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JP5990114B2 - 鞍乗型車両 - Google Patents

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JP5990114B2
JP5990114B2 JP2013038887A JP2013038887A JP5990114B2 JP 5990114 B2 JP5990114 B2 JP 5990114B2 JP 2013038887 A JP2013038887 A JP 2013038887A JP 2013038887 A JP2013038887 A JP 2013038887A JP 5990114 B2 JP5990114 B2 JP 5990114B2
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Description

本発明は、エアクリーナの吸気ダクトの近傍に遮蔽壁が備えられている鞍乗型車両の改良に関する。
車両前部にエアクリーナが配置され、このエアクリーナの吸気ダクトの近傍に、吸気ダクト内へ水・埃等の侵入を抑制する遮蔽壁を備えている鞍乗型車両が知られている(例えば、特許文献1(図1、図3)参照。)。
特許文献1の図1、図3に示すように、メインフレーム(11)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。要素名は一部変更した。以下同じ。)の下方に、シリンダ軸線が略水平に延びるように内燃機関(17)を懸架すると共に、この内燃機関(17)の上方で且つ前輪の後方にエアクリーナ(23)を設け、このエアクリーナ(23)と前輪(15)との間に、水・埃等の侵入抑制のための遮蔽壁(47)を設けた。この遮蔽壁(47)は、独立した別部材である。
別部材で遮蔽壁を構成すると、部品点数が増加すると共に組立に係る生産性が低下する。そこで、遮蔽壁としての機能を有しながら、部品点数削減及び組立に係る生産性を向上させる技術が求められている。
特開2008−56008公報
本発明は、吸気ダクトの近傍に遮蔽壁が備えられている鞍乗型車両において、部品点数削減及び組立に係る生産性を向上させる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、前部に前輪を操舵自在に軸支するヘッドパイプを有し、このヘッドパイプから車両後方で且つ下方に延びるメインフレームと、このメインフレームの下方に懸架され略水平のシリンダ軸線を有する内燃機関と、この内燃機関の上方で、メインフレームの下方で且つ前輪の車両後方に配置されるエアクリーナと、このエアクリーナの上部に設けられ空気を吸入する吸気ダクトと、この吸気ダクトの車両前方に設けられ空気を遮蔽する遮蔽壁と、メインフレームの少なくとも上方及び側方を覆うメインフレームカバーとを有する鞍乗型車両において、メインフレームカバーに外方から重ねられるように取付けられ、メインフレームの少なくとも側方を覆うメインフレームサイドカバーが設けられ、このメインフレームサイドカバーの前部に、メインフレームカバーを貫通して、エアクリーナに向けて車幅方向内方に突出して、高さ方向に延びる壁が設けられ、この壁を遮蔽壁とすることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、メインフレームカバーに、遮蔽壁が締結され、締結部により、メインフレームカバーとメインフレームサイドカバーとが締結されることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、メインフレームサイドカバーの前部上方に、メインフレームへメインフレームカバーが固定される固定部が設けられていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、車幅方向における吸気ダクトと遮蔽壁との間に、隙間が形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、遮蔽壁は、エアクリーナの本体部の上方に設けられることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、締結部は、車両前方から締結可能とされることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、遮蔽壁の後部に、車両前後方向に延びるリブ壁が立設されることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、車両側面視で、メインフレームサイドカバーは、車両前方に向けV字状に開放されるV字部を前部に有するY字状部材とされ、V字部に沿って、メインフレームカバーに、内燃機関のメンテナンスを行う側面開口部が設けられることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、メインフレームサイドカバーの前部に、エアクリーナに向けて車幅方向内方に突出して、高さ方向に延びる遮蔽壁が設けられる。遮蔽壁をメインフレームサイドカバーで構成することができるので、部品点数を削減することができる。また、遮蔽壁を単独で組付ける必要がないため、組付けに係る生産性も向上する。
請求項2に係る発明では、遮蔽壁に設けた締結部を介して、メインフレームカバーとメインフレームサイドカバーとが締結される。メインフレームカバーとメインフレームサイドカバーとは、遮蔽壁で締結されるため、締結部を目立たなくすることができる。結果、車両外観への影響を抑えることができる。また、遮蔽壁に締結部を設けたので、遮蔽壁自体の剛性を高めることができる。
請求項3に係る発明では、メインフレームサイドカバーの前部上方に、メインフレームへメインフレームカバーが固定される固定部が設けられている。すなわち、メインフレームサイドカバーの前部に設けられている遮蔽壁の近傍に、メインフレームカバーの固定部が設けられているので、メインフレームに取付けられるエアクリーナに対する遮蔽壁の取付位置精度を高めることができる。結果、遮蔽壁の空気遮蔽効果を一層高めることができる。
請求項4に係る発明では、吸気ダクトと遮蔽壁の間に、隙間が形成されている。この隙間に走行風が通過することで、吸気ダクト近傍を通る異物は、吸気ダクトより車両後方にそのまま飛散し易くなり、所定の吸入空気量を確保しながら、遮蔽壁の作用を両立させることができる。
請求項5に係る発明では、遮蔽壁は、エアクリーナの本体部の上方に設けられる。遮蔽壁がエアクリーナ本体部の上部に設けられていれば、エアクリーナの本体部の周囲に渡って設けられる場合に比べ、遮蔽壁をコンパクトに形成できる。結果、車両の軽量化を図りながら、遮蔽効果を発揮させることができる。
請求項6に係る発明では、締結部は、車両前方から締結可能とされる。車両前方から締結部へ工具を差込むことができる。従って、メインフレームカバーからメインフレームサイドカバーの着脱が容易に行える。
請求項7に係る発明では、遮蔽壁の後部に、リブ壁が立設されるので遮蔽壁の後方に回り込んだ後、吸気口に入ろうとする水・埃等を、リブ壁で遮蔽することができると共に、遮蔽壁の剛性を高めることができる。
請求項8に係る発明では、メインフレームサイドカバーは、V字部を有し、このV字部に沿って、メインフレームカバーに、側面開口部が設けられる。メインフレームサイドカバーとメインフレームカバーとの重合部に、側面開口部を可及的に近接して形成したので、側面開口部を大きくしても、カバーの剛性は損なわれ難い。
自動二輪車の左側面図(車体カバーを取外した状態)である。 自動二輪車の左側面図(車体カバーを取付けた状態)である。 本発明に係る自動二輪車の正面図である。 図3の要部拡大図(前輪操舵部を取外した状態)である。 図4に示すエアクリーナの上部及び遮蔽壁を反対側から見た背面図である。 図5の6−6線断面図である。 遮蔽壁の締結構造を説明する斜視図である。 メインフレームカバー及びその周辺部の斜視図(メインフレームサイドカバーを取外した状態)である。 メインフレームカバー及びその周辺部の斜視図(メインフレームサイドカバーを取付けた状態)である。 メインフレームサイドカバーの取付構造を説明する分解斜視図である。 メインフレームカバー及びメインフレームサイドカバーの取付構造を説明する背面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図中、車両の左側面図のときは、車幅方向左側にある要素符号のみが示される。
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11を備え、この車体フレーム11は、ヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から車両後方で且つ下方に延びるメインパイプ13と、メインパイプ13の車両長手方向中央部で、且つ、メインパイプ13の後部に下方へ垂下するように設けられるピボットプレート14と、メインパイプ13の長手方向中間部から後斜め上方へ延びる左右のシートレール15L、15Rと、メインパイプ13の後端部から車両斜め後上方に延びて左右のシートレール15L、15Rへ接続される左右のサポートフレーム16L、16Rとからなる。メインパイプ13とこのメインパイプ13から延びる左右のシートレール15L、15Rとでメインフレーム21を構成する。
ヘッドパイプ12は、前輪23を含む前輪操舵部25を操舵自在に軸支する部材であり、この前輪操舵部25は、ヘッドパイプ12に挿嵌されるステアリング軸27と、このステアリング軸27の上端に取付けられる操舵ハンドル28と、ステアリング軸27から略下方へ延びて下端に前輪23を回転自在に支えるフロントフォーク29とからなる。
メインフレーム21は、その下方に略水平のシリンダ軸線Cを有する内燃機関31が懸架され、この内燃機関31の上方で、メインフレーム21の下方で且つ前輪23の車両後方にエアクリーナ32が配置されている。このエアクリーナ32の上部に空気を吸入する吸気ダクト33が設けられている。
ピボットプレート14は、後輪24を含む後輪操舵部26を揺動自在に軸支する部材であり、この後輪操舵部26は、ピボットプレート14に車幅方向に渡されるピボット軸35と、このピボット軸35から車両後方へ延び後端に後輪24を支えるスイングアーム36と、このスイングアーム36とシートレール15L、15Rの間に渡されるリヤクッション37L、37Rとからなる。
シートレール15L、15Rには、物入れとしての収納ボックス41と、この収納ボックス41の車両後方に燃料タンク42とが車両前後にこの順に取付けられ、収納ボックス41と燃料タンク42に上方から乗員が座るシート43が取付けられている。自動二輪車10は、シート43の前方に前輪23が配置され、シート43の後方に後輪24が配置され、シート43に乗員が跨って乗車する鞍乗型車両である。
内燃機関31は、クランクケース46と、このクランクケース46からシリンダ軸線Cが略水平に延びるように配置されるシリンダブロック45及びシリンダヘッド47とを有する。このシリンダヘッド47の上面47aにインテークパイプ48が接続され、このインテークパイプ48の上流側にスロットルボデイ51が接続され、このスロットルボデイ51の上流側にコネクティングチューブ49を介してエアクリーナ32が接続される。エアクリーナ32は、メインパイプ13に取付けられる。シリンダヘッド47の下面47bから排気管53が延ばされ、この排気管53は車両後方へ延ばされ、排気管53の先に消音器54が接続される。クランクケース46の下方に車幅方向に脚を置くステップ56L、56Rが延びている。ピボットプレート14にメインスタンド55が取付けられる。
次に車体フレーム11を覆う車体カバー60の構成等について説明する。
図2に示すように、車体カバー60は、フロントカウル61及びこのフロントカウル61の後方から裏打ちされるようにしてフロントカウル61へ取付けられメインフレーム21の少なくとも上方及び側方を覆うように形成されるメインフレームカバー62と、メインフレームカバー62の一部に重なるように外側から取付けられメインフレーム21の少なくとも側方を覆うメインフレームサイドカバー63L、63Rと、メインフレームカバー62の下方に設けられ、ピボットプレート14の側方を覆うように形成されるピボットプレートカバー64L、64Rとを主要素とする。フロントカウル61とメインフレームカバー62とで、乗員の脚の前方を覆うレッグシールド65を構成する。
メインフレームカバー62の下縁72L、72Rに、上方に凸となるように湾曲部73L、73Rが形成されると共に、この湾曲部73L、73Rに接続して、メインフレーム21(図1参照)の少なくとも一部を覆うようにピボットプレートカバー64L、64Rが設けられている。
車両側面視で、メインフレームサイドカバー63L、63Rは、車両前方に向けV字状に開放されるV字部84L、84Rを前部に有するY字状部材とされ、V字部84L、84Rに沿って、メインフレームカバー62に、内燃機関31のメンテナンスを行う側面開口部85L、85Rが設けられている。
前輪23の上方から後方を覆うように、フロントフェンダ75が配置され、後輪の上方から後方を覆うように、リヤフェンダ76が配置されている。シート43の後部にグラブレール77が設けられている。
図3に示すように、レッグシールド65の車両前方側を構成するフロントカウル61は、下方に開放され前輪操舵部25が配置されるU字部86が形成され、このU字部86に走行風の一部が入る。U字部86の上方でフロントカウル61の車幅方向に左右のウインカー87L、87Rが取付けられている。
操舵ハンドル28は、その周囲を囲うようにハンドルカバー67が取付けられ、このハンドルカバー67にヘッドライト68が取付けられている。操舵ハンドル28の車幅方向に左右の後方確認用のミラー69L、69Rが取付けられている。
次に、図3から前輪操舵部25を取外したときのU字部86内の構成等について説明する。
図4に示すように、ヘッドパイプ12の直後にエアクリーナ32が配置され、このエアクリーナ32の下方に内燃機関31のシリンダ部47が配置される。
U字部86において、エアクリーナ32の本体部32Mの上方に、遮蔽壁90L、90Rが設けられている。これらの遮蔽壁90L、90Rは、高さ方向に延びている。遮蔽壁90L、90Rは、エアクリーナ32の上部に設けられ後述する空気を吸入する吸気ダクト33L、33R(図5参照)の車両前方に設けられ空気を遮蔽する機能を有する。
次に、エアクリーナの本体上部を車両後方から見たときの構造について説明する。
図5に示すように、エアクリーナ32の本体部32Mの上方で、メインパイプ13の左右外方に空気を吸入する空気取入口となる左右の吸気ダクト33L、33Rが車両後方に向けて開口するように設けられている。
次に、遮蔽壁90L、90Rの締結構造及びエアクリーナ32との配置関係等について説明する。
図6に示すように、U字部86に所定の隙間91をもたせながらエアクリーナ32の本体部32Mが配置されている。
図4及び図5を併せて参照し、吸気ダクト33L、33Rの高さ方向近傍に、メインフレームカバー62から車幅方向内方に左右の遮蔽ステー92L、92Rが延ばされ、左右の遮蔽ステー92L、92Rの位置に合わせて、メインフレームサイドカバー63L、63Rからエアクリーナ32に向けて車幅方向内方に突出する遮蔽壁90L、90Rが設けられている。吸気ダクト33の車両前方には、空気を遮蔽する遮蔽壁90L、90Rが設けられている。すなわち、車幅方向における吸気ダクト33と遮蔽壁90L、90Rの車幅方向内側端部との間に、隙間91が形成されている。
ここで、メインフレームカバー62に、遮蔽壁90L、90Rが締結される締結部94L、94Rが設けられ、締結部94L、94Rにより、メインフレームカバー62とメインフレームサイドカバー63L、63Rとが締結される。締結部94L、94Rは、樹脂部材で構成した遮蔽壁90L、90Rと、これらの遮蔽壁90L、90Rに挿嵌した金属製の薄板で構成したコ字状部材93L、93Rと、メインフレームカバー62に設けられる遮蔽ステー92L、92Rと、車両前方から遮蔽ステー92L、92Rとコ字状部材93L、93Rを貫通するようにねじ込まれる締結ねじ95L、95Rとからなり、締結ねじ95L、95Rを車両前方からねじ込んで締結可能とされる。
次に、遮蔽壁に付設されるリブ壁について、右側の遮蔽壁を例にとり説明する。
図7に示すように、遮蔽壁90Rの後部に、車両前後方向に延びるリブ壁96Rが立設されている。リブ壁96Rは、メインフレームサイドカバー63Rの右側壁97Rと遮蔽壁90Rの間に渡される平面視で三角形状の部分であり締結部94Rの高さ方向上下に2箇所配置される。なお、左の遮蔽壁の構造については、前述した右の遮蔽壁の構造と車幅方向中心線に対して左右対称な構造であり、説明を省略する。
次の図8〜9では、遮蔽壁90Lの締結部94Lがメインフレームカバー62に開けた前開口101Lを貫通して取付けられることを説明する。
図8において、車体フレーム11(図1参照)に、メインフレームカバー62が取付けられているが、メインフレームカバー62に、メインフレームサイドカバー63Lが取付けられていない取付前の状態が示されている。
図中、メインフレームサイドカバー63LのV字部84L(図9参照)の形状に合わせて、メインフレームカバー62に斜線を付した領域で取付凹部102Lが形成され、取付凹部102Lの前部に遮蔽壁90Lが挿入される前開口101Lが開けられ、併せて、取付凹部102Lに連続するようにして側面開口部85Lが開けられている。取付凹部102Lの車幅方向中心側に空気取入口105L、105Rが設けられている。
図9に、メインフレームカバー62が取付けられ、メインフレームカバー62に、外方から重ねられるようにメインフレームサイドカバー63Lが取付けられているときの状態が示されている。かかる構成により、遮蔽壁90Lに設けた締結部94Lで、メインフレームカバー62にメインフレームサイドカバー63Lが取付けられる。
なお、図8〜9において、メインフレームカバー62に左のメインフレームサイドカバー63Lが取付けられる構造について説明したが、メインフレームカバー62に右のメインフレームサイドカバー63Rが取付けられる構造は車幅方向中心線に対して左右対称な構造であり説明を省略する。
図10に示すように、遮蔽壁90Rは、メインフレームサイドカバー63Rの前部に設けられている。メインフレームカバー62の前開口101Rに、右のメインフレームサイドカバー63Rの遮蔽壁90Rを貫通させるようにして、右のメインフレームサイドカバー63Rの遮蔽壁90Rを臨ませると共に、メインフレームカバー62の第1〜第4係合孔111〜114(うち、第1〜2係合孔111〜112は不図示。)に右のメインフレームサイドカバー63Rの第1〜第4係合片121〜124を通し、併せて、側面開口部85Rの縁85Rfに係合するように係合壁125を沿わせるようにし、メインフレームカバー62に右のメインフレームサイドカバー63Rを位置決め、係合させた。そして、締結部94R及び下締結部94Rbで締結ねじ95R及び下締結ねじ99Rを介して双方の部品を結合させた。上記係合構造により、右のメインフレームサイドカバー63Rのメインフレームカバー62への位置決めが容易に行え、組付けに係る生産性を高めることができる。
この他、メインフレームカバー62に開けた前開口101Rは、遮蔽壁90Rが挿入し易いように大きく開けられている。前開口101Rは、その開口する方向が金型開き方向と同様な方向にあり、前開口101Rを大きく開口させることで、金型費用の節減を図っている。なお、図中、メインフレームカバー62の左半分は省略されている。
本実施例では、車幅方向右側に配置されるメインフレームカバー62に右のメインフレームサイドカバー63Rの係合・締結構造について説明したが、メインフレームカバー62に左のメインフレームサイドカバー63Lが係合・締結される構造は車幅方向中心線に対して左右対称な構造であり説明を省略する。
次に、メインフレームカバーの締結構造等について説明する。
図11に示すように、メインフレーム21(図1参照)へメインフレームカバー62が固定される固定部130が設けられている。固定部130は、メインフレーム21側に直接又は間接に設けた図示せぬメインフレーム固定部と、メインフレームカバー62に設けられるカバー側固定部131〜134と、メインフレーム固定部にカバー側固定部131〜134を固定する固定ねじ135〜138とから構成される。固定部130は、メインフレームサイドカバー63L、63Rの前部上方に、4箇所配置されている。
なお、フロントカウル61に車両後方から裏打ちするように取付けられるメインフレームカバー62は、フロントカウル61の輪郭部に沿う位置で、車両後方から複数のカバーねじ139でフロントカウル61に締結されている。さらに、メインフレームサイドカバー63L、63Rの下端は、ステー141を介して内燃機関31(図1参照)へ取付けられている。
以上に述べた鞍乗型車両の作用を次に述べる。
図4及び図10にて、メインフレームサイドカバー63L、63Rの前部に、エアクリーナ32に向けて車幅方向内方に突出して、高さ方向に延びる遮蔽壁90L、90Rが設けられる。遮蔽壁90L、90Rをメインフレームサイドカバー63L、63Rで構成することができるので、部品点数を削減することができる。また、遮蔽壁90L、90Rを単独で組付ける必要がないため、組付けに係る生産性も向上する。
遮蔽壁90L、90Rは、エアクリーナ32の本体部32Mの上方に設けられる。遮蔽壁90L、90Rがエアクリーナ32の本体部32Mの上部に設けられていれば、遮蔽壁90L、90Rがエアクリーナ32の本体部32Mの周囲に渡って設けられる場合に比べ、遮蔽壁90L、90Rをコンパクトに形成できる。結果、車両の軽量化を図りながら、遮蔽効果を発揮させることができる。
また、締結部94L、94Rは、車両前方から締結可能とされる。車両前方から締結部94L、94Rへ工具を差込むことができる。従って、メインフレームカバー62からメインフレームサイドカバー63L、63Rの着脱が容易に行える。
図6にて、メインフレームカバー62とメインフレームサイドカバー63L、63Rとは、遮蔽壁90L、90Rに設けた締結部94L、94Rを介して締結される。メインフレームカバー62とメインフレームサイドカバー63L、63Rとは、遮蔽壁90L、90Rで締結される。遮蔽壁90L、90RはU字部86の奥に配置されるため、締結部94L、94Rを目立たなくすることができる。結果、車両外観への影響を抑えることができる。また、遮蔽壁90L、90Rに締結部94L、94Rを設けたので、遮蔽壁90L、90R自体の剛性を高めることができる。
さらに、吸気ダクト33L、33R(図5、6参照)と遮蔽壁90L、90Rの間に、隙間91が形成されている。車両前方からU字部86に入った空気は、図想像線矢印のように隙間91を通り、吸気ダクト33の近傍を通過する。
本発明では、吸気ダクト33の車幅方向外方近傍に隙間91を形成した。隙間91を吸気ダクト33の近傍に配置することで、吸気ダクト33の近傍を通過する水・埃等は、そのまま車両後方へ飛散していくため、吸気ダクト33に流入することを抑制できる。そのため、隙間91を吸入空気量を確保する上で利用し、吸気ダクト33から離間した位置に遮蔽壁90L、90Rを設けることで、遮蔽効果と吸入空気量の確保との両立が可能になる。
すなわち、所定の吸入空気量を確保しながら、遮蔽壁90L、90Rの機能とを両立させることができる。かかる構成によって、従来のように、遮蔽壁を大型化することなく所定の遮蔽機能をもたせることが可能となった。結果、遮蔽壁90L、90Rの小型化、軽量化を図ることができる。
図4及び図6にて、遮蔽壁90L、90Rは、高さ方向でエアクリーナ32の本体部32Mの上方に設けられる。遮蔽壁90L、90Rをエアクリーナ32の本体部32Mの前方まで張り出すように覆うことなく、吸気ダクト33に対する遮蔽効果が奏されることを見出した。そこで、遮蔽壁90L、90Rの高さをエアクリーナ32の本体部32Mの上方に配置することで、遮蔽壁90L、90Rによる重量増加を抑制し、軽量化を図ることが可能になる。
また、遮蔽壁90L、90Rの後部には、リブ壁96L、96Rが立設されるので、遮蔽壁90L、90Rの後方に回り込んだ後、吸気口(吸気ダクト33)に入ろうとする水・埃等を、リブ壁96L、96Rで遮蔽することができる。加えて、リブ壁96L、96Rにより、遮蔽壁90L、90Rの剛性を高めることができる。
図5にて、メインフレームサイドカバー63L、63Rの前部上方に、メインフレーム21へフレームステー143を介してメインフレームカバー62が固定される固定部130が設けられている。
すなわち、メインフレームサイドカバー63L、63Rの前部に設けられている遮蔽壁90L、90Rの近傍に、メインフレームカバー62の固定部130が設けられているので、メインフレーム21に取付けられるエアクリーナ32に対する遮蔽壁90L、90Rの取付位置精度を高めることができ、遮蔽壁90L、90Rとエアクリーナ32間の隙間91を小さくしても、バラツキによる相互の干渉を回避することができる。結果、遮蔽壁90L、90Rの空気遮蔽効果を一層高めることができる。
図2及び図8にて、メインフレームサイドカバー63L、63Rは、V字部84L、84R(符号84Rは不図示)を有し、このV字部84L、84Rに沿って、メインフレームカバー62に、側面開口部85L、85Rが設けられる。メインフレームサイドカバー63L、63Rとメインフレームカバー62との重合部に、側面開口部85を可及的に近接して形成したので、側面開口部85L、85Rを大きくしても、カバーの剛性は損なわれ難い。
尚、本発明の鞍乗型車両は、実施の形態では鞍乗型自動二輪車に適用したが、鞍乗型三輪車にも適用可能であり、一般の鞍乗型車両に適用することは差し支えない。
本発明は、自動二輪車に好適である。
10…鞍乗型車両(自動二輪車)、12…ヘッドパイプ、21…メインフレーム、23…前輪、31…内燃機関、32…エアクリーナ、32M…エアクリーナの本体部、33L、33R…吸気ダクト、62…メインフレームカバー、63L、63R…メインフレームサイドカバー、84L、84R…V字部、85L、85R…側面開口部、90L、90R…遮蔽壁、91…隙間、94L、94R…締結部、96L、96R…リブ壁、130…固定部。

Claims (8)

  1. 前部に前輪(23)を操舵自在に軸支するヘッドパイプ(12)を有し、このヘッドパイプ(12)から車両後方で且つ下方に延びるメインフレーム(21)と、このメインフレーム(21)の下方に懸架され略水平のシリンダ軸線を有する内燃機関(31)と、この内燃機関(31)の上方で、前記メインフレーム(21)の下方で且つ前記前輪(23)の車両後方に配置されるエアクリーナ(32)と、このエアクリーナ(32)の上部に設けられ空気を吸入する吸気ダクト(33L、33R)と、この吸気ダクト(33L、33R)の車両前方に設けられ空気を遮蔽する遮蔽壁(90L、90R)と、前記メインフレーム(21)の少なくとも上方及び側方を覆うメインフレームカバー(62)とを有する鞍乗型車両において、
    前記メインフレームカバー(62)に外方から重ねられるように取付けられ、前記メインフレーム(21)の少なくとも側方を覆うメインフレームサイドカバー(63L、63R)が設けられ、
    このメインフレームサイドカバー(63L、63R)の前部に、前記メインフレームカバー(62)を貫通して、前記エアクリーナ(32)に向けて車幅方向内方に突出して、高さ方向に延びる壁が設けられ、この壁を前記遮蔽壁(90L、90R)とすることを特徴とする鞍乗型車両。
  2. 前記メインフレームカバー(62)に、前記遮蔽壁(90L、90R)が締結され、締結部(94L、94R)により、前記メインフレームカバー(62)と前記メインフレームサイドカバー(63L、63R)とが締結されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗型車両。
  3. 前記メインフレームサイドカバー(63L、63R)の前部上方に、前記メインフレーム(21)へ前記メインフレームカバー(62)が固定される固定部(130)が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗型車両。
  4. 車幅方向における前記吸気ダクト(33L、33R)と前記遮蔽壁(90L、90R)との間に、隙間(91)が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の鞍乗型車両。
  5. 前記遮蔽壁(90L、90R)は、前記エアクリーナ(32)の本体部(32M)の上方に設けられることを特徴とする請求項4項記載の鞍乗型車両。
  6. 前記締結部(94L、94R)は、車両前方から締結可能とされることを特徴とする請求項2記載の鞍乗型車両。
  7. 前記遮蔽壁(90L、90R)の後部に、車両前後方向に延びるリブ壁(96L、96R)が立設されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の鞍乗型車両。
  8. 車両側面視で、前記メインフレームサイドカバー(63L、63R)は、車両前方に向けV字状に開放されるV字部(84L、84R)を前部に有するY字状部材とされ、
    前記V字部(84L、84R)に沿って、前記メインフレームカバー(62)に、前記内燃機関(31)のメンテナンスを行う側面開口部(85L、85R)が設けられることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の鞍乗型車両。
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