以下に、本発明に係る遊技機の一例であるパチスロ機について図面に基づいて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示したように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー16が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU73)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ライン8a,8b(図2参照)に沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外の所謂「ハズレ」に係るものとが設けられている。「入賞」に係るものは、主制御回路71で管理される遊技状態の移行を伴う図柄の組合せの種別である後述のリプレイ2〜5の再遊技役及びRT移行図柄を含んでいる。
続いて、複数の図柄表示手段としてのリール3L,3C,3Rの回転が行われた後で、遊技者により停止操作手段としてのストップボタン17L,17C,17Rが押されると、変動停止制御手段は、内部当籤役とストップボタン17L,17C,17Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン17L,17C,17Rが押されたときから規定時間内に、該当するリール3L,3C,3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L,3C,3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
変動停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ライン8a,8b(図2参照)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L,3C,3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ライン8a,8b(図2参照)に沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L,3C,3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU73)は、入賞判定ライン8a,8b(図2参照)に沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。入賞判定ライン8a,8b(図2参照)に沿って表示された図柄が、入賞に係るもののうちのリプレイ2〜5の再遊技役及びRT移行図柄である場合には、後述する図6に示した遊技状態の間を移行する。ただし、R2遊技状態からRT3遊技状態への移行は、入賞が条件ではなく当籤が条件となる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置10により行う映像の表示、ランプ(LED)20により行う光の出力、スピーカ48L,48R,49L,49Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。また、当籤役に応じた告知音がスピーカ48L,48R,49L,49Rから出力されるようになっている。この告知音は、ストップボタン17L,17C,17Rが押されたタイミングで出力される。これにより、ストップボタン17L,17C,17Rの操作が終了したのちに行われる演出と告知音とが競合しないようになっている。
遊技者によりスタートレバー16が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のメインCPU73、又はサブCPU82)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出手段(後述の液晶表示装置10、後述のスピーカ48L,48R,49L,49R、後述のランプ(LED)20)は、リール3L,3C,3Rの回転が開始されるとき、各リール3L,3C,3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。演出の一部に関しては、操作手段としてのベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)が操作されることを条件として実行される。演出手段は、内部当籤役が小役1〜3である場合には、左リール3Lに停止させるべき図柄が赤7、青7、及び黄7のいずれであるかを報知し、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の操作を促す報知を行う。このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
<外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の外観構造を示す斜視図である。
パチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ機1の外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ機1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、その正面右側に設けられたドアキー15によってロック解除を行うことができるようになっている。ドアキー15は、ロック解除を行う機能に加えて、打止解除及びエラー解除の操作を行う機能をも有している。ドアキー15を左に回すことで、打止解除及びエラー解除を行うこともできる。
フロントドア2bの中央には、液晶表示装置10が設けられている。この液晶表示装置10は、図柄表示領域4L,4C,4Rを含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3L,3C,3Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。本実施の形態では、図柄表示領域4L,4C,4Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域4L,4C,4Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応して設けられている。この図柄表示領域4L,4C,4Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられた各リール3L,3C,3Rを投下することが可能いな構成になっている。以下、図柄表示領域4L,4C,4Rを、それぞれ、左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4Rという。
表示窓4L,4C,4Rは、その背後に設けられたリール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、各リール3L,3C,3Rの複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。各表示窓4L,4C,4Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められたいずれかをそれぞれ組合せてなる疑似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞判定ライン)として定義する。
本実施の形態では、2つの入賞判定ライン8a、8bが設けられている。入賞判定ライン8aは、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの下段の組み合わせからなる。入賞判定ライン8bは、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの上段の組み合わせからなる。
液晶表示装置10の表示画面の側方には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
フロントドア2bには、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。選択ボタン9a及び決定ボタン9bは、液晶表示装置10に表示されるホールメニュー(図81)内の項目を選択するためのものである。メダル投入口11は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられている。メダル投入口11に受け入れられたメダルは、予め定められた規定数を上限として1回の遊技に投入されることとなり、規定数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けられる(いわゆるクレジット機能)。
MAXBETボタン12は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技において投入可能な最大の規定数分を投入するために設けられている。1BETボタン14は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に1枚のメダルを投入するために設けられている。清算ボタン(図示せず)は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に排出するために設けられている。なお、清算ボタンは、フロントドア2bの正面部に設けられており、MAXBETボタン12、1BETボタン14などと同様に、フロントドア2bを開けることなく、外部から操作可能なボタンである。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられている。ストップボタン17L,17C,17Rは、3つのリール3L,3C,3Rのそれぞれに対応付られ、対応するリールの回転を停止するために設けられている。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
メダル払出口18は、後述のメダル払出装置34の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口18から排出されたメダルは、メダル受皿19に貯められる。ランプ(LED等)20は、演出内容に応じた点消灯のパターンによって光を出力する。スピーカ用孔21L,21R,22L,22Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力するために設けられている。
<内部構造>
図3は、パチスロ機1の内部構造を示す斜視図である。この図3では、フロントドア2bが解放され、フロントドア2bの裏面側の構造及びキャビネット2aの内部の構造が示されている。図4は、キャビネット2aの内部を示す説明図である。図5は、フロントドア2bの裏面側を示す説明図である。
図4に示すように、キャビネット2a内部の上側には、主制御回路71(図7参照)を構成する主制御基板31が配設されている。主制御回路71は、内部当籤役の決定、リール3L,3C,3Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ機1における遊技の主な流を制御する回路である。主制御回路71の具体的な構成は後述する。
キャビネット2aの内部の中央には、3つのリール3L,3C,3Rが設けられている。なお、図4では、各リール3L,3C,3Rからシート材を取り除いてリール本体を露出させた状態を示している。3つのリール3L,3C,3Rには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
キャビネット2a内部を正面から見て、右リール3Rの右側には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33が配設されている。設定用鍵型スイッチ32は、パチスロ機1の設定を変更もしくは確認を行う際に使用するものである。
外部集中端子板33は、キャビネット2aの側板に取り付けられている。この外部集中端子板33は、メダル投入信号、メダル払出信号及びセキュリティー信号などの信号をパチスロ機1の外部へ出力するために設けられている。
キャビネット2aの内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置(以下、ホッパー装置という)34が設けられている。このホッパー装置34は、貯留されたメダルが例えば50枚を超えたとき、又は清算ボタンが押圧されてメダルの清算を行うときに、メダルを払い出す。ホッパー装置34によって払い出されたメダルは、メダル払出口18(図2参照)から排出される。
キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置34の右側には、ホッパー装置34から溢れたメダルを収納するメダル補助庫35が配設されている。また、キャビネット2a内部を正面から見て、ホッパー装置34の左側には、パチスロ機1が有する各装置に対して必要な電力を供するための電源装置36が設けられている。この電源装置36は、電源スイッチ36aと、電源基板36b(図6参照)とを有している。
また、ホッパー装置34と3つのリール3L,3C,3Rとの間には、サブスピーカ37が配設されている。
図3及び図5に示すように、フロントドア2bの裏面における上側には、副制御基板41(図6参照)を収容する副制御基板ケース42が配設されている。副制御基板41は、副制御基板ケース42を介してキャビネット2aの内部の主制御基板31に対向している。そして、副制御基板41は、副制御回路81(図8参照)を構成する。副制御回路81は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路81の具体的な構成は後述する。
フロントドア2bを裏面側から見て、副制御基板ケース42の右側方には、副中継基板43が配設されている。この副中継基板43は、副制御基板41と、Lこの副制いる御基板41の周辺に配設された基板との配線を中継する基板である。なお、副制御基板41の周辺に配設される基板としては、後述するLED基板45A,45B,45CやサウンドI/O基板46が挙げられる。
LED基板45Aは、フロントドア2bの裏面側から見て、副制御基板ケース42の上方に配設されている。また、LED基板45Bは、フロントドア2bの裏面側から見て、副中継基板43の右側方に配設されており、LED基板45Cは、副中継基板43の右側方に配設されている。これらLED基板45A,45B,45Cは、副制御回路81(図8参照)の制御により実行される演出に応じて、点滅パターンを表示する。
サウンドI/O基板46は、フロントドア2bの裏面における中央(表示窓4L,4C,4Rの下側)に配設されている。このサウンドI/O基板46は、後述するスピーカ48L,48R,49L,49Rへの音声の出力を行う。
サウンドI/O基板46の下側には、遊技動作表示基板47が配設されている。この遊技動作表示基板47は、メダルの投入を受け付けるとき、3つのリール3L,3C,3Rが回動可能なとき及び再遊技を行うときに、投入されたメダルの枚数を7セグ表示器6に表示させるための基板である。
サウンドI/O基板46及び遊技動作表示基板47の左側及び右側には、上部スピーカ48L,48Rが配設されている。そして、フロントドア2bの裏面における下側には、下部スピーカ49L,49Rが配設されている。上部スピーカ48L,48Rは、それぞれスピーカ用孔21L,21Rに対向しており、下部スピーカ49L,49Rは、それぞれスピーカ用孔22L,22Rに対向している。
上部スピーカ48Rと下部スピーカ49Rとの間には、セレクタ51と、ドア開閉監視スイッチ52が配設されている。セレクタ51は、メダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、メダル投入口11に受け入れられた適正なメダルをホッパー装置34へ案内する。セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダル通過センサ(図示せず)が設けられている。
ドア開閉監視スイッチ52は、フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の左側に配置されている。このドア開閉監視スイッチ52は、パチスロ機1の外部へ、フロントドア2bの開閉を報知するためのセキュリティー信号を出力する。
フロントドア2bを裏面側から見て、セレクタ51の右側には、ドア中継基板53が配設されている。このドア中継基板53は、主制御基板31(図4参照)と、各種のボタンやスイッチ、副制御基板41(図6参照)、遊技動作表示基板47及びセレクタ51との配線を中継する基板である。なお、各種のボタン及びスイッチとしては、例えば、MAXBETボタン12、1BETボタン14、清算ボタン(図示せず)、ドア開閉監視スイッチ52、出玉率を予め定められた6段階中の1つに切り替えるための設定変更スイッチ(リセットスイッチ)(図示せず)、後述する1BETスイッチ55A、MAXBETスイッチ55B及びスタートスイッチ57等を挙げることができる。
ドア中継基板53の下側には、24hドア開閉監視ユニット54が配設されている。この24hドア開閉監視ユニット54は、フロントドア2bの開閉の履歴を保存する。また、フロントドア2bを開放したとき、又はセレクタ51を取り外したときに、液晶表示装置10にエラー表示を行うための信号を副制御基板41(副制御回路81)に出力する。
<パチスロ機が備える制御系>
次に、パチスロ機1が備える制御系について、図6を参照して説明する。
図6は、パチスロ機1の制御系を示すブロック図である。
パチスロ機1は、キャビネット2aに配設された主制御基板31と、フロントドア2bに配設された副制御基板41とを有している。
主制御基板31には、設定用鍵型スイッチ32と、外部集中端子板33と、ホッパー装置34と、リール中継端子板38と、電源装置36の電源基板36bと、メダル補助庫スイッチ39とが接続されている。設定用鍵型スイッチ32、外部集中端子板33及びホッパー装置34については、上述したため、説明を省略する。
電源装置36の電源基板36bには、電源スイッチ36aと電源プラグ36cとが接続されている。電源プラグ36cと、この電源プラグ36cと電源基板36bを接続するコードは、キャビネット2aの背面部に設けられた貫通孔(図示せず)から引き出される。そして、電源プラグ36cは、パチスロ機1の外部に設けられた電源コンセントの差し込み口に差し込まれる。
リール中継端子板38は、各リール3L,3C,3Rのリール本体の内側に配設されている。このリール中継端子板38は、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータ(図示せず)に電気的に接続されており、主制御基板31からステッピングモータに出力される信号を中継する。
メダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35に設けられている。このメダル補助庫スイッチ39は、メダル補助庫35がメダルで満杯になっているか否かを検出する。
また、主制御基板31には、ドア中継基板53を介して、セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52、遊技動作表示基板47、1BETスイッチ55A、MAXBETスイッチ55B、清算スイッチ56、スタートスイッチ57、ストップスイッチ基板58、打止解除スイッチ63及び副中継基板43が接続されている。セレクタ51、ドア開閉監視スイッチ52及び遊技動作表示基板47については、上述したため、説明を省略する。
主制御基板31とドア中継基板53との間、ドア中継基板53と副中継基板43との間は、それぞれ光ケーブルにより接続されている。主制御基板31とドア中継基板53との間は、双方向通信が行われるようになっている。ドア中継基板53と副中継基板43との間は、ドア中継基板53から副中継基板43への一方向通信が行われるようになっている。これにより、副中継基板43にボードトゥボード(BOAD TO BOAD)で接続されている副制御基板41と、主制御基板41との間においては、主制御基板31から副制御基板41への一方向通信が行われる。
1BETスイッチ55Aは、1BETボタン14が遊技者により押されたことを検出する。MAXBETスイッチ55Bは、MAXBETを行うために操作されるMAXBETボタン12の操作結果を検出する。清算スイッチ56は、清算ボタン(図示せず)が遊技者により押されたことを検出する。スタートスイッチ57は、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。打止解除スイッチ63は、打ち止めを解除する際に操作されるスイッチである。この打止解除スイッチ63は、フロントドア2bをロック/ロック解除するためのドアキー15(図2)に設けられ、このキーを左に回すことで打止解除を行うことができる。因みに、ドアキー15を左に回すことで、打止解除の他に、エラー解除を行うこともできるようになっている。
ストップスイッチ基板58は、回転しているリールを停止させるための回路と、停止可能なリールをLEDなどにより表示するための回路を構成する基板である。このストップスイッチ基板58には、ストップスイッチが設けられている。このストップスイッチは、各ストップボタン17L,17C,17Rが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
遊技動作表示基板47には、7セグ表示器6とLED59が接続されている。LED59は、例えば、遊技の開始を表示するマークや再遊技を行うマークなどを点灯させる。
副制御基板41は、ドア中継基板53と副中継基板43を介して主制御基板31に接続されている。この副制御基板41には、副中継基板43を介して、LED基板45A,45B,45C、サウンドI/O基板46、24hドア開閉監視ユニット54が接続されている。サウンドI/O基板46には、スピーカ48L,48R,49L,49Rに加えて、選択スイッチSW1及び決定スイッチSW2が接続されている。選択スイッチSW1及び決定スイッチSW2は、図3において上述した選択ボタン9a及び決定ボタン9bの操作結果を受けるスイッチであり、ホールメニュー内の項目を選択するためのものである。LED基板45A,45B,45Cには、LED20に加えて、可動体装置64A、64Bが接続されている。可動体装置64A、64Bは、副制御基板41によって制御される演出用の可動体である。LED基板45A,45B,45C、サウンドI/O基板46及び24hドア開閉監視ユニット54については、上述したため、説明を省略する。
また、副制御基板41には、ロムカートリッジ基板61と、液晶中継基板62とが接続されている。これらロムカートリッジ基板61及び液晶中継基板62は、副制御基板41と共に副制御基板ケース42に収容されている。
ロムカートリッジ基板61は、演出用の画像(映像)、音声、LED基板45A,45B,45C及び通信のデータを管理するための基板である。液晶中継基板62は、副制御基板41と液晶表示装置10との配線を中継する基板である。
<主制御回路>
次に、主制御基板31により構成される主制御回路71について、図7を参照して説明する。
図7は、パチスロ機1の主制御回路71の構成例を示すブロック図である。
主制御回路71は、主制御基板31上に設置されたマイクロコンピュータ72を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ72は、メインCPU73、メインROM74及びメインRAM75により構成される。
メインROM74には、メインCPU73により実行される制御プログラム、データテーブル、副制御回路81に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM75には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU73には、クロックパルス発生回路76、分周器77、乱数発生器78及びサンプリング回路79が接続されている。クロックパルス発生回路76及び分周器77は、クロックパルスを発生する。メインCPU73は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器78は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路79は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
メインCPU73は、リールインデックスを検出してから各リール3L,3C,3Rのステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU73は、各リール3L,3C,3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リール3L,3C,3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM75に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1つ分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM75に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L,3C,3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出部(図示せず)によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態では、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L,3C,3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
上述したように、本実施の形態では、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定めている。したがって、左ストップボタン17Lが押されたときに左表示窓4Lの中段にある左リール3Lの図柄と、その4個先の図柄までの範囲内にある各図柄が、左表示窓4Lの中段に停止可能な図柄となる。
<副制御回路>
次に、副制御基板41により構成される副制御回路81について、図8を参照して説明する。
図8は、パチスロ機1の副制御回路81の構成例を示すブロック図である。
副制御回路81は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路81は、基本的に、サブCPU82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、ドライバ86を含んで構成されている。
サブCPU82は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、ロムカートリッジ基板61に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。ロムカートリッジ基板61は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU82が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路71との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクが含まれる。また、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置10(図6参照)による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ(LED)20による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ48L,48R49L,49R48L,48R,49L,49Rによる音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域が含まれている。また、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブCPU82、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM(フレームバッファを含む)85及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置10に表示させる。
また、サブCPU82は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ48L,48R49L,49R48L,48R,49L,49Rにより出力させる。また、サブCPU82は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ(LED)20の点灯及び消灯を制御する。
副制御基板41は、副制御基板ケース42に収納されている。副制御基板ケース42は、ケース本体の外面全体にメッキ部を形成しており、電波遮断シートを用いるよりもコストの削減を図ることができる。
[メイン側の遊技状態変移]
図9に示したように、パチスロ機1には、主制御回路71において制御される遊技状態として、一般遊技状態(RT0遊技状態)、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、及びボーナス遊技状態がある。
一般遊技状態(RT0遊技状態)は、図14における一般遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態であり、リプレイ1の当籤確率が低いリプレイ低確率状態である。この一般遊技状態では、再遊技役に関しては、遊技状態の移行に関係するリプレイ2〜5には内部当籤せず、遊技状態の移行に関係しないリプレイ1のみに内部当籤する。リプレイ1は、いわゆる通常リプレイであり、図柄の組合せとしては、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」として表示される。
一般遊技状態は、ボーナス遊技状態又はRT1遊技状態から移行する。一般遊技状態は、ボーナス遊技状態からはボーナス遊技状態の終了によって移行し、RT1遊技状態からはリプレイ5に対応する図柄の表示(入賞)によって移行する。図13に示すように、リプレイ5は、リプレイ2〜4とリプレイ5に重複当籤(当籤番号2〜4)した場合に、左リールの表示図柄が内部当籤したリプレイ2〜4に対応する表示図柄でないとき、すなわち3つある7図柄(「赤7」、「青7」、「黄7」)のうち、当籤役に対応する7図柄を引き込まない位置でストップボタン17L,17C,17Rを停止操作したときに停止表示されるリプレイである。
RT1遊技状態は、図14におけるRT1遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態であり、RT2遊技状態に比べてリプレイ低確率状態である。このRT1遊技状態では、再遊技役に関しては、遊技状態の移行に関係しないリプレイ1には内部当籤せず、遊技状態の移行に関係するリプレイ2〜4のいずれかとリプレイ5に重複当籤する。リプレイ2〜4は、いわゆる昇格リプレイであり、リプレイ5よりも引き込み優先順位の高いものである。リプレイ2〜4の図柄の組合せとしては、それぞれ「赤7−リプレイ−リプレイ」、「青7−リプレイ−リプレイ」、及び「黄7−リプレイ−リプレイ」の3種類があり、三択リプレイとなっている。リプレイ5は、いわゆる降格リプレイであり、図柄の組合せとしては、「ベル−リプレイ−リプレイ」として表示される。
RT1遊技状態は、一般遊技状態又はRT2遊技状態においてRT移行図柄が表示されることによって移行する。図13に示すように、RT移行図柄は、3択ベルである小役1〜3の取りこぼし目であり、図柄の組合せとしては「リプレイ−ベル−ベル」として表示される。すなわち、RT移行図柄は、小役1〜3に内部当籤(当籤番号5〜7)した場合に、左リールの表示図柄が内部当籤した小役1〜3に対応する表示図柄でないとき、すなわち3つある7図柄(「赤7」、「青7」、「黄7」)のうち、当籤役に対応する7図柄を引き込まない位置でストップボタン17L,17C,17Rを停止操作したときに停止表示されるハズレ目である。
RT2遊技状態は、図14におけるRT2遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態である。このRT2遊技状態は、再遊技役に関しては、リプレイ2〜4には内部当籤せず、リプレイ1のみに内部当籤する。RT2遊技状態は、リプレイ1の抽籤値が一般遊技状態より高い(約6.3倍)、リプレイ高確率状態である。このRT2遊技状態は、RT1遊技状態において、リプレイ2〜4に対応する図柄の組合せが表示されることよって移行する。RT2遊技状態では、サブ側ではAT遊技状態に移行した最初のゲームで選択された規定数だけAT遊技状態となる。すなわち、メイン側のRT2遊技状態において、サブ側がAT状態の間は、ART状態となる。
RT3遊技状態は、図14におけるRT3遊技状態の欄に記載された抽籤値で内部当籤役を抽籤する遊技状態である。このRT3遊技状態は、再遊技役に関しては、リプレイ2〜4には内部当籤せず、リプレイ1のみに内部当籤する。RT3遊技状態は、リプレイ1の抽籤値が一般遊技状態より高い(1.5倍)、リプレイ高確率状態である。このRT3遊技状態は、一般遊技状態、RT1遊技状態、又はRT2遊技状態(図14において二点鎖線で囲んだ遊技状態)においてボーナス(BB、RB1、又はRB2)に内部当籤したときに移行する。図示した例では、RT2遊技状態からのみRT3遊技状態に移行する。
ここで、RT1遊技状態、RT2遊技状態、及びRT3遊技状態は、ゲーム数管理のRTではなく、移行条件が成立したときにのみ他の遊技状態に移行する。その意味において、RT1遊技状態、RT2遊技状態、及びRT3遊技状態は無現RTである。
ボーナス遊技状態は、表示役「BB」に対応するBB遊技状態、及び表示役「RB1」及び「RB2」に対応するRB2遊技状態を含んでいる。BB遊技状態では、RB1遊技状態が実行される。したがって、ボーナス遊技状態という場合には、BB遊技状態、RB1遊技状態、及びRB2遊技状態を含んでいる。このボーナス遊技状態では、図15のRB1遊技状態用内部抽籤テーブル、又は図16のRB2遊技状態用内部抽籤テーブルにおいて内部当籤役を抽籤される。このボーナス遊技状態には、一般遊技状態(RT0遊技状態)、RT1遊技状態、RT2遊技状態、及びRT3遊技状態のいずれの遊技状態からでもボーナスの入賞により移行する(図9参照)。ボーナス遊技状態は、該ボーナス遊技状態に移行するときの図柄の組合せに応じて、RB1遊技状態、及びRB2遊技状態の2種類の遊技状態がある。
RB1遊技状態は、図柄の組合せが「赤7‐赤7−赤7」(図12参照)のときに移行する遊技状態である。このRB1遊技状態は、メダルを2枚投入して行う遊技状態であり、図15のRB1遊技状態用内部抽籤テーブルに基づいて内部当籤役を抽籤する。このRB1遊技状態は、小役4〜15のそれぞれの単独当籤、又は小役1〜15が重複当籤する。そのため、RB1遊技状態では、小役4〜15のいずれかに内部当籤した場合には、ナビが無い場合には実質的に27分の1の確率で15枚の払出(図12の図柄組合せテーブルにおける払出枚数の「投入枚数:2枚」参照)を受けることができ、小役1〜15の重複当籤に内部当籤した場合には、必ず15枚の払出(図12の図柄組合せテーブルにおける払出枚数の「投入枚数:2枚」参照)を受けることができる。RB1遊技状態は、小役の8回入賞又は12回の遊技によって終了する。ただし、RB1遊技状態は、所定枚数を超えるメダルの払出し(例えば390枚を超えるメダルの払出し)があるまで繰り返し行われる。
RB2遊技状態は、図柄の組合せが「青7‐青7−青7」、又は「黄7‐黄7−黄7」(図12参照)のときに移行する遊技状態である。このRB2遊技状態は、メダルを2枚投入して行う遊技状態であり、図16のRB2遊技状態用内部抽籤テーブルに基づいて内部当籤役を抽籤する。このRB2遊技状態では、小役1〜15が重複当籤する。そのため、RB1遊技状態では、ストップボタン17L,17C,17Rの操作タイミングに関係なく、必ず15枚の払出(図12の図柄組合せテーブルにおける払出枚数の「投入枚数:2枚」参照)を受けることができる。RB2遊技状態は、小役の8回入賞又は8回の遊技によって終了する。
[メイン側の各種のデータテーブル]
図10〜図23は、メインROM74に記憶されている各種のデータテーブルである。
<図柄配置テーブル>
図10に示した図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。図柄の種類としては、「赤7」、「青7」、「黄7」、「スイカ」、「ベル」、及び「リプレイ」を含んでいる。
「赤7」、「青7」及び「黄7」(以下、これらを総称して「7図柄」という場合がある)は、各リール3L,3C,3Rにおいて6駒間隔で配置されており、如何様なタイミングでストップボタン17L,17C,17Rを操作しても、「赤7」、「青7」及び「黄7」のいずれか1つかが入賞判定ライン8a,8bに停止表示可能とされている。したがって、内部当籤役がリプレイ2〜4(3択リプレイ)、又は小役1〜3(3択ベル)である場合には、適切なタイミングでストップボタン17L,17C,17Rを操作することにより、内部当籤役を入賞させることが可能である。例えば、リプレイ2及び小役1に関しては、左リール3Lの表示図柄が「赤7」であるが、図柄位置データが16番のリプレイから図柄位置データが1番のスイカが左リール3Lの中段に位置するときにストップボタン17Lを操作すれば、左リール3Lにおいて入賞判定ライン8a,8bを規定する上段又は下段に「赤7」が停止し、リプレイ2及び小役1を入賞させることが可能となる。同様に、リプレイ3及び小役2に関しては、図柄位置データが2番のリプレイから図柄位置データが8番のスイカが左リール3Lの中段に位置するときにストップボタン17Lを操作すれば、入賞判定ライン8a,8bを規定する上段又は下段に「青7」が停止してリプレイ3及び小役2を入賞させることが可能となり、リプレイ4及び小役3に関しては、図柄位置データが9番のリプレイから図柄位置データが15番のスイカが左リール3Lの中段に位置するときにストップボタン17Lを操作すれば、入賞判定ライン8a,8bを規定する上段又は下段に「黄7」が停止してリプレイ4及び小役3を入賞させることが可能となる。換言すれば、左リール3Lの中段を停止操作の基準として考えれば、図柄位置データ16番〜1番が「赤7」停止領域、図柄位置データ2番〜8番が「青7」停止領域、図柄位置データ9番〜15番が「黄7」停止領域ということになる。
「スイカ」、「ベル」、及び「リプレイ」は、各リール3L,3C,3Rにおいて、2駒又は3駒間隔で配置されているため、どのタイミングでストップボタン17L,17C,17Rを操作しても入賞判定ライン8a,8bに停止させることが可能である。なお、各リール3L,3C,3Rに配された各図柄は、図8に示した図柄コードによって規定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。
図10に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4L,4C,4Rの中段に位置する図柄(表示窓の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リールの回転方向に移動する順に、21個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「20」を割り当てた対応関係を規定する。このように、表示窓4L,4C,4Rの中段を基準にすることで、表示窓4L,4C,4Rの中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L,3C,3R毎に特定することができる。
<図柄コード表>
図11に示した図柄コード表は、3つのリール3L,3C,3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードが格納している。本実施の形態によるパチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「赤7」、「青7」、「黄7」、「スイカ」、「ベル」、及び「リプレイ」の6種類である。
図柄コード表では、「赤7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「青7」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「黄7」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。「スイカ」図柄(図柄コード4)に対しては、データとして「00000100」が割り当てられている。「ベル」図柄(図柄コード5)に対しては、データとして「00000101」が割り当てられている。「ベル」図柄(図柄コード6)に対しては、データとして「00000110」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図12に示した図柄組合せテーブルは、図柄組合せ、入賞作動フラグ、及び払出枚数との対応関係を規定している。
本実施の形態のパチスロ機1では、有効化された入賞判定ライン8a,8bに沿って並んだ図柄組合せが、入賞や作動のための判断の対象となる。すなわち、有効化された入賞判定ライン8a,8b(図2参照)に沿って並んだ図柄の組合せが、予め定められた所定の図柄の組合せと一致するか否か判断される。この予め定められた所定の図柄組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄組合せである。有効化された入賞判定ライン8a,8bに沿って並んだ図柄の組合せが、所定の図柄の組合せと一致する場合には、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動、あるいは遊技状態の移行等が行われる。
<図柄組合せ>
図柄組合せは、左リール3Lの上段の図柄と、中リール3Cの中段の図柄と、右リール3Rの下段の図柄との組合せ、及び左リール3Lの下段の図柄と、中リール3Cの中段の図柄と、右リール3Rの上段の図柄との組合せからなる。上述したように、この図柄組合せテーブルの図柄組合せが、右下がり又は右上がりである入賞判定ライン8a,8bに沿って並んだ図柄の組合せと一致するか否か判断される。入賞判定の対象となる役(表示役)としては、「リプレイ役」、「小役」、及び「ボーナス役」である。
「リプレイ役」は、遊技を行うために投入したメダルと同数のメダルでの遊技を、新たなメダルの投入を行うことなく行える役であり、入賞判定時の払い出し枚数は0枚である。「リプレイ役」は、「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「リプレイ4」及び「リプレイ5」を含んでいる。
「リプレイ1」は、入賞判定ライン8a,8bに沿って「リプレイ−リプレイ−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される通常リプレイである。
「リプレイ2」、「リプレイ3」及び「リプレイ4」は、左リール3Lの7図柄が正解のときに入賞判定されるリプレイ役であり、それぞれ入賞判定ライン8a,8bに沿って「赤7−リプレイ−リプレイ」、「青7−リプレイ−リプレイ」、及び「黄7−リプレイ−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される昇格リプレイである。これらの「リプレイ2」、「リプレイ3」及び「リプレイ4」は、同時に当籤することはなく、左リール3Lにおける表示図柄が「赤7」、「青7」及び「黄7」のいずれかであるという点で異なっている。左リール3Lにおいては、上述のように「赤7」、「青7」及び「黄7」は、6駒間隔で配置されており、「赤7」、「青7」及び「黄7」のいずれかを入賞判定ライン8a,8bに表示させることは可能である。そのため、「リプレイ2」、「リプレイ3」及び「リプレイ4」は、左リール3Lの7図柄の種別に関する報知がない状況では、三択リプレイとなる。
「リプレイ5」は、入賞判定ライン8a,8bに沿って「ベル−リプレイ−リプレイ」が並んだ場合に入賞判定される降格リプレイである。この「リプレイ5」は、「リプレイ2」、「リプレイ3」又は「リプレイ4」と同時に当籤する。図17(a)を参照して後に説明するように、「リプレイ5」は、「リプレイ2」、「リプレイ3」及び「リプレイ4」に比べて引込優先順位が低い。そのため、「リプレイ5」は、「リプレイ2」、「リプレイ3」又は「リプレイ4」を取りこぼしたときに表示される。
「小役」は、メダルの投入枚数が3枚のときの払出枚数が15枚の小役1〜3、及びメダルの投入枚数が3枚のときの払出枚数が1枚の小役4〜15を含んでいる。
小役1〜3は、左リール3Lの7図柄が正解のときに入賞判定されるベル役であり、それぞれ入賞判定ライン8a,8bに沿って「赤7−ベル−ベル」、「青7−ベル−ベル」、及び「黄7−ベル−ベル」が並んだ場合に入賞判定される3択ベルである。これらの小役1〜3に内部当籤し、それぞれの小役1〜3に対応する7図柄を左リール3Lに停止させることができなかったときには、表示役はRT移行図柄となる。このRT移行図柄は、入賞判定ライン8a,8bに沿って「リプレイ−ベル−ベル」が並んで表示されるハズレ役であり、遊技状態をRT1遊技状態へ移行させるものである。すなわち、一般遊技状態においてRT移行図柄が表示役である場合には遊技状態がRT1遊技状態に移行(昇格)し、RT2遊技状態においてRT移行図柄が表示役である場合には遊技状態がRT1遊技状態に移行(降格)する。
小役4〜15は、それぞれ入賞判定ライン8a,8bに沿って異色の7図柄が並んだ場合に入賞判定される一枚役である。具体的には、小役4は「赤7−青7−青7」が、小役5は「赤7−青7−黄7」が、小役6は「赤7−黄7−青7」が、小役7は「赤7−黄7−黄7」が、小役8は「青7−赤7−赤7」が、小役9は「青7−赤7−黄7」が、小役10は「青7−黄7−赤7」が、小役11は「青7−黄7−黄7」が、小役12は「黄7−赤7−赤7」が、小役13は「黄7−赤7−青7」が、小役14は「黄7−青7−赤7」が、小役15は「黄7−青7−青7」が、それぞれ入賞判定ライン8a,8bに沿って並んだ場合に入賞判定される。
「ボーナス役」は、入賞判定ライン8a,8bに沿って同色の7図柄が並んだ場合に入賞判定されるものであり、表示役としての「BB」、「RB1」及び「RB2」を含んでいる。
表示役「BB」は、入賞判定ライン8a,8bに沿って「赤7−赤7−赤7」が並んだ場合に入賞判定されるものであり、この表示役「BB」によってBB遊技状態に移行させられる。このBB遊技状態は、例えば予め定められたメダルの総払出枚数が所定枚数(例えば390枚)を超えるまで継続する。このBB遊技状態に移行させられると、RB1遊技状態に移行させられることとなる。このRB1遊技状態は、例えば予め定められた入賞回数(例えば8回)に達するまで、あるいは所定ゲーム数の単位遊技(例えば12回)を行うまで継続する。BB遊技状態では、メダルの総払出枚数が所定枚数(例えば390枚)を超えるまで、R1遊技状態を繰り返し行い、メダルの総払出枚数が枚数(例えば390枚)を超えたときに終了する。
表示役「RB1」は、入賞判定ライン8a,8bに沿って「青7−青7−青7」が並んだ場合に入賞判定されるものであり、表示役「RB2」は、入賞判定ライン8a,8bに沿って「黄7−黄7−黄7」が並んだ場合に入賞判定されるものであり、これらの表示役「RB1」及び「RB2」によって、RBゲームが作動し、RB2遊技状態に移行させられる。このRB2遊技状態は、例えば予め定められた入賞回数(例えば8回)に達するまで、あるいは所定ゲーム数の単位遊技(例えば12回)を行うまで継続する。ただし、図16に示したRB2遊技状態用内部抽籤テーブルでは、小役1〜15に必ず当籤するため、RB2遊技状態は、実質的には予め定められた入賞回数(例えば8回)に達することで終了する。
<入賞作動フラグ>
入賞作動フラグは、表示役を示すために固有の図柄の組合せに対応して割り当てられたデータであり、1バイト(8ビット)データ及び格納領域種別を含んでいる。格納識別データは、1バイトデータを区別するためのデータである。1バイトデータは、複数の図柄の組み合わせに関するデータを含んでいる。各図柄の組み合わせ(表示役)は、格納領域識別データと1バイトデータによって区別される。
本実施の形態においては、図12に示すように、図柄の組合せは8種類を超えているため、入賞作動フラグを構成する1バイト(8ビット)のデータのみでは、全ての図柄の組合せを特定したり識別したりすることができない。このため、本実施の形態においては、格納領域種別1〜3(図19(a)参照)を用いて1バイトデータを区別する。このようにすることで、1バイトデータの値が同一であっても、格納領域識別データ1〜3のうちのいずれか1つを指定することによって、8種類を超える図柄の組合せを異なる図柄の組合せとして扱うことができる。
表示役がリプレイ1〜5、及び小役1〜3については、格納領域種別1が割り当てられ、表示役が小役4〜11については、格納領域種別2が割り当てられ、表示役が小役12〜15、BB,RB1、RB2及びRT移行図柄については、格納領域種別3が割り当てられている。1バイトデータに関しては、割り当てられた格納領域種別について、各表示役に対応するビットが「1」とされ、残りのビットが「0」とされる。
例えば、格納領域種別の値を「1」とし、かつ、1バイトデータの値を「00000100」とすることで、表示役「リプレイ」を指定することができ、格納領域種別の値を「3」とし、かつ、1バイトデータの値を「10000000」とすることで、表示役「RT移行図柄」を指定することができる。
<払出枚数>
払出枚数は、図柄の組合せの各々に対応して、遊技者に払い出すメダルの枚数を示すデータである。入賞判定ライン8a,8bに沿って並んだ図柄の組合せが、図柄組合せテーブルの「図柄の組合せ」と一致したときには、対応する払出枚数に基づいて、ホッパー装置34の駆動によるメダルの排出や、クレジットカウンタの加算が行われる。リプレイ役の払出枚数は0枚、3択ベルの払出枚数は15枚、一枚役の払出枚数は投入枚数が3枚のときに払出枚数が1枚であり投入枚数が2枚(RB1遊技状態及びRB2遊技状態)のときに15枚、ボーナス役の払出枚数は0枚である。
<入賞役等の表示>
図13は、内部当籤役(当籤番号)及び停止位置に対する入賞役等との関係を示す図である。なお、図13における正解位置とは、最大滑り駒数である4駒滑りの範囲で、入賞判定ライン8a,8bに目的とする図柄が停止可能な位置をいう。また、図13における「−」は、停止操作タイミングに関係無く目的とする図柄を停止可能なことを意味する。
当籤番号1は内部当籤役がリプレイ1であり、このリプレイ1はリール3L,3C,3Rの停止操作位置に関係なく入賞判定ライン8a,8bにリプレイ1が入賞する。
当籤番号2は内部当籤役がリプレイ2及びリプレイ5であり、このリプレイ2は左リール3Lの正解位置に赤7を停止可能な場合(正解時)には、リプレイ5よりも優先引込順位の高いリプレイ2が入賞する。一方、左リールの正解位置に赤7が停止させることができない場合(不正解時)には、リプレイ5が入賞する。
当籤番号3は内部当籤役がリプレイ3及びリプレイ5であり、このリプレイ3は左リール3Lの正解位置に青7を停止可能な場合(正解時)には、リプレイ5よりも優先引込順位の高いリプレイ3が入賞する。一方、左リールの正解位置に青7が停止させることができない場合(不正解時)には、リプレイ5が入賞する。
当籤番号4は内部当籤役がリプレイ4及びリプレイ5であり、このリプレイ4は左リール3Lの正解位置に黄7を停止可能な場合(正解時)には、リプレイ5よりも優先引込順位の高いリプレイ4が入賞する。一方、左リールの正解位置に黄7が停止させることができない場合(不正解時)には、リプレイ5が入賞する。
当籤番号5は内部当籤役が小役1であり、この小役1は左リール3Lの正解位置に赤7を停止可能な場合(正解時)に入賞する。一方、左リール3Lの正解位置に赤7が停止させることができない場合(不正解時)には、取りこぼし目としてRT移行図柄(「リプレイ−ベル−ベル」)が停止する。
当籤番号6は内部当籤役が小役2であり、この小役2は左リール3Lの正解位置に青7を停止可能な場合(正解時)に入賞する。一方、左リール3Lの正解位置に青7が停止させることができない場合(不正解時)には、取りこぼし目としてRT移行図柄(「リプレイ−ベル−ベル」)が停止する。
当籤番号7は内部当籤役が小役3であり、この小役3は左リール3Lの正解位置に黄7を停止可能な場合(正解時)に入賞する。一方、左リール3Lの正解位置に黄7が停止させることができない場合(不正解時)には、取りこぼし目としてRT移行図柄(「リプレイ−ベル−ベル」)が停止する。
当籤番号8〜19の内部当籤役は、それぞれ小役4〜15であり、これらの小役4〜15は各リール3L,3C,3Rの正解位置に、内部当籤役の表示役に対応する7図柄が停止可能な場合(正解時)に入賞する。一方、リール3L,3C,3Rのいずれか1つでも正解位置に正解の7図柄を停止できない場合(不正解時)には、ハズレ目が停止する。
<内部抽籤テーブル>
図14は、非ボーナス遊技状態用の内部抽籤テーブルであり、図15は、RB1遊技状態用の内部抽籤テーブルであり、図16は、RB2遊技状態用の内部抽籤テーブルである。これらの内部抽籤テーブルは、当籤番号に対応して遊技状態毎の抽籤値とデータポインタとを規定するテーブルである。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、デークポインタ)が決定される確率が高い。減算の結果が負となったか否かの判断処理の回数が、予め定められた最大回数を超えたときには、内部抽籤処理の結果は「ハズレ」となる。
尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。本実施の形態では、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。すなわち、データポインタは、図17に示す小役リプレイ用当籤役決定テーブル及び図18に示すボーナス用当籤役決定テーブルにおいて、格納領域種別および1バイトデータを決定するために用いられるデータである。データポインタは、複数の当籤番号の各々に対応して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが個別に規定されている。
図14に示すように、非ボーナス遊技状態用内部抽籤テーブルは、一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、及びRT3遊技状態のそれぞれの抽籤値を規定している。これらの遊技状態では、リプレイ1〜5の抽籤値が異なっており、小役1〜15、BB、RB1及びRB2の抽籤値は同一である。一般遊技状態、RT2遊技状態、及びRT3遊技状態では、リプレイ1に抽籤値の振り分けがあるものの、リプレイ2〜4(リプレイ5)の振り分けはない。一方、RT1遊技状態では、リプレイ2〜4(リプレイ5)に抽籤値の振り分けがあるものの、リプレイ1の振り分けはない。また、リプレイ1に関しては、RT2遊技状態、RT3遊技状態、一般遊技状態、及びRT1遊技状態の順序で抽籤値が大きくなっている。
ここで、小役・リプレイ用のデータポイントについては、「1」〜「19」に関しては当籤番号に一致しており、「0」がハズレである。一方、ボーナス用のデータポイントについては、「0」がハズレ、「1」がBB、「2」がRB1、「3」がRB2である。したがって、当籤番号20〜31は、小役1〜15とボーナスとの重複当籤となり、当籤番号32〜34はボーナスの単独当籤となる。
図15に示すように、RB1遊技状態用内部抽籤テーブルは、BB遊技状態におけるRB1遊技状態のときの抽籤テーブルである。このRB1遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号1はデータポインタ20の小役1〜15の重複当籤であり、当籤番号2〜13は小役4〜15の単独当籤である。すなわち、BB遊技状態のRB1遊技状態では、小役1〜15の全てが重複して当籤し、あるいは小役4〜15のいずれかが単独で当籤する。
図16に示すように、RB2遊技状態用内部抽籤テーブルは、RB2遊技状態のときの抽籤テーブルである。このRB2遊技状態用内部抽籤テーブルでは、当籤番号1(データポインタ20)は小役1〜15の重複当籤である。すなわち、RB2遊技状態では、必ず小役1〜15の全てが重複して当籤する。
<小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル>
図17に示した小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(小役)や、再遊技の作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役(リプレイ)などを規定する。内部当籤役の内容は、小役・リプレイ用データポインタ「0」〜「20」に応じて決定される。小役・リプレイ用データポインタは、ハズレに対応する「0」及び小役1〜15の重複当籤に対応する「20」を除く「1」〜「19」が図10に示した当籤番号に一致している。各データポインタは、3つの1バイトデータに対応している。例えば、リプレイ1に対応するデータポインタ1は、格納領域1が「00000001」、格納領域2が「00000000」、格納領域3が「00000000」であり、小役1〜15の重複当籤に対応するデータポイント20は、格納領域1が「11100000」、格納領域2が「11111111」、格納領域3が「00000111」である。
<ボーナス用内部当籤役決定テーブル>
図18に示したボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る図柄の組合せの表示を許容する内部当籤役などを規定する。内部当籤役の内容は、ボーナス用データポインタ「0」〜「3」に対応させて決定される。ボーナス用データポインタ「0」はハズレに対応し、ボーナス用データポインタ「1」はBBに対応し、ボーナス用データポインタ「2」はRB1に対応し、ボーナス用データポインタ「3」はRB2に対応している。
<格納領域>
図19(a)〜図19(f)は、メインRAM75に格納される各種の格納領域の例を示す図である。
<内部当籤役格納領域>
図19(a)に示した内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1〜3の3つの格納領域によって構成される。これらの内部当籤役格納領域1〜3の各々の格納領域の大きさは1バイトである。したがって、内部当籤役格納領域1〜3の全体の大きさは3バイトである。内部当籤役格納領域1〜3には、図14に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルが規定する内部当籤役のデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。
図示した内部当籤役格納領域では、例えば内部当籤役格納領域1のビット0はリプレイに対応し、ビット1はリプレイ2に対応し、ビット2はリプレイ3に対応し、ビット3はリプレイ4に対応し、ビット4はリプレイ5に対応し、ビット5は小役1に対応し、ビット6は小役2に対応し、ビット7は小役3に対応している。同様に、内部当籤役格納領域2の各ビットは小役4〜小役11に対応し、内部当籤役格納領域3のビット0〜6は小役12〜小役15、BB,RB1、及びRB2に対応している。本実施の形態では、内部当籤役格納領域3のビット7は未使用になっている。
<表示役格納領域>
図19(b)に示した表示役格納領域は、表示役格納領域1〜3の3つの格納領域によって構成される。これらの表示役格納領域1〜3の各々の格納領域の大きさは1バイトである。したがって、表示役格納領域1〜3の全体の大きさは3バイトである。表示役格納領域1〜3には、図12に示す図柄組合せテーブルが規定する表示役のデータ(格納領域種別)に基づいて定まるデータが格納される。
図示した表示役格納領域では、例えば表示役格納領域1のビット0はリプレイに対応し、ビット1はリプレイ2に対応し、ビット2はリプレイ3に対応し、ビット3はリプレイ4に対応し、ビット4はリプレイ5に対応し、ビット5は小役1に対応し、ビット6は小役2に対応し、ビット7は小役3に対応している。同様に、表示役格納領域2の各ビットは小役4〜小役11に対応し、表示役格納領域3の各ビットは小役12〜小役15、BB,RB1、RB2及びRT移行図柄に対応している。
<作動ストップボタン格納領域>
図19(c)に示した作動ストップボタン格納領域は、大きさが1バイトである。ビット4〜ビット6は、遊技者による停止操作を検出することが可能であるストップボタン17L,17C,17R、すなわち有効なストップボタン17L,17C,17Rを示す格納領域である。ビット0〜ビット2は、有効なストップボタン17L,17C,17Rに対応する停止操作が直前に検出されたストップボタン17L,17C,17Rを示す格納領域である。なお、本実施の形態では、ビット3及びビット7は未使用であり、「0」が格納されている。
ビット0は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが遊技者によって操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。ビット1は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが遊技者によって操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。ビット2は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが遊技者によって操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、左ストップボタン17Lに対応する。左ストップボタン17Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、中ストップボタン17Cに対応する。中ストップボタン17Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。ビット6は、右ストップボタン17Rに対応する。右ストップボタン17Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。本実施の形態で、ストップボタンが有効とは、停止操作を検出することが可能であることを意味する。また、定速回転中のリールに対応するストップボタン17L,17C,17Rであって、停止操作を検出することが可能なストップボタン17L,17C,17Rを有効ストップボタンと称する。
<押下順序格納領域>
図19(d)に示した押下順序格納領域は、3つのストップボタン17L,17C,17Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。この押下順序格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット「0」〜ビット「5」が使用され、ビット「6」及びビット「7」は未使用であり、「0」が格納されている。
「ビット0」は 押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」であるときに「ビット0」に「1」が格納(オン)される。同様に、押下順序が「左→右→中」の場合には「ビット1」に「1」が格納(オン)され、押下順序が「中→左→右」の場合には「ビット2」に「1」が格納(オン)され、「中→右→左」の場合には「ビット3」に「1」が格納(オン)され、「右→左→中」の場合には「ビット4」に「1」が格納(オン)され、「右→中→左」の場合には「ビット5」に「1」が格納(オン)される。
<持越役格納領域>
図19(e)に示した持越役格納領域は、大きさが1バイトであり、ビット0はBBに対応し、ビット1はRB1に対応し、ビット2はRB2に対応し、ビット3〜ビット7は未使用領域であり、「0」が格納されている。内部抽籤処理の結果、内部当籤役BBが決定されたときには持越役格納領域のビット0に「1」が格納され、内部当籤役RB1が決定されたときには持越役格納領域のビット1に「1」が格納され、内部当籤役RB2が決定されたときには持越役格納領域のビット2に「1」が格納される。
持越役格納領域のビット0に「1」を格納することでBBに当籤している状態であることを判断でき、持越役格納領域のビット1に「1」を格納することでRB1に当籤している状態であることを判断でき、持越役格納領域のビット2に「1」を格納することでRB2に当籤している状態であることを判断できる。持越役格納領域のビット0、ビット1又はビット2に「1」が格納された状態は、BB,RB1又はRB2に対応する図柄の組合せが入賞判定ライン8a,8bに表示されるまで保持される。すなわち、BB,RB1又はRB2に当籤したときには、これらのボーナスの図柄の組合せが表示役として入賞判定ライン8a,8bに表示されるまでの少なくとも1回の単位遊技において、持越役格納領域のビット0、ビット1又はビット2に「1」が格納された状態が保持される。ボーナスに当籤した単位遊技から入賞する単位遊技まで、ビット0、ビット1又はビット2に「1」を格納した状態を維持することを、いわゆる「持ち越し」と称する。持越役格納領域に格納されるBB,RB1又はRB2を「持越役」と称する。
遊技者によって停止操作が行われ、リール3L,3C,3Rの回転のそれぞれが停止したときには、内部当籤役格納領域は初期化(「ビット0」〜「ビット2」が「0」)されるが、持越役格納領域は初期化されない。このようにすることで、「持ち越し」の状態を保つことができる。
<遊技状態フラグ格納領域>
図19(f)に示した遊技状態フラグ格納領域は、ボーナス遊技状態又はRT遊技状態であるかを示すためのフラグを格納するものであり、大きさが1バイトである。この遊技状態フラグ格納領域は、ビット0〜ビット5が使用され、ビット6及びビット7は未使用、すなわち遊技状態に関係なく「0」である。ビット0〜ビット2はボーナス遊技状態に関するものであり、ビット3〜ビット5はRT遊技状態に関するものである。
ボーナス遊技状態である場合には、BB遊技状態ではビット0が「1」(オン)とされ、RB1遊技状態ではビット1が「1」(オン)とされ、RB2遊技状態ではビット2が「1」(オン)とされる。すなわち、ボーナス遊技状態において遊技状態フラグ格納領域のデータは、BB遊技状態では「00000001」、RB1遊技状態では「00000010」、RB2遊技状態では「00000100」となる。
RT遊技状態である場合には、RT1遊技状態ではビット3が「1」(オン)とされ、RT2遊技状態ではビット4が「1」(オン)とされ、RT3遊技状態ではビット5が「1」(オン)とされる。すなわち、RT遊技状態において遊技状態フラグ格納領域のデータは、RT1遊技状態では「00001000」、RT2遊技状態では「00010000」、RT3遊技状態では「00100000」となる。
<引込優先順位テーブル>
図20(a)に示した引込優先順位テーブルは、優先順位及びそれに対応する引込優先順位データと、入賞作動フラグのデータと、を規定する。なお、図20(a)では、簡便のために、入賞作動フラグのデータは省略して示した。
優先順位は、入賞作動フラグの種別に対応して優先的に引き込みが行われる優先順位データを規定する。引込優先順位テーブルにおける優先順位の値が小さい方が引込優先順位は高く、値が大きい方が引込優先順位は低い。
優先順位1(引込優先順位データ00AH)には、リプレイ1〜4の入賞作動フラグが規定され、優先順位2(引込優先順位データ008H)には、リプレイ5の入賞作動フラグが規定され、優先順位3(引込優先順位データ006H)には、小役1〜3の入賞作動フラグが規定され、優先順位4(引込優先順位データ004H)には、小役4〜15の入賞作動フラグが規定され、優先順位5(引込優先順位データ002H)には、BB,RB1及びRB2の入賞作動フラグが規定されている。
なお、図20(a)に示す引込優先順位テーブルの入賞作動フラグのデータは、1バイト×3の大きさからなるデータである。入賞作動フラグのデータの構成は、内部当籤役格納領域(図19(a))の構成と同様である。すなわち、入賞作動フラグのデータ1〜3が、内部当籤役格納領域の格納領域1〜3と対応する。
<引込優先順位データ格納領域>
図20(b)に示した引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域を含んでいる。なお、中リール用引込優先順位データ格納領域及び右リール用引込優先順位データ格納領域の内容については、左リール用引込優先順位データ格納領域と同様であるため、以下においては左リール用引込優先順位データ格納領域について説明する。
左リール用引込優先順位データ格納領域は、図柄位置データ(図10参照)のそれぞれについて、引込優先順位データを格納可能である。例えば図柄位置データ0に対しては、図20(a)の優先順位1〜5に規定する役(例えばデータ00AHとして「リプレイ1〜4」から002Hの「BB,RB1及びRB2」)及びデータ000Hとしての「停止禁止」(非入賞)が規定されており、これらの引込優先順位データから、当籤役及び他のリール3C,3Rに停止位置に応じて、いずれかの引込優先順位データが格納される。これにより、左リール3Lは、当籤役に対応する図柄を入賞判定ライン8a,8bに停止させ・あるいは停止させないように制御される。
なお、図柄位置データ1〜20についても同様に、データ00AHからデータ000Hに対応する内容が規定されており、これらの引込優先順位データから、当籤役及び他のリール3L,3C(3R)に停止位置に応じて、いずれかの引込優先順位データを格納する。
<リール停止初期設定テーブル>
図21に示したリール停止初期設定テーブルは、図13に示すような図柄の組み合わせ又はハズレ図柄の組み合わせ表示させるために参照されるものであり、小役・リプレイ用データポインタ又はボーナスデータポインタ(メイン側で規定される遊技状態及び内部当籤役(当籤番号))に基づいて、予め定められたリール停止情報群から選択される。各停止情報群は、停止操作位置に応じて、図13に示す正解位置又は不正解位置を判定し、入賞役の種類・ハズレを決定するものである。例えば押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号及び引込優先順位テーブル選択テーブル番号)、変更ステータス番号、ランダム用停止データテーブル番号、左リール第1停止用デーブル変更データ番号、左第1停止用停止テーブル番号、及び左第1停止後停止データテーブル番号を規定している。これらの各種のデータは、単位遊技の進行の状況に応じてリールの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。これらのデータは、単位遊技の進行の状況に応じて、「滑り駒数決定データ」の決定、すなわち3つのリール3L,3C,3Rの各々を停止する位置を決定するために用いるデータである。本実施形態では、合計で35個のリール停止情報群が準備されており、例えば一般遊技状態のハズレについては一般遊技状態、当籤番号0のリール停止情報群1が選択され、RT3遊技状態の小役5についてはRT3遊技状態、当籤番号9のリール停止情報群10が選択され、RB2遊技状態の小役1〜15の重複についてはRB2遊技状態、当籤番号1のリール停止情報群35が選択される。
<メイン側演出抽籤テーブル>
図22に示したメイン側演出抽籤テーブルは、RT2遊技状態において、遊技者によるスタートレバー16の操作からストップボタン17L,17C,17Rの操作が有効になるまでの間におけるメイン側演出、すなわちリールアクションを規定するものである。メイン側演出は、その演出内容に応じて演出番号0〜4の5種類ある。
演出番号0は、リール3L,3C,3Rのロック、いわゆるフリーズやその他のリールアクションを伴わない通常演出である。演出番号1は、相対的に短時間(例えば2秒)のリール3L,3C,3Rのロック(ショートフリーズ)を行う一方で、その他のリールアクションを伴う演出である。その他のリールアクションとしては、例えばリール3L,3C,3Rの逆回転、数センチ程度のリール3L,3C,3Rの持ち上げ、リール3L,3C,3Rの上下振動及び左右振動の単独及び複合等があげられる。演出番号2は、相対的に短時間(例えば2秒)のリール3L,3C,3Rのロック(ショートフリーズ)を行う一方で、その他のリールアクションを伴う演出である。その他のリールアクションとしては、例えばリール3L,3C,3Rの逆回転、数センチ程度のリール3L,3C,3Rの持ち上げ、リール3L,3C,3Rの上下振動及び左右振動の単独及び複合等があげられるが、演出番号1とは異なるリールアクションが行われる。演出番号3は、相対的に長時間(例えば4秒)のリール3L,3C,3Rのロック(ロングフリーズ)を行う一方で、演出番号1と同様なリールアクションを伴う演出である。演出番号4は、相対的に長時間(例えば4秒)のリール3L,3C,3Rのロック(ロングフリーズ)を行う一方で、演出番号1と同様なリールアクションを伴う演出である。
メイン側演出は、内部当籤役(当籤番号)に基づいて、演出により決定される。当籤番号が「0」、すなわち内部当籤役がハズレの場合には、100%の確率(抽籤値が65536)で演出番号4のロングフリーズ+他のリールアクションが選択される。当籤番号が「1」、すなわち内部当籤役がリプレイ1の場合には、所定の確率で演出番号0〜4が選択されるが、その選択確率(抽籤値)は、演出番号0、演出番号1、演出番号2、演出番号3及び演出番号4の順で小さくなる。当籤番号が「5」〜「7」、すなわち内部当籤役が小役1〜3(三択ベル)の場合には、100%の確率(抽籤値が65536)で演出番号0のリール演出無しが選択される。当籤番号が「8」〜「19」、すなわち内部当籤役が小役3〜15(一枚役)の場合には、それぞれ50%の確率(抽籤値が32768)で演出番号3のロングフリーズのみ、演出番号4のロングフリーズ+他のリールアクションが選択される。
<押し順判定テーブル>
図23に示した押し順判定テーブルは、後述するRT2遊技状態の継続数を上乗せするための上乗せゾーンに突入させるときに参照されるものであり、メインROM74に記憶されている。上乗せゾーンに突入させるためには、上乗せゾーン突入抽籤に当籤し、かつ指定される第1停止のストップボタン17L,17C,17R(リール3L,3C,3R)を3ゲーム分だけ指定通りに停止させる必要がある。そして、押し順判定テーブルは、3ゲームにわたる演出準備ゲームでの第1停止のストップボタン17L,17C,17Rを判定するためのものである。
押し順判定テーブルは、演出準備ゲームの残りゲーム数(演出準備カウンタ)と内部当籤役に基づいて、テーブル番号として決定される。テーブル番号0は、演出準備カウンタに関係なく、第1停止すべきリール3L,3C,3R(ストップボタン17L,17C,17R)について規定されない。テーブル番号1は、第1停止すべきリール3L,3C,3R(ストップボタン17L,17C,17R)を、演出準備カウンタが2のときに「右」、演出準備カウンタが1のときに「中」、演出準備カウンタが0のときに「左」と規定している。テーブル番号2は、第1停止すべきリール3L,3C,3R(ストップボタン17L,17C,17R)を、演出準備カウンタが2のときに「中」、演出準備カウンタが1のときに「右」、演出準備カウンタが0のときに「左」と規定している。テーブル番号3は、第1停止すべきリール3L,3C,3R(ストップボタン17L,17C,17R)を、演出準備カウンタが2のときに「右」、演出準備カウンタが1のときに「左」、演出準備カウンタが0のときに「中」と規定している。テーブル番号4は、第1停止すべきリール3L,3C,3R(ストップボタン17L,17C,17R)を、演出準備カウンタが2のときに「左」、演出準備カウンタが1のときに「右」、演出準備カウンタが0のときに「中」と規定している。テーブル番号5は、第1停止すべきリール3L,3C,3R(ストップボタン17L,17C,17R)を、演出準備カウンタが2のときに「中」、演出準備カウンタが1のときに「左」、演出準備カウンタが0のときに「右」と規定している。テーブル番号6は、第1停止すべきリール3L,3C,3R(ストップボタン17L,17C,17R)を、演出準備カウンタが2のときに「左」、演出準備カウンタが1のときに「中」、演出準備カウンタが0のときに「右」と規定している。
押し順判定テーブルを内部当籤役毎に見てみると、当籤番号0のハズレの場合には、第1停止についての指定がないテーブル番号0は選択されず、第1停止についての指定のあるテーブル番号1〜6が略均一に選択される。当籤番号1のリプレイ1の場合には、第1停止についての指定がないテーブル番号0が約81.3%の確率で選択され、残りの役18.7%の確率において、第1停止についての指定があるテーブル番号1〜6が略均一に選択される。当籤番号5〜7の小役1〜3の場合には、第1停止についての指定がないテーブル番号0が62.5%の確率で選択され、残りの37.5%の確率において、第1停止についての指定があるテーブル番号1〜6が略均一に選択される。当籤番号8〜19の小役4〜15の場合には、ハズレの場合と同様に、第1停止についての指定がないテーブル番号0が選択されず、第1停止についての指定があるテーブル番号1〜6が略均一に選択される。
なお、図23の押し順判定テーブルは、第1停止のみを内部当籤役に基づいて規定しているが、第1停止から第3停止までの全ての停止順序を規定するようにしてもよく、内部当籤役とは無関係に第1停止ストップボタンを規定するようにしてもよい。また、押し順判定は、押し順判定テーブルをサブROM82に記憶させるとともに、主制御回路71から送信されてくるコマンド等にしたがい、副制御回路72において行うようにしてもよい。
[サブ側の各種のデータテーブル]
図24〜図29は、サブROM82に記憶されている各種のデータテーブルである。
<RB作動時用モード移行抽籤テーブル>
図24に示したRB作動時用モード移行抽籤テーブルは、RB作動時(RB2遊技状態移行時)におけるモードを、設定値に応じて規定したものである。すなわち、RB作動時用モード移行抽籤テーブルは、表示役「RB1」及び「RB2」に対応するRB遊技状態移行時に参照され、BB遊技状態におけるRB1遊技状態の移行時には参照されない。
モードとしては、高確率及び低確率が設けられている。これらの高確率モード及び低確率モードは、RB作動時(RB2遊技状態移行時)におけるART抽籤確率に影響を及ぼすものである(図25(a)及び図25(b)参照)。
設定値は、メダルの投入枚数に対するメダルの払出枚数(出玉率)の期待値を規定する値であり、最も出玉率の期待値が低い設定1〜最も出玉率の期待値が高い設定6の6段階が設けられている。RB作動中のモードは、設定値が高いほど高確率モードが選択される確率が高くなっている。
<RB作動時用ART抽籤テーブル>
図25(a)及び図25(b)にRB作動時用ART抽籤テーブルを示した。図25(a)は、RB作動時用低確率ART抽籤テーブルであり、図25(b)はRB作動時用高確率ART抽籤テーブルである。すなわち、本実施形態では、RB作動時(RB2遊技状態移行時)において、ART遊技状態(RT2遊技状態)への移行抽籤(ARTセット数加算の抽籤)を行う。ここで、RB作動時とは、表示役としての「RB1」又は「RB2」に対応する図柄の組み合わせが表示され、入賞判定されたときをいう(図43のS145(YES)又はS146)。
図25(a)及び図25(b)から分かるように、高確率モードの場合のほうが低確率モードに比べて、ART抽籤に当籤する確率(抽籤値)が高く、より大きなセット数加算値が選択されやくなっている。また、上述したように、設定値が高いほど高確率モードが選択される確率が高くなっている。したがって、設定値が高いほどART抽籤に当籤しやくす、より大きなセット数加算値が選択されやすく、ART遊技状態(RT2遊技状態)に滞在する割合の期待値が高くなって出玉率の期待値が高くなる。
<BB作動中用報知抽籤テーブル>
図26に示したBB作動中用報知抽籤テーブルは、BB作動中の単位遊技において小役4〜15のいずれかに当籤したときに、内部当籤役を入賞させるための各リール3L,3C,3Rの7図柄の報知を行うか否かを抽籤するためのテーブルである(図60のS337)。報知を行う確率は、設定値によって異なっており、設定値が高いほど報知有りが選択される確率が低くなっている。もちろん、報知を行う確率は、設定値が高いほど報知有りが選択される確率が高くなるようにしてもよい。
<ART開始時ARTゲーム数抽籤テーブル>
図27に示したART開始時ARTゲーム数抽籤テーブルは、メイン側の遊技状態がRT2遊技状態のときに、サブ側でAT遊技状態に移行させることが決定された最初のゲームにおいて、ATの遊技数、すなわちART遊技状態の継続遊技数(ARTゲーム数)を選択するときに参照されるテーブルである(図61のS353)。ARTゲーム数は、50ゲーム、100ゲーム、及び150ゲームの3種類あり、各ゲーム数が選択される確率は設定値によって異なっている。具体的には、50ゲームは、設定値が高いほど選択されやすく、100ゲームは設定値に関係なく一定であり、150ゲームは設定値が高いほど選択されにくい。すなわち、設定値が高いほど少ないゲーム数が選択されやすく、設定値が低いほど多いゲーム数が選択されやすい。
<ART中セット数上乗せ抽籤テーブル>
図28(a)及び図28(b)に示したART中セット数上乗せ抽籤テーブルは、ART遊技状態中において、ARTセット数の加算値(上乗せセット数)を抽籤するときに参照されるテーブルである(図61のS360、図62のS273)。
図28(a)は、ART通常時(ART上乗せゾーン以外)における上乗せセット数を規定するものである。ART通常時では、内部当籤役に基づいて、上乗せセット数が決定される。内部当籤役が当籤番号0のハズレの場合、上乗せセット数「0」は選択されず、上乗せセット数「1」〜「5」の間から選択され、上乗せセット数が少ないほど選択されやすい。内部当籤役が当籤番号「8」〜「19」の小役4〜15(一枚役)の場合、上乗せセット数「1」が最も選択されやすく、その次に上乗せセット数「0」(上乗せ無し)が選択されやすく、以下、上乗せセット数3、上乗せセット数4、上乗せセット数5の順に選択されやすくなっている。
図28(b)は、ART遊技状態の上乗せゾーンにおける上乗せセット数を、メイン側において選択されたリール演出(図22参照)に基づいて、上乗せセット数を規定するものである。ここで、上乗せゾーンは、ART遊技状態において行われる上乗せゾーンへの移行抽籤に当籤したときに移行する遊技状態である。
図28(b)の抽籤テーブルでは、演出番号が大きいリール演出ほど、多い上乗せセット数が選択されやすい。例えば、演出番号0のリール演出(演出なし)が選択された場合には、基本的に上乗せセット数「0」が選択され(65528/65536)、上乗せは殆ど見込めず、極小さい確率(4/65536)で上乗せセット数「1」,「2」がそれぞれ選択されるのみである。その一方で、演出番号4のリール演出が選択された場合、上乗せセット数「0」は選択されず、約25%の確率で上乗せセット「3」〜「5」が選択される。
<ART開始時演出データ>
図29に示したART開始時演出データは、ART遊技状態の継続数を報知するために液晶表示装置10などにおいて行われる演出の一例である。
ここで、本実施形態では、ART遊技状態への移行が決定したゲームにおいて、ARTゲーム数が50ゲーム、100ゲーム、及び150ゲームから選択されるのは図27を参照して上述した通りである。本実施形態ではさらに、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の操作によって液晶表示装置10においてARTゲーム数を表示する演出を行うとともに、この演出において、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)が所定回数(例えば20回)に達したときに、ART遊技状態に移行した旨の信号(特殊識別信号)をメイン側において生成し、外部集中端子板33に出力する。
ART遊技状態への移行が決定した場合、液晶表示装置10では、遊技者に対して、所定時間の間にベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打を促す表示が行われる。遊技者によるベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打数が20回よりも少ない場合には、液晶表示装置10において「?ゲーム」という表示がなされる。このとき、ART状態への移行は行われず、特殊識別信号の出力は行われない。
一方、遊技者によるベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打数が20回以上の場合(有効連打数が20回)には、液晶表示装置10において、ARTゲーム数が50ゲームのときには「50ゲーム!!」の表示がなされるとともに、ART状態への移行が行われ、特殊識別信号が外部集中端子板33(図6参照)を介して外部に出力される。
ARTゲーム数が100ゲームの場合には、有効連打数が20回に達したときに「50ゲーム!!まだまだ!!」の表示がなされるとともに特殊識別信号が外部集中端子板33(図6参照)を介して外部に出力された後、再びベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打を促す表示が行われる。この表示に対して遊技者がベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)を20回以上連打した場合、「100ゲーム!!」の表示がなされるとともに、ART状態への移行が行われ、特殊識別信号が外部集中端子板33(図4参照)を介して外部に出力される。すなわち、ARTゲーム数が100ゲームの場合には、有効連打数が20回に達する毎(ゲーム数の表示毎)に特殊識別信号が出力され、この特殊識別信号は合計で2回出力される。
ARTゲーム数が150ゲームの場合には、「有効連打数が20回に達したときに「50ゲーム!!まだまだ!!」の表示がなされた後、再びベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打を促す表示が行われる。この表示に対して遊技者がベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)を20回以上連打した場合、「100ゲーム!!まだまだ!!」の表示なされた後、再びベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打を促す表示が行われる。この表示に対して遊技者がベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)を20回以上連打した場合、「150ゲーム!!」の表示がなされるとともに、ART状態への移行が行われ、特殊識別信号が外部集中端子板33(図6参照)を介して外部に出力される。すなわち、ARTゲーム数が150ゲームの場合には、有効連打数が20回に達する毎(ゲーム数の表示毎)に特殊識別信号が出力され、この特殊識別信号は合計で3回出力される。
このように、本実施形態では、ARTゲーム数が50ゲームのときにはベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の有効連打数が20回、100ゲームのときにはベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の有効連打数が20回×2の合計40回、150ゲームのときにはベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の有効連打数が20回×3の合計60回にそれぞれ達したときに、ART状態への移行が行われ、有効連打数が20回に達する毎(ゲーム数の表示毎)に特殊識別信号が外部集中端子板33(図6参照)を介して外部に出力される。逆に言えば、所定のタイミングでARTゲーム数に対応した回数のベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打が行われない場合には、ART遊技状態への移行は行われるが、特殊識別信号は外部に出力されない。
このようなパチスロ機1によれば、遊技者がベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)を操作するといった行為によって遊技状態がART遊技状態に移行するとともに、このような遊技状態の移行を、特殊識別信号が出力されることによって、データ表示器などの外部機器において認識することができる。そのため、遊技者自らの操作によりART遊技状態へ移行させたという実感を遊技者に与えることによって、遊技の興趣を向上させることができる。
また、ART遊技状態の継続遊技数が100ゲーム又は150ゲームである場合には、ベットボタンを連打することに基づいて、継続数を50ゲームと報知した後に、継続数が100ゲームあるいは150ゲームと段階的に報知される。そのため、遊技者は、自らの操作によりART遊技状態の継続遊技数を増加させたという実感を得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
パチスロ機1ではさらに、有効連打数が20回に達するごとに特殊識別信号が外部集中端子板33(図6参照)を介して外部に出力する。そのため、一度のART遊技状態への移行によって、複数回のART遊技状態へ移行させたように外部機器18に認識させることができる。これにより、遊技者は、データカウンタなどの外部機器18を確認することにより、一度のART遊技状態への移行によって、複数回のART遊技状態への移行を実感することができるため、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ART遊技状態への移行が決定したときに、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の有効連打数が所定の回数に達しない場合には、ペナルティとしてART遊技状態へ移行させないようにしてもよい。この場合、所定の条件を満たすときに(所定の小役の当籤ゲームや所定数の単位遊技の消化後)、改めてベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打を促す演出(報知)を行うようにしてもよいし、ペナルティとしてARTセット数を減じるようにしてもよい。
また、特殊識別信号は、選択されたゲーム数に対応した有効連打数に達したときに外部集中端子板33(図6参照)を介して外部に出力するようにしてもよい。たとえば、ARTゲーム数が50ゲームの場合には有効連打数が20回に達したときに特殊識別信号の出力を行い、ARTゲーム数が100ゲームの場合には有効連打数が20回×2セットの合計40回に達したときに特殊識別信号の出力を行い、ARTゲーム数が150ゲームの場合には有効連打数が20回×3セットの合計60回に達したときに特殊識別信号の出力を行うようにしてもよい。
[コマンドデータの構造]
次に、図30を参照して、主制御回路71から副制御回路81へ送信されるコマンドデータの構造について説明する。コマンドデータは、主制御回路71のメインRAM75の通信データ格納領域に格納されているデータであり、図47において後述する、メインCPU73の制御による割込処理の通信データ送信処理(ステップS203)において、主制御回路71から副制御回路81へ送信されるデータである。
このコマンドデータは、各々が1バイトからなる9つのデータ(「コマンド種別」、「パラメータ1」、「パラメータ2」、「パラメータ3」、「パラメータ4」、「パラメータ5」、「パラメータ6」、「遊技状態」及び「BCC」)によって構成される。各データは、コマンド種別に応じて、各々のビットパターンによってデータ内容を識別することができるようになっている。コマンドデータは、これら8つのデータによって1パケットを構成している。
因みに、メインRAM75の通信データ格納領域は、9パケット分(8バイト(1パケット)×9)のデータを格納することができるようになっている。
「コマンド種別」としては、図31に示すように、「01H」〜「12H」の10種類の種別がある。「01H」は、同期化コマンドである。同期化コマンドのデータ内容は、更新された通信用乱数値の最初の値(乱数初期値(同期化初期値))などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(同期化コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「02H」は、初期化コマンドである。初期化コマンドのデータ内容は、設定値変更の有無、設定値情報などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(初期化コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「03H」は、メダル投入コマンドである。メダル投入コマンドのデータ内容は、投入枚数、クレジット数などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(メダル投入コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「04H」は、スタートコマンドである。スタートコマンドのデータ内容は、内部当籤役、遊技状態、RT遊技回数カウンタ値、ボーナス終了枚数カウンタ値などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(スタートコマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「05H」は、リール回転開始コマンドである。リール回転開始コマンドのデータ内容としては、各パラメータは未使用となっている。「06H」は、リール停止コマンドである。リール停止コマンドのデータ内容は、停止リール種別、押下位置、滑り駒数などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(リール停止コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「07H」は、表示コマンドである。表示コマンドのデータ内容は、入賞作動フラグの種別、払出枚数などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(表示コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「08H」は、ボーナス開始コマンドである。ボーナス開始コマンドのデータ内容は、開始したボーナスの種別などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(ボーナス開始コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「09H」は、ボーナス終了コマンドである。ボーナス終了コマンドのデータ内容は、終了したボーナスの種別などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(ボーナス終了コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「10H」は、入力状態コマンドである。入力状態コマンドのデータ内容は、スタートレバー・ストップボタン・ベットボタンの入力の有無などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(入力状態コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「11H」は、エラーコマンドである。エラーコマンドのデータ内容は、エラーの有無、エラー有の場合のエラー種別などであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(エラーコマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。「12H」は、無操作コマンドである。無操作コマンドは、上記「01H」〜「11H」のコマンドが送信されない場合に送信されるデータであり、「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によってそのデータ内容が表される。具体的には、当該コマンド種別(無操作コマンド)に応じて、各パラメータを構成する各々1バイトのデータのビットパターンによってデータ内容が表される。
なお、無操作コマンドは、通常、操作部などの操作が無かった場合に主制御回路71から副制御回路81へ送信されるコマンド(操作非対応コマンド)であり、上述したように、無操作コマンドデータのデータ内容が「パラメータ1」〜「パラメータ6」の全部又は一部によって表される。
これに対して、スイッチなどの操作が有った場合には、操作結果を表す入力状態コマンド(操作対応コマンド)がコマンドデータとして主制御回路71から副制御回路81へ送信される。この場合、無操作コマンド(操作非対応コマンド)は送信されない。
入力状態コマンドが送信された後、スイッチの操作が無い状態に移行すると、主制御回路71から副制御回路81へ無操作コマンドが送信されることになる。無操作コマンドとしては、上述したような「無操作コマンドを表すコマンドデータ」が送信される場合、又は、スイッチなどが操作されたか否かを表す操作情報が送信される場合がある。スイッチなどが操作されたか否かを表す操作情報とは、図48において後述する、入力ポートチェック処理において無操作コマンドデータとして登録される入力ポートの状態を表す情報(スイッチなどの操作状態を表す情報)である。
図30において、「遊技状態」は、主制御回路71における遊技状態を表すデータである。メインCPU73は、遊技状態フラグ格納領域(図19(f))で遊技状態フラグをチェックし、その結果をスタートコマンドデータの生成時に「遊技状態」として反映させて副制御回路81へ送信する。
「BCC(Block Check Character)」は、水平パリティチェック方式により、1パケットのコマンドデータの誤り検出を行うためのデータである。具体的には、「コマンド種別」、「パラメータ1〜6」及び「遊技状態」からなる1パケットのデータブロックごとに付加される誤り検出用のデータである。
メインCPU73は、後述する割込処理(図47)において、以上説明したコマンドデータを、メインRAM75の通信データ格納領域から読み出して、副制御回路81へ送信する。例えば、後述する主制御回路71のメインCPU73の制御によるメインフロー(図33)においてスタートコマンドデータが生成された場合(S18)、リール回転開始コマンドデータが生成された場合(S22)、表示コマンドが生成された場合(S28)、または、後述する(メダル受付・スタートチェック処理(図35)においてメダル投入コマンドデータが生成された場合(S52)、後述するリール停止制御処理(図39)においてリール停止コマンドデータが生成された場合(S98)、後述するボーナス終了チェック処理(図34)においてボーナス終了時コマンドデータが生成された場合(S138)、後述するボーナス作動時チェック処理(図35)においてボーナス開始コマンドデータが生成された場合(S148)などにおいて、通信データ格納領域に各種コマンドデータが格納される。メインCPU73は、これら格納されたコマンドデータを、割込処理(図47)において副制御回路81へ送信する。
同期化コマンド、初期化コマンド、メダル投入コマンド、スタートコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、表示コマンド、ボーナス開始コマンド、ボーナス終了コマンド、入力状態コマンド、エラーコマンド等、何らかの操作や動作が実行された場合に生成されるコマンドデータが無い場合(すなわち、主制御回路71から副制御回路81へ送信すべきコマンドデータが無い場合)、無操作コマンドデータが生成されて通信データ格納領域に格納される。これにより、通信データ格納領域には、必ず、いずれかのコマンドデータが格納されていることとなり、割込処理(図47)の通信データ送信処理(ステップS203)において、必ず何らかの正規のコマンドデータが副制御回路81へ送信される。
なお、主制御回路71から副制御回路81へ送信されるコマンドデータとしては、図31に示した同期化コマンド(01H)〜無操作コマンド(12H)に限られず、例えば、払出しを終了したことを表す払出終了コマンド等、他の種々のコマンドを送信することができる。また、図31において、例えば初期化コマンド(02H)には、設定値変更の有無が含まれるが、これに代えて、設定値を変更した場合と設定値を変更しなかった場合とで別々のコマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、図31に例示した各コマンドデータの内容をさらに細分化して別のコマンドデータとして送信するようにしてもよい。
[通信用乱数値(同期化初期値)の生成]
図32に示すように、主制御回路71及び副制御回路81では、初めに主制御回路71において生成された通信用乱数値(初期乱数値(同期化初期値))Nを、同期化コマンドとして主制御回路71から副制御回路81へ送信することにより、主制御回路71及び副制御回路81においてこの初期乱数値N共有し、その後メダル投入コマンドやスタートコマンドといった各種のコマンドデータ(コマンドA、コマンドB、……)が主制御回路71から副制御回路81へ送信される毎に、主制御回路71及び副制御回路81においてそれぞれ独立して初期乱値Nに順次1加算した値(N+1、N+2、……)を新たな通信用乱数値として生成して行く。主制御回路71では、1加算された通信用乱数値を各種コマンドデータ(コマンドA、コマンドB、……)に含めて副制御回路81へ送信する。副制御回路81では、独自に算出した新たな(1加算された)通信用乱数値(第2の更新値)と、主制御回路71から送信された新たな(1加算された)通信用乱数値(第1の更新値)とを比較し、これらが一致していれば、コマンドデータが正規のコマンドデータ(すなわち、改変されていない、主制御回路71から送信されたコマンドデータ)であるものと判断することができる。
このような方法によって、主制御回路71から副制御回路81へコマンドデータを送信することにより、何らかの異常や不正によって、コマンドデータが改変されている場合には、副制御回路81において通信用乱数値が一致しなくなることにより、当該コマンドデータの異常を副制御回路81において検出することができる。
図32に示すように、例えば、コマンドCを主制御回路71から副制御回路81へ送信する際に送信エラーが生じてこのコマンドCが副制御回路81で受信されす、次のコマンドDが副制御回路81で受信された場合、副制御回路81では、コマンドC用に生成された通信用乱数値N+3と、主制御回路71からコマンドDとして送信された通信用乱数値N+4とが比較されることになる。この結果、副制御回路81では、何らかのエラーが発生していることを認識することができる。
本実施の形態の場合、副制御回路81において上記エラーが2回検出された場合にはじめてエラー状態と認識するようになっており、1回までの不一致については、エラーと見なさない。このような判断を行うことにより、本来検出すべきエラー状態のみを検出し、頻繁なエラー状態への移行を回避することができる。2回の不一致によりエラー状態が発生しているものと判断した場合、副制御回路81において所定のエラー表示を行うなどにより、ホールの係員が打止解除スイッチ又はリセットスイッチを操作することにより、このエラー状態が解除されるようになっている。因みに、エラーと見なす回数は、2回に限られるものではなく、1回又は3回以上であってもよい。
本実施の形態の場合、主制御回路71では、最初の通信用乱数値(初期乱数値(同期化初期値))Nを、N=(189×α+9681)mod65536の演算により求める。因みに、αは初期値であり、別途乱数値として生成されるものである。なお、初期乱数値Nの算出方法はこれに限られるものではなく、当該乱数値を抽籤により求めるなど、種々の方法を用いることができる。
主制御回路71では、生成された初期乱数値Nを、同期化コマンド送信時に、パラメータ5及びパラメータ6を使用して、0〜65535(16bit)のうち任意の通信用乱数値を、メインRAM75に格納すると共に、これを同期化コマンドとして副制御回路81へ送信する。
さらに本実施の形態では、電源投入時などにおいて、初期乱数値(同期化初期値)Nが別の初期乱数値(同期化初期値)Nxに変更される。初期乱数値Nの変更については、電源投入時処理のフローチャートの説明(図34)において後述する。
次に、同期化コマンドデータ以外の各種コマンドデータの生成について説明する。これら各種コマンドデータは、パラメータ1〜5に必要な情報を格納し、前回の通信用乱数値Nに1加算した新たな通信用乱数値(N+1、N+2、……)のうち、下位8bitのデータをパラメータ6に格納する。そして、「パラメータ1」〜「パラメータ6」及び「遊技状態」の和をBCCとして生成し、格納する。
なお、新たな通信用乱数値(N+1、N+2、……)の算出方法としては、別途演算を行って1バイトのデータとしてもよく、特定のbitを抽出して格納してもよい。
[制御処理]
主制御回路71のメインCPU73は、図33〜図50に示すフローチャートにしたがって各種のプログラムを実行する。
<メインCPUのメイン制御>
図33は、メイン制御処理を示すフローチャートである。
最初に、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU73は、後述する図34に示す電源投入時処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S10)。この電源投入時処理は、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU73は、一遊技(単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(S11)。この処理において、例えば、一遊技終了時の初期化の格納領域を指定して初期化する。この初期化処理によって、メインRAM75の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU73は、後述する図44に示すポート出力処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S12)。このポート出力処理によって、リプレイ識別信号を検出する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、後述する図35に示すメダル受付・スタートチェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S13)。このメダル受付・スタートチェック処理によって、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、及び開始操作を検出する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(S14)。次に、メインCPU73は、後述する図37に示す内部抽籤処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S15)。この内部抽籤処理によって、内部当籤役決定手段における処理が構成される。
次に、メインCPU73は、後述する図38に示すメイン側演出決定処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S16)。このメイン側演出決定処理によって、リール演出を実行するための演出番号(図22参照)を決定する処理、あるいはART遊技状態の上乗せ抽籤を行う上乗せゾーンに移行させるための押し順判定テーブル番号(図23参照)を格納する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、リール停止初期設定処理を実行する(S17)。このリール停止初期設定処理によって、内部当籤役に基づいてリール停止情報群(図21参照)を決定する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、スタートコマンドデータを生成し、生成されたスタートコマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する(S18)。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、スタートコマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納されたスタートコマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。スタートコマンドには、内部当籤役等の演出に必要な各種の情報が含まれる。
次に、メインCPU73は、メイン側演出実行処理を実行する(S19)。このメイン側演出決定処理によって、S16のメイン側演出決定処理で決定された演出番号に応じた期間、操作が無効となるようにウェイトタイマを加算し、リール3L,3C,3Rにおける演出を実行する処理が行われる。具体的には、ART遊技状態の上乗せ抽籤を毎ゲーム行う上乗せゾーンにおけるウェイト期間において、演出番号0が選択されているときにはリール演出を行わず、演出番号1が選択されているときには相対的に短時間(例えば2秒)のリール3L,3C,3Rのロック(ショートフリーズ)後にリール3L,3C,3Rの逆回転、持ち上げ、上下振動あるいは左右振動等の他のリールアクションを行い、演出番号2が選択されているときにはショートフリーズを行った後に、演出番号1とは異なる他のリールアクションを行い、演出番号3が選択されているときには相対的に長時間(例えば4秒)のリール3L,3C,3Rのロック(ロングフリーズ)を行った後に演出番号1と同様な他のリールアクションを行い、演出番号4が選択されているときにはロングフリーズを行った後に、演出番号2と同様な他のリールアクションを行う。
次に、メインCPU73は、ウェイト処理を実行する(S20)。このウェイト処理は、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かを判断し、所定時間を経過していないと判別した場合には、所定時間を経過するまで待機して待ち時間を消化する処理である。ウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、通常は、例えば前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。また、S19のメイン側演出実行処理においては、S16のメイン側演出決定処理で決定された演出番号に応じた期間、操作が無効となるようにウェイトタイマが加算され、加算後のウェイトタイマに応じた時間だけ、ウェイト処理が行われる。
次に、メインCPU73は、投入されたメダルの枚数に応じて、全てのリール3L,3C,3Rの回転開始の処理を実行する(S21)。このリール回転開始処理によって、遊技開始指令手段における処理が構成される。さらに、このリール回転開始処理に伴って、図19(c)に示す作動ストップボタン格納領域に「01110000」を格納する。
上述したS21のリール回転開始処理は、割込処理(図47のS204)によって実行される。この割込処理は、一定の周期(1.1172ミリ秒)で実行される処理である。この割込処理によって、各リール3L,3C,3Rのステッピングモータの駆動を制御し、リール3L,3C,3Rの回転を開始する。その後、この割込処理によって、ステッピングモータの駆動を制御し、リール3L,3C,3Rの回転が定速に達するまで加速を行う。さらに、その後、リール3L,3C,3Rの回転が定速に達すると、この割込処理によって、ステッピングモータ3L,3C,3Rの駆動を制御し、リール3L,3C,3Rが定速で回転するように維持される。
次に、メインCPU73は、リール回転開始コマンドデータを生成し、生成されたリール回転開始コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する(S22)。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、リール回転開始コマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納されたリール回転開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。この処理により、副制御回路72では、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU73は、後述する図44に示すポート出力処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S23)。このポート出力処理によって、図45に示すリール回転時出力処理が実行されることによって当り信号や特殊識別信号が出力される。
次に、メインCPU73は、引込優先順位格納処理を実行する(S24)。この引込優先順位格納処理によって、回転しているリール3L,3C,3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。
次に、メインCPU73は、後述する図39に示すリール停止制御処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S25)。この処理によって、リール3L,3C,3Rの停止制御が行われるとともに、図40に示すメイン側演出実行判定処理が実行されることによってセットされた押し順判定テーブル(図23参照)と第1停止のストップボタン17L,17C,17Rの種別が一致するかが判定される。
次に、メインCPU73は、入賞検索処理を実行する(S26)。この入賞検索処理は、全てのリールが停止した後に、入賞判定ライン8a,8bに表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合して、入賞判定ライン8a,8bごとに表示された図柄組合せを判定する処理である。具体的には、図柄コード格納領域(図示略)に格納されたデータと、図12に示す図柄組合せテーブルのデータとを照合し、その結果を、表示役格納領域(図19(b))に格納する。具体的には、図柄コード格納領域のデータを表示役格納領域にそのまま複写する。その際に、図柄組合テーブルを参照して、払出枚数を求める。この入賞検索処理によって、全てのリールが停止したことで図柄表示手段に表示される図柄の組合せを特定する処理が行われる。
次に、メインCPU73は、入賞検索処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに応じたメダル枚数の払出しを実行する(S27)。このメダル払出処理に伴って、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー装置34の駆動制御やクレジットカウンタの更新が行われる。
次に、メインCPU73は、表示コマンドデータを生成し、生成された表示コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する(S28)。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、表示コマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納された表示コマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。表示コマンドには、表示役などの情報が含まれる。
次に、メインCPU73は、後述する図41に示すRT制御処理を実行する(S29)。RT制御処理によって、一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態の間で遊技状態が更新される。
次に、メインCPU73は、後述する図42に示すボーナス終了チェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S30)。このボーナス終了チェック処理によって、終了条件を満たした場合にボーナスゲームの作動を終了するボーナスゲーム終了手段における処が行われる。
次に、メインCPU73は、図43に示すボーナス作動チェック処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S31)。このボーナス作動チェック処理によって、リール3L,3C,3Rにより表示された図柄の組合せに基づいてボーナスゲームの作動を行う処理が行われる。S31の処理を実行した後、上述したS11に処理を戻す。
<電源投入時処理>
図34は、図33のS10で呼び出される電源投入時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、バックアップが正常であるか否かを判別する(S1011)。この判断処理において、メインCPU73は、チェックサム値を用いた誤り検出を行うことにより、バックアップが正常であるか否かを判別する。例えば、電源オフ時にパチスロ機1の設定値(出玉率を予め定められた6段階の1つに設定する値)及びその設定値から算出されたチェックサム値をバックアップデータとしてメインRAM75に格納しておき、電源投入時の当該判別処理(S1011)において、メインRAM75に格納されている設定値及びチェックサム値を読み出す。読み出された設定値から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムとを比較する。比較結果が一致していれば、バックアップが正常であると判断する。
メインCPU73は、バックアップが正常であると判別したときには(YES)、バックアップされた設定値をセットする(S1012)。これにより、バックアップが正常であった場合には、電源オフ前の設定値がセットされることになる。
S1012の処理の後、又はS1011において、バックアップが正常でないと判別したとき(NO)、メインCPU73は、設定変更スイッチがオンであるか否かを判別する(S1013)。メインCPU73は、設定変更スイッチがオンでないと判別したときには(NO)、バックアップが正常であるか否かを判別する(S1021)。
S1021の処理において、バックアップが正常でないと判別されると(NO)、メインCPU73は、電源投入時エラー処理を実行する(S1025)。この処理において、メインCPU73は、バックアップが正常ではないことをエラー表示等によって表示する。因みに、メインCPU73は、バックアップが正常でないエラー(バックアップエラー)の状態では、打止解除スイッチ又はリセットスイッチの操作によっては、エラー状態を解除しないようになっており、新たに設定変更が行われた場合にのみ、エラー状態を解除する。
これに対して、S1013において、設定変更スイッチがオンであると判別すると(YES)、メインCPU73は、S1014に処理を移して、設定変更時の初期化処理を実行する。
この設定変更時の初期化処理において、メインCPU75は、例えば、メインRAM73の内部当籤役格納領域や表示役格納領域に格納されているデータをクリアすると共に、設定値をクリアする。メインCPU73は、S1014の処理の後、S1015へ処理を移して、通信用乱数値更新処理を実行する。
この通信用乱数値更新処理において、メインCPU73は、メインRAM75に格納されている通信用乱数値を更新する。ここで更新される通信用乱数値とは、図32に示したように、主制御基板31から副制御基板41へ各種のコマンドデータが送信される毎に順次加算されていく乱数値(N、N+1、N+2、……)のうち、最初の乱数値(初期乱数値(同期化初期値))Nを意味する。この初期乱数値Nが、S1015の通信用乱数値更新処理によって別の初期乱数値Nxに変更(更新)されるのである。因みに、この初期乱数値Nが変更(更新)されると、その後の各種コマンドデータの送信毎に、当該変更(更新)された初期乱数値Nxに所定値が順次加算されて主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる(例えば、Nx+1、Nx+2、……)。
通信用乱数値更新処理(S1015)の後、メインCPU73は、S1016へ処理を移して、同期化コマンドデータを生成し、これをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。同期化コマンドデータには、S1014において変更(更新)された通信用乱数値(初期乱数値(同期化初期値))が含まれる。
次に、メインCPU73は、S1017へ処理を移して、初期化コマンドデータを生成し、これをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。初期化コマンドデータは、図31に示したように、設定値変更の有無、設定値情報等を含む。
続いて、メインCPU73は、S1018へ処理を移して、設定値変更処理を実行する。設定値変更処理において、メインCPU73は、リセットスイッチの操作結果に応じて、設定値を予め定められている1〜6のうちから選択し、これに続いて操作されるスタートレバー16の操作結果に基づいて設定値を確定させる。
設定値変更処理(S1018)の後、メインCPU73は、S1019へ処理を移して、設定変更スイッチはオン状態であるか否かを判別し、オン状態でない判別結果が得られるまで、当該処理(S1019)を繰り返す。設定変更スイッチがオン状態ではない判別結果(NO)が得られた場合、このことは、設定変更スイッチの操作が完了したことを意味しており、メインCPU73は、S1020へ処理を移して、初期化コマンドデータを生成し、生成された初期化コマンドデータを通信データ格納領域に格納する。
このように、バックアップが正常であるか否かに関わらず(S1011におけるYES又はNOに関わらず)、設定変更スイッチが操作されることに応じて、最初の通信用乱数値となる初期乱数値(同期化初期値)が更新され(S1015)、これを含む同期化コマンドが生成される。
メインCPU73は、S1020の処理の後、本サブルーチンを終了する。
一方、S1021においてバックアップが正常であると判別されると(YES)、メインCPU73は、S1022へ処理を移して、メインRAM75に格納されているバックアップデータに基づいて、電断前の状態に復帰させる。
メインCPU73は、S1022の処理の後、S1023へ処理を移して、通信用乱数値更新処理を実行する。この通信用乱数値更新処理(S1023)において、メインCPU73は、メインRAM75に格納されている通信用乱数値(上述した初期乱数値(同期化初期値)NをNxに変更(更新)する。
通信用乱数値更新処理(S1023)の後、メインCPU73は、S1024へ処理を移して、同期化コマンドデータを生成し、これをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。同期化コマンドデータには、S1023において変更(更新)された通信用乱数値(初期乱数値(同期化初期値)が含まれる。メインCPU73は、S1024の処理の後、本サブルーチンを終了する。このように、メインCPU73は、設定変更スイッチがオン操作されていない状態(S1013においてYES)であって、かつ、バックアップが正常である場合(S1021においてYES)においても、通信用乱数値(初期乱数値(同期化初期値))を更新することにより(S1023)、正常な電源投入時(バックアップが正常である電源投入時)には、設定変更がされなくても、通信用乱数値(初期乱数値(同期化初期値))の更新が行われることになる。すなわち、電源投入時には、バックアップが正常ではなく、設定変更もされない場合を除いて(電源投入時エラー処理S1025が実行される場合を除いて)、通信用乱数値(初期乱数値(同期化初期値))の更新(NからNxへの更新)が行われることになる。
上述した電源投入時処理において生成され通信データ格納領域に格納された同期化コマンドは、後述する通信データ送信処理によって主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。
<メダル受付・スタートチェック処理>
図35は、図33のS13の処理で呼び出されるメダル受付・スタートチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、自動投入要求があるか否かを判別する(S40)。前回の単位遊技でリプレイに入賞した場合には、今回の単位遊技では、自動的にメダルが投入される。すなわち、S40の判断処理は、この前回の単位遊技でリプレイに入賞したか否か判断するのと等価である。
メインCPU73は、S40の判断処理で、自動投入要求があると判別したときには(YES)、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルを自動投入する処理を実行する(S41)。具体的には、メインCPU73は、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする。この処理が終了した場合には、S54に処理を移す。
メインCPU73は、S40の判断処理で、自動投入要求がないと判別したときには(NO)、S42へ処理を移して、メダル補助庫スイッチ39(図6)がオンであるか否かを判別する。メダル補助庫スイッチ39がオンである場合(YES)、このことは、メダル補助庫のメダルが満杯になっていることを意味しており、メインCPU73は、エラー処理(S43)を実行する。エラー処理については後述する。
これに対して、S42においてメダル補助庫スイッチ39がオンではない場合(NO)、メインCPU73は、S44に処理を移す。メインCPU73は、エラー処理(S43)の後、又はS42において否定結果(NO)が得られた場合、メダル受付許可を実行する(S44)。具体的には、メインCPU73は、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行い、セレクタ内のメダルの通過を促す。
メインCPU73は、S44の処理を実行した後、S45へ処理を移して、セレクタエラーがあるか否かを判別する。この処理において、メインCPU73は、メダル通過センサが所定時間以上オンのままであるか、すなわち、セレクタにメダル詰まりが発生しているか否かを判別する。セレクタエラーがある場合(YES)、メインCPU73は、エラー処理(S47)を実行する。
また、S45においてセレクタエラーが無い場合(NO)、メインCPU73は、S46へ処理を移して、ホッパエラーがあるか否かを判別する。この処理において、メインCPU73は、払出カウントスイッチが所定時間以上オンのままであるか、すなわち、ホッパにメダル詰まりが発生しているか否かを判別する。ホッパエラーがある場合(YES)、メインCPU73は、エラー処理(S47)を実行する。
S46においてホッパエラーが無い場合(NO)又はエラー処理(S47)の後、メインCPU73は、S48へ処理を移して、遊技状態に応じて投入枚数の最大値をセットする。本実施の形態において、一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、及びRT3遊技状態では3枚をセットし、BB遊技状態(RB1遊技状態)及びRB2遊技状態では2枚をセットする。
次に、メインCPU73は、投入されたメダルの枚数をチェックする(S49)。この処理によって、チェックしたメダルの枚数に応じて、投入枚数カウンタの値を更新する。
次に、メインCPU73は、セレクタエラーがあるか否かを判別する(S50)。この処理において、メインCPU73は、セレクタ内に設けられた複数のメダル通過センサが所定時間以上オンのままであるか、又は、複数の通過センサが所定の順序以外でオンとなったか、すなわち、セレクタにメダル詰まりが発生しているか否か、又は何らかの不正行為があるか否かを判別する。セレクタエラーがある場合(YES)、メインCPU73は、エラー処理(S51)を実行する。
S50においてセレクタエラーが無い場合(NO)又はエラー処理(S51)の後、メインCPU73は、S52へ処理を移して、メダル投入コマンドデータを生成し、生成されたメダル投入コマンドデータを通信データ格納領域に格納する。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、メダル投入コマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納されたメダル投入コマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。
次に、メインCPU73は、S53へ処理を移して、投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であるか否かを判断する。すなわち、メインCPU73は、投入されたメダルの投入枚数が、遊技状態に応じて単位遊技を開始できる枚数であるか否かを判断する。本実施の形態においては、一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、及びRT3遊技状態では投入されたメダルが3枚であるか判断し、BB遊技状態(RB1遊技状態)及びRB2遊技状態では投入されたメダルが2枚であるか判断する。
メインCPU73は、S53の判断処理で、投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数でないと判別したときには(NO)、上述したS49に処理を戻す。
メインCPU73は、S53の判断処理で投入されたメダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であると判別したときには(YES)、スタートスイッチ57がオンであるか否かを判断する(S54)。
メインCPU73は、S54の判断処理でスタートスイッチ57がオンでないと判別したときには(NO)、上述したS49に処理を戻す。
メインCPU73は、S54の判断処理でスタートスイッチ57がオンであると判別したときには(YES)、メダル受付禁止を行う(S55)。具体的には、セレクタ(図示せず)のソレノイドの駆動を行わずに、投入口に投入されたメダルをメダル払出口18からの排出を促す。
メインCPU73は、S55の処理を実行した後、後述する図36に示すポート出力処理のサブルーチンを呼び出して実行し(S49)、本サブルーチンを終了する。このポート出力処理によって、図37に示すリール回転時出力処理が実行されることによってメダル投入信号が出力される。
<エラー処理>
図36は、図35のS43、S47及びS51で呼び出されるエラー処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、エラーの種別に応じたエラー状態をセットする(S1041)。エラー種別とは、メダル補助庫エラー、セレクタエラー、ホッパエラー等である。
次に、メインCPU73は、エラー状態を表すエラーコマンドデータを生成し、生成されたエラーコマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する(S1042)。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がN+1であった場合には、N+2になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。更新された通信用乱数値も、エラーコマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納されたエラーコマンドデータは、後述する通信データ送信処理において、主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。
次に、メインCPU73は、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンであるか否かを判別する(S1043)。打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンでないと判別した場合(NO)、メインCPU73は、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンであると判別されるまで、当該処理を繰り返す。S1043において、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンであると判別した場合(YES)、メインCPU73は、S1044に処理を移して、エラーが解除されか否かを判別する。エラーが解除されていないと判別した場合(NO)、メインCPU73は、S1043に処理を移して、再度、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンであるか否かを判別する。
これに対して、S1044において、エラーが解除されていると判別した場合(YES)、メインCPU73は、S1045に処理を移して、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンであるか否かを判別する。すなわち、メインCPU73は、上述のS1043においてオン状態となった打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオフ状態に戻されたか否かを判別する。打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンである判別された場合(YES)、メインCPU73は、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンではないと判別されるまで、当該処理を繰り返す。S1045において、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンではない判別された場合(NO)、メインCPU73は、S1046に処理を移して、エラー状態をリセットする。これにより、エラー解除に応じて、エラー状態がリセットされることになる。
そして、メインCPU73は、S1047に処理を移して、エラー状態が解除された情報を含むエラーコマンドデータを生成し、生成されたエラーコマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、エラーコマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納されたエラーコマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。
<内部抽籤処理>
図37は、図33のS15の処理で呼び出される内部抽籤処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S61)。本実施の形態では、遊技状態が非ボーナス遊技状態の場合には、遊技状態が一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態及びRT3遊技状態のいずれであっても、図14の内部抽籤テーブルを参照する。一方、遊技状態がボーナス遊技状態である場合には、図15に示したRB1遊技状態用内部抽籤テーブル、又は図16に示したRB2遊技状態用内部抽籤テーブルをセットする。
次に、メインCPU73は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(S62)。
次に、メインCPU73は、S61の処理でセットされた内部抽籤テーブルの所定領域を用いて、当籤番号に応じた抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(S63)。すなわち、メインCPU73は、内部当籤役を照合する。
次に、メインCPU73は、S64の処理による減算結果が0より小さいか否かを判断する(S43)。
メインCPU73は、S64の判断処理で、減算結果が0より小さくないと判別したとき(NO)、すなわち、いわゆる桁借りが行われていないと判別したときには、乱数値及び当籤番号を更新する(S44)。
次に、メインCPU73は、使用している内部抽籤テーブルの全ての当籤番号をチェックしたか否かを判断する(S66)。
次に、メインCPU73は、S66の判断処理で、全ての当籤番号をチェックしていないと判別したときには(NO)、上述したS63に処理を戻す。
次に、メインCPU73は、S66の判断処理で、全ての当籤番号をチェックしたと判別したときには(YES)、データポインタの値として0をセットする(S67)。すなわち、メインCPU73は、内部抽籤の結果、表示役をハズレであると判定する。
次に、メインCPU73は、上述したS64の判断処理で、減算結果が0より小さいと判別したとき(YES)、すなわち、いわゆる桁借りが行われたと判別したときには、使用している内部抽籤テーブルを参照して小役・リプレイ用データポインタの値とボーナス用データポインタの値とを取得する(S68)。
次に、メインCPU73は、上述したS67又はS68の処理を実行した後、図17に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照して、小役・リプレイ用データポインタの値に基づいて内部当籤役を取得する(S69)。このS69の処理は、上述したS67又はS68の処理で決定した小役・リプレイ用データポインタの値を用いて、図17に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照して、小役・リプレイ用データポインタの値に対応する内部当籤役を示す3バイトのデータ値を決定する処理である。
次に、メインCPU73は、取得した内部当籤役を、対応する内部当籤役格納領域(図19(a))に格納する(S70)。このS70の処理は、S69の処理で決定した内部当籤役を示す3バイトのデータ値を、図19(a)に示す内部当籤役格納領域(格納領域1〜3)に格納する処理である。
次に、メインCPU73は、持越役格納領域(図19(e))の値が0であるか否かを判断する(S71)。この判断処理は、図19(e)に示す持越役格納領域に格納されているデータ値が0であるか否かを判断する処理である。すなわち、S71の判断処理は、BB、RB1又はRB2の何れも持ち越していないかを判断する処理である。
次に、メインCPU73は、S71の判断処理で、持越役格納領域の値は0であると判別したときには(YES)、図18に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタの値に基づいて内部当籤役を取得する(S72)。このS72の処理は、上述したS67又はS68の処理で決定したボーナス用データポインタの値を用いて、図18に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照して、ボーナス用データポインタの値に対応する内部当籤役を示す3バイトのデータ値を決定する処理である。
次に、メインCPU73は、取得した内部当籤役を持越役格納領域(図19(e))に格納する(S73)。このS73の処理は、図19(e)に示す持越格納領域のビット0〜ビット3のうち、取得した内部当籤役に対応するビットの値を「1」にする処理である。
次に、メインCPU73は、持越役格納領域(図19(e))の値が0であるか否かを判断する(S74)。この判断処理は、図19(e)に示す持越役格納領域に格納されているデータ値が0であるか否かを判断する処理である。すなわち、S74の判断処理は、BB、RB1又はRB2の何れかが持ち越していないかを判断する処理である。
次に、メインCPU73は、S71の判断処理で、持越役格納領域の値は0であると判別しないときには(NO)、メイン側で規定される遊技状態を、RT3遊技状態に更新する(S75)。このS75の処理は、BB、RB1及びRB2の別を問わず、ボーナスフラグを持ち越したときに、遊技状態をRT3に移行させる処理である。
メインCPU73は、上述したS71の判断処理で、持越役格納領域の値は0であると判別しないとき(NO)、上述したS73の判断処理で、持越役格納領域の値は0であると判別したとき(YES)、又はS75の処理を実行したときには、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する(S76)。このS76の処理は、図19(e)に示す持越役格納領域に格納されている内部当籤役の種類に基づいて、図19(a)に示す内部当籤役格納領域の3バイトのデータ値を更新する処理である。S76の処理を実行したときには、本サブルーチンを終了する。
<メイン側演出決定処理>
図38は、図33のS16の処理で呼び出されるメイン側演出決定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、RT2遊技状態か否か、すなわちRT2遊技状態フラグがオン(図41のS127参照)か否かを判断する(S80)。この判断処理により、ART上乗せ抽籤を行う遊技状態であるか否かが判断される。メインCPU73は、RT2遊技状態であると判断しない場合には(NO)、ART上乗せ抽籤を行う遊技状態でないので、本サブルーチンを終了する。
S80において、メインCPU73は、RT2遊技状態であると判断する場合には(YES)、演出実行フラグ(後述の図40におけるメイン側実行判定処理のS115)がオンか否かを判断する(S81)。この判断処理により、メイン側で演出を実行する期間であること、すなわちサブ側でART上乗せゾーンであるか否かが判断される。メインCPU73は、演出実行フラグがオンであると判断しない場合には(NO)、S86に処理を移す。
一方、S81において、メインCPU73は、演出実行フラグがオンであると判断する場合には(YES)、図22に示すメイン側演出抽籤テーブルを参照し、当籤番号に応じて演出番号を決定する(S82)。決定された演出番号は、スタートコマンドとしてサブ側に送信される。サブ側では、スタートコマンドとして送信された演出番号に基づいて、ART上乗せ抽籤を行う(図28(b)、図62(a)のS371)。
次に、メインCPU73は、演出実行カウンタを1減算する(S83)。この処理により、メイン側で演出を実行する期間(サブ側でART上乗せゾーン)のゲーム数が減算される。
次に、メインCPU73は、演出実行カウンタが0か否かを判断する(S84)。この処理より、メイン側で演出を実行する期間(サブ側でART上乗せゾーン)を終了させるか否かが判断される。メインCPU73は、演出実行カウンタが0であると判断した場合には(YES)、演出実行フラグをオフにし(S85)、本サブルーチンを終了する。
メインCPU73は、S81において、演出実行フラグがオンであると判断しない場合には(NO)、演出準備カウンタは1以上であるか否かが判断される(S86)。ここで、演出準備カウンタは、メイン側で演出を実行するか否かを決定するための準備期間であることを示すカウンタであり、ストップボタン17L,17C,17Rの押し順(第1停止)を報知したときに加算される。
メインCPU73は、演出準備カウンタが1以上であると判断する場合には(YES)、メイン側での演出実行の準備期間であるため、S88で格納される押し順判定テーブル番号をセットし(S87)、本サブルーチンを終了する。
演出準備カウンタが1以上であると判断しない場合には(NO)、押し順判定テーブル選択テーブルを参照し、当籤番号に基づいて押し順判定テーブル番号を格納し(S88)、本サブルーチンを終了する。ここで、押し順判定テーブル番号は、スタートコマンドとしてサブ側に送信される。サブ側では、スタートコマンドとして送信された押し順判定テーブル番号に基づいて、液晶表示装置10等においてストップボタン17L,17C,17Rの押し順が報知される(図62(b)のS381)。
<リール停止制御処理>
図39は、図33のS25の処理で呼び出されるリール停止制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S90)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判断する処理である。メインCPU73は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには(NO)、S90の処理を繰り返す。
メインCPU73は、S90の判断処理で、有効なストップボタン17L,17C,17Rが押されたと判別したときには(YES)、押されたストップボタン17L,17C,17Rに応じて、図19(c)に示す作動ストップボタン格納領域と、図19(d)に示す押下順序格納領域とを更新する(S91)。
メインCPU73は、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれに対応する作動ストップボタンの種別を、図19(d)に示す押下順序納領域に格納し、押し順格納領域を参照することで、ストップボタン17L,17C,17Rの押し順を判断することができる。
次に、メインCPU73は、図40に示すメイン側演出実行判定処理を呼び出して実行する(S92)。このS92の処理で、セットされた押し順判定テーブル(図23参照)のデータと、演出準備カウンタ値と第1停止のストップボタン17L,17C,17Rの種別とが一致するかが判定される。
次に、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタを1減算する(S93)。
次に、メインCPU73は、作動ストップボタンから検索対象リールを決定する(S94)。
次に、メインCPU73は、図柄カウンタに基づいて停止開始位置を格納する(S95)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU73は、滑り駒数決定処理を実行する(S96)。この滑り駒数決定処理では、図21に示すリール停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止情報群に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を取得する。
次に、メインCPU73は、滑り駒数補正処理を実行する(S97)。この滑り駒数補正処理では、取得した滑り駒数の図柄の引込優先順位データが、最大滑り駒数(4駒)の範囲内で、最も高いか否かを判定し、より高い引込優先データがある場合には、その位置で停止するように滑り駒数を補正する。
次に、メインCPU73は、リール停止コマンドデータを生成し、生成されたリール停止コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、リール停止コマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納されたリール停止コマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。このリール停止コマンドには、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)、演出準備カウンタの値(図40においてカウントされ、図64のS401,S402において確認されるカウンタ)等の情報も含まれる。
次に、メインCPU73は、停止開始位置と滑り駒数とに基づいて停止予定位置を決定し格納する(S99)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU73は、制御変更処理を行う(S100)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リール停止情報群を更新する。例えば、小役4とBBとが重複当籤した場合に、小役4の入賞の正解位置で停止操作がなされれば制御変更処理は必要ないが、小役4が非入賞の不正解位置で停止操作がされた場合にはBB用のリール停止情報群等を取得し直す。
次に、メインCPU73は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判断する(S101)。
メインCPU73は、S101の判断処理で、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判別したときには(NO)、引込優先順位格納処理を実行し(S102)、S90に処理を戻す。
メインCPU73は、S101の判断処理で、ストップボタン未作動カウンタが0であると判別したときには(YES)、直ちに本サブルーチンを終了する。
<メイン側演出実行判定処理>
図40は、図39のS92の処理で呼び出されるメイン側演出実行判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、図23に示す押し順判定テーブル番号が0か否かを判断する(S110)。メインCPU73は、押し順判定テーブル番号が0であると判断した場合には(YES)、本サブルーチンを終了する。
一方、CPU73は、S110において押し順判定テーブル番号が0であると判断しない場合には(NO)、セットされた押し順判定テーブルのデータと、演出準備カウンタ値と第1停止のストップボタンの種別とが一致するかを判定する(S111,S112)。この判定において、CPU73は、押し順(第1停止のストップボタン17L,17C,17R)が正解であるか否かを判断する。
S112において、CPU73は、一致すると判断しない場合には(NO)、S117に処理を移す。一方、CPU73は、一致すると判断する場合には(YES)、演出準備カウンタに1加算する(S113)。
次に、CPU73は、演出準備カウンタが3か否かを判断する(S114)。この判断において、サブ側において10GのART上乗せゾーン遊技状態に移行するための条件である押し順(第1停止のストップボタン17L,17C,17R)の正解が3回に達したか否かが判断される。CPU73は、演出準備カウンタが3であると判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了する。一方、CPU73は、演出準備カウンタが3であると判断する場合には(YES)、ART上乗せゾーン遊技状態に移行するための条件を満たすと判断できるため、演出実行フラグをオンにする(S115)。
次に、CPU73は、演出実行カウンタに10をセットする(S116)。この演出実行カウンタは、ART上乗せゾーン遊技状態の残りゲーム数を規定するものである。
CPU73は、S116の処理が終了した場合、及びS112において一致しない、第1停止のストップボタン17L,17C,17Rが不正解であると判断された場合には、演出準備カウンタをクリアし(S117)、本サブルーチンを終了する。
なお、S113において加算され、S117でクリアにされる演出準備カウンタは、リール停止コマンドとしてメイン側からサブに送信される。
<RT制御処理>
図41は、図33のS29の処理で呼び出されるRT制御処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、ボーナスが作動中か否かを判断する(S120)。このS120の処理で、RT制御が必要ないボーナスが作動中(BB遊技状態、RB1遊技状態又はRB2遊技状態)であるか否か判断される。
メインCPU73は、S120の判断処理で、ボーナスが作動中でないと判断したときには(NO)、メイン側の遊技状態がRT3遊技状態であるか否を判断する(S121)。このS121の処理で、ボーナス遊技状態以外に移行先のないRT3遊技状態であるかが判断される。
メインCPU73は、S121の判断処理で、RT3遊技状態であると判断されないときには(NO)、リプレイ5が表示されたか否かを判断する(S122)。この判断処理で、RT1遊技状態からの降格リプレイ(図9参照)であるリプレイ5が表示されたかが判断される。ここで、リプレイ5は、RT1遊技状態において、リプレイ2、リプレイ3又はリプレイ4(3択リプレイ)と重複して当籤するものであり(図14参照)、リプレイ2、リプレイ3又はリプレイ4が表示されなかったとき(三択リプレイ不正解時)に表示されるものである。
メインCPU73は、S121の判断処理で、リプレイ5が表示されたと判断されたときには(YES)、遊技状態を一般遊技状態に更新する(S123)。すなわち、リプレイ5はRT1遊技状態においてのみ表示され(図14参照)、かつRT1から一般遊技状態への降格リプレイであるため、遊技状態が一般遊技状態に降格される(図9参照)。
メインCPU73は、S121の判断処理で、リプレイ5が表示されたと判断されないときには(NO)、RT移行図柄が表示されたか否かを判断する(S124)。ここで、RT移行図柄(「リプレイ−ベル−ベル」)は、RT1遊技状態への移行図柄であるため(図9参照)、S124の判断処理で、遊技状態をRT1遊技状態に移行させるかが判断される。
メインCPU73は、S124の判断処理で、RT移行図柄が表示されたと判断されたときには(YES)、遊技状態をRT1遊技状態に更新する(S125)。すなわち、RT移行図柄は、一般遊技状態からRT1遊技状態へ、又はRT2遊技状態からRT1遊技状態へ遊技状態を移行させるものであるため(図9参照)、RT移行図柄の表示に伴って、遊技状態がRT1遊技状態に更新される。
メインCPU73は、S124の判断処理で、RT移行図柄が表示されたと判断されないときには(NO)、リプレイ2〜4(三択リプレイ)が表示されたか否かを判断する(S126)。ここで、リプレイ2〜4(「赤7/青7/黄7−リプレイ−リプレイ」)は、RT1遊技状態においてのみ当籤するものであり(図11参照)、RT1遊技状態からRT2遊技状態への昇格リプレイであるため(図9参照)、S124の判断処理で、遊技状態をRT2遊技状態に移行させるかが判断される。
メインCPU73は、S126の判断処理で、リプレイ2〜4が表示されたと判断されたときには(YES)、遊技状態をRT2遊技状態に更新する(S127)。すなわち、リプレイ2〜4は、遊技状態をRT1遊技状態からRT2遊技状態に移行させるものであるため(図9参照)、リプレイ2〜4の表示に伴って、遊技状態がRT2遊技状態に更新される。
メインCPU73は、S120の判断処理でボーナス作動中であると判断されたとき(YES)、S121の判断処理でRT3遊技状態であると判断されたとき(YES)、S123の処理が終了したとき、S125の判断が終了したとき、S126の判断処理でリプレイ2〜4が表示されたと判断されないときには、本サブルーチンを終了する。
<ボーナス終了チェック処理>
図42は、図33のS30の処理で呼び出されるボーナス終了チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
最初に、メインCPU73は、RB遊技状態であるか否か判別する(S130)。この結果、メインCPU73は、RB遊技状態である判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了する。他方、メインCPU73は、RB遊技状態であると判断した場合には(YES)、入賞回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタを1減算する(S131)。
次に、メインCPU73は、入賞回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが「0」であるか否か判別する(S132)。この結果、メインCPU73は、入賞回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが「0」であると判断しない場合には(NO)、S134に処理を移す。一方、メインCPU73は、入賞回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが「0」であると判断した場合には、RB遊技状態フラグをオフにするRB終了処理を行い(S133)、S134に処理を移す。
続いて、メインCPU73は、BB遊技状態であるか否か判別する(S134)。この結果、メインCPU73は、BB遊技状態であると判断しない場合には(NO)、S138に処理を移す。一方、メインCPU73は、BB遊技状態であると判断した場合には(YES)、ボーナス終了枚数カウンタの更新を行い(S135)、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいか否かを判別する(S136)。
S136において、メインCPU73は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいと判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU73は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいと判断した場合には、BB遊技状態フラグをオフにするとともにRB遊技状態フラグもオフにするBB終了処理を行う(S137)。
続いて、メインCPU73は、ボーナス終了コマンドデータを生成し、生成されたボーナス終了コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、ボーナス終了コマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納されたボーナス終了コマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。
次に、メインCPU73は、S139として図44に示すポート出力処理を行う。この処理では、RB作動中信号の出力又はBB作動中信号の出力を中止する。S139の処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
<ボーナス作動チェック処理>
図43は、図33のS31の処理で呼び出されるボーナス作動チェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、BB作動中であるか判断する(S140)。この結果、メインCPU73は、BB作動中であると判断した場合には(YES)、RB1作動中であるか否かを判断する(S141)。そして、メインCPU73は、RB1作動中であると判断した場合には(YES)、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU73は、RB1作動中でないと判断した場合には(NO)、RB1作動処理を行う(S142)。この処理では、RB1遊技状態フラグがオンにされ、入賞回数カウンタに「8」がセットされ、遊技可能回数カウンタに「12」がセットされる。S142の処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
また、ステップS140において、メインCPU73は、BB作動中であると判断しない場合には(NO)、RB1又はRB2に対応する図柄の組合せが表示されたか否かを判断する(S143)。この結果、メインCPU73は、RB1又はRB2に対応する図柄の組合せが表示されたと判断した場合には(YES)、RB2作動処理を行う(S144)。この処理では、RB2遊技状態フラグがオンされ、入賞回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに「8」がセットされる。この処理が終了した場合には、S147に処理を移す。
一方、メインCPU73は、ステップS143において、表示役「RB1」又は「RB2」に対応する図柄の組合せが表示されたと判断しない場合には(NO)、表示役「BB」に対応する図柄の組合せが表示されたか否かを判断する(S145)。この結果、メインCPU73は、表示役「BB」に対応する図柄の組合せが表示されたと判断した場合には(YES)、BB作動処理を行う(S146)。この処理では、BB遊技状態フラグがオンされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定枚数(例えば390)がセットされる。このとき、前述したS142のRB1作動処理も行う。
次に、メインCPU73は、持越役格納領域の値をクリアし(S147)、ボーナス開始コマンドデータを生成し、生成されたボーナス開始コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する(S148)。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、ボーナス開始コマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納されたボーナス開始コマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。メインCPU73は、S148の処理の後、S151に処理を移す。
メインCPU73は、S145において、BBに対応する図柄の組合せが表示されたと判断しない場合には(NO)、リプレイ1〜5に対応する図柄の組合せが表示されたか判別する(S149)。この結果、メインCPU73は、リプレイ1〜5に対応する図柄の組合せが表示されたと判断しない場合には(NO)、オンサブルーチンを終了する。一方、メインCPU73は、リプレイ1〜5に対応する図柄の組合せが表示された判断した場合には(YES)、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(S150)、S151に処理を移す。
S151において、メインCPU73は、図36に示すポート出力処理を呼び出して実行する。この処理では、メインCPU73は、リプレイ識別信号を出力する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
<ポート出力処理>
図44は、図33のS31の処理、図33のS31の処理、及び図3のS31の処理で呼び出されるポート出力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、遊技開始時か否かを判断する(S160)。メインCPU73は、遊技開始時であると判断した場合(YES)、リプレイ識別信号が出力中であるか否かを判断する(S161)。この処理において、メインCPU73は、リプレイ1〜5の対応する図が表示されたか否かを判断する。
メインCPU73は、リプレイ識別信号が出力中であると判断した場合(YES)、リプレイ識別信号の出力を停止し(S162)、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU73は、リプレイ識別信号が出力中であると判断しない場合(NO)、本サブルーチンを終了する。
S160において、メインCPU73は、遊技開始時であると判断しない場合(NO)、スタートスイッチがオンであるか否かを判断する(S163)。この処理において、メインCPU73は、スタートスイッチがオンであると判断する場合(YES)、メダル投入信号を出力し(S164)、本サブルーチンを終了する。
S163において、メインCPU73は、スタートスイッチがオンであると判断しない場合(NO)、リール回転中か否かを判断する(S165)。この処理において、メインCPU73は、リール回転中であると判断する場合(YES)、図45に示すリール回転時出力処理を行い(S166)、本サブルーチンを終了する。
S165において、メインCPU73は、リール回転中であると判断しない場合(NO)、メダルの払出があるか否かを判断する(S167)。この処理において、メインCPU73は、メダルの払出があると判断する場合(YES)、メダル払出信号を出力し(S168)、本サブルーチンを終了する。
S167において、メインCPU73は、メダルの払出があると判断しない場合(NO)、リプレイ1〜5に対応する図柄の組合せが表示されたか否かを判断する(S167)。この処理において、メインCPU73は、リプレイ1〜5に対応する図柄の組合せが表示されたと判断する場合(YES)、リプレイ識別信号を出力し(S170)、本サブルーチンを終了する。
S169において、メインCPU73は、リプレイ1〜5に対応する図柄の組合せが表示されたと判断しない場合(NO)、図38に示すボーナス作動終了時出力処理を実行し(S171)、本サブルーチンを終了する。
<リール回転時出力処理>
図45は、図36のS166の処理で呼び出されるリール回転時出力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、内部当籤役格納領域(図19(a))に格納されている内部当籤役に基づいて、当り信号を出力する(S180)。
次に、メインCPU73は、特殊識別信号の出力要求があるか否かを判断する(S181)。ここで、特殊識別信号は、ART遊技状態に移行した最初のゲームにおいて、リール回転中に、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)が所定回数(例えば20回)以上連打されたときに生成される信号である。この特殊識別信号は、パルスとして1回だけ出力してもよし、停止指令を受け取るまで連続して出力してもよい。
S181において、メインCPU73は、特殊識別信号の出力要求があると判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了する。一方、S181において、メインCPU73は、特殊識別信号の出力要求があると判断した場合には(YES)、特殊識別信号を出力し(S182)、本サブルーチンを終了する。
<ボーナス作動終了時出力処理>
図46は、図44のS171の処理で呼び出されるボーナス作動終了時出力処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、表示役「RB1」又は「RB2」に対応する図柄の組合せ(「青7−青7−青7」又は「黄7−黄7−黄7」)が表示されたか否かを判断する(S190)。メインCPU73は、表示役「RB1」又は「RB2」に対応する図柄の組合せが表示されたと判断した場合(YES)、RB作動中信号を出力し(S191)、本サブルーチンを終了する。
S190において、メインCPU73は、表示役「RB1」又は「RB2」に対応する図柄の組合せが表示されたと判断しない場合(NO)、BBに対応する図柄の組合せが表示されたか否かを判断する(S192)。この処理において、メインCPU73は、表示役「BB」に対応する図柄の組合せ(「赤7−赤7−赤7」)が表示されたと判断する場合(YES)、BB作動中信号を出力し(S193)、本サブルーチンを終了する。
S192において、メインCPU73は、表示役「BB」に対応する図柄の組合せ(「赤7−赤7−赤7」)が表示されたと判断しない場合(NO)、RB1遊技状態又はRB2遊技状態が終了したか否かを判断する(S194)。このステップ194では、メインCPU73は、例えば予め定められた入賞回数(例えば8回)に達したか、あるいは所定ゲーム数の単位遊技(例えば12回)を行ったか否かにより、RB1遊技状態又はRB2遊技状態が終了したか否かを判断する。S194において、メインCPU73は、RB1遊技状態又はRB2遊技状態が終了したと判断する場合(YES)、RB作動中信号の出力を中止し(S195)、本サブルーチンを終了する。
S194において、メインCPU73は、RB1遊技状態又はRB2遊技状態が終了したと判断しない場合(NO)、BB遊技状態が終了したか否かを判断する(S196)このステップ196では、例えばメダルの総払出枚数が所定枚数(例えば390枚)を超えたか否かにより、BB遊技状態が終了したか否かを判断する。S196において、メインCPU73は、BB遊技状態が終了したと判断する場合(YES)、BB作動中信号の出力を中止した後に(S195)、本サブルーチンを終了し、BB遊技状態が終了したと判断しない場合(NO)、本サブルーチンを終了する。
<メインCPUの制御による割込処理>
図47は、メインCPU73の制御による割込処理のサブルーチンを示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒毎に呼び出されて実行される。
最初に、メインCPU73は、レジスタの退避を行う(S200)。続いて、メインCPU73は、図48に示す入力ポートチェック処理を行う(S201)。この処理では、メインCPU73は、マイクロコンピュータ72へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU73は、スタートスイッチ57、ストップスイッチ等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU73は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路81に送信される。これにより、スタートレバー16やストップボタン17L,17C,17Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU73は、タイマ更新処理を行う(S202)。次に、メインCPU73は、通信データ送信処理を行う(S203)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドを副制御基板41の副制御回路81へ送信する。続いて、メインCPU73は、リール3L,3C,3Rの回転を制御する処理を行う(S204)。より詳細には、メインCPU73は、リール3L,3C,3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L,3C,3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L,3C,3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L,3C,3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU73は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(S205)。例えば、メインCPU73は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU73は、レジスタの復帰を行い(S206)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
<入力ポートチェック処理>
図48は、図47のS201の処理で呼び出される入力ポートチェック処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、各入力ポートの状態のチェックを行う(S210)。
次に、メインCPU73は、1割込み前の入力ポートの状態を格納し(S211)、現在の入力ポートの状態を格納する(S212)。1割込み前と現在の入力ポートの双方の状態を確認することで、入力ポートの状態に変化があったかをチェックする。これにより、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)等が押されたかを確認することができる。
次に、メインCPU73は、オンエッジの状態を格納する(S213)。ここで、オンエッジとは、ボタンが押されたままの状態である。なお、オンエッジからボタンが離された状態は、オフエッジである。
次に、メインCPU73は、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンであるか否かを判別する(S214)。打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンでないと判別した場合(NO)、メインCPU73は、S217に処理を移す。これに対して、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオンであると判別した場合(YES)、メインCPU73は、通信用乱数値更新処理を実行する(S215)。この通信用乱数値更新処理(S215)において、メインCPU73は、メインRAM75に格納されている通信用乱数値(初期乱数値)を変更(更新)する。これにより、打止解除スイッチ又はリセットスイッチがオン操作された場合に通信用乱数値(初期乱数値)が変更(更新)されることになる。
次に、メインCPU73は、同期化コマンドデータを生成し、これをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する(S216)。同期化コマンドデータには、S215において変更(更新)された通信用乱数値(初期乱数値(同期化初期値))が含まれる。
メインCPU73は、S217において、入力状態コマンドデータを生成し、生成された入力状態コマンドデータをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。この際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、入力状態コマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納された入力状態コマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。副制御回路81では、この入力状態コマンドを確認することにより、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)が押されたこと、あるいは離されたことを確認することができる。その結果、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打数をカウントすることが可能となる。
次に、メインCPU73は、図49に示すRT2遊技状態用カウンタ更新処理を行い(S218)、本サブルーチンを終了する。
<RT2遊技状態用入力カウンタ更新処理>
図49は、図48のS215の処理で呼び出されるRT2遊技状態用入力カウンタ更新処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、メインCPU73は、RT2遊技状態か否かを判断する(S220)。メインCPU73は、RT2遊技状態であると判断しない場合には(NO)、入力カウンタが1以上であるか否かを判断する(S221)。メインCPU73は、入力カウンタが1以上であると判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了する。
S221において、メインCPU73は、入力カウンタが1以上であると判断する場合には(YES)、入力カウンタをクリアにする。RT2遊技状態でない場合には、特殊識別信号を出力する状況では無いので、通常通り、入力カウンタが1以上で有れば、その入力カウントをクリアする。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
S220において、メインCPU73は、RT2遊技状態であると判断する場合には(YES)、リール回転中か否かを判断する(S223)。特殊識別信号を出力するか否かを判断するためのベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打要求はリール回転中に行われるため、S220の判断により、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打要求が終了しているタイミングか否かを判断することができる。
S223において、メインCPU73は、リール回転中であると判断しない場合には(NO)、特殊識別信号を出力するか否かを判断するためのベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の連打要求はなされないため(入力カウンタの更新は行われないため)、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU73は、リール回転中であると判断する場合には(YES)、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)が押されたか否かを判断する(S224)。
S224において、メインCPU73は、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)が押されたと判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU73は、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)が押されたと判断する場合には(YES)、入力カウンタを1加算し(S225)、入力カウンタが20であるか否かを判断する(S226)。
S226において、メインCPU73は、入力カウンタが20であると判断しない場合には(NO)、特殊識別信号を出力するための条件を満たしていないために、本サブルーチンを終了する。一方、メインCPU73は、入力カウンタが20であると判断する場合には(YES)、サブ側においてAT遊技状態に移行するための条件が満たされているため、特殊識別信号の出力要求を行う(S227)。
次に、メインCPU73は、入力カウンタをクリアし(S228)、本サブルーチンを終了する。
<通信データ送信処理>
図50は、図47のS203の処理で呼び出される通信データ送信処理のサブルーチンを示すフローチャートである。初めに、メインCPU73は、通信データ送信タイマを1減算し(S1061)、続いて、通信データ送信タイマは0であるか否かを判別する(S1062)。通信データ送信タイマが0である場合(YES)、メインCPU73は、S1063へ処理を移す。これに対して、S1062において、通信データ送信タイマが0でない場合(NO)、メインCPU73は、通信データ送信処理を終了し、図39に示すリール制御処理(S204)を行う。
S1063において、メインCPU73は、通信データ格納領域に未送信データがあるか否かを判別する。未送信データがある場合(YES)、メインCPU73は、S1065に処理を移し、未送信データがない場合(NO)、S1064に処理を移す。
S1064において、メインCPU73は、無操作コマンドデータを生成し、生成された無操作コマンドをメインRAM75の通信データ格納領域に格納する。すなわち、通信データ格納領域に未送信データがない場合、メインCPU73は、通信データ格納領域に無操作コマンドデータを格納する。これにより、通信データ格納領域に送信すべきコマンドデータが常に格納されている状態を生成するようになっている。具体的には、メインCPU73は、上述した入力ポートチェック処理(図40)において、メインRAM75に格納された操作状態を、無操作コマンドとして生成する。無操作コマンドとして生成された操作状態を表すデータは、後の通信データ送信処理において、無操作コマンドが送信される条件(入力状態コマンドが送信済となってクリアされた状態)が成立した場合に、主制御基板31(主制御回路71)から副制御基板41(副制御回路81)へ送信される。上述したように、入力状態コマンドは、演出に関連したコマンドデータであり、スイッチなどの操作に対応した演出についての操作対応コマンドを意味する。これに対して、入力状態コマンド等の操作対応コマンドが送信されない場合に送信されるコマンドが無操作コマンド(操作非対応コマンド)である。
因みに、無操作コマンドがメインRAM75の通信データ格納領域に格納される際、メインRAM75に格納されている通信用乱数値が1加算されて(例えば、それまでの通信用乱数値がNであった場合には、N+1になる)、メインRAM75の通信用乱数値が更新される。このように主制御回路71側で更新された通信用乱数値(第1の更新値)も、無操作コマンドデータに含まれて通信データ格納領域に格納される。通信データ格納領域に格納された無操作コマンドデータは、通信データ送信処理(図50)において主制御基板31から副制御基板41へ送信されることになる。
S1065において、メインCPU73は、通信データ送信タイマに初期値(14)をセットする。すなわち、上述のS1062において、通信データ送信タイマが0になっている状態であるので、メインCPU73は、S1065においてあらためて通信データ送信タイマに初期値(14)をセットする。これにより、次回の通信データ送信処理から、通信データ送信処理を行うごとに、順次、通信データ送信タイマが1ずつ減算処理されて行き、通信データを送信すべきタイミングを得ることができる。
メインCPU73は、S1065の処理の後、S1066において、通信データ格納領域に格納された通信データを送信する。この場合、通信データ格納領域には、それまでの主制御回路71における処理で通信データ格納領域に格納されたコマンドデータ(同期化コマンドデータ、初期化コマンドデータ、メダル投入コマンドデータ、スタートコマンドデータ、リール回転開始コマンドデータ、リール停止コマンドデータ、表示コマンドデータ、ボーナス開始コマンドデータ、ボーナス終了コマンドデータ、入力状態コマンドデータ、等)又は、送信すべきデータが無い場合には、上述のS1064において格納された無操作コマンドデータが格納されていることにより、何らかのコマンドデータが必ず送信されることになる。
S1066の処理の後、メインCPU73は、送信完了であるか否かを判別する(S1067)。送信完了でない場合(NO)、メインCPU73は、S1066の処理を繰り返す。これに対して、送信完了である場合(YES)、メインCPU73は、通信データ格納領域を更新した後(S1068)、通信データ送信処理を終了し、図47に示すリール制御処理(S204)の処理を行う。
このように、メインCPU73は、通信データ送信処理を実行することにより、通信データ送信タイマでカウントされる所定タイミングごとに、通信データ格納領域に格納されているコマンドデータを副制御回路71に送信する。
このように、主制御回路71から副制御回路81に対して、無操作コマンドデータを含む各種の正規のコマンドデータを送信することにより、正規のコマンドデータ以外の偽のコマンドデータを不正アクセスにより送信する余地を無くしていることにより、副制御回路81に対して主制御回路71の制御とは異なる内容の制御を行わせるといった不正行為を未然に防止することができる。本実施の形態においては、これに加えて、順次1加算される通信用乱数値を用いてコマンドデータの正当性を判別することにより、正規のコマンドデータに成り代わる不正を防止することができると共に、電源投入時に、通信用乱数値の初期値(同期化初期値)Nを変更することにより、不正の防止を一段と強化することができるようになっている。
[副制御処理]
副制御回路72のサブCPU82は、図51〜図68に示すフローチャートにしたがって各種のプログラムを実行する。
<電源投入時の処理>
図51は、電源投入時の処理の副制御回路72の動作を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、初期化処理を実行する(S230)。この処理では、サブCPU82は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、サウンド制御タスク、及びVSYNC(Vertical Synchronization)割込同期のタスクグループであるマザータスクを含む。
次に、サブCPU82は、図52に示すランプ制御タスクを起動する(S231)。ランプ制御タスクは、サブCPU82が、サブCPU82に対して2ミリ秒毎に送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU82は、図53に示すサウンド制御タスクを起動する(S232)。サウンド制御タスクは、サブCPU82が、スピーカ48L,48R,49L,49Rからの出音状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU82は、図54に示すマザータスクを起動し(S233)、処理を打ち切る。マザータスクは、VSYNC(垂直同期信号)割込同期のタスクグループであり、液晶表示装置10で1フレームの映像が表示されたときに液晶表示装置10から送られる垂直同期信号(VSYNC割込信号)を用いる。
<ランプ制御タスク>
図52は、ランプ制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、タイマ割込初期化処理を実行する(S240)。
次に、サブCPU82は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(S241)。
次に、サブCPU82は、タイマ割込み待ちを実行する(S242)。この処理では、サブCPU82が2ミリ秒毎にタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU82は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)が挙げられる。
次に、サブCPU82は、図53に示すサウンド制御タスクを実行する(S243)。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。実施例では、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、S243では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、S243では、図53に示すサウンド制御タスクのうち、S252及びS253の処理が行われる。
次に、サブCPU82は、ランプデータ解析処理を実行する(S244)。
次に、サブCPU82は、ランプ点灯制御処理を実行し(S245)、S242に処理を戻す。
<サウンド制御タスク>
図53は、サウンド制御タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、スピーカ48L,48R,49L,49Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(S250)。
次に、サブCPU82は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(S251)。
次に、サブCPU82は、サウンドデータの解析処理を実行する(S252)。
次に、サブCPU82は、サウンド演出実行処理を行い(S253)、S251に処理を戻す。
<マザータスク>
図54は、マザータスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、メインタスクの起動を実行する(S260)。
次に、サブCPU82は、主基板通信タスクの起動を実行する(S261)。
次に、サブCPU82は、アニメタスクを起動し(S262)、処理を打ち切る。
<メインタスク>
図55は、メインタスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、VSYNC割込初期化処理を実行する(S270)。
次に、サブCPU82は、VSYNC割込待ちを実行する(S271)。
次に、サブCPU82は、描画処理を実行し(S272)、S271に処理を戻す。
<主基板通信タスク>
図56は、主基板通信タスクを示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、通信メッセージキューの初期化を実行する(S1081)。
次に、サブCPU82は、受信コマンドのチェックを実行する(S1082)。
次に、サブCPU82は、同期化コマンドを受信したか否かを判別する(S1083)。同期化コマンドを受信していない場合(NO)、サブCPU82は、S1085に処理を移す。これに対して、S1083において同期化コマンドを受信している判別結果が得られた場合(YES)、サブCPU82は、受信したコマンドから通信用乱数値を取得し、これをサブRAM83に格納する。これにより、サブRAM83には、主基板31(主制御回路71)側で変更(更新)された通信用乱数値(初期乱数値)がサブRAM83に格納されることになる。
S1085において、サブCPU82は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する。
サブCPU82は、S1085の判断処理で前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには(NO)、上述のS1082へ処理を移す。これに対して、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには(YES)、受信データのBCCデータが正常であるか否かを誤り検出により判別する。
サブCPU82は、S1086の判断処理でBCCデータが正常でないと判別したときには(NO)、上述のS1082へ処理を移す。これに対して、BCCが正常であると判別したときには(NO)、セキュリティーレベルが「高」であるか否かを判別する(S1087)。
サブCPU82は、サブRAM83に格納されているセキュリティーレベルを参照することにより、設定されているセキュリティーレベルを判別する。セキュリティーレベルが「高」でないと判別した場合(NO)、サブCPU82は、S1093へ処理を移して、受信したコマンドから各種の遊技情報を作成し、格納する。遊技情報には、内部当籤役、遊技状態、設定値等がある。
そして、サブCPU82は、図57に示すコマンド解析処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S1095)。
一方、S1087において、セキュリティーレベルが「高」に設定されていると判別した場合(YES)、サブCPU82は、S1088へ処理を移して、副制御回路81に設けられた通信チェックカウンタ(図示せず)を初期化し、続いて、上述のS1084において、サブRAM83に格納した通信用乱数値を、所定の規則性に従って更新する(S1089)。例えば、初期乱数値NがサブRAM83に格納されていた場合には、N+1に更新する。これにより、セキュリティーレベルが「高」に設定されている場合には、前回とは異なる新たなコマンドを受信する毎に、サブRAM83に格納されている通信用乱数値が、初期乱数値NからN+1、N+2、……のように、副制御基板41(副制御回路81)側での主制御基板31(主制御回路71)とは独立した演算によって順次更新されて行く。
そして、サブCPU82は、S1090へ処理を移して、主制御基板31(主制御回路71)から受信したコマンドデータに含まれる通信用乱数値が、S1089において更新された通信用乱数値と一致するか否かを判別する。すなわち、主制御回路71から送信された通信用乱数値と、副制御回路81側で主制御回路71と同じ規則性に従って算出(更新)された通信用乱数値とが一致するか否かを判別する。
これらの通信用乱数値が一致する場合(YES)、サブCPU82は、S1094に処理を移して、受信したコマンドから遊技情報を作成し、格納する。これに対して、通信用乱数値が一致しない場合(NO)、サブCPU82は、S1092へ処理を移して、通信チェックカウンタを1加算し、続くS1092において、通信チェックカウンタが2になったか否かを判別する。
通信チェックカウンタが2になっていない場合(NO)、サブCPU82は、上述のS1089へ処理を移して、サブRAM83に格納されている通信用乱数値を更新する。これにより更新されたサブRAM83の通信用乱数値は、続くS1090において、受信されたコマンドデータに含まれる通信用乱数値と再度比較される。ここで一致する判別結果が得られると(YES)、このことは、通信用乱数値の不一致が1回発生したものの、サブRAM83の通信用乱数値(副制御回路81側で算出される通信用乱数値)の1回の更新(加算)によって、受信した通信用乱数値と、副制御回路81側で更新された通信用乱数値とが一致したことを意味しており、サブCPU82は、受信したコマンドが正規のコマンドであると判断して、S1094へ処理を移し、受信したコマンドから遊技情報を作成し、格納する。
これに対して、S1089において1回更新したものの、これに続くS1090において未だ受信した通信用乱数値とサブRAM83の副制御回路81側で更新された通信用乱数値とが一致しない場合(NO)、サブCPU82は、S1091へ処理を移して、さらに通信チェックカウンタを1加算する。そして、S1092において、通信チェックカウンタが2になったか否かを判別する。通信チェックカウンタが2になった場合(YES)、このことは、サブRAM83の通信用乱数値を2回更新したにも関わらず、受信したコマンドデータに含まれる通信用乱数値と、副制御回路81側で2回更新(加算)した通信用乱数値とが一致しないことを意味しており、サブCPU82は、S1093へ処理を移して、エラー要求処理を実行する。エラー要求処理とは、副制御回路81側でエラー表示を行う等の処理である。これにより、主制御回路71から副制御回路81へ送信されたコマンドデータが正常ではないことを表示することができる。
サブCPU82は、S282の判断処理で前回とは異なるコマンドを受信していないと判別したとき(NO)、又はS284を実行したときには、S281に処理を戻す。
なお、上述の実施の形態においては、副制御回路81において受信した主制御回路71からのコマンドデータに含まれる通信用乱数値と、副制御回路81側で2回更新(加算)した通信用乱数値とが一致しない場合にはじめてエラー要求処理を実行する場合について述べたが、エラー要求処理へ移行する際のきっかけとなる更新(加算)回数は2回に限られず、1回又は3回以上の種々の回数を用いることができる。エラー要求処理へ移行するきっかけとなる更新(加算)回数として大きな値が設定されているほど、本来検出すべきエラー状態(不正の発生等)以外の受信エラー等が不正の発生として頻繁に誤検出されることを防止することができる。これに対して、エラー要求処理へ移行するきっかけとなる更新(加算)回数として小さな値が設定されているほど、不正の可能性がある状態を確実にエラー状態と見なすことができるようになる。
因みに、エラー要求処理へ移行する際のきっかけとなる更新(加算)回数は、遊技店(ホール)側で任意に設定することができるようにしてもよい。この場合、例えば、図58において後述するアニメタスク処理(アニメタスク管理処理(S302))において、遊技店(ホール)側が各種設定を行うためのホールメニュー(図69において後述)を液晶表示装置10に表示させた場合に、当該ホールメニューに回数を選択及び設定するための項目が表示されるようにすればよい。遊技店(ホール)側で任意に設定可能とすることにより、例えば、スムーズな遊技(中断されない遊技)を提供することを重要と考える遊技店(ホール)においては、エラー要求処理に移行するきっかけとなる回数をより大きな値に設定し、これに対して、不正の防止を優先する遊技店(ホール)においては、当該回数をより小さな値に設定することができ、これにより、遊技店(ホール)の意識に合致した設定を行うことが可能となる。なお、更新(加算)回数の選択及び設定方法としては、ホールメニューにおいて選択及び設定し得る項目を表示する方法に限らず、例えば、キャビネット2a内に専用のスイッチを設けたり、リセットスイッチ等の他のスイッチを代用したりする等、他の種々の方法を用いることができる。
<コマンド解析処理>
図57は、コマンド解析処理を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、演出内容決定処理を実行する(S290)。
次に、サブCPU82は、ランプデータ決定処理を実行する(S291)。
次に、サブCPU82は、サウンドデータ決定処理を実行する(S292)。
次に、サブCPU82は、決定された各データを制御用データに変換し(S293)、本サブルーチンを終了する。
<アニメタスク>
図58は、アニメタスクを示すフローチャートである。
初めに、サブCPU82は、前回の遊技情報との変化をチェックする(ステップS300)。具体的には、サブCPU82は、割込み処理(図47)によって更新された現在の遊技情報が、前回までの割込み処理においてサブRAM83に登録されている遊技情報とは異なる遊技情報となっているか否かをチェックする。
続いて、サブCPU82は、オブジェクト制御処理を実行する(ステップS301)。具体的には、上述のステップS300において、遊技状態が変化しているチェック結果が得られた場合に、サブCPU82は、当該遊技状態の変化に応じた画像の制御を行う。
続いて、サブCPU82は、アニメタスク管理処理を実行する(ステップS302)。具体的には、パチスロ1のキャビネット2a内に設けられている設定変更スイッチがオン状態のときに電源が投入されると、その旨を表す初期化コマンドが、通信データ送信処理(図50)において主制御回路71から副制御回路81へ送信されることにより、サブCPU82は、アニメタスク管理処理(ステップS302)において、当該初期化コマンドに応じたホールメニュータスクの実行要求を行う。これにより、初期化コマンドを受信すると、液晶表示装置10には、図69に示すようなホールメニューが表示される。
図69に示すように、ホールメニューには、「セキュリティレベル設定」、「時刻設定」、「ドア開閉履歴表示」などの選択用のメニューが表示される。サブCPU82は、選択ボタン9aや決定ボタン9bの操作結果に応じたガイドメニューの実行要求を行う。これにより、選択されたガイドメニューが液晶表示装置10に表示される。例えば、図69に示す「セキュリティレベル設定」が選択されると、図70に示すような、セキュリティレベル設定用のガイドメニューが液晶表示装置10に表示される。
なお、本実施の形態の場合、パチスロ機1の電源投入時の初期化処理において、設定変更スイッチが操作されたて初期化コマンドが主制御回路71から副制御回路81へ送信された場合に、ホールメニューが液晶表示装置10に表示されるようになっているが、これに限られるものではなく、例えば、設定用鍵型スイッチ32が操作されたときに初期化コマンドを主制御回路71から副制御回路81へ送信して、ホールメニューを表示させるようにしてもよい。このように初期化コマンドは、設定変更や設定変更を伴わない設定確認といった作業が行われる状況を副制御回路81へ伝えるコマンドとして用いられ、副制御回路81では、初期化コマンドに応じてホールメニューを表示させることにより、ホールメニューの表示が必要な状況において、適確にこれを表示させることが可能となっている。
最初に、サブCPU82は、前回の遊技情報との変化をチェックする(S300)。
次に、サブCPU82は、オブジェクト制御処理を実行する(S301)。
次に、サブCPU82は、アニメタスク管理処理を実行し(S302)、S300に処理を戻す。
<演出内容決定処理>
図59は、演出内容決定処理を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、初期化コマンド受信時であるか否かを判断する(S310)。例えば、メインCPU73は、初期化コマンドとして、設定値変更の有無や設定値の情報を送信する。サブCPU82は、S311の処理で、これらを初期化コマンドとして受信する。
サブCPU82は、310の判断処理で初期化コマンド受信時であると判別したときには(YES)、初期化コマンド受信時処理を実行し(S311)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、S310の判断処理で初期化コマンド受信時でないと判別したときには(NO)、メダル投入コマンド受信時であるか否かを判断する(S312)。
サブCPU82は、S312の判断処理でメダル投入コマンド受信時であると判別したときには(YES)、メダル投入コマンド受信時処理を実行し(S313)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、メダル投入コマンドとして、メダル投入の有無、投入枚数カウンタ・クレジットカウンタの値を送信する。サブCPU82は、S313の処理で、これらをメダル投入コマンドとして受信する。
サブCPU82は、S312の判断処理でメダル投入コマンド受信時でないと判別したときには(NO)、スタートコマンド受信時であるか否かを判断する(S314)。
サブCPU82は、S314の判断処理でスタートコマンド受信時であると判別したときには(YES)、図60に示すスタートコマンド受信時処理を呼び出して実行し(S315)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、スタートコマンドとして、遊技状態フラグの種別、ボーナス終了枚数カウンタの値、内部当籤役の種別を送信する。サブCPU82は、S315の処理で、これらをスタートコマンドとして受信する。
サブCPU82は、S314の判断処理でスタートコマンド受信時でないと判別したときには(NO)、リール回転開始コマンド受信時であるか否かを判断する(S316)。
サブCPU82は、S316の判断処理でリール回転開始コマンド受信時であると判別したときには(YES)、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(S317)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、リール回転開始コマンドとして、リールの回転が開始された旨を送信する。サブCPU82は、S317の処理で、これをリール回転開始コマンドとして受信する。
サブCPU82は、S316の判断処理でリール回転開始コマンド受信時でないと判別したときには(NO)、リール停止コマンド受信時であるか否かを判断する(S318)。
サブCPU82は、S318の判断処理でリール停止コマンド受信時であると判別したときには(YES)、図64に示すリール停止コマンド受信時処理を実行し(S319)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、リール停止コマンドとして、停止リールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)を送信する。サブCPU82は、S319の処理で、これらをリール停止コマンドとして受信する。
サブCPU82は、S318の判断処理でリール停止コマンド受信時でないと判別したときには(NO)、表示コマンド受信時であるか否かを判断する(S320)。
サブCPU82は、S320の判断処理で表示コマンド受信時であると判別したときには(YES)、図65に示す表示コマンド受信時処理を実行し(S321)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、表示コマンドとして、表示役等を送信する。サブCPU82は、S321の処理で、これらを表示コマンドとして受信する。
サブCPU82は、S320の判断処理で表示コマンド受信時でないと判別したときには(NO)、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判断する(S322)。
サブCPU82は、S322の判断処理でボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには(YES)、図67に示すボーナス開始コマンド受信時処理を実行し(S323)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、ボーナス開始コマンドとして、ボーナスが開始された旨を送信する。サブCPU82は、S323の処理で、これをボーナス開始コマンドとして受信する。
サブCPU82は、S322の判断処理でボーナス開始コマンド受信時でないと判別したときには(NO)、ボーナス終了コマンド受信時であるか判断する(S324)。
サブCPU82は、S324の判断処理でボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには(YES)、ボーナス終了コマンド受信時処理を実行し(S325)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、ボーナス終了コマンドとして、ボーナスが終了した旨を送信する。サブCPU82は、S325の処理で、これをボーナス終了コマンドとして受信する。
サブCPU82は、S324の判断処理でボーナス終了コマンド受信時でないと判別したときには(NO)、入力状態コマンド受信時であるか判断する(S326)。
サブCPU82は、S326の判断処理で入力状態コマンド受信時であると判別したときには(YES)、図68に示す入力状態コマンド受信時処理を実行し(S327)、本サブルーチンを終了する。例えば、メインCPU73は、入力状態コマンドとして、各操作部がオンエッジ状態であるか、オフエッジ状態であるかを送信する。サブCPU82は、S327の処理で、これらを入力状態コマンドとして受信する。
サブCPU82は、S326の判断処理で入力状態コマンド受信時でないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。
<スタートコマンド受信時処理>
図60は、スタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、RB1又はRB2作動中か否かを判断する(S330)。サブCPU82は、RB1又はRB2作動中であると判断した場合には(YES)、RB中演出データを決定し(S331)、本サブルーチンを終了する。
S330において、サブCPU82は、RB1又はRB2作動中であると判断しない場合には(NO)、BB作動中か否かを判断する(S332)。サブCPU82は、BB作動中であると判断しない場合には(NO)、非ボーナス遊技状態であると判断できるため、S342に処理を移す。
S332において、サブCPU82は、BB作動中であると判断する場合には(YES)、サブCPU82は、当籤番号が0か否か、すなわちハズレであるか否かを判断する(S333)。
S333において、サブCPU82は、当籤番号が0(ハズレ)であると判断する場合には(YES)、ARTセット数カウンタに5を加算する(S334)。すなわち、サブCPU82は、BB作動中の単位遊技においてハズレを引いた場合には、ART遊技を5セット上乗せする。
次に、サブCPU82は、ART当籤用演出データを決定し(S335)、本サブルーチンを終了する。このART当籤用演出データにより、ART抽籤に当籤したことが遊技者に対して報知あるいは示唆することが可能となる。
一方、サブCPU82は、当籤番号が0(ハズレ)であると判断しない場合には(NO)、当籤番号が2〜13であるか否かを判断する(S336)。ここで、当籤番号2〜13は小役4〜15の単独当籤に対応しており、これらの小役4〜15は、左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rのいずれもが7図柄が三択となる15枚役(メダル投入枚数が2枚時)である。
サブCPU82は、当籤番号が2〜13(小役4〜15)であると判断する場合には(YES)、図26に示すBB作動中用報知抽籤テーブルを参照し、設定値に基づいて報知の有無を決定する(S337)。この処理において報知とは、内部当籤役である小役4〜15を入賞させるための各リール3L,3C,3Rの7図柄をナビすることである。これにより、遊技者は、内部当籤した小役4〜15を目押しにより入賞させることが可能となる。ここで、図66を参照して後述するように、BB作動中の単位遊技において小役4〜15が入賞した場合には、ARTセット数が1セット加算される。したがって、報知抽籤に当籤した場合には、ナビされた7図柄を各リール3L,3C,3Rに停止させることにより、ART遊技を1セット獲得することができる。
次に、サブCPU82は、報知を行うか否か、すなわちS337において報知抽籤に当籤したか否かを判断する(S338)。サブCPU82は、報知を行うと判断した場合には(YES)、当籤番号に応じてBB作動中用報知演出データを決定する(S339)。すなわち、当籤番号に対応する表示役の7図柄の組合せに関するデータを決定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
一方、サブCPU82は、S338において報知を行わない決定したと判断した場合には(NO)、BB作動中用チャンス演出デーブルを決定し(S340)、本サブルーチンを終了する。ここで、BB作動中用チャンス演出とは、例えば各リール3L,3C,3Rにおける7図柄のナビを1つ又は2つのリール3L,3C,3Rについて行うこと、あるいは小役4〜15に内部当籤しているためにARTセット数が加算される可能性があることを報知する演出である。
S336において、サブCPU82は、当籤番号が2〜13(小役4〜15)であると判断しない場合には(NO)、BB作動中演出データを決定し(S341)、本サブルーチンを終了する。
S332において、サブCPU82は、BB作動中であると判断しない場合には(NO)、非ボーナス遊技状態であると判断できるため、ART中フラグがオンであるか否かを判断する(S342)。
サブCPU82は、ART中フラグがオンであると判断した場合には(YES)、図61に示すART中処理を実行し(S343)、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU82は、ART中フラグがオンであると判断しない場合には(NO)、図63に示す通常時処理を実行し(S344)、本サブルーチンを終了する。
<ART中処理>
図61は、ART中処理を示すフローチャートである。
最初に、サブCPU82は、内部当籤役にBB、RB1又はRB2(ボーナス)が含まれるか否かを判断する(S350)。サブCPU82は、内部当籤役にボーナスが含まれると判断した場合には(YES)、ART中ボーナス内部当り処理を行い(S351)、本サブルーチンを終了する。このART中ボーナス内部当り処理では、例えばARTセット数カウンタの値を保持し、ボーナス内部当たりを報知する。なお、ARTゲーム数カウンタの値を保持し、ボーナス内部当たり時に残ったARTゲーム数をボーナス終了後に消化させるようにしてもよい。
S350において、サブCPU82は、内部当籤役にボーナスが含まれると判断しない場合には(NO)、ART開始時フラグがオンか否かを判断する(S352)。サブCPU82は、ART開始時フラグがオンであると判断しない場合には(NO)、S357に処理を移す。
S352において、サブCPU82は、ART開始時フラグがオンであると判断する場合には(YES)、図27に示したART開始時ゲーム数抽籤テーブルを参照し、設定値に基づいてARTゲーム数を決定し(S353)、決定されたARTゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算する(S354)。
次に、サブCPU82は、決定されたARTゲーム数に応じたART開始時演出データを決定し(S355)、ART開始時フラグをオフにする(S356)。この処理が終了した場合、又はS352においてART開始時フラグがオンであると判断しない場合には(NO)、ART継続用演出データを決定する(S357)。この処理では、小役1〜15の正解位置が報知される。これにより、遊技者は、報知図柄を目押しすることにより、内部当籤役を入賞させることができる。
次に、サブCPU82は、ART上乗せゾーンフラグがオンか否かを判断する(S358)。このART上乗せゾーン移行フラグは、ART中の単位遊技によって行われる抽籤に当籤することよって成立するものであり、ART上乗せゾーンに移行している間もオンとなっており、ART上乗せゾーンが終了したときにオフされる。
S358において、サブCPU82は、ART上乗せゾーンフラグであると判断した場合には(YES)、図62(a)を参照して後述するARTセット数上乗せ抽籤処理(S359)を行った後にS362に処理を移す。一方、S358において、サブCPU82は、ART上乗せゾーンフラグであると判断しない場合には(NO)、ARTゲーム数カウンタが13以上であるか否かを判断する(S360)。この処理において、ARTの残りゲーム数が、ART上乗せゾーンの10ゲームとART上乗せゾーンに移行させる前の演出準備ゾーンの3ゲームを行えるだけのARTゲーム数が残っているか否かが判断される。
S360において、サブCPU82は、ARTゲーム数カウンタが13以上であると判断された場合には(YES)、図62(b)を参照して後述する押し順報知抽籤処理を行う(S361)。一方、ARTゲーム数カウンタが13以上であると判断されない場合には(NO)、S362に処理を移す。
S359の処理又はS361の処理が終了した場合、あるいはS360においてサブCPU82がARTゲーム数カウンタが13以上であると判断しない場合には(NO)、ARTゲーム数カウンタを1減算し(S362)、ARTセット数カウンタが0か否かを判断する(S363)。
次に、サブCPU82は、ARTセット数カウンタが1以上か否か、ARTのストックが有るか否かを判断する(S364)。
サブCPU82は、ARTセット数カウンタが1以上であると判断しない場合には(NO)、ARTのストックがないと判断できるため、ART中フラグをオフにし(S365)、本サブルーチンを終了する。
サブCPU82は、ARTセット数カウンタが1以上であると判断する場合には(YES)、ART開始時フラグをオンにした後に(S366)、ARTセット数カウンタを1減算し(S367)、本サブルーチンを終了する。
<ARTセット数上乗せ抽籤処理>
図62(a)は、図52のS359で呼び出されるARTセット数上乗せ抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、図22に示したメイン側演出抽籤テーブルの演出番号を受信したか否かを判断する(S370)。
サブCPU82は、演出番号を受信したと判断した場合には(YES)、ART上乗せゾーンであると判断できるため、図28(b)に示したART中セット数上乗せ抽籤テーブルを参照し、受信した演出番号に基づいてセット数加算値を決定する(S371)。ここで、図22に規定されたメイン側演出抽籤テーブルの演出は、リール3L,3C,3Rのフリーズその他のアクションに関するものであり、リール3L,3C,3Rの停止操作が有効化される前に行われるものである。
次に、サブCPU82は、決定されたセット数加算値をARTセット数カウンタに加算するとともに(S372)、決定されたセット数加算値に応じた演出データを決定し(S373)、本サブルーチンを終了する。
一方、S370において、サブCPU82は、演出番号を受信したと判断しない場合には(NO)、ART上乗せゾーンフラグをオフにして(S374)、本サブルーチンを終了する。ここで、ART上乗せゾーンフラグは、図61に示したART中処理のS358において確認されるものであり、ARTセット数上乗せ抽籤処理に移行させるか否かの判断基準となるものである。すなわち、サブCPU82は、S370において演出番号を受信したと判断しない場合には(NO)、ART上乗せゾーンの規定ゲーム数である10Gが終了したために、メイン側から演出番号が送信されなくなったと判断できるため、ART上乗せゾーンフラグをオフにして(S374)、本サブルーチン(ARTセット数上乗せ抽籤処理)を終了する。
パチスロ機1によれば、上乗せ抽籤ゾーンにおいて、メイン側で選択された演出番号(図22参照)に基づいて、ART遊技状態のセット数を加算するための抽籤が行われる。そのため、上乗せ抽籤の結果は、演出番号(図22参照)に対応する演出の種別の影響を受けることとなる。その結果、上乗せ抽籤の結果(例えば特定の小役との重複当籤)に従ってリール3L,3C,3Rを制御する従来の遊技機に場合とは異なり、パチスロ機1では先にリール3L,3C,3Rの演出が決定されるために、停止表示される図柄の組合せ、あるいは図柄の組合せが表示される過程において、上乗せ抽籤の結果を把握するのが困難となるため、遊技の興趣の低下を防止することができる。
さらに、リール3L,3C,3Rによる演出を行うことで、液晶表示装置10等のサブ側の演出手段のみで演出を行う場合に比べて演出を多様化させることができるため、遊技の興趣をさらに向上させることができる。特に、リール3L,3C,3Rによる演出を、上乗せ抽籤ゾーンにおいて行うようにすれば、上乗せ抽籤の結果に対する期待感や緊張感をさらに高めることができるため、この点においても遊技の興趣が向上する。また、主制御回路71による演出と、副制御回路72による演出とを1回の単位遊技において複合させることができるため、演出を多様化させ、遊技の興趣をさらに向上させることができる。
また、リール3L,3C,3Rによる演出が、リール3L,3C,3Rの停止操作が有効化される前(リール3L,3C,3Rが通常変動表示(正常順回転)されるまでの間)に行うようにすれば、ストップボタン17L,17C,17Rを操作する前にリール3L,3C,3Rによる演出を確認することによって、ストップボタン17L,17C,17Rを操作するときの期待感や緊張感をさらに高め、液晶表示装置10等による演出への期待感や緊張感をさらに高めることができるため、遊技の興趣が向上する。
さらに、本実施の形態においては、主制御回路71側で決定された演出番号が、スタートコマンドとして副制御回路81側に送信され、このコマンドデータには、コマンドデータの送信毎に1加算された通信用乱数値(N+1、N+2、……)が含まれる。これにより、副制御回路81では、受信されたコマンドデータに含まれる通信用乱数値と、副制御回路81で算出された通信用乱数値とが一致するか否かに応じて、コマンドデータが正常に受信されているか否かを判断することができる。これにより、例えば、不正行為によって、遊技者に有利となる演出番号が含まれる正規でないコマンドデータが正規のコマンドデータになりすまして副制御回路81側に送信された場合に、これを副制御回路81側で認識することができる。これにより不正行為を防止することができる。
<押し順報知抽籤処理>
図62(b)は、図61のS361で呼び出される押し順報知抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、押し順判定テーブル番号が0か否かを判断する(S375)。サブCPU82は、押し順判定テーブル番号が0である判断する場合には(YES)、本サブルーチンを終了し、押し順判定テーブル番号が0である判断しない場合には(NO)、演出準備カウンタが0か否かを判断する(S376)。
サブCPU82は、演出準備カウンタが0であると判断しない場合には(NO)、S380に処理を移し、演出準備カウンタが0であると判断する場合には(YES)、押し順報知抽籤テーブル(図示略)を参照し、設定値に基づいて報知の有無を決定する(S377)。
次に、サブCPU82は、押し順の報知を行う決定がなされたか否かを判断する(S378)。サブCPU82は、押し順の報知を行う決定がなされなかったと判断した場合には(NO)、本サブルーチンを終了し、押し順の報知を行う決定がなされたと判断した場合には(YES)、押し順報知フラグをオンにする(S379)。この処理により、ART上乗せゾーンに移行させる前の演出準備ゾーンにおいて、ストップボタン17L,17C,17Rの押し順(第1停止)が報知されるようになる。そのため、遊技者は、報知された押し順(第1停止)でストップボタン17L,17C,17Rを操作することを3回行うことにより、ART上乗せゾーンに移行させることができるようになる。
S379の処理が終了した場合、又はS376において演出準備カウンタが0であると判断しない場合には(NO)、サブCPU82は押し順報知フラグがオンか否かを判断する(S380)。
サブCPU82は、押し順報知フラグがオンであると判断する場合には(YES)、図23に示す押し順判定テーブル番号と演出準備カウンタ値とに応じた押し順報知データを決定する(S381)。この処理が終了した場合、又は押し順報知フラグがオンであると判断しない場合には(NO)、サブCPU82は、本サブルーチンを終了する。
パチスロ遊技機1では、押し順報知フラグがオンされて押し順の報知がなされるため、上乗せ抽籤ゾーンに移行するタイミングを遊技者が容易に把握することができる。そのため、液晶表示装置10等によって報知されるリール3L,3C,3Rの停止順序に従ってストップボタン17L,17C,17Rを操作するときに、期待感や緊張感をさらに高めることができるため、遊技の興趣が向上する。また、上乗せ抽籤ゾーンへの移行を、遊技者によるストップボタン17L,17C,17Rに委ねることにより、遊技者が自ら上乗せ抽籤ゾーンへ移行させたという実感や満足感を与えることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、主制御回路71側で決定された押し順判定テーブルが、スタートコマンドとして副制御回路81側に送信され、このコマンドデータには、コマンドデータの送信毎に1加算された通信用乱数値(N+1、N+2、……)が含まれる。これにより、副制御回路81では、受信されたコマンドデータに含まれる通信用乱数値と、副制御回路81で算出された通信用乱数値とが一致するか否かに応じて、コマンドデータが正常に受信されているか否かを判断することができる。これにより、例えば、不正行為によって、遊技者に有利となる(押し順報知が行われる)押し順判定テーブルが含まれる正規でないコマンドデータが正規のコマンドデータになりすまして副制御回路81側に送信された場合、これを副制御回路81側で認識することができる。これにより不正行為を防止することができる。
<通常時処理>
図63は、通常時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、内部当籤役にBB、RB1、又はRB2(ボーナス)が含まれるか否かを判断する(S390)。サブCPU82は、内部当籤役にボーナスが含まれると判断する場合には(YES)、通常中ボーナス内部当たり処理を行う(S391)。通常中ボーナス内部当たり処理では、例えばARTセット数カウンタの値が保持され、ボーナス内部当たりが報知される。
S390において、サブCPU82は、内部当籤役にボーナスが含まれると判断しない場合には(NO)、ARTセット数カウンタが1以上か否かを判断する(S392)。すなわち、ARTのストックがあるか否かを判断する。
サブCPU82は、ARTセット数カウンタが1以上であると判断する場合には(YES)、当籤番号に応じたART移行用演出データを決定し(S393)、本サブルーチンを終了する。サブCPU82は、ARTセット数カウンタが1以上であると判断しない場合には(NO)、当籤番号に応じた通常時演出データ(例えば少なくとも小役1〜3とリプレイ2〜4の正解7図柄の報知)を決定し(S394)、本サブルーチンを終了する。
<リール停止コマンド受信時処理>
図64は、リール停止コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、押し順報知フラグがオンか否かを判断する(S400)。サブCPU82は、押し順報知フラグがオンであると判断しない場合には(NO)、ART上乗せゾーンへの演出準備中ではないと判断できるため、本サブルーチンを終了する。一方、サブCPU82は、押し順報知フラグがオンであると判断する場合には(YES)、演出準備カウンタが0か否かを判断する(S401)。演出準備カウンタは、リール停止コマンドとしてメイン側から送信されてくるコマンドにしたがって確認される。
サブCPU82は、演出準備カウンタが0であると判断した場合には(YES)、押し順報知フラグをオフにして(S404)、本サブルーチンを終了する。S400において演出準備カウンタが0であると判断される場合(NO)、ストップボタン17L,17C,17Rの操作順序(押し順)に誤りがあると判断できるため、ペナルティとして押し順報知フラグをオフにして押し順報知を終了する。
S401において、サブCPU82は、演出準備カウンタが0であると判断しない場合には(NO)、演出準備カウンタが3であるか否かを判断する(S402)。演出準備カウンタが3であると判断されない場合には(NO)、演出準備カウンタが1又は2であると判断できるため、ART上乗せゾーンフラグをオンにすることなく、また押し順報知フラグをオフにすることもなく、本サブルーチンを終了する。
一方、サブCPU82は、演出準備カウンタが3であると判断する場合には(YES)、報知された押し順との一致が3ゲームであると判断できるため、ART上乗せゾーンフラグをオンにする(S403)。
S403の処理が終了し、又はS401において演出準備カウンタが0であると判断された場合には(YES)、押し順報知フラグをオフにして押し順報知を終了する。
<表示コマンド受信時処理>
図65は、表示コマンド受信時処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、BB作動中か否かを判断する(S410)。サブCPU82は、BB作動中であると判断する場合には(YES)、図66に示すBB作動中用表示時処理(S411)。サブCPU82は、BB作動中であると判断しない場合には(NO)、ART中フラグがオンか否かを判断する(S412)。
サブCPU82は、ART中フラグがオンであると判断する場合には(YES)、RT移行図柄が表示されたか否かを判断する(S413)。すなわち、メイン側でのRT2遊技状態からRT1遊技状態に降格するRT移行図柄(「リプレイ−ベル−ベル」)が表示されたか否かを判断する(図9参照)。ここで、RT2遊技状態からRT1遊技状態への降格は、実質的にART遊技状態の終了を意味している。
サブCPU82は、RT移行図柄が表示されたと判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了し、RT移行図柄が表示されたと判断する場合には(YES)、ARTゲーム数カウンタを0に更新する(S414)。すなわち、ART中に三択リプレイの7図柄が報知されているにも関わらず、7図柄の報知に従わずにRT移行図柄(「リプレイ−ベル−ベル」)が表示された場合には、ペナルティとしてそのARTセットを終了する。
次に、サブCPU82は、ARTセット数カウンタは1以上か否かを判断する(S415)。
サブCPU82は、ARTセット数カウンタは1以上であると判断する場合には(YES)、本サブルーチンを終了し、ARTセット数カウンタは1以上であると判断しない場合には(NO)、ART中フラグをオフしてから(S416)、本サブルーチンを終了する。
S412において、サブCPU82は、ART中フラグがオンであると判断しない場合には(NO)、リプレイ2〜4が表示されたかを判断する(S417)。ここで、リプレイ2〜4は、RT1遊技状態からRT2遊技状態への昇格リプレイである。すなわち、S412では、RT1遊技状態からRT2遊技状態への移行を行うか否かが判断される。
サブCPU82は、リプレイ2〜4が表示されたと判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了し、リプレイ2〜4が表示されたと判断する場合には(YES)、ARTセット数カウンタが1以上か判断する(S418)。すなわち、ARTのストックがあるか否かを判断し、サブ側でAT遊技に移行することができる条件を満たしているか否かが判断される。
サブCPU82は、ARTセット数カウンタが1以上であると判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了し、ARTセット数カウンタが1以上であると判断する場合には(YES)、ART中フラグをオンにする(S419)。
次に、サブCPU82は、ART開始時フラグをオンにし(S420)、ARTセット数カウンタを1減算した後に(S421)、本サブルーチンを終了する。
<BB作動中用表示時処理>
図66は、BB作動中用表示時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、小役4〜15に入賞したか否かを判断する(S430)。サブCPU82は、小役4〜15に入賞したと判断する場合には(YES)、ARTセット数カウンタに1加算する(S431)。すなわち、BB作動中では、その単位遊技において小役4〜15に入賞することを条件に、ARTに1セットが加算される。この処理が終了した場合、又はS430において小役4〜15に入賞したと判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを収容する。
<ボーナス開始コマンド受信時時処理>
図67は、ボーナス開始コマンド受信時時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、RB1又はRB2開始か否かを判断する(S440)。サブCPU82は、RB1又はRB2開始であると判断しない場合には(NO)、本サブルーチンを終了し、RB1又はRB2開始であると判断する場合には(YES)、図24に示すRB作動時用モード移行抽籤テーブルを参照し、設定値に基づいて高確率又は低確率からモードを決定する(S441)。
次に、サブCPU82は、決定されたモードに応じたRB作動時用ART抽籤テーブル(図25(a)及び図25(b))を参照し、セット数加算値を決定する(S442)。
次に、サブCPU82は、決定されたセット数加算値をARTセット数カウンタに加算し(S443)、本サブルーチンを終了する。
<入力状態コマンド受信時時処理>
サブCPU82は、図68は、入力状態コマンド受信時時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU82は、図29に例示したART開始時演出データ決定されているか否かを判断する(S460)。
サブCPU82は、ART開始時演出データが決定されていると判断した場合には(YES)、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の操作回数に応じた演出データを決定する(S461)。例えば、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の操作回数が20回に満たない場合には、液晶表示装置10において「?ゲーム」を表示する演出を行う。また、ベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の操作回数が20回に達している場合には、ARTゲーム数に応じて、液晶表示装置10において「50ゲーム!!」あるいは「50ゲーム!!まだまだ!!」を表示する演出を行う。同様に、ARTゲーム数とベットボタン(MAXBETボタン12,1BETボタン14)の操作回数に応じて、「100ゲーム!!」、「100ゲーム!!まだまだ!!」、あるいは「150ゲーム!!」を表示する演出を行う。
サブCPU82は、S460においてART開始時演出データが決定されていると判断しない場合には(NO)、又はS461の処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
<他の実施の形態>
なお、上述の実施の形態においては、主制御基板31(主制御回路71)において、メダル投入コマンドデータ、スタートコマンドデータ等のコマンドデータを生成してメインRAM75の通信データ格納領域に格納する際に、通信用乱数値を1加算し、この加算された結果によってメインRAM75の通信用乱数値を更新すると共に、この加算された結果(通信用乱数値)をコマンドデータに含めて通信データ格納領域に格納する場合について述べたが、これに限られるものではなく、通信データ送信処理(図50)において、メインRAM75の通信用乱数値を1加算するようにしてもよく、要は、コマンドデータを主制御回路71から副制御回路81へ送信する際に、メインRAM75内の通信用乱数値及び副制御回路81へ送信されるコマンドデータに含まれる通信用乱数値が1加算されるようにすればよい。