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JP5988605B2 - 映像投射装置 - Google Patents

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JP5988605B2 JP2012034600A JP2012034600A JP5988605B2 JP 5988605 B2 JP5988605 B2 JP 5988605B2 JP 2012034600 A JP2012034600 A JP 2012034600A JP 2012034600 A JP2012034600 A JP 2012034600A JP 5988605 B2 JP5988605 B2 JP 5988605B2
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Description

本発明は、光学エンジンから拡大投射された映像をスクリーンに表示する映像投射装置に関し、特に薄型化した映像投射装置に関するものである。
従来、キャビネットの前側に設けられたスクリーンと、キャビネット内部に配置された光学素子とを有する映像投射装置において、映像投射装置の薄型化、ローハイト化を達成するために、光学エンジンと、光学エンジンから出射された映像光を折り曲げてスクリーンに投射する平面形状の反射面を有する第1反射光学素子および光軸を中心とした回転対称形状の反射面を有する第2反射光学素子を映像光路中に設置すると共に、これらをキャビネット内にコンパクトに収容する構造が採用されている。
例えば、特許文献1には、映像投射装置において、映像光路中に、光路を折り曲げる折り返しミラーと非球面ミラーと天板ミラーをキャビネット内に設置する構造が開示されている。また、特許文献1に記載の装置は、折り返しミラーおよび非球面ミラーを搭載した光学エンジンが、スクリーンを保持するメインフレームにまとめて保持されているため、ボトムフレーム側で生じた歪みが光学エンジンを保持したメインフレームに伝わらず、スクリーン上の画像に歪が生じない構造となっている。
特開2011-7940号公報
このような映像投射装置において、スクリーンを保持するメインフレームの部品寸法ばらつきおよびメインフレームを組立てる際の組立てばらつきが発生する場合がある。この場合、スクリーン面に対する光学エンジンの角度にずれが生じたり、メインフレームの左右アンバランスが発生することで、光路が長いためにスクリーン上で特に感度の高い左下コーナー部および右下コーナー部で画面歪みが発生し、解像度(以下、フォーカスと記載する)が劣化する。また、光学エンジンに搭載された折り返しミラーを保持する部材に左右回転方向の設置ずれが生じた場合にも、スクリーンの左下コーナー部および右下コーナー部でフォーカスが劣化する。
画面歪みまたはフォーカス劣化が生じた場合、非球面ミラーおよび光学エンジンに搭載した投射レンズ部を調整するには、キャビネット後部のボトムフレームを取り外す必要があり、ボトムフレームの着脱作業に非常に時間がかかるという問題があった。また、折返しミラーは、スクリーンの後面近傍に設置されているため、キャビネット後部のボトムフレームと、折り返しミラーを搭載した光学エンジンを取外してから、別の投射治具で調整して、再度、光学エンジンをメインフレームに取付ける必要があり、簡単に調整作業を行うことができなかった。
そこで、本発明は、スクリーン上の映像に画面歪みまたはフォーカス劣化が生じた場合、光学部材の調整作業を簡単に行うことができる映像投射装置を提供することを目的とする。
本発明に係る映像投射装置は、映像光を出射する光学エンジンと、前記光学エンジンが出射した前記映像光を投射する投射レンズと、前記投射レンズが投射した前記映像光を平面形状の反射面で所定方向に反射する第1反射光学素子と、前記第1反射光学素子が反射した前記映像光を光軸を中心とした回転対称形状の反射面で所定方向に反射する第2反射光学素子と、前記第2反射光学素子が反射した前記映像光を映し出すスクリーンと、前記スクリーンの下面および後面を覆うキャビネットとを備え、前記投射レンズは、前記スクリーンにおける左右方向の略中心かつ背面部に前記スクリーンの下部へ出射する下方斜め向きに配置され、前記第1反射光学素子は、前記スクリーンにおける左右方向の略中心かつ前記キャビネット内の前下部に配置され、前記第2反射光学素子は、前記スクリーンにおける左右方向の略中心かつ前記キャビネット内の後下部に配置され、前記第2反射光学素子により反射された前記映像光は、直接前記スクリーンに映し出され、前記投射レンズと前記第1反射光学素子と前記第2反射光学素子とを一体的に連結して投射ユニットを構成する連結部材と、前記投射ユニットにおける前記スクリーンに対する前記映像光の投射角度を調整可能な第4調整部とをさらに備え、前記キャビネットの前部に、前記第4調整部が露出する第4開口部が形成されているものである。
本発明によれば、投射レンズはスクリーンの背面部に配置され、第2反射光学素子はキャビネット内の後下部に配置され、第1反射光学素子はキャビネット内の前下部に配置されたため、スクリーン上の映像に画面歪みまたはフォーカス劣化が生じた場合に、投射レンズ、第1反射光学素子、第2反射光学素子について外部から簡単に調整作業を行うことができる。
また、投射レンズ、第1反射光学素子、第2反射光学素子は、スクリーンにおける左右方向の略中心に配置され、これらを連結部材で一体的に連結することで投射ユニットが構成されるため、投射ユニットを調整する必要がある場合に、連結部材によって剛性が確保された状態で、外部から投射ユニットを左右バランス良く調整することができる。また、投射ユニットにおけるスクリーンに対する映像光の投射角度を調整可能な第4調整部を備え、キャビネットの前部に、第4調整部が露出する第4開口部が形成されているため、第4開口部を介して第4調整部の調整を簡単に行うことができる。

実施の形態に係る映像投射装置の光学レイアウトを示す概略図である。 映像投写装置における要部の内部構造を示す側面図である。 投射ユニットの斜視図である。 映像投射装置の内部構造を示す背面斜視図である。 投射レンズの調整構造を示す斜視図である。 投射レンズの調整構造を示す別の方向から視た斜視図である。 非球面ミラーの調整構造を示す斜視図である。 非球面ミラーの調整構造を示す背面斜視図である。 映像投射装置においてキャビネット意匠構造部材を取付けた状態を示す背面斜視図である。 映像投射装置においてカバー部材を取付けた状態を示す背面斜視図である。 映像投射装置においてバックカバーを取付けた状態を示す背面斜視図である。 映像投射装置において蓋部材を取外した状態を示す要部拡大背面図である。 反射ミラーが反射ミラー保持部材に保持された状態を示す斜視図である。 反射ミラーユニットの斜視図である。 反射ミラーユニットが反射ミラーユニット保持部材に組合わされた状態を示す背面斜視図である。 反射ミラーユニットが反射ミラーユニット保持部材にネジで固定された状態を示す背面斜視図である。 投射ユニットの要部拡大斜視図である。 調整構造を導入した場合の投射ユニットの要部拡大斜視図である。 調整構造を導入した場合において投射ユニットがフロント部構造部材に固定された状態を示す要部拡大斜視図である。 調整構造を導入した場合において投射ユニットがフロント部構造部材に固定された状態を示す断面図である。 映像投射装置の斜視図である。 映像投射装置においてフロント意匠部材を取外した状態を示す斜視図である。 映像投射装置においてフロント意匠部材を取外した状態を示す要部拡大正面図である。
<実施の形態>
本発明の実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。最初に、映像投射装置の光学レイアウトについて説明する。図1は、実施の形態に係る映像投射装置の光学レイアウトを示す概略図である。
図1に示すように、映像投射装置は、照明光学系300および投射光学系200と、スクリーン1とを備えている。照明光学系300は、光源部301と、レンズ302と、画像表示素子303とを備え、投射光学系200は、投射レンズ4と、反射ミラー2(第1反射光学素子)と、非球面ミラー3(第2反射光学素子)とを備えている。光源部301は、例えば、ランプ光源、レーザー光源、LED光源などである。レンズ302は、光源部301が照射した光を集光する。画像表示素子303は、例えば、液晶素子またはDMD(Digital Micromirror Device)であり、レンズ302から出射された光を反射または透過させることにより、映像光に空間変調して出射する。
投射レンズ4は、画像表示素子303が出射した映像光を拡大して投射する。反射ミラー2は、投射レンズ4が投射した映像光を平面形状の反射面で所定方向に反射する。非球面ミラー3は、反射ミラー2が反射した映像光を光軸を中心とした回転対称形状の反射面で所定方向に反射する。スクリーン1は、非球面ミラー3が反射した映像光100を映し出す。ここで、照明光学系300を構成するレンズ302および画像表示素子303と、投射光学系200により投射ユニット101が構成されている。
次に、映像投射装置の内部構造について説明する。図2は映像投写装置における要部の内部構造を示す側面図であり、図3は投射ユニット101の斜視図であり、図4は映像投射装置の内部構造を示す背面斜視図である。図2に示すように、映像投射装置は、図1を用いて説明した構成に加えて、スクリーン1の下面および後面を覆うキャビネット80と、投射レンズ4と反射ミラー2と非球面ミラー3とを一体的に連結して投射ユニット101を構成する1対の投射ユニット構造部材11(連結部材)とを備えている。なお、図2の紙面に向かって左方を前方とし、右方を後方として説明する。
光学エンジン5は、キャビネット80内の後部に配置され、光学エンジンベース部材6により保持されている。また、光学エンジン5は投射レンズ4を搭載している。ここで、光学エンジン5は、図1に示した照明光学系300のうちレンズ302および画像表示素子303に相当する部材である。非球面ミラー3は、キャビネット80内の後部かつ下部に配置され、非球面ミラー保持部材8により保持されている。反射ミラー2は、キャビネット80内の前部かつスクリーン1の下側に配置され、反射ミラー保持部材7により保持されている。
光学エンジンベース部材6は、光学エンジン5の強度構造部材である。図2、図3、図4に示すように、光学エンジンベース部材6の左右両端部(左右両端側)と非球面ミラー保持部材8の左右両端(左右両端側)と反射ミラー保持部材7の左右両端(左右両端側)は、1対の投射ユニット構造部材11によりそれぞれ一体的に連結されることで、投射ユニット101を構成し、図2、図4に示すように、投射ユニット101は、キャビネット80の左右方向中央部の下部に配置されている。1対の投射ユニット構造部材11は寸法精度の良い板金プレス部品であるため、投射ユニット101における光学エンジンベース部材6、非球面ミラー保持部材8、反射ミラー保持部材7の配置位置の精度が確保される。
また、投射レンズ4と非球面ミラー3と反射ミラー2における左右方向の中心は、スクリーン1における左右方向の略中心と一致するように配置されているため、1対の投射ユニット構造部材11は、光学エンジンベース部材6、非球面ミラー保持部材8、反射ミラー保持部材7の左右両端側をバランス良く連結することができる。投射ユニット構造部材12が、1対の投射ユニット構造部材11の前端を連結することで、投射ユニット101の強度が確保されている。
図2に示すように、光学エンジンベース部材6は、スクリーン1を後側から保持する背部構造部材9(後部構造部材)に固定され、投射ユニット構造部材12は、スクリーン1を下側から保持するフロント部構造部材10(前部構造部材)に固定されている。投射ユニット101と、映像投射装置を床面に設置するためのテレビベース部14との間には隙間が設けられており、映像投射装置が段差のある床面に設置された場合でも、テレビベース部14の変形に伴う外力が直接投射ユニット101には伝わらないため、スクリーン1上の映像に画像歪みは発生しない。
次に、図4を用いて、スクリーン1を保持する筐体フレーム構造について説明する。フロント部構造部材10がテレビベース部14の前端部に固定され、フレーム部材17,18がテレビベース部14の後端部に固定されている。保持部材15,16が、フロント部構造部材10およびフレーム部材17,18を連結している。フレーム部材17,18は、背部構造部材9を支持している。背部構造部材9の一端部はフレーム部材19に固定され、背部構造部材9の他端部はフレーム部材20に固定されている。
また、フレーム部材22の一端部はフレーム部材18に固定され、フレーム部材22の他端部はスクリーン1の右上コーナー部に固定されている。フレーム部材21の一端部はフレーム部材17に固定され、フレーム部材21の他端部はスクリーン1の左上コーナー部に固定されている。スクリーン1は、スクリーン保持部材23,24,25,26により保持されると共に、フロント部構造部材10とフレーム部材19,20とフレーム部材21,22により支持されている。
次に、図5、図6を用いて、投射レンズ4の調整構造について説明する。図5は投射レンズ4の調整構造を示す斜視図であり、図6は投射レンズ4の調整構造を示す別の方向から視た斜視図である。図5、図6に示すように、投射レンズ4の調整構造は、投射レンズ4と、投射レンズベース部材27と、投射レンズカバー13と、調整リブ部4a(第1調整部)とを備えている。投射レンズ4は投射レンズベース部材27により保持され、投射レンズカバー13は投射レンズベース部材27に固定されている。投射レンズカバー13に開口部13aが形成され、開口部13aを介して投射レンズ4から必要な映像光のみが出射される。
投射レンズ4には、調整リブ部4aが等間隔で設けられており、外部から工具などでつかみやすい構造となっている。工具などを用いて調整リブ部4aを回転することで、投射レンズ4は、投射レンズベース部材27に対して光軸上を移動し、スクリーン1上の映像のフォーカスレベルを調整することができる。調整後、投射レンズベース部材27に固定用ネジ56を固定することで、投射レンズ4は、投射レンズベース部材27に対して固定される。
次に、図7、図8を用いて、非球面ミラー3の調整構造について説明する。図7は非球面ミラー3の調整構造を示す斜視図であり、図8は非球面ミラー3の調整構造を示す背面斜視図である。図7、図8に示すように、非球面ミラー3の調整構造は、非球面ミラー3と、非球面ミラー保持部材8と、非球面ミラーピボット形状保持部8aと、バネ31,32,33と、第2調整部である調整ネジ34,35と、バネ押付部材28,29,30とを備えている。
非球面ミラー3の前端部は、非球面ミラー保持部材8の非球面ミラーピボット形状保持部8aの先端面と当接するように配置され、非球面ミラー3の左右両端部は、非球面ミラー保持部材8に組み込まれた調整ネジ34,35の先端面と当接するように配置され、非球面ミラー3の後端部は、非球面ミラー保持部材8の非球面ミラーガイド形状保持部8bに挿入されている。非球面ミラー3における前端部および左右両端部は、バネ31,32,33を介して非球面ミラー保持部材8に固定されたバネ押付部材28,29,30によって、バネ押付部材28,29,30よりも前方への移動が規制されている。
なお、非球面ミラー保持部材8は、アルミ、マグネシウムなどのダイキャスト品、もしくは、樹脂などの成形品であってもよい。
非球面ミラー3の調整構造においては、非球面ミラーピボット形状保持部8aのピボット部を支点として、調整ネジ34,35を時計回りまたは反時計回りに回すことで、調整ネジ34,35の設置部が前後に移動し、非球面ミラー3の非球面ミラー保持部材8に対する角度が変化することで、スクリーン1上の映像の画像歪みを調整することができる。特に光路の長いスクリーン1の上側左右コーナー部での映像位置を補正することができる。
次に、図9〜図12を用いて、投射レンズ4および非球面ミラー3の調整部が露出する構造について説明する。図9は映像投射装置においてキャビネット意匠構造部材36を取付けた状態を示す背面斜視図であり、図10は映像投射装置においてカバー部材38を取付けた状態を示す背面斜視図であり、図11は映像投射装置においてバックカバー39を取付けた状態を示す背面斜視図であり、図12は映像投射装置において蓋部材40,41,42を取外した状態を示す要部拡大背面図である。
図9〜図12に示すように、投射レンズ4および非球面ミラー3の調整部が露出する構造は、キャビネット80の後部に開口部38a,38b,38cが形成された構造である。ここで、キャビネット80は、スクリーン保持部材23,24,25,26と、キャビネット意匠構造部材36と、キャビネット内部構造部材37と、カバー部材38と、バックカバー39と、蓋部材40,41,42と、フロント意匠部材69(図22参照)と、フロント意匠部材70(図23参照)とで構成されている。
図9に示すように、キャビネット意匠構造部材36は、スクリーン保持部材23,24,25,26に固定され、キャビネット内部構造部材37は、キャビネット意匠構造部材36に固定されている。キャビネット内部構造部材37の中央部には開口部37aが設けられ、投射ユニット101が開口部37aに配置されている。キャビネット意匠構造部材36およびキャビネット内部構造部材37における開口部37a以外の領域は、スクリーン1とスクリーン保持部材23,24,25,26とキャビネット意匠構造部材36とキャビネット内部構造部材37とで遮蔽されているため、外部から映像投射装置内へゴミが進入するのを防止できる。キャビネット内部構造部材37には、シャーシ部、光源部301などを配置することができる。
図10に示すように、投射ユニット101の後側にカバー部材38が設置され、キャビネット内部構造部材37に固定されることにより、遮蔽構造を構成している。カバー部材38(キャビネット80の後部)には、投射レンズ4の調整リブ部4aが露出する第1開口部である開口部38aと、非球面ミラー3の調整ネジ34,35が露出する第2開口部である開口部38b,38cが形成されている。ここで、開口部38aは、調整リブ部4aよりも大きな寸法に形成され、また、開口部38b,38cは、調整ネジ34,35よりも大きな寸法に形成されている。
図11に示すように、バックカバー39は、キャビネット内部構造部材37に取付けられ、シャーシ部と光源部301と投射ユニット101を覆っている。バックカバー39には、開口部38aを塞ぐための蓋部材40と、開口部38b,38cを塞ぐための蓋部材41,42が取付けられている。蓋部材40,41,42は、外部から簡単に取外すことができ、図12に示すように、外部から調整リブ部4aおよび調整ネジ34,35を調整することができる。
次に、反射ミラー2の保持構造について説明するが、最初に調整構造を導入していない場合について説明する。図13は、反射ミラー2が反射ミラー保持部材7に保持された状態を示す斜視図である。図13に示すように、反射ミラー2は、反射ミラー保持部材7の内側に設置され、押付部材43,44により保持されている。なお、反射ミラー保持部材7は、アルミ、マグネシウムなどのダイキャスト品、もしくは、アルミなどの切削品であってもよい。図3に示すように、反射ミラー保持部材7の左右両端は、1対の投射ユニット構造部材11により挟まれた状態で固定されている。
反射ミラー2が、反射ミラー保持部材7に対して傾いた状態で取付けられた場合または反射ミラー保持部材7の寸法精度がばらついたために反射ミラー2が傾いた場合、特に光路の長いスクリーン1の上部左右コーナー部でのフォーカスが劣化し、左右でのフォーカスバランスが悪くなる。また、スクリーン1を保持するフレーム部材19,20,21,22に組立ばらつき、部品寸法ばらつきが発生した場合、投射ユニット101が、スクリーン1の面に対して左右アンバランスに傾いた状態で取付けられる可能性があり、特に光路の長いスクリーン1の上部左右コーナー部でのフォーカスが劣化し、左右でのフォーカスバランスが悪くなる。
次に、図14〜図17を用いて、反射ミラー2に調整構造を導入した場合について説明する。図14は反射ミラーユニット50の斜視図であり、図15は反射ミラーユニット50が反射ミラーユニット保持部材51に組合わされた状態を示す背面斜視図であり、図16は反射ミラーユニット50が反射ミラーユニット保持部材51にネジ53で固定された状態を示す背面斜視図であり、図17は投射ユニット101の要部拡大斜視図である。
反射ミラー2の調整構造は、反射ミラー2と、反射ミラー保持部材45と、ピボット形状部45aと、バネ46,47と、押付部材48,49と、反射ミラーユニット保持部材51と、第3調整部である調整ネジ54,55とを備えている。反射ミラー2は、反射ミラー保持部材45の内側に設置された状態で押付部材48,49により保持され、反射ミラーユニット50を構成している。反射ミラー保持部材45において反射ミラー2が設置される位置よりも一端部側に、バネ46,47が取付けられている。また、反射ミラー保持部材45において反射ミラー2が設置される位置よりも他端部側に、ピボット形状部45aが設けられている。
次に、反射ミラー保持部材45と組合わされる反射ミラーユニット保持部材51について説明する。図15、図16に示すように、反射ミラーユニット保持部材51において反射ミラー保持部材45のピボット形状部45aに対応する位置に、ピボット形状保持部51aが設けられている。反射ミラーユニット保持部材51は、ピボット形状保持部51aとピボット形状部45aが嵌合された状態で、反射ミラーユニット50と組合わされている。反射ミラーユニット保持部材51と反射ミラーユニット50とが組合わされた状態で、ピボット形状保持部51aにバネ52が挿入され、ネジ53で固定されている。また、調整ネジ54,55が反射ミラーユニット保持部材51および反射ミラー保持部材45に挿通されている。なお、反射ミラーユニット保持部材51は、アルミ、マグネシウムなどのダイキャスト品、もしくは、樹脂などの成形品であってもよい。
図17に示すように、反射ミラーユニット保持部材51は、1対の投射ユニット構造部材11により左右両端部を挟んだ状態で固定されている。調整ネジ54,55を時計回りまたは反時計回りに回すことで、反射ミラーユニット50が、反射ミラーユニット保持部材51のピボット形状保持部51aを支点として傾くことにより、反射ミラーユニット保持部材51に対する反射ミラー2の角度が変更され、特に光路の長いスクリーン1の上部左右コーナー部でのフォーカスレベルを調整することができる。
次に、投射ユニット101の調整構造について説明するが、最初に、投射ユニット101の角度調整の必要性について説明する。図4に示すフレーム部材21,22の部品寸法ばらつき、組立ばらつきが発生した場合、スクリーン1の上部が前方向に倒れ傾向になったり、後ろ方向に倒れ傾向になる。このような場合には、スクリーン1の垂直面と投射ユニット101からの映像光との角度がずれることとなる。左右アンバランスにより、スクリーン1の上側左右コーナー部でのフォーカスアンバランスが発生している場合は、スクリーン1の垂直面に対する投射ユニット101からの映像光の角度がずれることで、スクリーン1の上側の片側コーナー部のフォーカスがさらに悪化することになる。このような問題点を解消するため、投射ユニット101の角度調整を行う必要がある。
次に、図18、図19、図20を用いて、投射ユニット101に調整構造を導入した場合について説明する。また、図2においては、投射ユニット101の調整構造が導入されていないが、キャビネット80内における投射ユニット101の設置位置は投射ユニット101の調整構造を導入した場合と同様であるため、適宜図2も用いて説明することとする。
図18、図19に示すように、投射ユニット101の調整構造は、連結部材57と、調整ネジ65と、略U字状の板バネ63,64とを備えている。連結部材57は、ネジ59,60によって投射ユニット構造部材58の中央部に固定されている。連結部材57には、2つの長穴部57a,57bが形成されている。
図19、図20に示すように、板バネ63の一端部がネジ61によりフロント部構造部材66に固定され、後方に屈曲する板バネ63の他端部が投射ユニット構造部材58の面に押し当てられている。板バネ64の一端部がネジ62によりフロント部構造部材66に固定され、後方に屈曲する板バネ64の他端部が投射ユニット構造部材58の面に押し当てられている。また、調整ネジ65は、連結部材57に対して前後方向に進退可能に取付けられ、ネジ67,68は、連結部材57の長穴部57a,57bを介して、フロント部構造部材66に固定されている。このため、ネジ67,68を緩めた状態では、投射ユニット101は長穴部57a,57bを介して前後移動可能である。
図20に示すように、調整ネジ65の先端65aがフロント部構造部材66の面に当接し、また、板バネ63,64の他端部は、投射ユニット構造部材58の面に押し当てられているため、常に投射ユニット101の下部を後方に移動させる力が作用している。投射ユニット101の後方への移動は、調整ネジ65により抑制されているため、投射ユニット101は静止している。
図20に示すように、ネジ67,ネジ68を緩めた状態で、調整ネジ65を時計周りに回すと、連結部材57は、板バネ63,64の弾性力によって調整ネジ65の頭部側に引き寄せられ、また、連結部材57は、投射ユニット構造部材58に固定されているので、図2に示す投射ユニット101の下部は、光学エンジンベース部材6と背部構造部材9の固定部付近を支点として、前方へ移動する。また、調整ネジ65を反時計周りに回すと、連結部材57が固定された投射ユニット構造部材58は、板バネ63及び板バネ64の押力により、後方に移動する。すなわち、図2に示す投射ユニット101の下部は、光学エンジンベース部材6と背部構造部材9の固定部付近を支点として、後方へ移動する。
上記のように、調整ネジ65を時計周りまたは反時計周りに回すことで、投射ユニット101の下部は、光学エンジンベース部材6と背部構造部材9の固定部付近を支点として、前後に移動する。これにより、スクリーン1の垂直面に対する投射ユニット101からの映像光の角度を調整することができる。特に光路の長いスクリーン1の上部左右コーナー部では感度が高いため、投射ユニット101の角度調整を行うに際して、投射ユニット101の下部における前後移動量を小さくすることができる。光学エンジンベース部材6と反射ミラー保持部材7と非球面ミラー保持部材8の両端は、精度の良い投射ユニット構造部材11で連結されているので、剛性が確保された状態で投射ユニット101を左右バランス良く角度調整できる。投射ユニット101の角度調整を行った後は、図19、図20に示すように、ネジ67、ネジ68を締付けることで、投射ユニット101がその位置で保持される。
図2、図20に示すように、反射ミラー2は、キャビネット80内の前部かつスクリーン1の下部に配置されたので、映像投射装置の前側から簡単に調整ネジ54,55を調整することができる。また、投射ユニット101の調整ネジ65をキャビネット80内の前部かつスクリーン1の下部に位置する投射ユニット構造部材58に設けたので、映像投射装置の前側から簡単に調整ネジ65を調整することができる。
次に、図21、図22、図23を用いて、反射ミラー2および投射ユニット101の調整部が露出する構造について説明する。図21は映像投射装置の斜視図であり、図22は映像投射装置においてフロント意匠部材69を取外した状態を示す要部拡大正面図であり、図23は映像投射装置においてフロント意匠部材69を取外した状態を示す要部拡大正面図である。
図21、図22、図23に示すように、反射ミラー2および投射ユニット101の調整部が露出する構造は、キャビネット80の前部に開口部70a,70bが形成された構造である。図21、図22に示すように、投射ユニット101の前側には、フロント意匠部材70が設けられ、フロント意匠部材70の前側にフロント意匠部材69が取付けられている。フロント意匠部材69を取外した状態では、その後側に位置するフロント意匠部材70の前面が露出する。フロント意匠部材70(キャビネット80の前部)には、開口部70a,70bが形成されている。
図23に示すように、開口部70aは、調整ネジ54よりも大きな寸法に形成され、開口部70aから調整ネジ54が露出している。また、開口部70bは、投射ユニット101において調整ネジ55から調整ネジ65に渡る領域よりも大きな寸法に形成され、開口部70bから調整ネジ55,65およびネジ67,68が露出している。フロント意匠部材69は、外部から簡単に取外すことができ、フロント意匠部材70の開口部70a,70bから調整ネジ54,55が露出しているため、簡単に調整ネジ54、55を調整することができる。
また、開口部70bから調整ネジ65が露出しているため、簡単に調整ネジ65を調整することができる。すなわち、外部から反射ミラー2の角度および投射ユニット101の角度を調整することができる。また、開口部70bからネジ67,68も露出しているため、簡単にネジ67,68を調整することができ、投射ユニット101の角度を調整した後に、投射ユニット101をその位置で保持するために、ネジ67,68を固定することができる。ここで、開口部70aおよび開口部70bが第3開口部に相当し、開口部70bが第4開口部に相当する。なお、本実施の形態では、開口部70bは第3開口部と第4開口部を兼用しているが、ネジ67,68が露出する第4開口部を開口部70bとは別に設けてもよい。
以上のように、実施の形態に係る映像投射装置では、投射レンズ4はスクリーン1の背面部に配置され、非球面ミラー3はキャビネット80内の後下部に配置され、反射ミラー2はキャビネット80内の前下部に配置されたため、スクリーン1上の映像に画面歪みまたはフォーカス劣化が生じた場合に、投射レンズ4、反射ミラー2、非球面ミラー3について外部から簡単に調整作業を行うことができる。

また、投射レンズ4、反射ミラー2、非球面ミラー3は、スクリーン1における左右方向の略中心に配置され、これらを連結部材である1対の投射ユニット構造部材11で一体的に連結することで投射ユニット101が構成されるため、投射ユニット101を調整する必要がある場合に、1対の投射ユニット構造部材11によって剛性が確保された状態で、外部から投射ユニット101を左右バランス良く調整することができる。
1対の投射ユニット構造部材11は、光学エンジンベース部材6と反射ミラー保持部材7と非球面ミラー保持部材8の左右両端側を固定しているため、投射ユニット101の剛性をより高めることができ、投射ユニット101をより精度良く調整することができる。
投射ユニット101は、スクリーン1を保持するフロント部構造部材66および背部構造部材9に固定されているため、投射ユニット101について外部から簡単に調整作業を行うことができる。
投射レンズ4における光軸上の位置を調整可能な調整リブ部4aを備え、キャビネット80の後部に、調整リブ部4aが露出する開口部38aが形成されているため、開口部38aを介して調整リブ部4aの調整を簡単に行うことができる。
非球面ミラー3におけるスクリーン1に対する映像光の反射角度を調整可能な調整ネジ34,35を備え、キャビネット80の後部に、調整ネジ34,35が露出する開口部38b,38cが形成されているため、開口部38b,38cを介して調整ネジ34,35の調整を簡単に行うことができる。
反射ミラー2における非球面ミラー3に対する映像光の反射角度を調整可能な調整ネジ54,55を備え、キャビネット80の前部に、調整ネジ54,55が露出する開口部70a,70bが形成されているため、開口部70a,70bを介して調整ネジ54,55の調整を簡単に行うことができる。
投射ユニット101におけるスクリーン1に対する映像光の投射角度を調整可能な調整ネジ65を備え、キャビネット80の前部に、調整ネジ65が露出する開口部70bが形成されているため、開口部70bを介して調整ネジ65の調整を簡単に行うことができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 スクリーン、2 反射ミラー、3 非球面ミラー、4 投射レンズ、4a 調整リブ部、5 光学エンジン、6 光学エンジンベース部材、7 反射ミラー保持部材、8 非球面ミラー保持部材、9 背部構造部材、10,66 フロント部構造部材、11 投射ユニット構造部材、34,35,54,55,65 調整ネジ、38a,38b,38c,70a,70b 開口部、80 キャビネット、101 投射ユニット。

Claims (6)

  1. 映像光を出射する光学エンジンと、
    前記光学エンジンが出射した前記映像光を投射する投射レンズと、
    前記投射レンズが投射した前記映像光を平面形状の反射面で所定方向に反射する第1反射光学素子と、
    前記第1反射光学素子が反射した前記映像光を光軸を中心とした回転対称形状の反射面で所定方向に反射する第2反射光学素子と、
    前記第2反射光学素子が反射した前記映像光を映し出すスクリーンと、
    前記スクリーンの下面および後面を覆うキャビネットとを備え、
    前記投射レンズは、前記スクリーンにおける左右方向の略中心かつ背面部に前記スクリーンの下部へ出射する下方斜め向きに配置され、
    前記第1反射光学素子は、前記スクリーンにおける左右方向の略中心かつ前記キャビネット内の前下部に配置され、
    前記第2反射光学素子は、前記スクリーンにおける左右方向の略中心かつ前記キャビネット内の後下部に配置され、
    前記第2反射光学素子により反射された前記映像光は、直接前記スクリーンに映し出され、
    前記投射レンズと前記第1反射光学素子と前記第2反射光学素子とを一体的に連結して投射ユニットを構成する連結部材と、
    前記投射ユニットにおける前記スクリーンに対する前記映像光の投射角度を調整可能な第4調整部とをさらに備え、
    前記キャビネットの前部に、前記第4調整部が露出する第4開口部が形成されている、映像投射装置。
  2. 前記光学エンジンを保持するベース部材と、前記第1反射光学素子を保持する第1保持部材と、前記第2反射光学素子を保持する第2保持部材とをさらに備え、
    前記投射レンズは前記光学エンジンに搭載され、
    前記連結部材は、前記ベース部材と前記第1保持部材と前記第2保持部材の左右両端側を固定している、請求項1記載の映像投射装置。
  3. 前記スクリーンを保持する前部構造部材および後部構造部材をさらに備え、
    前記投射ユニットは、前記前部構造部材および前記後部構造部材に固定されている、請求項1記載の映像投射装置。
  4. 前記投射レンズにおける光軸上の位置を調整可能な第1調整部を備え、前記キャビネットの後部に、前記第1調整部が露出する第1開口部が形成されている、請求項1記載の映像投射装置。
  5. 前記第2反射光学素子における前記スクリーンに対する前記映像光の反射角度を調整可能な第2調整部を備え、前記キャビネットの後部に、前記第2調整部が露出する第2開口部が形成されている、請求項1記載の映像投射装置。
  6. 前記第1反射光学素子における前記第2反射光学素子に対する前記映像光の反射角度を調整可能な第3調整部を備え、前記キャビネットの前部に、前記第3調整部が露出する第3開口部が形成されている、請求項1記載の映像投射装置。
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