JP5973155B2 - 複合材の製造方法 - Google Patents
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例えば、特許文献1には、シート搬送時に、柄を目標位置に合わせるために、柄の位置をセンサーで測定し、柄の位置と目標位置とを比較し、その差分を、コンベアの送り量やコンベア速度を補正する位置合わせ制御を行うことが記載されている。
しかし、このような場合、通常運転時においても、ファスニングテープの転写不良等が発生すると、ファスニングテープの未検出や誤検出が起こり、位置合わせ制御に異常が生じ、正常な位置合わせ制御の継続が困難となる場合もある。
本発明の複合材の製造方法の一実施態様は、図1及び図2に示すように、ファスニングテープ(センサーによる被検出部位)34が流れ方向に間欠的に配されているサイドパネル連続体(連続体)30を切断して、ファスニングテープ34を所定位置に有するサイドパネル材(複合材)3’を製造するサイドパネル材(複合材)3’の製造方法である。この複合材は、所定の一定した搬送速度で連続体を搬送し連続的に製造されているが、この目的とする所定の速度で製造している状態を定常運転とする。
図3に示す使い捨ておむつ1は、吸収体23を含む吸収性本体2と、該吸収性本体2の両側縁から延出する伸縮性のサイドパネル3,3を備えている。サイドパネル3は、それぞれ、サイドパネル材3’の一端部を、吸収性本体2に固定してなる。おむつ1は、吸収性本体2の長手方向中央線CLに対して左右対称に形成されている。
また、サイドパネル3,3は、それぞれの延出方向(X方向)の先端側に、ファスニングテープ34が設けられている。ファスニングテープ34は、テープ基材34aと、該テープ基材34aに接合されて止着部34bを形成する機械的面ファスナーのオス部材とからなる。おむつ1の腹側部Aの外面には、止着部34bを止着させるランディングゾーン34cが設けられており、おむつ1を装着する際には、止着部34bをランディングゾーン34cに押し付けて止着する。ランディングゾーン34cは、裏面シート22に、機械的面ファスナーのメス部材や係合性に富む不織布を接合して形成されている。なお、止着部34bは、テープ基材34aに粘着剤を塗布して形成した粘着部等であっても良い。
複合材の製造装置10は、図4に示す伸縮性シート(第1部材の帯状原反)の製造装置4、図5に示すファスニングテープ配置装置(第2部材配置装置)5、図1に示すダンサー6、図2に示す連続体の切断装置7、及びそれらの駆動を制御する制御・演算部94を備えている。
ファスニングテープ配置装置5は、カットローラ51、受けローラ52、加圧ローラ53及びそれらを回転駆動させるサーボモータ等の駆動源(不図示)を備えている。また、カットローラ51と受けローラ52との間に、ファスニングテープ連続体34Aを導入する、ベルトコンベア等からなる連続導入手段(不図示)を備えている。ファスニングテープ連続体34Aは、帯状のテープ基材及びその片面に固定された帯状の機械的面ファスナーのオス部材からなる。
ファスニングテープ配置装置5は、ファスニングテープ34における、伸縮性シート3A’に重ねる部位、又は伸縮性シート3A’におけるファスニングテープ34が重なる部位に、接着剤を塗布する塗布装置(不図示)を備えている。
また、図1中、図中65は、平行な2本の従動ローラ及びそれらを支持しつつ鉛直軸周りに回動自在な支持台を備えた蛇行修正器である。また、図1中、ローラ66は、サイドパネル連続体30に接触して従動回転する従動ローラである。ローラ67は、ベルトコンベア73とは、同一駆動であり、両者は同じ周速で回転する。そのため、ローラ67からベルトコンベア73までのシートのテンションが一定に保たれ、センサー91による検査が安定する。
また、カットローラ71、アンビルローラ72との間に、サイドパネル連続体30を、制御された速度で導入するベルトコンベア(複合材連続体の搬送手段)73を備えている。ベルトコンベア(複合材連続体の搬送手段)73は、無端ベルト73b及びそれを回転駆動するサーボモータ73aを備えている。サーボモータ73aは、サーボアンプ73cを介して演算・制御部93に電気的に接続されている。また、ベルトコンベア73はサクションコンベアであり、サイドパネルを吸引しながら搬送することで、シートの位置ずれなどを抑制している。
切断装置7には、ドク及び近接スイッチ(何れも図示せず)が設けられており、切断装置7におけるサイドパネル連続体30の切断周期に合わせて、一周期に一回、演算・制御部94に基準信号P1が入力される(図6参照)。
検出装置9Aによる第2部材(被検出部位)の検出部Gは、ベルトコンベア73とダンサー6との間に設けられ、また、ベルトコンベア73の近傍に設けられている。検出部Gをベルトコンベア73の近傍に設けることで精度が高くなる。
被検出部位の検知装置9Bは、撮像機96と、撮像機96で撮影された画像データを受け取って画像処理を行い、ファスニングテープ34の配置不良を検知する画像処理部97とを備えている。画像処理部97は、演算・制御部94と電気的に接続されている。
演算・制御部94としては、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)や市販のパーソナルコンピュータに各種のインターフェースを付加したもの等を用いることができる。
図7は、第1実施態様における装置10の制御方法を示すフローチャートである。
ダンサー制御S2においては、図8に示すように、ロータリーエンコーダ90から出力されるアーム62の回動角度に関する信号に基づき、ダンサー位置(X)を検出する(ステップ21)。ダンサー位置(X)は、図1に示すように、アーム62が水平となっているときを基準位置(X=0%)とし、ローラ63が最も高い位置にあるときを上限位置(X=+100%)、ローラ63が最も低い位置にあるときを下限位置(−100%)とする。
そして、このダンサー位置(X)に基づき、コンベア73を駆動するサーボモータ73aの回転速度を制御し、連続体30の搬送速度の制御を行う。なお、制御する連続体30の搬送速度は、ダンサー6よりも上流側における連続体の搬送速度(例えば、上流側ローラ64の周速度、以下、上流側搬送速度ともいう)に対する相対速度である。
具体的には、図9(a)のグラフに示すように、上流側搬送速度及びコンベア73の搬送速度S1を共に15m/min程度に設定して装置を起動させた後、両速度を共に15m/minから42m/min程度に引き上げる。
第1実施態様においては、図7に示すように、ダンサー位置Xが、−5%超+5%未満の範囲に収まったか否かを判定(ステップS3)した後に、コンベア73の搬送速度S1が、42m/minに達したか否かを判定し(ステップS4)、−5%超+5%未満の範囲に収まり且つ目的速度に達したときに、ダンサー制御S2を停止し(ステップS5)、後述する位置合わせ制御(ステップS6)を行う定常運転に切り替える。図9(a)及び図9(b)にも、ダンサー制御から位置合わせ制御に切り替えるポイントを示す。
ダンサー位置Xを、アーム62が略水平になる0%に近い範囲に導く理由は、搬送中のシートテンションを一定に保ち、始動時や原反が変った時による誤動作を防ぐ為である。
位置合わせ制御S6においては、検出装置9A及び演算・制御部94により、図6及び図10に示すように、搬送中のファスニングテープ34が検出され(ステップS61)、演算・制御部94内において、カッター位相中のファスニングテープの位置Yが算出され(ステップS62)、該位置Yと、ファスニングテープを配置すべきカッター位相の目標値Y1とのズレ量D(D=Y−Y1)が算出される(ステップS64)。そして、ズレ量の分だけ、コンベア73の速度が増減されて、ファスニングテープの位置の補正が行われる。即ち、ファスニングテープの位置が目標値に対して遅れている場合は、コンベアの速度を速める操作をし、進んでいる場合は、コンベアの速度を遅くする操作する。
そして、このような位置合わせ制御をファスニングテープの位置とその目標値のズレがなくなるまで繰り返す。
図10中のステップ69,70においては、ズレ量Dの移動平均の値からズレている方向に対して、速度補正をかけることで、ズレ量Dを安定化させている。
ダンサー6の位置Xが、予め設定した許容範囲を逸脱しない間は、位置合わせ制御S6を繰り返し行いつつ定常運転を継続し、演算・制御部94に運転停止指令が入力されたとき(ステップS8)、あるいはダンサー6の位置Xに異常が発生したとき(例えば何らかのトラブルでダンサー位置が上限位置又は下限位置に達したとき等)に運転を停止する(ステップS9)。
即ち、装置10の始動時など、シートテンションが不安定な時に、定常運転中に行ったような位置合わせ制御を行うと、シートの蛇行や弛んだ時に、ファスニングテープ(被検出部位)の誤検出が発生し、位置合わせ制御が正常に行なわれずに、ダンサーが上限位置又は下限位置に振り切れてしまうことにより、シートがロールに巻き付いたり、シートが切れたりするといったトラブルが発生する可能性がある。
位置合わせ制御を行う定常運転の前に、ダンサーの位置に基づくダンサー制御を行いつつ搬送速度まで増加させる起動時運転を行うことで、位置合わせ制御を安定して行うことができ、上記のようなトラブルの発生を防止して、ファスニングテープ(被検出部位)を所定位置に有するサイドパネル材(複合材)を安定して製造することができる。
ファスニングテープ34の配置不良には、帯状の伸縮性シート3A’上の所要箇所にファスニングテープが存在していない場合や、ファスニングテープ45の一部が意図しない折れ方に折れた状態で固定されている場合等が挙げられる。
ファスニングテープ34の配置不良(形成不良)を検知するには、例えば、撮像機で撮像した画像を分析し、ファスニングテープの中央部や角部等の本来、ファスニングテープが存在すべき部位にファスニングテープが存在しないことを検知する。このような配置不良は、検知装置9B、又は検知装置9B及び演算・制御部94により検出される。
そして、そのようなファスニングテープ34の配置不良を検知したときには、演算・制御部94からの指令により、その配置不良箇所が、検出装置9Aによるファスニングテープ34の検出部Gを通過する際(通過している間)、ファスニングテープ34の検出及びそれに基づく前記の位置合わせ制御を中断する。
なお、ファスニングテープ34の配置不良(被検出部位の形成不良)が発生した配置不良箇所は、サイドパネル材の製造工程又はそのサイドパネル材を用いたおむつ等の製造工程における適宜の時点でライン外に排出する。製造した複数のおむつを包装袋に圧縮して充填する包装工程等において、配置不良のファスニングテープ34を備えたおむつをライン外に排除しても良い。
サイドパネル材3’のおむつ1への固定は、表面シート21及び立体ガード形成用シート24の複合材の連続体に対して固定した後に、吸収体23や裏面シート22を合流させて行っても良いし、吸収体23を含む吸収性本体連続体に対して行っても良い。おむつ1のY方向は、サイドパネル材製造時の流れ方向(MD)と一致している。
表面シート21及び裏面シート22としては、当該技術分野において従来用いられている各種のものを用いることができる。表面シート21としては、不織布や開孔フィルム等の各種液透過性のシート材を用いることができる。裏面シート22としては、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等の各種液不透過性ないし撥水性のものを用いることができる。吸収体23としては、パルプ繊維等の繊維集合体若しくは不織布又はこれらに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを用いることができ、該吸収性コアを透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したものを用いることもできる。立体ガードを構成する立体ガード形成用シート24としては、伸縮性のフィルム、不織布、織物又はそれらの積層シート等を用いることができる。
例えば、上述した実施形態においては、定常運転時に、検出装置9Aによるファスニングテープ34の検出部Gより上流に配した検知装置9Bを用いて、ファスニングテープ34の配置不良を検知し、配置不良を検知した場合には、位置合わせ制御を中断したが、そのような検知装置9Bによるファスニングテープ34の配置不良(被検出部位の形成不良)の検知や、それに基づく位置合わせ制御の中断等は行わなくても良い。
また、本発明の複合材は、本体の両側部にウイング形成材を固定してウイング付き吸収性物品を製造するのに用いるウイング形成材であっても良い。例えば、ウイングに対応する形状の凸部を長手方向の一側部に間欠的に有するウイング形成材の帯状原反を切断してウイング形成材を製造するに当たり、ウイング形成材の帯状原反の個々の凸部を、本発明の被検出部位としても良い。一枚のシート材の一部が延在して被検出部位となっている部材も、本願発明においては複合材とする。
2 吸収性本体
3’ サイドパネル材(複合材)
30 サイドパネル連続体(連続体)
34 ファスニングテープ(第2部材、被検出部位)
3A’ 帯状の伸縮性シート
4 伸縮性シート製造装置
5 ファスニングテープ配置装置(第2部材配置装置)
6 ダンサー
7 切断装置
71 カットローラ
72 アンビルローラ
73 ベルトコンベア
9A 検出装置
9B 検知装置
10 サイドパネル材(複合材)の製造装置
90 ロータリーエンコーダ
Claims (4)
- 被検出部位が搬送方向に間欠的に配されている連続体を、該連続体を搬送する搬送機構の下流側に位置するダンサーに接触させた後、該ダンサーの下流側に位置するベルトコンベアで切断装置に導入し、該切断装置で該連続体を切断して、前記被検出部位を所定位置に有する複合材を製造する複合材の製造方法であって、
前記連続体の搬送中に前記被検出部位を検出し、該連続体の切断位置と被検出部位の位置とが所定の関係を満たすように、位置合わせの制御を行いながら複合材を製造する定常運転の前に、前記ベルトコンベアで前記連続体を前記切断装置に導入する速度を、該連続体に接触させた前記ダンサーの位置に基づき制御しつつ、該連続体の搬送速度を目的の搬送速度まで増加させる起動時運転を行う、複合材の製造方法。 - 前記定常運転中に、被検出部位の検出部より上流に配した検知装置を用いて被検出部位の形成不良を検知し、その形成不良箇所が被検出部位の検出部を通過する際に、被検出部位の検出又はそれに基づく前記の位置合わせ制御を中断する、請求項1記載の複合材の製造方法。
- 前記連続体は、第1部材の帯状原反に第2部材が間欠的に固定されている連続体であり、第2部材が前記被検出部位である、請求項1又は2に記載の複合材の製造方法。
- 第2部材がファスニングテープであり、製造する複合材が、使い捨ておむつのサイドパネルを形成するためのサイドパネル材である、請求項3に記載の複合材の製造方法。
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