JP5966881B2 - 自動車の脚払い構造 - Google Patents
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Description
つまり、上述のロアスティフナには適度な高剛性化と低剛性という相反する要求があり、これらの要求を満たすようにロアスティフナを構成することは困難であった。
このような問題点を解決するために既に特許文献1に開示された自動車の脚払い構造が発明されている。
上述のバンパ部材は、バンパレインフォースメントに設定してもよく、バンパレインフォースメントとクラッシュカンとの組合せ構成に設定してもよい。
また、上述の支持部材は、シュラウドサポートに設定してもよい。
また、歩行者との接触衝突時には、上記補強部(傾斜リブ)が歩行者脚払い時の荷重を弱部の車幅方向に広い範囲で分散することができ、弱部の折れを抑制して脚払い反力の低下を防止することができる。
要するに、脚払い時には、脚払い反力の低下を防止し、軽衝突時には支持部材のダメージ低減を図ることができる。
すなわち、補強部が弱部から離間せず、補強部が弱部に接していると、剛性や断面形状が急激に変化して、応力が集中して当該弱部が折れやすくなるが、補強部を弱部から離間させたので、応力の集中を防止することができ、脚払い反力確保のための補強部の剛性をより一層高めることができると共に、支持部材ダメージ低減のための弱部の剛性をより一層低下させることができる。
上述の溝部は、V字溝に設定してもよい。
図面は自動車の脚払い構造を示し、図1は当該脚払い構造を示す斜視図、図2は図1から緩衝部材、バンパレインフォースメント、フロントサイドフレームを取外した状態で示す要部の斜視図である。
図1において、エンジンルームの車幅方向両サイドを車両の前後方向に延びる左右一対のフロントサイドフレーム1,1を設けている。このフロントサイドフレーム1は、フロントサイドフレームインナとフロントサイドアウタとを接合固定して、車両の前後方向に延びる閉断面を有する車体強度部材である。
上述のフロントサイドフレーム1の前端には、クロージングプレート2およびメインクラッシュカン側のベースプレート3を介してメインクラッシュカン4を取付けている。
上述のバンパレインフォースメント5におけるバンパレインフロントパネル6の前面には、該バンパレインフロントパネル6に沿って、車幅方向に延びる緩衝部材としてのEA部材9を取付けている。このEA部材9は歩行者の膝荷重を受け止めるものである。図1,図10に示すように、該EA部材9におけるメインクラッシュカン4対応部位よりも若干車幅方向内側には、取付け穴9a,9aを形成し、左右一対の取付け穴9a,9aにてクリップ等の取付け部材10を用いて当該EA部材9をバンパレインフロントパネル6に取付けたものである。
このサブフレーム11は、車幅方向に延びるセンタクロスメンバ12と、このセンタクロスメンバ12の左右両側部からフロントサイドフレーム1の下方部において車両の前後方向に延びるフロントサイドメンバ13,13と、左右のフロントサイドメンバ13,13の前部相互間を車幅方向に連結するフロントクロスメンバ14と、上述のセンタクロスメンバ12の左右両側部から車両の前後方向に延びるリヤサイドメンバ(図示せず)と、左右のリヤサイドメンバ間を車幅方向に連結するリヤクロスメンバ(図示せず)と、を備えている。
また、図1に示すように、フロントサイドメンバ13の後部には、該フロントサイドメンバ13から上方に立上がるタワー部17(車体取付け部材)を設け、このタワー部17の上端部を図示しないマウント部材にて、フロントサイドフレーム1の下面部に連結している。
図3は図2の正面図、図4は図3の右側面図、図5は図3の底面図である。
図6において、25はバンパフェース、26はバンパフェース25の車幅方向中間に位置するアッパガーニッシュ、27はグリル、28はセンタメンバ、29はガーニッシュ、30は導風口、31はアンダカバーである。
要するに、この実施例の自動車の脚払い構造は、車幅方向に延びて車体前部に支持されると共に、第1の荷重(フロントサイドフレーム1の耐力)以下の前突荷重(つまり軽衝突荷重)から車体を保護するバンパ部材であるバンパレインフォースメント5と、当該バンパレインフォースメント5よりも後方で車幅方向に延びると共に、上記第1の荷重よりも低い第2の荷重(シュラウドサポート21に求められる荷重)まで耐えられる車体側の支持部材としてのシュラウドサポート21と、このシュラウドサポート21の左右端部に支持されるよう、車幅方向に延設され、かつ、上記バンパレインフォースメント5よりも下方から前方に延設されると共に、上記第2の荷重よりも低い第3の荷重(脚払い反力)で変形する脚払い部材としての合成樹脂製のロアスティフナ40とを備えた構成を、前提構造とするものである。
また、上述のロアスティフナ40は、側部40Sの前側の縁部から前方に前方凸部40F,40Fが一体に延設されると共に、側部40Sの後側の縁部から後方に後方凸部40R,40Rが一体に延設されており、該後方凸部40R,40Rと嵌合するように上述のシュラウドサポート21のシュラウドロア21Lにおける前面側部には凹部21aが形成されている。
また、上述のロアスティフナ40は、図2に示すフラット形状(平滑面形状)の上面部40a,40bと、この上面部40aの左右両側端から下方に延びる左右の側片40d,40dと、上面部40aの前端から下方に延びる前片40e(但し、この前片40eは各部40C,40S,40Eの前端から下方に延びる車幅方向全体の垂下片を意味する)と、上面部40a,40bの後端から下方に延びる後片40f(但し、この後片40fは各部40C,40S,40Eの後端から下方に延びる車幅方向全体の垂下片を意味する)と、を備えている。
また、図5に底面図で示すように、ロアスティフナ40の下面側には車両前後方向に延びると共に、車幅方向に並ぶ複数の前後リブ44を一体形成すると共に、上述のV字溝43と上下方向で一致するロアスティフナ40下面側には中央部40Cから左右の側部40S,40Sの車幅方向端部まで車幅方向に延びる横リブ45を一体形成している。
上述の傾斜リブ46は左側の側部40Sの左端近傍から右側の側部40Sの右端近傍までの車幅方向の範囲内において形成されており、該傾斜リブ46は、隣り合う前後リブ44を連結し、上述のV字溝43の前方において該V字溝43に対し車両前後方向に傾斜して形成されており、かつ、V字溝43に対して前方に凸に湾曲、または逆V字状のアーチ形状に形成されており、複数のアーチ状部が左右に連続して、V字溝43の前方全域に車幅方向にジグザグ形状に延設されたものである。
また、図5に示すように、前方頂部46Aの直後部には、箱形のアンダカバー取付け部47を設けると共に、この箱形のアンダカバー取付け部47のコーナ部2辺を切欠いて脆弱化するように水抜き孔48を形成し、ロアスティフナ40の剛性、生産性、機能性を確保するように構成している。
つまり、合計4つのアンダカバー取付け部47…のうち、車幅方向中央側に位置するアンダカバー取付け部47,47間と対応する位置には、上記追加横リブ49を設けないように構成している。
つまり、ロアスティフナ40の車幅方向中央側は、車両デザインの関係上、クラッシュ時に変形残り代が大きいので、上面側にリブ50を設けて、剛性を高め、軽量高剛性化を図りつつ、通常時(非衝突時)の上下振動を防止すべく構成したものである。
さらに、図5に示すように、サブクラッシュカン20の前端と、ロアスティフナ40における延長端部40Eの後片40fとの間には隙間Gが設けられており、組付け性と、走行時の両者40E,20の干渉防止との両立を図るように構成している。
通常時、ロアスティフナ40前端は図7〜図11に示すように、バンパレインフォースメント5よりも車両前方に位置しており、車両デザインの関係上、バンパレインフォースメント5はその車幅方向中央が車幅方向両サイドと比較して前方へ湾曲状に突出している。このため、軽衝突時におけるロアスティフナ40の変形後の前後長は、ロアスティフナ中央部に対し、ロアスティフナ側部の方が短くなり、伝達荷重が高まりやすいのが一般的である。
なお、図8,図9,図10において、51はアッパガーニッシュ26およびグリル27と、シュラウドサポート21のシュラウドアッパ21Uとを連結するシュラウドアッパパネルである。また、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示す。
また、歩行者との接触衝突時には、上記補強部(傾斜リブ46参照)が歩行者脚払い時の荷重を弱部(V字溝43参照)の車幅方向に広い範囲で分散することができ、弱部(V字溝43)の折れを抑制して脚払い反力の低下を防止することができる。
要するに、脚払い時には、脚払い反力の低下を防止し、軽衝突時には支持部材(シュラウドサポート21参照)のダメージ低減を図ることができる。
また、上記補強部(傾斜リブ46参照)は、上記弱部(V字溝43参照)よりも前方に離間しているものである(図1,図5参照)。
すなわち、補強部が弱部から離間せず、補強部が弱部に接していると、剛性や断面形状が急激に変化して、応力が集中して当該弱部が折れやすくなるが、補強部(傾斜リブ46)を弱部(V字溝43)から離間させたので、応力の集中を防止することができ、脚払い反力確保のための補強部(傾斜リブ46)の剛性をより一層高めることができると共に、支持部材(シュラウドサポート21)ダメージ低減のための弱部(V字溝43)の剛性をより一層低下させることができる。
さらに、上記ロアスティフナ40は、車幅方向に並ぶ複数の前後リブ44を有すると共に、上記補強部(傾斜リブ46)は、隣り合う前後リブ44,44を連結し、上記弱部(V字溝43)に対し車両前後方向に傾斜して形成された傾斜リブ46で構成されたものである(図5参照)。
さらにまた、上記傾斜リブ46は弱部(V字溝43)に対して前方に凸状に湾曲、または逆V字状のアーチ形状に形成されたものである(図5参照)。
加えて、上記傾斜リブ46は、複数のアーチ状部が連続して、弱部(V字溝43参照)の前方全域に車幅方向にジグザグ形状に延設されたものである(図5参照)。
また、上記弱部(V字溝43)は、上記ロアスティフナ40の上面に形成された溝部で構成され、上記ロアスティフナ40の下面側に複数の前後リブ44が形成されたものである(図1,図5参照)。
この発明のバンパ部材は、実施例のバンパレインフォースメント5に対応し、
以下同様に、
支持部材は、シュラウドサポート21に対応し、
弱部は、V字溝43に対応し、
補強部は、傾斜リブ46に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
上記実施例においては、支持部材としてのシュラウドサポート21を、ブラケット24を介してバンパレインフォースメント5に連結したが、この構成に限定されるものではなく、シュラウドサポート21をフロントサイドフレーム1等の車体側部材に連結してもよいことは勿論である。
また、支持部材はシュラウドサポートに限らず、左右フロントサイドフレーム1の前部間に架け渡されたクロスメンバであってもよい。
21…シュラウドサポート(支持部材)
40…ロアスティフナ
43…V字溝(弱部)
44…前後リブ
45…横リブ
46…傾斜リブ(補強部)
46A…前方頂部
46B…後方頂部
Claims (4)
- バンパ部材よりも下方位置で前方に延設されたロアスティフナを備えた自動車の脚払い構造であって、
上記ロアスティフナがバンパ部材よりも後方の支持部材に支持され、
該ロアスティフナには、軽衝突時に前後方向の折れ起点となる弱部が車幅方向に延設され、
該弱部よりも前方に離間して、車幅方向に延びる補強部が延設形成されており、
該補強部は、上記弱部に対し車両前後方向に傾斜して形成された傾斜リブで構成されており、
該傾斜リブの前後方向に延び、かつ車幅方向に並ぶ複数の前後リブを設け、
上記傾斜リブで隣り合う上記前後リブを連結すると共に、
上記傾斜リブが前方頂部と後方頂部とを有し、
前方頂部周辺に上記前後リブが設けられ、
上記後方頂部周辺は上記前方頂部周辺に対して上記前後リブの配置数が多くされており、
上記弱部と上下方向で一致するロアスティフナ下面側には、車幅方向に延びる横リブを一体形成しており、
該横リブよりも後側の部分は、当該横リブよりも前側の部分に対して上記前後リブの配置数が相対的に少ないことを特徴とする
自動車の脚払い構造。 - 上記傾斜リブは弱部に対して前方に凸状に湾曲、または逆V字状のアーチ形状に形成された
請求項1に記載の自動車の脚払い構造。 - 上記傾斜リブは、複数のアーチ状部が連続して、弱部の前方全域に車幅方向にジグザグ形状に延設された
請求項2記載の自動車の脚払い構造。 - 上記弱部は、上記ロアスティフナの上面に形成された溝部で構成され、
上記ロアスティフナの下面側に複数の前後リブが形成された
請求項1〜3の何れか一項に記載の自動車の脚払い構造。
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