印加しておく。
このとき、病変部位50に接触した電極5aには大きな電流が流れ、病変部位50に接触していない電極5aには殆ど電流が流れない。
接触幅検出部49は、相対的に大きな電流が流れる電極5aを検出し、検出された電極5aの列の幅数を算出する。そして、この幅数に、予め決められている電極5aの間隔を乗算して病変部位50の接触幅を算出し、画像合成部47へ出力する。
画像合成部47は、接触幅検出部49により検出された病変部位50の接触幅を、テキスト画像として内視鏡10の観察画像に追加して、表示装置41又は記憶装置48に出力する。
以上のように、本実施例の物体計測装置によれば、相対的に大きな電流が流れる電極5aの連続する列幅から、病変部位50のサイズが自動的に検出される。従って、病変部位50の色彩が周辺の色彩と区別しにくいような場合において、画像処理だけでは正確に病変部位50のサイズが判別しにくい場合であっても、病変部位50の接触幅を求めることで病変部位50のサイズを正確に検出することが可能となる。
1 内視鏡先端フード
2 本体
3 内視鏡装着部
4 キャップ部
4a キャップ部先端縁
5 目盛り
5a 電極
5b リード線
6 コネクタ
7 信号ケーブル
10 内視鏡
11 操作部
12 挿入部
13 ユニバーサルコード部
14 コネクタ部
15 先端部
15a 先端面
16 鉗子孔
17 鉗子チャネル
18 吸引チャネル
19 送水チャネル
20 送気チャネル
21 光ファイバ
22 吸引口金
23 送気口
24 送水口
25 ライトガイド
26 吸引釦
27 送気・送水釦
28 アングルノブ
29 接眼部
30 カメラ
31 送気送水機能付光源装置
32 コンピュータ
33 電流検出器
34 定電圧電源
40 入力装置
41 表示装置
42 インタフェース部
43 画像入力部
44 フレームメモリ
45 パターン抽出部
46 サイズ算出部
47 画像合成部
48 記憶装置
49 接触幅検出部
50 病変部位
51 キャップ部先端像
52 目盛り像

Claims (1)

  1. 内視鏡を用いて内視鏡遠位端前方の対象物の大きさを計測する物体計測装置であって、
    先端縁が前記内視鏡遠位端よりも突出するように前記内視鏡遠位端に脱着自在に装着され、短筒状に形成された内視鏡先端フードと、
    前記内視鏡先端フードの先端縁に該先端縁の周方向に沿って付された目盛りと、
    前記内視鏡の近位端側に接続され、前記内視鏡を通して観察される対象物像及び前記内視鏡先端フードの前記目盛りの像を撮像し画像データを生成する撮像手段と、
    前記撮像手段で生成された画像データから前記対象物像及び前記目盛りの像を抽出するパターン抽出手段と、
    前記対象物像と前記目盛りの像とを比較し、前記対象物のサイズを算出するサイズ算出手段と、
    前記内視鏡先端フードの先端縁の周方向に沿って、先端が該先端縁表面に露出するように等間隔に配設された複数の電極と、
    前記各電極に電圧を印加する電源と、
    前記各電極に流れる電流又は隣り合う電極間の抵抗を検出する通電検出手段と、
    前記通電検出手段により検出される前記各電極の電流又は前記各電極間の抵抗の大きさに基づき、前記内視鏡先端フードの先端縁が前記物体に当接している幅を判定する当接幅判定手段と、を備えたことを特徴とする物体計測装置。
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