JP5972823B2 - 冷間鍛造用鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)A3点以上に加熱保持後急速冷却を行う。
(2)A3点+(5〜30)℃の温度範囲に再加熱保持する。
(3)A1点−(5〜30)℃の温度範囲で保持する。
(4)(A1点+5)〜(A3点+30)℃の温度範囲で保持する。
(5)A1点−(5〜30)℃の温度範囲で保持する。
(1)第1加熱保持
A1点−30℃以上、A1点+5℃未満の温度域における滞在時間:150分間以上
(2)第2加熱保持
加熱速度(A1点+5℃〜A1点+15℃間の平均):12℃/時間以上
A1点+15℃〜A1点+60℃の温度域における滞在時間:10〜300分間
(3)第1冷却
冷却速度(A1点+15℃〜A1点+5℃間の平均):10℃/時間以上
(4)第2冷却
冷却速度(A1点〜A1点−30℃間の平均):10℃/時間未満
(1)Cu:0.25%以下(0%を含まない)、Ni:3%以下(0%を含まない)、Mo:1%以下(0%を含まない)およびB:0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種の元素や、
(2)Ti:0.2%以下(0%を含まない)、Nb:0.2%以下(0%を含まない)およびV:0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種の元素、
を含んでもよい。
本発明法は、Cを0.3%超、0.6%以下の範囲で含有している亜共析鋼を対象としており、C以外の元素としては、Siを0.005〜0.5%、Mnを0.1〜1.5%、Crを1.8%以下(0%を含まない)、Alを0.01〜0.1%、Pを0.03%以下(0%を含まない)、Sを0.03%以下(0%を含まない)、Nを0.015%以下(0%を含まない)含有する鋼材を対象としている。
本発明の製造方法で採用する球状化焼鈍法は、熱間圧延後のA1点からA1点−40℃の温度域における冷却速度を制御する点と、その後、2段階に分けて熱処理(第1加熱保持、第2加熱保持)を行う点と、熱処理後、冷却するにあたり、2つの温度域における冷却条件(第1冷却、第2冷却)を適切に制御している点に特徴がある。以下、熱処理パターンに沿って順に説明する。なお、本明細書において、A1点の温度は、レスリー鉄鋼材料学(丸善)の第273頁に記載の下記式(1)で算出されるAc1点である。下記式(1)において、[ ]は、各元素の含有量(質量%)を示しており、含有しない元素は、0質量%として計算すればよい。
Ac1点=723+29.1×[Si]−10.7×[Mn]+16.9×[Cr]−16.9×[Ni]+290×[As]+6.38×[W] ・・・(1)
熱間圧延後は、A1点からA1点−40℃の温度域を平均冷却速度1℃/秒以下で徐冷する。この温度域を徐冷することによりCやその他の合金元素の析出を促進できるため、炭化物を多く生成させることができ、後述する第1加熱保持で炭化物を粗大化させることができる。また、この温度域を徐冷することにより球状化焼鈍後におけるフェライト粒径を大きくすることができ、球状化焼鈍後の鋼材の硬さを低下させ、一層軟質化できる。しかし上記平均冷却速度が1℃/秒を超えると、炭化物が微細に分散するため、その後の熱処理で炭化物の粗大化が不十分となり、鋼材が硬くなって冷間鍛造性が悪くなる。従って上記平均冷却速度は1℃/秒以下とし、好ましくは0.8℃/秒以下、より好ましくは0.5℃/秒以下とする。
少なくとも600℃以下まで冷却した後は、A1点−30℃以上、A1点+5℃未満の温度域に加熱し、第1加熱保持を行う。第1加熱保持では、上記成分組成を満足する鋼材を、A1点−30℃以上、A1点+5℃未満の温度域で150分間以上滞在させる。この温度域で150分間以上滞在させることによって、上記熱間圧延後の冷却時に鋼材中に生成させた炭化物を成長、粗大化させることができる。その結果、後述するA1点+15℃〜A1点+60℃の温度域(第2加熱保持)で滞在させることによって、炭化物を未固溶炭化物として安定的に確保でき、更にA1点〜A1点−30℃間(第2冷却)を適切な条件で冷却することによって、球状化組織を得ることができる。即ち、C含有量が0.3%超、0.6%以下の亜共析鋼の場合、A1点より高い温度域で加熱すると、未固溶炭化物が消失し易く、逆に、加熱温度がA1点より低い場合(例えば、A1点−50℃以下)には圧延材組織中にラメラ−パーライトが残存し、鋼材の硬さが低くなったり、棒状炭化物の生成を抑制できない。
第1加熱保持の後は、引き続いて第2加熱保持を行う。第2加熱保持では、A1点+5℃〜A1点+15℃間を平均加熱速度12℃/時間以上で加熱したうえで、A1点+15℃〜A1点+60℃の温度域における滞在時間を10〜300分間とする。
第2加熱保持した後は、冷却するが、本発明では、第1冷却として、A1点+15℃〜A1点+5℃間を平均冷却速度10℃/時間以上で冷却し、第2冷却として、A1点〜A1点−30℃間を平均冷却速度10℃/時間未満で冷却する必要がある。
本発明の鋼材を製造するに当たり、熱間圧延までの工程は特に限定されず、例えば、通常の鋼材の製造方法に従えばよい。例えば、所定の成分に調整した鋼材を鋳造し、必要に応じて分塊圧延することができる。
上記のようにして球状化焼鈍された鋼材は、冷間鍛造性に優れているため、簡便に所定の形状に成形できる。この成形体は、焼入れ焼戻し処理などの最終的な強度調整を行い、鋼部品となる。本発明は、軸受けなどの自動車用部品、建設機械用部品等の各種部品を製造するのに極めて有用である。
硬さの合格基準値(HV)=[鋼材に含まれる炭素量(質量%)]×84.6+112.6 ・・・(2)
Claims (3)
- C :0.3%(質量%の意味。以下同じ。)超、0.6%以下、
Si:0.005〜0.5%、
Mn:0.1〜1.5%、
Cr:1.8%以下(0%を含まない)、
Al:0.01〜0.1%、
P :0.03%以下(0%を含まない)、
S :0.03%以下(0%を含まない)および
N :0.015%以下(0%を含まない)を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなる鋼材を熱間圧延し、A1点からA1点−40℃の温度域における平均冷却速度は1℃/秒以下として少なくとも600℃以下まで冷却した後、下記の第1加熱保持、第2加熱保持、第1冷却、第2冷却の順に処理することで鋼材中の炭化物を球状化する冷間鍛造用鋼の製造方法。
(1)第1加熱保持
A1点−30℃以上、A1点+5℃未満の温度域における滞在時間:150分間以上
(2)第2加熱保持
加熱速度(A1点+5℃〜A1点+15℃間の平均):12℃/時間以上
A1点+15℃〜A1点+60℃の温度域における滞在時間:10〜300分間
(3)第1冷却
冷却速度(A1点+15℃〜A1点+5℃間の平均):10℃/時間以上
(4)第2冷却
冷却速度(A1点〜A1点−30℃間の平均):10℃/時間未満 - 前記鋼材が更に、
Cu:0.25%以下(0%を含まない)、
Ni:3%以下(0%を含まない)、
Mo:1%以下(0%を含まない)および
B :0.01%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1に記載の製造方法。 - 前記鋼材が更に、
Ti:0.2%以下(0%を含まない)、
Nb:0.2%以下(0%を含まない)および
V :0.5%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1または2に記載の製造方法。
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