JP5987537B2 - 走行支援装置及び走行支援方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、信号交差点を含む走行道路における円滑な車群走行を実現する走行支援装置及び走行支援方法を提供することを課題としている。
(第1の実施の形態)
(構成)
図1は、本実施形態に係る走行支援装置が適用されるシステムの構成を示す図である。
図中、符号1は路側インフラ設備である。路側インフラ設備1は、信号機2と、信号制御機3と、光ビーコン通信機4A,4Bと、車両感知器5A,5Bと、情報提供判定装置6とを備える。
光ビーコン通信機4Aは、信号交差点間の1区画において、下流側の信号交差点から離れた上流位置の路上に設置する。ここでは、光ビーコン通信機4Aを、上記1区画における上流側の信号交差点の流出部に設置した場合について示している。また、光ビーコン通信機4Bは、光ビーコン通信機4Aと同様に下流側の信号交差点から離れた上流位置で、且つ光ビーコン通信機4Aの設置位置よりも下流位置の路上に設置する。
車両感知器5A,5Bは、超音波式や光学式等の車両感知器であり、図2(a)及び(b)に示すように路面に対して電波や光を送信し、その反射波を受信するまでの時間を計測する。そして、図2(a)に示すように計測地点に車両が存在する場合と、図2(b)に示すように計測地点に車両が存在しない場合とで、反射波を受信するまでの時間に違いがあることを利用して、車両の有無を判定する。この車両感知器5A,5Bは、自身の計測地点を通過する車両の車頭時間、速度等の感知データを取得可能となっている。
この図3に示すように、車載器10は、ビーコンアンテナ11と、カーナビゲーションシステム12とを備える。
ビーコンアンテナ11は、光ビーコン通信機4A及び4Bと光波による無線通信を行い、走行支援情報を含む情報を受信する。そして、ビーコンアンテナ11は、受信した情報をカーナビゲーションシステム12に出力する。
ナビゲーションECU21は、光通信部24と、CAN通信部25と、処理部26と、HMI制御部27とを備える。
光通信部24は、ビーコンアンテナ11が受信した光ビーコン通信機4A,4Bからの情報を入力し、処理部26に出力する。
処理部26は、光通信部24やCAN通信部25から情報を収集する。そして、処理部26は、これらの収集した情報に基づいて車両Caの走行を支援する走行支援処理を実行する。例えば、処理部26は、走行支援処理として光通信部24から入力した走行支援情報をHMI制御部27へ伝達する処理を行う。
HMI制御部27は、処理部26から入力した走行支援情報を、ディスプレイ22に出力すると共に、予め用意してある音声情報をスピーカ23に出力する。このようにして、乗員に走行支援情報を提示する。
図4は、情報提供判定装置6で実行する情報提供判定処理手順を示すフローチャートである。
先ずステップS1で、情報提供判定装置6は、光ビーコン通信機4Aで情報提供対象の車両Ca(以下、単に対象車両Caともいう)の車載器10からのアップリンク情報を受信したか否かを判定する。そして、アップリンク情報を受信していない場合にはそのまま待機し、アップリンク情報を受信するとステップS2に移行する。
ステップS3では、情報提供判定装置6は、上記アップリンク情報を送信した対象車両Caが交通流の先頭を走行しているか否かを判定する。ここでは、車両感知器5Aによって対象車両Caを感知する前に、車両感知器5Aによって車頭時間が所定時間以下となる車両を感知している場合、対象車両Caは交通流の先頭を走行していないと判断する。
ステップS4では、情報提供判定装置6は、走行支援情報として、車群を形成するための運転操作を促す車群形成要求情報を生成する。この車群形成要求情報は、交差点に車両がランダムに到着する通常の車群(一様ではない流れ)から、交差点に車両が一様に到着する理想的な車群(一様な流れ)を形成するためのものである。
次にステップS6では、情報提供判定装置6は、光ビーコン通信機4Bで対象車両Caの車載器10からのアップリンク情報を受信したか否かを判定する。そして、アップリンク情報を受信していない場合にはそのまま待機し、アップリンク情報を受信するとステップS7に移行する。
ステップS8では、情報提供判定装置6は、前記ステップS2で記憶したアップリンク情報と、前記ステップS7で記憶したアップリンク情報とに基づいて、対象車両Caの旅行時間Taを算出する。具体的には、アップリンク情報に含まれる車両IDと、当該車両IDに対応付けて記憶したアップリンク情報の受信時刻と基づいて、対象車両Caが光ビーコン通信機4Aの設置地点を通過してから光ビーコン通信機4Bの設置地点を通過するまでの時間を算出し、これを2地点間の旅行時間Taとする。
なお、本実施形態では、対象車両Caの旅行時間Taが許容範囲内であるか否かを判定する場合について説明したが、対象車両Caの旅行速度が予め規定した速度よりも低いか否かを直接判定するようにしてもよい。この場合、旅行時間Taと、光ビーコン通信機4Aの設置地点から光ビーコン通信機4Bの設置地点までの距離とに基づいて、対象車両Caの旅行速度を算出する。
ステップS10では、情報提供判定装置6は、走行支援情報として、車群を維持するための運転操作を促す情報(車群維持情報)を生成する。ここで、車群維持情報は、例えば現在車速(又は推奨車速Vp)を維持するための情報や、先行車両が存在する場合には先行車両との間の車間距離を保持するための情報、車群形成要求に従って走行したことで車群形成に成功したことを示す情報等である。
ステップS11では、情報提供判定装置6は、車両感知器5Bの感知データに基づいて、対象車両Caを先頭とする車群を検出する。ここでは、車両感知器5Bで検出した車頭時間が予め設定した閾値時間(例えば、7秒)未満であるとき、後続車両は先行車両と同一の車群を形成する車両であると判断する。そして、検出した車群の情報として、車群の平均速度、車群構成台数、車群長さ(先頭車両から最後尾車両までの長さ)等を検出する。
次に、第1の実施形態の動作について説明する。
先ず、図6に示すように、対象車両Caを先頭とする交通流が、光ビーコン通信機4Aを通過する場合について説明する。この交通流は、図6に示す時点で一様な車群を形成していない、まばらな車群であるものとする。また、交通流を形成する車両のうち、光ビーコン通信機4Aと通信可能な路車間通信機能を有する車載器10を搭載した車両は、先頭の対象車両Caの1台のみであるものとする。
対象車両Caが光ビーコン通信機4Aの通信エリア内に到達すると、対象車両Caは車両IDを含むアップリンク情報を光ビーコン通信機4Aに送信する。光ビーコン通信機4Aがこれを受信すると(図4のステップS1でYes)、情報提供判定装置6は、光ビーコン通信機4Aが受信したアップリンク情報を取得する(ステップS2)。
したがって、情報提供判定装置6は、この車両感知器5Aの感知データをもとに、対象車両Caが交通流の先頭にいると判断する(ステップS3でYes)。すると、情報提供判定装置6は、車群の形成を促す情報として対象車両Caの推奨速度Vpに関する推奨速度情報を生成する(ステップS5)。そして、光ビーコン通信機4Aは、この推奨速度情報を対象車両Caに対して送信する。
推奨速度情報を受けて、運転者が推奨速度Vp前後で走行するべく速度調整を行うと、先頭にいる対象車両Caの走行速度に合わせて後続車両も速度調整を行う。これにより、対象車両Caを先頭車両とする一様な車群が形成される。
したがって、情報提供判定装置6は、車群を維持するための情報として、対象車両Caの現在速度を保持するための情報や車群形成に成功したことを示す情報を生成する(ステップS10)。そして、光ビーコン通信機4Bは、この車群維持情報を対象車両Caに対して送信する。
車群の到着/通過に合わせた信号制御を実現するためには、車群を適切に検出する必要がある。図8(a)に示すように、まばらな車群を形成して複数台の車両が走行している場合には、車群検出を適切に行うことができず信号制御を適用することができない。
この場合、車両感知器5Aは、対象車両Caを検出する前に他車両を検出する。そのため、情報提供判定装置6は、この車両感知器5Aの感知データをもとに、対象車両Caが交通流の先頭にいないと判断する(ステップS3でNo)。すると、情報提供判定装置6は、車群の形成を促す情報として先行車両との間の車間距離を保持するための情報を生成する(ステップS4)。そして、光ビーコン通信機4Aは、この車間距離保持情報を対象車両Caに対して送信する。
車間距離保持情報を受けて、対象車両Caの運転者が、先行車両との間の車間距離を保持するべく速度調整を行うと、対象車両Caに合わせて後続車両も速度調整を行う。これにより、図9に示すように、少なくとも対象車両Caが走行する車線では、対象車両Caを含む一様な車群が形成される。
すると、情報提供判定装置6は、光ビーコン通信機4A及び4Bを介してそれぞれ取得したアップリンク情報をもとに、対象車両Caの旅行時間Taを算出する(ステップS8)。このとき、対象車両Caの先行車両が推奨速度Vp前後で走行している場合には、その先行車両と一定の車間距離を保って走行している対象車両Caの走行速度も推奨速度Vp前後となる。したがって、この場合には、対象車両Caの旅行時間Taは許容範囲内となる(ステップS9でYes)。
このように、光ビーコン通信機4Aから対象車両Ca1へ車群形成要求を送信しているにもかかわらず、運転者がそれに従わず車群形成を実現できていない場合には、再度、対象車両Ca1に対して車群形成要求を送信することができる。
このように、交通流の中に対象車両が複数台存在する場合には、全ての対象車両に対して光ビーコン通信機4Aから車群形成要求情報を送信する。そして、車群形成要求情報を送信した全ての対象車両について旅行時間Taの判定を行い、旅行時間Taが許容範囲内である対象車両については確実にインセンティブを与えるようにする。
さらに、図4において、ステップS4及びS5が車群形成要求情報生成手段に対応し、ステップS8が旅行時間算出手段に対応し、ステップS9〜S12が特典供与手段に対応している。そして、ステップS10が車群維持情報生成手段に対応し、ステップS11が車群検出手段に対応し、ステップS12が信号制御手段に対応している。
第1の実施形態では、以下の効果が得られる。
(1)情報提供判定装置6は、車群を形成するための運転操作を促す車群形成要求情報を生成し、光ビーコン通信機4Aはこれを送信する。そして、車両Caに搭載した車載器10は、光ビーコン通信機4Aが送信した車群形成要求情報を受信し、当該車群形成要求情報を提示する。
このように、路側に設置した光ビーコン通信機4Aから送信した車群形成要求情報を車載器10で受信し、運転者に提示する。これにより、車群形成要求情報を受けた運転者が車群を形成するための運転操作を行うのを促す。したがって、路車協調による一様な車群形成を実現することができる。
これにより、車群形成要求を受け取った運転者は、車群を形成するための車速情報を適切に認識することができる。また、車両Caの推奨速度Vpを規制速度Vrに準じた速度とするので、車両Caが推奨速度Vpで走行した場合に後続車両がこれに続きやすくなり、一様な車群を形成しやすくなる。
このように、車両Caが交通流の中にいる場合には、自由に速度調整を行えない場合があることを考慮し、車群形成要求情報として、先行車両との間の車間距離を保持するための情報を送信する。車両Caが先行車両との間の車間距離を一定に保てば、後続車両もこれに続いて一定の車間距離を保って追従走行することが期待できる。したがって、車両Caがペースメーカーとなって車群を形成することができる。
このように、光ビーコン通信機4Aの設置位置と光ビーコン通信機4Bの設置位置との間の旅行時間Taを判定することで、車群形成要求情報を受けた運転者が、当該車群形成要求に従って運転操作を行ったかどうかを確認することができる。そして、車群形成要求に従って運転操作を行った対象車両Caに対してはインセンティブを与える。これにより、運転者の車群形成に協力する行為を助長することができる。
このように、路車協調により形成した車群が、前方信号機2で停止することなく青信号で通過できるように信号制御するので、円滑な車群走行を実現することができる。
このように、車群形成要求に従って運転操作を行った車両Caに対して、形成した車群を維持するための情報を提示するので、形成した車群が前方信号機2の手前で乱れるのを抑制することができる。したがって、車群の到着/通過に合わせた信号制御を適切に行うことができる。
これにより、形成した車群が乱れるのを適切に抑制することができる。
(8)情報提供判定装置6は、光ビーコン通信機4Bは、車両Caの旅行時間Taが許容範囲外にあるとき、車群形成要求情報を送信する。そして、車両Caに搭載した車載器10は、光ビーコン通信機4Bが送信した車群形成要求情報を受信し、当該車群維持情報を提示する。
このように、車群形成要求に従って運転操作を行っていない車両Caに対しては、再度、車群形成要求情報を提示する。したがって、車群形成の実現率を向上させることができる。
このように、路側から送信した車群形成要求情報を車載器10で受信し、運転者に提示する。これにより、車群形成要求情報を受けた運転者が車群を形成するための運転操作を行うのを促す。したがって、路車協調による一様な車群形成を実現することができる。
(1)上記実施形態においては、光ビーコン通信機4A及び車両感知器5Aを信号交差点の流出部に設置する場合について説明したが、前方信号機2から離れた上流位置であれば、設置位置を任意に選定することができる。但し、対象車両Caが車群形成要求を受けてから前方信号機2に到達するまでの間に一様な車群を形成する必要があるため、一様な車群の形成に要する距離を確保するようにする。
例えば、対象車両Caが交通流の先頭にいる状態で、信号機2の停止線手前で赤信号待ちをしているとき、車載器10は、車群形成要求情報である推奨速度情報と併せて、急な発進を抑制するための急発進抑制情報を提示する。これにより、信号機2が赤信号から青信号へ切り替わった際の対象車両Caの急発進を抑制し、対象車両Caを先頭とする車群の形成をより確実に行うことができる。
Claims (7)
- 車両の走行を支援する走行支援装置であって、
車群を形成するための運転操作を促す車群形成要求情報を生成する車群形成要求情報生成手段と、
信号交差点から離れた上流位置の路上に設置され、前記車群形成要求情報生成手段で生成した車群形成要求情報を送信する第1通信手段と、
前記車両に搭載され、路車間通信機能を有する車載器と、を備え、
前記車載器は、前記第1通信手段が送信した前記車群形成要求情報を受信し、当該車群形成要求情報を提示する情報提示手段を備え、
前記車群形成要求情報生成手段は、
前記車群形成要求情報として、予め設定した推奨速度に関する情報を生成し、
前記車載器は、自身が搭載された車両の識別情報を送信し、
前記第1通信手段は、前記車載器が送信した前記識別情報を受信可能であり、
前記信号交差点から離れた上流位置で、且つ前記第1通信手段の設置位置よりも下流位置の路上に設置され、前記車載器が送信した前記識別情報を受信可能な第2通信手段と、
前記第1通信手段及び前記第2通信手段で受信した車両の識別情報に基づいて、当該車両の旅行時間を算出する旅行時間算出手段と、
前記旅行時間算出手段で算出した旅行時間が、前記車両が前記推奨速度で走行していると判断できる時間であることを示す許容範囲内にあるとき、その車両に対して走行特典を与える特典供与手段と、を備えることを特徴とする走行支援装置。 - 前記第1通信手段の設置位置近傍に設置され、当該設置位置での交通流を感知する第1車両感知器を備え、
前記車群形成要求情報生成手段は、
前記第1車両感知器の感知データに基づいて、前記車両が交通流の非先頭車両であると判断したとき、前記車群形成要求情報として、前記車両の先行車両との間の車間距離を保持するための情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の走行支援装置。 - 前記第2通信手段の設置位置近傍に設置され、当該設置位置での交通流を感知する第2車両感知器を備え、
前記特典供与手段は、
前記旅行時間算出手段で算出した旅行時間が許容範囲内にあるとき、前記第2車両感知器の感知データに基づいて、前記車両を先頭とした車群を検出する車群検出手段と、
前記走行特典として、前記車群検出手段で検出した車群が前記信号交差点を青信号で通過できるように信号現示を制御する信号制御を行う信号制御手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の走行支援装置。 - 車群を維持するための運転操作を促す車群維持情報を生成する車群維持情報生成手段を備え、
前記第2通信手段は、前記旅行時間算出手段で算出した旅行時間が許容範囲内にあるとき、前記車群維持情報生成手段で生成した車群維持情報を送信し、
前記車載器の前記情報提示手段は、前記第2通信手段が送信した前記車群維持情報を受信し、当該車群維持情報を提示することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の走行支援装置。 - 前記車群維持情報生成手段は、
前記車群維持情報として、前記車両の現在車速を維持するための情報を生成することを特徴とする請求項4に記載の走行支援装置。 - 前記第2通信手段は、前記旅行時間算出手段で算出した旅行時間が許容範囲外にあるとき、前記車群形成要求情報生成手段で生成した車群形成要求情報を送信し、
前記車載器の前記情報提示手段は、前記第2通信手段が送信した前記車群形成要求情報を受信し、当該車群形成要求情報を提示することを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の走行支援装置。 - 車両の走行を支援する走行支援方法であって、
車群を形成するための運転操作を促す車群形成要求情報を生成し、当該車群形成要求情報を、信号交差点から離れた上流位置の路上に設置された第1通信手段から送信し、
前記車両に搭載され、路車間通信機能を有する車載器は、前記第1通信手段が送信した前記車群形成要求情報を受信し、これを提示するものであり、
前記車群形成要求情報として、予め設定した推奨速度に関する情報を生成し、
前記車載器は、自身が搭載された車両の識別情報を送信し、
前記第1通信手段は、前記車載器が送信した前記識別情報を受信し、
前記信号交差点から離れた上流位置で、且つ前記第1通信手段の設置位置よりも下流位置の路上に設置された第2通信手段は、前記車載器が送信した前記識別情報を受信し、
前記第1通信手段及び前記第2通信手段で受信した車両の識別情報に基づいて、当該車両の旅行時間を算出し、
前記旅行時間が、前記車両が前記推奨速度で走行していると判断できる時間であることを示す許容範囲内にあるとき、その車両に対して走行特典を与えることを特徴とする走行支援方法。
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