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JP5977622B2 - 温度設定値制御装置および温度設定値制御方法 - Google Patents

温度設定値制御装置および温度設定値制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、空調システムにおける熱源の温度設定値制御装置および温度設定値制御方法に関するものである。
従来より、冷温水を熱媒体とする空調制御システムでは、熱源機器で冷温水を生成し、この熱源機器で生成した冷温水をポンプを介して負荷機器に送るようにしている。
このような空調制御システムでは、熱源機から負荷機器への冷温水の送水温度の設定次第で、冷凍機や熱源機の使用エネルギー量が変化する。例えば、熱源機を冷凍機とした場合、送水温度の設定が低ければ、冷凍機の使用エネルギー量が上がる分、ポンプの使用エネルギー量が下がる。送水温度の設定が高ければ、冷凍機の使用エネルギー量が下がる分、ポンプの使用エネルギー量は上がる。すなわち、冷凍機とポンプの使用エネルギー量がトレードオフになる。熱源機器を温熱機とした場合でも同じことが言える。
そこで、熱源機器の使用エネルギー量とポンプの使用エネルギー量の合計を算出し、この値が最小となるよう送水温度を設定することにより省エネルギー化を図ることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
例えば、特許文献1では、送水温度、還水温度、冷温水の流量などの現在の負荷状況に関連する各種パラメータの値を収集し、この収集したパラメータの値を予め定められている関数モデルに代入することによって現在の熱源機器とポンプの合計使用エネルギー量を算出し、この算出に用いた関数モデルにおいて送水温度を少しずつ変えて行くことによって、熱源機器とポンプの合計使用エネルギー量が最小となる送水温度を求め、この送水温度を現在の最適送水温度として決定するようにしている。また、引用文献2では、熱源機器の使用エネルギー量、ポンプの使用エネルギー量、熱源機器からの冷温水の送水温度、外気温度などの関連パラメータの実績値を3次元空間または4次元空間にプロットし、RSM−S(Response Surface Method by Spline)技術により応答曲面モデル作成し、この応答曲面モデルにより現在の最適送水温度を決定するようにしている。
特開2003−262384号公報 特開2010−236786号公報
しかしながら、上述した方法は何れも複雑な演算が必要となるので高性能の演算装置を用いなければならず、このような演算装置が一般的に高価であるので、その演算装置を備えた温度設定値制御装置の低コスト化を実現することが困難であった。このため、低コストで省エネルギー化を実現できる温度設定値制御装置が望まれていた。
そこで、本発明は、低コストで省エネルギーを実現することができる温度設定値制御装置および温度設定値制御方法を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る温度設定値制御装置は、熱媒体に熱を付加する熱源機と、この熱源機から供給される熱媒体と周囲の空気との間で熱交換を行い、この熱交換された空気を給気として供給する負荷機器と、熱源機と負荷機器との間を循環する熱媒体に圧力を付加するポンプとを備えた空調システムにおいて、熱源機から供給される熱媒体の温度設定値制御装置であって、給気の温度を取得する温度取得部と、熱媒体の流量目標値を取得する流量取得部と、流量取得部により取得された流量目標値と、熱源機から供給される熱媒体の温度と給気の温度との温度差と熱媒体の流量の関係とに基づいて、熱媒体の温度と給気の温度との温度差を取得する温度差取得部と、温度取得部により取得された給気の温度に、温度差取得部により取得された温度差を付加することにより熱媒体の温度の目標値を設定する温度設定部とを備えることを特徴とするものである。
上記温度設定値制御装置において、負荷機器は、複数設けられ、温度設定部は、複数の負荷機器における給気の温度に基づいて熱媒体の温度を設定とするようにしてもよい。ここで、その給気温度としては、複数の負荷機器の平均値や複数の負荷機器のうちの最小値などを用いるようにしてもよい。
また、本発明に係る温度設定値制御方法は、熱媒体に熱を付加する熱源機と、この熱源機から供給される熱媒体と周囲の空気との間で熱交換を行い、この熱交換された空気を給気として供給する負荷機器と、熱源機と負荷機器との間を循環する熱媒体に圧力を付加するポンプとを備えた空調システムにおいて、熱源機から供給される熱媒体の温度設定値制御方法であって、給気の温度を取得する温度取得ステップと、熱媒体の流量目標値を取得する流量取得ステップと、流量取得ステップにより取得された流量目標値と、熱源機から供給される熱媒体の温度と給気の温度との温度差と熱媒体の流量の関係とに基づいて、熱媒体の温度と給気の温度との温度差を取得する温度差取得ステップと、温度取得ステップにより取得された給気の温度に、温度差取得ステップにより設定された温度差を付加することにより熱媒体の温度の目標値を設定する温度設定ステップとを有することを特徴とするものである。
本発明によれば、熱媒体の流量目標値と、熱源機から供給される熱媒体の温度と給気の温度との温度差と熱媒体の流量の関係とに基づいて、熱媒体の温度の目標値を設定することにより、簡単な演算で熱媒体の温度の目標値を設定できるので、その演算に高性能の演算装置を必要としないため、温度設定値制御装置の低コスト化を実現することができる。また、熱媒体の流量が極端に増加することがないので、省エネルギー化を実現することができる。
図1は、本発明に係る空調システムの構成を模式的に示す図である。 図2は、温度設定値制御装置の構成を示すブロック図である。 図3は、温度差と流量との関係を示す図である。 図4は、温度設定値制御装置の動作を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[空調システムの構成]
図1に示すように、本実施の形態に係る空調システムは、冷温水発生機、ヒートポンプ、冷凍機、ボイラー等の冷水および温水の少なくとも一方(以下、「冷温水」と言う。)を生成する熱源機1−1、1−2と、対応する熱源機1−1,1−2の駆動に連動するポンプ2−1,2−2と、往路ヘッダー3と、送水管路4と、ファンコイルユニットや空調機等からなり被制御空間に配設される負荷機器5と、還水管路6と、還路ヘッダー7と、熱源機1−1,1−2からの送水の温度を計測する送水温度計8−1,8−2と、往路ヘッダー3からの送水の温度を計測する往路温度計9と、負荷機器5から供給される給気の温度(以下、「給気温度」と言う。)を計測する給気温度計10と、環水の流量を計測する流量計11と、送水温度を設定する温度設定値制御装置12とを備えている。
このような空調システムにおいて、ポンプ2−1,2−2により圧送された水は、熱源機1−1,1−2に供給され、この熱源機1−1,1−2により熱量が付加されて冷温水(送水)となる。この冷温水は、往路ヘッダー3を経て送水管路4に供給され、負荷機器5に送出される。この負荷機器5では、周辺空気と送水との間で熱交換が行われ、この熱交換が行われた周辺空気が給気として負荷機器5外部に供給される。これにより、負荷機器5が配設された被制御空間の空気調和が図られる。負荷機器5により熱交換が行われた冷温水は、還水管路6により還水としてヘッダー7に至り、再びポンプ2−1,2−2によって圧送され、以上の経路を循環する。
ここで、温度設定値制御装置12は、図2に示すように、温度取得部121と、流量取得部122と、温度差取得部123と、送水温度設定部124とを備えている。
温度取得部121は、給気温度計10により測定された各測定値を取得する。給気温度計10からは、給気温度を取得する。
流量取得部122は、ユーザによる任意の操作入力に基づいて、冷水の流量の目標値を取得する。
温度差取得部123は、ユーザによる任意の操作入力に基づいて、給気温度と、熱源機1−1,1−2により熱量が付加された送水の温度(以下、「送水温度」と言う。)との差(以下、「温度差」と言う。)と冷水の流量との関係を予め取得して記憶する。このような温度差を記憶する理由について、図3を参照して説明する。なお、図3は、熱源機が冷凍機からなる一般的な空調システムにおける給気温度と送水温度の温度差と、冷水の流量との関係を示すグラフである。この図3において、縦軸は冷水の流量、横軸は給気温度と送水温度の差を示している。
熱源機は送水温度を高くするほど効率がよくなり、熱源機の消費エネルギーが減少する。ところが、送水温度を高くすればするほど負荷機器の給気の温度に近づき、負荷流量が増大し、ポンプの搬送動力が増加することが考えられる。図3に示すように、給気温度と送水温度との温度差が小さいと、負荷機器で要求される熱交換の実現に大量の冷水を必要とし、ポンプの搬送動力が増加する。給気温度と送水温度との温度差が大きいと、負荷機器で要求される熱交換の実現に少量の冷水しか必要としない。
このように、熱源機の消費エネルギーは、送水温度が高ければ減少するが、高くしすぎることでポンプの搬送動力を増大させることがある。給気温度と送水温度との温度差と負荷流量の相関を監視することにより、ポンプの搬送動力が過剰に大きくなる温度差を見極めることができるため、ポンプの搬送動力を抑えた給気温度と送水温度との温度差を求めることができ、ぎりぎりまで熱源機の送水温度を上昇させることができる。
そこで、本実施の形態では、図3に示すようなグラフなど、適用される空調システムにおける給気温度と送水温度の温度差と冷水の流量との関係を試運転調整時などに事前に取得し、この関係と冷水の流量の目標値とに基づいて給気温度と送水温度との温度差を設定する。これにより、冷水の流量が極端に増えることがなくなるので、熱源機1−1,1−2およびポンプ2−1,2−2の消費エネルギーが大きくなるのを防ぐことができ、結果として省エネルギー化を実現することができる。
送水温度設定部124は、温度取得部121により取得された給気温度と、温度差取得部123により取得された温度差とに基づいて、送水温度の目標値(冷水の場合は上限値)を設定する。具体的には、給気温度に温度差を付加した値が送水温度の目標値として設定される。この目標値は、熱源機1−1,1−2に送信される。熱源機1−1,1−2は、送水温度が受信した目標値となるように冷温水を生成する。
このような温度設定値制御装置12は、CPU等の演算装置と、メモリ、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶装置と、キーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、タッチパネル等の外部から情報の入力を検出する入力装置と、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信回線を介して各種情報の送受信を行うI/F装置と、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置を備えたコンピュータと、このコンピュータにインストールされたプログラムとから構成される。すなわちハードウェア装置とソフトウェアとが協働することによって、上記のハードウェア資源がプログラムによって制御され、上述した温度取得部121、流量取得部122、温度差取得部123、送水温度設定部124が実現される。なお、上記プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供されるようにしてもよい。
[送水温度の制御方法]
次に、図4を参照して、温度設定値制御装置12による送水温度の制御方法について説明する。なお、以下においては、冷房の場合、すなわち熱源機1−1,1−2から冷水が供給される場合を例に説明する。
まず、温度差取得部123は、ユーザによる操作入力に基づいて、給気温度と送水温度の間に温度差を取得する(ステップS1)。この温度差は、例えば10[℃]など所定の値が設定される。
温度差を取得すると、温度取得部121は、給気温度計10から給気温度を取得する(ステップS2)。取得した給気温度は、送水温度設定部124に送出される。
給気温度を取得すると、送水温度設定部124は、その給気温度に温度差取得部123により設定された温度差を付加した値を送水温度の目標値に設定する(ステップS3)。このように、本実施の形態では、給気温度に温度差を付加するという簡単な演算により送水温度の目標値が設定されるので、従来のように演算のために高性能で高価な演算装置を必要としないため、低コスト化を実現することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、送水温度と給気温度と温度差と冷水の流量との関係とに基づいて、送水温度の目標値を設定することにより、簡単な演算で送水温度の目標値を設定できるので、その演算に高性能の演算装置を必要としないため、温度設定値制御装置の低コスト化を実現することができる。また、熱媒体の流量が極端に増加することがないので、省エネルギー化を実現することができる。
なお、本実施の形態では、負荷機器5を1台のみ設ける場合を例に説明したが、負荷機器5は複数台設けるようにしてもよい。この場合、給気温度は、各負荷機器5の給気温度の平均値を用いるようにしてもよい。また、各負荷機器5の給気温度のうち最小値を用いるようにしてもよい。また、各負荷機器5の給気温度のうち低い方から2番目の値を用いるようにしてもよい。
また、熱源機から供給される熱媒体の温度と給気温度の温度差と熱媒体の流量の関係は、熱量計測値に基づいて適宜変更するようにしてもよい。
また、送水温度には、負荷機器5の制御状態に応じて上限値または下限値を設けるようにしてもよい。例えば、冷房の場合には、上限値を設けることができる。これにより、送水温度が高すぎて冷房としての空気調和ができないという事態を防ぐことができる。
また、本実施の形態において、熱源機制御部125は、往路温度計9により計測された送水温度と給気温度とを比較する場合を例に説明したが、熱源機1−1,1−2からの送水の温度を計測する送水温度計8−1,8−2による送水温度と給気温度とを比較するようにしてもよい。この場合、送水温度計8−1,8−2それぞれの送水温度と給気温度とを比較するようにしてもよい。これにより、熱源機1−1,1−2毎に適切な送水温度を実現することができる。また、送水温度計8−1,8−2による送水温度の平均値と給気温度とを比較するようにしてもよい。これにより、熱源機1−1,1−2全体としての送水温度を適切な値にすることができる。
また、本実施の形態では、負荷機器からの環水を加圧する一次側のポンプ2−1,2−2を備えた空調システムに適用した場合を例に説明したが、さらに熱源機と負荷機器との間に熱源機からの送水を加圧する二次側のポンプを備えた空調システムにも適用できることは言うまでもない。この場合、二次側のポンプは、熱源機の駆動に連動して駆動する。このとき、一次側のポンプも熱源機の駆動に連動して駆動するようにしてもよい。このようにしても省エネルギー化を実現することができる。
本発明は、ポンプを有する空調システムに適用することができる。
1−1,1−2…熱源機、2−1,2−2…ポンプ、3…往路ヘッダー、4…送水管路、5…負荷機器、6…環水管路、7…環路ヘッダー、8−1,8−2…送水温度計、9…往路温度計、10…給気温度計、11…流量計、12…温度設定値制御装置、121…温度取得部、122…流量取得部、123…温度差取得部、124…送水温度設定部。

Claims (3)

  1. 熱媒体に熱を付加する熱源機と、この熱源機から供給される前記熱媒体と周囲の空気との間で熱交換を行い、この熱交換された空気を給気として供給する負荷機器と、前記熱源機と前記負荷機器との間を循環する前記熱媒体に圧力を付加するポンプとを備えた空調システムにおいて、前記熱源機から供給される前記熱媒体の温度設定値制御装置であって、
    前記給気の温度を取得する温度取得部と、
    前記熱媒体の流量目標値を取得する流量取得部と、
    前記流量取得部により取得された流量目標値と、前記熱源機から供給される前記熱媒体の温度と前記給気の温度との温度差と前記熱媒体の流量の関係とに基づいて、前記熱媒体の温度と前記給気の温度との温度差を取得する温度差取得部と、
    前記温度取得部により取得された前記給気の温度に、前記温度差取得部により取得された前記温度差を付加することにより前記熱媒体の温度の目標値を設定する温度設定部と
    を備えることを特徴とする温度設定値制御装置。
  2. 請求項1記載の温度設定値制御装置において、
    前記負荷機器は、複数設けられ、
    前記温度設定部は、複数の前記負荷機器における前記給気の温度に基づいて前記熱媒体の温度を設定する
    ことを特徴とする温度設定値制御装置。
  3. 熱媒体に熱を付加する熱源機と、この熱源機から供給される前記熱媒体と周囲の空気との間で熱交換を行い、この熱交換された空気を給気として供給する負荷機器と、前記熱源機と前記負荷機器との間を循環する前記熱媒体に圧力を付加するポンプとを備えた空調システムにおいて、前記熱源機から供給される前記熱媒体の温度設定値制御方法であって、
    前記給気の温度を取得する温度取得ステップと、
    前記熱媒体の流量目標値を取得する流量取得ステップと、
    前記流量取得ステップにより取得された流量目標値と、前記熱源機から供給される前記熱媒体の温度と前記給気の温度との温度差と前記熱媒体の流量の関係とに基づいて、前記熱媒体の温度と前記給気の温度との温度差を取得する温度差取得ステップと、
    前記温度取得ステップにより取得された前記給気の温度に、前記温度差取得ステップにより設定された前記温度差を付加することにより前記熱媒体の温度の目標値を設定する温度設定ステップと
    を有することを特徴とする温度設定値制御方法。
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